JP2021179592A - テンション計測装置とテンション計測方法 - Google Patents

テンション計測装置とテンション計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非接触でペリクル膜のテンションを計測することができるテンション計測装置を提供すること。【解決手段】圧縮空気を所定の張力のかかったペリクル膜に噴射するエアーノズル231と、エアーノズル231を中心として同心円上にペリクル膜が張力を受けている方向と平行でエアーノズル231の中心を通る直線上に2つ設けられる超音波センサー232、超音波センサー234、超音波センサー234、超音波センサー235と、エアーノズル231から噴射された圧縮空気によるペリクル膜のペリクル膜が張力を受けている方向に直交する方向への変位を超音波センサー232、超音波センサー234、超音波センサー234、超音波センサー235により計測し、ペリクル膜にかかっている張力を計測する制御部237と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、ペリクル膜などの張設された膜のテンションを計測するテンション計測装置に関する。
半導体素子、液晶表示素子などのデバイスを製造するためのフォトグラフィ工程では、マスクに形成された回路パターンの像を、露光装置の光学系を介して感光基板上のレジスト層に転写する。
マスクには、一般に、パターン領域への塵埃などの異物の付着を防止するために、パターン領域を囲んで配設されるペリクルフレームに、パターン領域を覆うようにペリクル膜を張設している。
特許文献1には、ペリクル膜に音波を射出し、ペリクル膜の振動の振幅及び振動周期を検知し、振幅が最大となる時の周波数をペリクル膜の固有振動数として、ペリクル膜の固有振動数の値に基づいてペリクル膜の損傷を検知することが記載されている。
特開2011−22308号公報
ペリクル膜は、ペリクルフレームに所定のテンションで張設されている必要があり、また、縦横のテンションは同等であることが望ましい。
ペリクル膜は、長方形のペリクルフレームに架設される。架設する際に、ペリクルフレームの長辺と短辺のそれぞれに平行な方向(縦方向及び横方向)にペリクルを引っ張りながらペリクルフレームに接着する。
このとき、縦方向と横方向のテンションが同等であることが望ましく、縦方向のテンションと横方向のテンションの違いである異方性を計測することが求められる。
また、ペリクル膜は、ミクロンオーダーの非常に薄い膜なので、接触してテンションを計測することは不可能であり、非接触でテンションを計測することが求められる。
しかしながら、非接触でペリクル膜のテンションやテンションの異方性を計測する装置は存在しなかった。
そこで、本発明は、非接触でペリクル膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができるテンション計測装置を提供することを目的としている。
本発明のテンション計測装置は、気体を所定の張力のかかった膜に噴射するノズルと、前記ノズルを中心として同心円上に前記膜が前記張力を受けている方向と平行で前記ノズルの中心を通る直線上に少なくとも1つ設けられる変位センサと、前記ノズルから噴射された前記気体による前記膜の前記膜が前記張力を受けている方向に直交する方向への変位を前記変位センサにより計測し、前記変位に基づいて前記膜にかかっている前記張力を計測する制御部と、を備えるものである。
この構成により、ノズルから噴射された気体による膜の張力を受けている方向に直交する方向への変位が変位センサにより計測され、膜にかかっている張力が計測される。このため、非接触で膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記変位センサは、前記ノズルを中心として同心円上に前記膜が前記張力を受けている方向と平行で前記ノズルの中心を通る直線上に前記ノズルを挟んで2つ設けられるものである。
この構成により、変位センサが、ノズルを中心として同心円上に膜が張力を受けている方向と平行でノズルの中心を通る直線上にノズルを挟んで2つ設けられる。このため、膜がテンションを受けている方向の、気体が噴射される位置の両側で膜の変化を計測することができ、精度良く膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記制御部は、所定の微小圧の気体を、パルス状に前記膜に噴射するものである。
この構成により、所定の微小圧の気体が、パルス状に膜に噴射される。このため、膜にダメージを与えずに、音波に対する影響を抑えて、精度良くペリクル膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記制御部は、前記気体を噴射した後の前記膜が最大に変位した時から最大変化量の半分まで戻る時間を半戻り時間として計測し、前記半戻り時間に基づいて前記膜にかかっている前記張力を計測するものである。
