JP2004077341A - 超音波映像検査方法および超音波映像検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】探傷器回路22で作られた電気信号を超音波探触子13で超音波に変換し媒質を介して試料20に照射し、この試料から戻る超音波を超音波探触子で電気信号に変換して試料の内部を映像化する超音波映像検査装置に適用される方法である。この方法では、試料20は、内部が負圧の試料保持具ケース19内に収容され、当該試料保持具ケースを媒質の中に入れる。超音波探触子に供給される電気信号は単一周波数のバースト波状電圧信号である。試料保持具ケース内の試料に対して弾性フィルム34を通してバースト波状電圧信号に基づくバースト波状超音波が照射される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波映像検査方法および超音波映像検査装置に関し、特に、電子部品等の精密な試料を媒質に接触させることなく保護しかつ確実に固定し、試料の全数検査を可能にした超音波映像検査方法および超音波映像検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
材料欠陥を検出し評価するための検査装置として超音波映像検査装置が知られている。超音波映像検査装置は、試料を、水槽に溜めた水(液体の媒質)の中に置き、超音波探触子から出射される超音波を媒質を介して試料の中に入射する。探触子は3軸ステージに支持され、試料の測定表面を走査できるように設けられている。試料の中から反射される超音波は探触子で受信され、電気信号に変換される。当該電気信号は探傷器回路に入力され、信号処理が行われる。コンピュータで構成される制御装置は3軸ステージと探傷器回路の動作を制御し、試料の測定表面の各測定点で得られた信号に基づいて探傷映像を作成し表示装置に表示する。超音波映像検査装置による測定方法としては、1つの探触子によって送受信を行う反射型測定方法と、試料を挟む2つの探触子での間で送受信を行う透過型測定方法がある。
【0003】
また超音波映像検査装置に類似または関連する技術として、「材料評価のための新しい音響映像法」(日本非破壊検査協会007特別研究委員会、1990年4月19日発表)がある。この音響映像法は、超音波映像検査装置や超音波顕微鏡を含む映像方法であり、材料欠陥の検出とその評価に広く使われている。上記文献に開示される音響映像法では、図1に示されるように、試料(未燒結セラミックス)の上方にポリエチレンシートを配置し、ポリエチレンシートを容器状にして水を溜め、ポリエチレンシートと試料の間において、試料に接着テープを貼りさらに当該接着テープの上にゲル材を設けるようにして、ポリエチレンシートと試料を密着させている。超音波探触子はポリエチレンシート内の水の中に配置されている。試料としての上記未燒結セラミックスは、水に接触させると、吸水性を有することから変質してしまうので、上記の装置構成によれば、試料と水が接触するのを防止する構成を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
半導体パッケージあるいはICチップなどの電子部品では、内部の接着剥離や樹脂中の気泡が不良原因になるため、上記超音波映像検査装置を利用して不良原因の検査を行うことが多い。このような電子部品を試料として超音波映像検査を行うとき、水槽の水中内に電子部品を配置しなければならない。一般に、電子部品が水に濡れるとその機能が劣化するものが多いので、超音波映像検査で水槽内に入れて一度測定した電子部品を正常品として扱うことは極めて少ない。そのため、電子部品の品質管理の観点で抜き取り検査で超音波探傷を利用した映像検査装置を利用することはあるが、定常的に全数の出荷検査に利用されることは少ない。
【0005】
また近年、電子部品の高密度や高集積化が進み、欠陥のサイズも微小化してきている。このような欠陥の検出には、超音波映像検査装置の高能率化が必要となる。
【0006】
上記のごとく電子部品を試料として超音波映像検査装置で測定を行う場合において、前述したポリエチレンシートを利用した従来技術を利用して電子部品と水との接触を避けるようにすることもできる。しかしながら、前述の従来技術によれば、装置側に構成において大きな変更・改良を加えることが必要であり、コストがかかる。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題を解決することにあり、水槽内に配置される試料を水等の媒質に接触させることなく、試料が電子部品等である場合に全数検査を可能にし、電子部品の出荷検査に有効に利用でき、さらに装置側の構成に大きな変更を生じることなく、比較的に簡単な構成で、取扱いが容易であり、高精細な精度で試料内の欠陥を検出できる超音波映像検査方法および超音波映像検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る超音波映像検査方法および超音波映像検査装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
