JP2004239654A - 超音波映像検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水槽の底部等で高分子膜を試料に押し付けて超音波検査測定を行うとき、押し付け圧力を高め、高分子膜と試料の密着性を高めて測定精度を向上し、実用性を高める。
【解決手段】探傷器回路22で作られた電気信号を超音波探触子15で超音波に変換し、超音波を水16を介して試料23に入射させ、試料内部から戻る超音波反射エコーを超音波探触子で電気信号に変換し試料内部を映像化する超音波映像検査装置である。水16を収容する水槽13の一部に、液体媒質37を2枚の高分子膜32,33で封じて成る超音波伝播器31を備え、水槽13の外側に配置される試料23の測定面に超音波伝播器31で外側に位置する高分子膜32を押し付けて測定を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波映像検査装置に関し、特に、電子部品等の精密な試料を媒質中に入れることなく測定を行い、試料に対する媒質によるダメージを少なくし、生産ラインで流れる大量の製品検査に適した超音波映像検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
材料欠陥を検出し評価する非接触式の検査装置として超音波映像検査装置が知られている。超音波映像検査装置は、一般的に、水槽に溜めた水(液体媒質)の中に試料を置き、超音波探触子から出射される超音波を水を介して試料の中に入射させ、試料内部からの超音波反射エコーを超音波探触子で受信し、電気信号に変換し、その後受信した電気信号を信号処理するように構成されている。以上の構成で、超音波探触子は3軸スキャナに支持され、試料の測定表面を走査できるように設けられている。試料内部からの超音波反射エコーに係る電気信号は探傷器回路に入力され、上記信号処理が行われる。コンピュータから成る制御装置は3軸スキャナと探傷器回路のそれぞれの動作を制御し、試料の測定表面の各測定点で得られた信号に基づいて探傷映像を作成し、表示装置に表示する。上記超音波映像検査装置では主に1MHz以上の超音波が用いられる。1MHz以上の超音波は空気中では減衰が大きく伝播しにくい。そのため試料は媒質の入った水槽中に保持されて超音波探傷をされる。媒質としては一般的に水が使用される。
【0003】
一方、半導体パッケージ等の電子部品は、内部の接着剥離や、封止樹脂中の気泡が不良の原因となるので、超音波映像検査装置による検査の対象となる。かかる電子部品は、一般に水に濡れると機能が劣化するものが多く、一度測定したものを正常品として扱うことができないという問題点が生じる。また表面実装電子基板等では、ハンダリフロー時の熱など実装工程における不良の発生が予想され、実装後基板のままで検査することが重要である。しかし、検査のために基板のまま媒質中に入れることは、他の部品にも多くのダメージを与える。そのため媒質のダメージを受けないように検査が行えることが望まれる。
【0004】
そこで、近年、電子部品である試料が液体媒質の影響を受けない検査の仕方として下記の2例の検査方法が提案されている。
【0005】
第1の例は、下記の第1の文献(非特許文献1)に開示された検査方法である。この文献による音響映像法は、超音波映像検査装置や超音波顕微鏡を含む映像方法である。上記文献に開示されている音響影像法では、試料(未焼結セラミックス)の上方にポリエチレン袋を配置し、ポリエチレン袋に水を溜め、ポリエチレン袋と試料の間において試料に粘着テープを貼りかつ当該粘着テープの上にゲル剤を設けて、ポリエチレン袋と試料を密着させている。超音波探触子はポリエチレン袋内の水の中に配置されている。試料としての未焼結セラミックスは水に接触させるとその吸水性によって変質してしまうので、上記の装置構成によれば試料と水が接触するのを防止している。
【0006】
第2の例は、下記の第2の文献(非特許文献2)に開示された検査方法である。この検査方法においても、その図1に示されるように、超音波を伝播させる水が入った水槽の中に超音波探触子を配置させ、当該水槽の底部に開口部を形成して膜を設け、水槽の外にある試料に対して膜を接触させて超音波探傷の検査を行うように構成している。さらに膜が試料に接触させた状態において、水槽と試料の間に形成した気密空間を排気して減圧する真空排気機構を設け、膜と試料との密着性を高めるようにしている。使用する膜についてはプラスチック膜やゴム膜等の各種材質の膜が試されている。
【0007】
【非特許文献1】
山中一司等、「材料評価のための新しい音響映像法」、日本非破壊検査協会、007特別研究委員会、1990年4月19日発表
【非特許文献2】