この構成により、気体を噴射した後の膜が最大に変位した時から最大変化量の半分まで戻る時間が半戻り時間として計測され、この半戻り時間に基づいて膜にかかっている張力が計測される。このため、圧縮空気の噴射圧の変動の影響を抑え、精度良くペリクル膜のテンションを計測することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記膜は、複数の方向に前記張力を受けており、前記複数の方向それぞれに、前記方向と平行で前記ノズルの中心を通る直線上に少なくとも1つ前記変位センサが設けられ、前記制御部は、前記気体を噴射した後の前記膜が最大に変位した時の最大変化量を計測し、前記最大変化量に基づいて前記膜にかかっている複数の前記張力の異方性を計測するものである。
この構成により、気体を噴射した後の膜が最大に変位した時の最大変化量が計測され、この最大変化量に基づいて膜にかかっている複数の張力が計測される。このため、テンションのかかっている方向の相互の影響を抑え、精度良くペリクル膜の複数のテンションの異方性を計測することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記変位センサが超音波センサーからなり、前記ノズルの近傍において超音波を反射する反射部を、さらに備え、前記超音波センサーは、前記ノズルに対して前記反射部よりも離隔した位置に配置されている。
この構成により、ノズルの中心と、超音波センサーの中心を通り超音波センサーの送受信面に直交する中心線と、の距離を小さくすることができる。このため、ノズルの中心に対向する位置に近く、かつテンションの異方性を正確に計測可能な膜の変形を超音波センサーによって計測できる。これにより、膜のテンションの異方性を正確に計測できる程度の変形量を計測することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記直線上であって前記超音波センサーと前記ノズルの中心との間に、前記ノズルから噴射される前記気体の噴射方向に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材を、さらに備え、前記反射部は、前記傾斜面によって構成されており、前記超音波センサーは、前記傾斜面で反射した超音波を受信可能なように受信面を前記傾斜面に向けて設置されている。
この構成により、傾斜部材の傾斜面によって超音波を反射させることで、超音波センサーをノズルから離した位置に配置しても、ノズルの中心に対向する位置に近く、かつテンションの異方性を正確に計測可能な膜の変形を超音波センサーによって計測することができる。
また、本発明のテンション計測装置は、前記超音波センサー及び前記反射部を複数備える場合、前記ノズルを中心として周方向に隣り合う前記反射部の間に、仕切板が設けられている。
この構成により、ノズルを中心として周方向に隣り合う超音波センサー同士で超音波が干渉してしまうことを防止することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記超音波センサーを支持する支持部材を、さらに備え、前記支持部材は、前記超音波センサーの前記反射部に対する角度を調整可能に構成されている。
この構成により、超音波が当たる膜の位置を調整することができる。これにより、超音波センサーが膜の変形を計測する位置を調整することができる。
また、本発明のテンション計測装置において、前記傾斜部材は、前記ノズルを収容する中空部を有する。
この構成により、ノズルから噴射される気体と超音波とが干渉することを防止できる。これにより、超音波センサーで受信される超音波が、ノズルから噴射される気体の影響を受けてしまうことを防止することができる。
本発明のテンション計測方法は、気体を所定の張力のかかった膜に噴射するステップと、噴射された前記気体による前記膜の前記膜が前記張力を受けている方向に直交する方向への変位を、前記気体が噴射された点を中心として同心円上に前記膜が前記張力を受けている方向と平行で前記点を通る直線上に少なくとも1つ設けられる変位センサにより計測するステップと、計測した前記膜の変位に基づいて前記膜にかかっている前記張力を計測するステップと、を備えるものである。
この構成により、膜に噴射された気体による膜の張力を受けている方向に直交する方向への変位が変位センサにより計測され、膜にかかっている張力が計測される。このため、非接触で膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができる。