【0009】
本発明に係る超音波映像検査方法(請求項1に対応)は、探傷信号生成回路で作られた電気信号を超音波探触子で超音波に変換し媒質を介して試料に照射し、この試料から戻る超音波を超音波探触子で電気信号に変換して試料の内部を映像化する超音波映像検査装置に適用される方法である。この方法では、媒質の外で、試料保持具ケースのケース本体の内部空間に試料を配置し、その上に弾性フィルムを配置し、開口部が形成された蓋部材でケース本体の内部空間を閉じ、排気通路部を介して内部空間を真空ポンプで真空排気して弾性フィルムを試料に密着させ、上記の試料保持具ケースを媒質の中に入れ、さらに、超音波探触子に供給される電気信号は単一周波数のバースト波状電圧信号である。試料保持具ケース内の試料に対して弾性フィルムを通してバースト波状電圧信号に基づくバースト波状超音波が照射される。
【0010】
上記の超音波映像検査方法によれば、電子部品等の精密な試料を液体媒質である水に接触させることなく、かつバースト波状超音波を利用することにより、高精度に超音波探傷の検査を行うことができる。また媒質容器である水槽の中で試料を容易に固定することもできる。
【0011】
本発明に係る超音波映像検査装置(請求項2に対応)は、探傷信号生成回路で作られた電気信号を超音波探触子で超音波に変換し液体媒質を介して試料に照射し、この試料から戻る超音波を超音波探触子で電気信号に変換して試料の内部を映像化する超音波映像検査装置であり、探傷信号生成回路は単一周波数のバースト波状電圧信号を出力するように構成され、かつ試料を内部に収容しかつ液体媒質を溜める容器内に配置される試料保持具ケースを備える。さらに、試料保持具ケースは、内部空間に試料が配置されるケース本体と、このケース本体に開閉自在に取り付けられかつ開口部が形成された蓋部材と、ケース本体と蓋部材の間に設けられる弾性フィルムと、排気通路部を備え、測定時に、試料が配置されたケース本体を蓋部材で閉じ、弾性フィルムを試料に密着させるように構成される。試料保持具ケース内の試料に対して弾性フィルムを通してバースト波状電圧信号に基づくバースト波状超音波が照射される。
【0012】
上記の超音波映像検査装置によれば、試料を液体媒質である水の中にセットするときに、試料保持具ケース内に配置してセットするので、試料を液体媒質との直接的な接触から保護でき、かつセット位置に固定して保持することができる。かかる試料に対してバースト状の超音波を照射することにより、電子部品等の精密な試料の探傷検査を有効に行うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成要素の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0015】
図1〜図4を参照して本発明の実施形態を説明する。この実施形態に係る超音波映像検査装置では測定時の試料のセットにおいて試料保持具ケースが使用される。図1は測定時の装置構成を示し、図2は真空吸引時の使用状態を示す。また図3は試料保持具ケースの斜視図であり、図4は試料保持具ケースの縦断面図である。
【0016】
図1において基台11の上に3軸スキャナ12が設けられている。3軸スキャナ12は、図1に示したX,Y,Zの各軸方向への超音波探触子(超音波プローブ)13の移動を可能する移動機構を有している。3軸スキャナ12は、基台11の上に立つ少なくとも2本の支柱14と、2本の支柱14の間に掛け渡されている棒状フレーム15と、フレーム15上で移動するごとく取り付けられた支持部16とから構成されている。支持部16の下部に上記の超音波探触子13をZ軸方向に移動できるように取り付けられている。超音波探触子13は超音波出射面を下方を向けて配置されている。基台11の上には水槽17が置かれている。水槽17の中には超音波を伝播する水(液体媒質)18が溜められている。水槽17内の水18の中に試料保持具ケース19が配置されている。試料保持具ケース19の中に測定対象である試料20が収容されている。
【0017】