Yamaguchi,「A Dry−Contact Method for Transmitting Higher Frequency Components of Ultrasound」,Proc. Int. Conf. on Mechatronics and Information Technology 2001,(2001), 272−277)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
電子部品と媒質の接触を避ける目的で試料にゲル剤を塗ってポリエチレンの水袋を当てるという上記第1例に係る検査方法では、ポリエチレン袋に皺が発生し、ポリエチレン袋と試料の間の隙間に空気層が生じるおそれがある。皺が原因で試料と膜の間に空気層が生じると、超音波は空気層で全反射し試料内部には伝わらないので、試料内部の超音波映像が得られない。そのため、隙間を埋めるようにゲル剤を多く塗布しておいたり、試料にポリエチレンの水袋を当てた後、水袋側から押し付けるなど、試料との間で均一な密着性を持たせる必要がある。しかし、押し付け圧力が低く、圧力が不安定になり、そのため画像ムラや気泡による画像欠損が発生しやすい。
【0009】
さらに上記の従来の検査方法によれば、押し付けを行う際、水位が大きく変動する。これにより漏水のおそれが生じ、さらには膜と試料の脱着の高速化を阻害する。
【0010】
プラスチック膜やゴム膜等の膜を底部に備えた水槽を利用し、水槽の底部における下方へ膨出した高分子膜を試料の測定表面に押しつけるというドライ接触式の第2例に係る検査方法では、試料表面の微細凹凸に起因して所要の密着性を得ることができない場合があるので、膜と試料表面の接触部の空間を気密空間に形成してその内部を真空排気装置で排気するようにしている。このため、構成が複雑になり、装置コストが高くなる。また試料が多数の電子部品を搭載した電子回路基板であり、電子回路基板上の各電子部品を検査する場合には、各測定箇所で上記の気密空間および真空排気に関する構成を設けることが困難であり、さらに膜と試料の位置を変化させ、膜との間で押付け接触の関係が形成される試料の測定箇所を迅速に変えていくには、不都合な構成であり、実用性の高い超音波映像検査装置とはなっていない。
【0011】
本発明の目的は、上記課題を解決するもので、媒質を収容した容器の底部に高分子膜等を備え、高分子膜等を試料に押し付けて検査測定を行うとき、膜と試料の密着性を高めて測定精度を向上し、実用性を高めると共に、液体媒質を嫌う試料でも容易に精度よく検査することができる超音波映像検査装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る超音波映像検査装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0013】
第1の超音波映像検査装置(請求項1に対応)は、探傷器回路で作られた電気信号を超音波探触子で超音波に変換し、超音波を液体媒質を介して試料に入射させ、試料の内部から戻る超音波反射エコーを超音波探触子で電気信号に変換して、試料の内部を映像化する装置であり、液体媒質(水等)を収容する容器(水槽等)の一部に、液体媒質を複数の高分子膜で封じて成る超音波伝播器を備え、容器の外側に配置される試料の測定面に超音波伝播器で外側に位置する高分子膜を押し付けて測定を行うように構成される。
【0014】
上記の超音波映像検査装置では、超音波を伝播させる液体媒質である水を収容する水槽の例えば底部に、例えば内側および外側に位置する2枚の高分子膜を有しかつこれらの高分子膜によって液体媒質が封じ込められた構造を有する超音波伝播器が取り付けられる。超音波伝播器で外側に位置する高分子膜を試料に押し付けた状態で超音波プローブから試料へ超音波を入射させるようにする。試料は水槽の外側が置かれるので、試料は水によるダメージを避けることができる。また、水槽の液体媒質と超音波伝播器に封じ込められた液体媒質とで試料への押し付け圧力が与えられること、および超音波伝播器での内側に位置する高分子膜の抵抗を受けることに基づき、試料への押し付け圧力が高くなリ、膜の密着性を高めることが可能となる。これにより、試料へのダメージ抑制を維持しつつ測定性能を高くすることが可能となる。
【0015】
第2の超音波映像検査装置(請求項2に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、超音波伝播器の複数の高分子膜について、内側に位置する高分子膜の変形率は外側に位置する高分子膜の変形率より小さいことで特徴づけられる。この構成によって、内側の高分子膜の変形による抵抗を高くし、試料への押し付け圧力を高めることができる。
【0016】