本発明は、非接触でペリクル膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができるテンション計測装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るペリクル検査装置の正面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るペリクル検査装置の平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るテンション計測装置の斜視図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るテンション計測装置のブロック図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るテンション計測装置によるペリクル膜の変化の例を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るテンション計測装置によるペリクル膜の変形例を示す図であり、図6(a)は、上下左右のテンションが等しい場合の例を示す図、図6(b)は、左右のテンションが大きい場合の例を示す図である。 図7は、本発明の一実施形態に係るテンション計測装置の変形例を示す斜視図である。 図8は、図7に示す変形例に係るテンション計測装置の側面図である。 図9は、図7に示す変形例に係るテンション計測装置のエアーノズルの中心に沿って切断した側面断面図である。 図10は、本発明の一実施形態に係るテンション計測装置における、エアーノズルの中心と超音波センサーの中心との距離を示す図であり、図10(a)は、正面図、図10(b)は、側面図である。 図11は、図7に示す変形例に係るテンション計測装置における、エアーノズルの中心と超音波センサーの中心との距離を示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るペリクル検査装置ついて詳細に説明する。
図1において、紙面に直交する方向をX方向とし、紙面の上下方向をY方向、X方向及びY方向と直交する方向をZ方向とする。なお、図2においては、一部の構成について図示を省略している。
図1において、本発明の一実施形態に係るペリクル検査装置1は、例えば、略鉛直方向に被検査対象のペリクル膜が張設された長方形のペリクルフレームPを支持し、カメラ等を鉛直方向に移動させてペリクルフレームPに張設されたペリクル膜の検査をする検査装置である。
図1及び図2において、ペリクル検査装置1は、定盤10と、検査部20と、ペリクル支持部30と、除振台50と、を含んで構成される。
定盤10は、ステージとして構成されており、設置面F上の複数箇所(6箇所)に設置されている除振台50の上に支持される。
定盤10は、下面10aと、下面10aと平行な上面10eと、を有し、下面10aと上面10eとの距離は、上面10eの短辺より短い。
定盤10の下面10aには、略立方体形状の凹部10b、10cが形成される。凹部10bは、下面10aの4つの隅のそれぞれに一箇所ずつ形成される。凹部10cは、下面10aの長辺に沿ってそれぞれ一箇所ずつ、合計2箇所形成される。このように、凹部10b、凹部10cは、合計6箇所に形成される。凹部10bに加えて凹部10cを設けることで、定盤10の歪みを少なくすることができる。
凹部10b、凹部10cの内部には、設置面F上に載置された除振台50が設けられる。凹部10b、凹部10cの底面は、除振台50により支持される支持面10dである。
図1に示すとおり、凹部10b、凹部10cの深さより、除振台50の高さが高い。したがって、除振台50が支持面10dを支持することで、定盤10が除振台50を介して設置面F上に載置される。
定盤10の上面10eには、溝10fが形成される。溝10fは、平面視(図2参照)において、凹部10b、凹部10cと重ならない位置に、定盤10の長手方向(X方向)に沿って形成される。
溝10fの深さは、定盤10の厚さに比べて十分に小さい。したがって、溝10fを形成したとしても、定盤10の剛性を十分に高い状態とすることができる。
溝10fは、ペリクル支持部30をX方向に移動自在に支持する。溝10fを、ペリクル支持部30を移動させる時のガイドとすることで、検査部20やペリクル支持部30の高さを低くし、これにより重心を低くすることができる。
溝10fの深さは、テンション計測装置23が定盤10の上面10eに当接した時のカメラ22の光軸が、ペリクル支持部30に支持されたペリクルフレームPの下端と一致するように設定される。すなわち、カメラ22及びテンション計測装置23は、ペリクル支持部30に支持されたペリクルフレームPの全面を検査することができる。
検査部20は、定盤10から上方に突出して設けられた柱21と、柱21に設けられたカメラ22及びテンション計測装置23と、検査位置においてペリクル支持部30を支持する支持部24と、を含んで構成される。