探触子13は3軸スキャナ12によって3軸方向に移動され、かつ探触子13の下端の超音波出射面は水18の中に埋没されている。探触子13は、3軸スキャナ12の移動動作に基づき試料20の測定面(XY面)を走査し、あるいはZ軸方向に移動させる。コンピュータ21は探傷器回路22と3軸スキャナ12の動作を制御する。探傷器回路22は超音波生成のためのバースト波状の電気信号を出力し、探触子13に与える。探触子13は当該電気信号をバースト波状の超音波を変換し、この超音波を水18の中に出射する。超音波探触子13は圧電素子で構成されている。探傷器回路22から与えられる上記電気信号によって圧電素子を駆動し、探触子13から対応する超音波が出力される。探触子13から出射された超音波は試料保持具ケース19内にセットされた試料20に入射される。試料20の内部では超音波の反射エコーが生じる。試料内部で生じた反射エコーは探触子13により電気信号に変換され、探傷器回路22で受信される。試料20の内部から戻ってくる反射エコー信号によって試料内部の欠陥状態を知ることができる。コンピュータ21は探傷器回路22の動作を制御しかつ3軸スキャナ12の移動動作を制御することにより、試料20上の測定面の各点で反射エコーに係る電気信号を取得する。得られた反射エコーに係る電気信号に基づいて探傷映像を作成し、表示装置23の画面に当該探傷映像を表示する。
【0018】
試料保持具ケース19は、図1に示される測定時の状態で、その内部空間は、真空ポンプにより強制的に真空排気されて負圧の状態にあり、かつ水密の状態に保持されている。試料20は試料保持具ケース19によって保護されかつその内部に固定されている。試料20は電子部品等の精密試料である。
【0019】
試料保持具ケース19は、図3と図4に示されるように、上部が開放されたケース本体31と、これに蝶番機構32で開閉自在に取り付けられた蓋部材33とから構成されている。蓋部材33は、矩形の形状を有し、かつ矩形開口33aが形成された矩形リングフレームの形態を有している。蓋部材33の下面には弾性を有するシート状フィルム、好ましくは高分子フィルム(高分子膜)34が取り付けられている。この高分子フィルム34は、高分子物質で作られた膜状部材でかつ所要の弾性を有するものである。高分子フィルム34としては例えばポリエチレンのフィルムが用いられる。蓋部材33が蝶番機構32の周りで開いた状態では、ケース本体31は内部空間35が開放された状態になり、ケース本体31の内部空間35に試料20を置くことができる。蓋部材33が閉じた状態では、図3と図4に示すごとく、蓋部材33とケース本体31の上面との間に高分子フィルム34が挟まれて配置された状態になる。弾性を有しかつシート状の高分子フィルム34が配置されることによってケース本体31の内部空間35は水密状態に保持されると共に、蓋部材33の矩形開口33aを通して外部から高分子フィルム34に圧力が直接的に加わるようになっている。
【0020】
試料保持具ケース19で、ケース本体31の内部空間35に電子部品等の試料20を置いてケース本体31に対して蓋部材33が閉じたとき、留め金36によって蓋部材33はケース本体31に固定される。図3と図4はこの状態を示している。
【0021】
試料保持具ケース19のケース本体31には、内部空間35と外部をつなぐ排気通路部としての排気孔37が形成され、当該排気孔37の途中には開閉バルブ38が設けられている。開閉バルブ38の外部摘み38aを開状態にすると排気孔37は通気状態になり、閉状態すると内部空間35は外部と遮断される。排気孔37の外側突起部にはホース39が接続されている。ホース39の先端部は図3および図4に示されない排気用真空ポンプ(図2に示す40)に接続される。真空ポンプ40によって試料保持具ケース19の内部空間35は真空排気される。試料保持具ケース19の内部空間35が真空排気されると、高分子フィルム34は内部空間35の負圧によって内部空間側に吸引され、その結果、図4に示されるごとく、高分子フィルム34は試料20の上面(測定面)に密着した状態になる。高分子フィルム34は弾性を有し、シール材として機能する。開閉バルブ38を開状態にすると、排気孔37は外部の大気圧に通じるので、内部空間3の負圧状態は解除され、試料20への高分子フィルム34の密着状態は解除されることになる。
【0022】