第3の超音波映像検査装置(請求項3に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、超音波伝播器は内部に封じられた液体媒質の量を変化させる給排機構を備え、前音波伝播器の内部の液体媒質の量を可変にして押し付け圧力を変化させるように構成される。この構成によれば、試料に応じて試料への膜の押し付け圧力を調整することができ、測定の上で最適な押し付け圧力を設定することが可能である。
【0017】
第4の超音波映像検査装置(請求項4に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、超音波伝播器で内側に位置する高分子膜の代わりに板材を用いるように構成される。板材としては例えばアクリル板が用いられる。
【0018】
第5の超音波映像検査装置(請求項5に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、超音波伝播器の試料に押し付けられる高分子膜の表面にゲル膜を設けたことを特徴とする。この構成では、外側の高分子膜と試料の測定表面の密着性を高めることが可能となる。
【0019】
第6の超音波映像検査装置(請求項6に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、超音波伝播器で、試料に押し付けられる膜の表面に液体媒質を供給する液体媒質供給機構を設けるように構成される。この構成では、外側の高分子膜と試料の測定表面の密着性を高めることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成要素の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0022】
図1は本発明の第1実施形態を示す。図1に示された構成は、本実施形態の超音波映像検査装置での測定時の状態を示している。図1において、基台11の上に支持フレーム12が設けられている。支持フレーム12において、その高さ方向における中央から上側位置で、その内側には段差12aが形成されている。段差12を利用して水槽13が置かれている。さらに支持フレーム12の上端部には、例えばレール案内機構を利用して3軸スキャナ14が配置されている。
【0023】
3軸スキャナ14は、図1に示したX,Y,Zの各軸方向への超音波探触子(または超音波プローブ:以下「探触子」という)15の移動を可能する案内機構および移動機構を有している。3軸スキャナ14は、基台11の上に設けられた支持フレーム12の上端に配置されたレール機構14a、両側のレール機構14aの間に掛け渡されている棒状フレーム14bと、フレーム14b上の移動機構14c、移動機構14cに取り付けられた支持部14dとから構成されている。上記の超音波探触子15は支持部14dの下部にZ軸方向に移動できるように取り付けられている。探触子15は、超音波の出射面を下方を向けて配置されている。
【0024】
支持フレーム12の上部の内側空間に配置される上記水槽13は、超音波探触子15の下側に位置する。水槽13の配置位置は固定されている。水槽13の中には超音波を伝播する水(液体媒質)16が溜められている。
【0025】
探触子15は3軸スキャナ14によって3軸方向に移動され、かつ図示例では探触子15の下端の超音波出射面は水16の中に入っている。探触子15は、3軸スキャナ14の移動動作に基づき試料の測定面(XY面)を走査し、あるいはZ軸方向に移動させられる。
【0026】
コンピュータ21は探傷器回路22と3軸スキャナ15の動作を制御する。探傷器回路22はパルス的電気信号を出力し、探触子15に与える。探触子15は当該電気信号を超音波を変換し、この超音波を水16の中に出射する。探触子15から出射された超音波は、後述する構造に基づき、セットされた試料23に入射される。試料23から戻ってきた超音波反射エコーは探触子15により電気信号に変換され、探傷器回路22で受信される。かかる反射エコー信号によって試料内部の欠陥状態に係る情報を知ることができる。コンピュータ21は探傷器回路22の動作を制御しかつ3軸スキャナ14の移動動作を制御する。これにより試料23上の測定面の各点で反射エコーに係る電気信号を取得する。得られた反射エコーに係る電気信号に基づいて探傷映像を作成し、表示装置24の画面に当該探傷映像を表示する。
【0027】
測定対象である試料23は、支持フレーム12の内側空間の下方を利用して配置されている。試料23は試料昇降装置25の台座25a上に置かれている。試料昇降装置25は、リンク機構を利用して構成され、調整摘み25bを操作することにより、その高さを適宜に調整することができる。なお試料23は、例えば半導体デバイスチップのごとき単品の電子部品である。
【0028】
次に超音波映像検査装置における特徴的構成を説明する。
【0029】