柱21は、定盤10の上面10eから上方(+Y方向)に突出するように、上面10eに取り付けられる。柱21は、セラミック等により形成される。重心位置を低くするため、柱21は中空とすることが好ましい。
カメラ22は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)カメラや、特殊なCCDカメラであるTDI(Time Delay Integration)カメラで構成される。
テンション計測装置23は、ペリクルフレームPに張設されたペリクル膜のテンションを計測する。
カメラ22とテンション計測装置23との間には、エアパッドを含む図示しない移動部が設けられる。カメラ22は、その光軸がZ軸と平行となるように、移動部に設けられる。
移動部が上下方向(Y方向)に移動することにより、カメラ22及びテンション計測装置23が上下方向に移動する。移動部は、カメラ22及びテンション計測装置23を、テンション計測装置23が定盤10の上面10eに当接する初期位置と、カメラ22が柱21の上端近傍に位置する上端位置(図1の二点鎖線で示した位置)との間を、柱21に沿って移動させる。
支持部24は、ペリクル支持部30が検査位置に移動されたときに、ペリクル支持部30が水平方向に傾かないようにペリクル支持部30を支持する。
ペリクル支持部30は、ペリクルフレームPを支持する。ペリクル支持部30は、フレーム31と、調整機構32と、ガイド部材33と、を含んで構成される。
フレーム31は、鉛直に支持されるペリクルフレームPの外周を囲むよう、枠状に形成される。フレーム31は、ペリクルフレームPのペリクル膜がXY平面と平行となるようにペリクルフレームPを支持する。
フレーム31の下方には、調整機構32が設けられる。調整機構32は、ペリクルフレームPの下辺の高さ方向(Y方向)の位置を変更する。ガイド部材33は、溝10fの内部を移動する部材である。
次に、テンション計測装置23の構成について説明する。図3及び図4において、テンション計測装置23は、ノズルとしてのエアーノズル231と、変位センサとしての超音波センサー232と、変位センサとしての超音波センサー233と、変位センサとしての超音波センサー234と、変位センサとしての超音波センサー235と、圧縮空気噴射部236と、制御部237と、を含んで構成される。
エアーノズル231は、圧縮空気噴射部236で圧縮された空気をペリクル膜に噴射する。テンション計測装置23は、エアーノズル231から噴射された空気がペリクル膜に略垂直に当たるように移動部に設けられる。
超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235は、超音波を発信し、対象物から反射してくる超音波を受信して対象物との距離を測定する。
超音波センサー232は、エアーノズル231の上側に設けられる。超音波センサー233は、エアーノズル231の下側に設けられる。超音波センサー234は、エアーノズル231の右側に設けられる。超音波センサー235は、エアーノズル231の左側に設けられる。
超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235は、ペリクル膜と平行な平面上に、エアーノズル231を中心として同心円上に上下左右方向に設けられる。
超音波センサー232及び超音波センサー233は、上下方向(Y方向)の同一直線上にその中心が位置するように設けられる。超音波センサー234及び超音波センサー235は、左右方向(X方向)の同一直線上にその中心が位置するように設けられる。
超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235の設置位置は、ペリクルフレームPに張設されたペリクル膜がテンション(張力)を受けている方向にエアーノズル231を挟んで設けるとよい。本実施形態においては、ペリクルフレームPは長方形であるため、ペリクル膜は、上下方向と左右方向の2つの方向にテンションを受けている。このため、超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235の設置位置は、上下左右の4方向となる。
圧縮空気噴射部236は、コンプレッサー、ソレノイドバルブ等から構成され、空気を圧縮し、所定の圧力でエアーノズル231を通してペリクルフレームPに張設されたペリクル膜に噴射する。
制御部237は、超音波センサー232と、超音波センサー233と、超音波センサー234と、超音波センサー235と、圧縮空気噴射部236と、の制御を行なう。
制御部237は、圧縮空気噴射部236によりエアーノズル231からペリクルフレームPに張設されたペリクル膜にエアを所定の圧力で所定の時間噴射させ、その空気を受けたペリクル膜の凹み量を超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235、により計測する。