次に上記超音波映像検査装置および試料保持具ケース19の使用方法を説明する。半導体チップ等の精密な電子部品を試料20としてバースト波状超音波を利用して探傷検査を行う。とき、試料保持具ケース19の蓋部材33を開き、ケース本体31の内部空間35に当該試料20を配置する。このとき試料20の測定面を上側にして配置する。その後、蓋部材33を閉じて留め金36で固定する。通気孔37の外側突起部はホース39を介して真空ポンプ40に接続されている。この状態が図2に示されている。開閉バルブ38を開いた状態で、真空ポンプ40により試料保持具ケース19の内部空間35を真空排気し当該内部空間35を吸引する。その結果、内部空間35は負圧の状態になる。所定の負圧状態になったとき、開閉バルブ38を閉じ、ホース39を試料保持具ケース19から外す。その後、図1に示すように、水槽17内の水18の中に試料保持具ケース19を配置する。この状態で前述のごとく超音波映像検査装置によって試料20の探傷検査が行われる。試料20に関する探傷検査が完了すると、試料保持具ケース19を水槽17から出し、さらに試料保持具ケース19の蓋部材33をあけて試料20を取り出す。その後、他の試料について同様に測定を継続する。
【0023】
上記実施形態に係る超音波映像検査装置によれば、電子部品などの精密試料を水18に接触させることなく超音波探傷検査を行うことができ、かつ試料保持具ケース19に収容して探傷検査できるので、水槽17内で試料を容易に固定することができる。特に、試料保持具ケース19を用意するだけよく、超音波映像検査装置の構成に特に変更を加える必要がないので、簡単に実現することができる。超音波探傷を行う測定の際において、高分子フィルム34は試料20の測定面に密着しているので、探触子13から出射されたバースト波状超音波は効率よく試料20の内部に入射される。
【0024】
次に図5〜図10を参照して、探傷器回路22から出力されるバースト波状電気信号、これによって作られるバースト波状超音波、および高分子フィルム34との関係について説明する。
【0025】
探傷器回路22はバースト波状電気信号を出力し、超音波探触子13に与える。超音波探触子13からは、バースト波状電気信号に対応してバースト波状超音波が出力される。図5に、本実施形態の場合のバースト波電気信号(a)と従来使用されているパルス波電気信号(b)の模式図を示す。図5の(a),(b)においてSは試料20からの表面反射波で、Iは界面からの反射波を示す。Iの信号強度を映像化することで界面の状態(接着または剥離)を知ることが可能となる。
【0026】
ここで、パルス波電気信号は周波数分析を行うと帯域が広く、特に水距離による高周波域の減衰量が大きい。このため、精細度に大きく影響を及ぼす結果となる。これに対して、図5(a)に示すバースト波電気信号は周波数分析を行うと帯域が狭く、水距離による高周波域の減衰はパルス波電気信号に比べて小さい。このため精細度はパルス波電気信号に比べて、良好な結果を示すことになる。図5の(a),(b)でのΔtは試料表面から反射波と界面からの反射波の間の時間差を示している。
【0027】
図6は焦点距離における反射波形を示す。図6で横軸は時間、縦軸は波形の振幅である。周波数は25MHzで、焦点距離は6.4mmである。図6で、(a)はバースト波電気信号であり、(b)はパルス波電気信号である。各々を周波数解析した結果を図7((a)はバースト波電気信号、(b)はパルス波電気信号)に示し、同時にガウス近似した結果も併せて示す。図7で明らかなように、帯域が約3倍程度、パルス波電気信号の方が大きいことがわかる。また今回の探傷の場合、図8に示す構造のように高分子フイルム34(音響インピーダンス:Z2)を試料20(音響インピーダンス:Z3)に密着させることから、バースト波状超音波は、水(Z1)/高分子フィルム(Z2)/試料(Z3)の3層構造を通過することになる。そのときの往復通過率は下式(1)によって計算されることになる。
【0028】
【数1】
【0029】
図7に示す各入力波形の周波数解析の結果におけるガウス近似式に式(1)を乗じて、往復通過後の周波数分布を解析した。そのときのピーク周波数の結果を図9に示す。
【0030】
図9において、理論上、高分子フイルムの厚さは9.14μm(λ/4)で、かつ音響インピーダンス値が2.48(×106N・m−3s)で通過率は1となり、最大となるが、理想的な状態である。そこで現実的に高分子フイルムはシリコンラバーで行い、膜厚は10〜50μmで行った。音響インピーダンス値は、2.19(×106N・m−3s)で、音速値は1828m/sとして計算をした。実用上、耐久性を考慮して考えると高分子フイルムの厚みは、30〜50μmとし、往復通過後のピーク周波数は、バースト波電気信号では、25MHzに対して+0.4MHz、−0.7MHzで変動幅は1.1MHzとなる。