超音波の伝播媒質である水が収容された水槽13の形状は任意である。水槽13の例えば底部13aの中央はくり貫かれて例えば円形の開口部が形成されている。水槽13の底部の開口部には図示されるごとき構造を有した超音波伝播器31が取り付けられる。超音波伝播器31は、外側(図中下側)に位置する高分子膜32および内側(図中上側)に位置する高分子膜33と、水槽13の底部13aの開口部に嵌め込まれる中央プレート34と、外側の高分子膜32を固定する押えプレート35と、内側の高分子膜33を固定する押えプレート36とから構成される。中央プレート34、押えプレート35,36の平面形状は、好ましくは、円形または矩形のリング形状である。高分子膜32は中央プレート34と押えプレート35で挟持され、高分子膜33は中央プレート34と押えプレート36で挟持されている。超音波伝播器31では、2つの高分子膜32,33の間において超音波を伝播させる液体媒質37が封じ込められている。液体媒質37は、水槽13内の水16にはつながっていない。図2に示すように、押し付け圧力がかかっていない状態では、外側の高分子膜32は、内部に封じ込められた液体媒質37の自重等によって下方に膨出した状態にある。
【0030】
図1の状態では、試料昇降装置25が上昇して試料23の上面(測定面)が高分子膜32に接触し、高分子膜32には試料23の押し付け圧力が加わった状態にある。このような場合には、より正確には、図3に示すごとく、高分子膜32に押し付け圧力が加わると、内側に位置する高分子膜33は上方に膨らむごとく変形する。内側の高分子膜33が変形すると、高分子膜33による抵抗が、外側の高分子膜32と試料23の測定面との間の押し付け圧力に影響を及ぼし、押し付け圧力は高くなる。
【0031】
図4に高分子膜32,33の取付け・取外し構造を示す。水槽13の底部13aに設けられた外側の高分子膜32は試料23との接触を繰り返すことで劣化しやすく、また2枚の高分子膜32,33は、試料や使用する探触子15の周波数により適正な高分子膜の材質や厚みは異なるため、交換が必要となる。そこで前述したごとく、高分子膜32は開口部34aを有する中央プレート34と開口部35aを有する押えプレート35とで挟み込み、高分子膜33は中央プレート34と開口部36aを有する押えプレート36とで挟み込むようにして張りつけてある。中央プレート34と押えプレート35,36は複数のネジ38によって自在に組立てまたは分解することができる。高分子膜32,33と中央プレート34と押えプレート35,36はユニット化され、上記超音波伝播器31として構成される。組み立てられた超音波伝播器31は、さらにネジ39を用いてシール性を保持した構造にて水槽13の底部13aの開口部13bに取り付けられる。以上のごとく高分子膜32,33は水槽13において容易に交換することができる。
【0032】
上記構成を有する超音波映像検査装置の動作を説明する。水槽13の底部13aに超音波伝播器31を取り付けた状態において、測定対象である試料23を台座25aに置いて試料昇降装置25を上昇動作させ、試料23の測定面を超音波伝播器31の高分子膜32に押し付ける。試料23の測定面が高分子膜32に押し付けられた時、液体媒質37を押し上げるが、内側の高分子膜33により抵抗を受ける。このような作用によって、高分子膜32と試料23の測定面の間で生じる押し付け圧力が高くなり、高い密着性で高分子膜32と試料23を密着させることができる。この状態で、探触子15は、水槽13の中で走査を行い、試料23中の超音波映像を測定し、検査を行う。
【0033】
上記の超音波映像検査装置による測定に基づいて、一定の高い圧力で密着状態を形成するため、試料23と高分子膜32との組み合わせによって、泡や皺の混入がない、かつ画像ムラが生じにくい良好な測定を行うことができる。特に高分子膜32と試料23の間に中間的な超音波伝播媒質を入れる必要がなくなる。
【0034】
上記において、超音波伝播器31の内部の液体媒質37と水槽13内の液体媒質(水16)とは同一種類である必要はない。液体媒質としては水、シリコーンオイル、アルコール、グリセリン等や、ゲル状の材質を用いることができる。
【0035】
超音波伝播器31の高分子膜32,33の種類についても、外側と内側で必ずしも同じ素材、同じ厚みのものを使用する必要はない。高分子膜の種類としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーンゴム、ナイロンなどを用いることができる。また厚みについては、材料による強度が必要なため、0.01mm以上であることが好ましい。高分子膜の厚みについては、使用する超音波の共振周波数に合わせることで、伝播時の超音波への影響を小さくすることができる。高分子膜は複合膜を用いてもよい。さらに超音波伝播器31に取り付けられる膜は高分子膜に限定されず、これに類似した膜を用いることができ、その枚数も任意に決めることができる。