制御部237は、所定の微小圧の圧縮空気を、パルス状にペリクル膜に噴射させる。制御部237は、例えば、ペリクル膜にダメージを与えない微小圧の圧縮空気を、パルス状にペリクル膜に噴射させる。ペリクル膜にダメージを与えないとは、ペリクル膜に塑性変形を生じさせないということである。例えば、ペリクル膜が受けているテンションが弱まってしまったりすることがないということである。
圧縮空気を噴射した瞬間は、断熱膨張した空気がエアーノズル231先端に広がるので、気温が変化し音速に影響を与えるが、パルス状に噴射することで、膨張した空気がそのままペリクル膜や超音波経路に達するわけではなく、いままでそこにあった空気を押すだけなので、冷たい空気が計測を乱すことはない。
一方、圧縮空気の噴射方向のペリクル膜の後方にも空気が存在するため、ペリクル膜のテンションに関係なく、パルス状の噴射では変形し難さもあるので、計測に適した噴射の圧力を設定する。
図5は、圧縮空気を噴射開始(ブロー開始)してからのペリクル膜の変形量の例を示したグラフである。
図5に示す最大ペリクル変形量や、変形戻り速度は、圧縮空気の噴射圧の変動の影響を受ける可能性が高く、圧縮空気噴射部236のソレノイドバルブの安定度まで考慮する必要がある。それに対して、例えば、半分まで戻る時間(図中「半戻り時間」)なら圧縮空気の噴射圧による変化が少ないと考えられる。
このため、本実施形態の制御部237は、圧縮空気を噴射した後のペリクル膜が最大に変化した時から最大変化量の半分まで戻る時間を半戻り時間として計測し、この半戻り時間に基づいてペリクル膜のテンションを計測する。
ピンポイントの圧縮空気の噴射で変形するペリクル膜の範囲は、直径50mm程度に限られる。それを、例えば、一つ10mm直径の超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235、で計測する。
制御部237は、例えば、直径10mm内での半戻り時間を超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235、でそれぞれ計測し、計測した半戻り時間の平均値を算出し、算出した平均値によりペリクル膜のテンションを算出する。
半戻り時間は、テンションがかかっている方向に並んでいる超音波センサー(超音波センサー232と超音波センサー233、超音波センサー234と超音波センサー235)の計測値を平均してもよい。
また、圧縮空気噴射時のペリクル膜の半戻り時間ではなく、ペリクル膜の最大変化量や、戻り速度を用いてテンションの強さを判定してもよい。
一方、テンションの異方性を計るため、例えば、縦横のテンションの比を計ろうとすると、縦方向のテンションが横方向へ、また横方向のテンションが縦方向に影響を与えてしまい、半戻り時間で計測するのは不適当となる。
このため、制御部237は、圧縮空気を噴射した後のペリクル膜が最大に変化した時の変化の大きさに基づいてテンションの異方性を計測する。
図6は、圧縮空気を噴射した後のペリクル膜が最大に変化した時(圧縮空気が噴射されたエアーノズル231に対応する部分が最も押し込まれた時)の変化量の等しい点を結んだ線を示す図である。
図6(a)に示すように、変化量が同一となる点を結んだ図形が円に近ければ、すなわち、超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235、でそれぞれ計測された変化量がほぼ等しければ、上下左右のテンションは均一である。
図6(b)に示すように、変化量が同一となる点を結んだ図形が楕円形になってしまうと、上下左右のテンションは均一でない。
制御部237は、例えば、超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235、でそれぞれ計測された最大ペリクル変形量の、テンションがかかっている方向に並んでいる超音波センサー(超音波センサー232と超音波センサー233、超音波センサー234と超音波センサー235)の計測値を平均する。制御部237は、例えば、テンションがかかっている方向ごとの最大ペリクル変形量の平均値の差が所定の範囲内であれば、テンションがかかっている方向それぞれのテンションは、ほぼ均一であると判定する。
制御部237は、例えば、パルス状に圧縮空気の噴射を行い、1回の噴射で超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235、のいずれか1つで計測を行い、4回の計測で上下左右の計測を行なう。
なお、ペリクル膜と、超音波センサー232、超音波センサー233、超音波センサー234、超音波センサー235、との距離は、例えば、40mm程度が良いが、本実施形態では、計測時に移動部によりペリクル膜との距離を調整する。