それに対してパルス波電気信号は、25MHzに対して+3.0MHz、−2.6MHzで変動幅は5.6MHzとなり、信頼性の点でバースト波電気信号に比べて不安定となる。他の周波数による計算結果を図10に示す。図10は周波数50MHz時の計算結果である。25MHzの計算結果同様、バースト波電気信号の方が安定していることがわかる。ある程度の膜の厚さの範囲において、ピーク周波数は一定となる。すなわち、バースト波電気信号を用いた方法がパルス波電気信号を用いた方法より、信頼性の向上(再現性)が図れることになる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、超音波検査の装置および方法において、液体の媒質の中に配置される試料のための専用の試料保持具ケースを設け、かつバースト波状電気信号およびこれによって生成されるバースト波状超音波を用いるようにしたため、試料を水等の媒質に接触させることなく、試料を保護し、従来のパルス波状電気信号を用いたものより高精細な精度で欠陥を検出することができる。また本発明によれば、半導体デバイスの製造工程において、製造対象である半導体デバイスの全数検査を行うことができ、電子部品の出荷検査等に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波映像検査装置の測定時の状態を示す構成図である。
【図2】本実施形態の試料保持具ケースの真空吸引時の使用状態を示す図である。
【図3】本実施形態における試料保持具ケースの外観斜視図である。
【図4】本実施形態における試料保持具ケースの測定時の縦断面図である。
【図5】本発明で用いられる励振用バ−スト波電気信号(a)と従来用いられている励振用パルス波電気信号(b)を模式的に示す波形図である。
【図6】バ−スト波電気信号(a)とパルス波電気信号(b)のそれぞれの実波形を示す波形図である。
【図7】実波形のバースト波電気信号に係る周波数分析結果(a)と実波形のパルス波電気信号の周波数分析結果(b)を示す特性図である。
【図8】3層構造における往復通過率を模式的に示す図である。
【図9】3層構造における往復通過後のピーク周波数の計算結果(周波数25MHz)を示す特性図である。
【図10】3層構造における往復通過後のピーク周波数の計算結果(周波数50MHz)を示す特性図である。
【符号の説明】
12 3軸スキャナ
13 超音波探触子
17 水槽
19 試料保持具ケース
20 試料
31 ケース本体
33 蓋部材
34 高分子フィルム
37 排気孔
39 ホース
40 真空ポンプ
Claims (2)
- 探傷信号生成回路で作られた電気信号を超音波探触子で超音波に変換し媒質を介して試料に照射し、この試料から戻る超音波を前記超音波探触子で電気信号に変換して前記試料の内部を映像化する超音波映像検査装置に適用される超音波映像検査方法であり、
前記媒質の外で、試料保持具ケースのケース本体の内部空間に前記試料を配置し、その上に弾性フィルムを配置し、開口部が形成された蓋部材で前記ケース本体の前記内部空間を閉じ、排気通路部を介して前記内部空間を真空ポンプで真空排気して前記弾性フィルムを前記試料に密着させ、前記試料保持具ケースを前記媒質の中に入れ、
前記超音波探触子に供給される前記電気信号は単一周波数のバースト波状電圧信号であり、
前記試料保持具ケース内の前記試料に対して前記弾性フィルムを通して前記バースト波状電圧信号に基づくバースト波状超音波を照射する、
ことを特徴とする超音波映像検査方法。 - 探傷信号生成回路で作られた電気信号を超音波探触子で超音波に変換し液体媒質を介して試料に照射し、この試料から戻る超音波を前記超音波探触子で電気信号に変換して前記試料の内部を映像化する超音波映像検査装置において、
前記探傷信号生成回路は単一周波数のバースト波状電圧信号を出力するように構成され、かつ前記試料を内部に収容しかつ前記液体媒質を溜める容器内に配置される試料保持具ケースを備え、
前記試料保持具ケースは、内部空間に前記試料が配置されるケース本体と、このケース本体に開閉自在に取り付けられかつ開口部が形成された蓋部材と、前記ケース本体と前記蓋部材の間に設けられる弾性フィルムと、排気通路部を備え、測定時に、前記試料が配置された前記ケース本体を前記蓋部材で閉じ、前記弾性フィルムを前記試料に密着させるように構成され、
前記試料保持具ケース内の前記試料に対して前記弾性フィルムを通して前記バースト波状電圧信号に基づくバースト波状超音波が照射されることを特徴とする超音波映像検査装置。
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