【0036】
また超音波伝播器31では、高分子膜32,33について、膜種や膜厚の組合せにより押し付け圧力を変化させることができる。しかし、内側に位置する高分子膜33は、外側に位置する高分子膜32よりも変形しにくいものを使用した方が、前述の押し付け圧力を高くすることができる。また内側の高分子膜33の変形率が低いほど、押し付けた際の水槽13中の水16の水位の変動が少なくなり、漏水しにくく、高速は制御にも対応しやすくなる。
【0037】
次に、図5に従って本発明に係る超音波映像検査装置の第2実施形態を説明する。この実施形態では、超音波伝播器31の部分のみを示す。その他の構成については第1実施形態で説明したものと同じである。図5において、図2で説明した要素と同一の要素には同一の符合を付している。第2実施形態による超音波伝播器31では、中央プレート34に、内部に充填された液体媒質37につながる通路41が形成され、この通路41にはノズル42とチューブ43が接続されている。チューブ43の基部は液体媒質給排機構44に接続されている。液体媒質給排機構44によれば、超音波伝播器31の内部に封じ込められる液体媒質37を供給・排出することによりその量を調整することができ、液体媒質37の量を可変にすることができる。第2実施形態の構成によれば、高分子膜32の押し付け圧力を適宜に調整することができる。
【0038】
図6に従って本発明に係る超音波映像検査装置の第3実施形態を説明する。この実施形態では、超音波伝播器31の部分のみを示す。その他の構成については第1実施形態で説明したものと同じである。図6において、図2で説明した要素と同一の要素には同一の符合を付している。第2実施形態による超音波伝播器31では、内側の高分子膜は使用されず、それに関連する構造部を有していない。中央プレートに相当する板部材51において、上記の内側の高分子膜の代わりにアクリル薄板を使用している。内側の膜に相当する部材に硬質の板材料を使用することにより、外側の高分子膜32と試料との接触圧力をより高めることができる。
【0039】
次に、図7に従って本発明に係る超音波映像検査装置の第4実施形態を説明する。この実施形態では、超音波伝播器31の部分のみを示す。その他の構成については第1実施形態で説明したものと同じである。図7において、図2で説明した要素と同一の要素には同一の符合を付している。第4実施形態による超音波伝播器31では、第1実施形態で説明した構成において、外側に位置する高分子膜32の外側表面にゲル膜52を貼り付けている。この構成によれば、高分子膜32と試料23の測定面との密着度を高めることができる。
【0040】
図8に従って本発明に係る超音波映像検査装置の第5実施形態を説明する。この実施形態では、超音波伝播器31の部分のみを示す。その他の構成については第1実施形態で説明したものと同じである。図8において、図2で説明した要素と同一の要素には同一の符合を付している。第5実施形態による超音波伝播器31では、第1実施形態で説明した構成において、外側に位置する高分子膜32の外側表面に、液体媒質を供給する媒質供給機構53により中間媒質54として液体媒質を供給するようにしている。この構成によれば、高分子膜32と試料23の測定面との密着度を高めることができる。
【0041】
図9に従って本発明に係る超音波映像検査装置の第6実施形態を説明する。この実施形態では、第1実施形態の超音波伝播器31を側壁部に備えた水槽61の構成部分のみを示す。その他の構成については第1実施形態で説明したものと同じである。図9において、図1や図2等で説明した要素と同一の要素には同一の符合を付している。第6実施形態による超音波映像検査装置によれば、水槽61の側壁部61aに超音波伝播器31を備え、かつ探触子15は支持フレーム62により横方向に向くように取り付けられている。支持フレーム62は上記3軸スキャナに固定されている。このような構成によって、垂直な面を有する被試験体63に対して適用し内部の欠陥64を測定し検査することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0043】
請求項1に係る本発明によれば、水等の超音波媒質を収容した容器の底部や側部等に、複数の高分子膜を備えて液体媒質を封じ込めた超音波伝播器を設け、外側の高分子膜を試料に押し付けて超音波映像検査測定を行うようにしたため、外側の高分子膜と試料との押し付け圧力を高めることができ、さらに高分子膜と試料の密着性を高めることができ、測定精度を向上することができる。また実用的な超音波映像検査という観点で有効である。
【0044】
また超音波映像検査装置において水槽を利用しかつ高分子膜を下面に設けた超音波伝播器を用いたため、試料への媒質によるダメージを少なくする超音波映像検査を行うことができる。従って、試料がICチップなどの精密な電子部品である場合に試料を保護することができ、正確に任意の場所の探傷検査を行うことができる。本発明によれば、半導体デバイスの製造工程において製造対象である半導体デバイスの全数調査を行うことができ、電子部品の出荷検査などに有効である。
【0045】
第2の本発明によれば、内側に位置する高分子膜の変形率は外側に位置する高分子膜の変形率より小さいしたため、外側の高分子膜と試料との押し付け圧力をより高めることができる。
【0046】
第3の本発明によれば、超音波伝播器内の液体媒質の量を変化させる給排機構を備えるようにしたため、試料に応じて超音波伝播器内の液体媒質の量を可変にして押し付け圧力を変化させることができる。
【0047】
第4の本発明によれば、超音波伝播器でアクリル板等を用いたため、外側の高分子膜と試料との押し付け圧力を高めることができる。
【0048】
第5の本発明によれば、超音波伝播器の試料に押し付けられる高分子膜の表面にゲル膜を設けたため、外側の高分子膜と試料の測定面の間の密着性を高めることができる。
【0049】
第6の本発明によれば、超音波伝播器で、試料に押し付けられる高分子膜の表面に液体媒質を供給する液体媒質供給機構を設けたため、外側の高分子膜と試料の間の密着性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波映像検査装置の第1実施形態の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態に係る超音波伝播器で試料と接触しない状態を示す縦断面図である。
【図3】第1実施形態に係る超音波伝播器で外側の高分子膜が試料と接触する場合を示す縦断面図である。
【図4】第1実施形態に係る超音波伝播器の分解状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る超音波映像検査装置の第2実施形態の超音波伝播器の縦断面図である。
【図6】本発明に係る超音波映像検査装置の第3実施形態の超音波伝播器の縦断面図である。
【図7】本発明に係る超音波映像検査装置の第4実施形態の超音波伝播器の縦断面図である。
【図8】本発明に係る超音波映像検査装置の第5実施形態の超音波伝播器の縦断面図である。
【図9】本発明に係る超音波映像検査装置の第6実施形態の水槽部分の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11 基台
12 支持フレーム
13 水槽
14 3軸スキャナ
15 超音波探触子
16 水
23 試料
25 試料昇降装置
31 超音波伝播器
32 高分子膜(外側)
33 高分子膜(内側)
37 液体媒質
44 液体媒質給排機構
51 アクリル板
52 ゲル膜
53 媒質供給機構
54 中間媒質

Claims (6)

  1. 探傷器回路で作られた電気信号を超音波探触子で超音波に変換し、前記超音波を液体媒質を介して試料に入射させ、前記試料の内部から戻る超音波反射エコーを前記超音波探触子で電気信号に変換して、前記試料の内部を映像化する超音波映像検査装置において、
    前記液体媒質を収容する容器の一部に、液体媒質を複数の高分子膜で封じて成る超音波伝播器を備え、前記容器の外側に配置される前記試料の測定面に前記超音波伝播器で外側に位置する前記高分子膜を押し付けて測定を行うことを特徴とする超音波映像検査装置。
  2. 前記超音波伝播器の前記複数の高分子膜について、内側に位置する高分子膜の変形率は外側に位置する高分子膜の変形率より小さいことを特徴とする請求項1記載の超音波映像検査装置。
  3. 前記超音波伝播器は内部に封じられた前記液体媒質の量を変化させる給排機構を備え、前記超音波伝播器の内部の前記液体媒質の量を可変にして押し付け圧力を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の超音波映像検査装置。
  4. 前記超音波伝播器で内側に位置する前記膜の代わりに板材を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波映像検査装置。
  5. 前記超音波伝播器の前記試料に押し付けられる前記高分子膜の表面にゲル膜を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波映像検査装置。
  6. 前記超音波伝播器で、前記試料に押し付けられる前記高分子膜の表面に液体媒質を供給する液体媒質供給機構を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波映像検査装置。
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