以上のように構成された本実施形態に係るペリクル検査装置1の動作について説明する。まず、フレーム31にペリクルフレームPを取り付けて、調整機構32によりペリクルフレームPの下辺の高さ方向(Y方向)の位置を調整する。このときは、ペリクル支持部30は、定盤10の+X方向の端近傍の取付位置に位置する。
次に、ガイド部材33を溝10fに沿って−X方向に移動させて、ペリクルフレームPを取付位置から検査位置に移動させる。
ペリクルフレームPが検査位置に移動したら、検査部20によりペリクル膜の検査を行なう。本実施形態では、カメラ22で撮像された画像によりペリクル膜に付着している塵埃などの異物を検出する。また、テンション計測装置23により、ペリクル膜にかかっているテンションが計測される。
なお、ペリクル膜に塵埃などの異物が付着していることが検出された場合、図示しないノズルにより異物に空気などの気体を吹き付けて除去する。このノズルは、テンション計測装置23のエアーノズル231と共用してもよい。
この検査を、まず、カメラ22が柱21の上端近傍に位置する上端位置で行なう。検査部20は、ガイド部材33、すなわちペリクルフレームPを所定距離だけ−X方向に移動させる。このようにしてペリクル支持部30に支持されたペリクルフレームPに張設されたペリクル膜を順次検査していく。
このように、−X方向の端から+X方向の端へとカメラ22及びテンション計測装置23を移動させつつ検査をしたら、検査部20は、カメラ22及びテンション計測装置23を柱21に沿って下方(−Y方向)に移動させる。そして、検査部20は、同様に、ガイド部材33、すなわちペリクルフレームPを+X方向に移動させつつ検査を行なう、
このような動作を繰り返し行なうことにより、ペリクルフレームPに張設されたペリクル膜の全面を検査することができる。
なお、異物検査の場合、検査を行なうクリーンルームの中はダウンフローなため、ブローされ除去された異物が下側に再付着する可能性が高い。このため、異物検査を行なう場合は、検査は上から下に行なう。ペリクル膜にかかっているテンションの計測のみを行なう場合は、下から上に検査を行なってもよい。
このように、上述の実施形態では、ペリクル膜に圧縮空気を噴射するエアーノズル231を中心として同心円上にペリクル膜がテンション(張力)を受けている方向と平行でエアーノズル231の中心を通る直線上に少なくとも1つの超音波センサーを設ける。
これにより、ペリクル膜に圧縮空気を噴射したときのペリクル膜の変化を計測することにより、非接触でペリクル膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができる。
また、超音波センサーは、エアーノズル231を中心として同心円上にペリクル膜がテンションを受けている方向と平行でエアーノズル231の中心を通る直線上にエアーノズル231を挟んで2つ設けるとよい。
これにより、ペリクル膜がテンションを受けている方向の、圧縮空気が噴射される位置の両側でペリクル膜の変化を計測することができ、精度良くペリクル膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができる。
制御部237は、ペリクル膜にダメージを与えない微小圧の圧縮空気を、パルス状にペリクル膜に噴射させる。
これにより、ペリクル膜にダメージを与えずに、音波に対する影響を抑えて、精度良くペリクル膜のテンション及びテンションの異方性を計測することができる。
また、制御部237は、圧縮空気を噴射した後のペリクル膜が最大に変化した時から最大変化量の半分まで戻る時間を半戻り時間として計測し、この半戻り時間によりペリクル膜のテンションを計測する。
これにより、圧縮空気の噴射圧の変動の影響を抑え、精度良くペリクル膜のテンションを計測することができる。
また、制御部237は、圧縮空気を噴射した後のペリクル膜が最大に変化した時の変化量を計測し、この変化量によりペリクル膜のテンションの異方性を計測する。
これにより、テンションのかかっている方向の相互の影響を抑え、精度良くペリクル膜のテンションの異方性を計測することができる。
なお、本実施形態においては、超音波センサーによりペリクル膜の変化を計測したが、光学式変位センサなどによりペリクル膜の変化を計測してもよい。
また、本実施形態においては、空気をペリクル膜に噴射したが、空気以外の窒素やアルゴンなどを噴射するようにしてもよい。
[テンション計測装置の変形例]
図7から図9を参照し、本実施の形態に係るテンション計測装置の変形例について説明する。
本変形例に係るテンション計測装置23Aにおいて、エアーノズル231、超音波センサー232、233、234、235、圧縮空気噴射部236及び制御部237については本実施の形態に係るテンション計測装置23と同一の構成である。以下においては、本実施の形態に係るテンション計測装置23と異なる構成を中心に説明する。
図7から図9においては、テンション計測装置23Aのペリクル膜に対向する面を正面、当該正面と反対側の面を背面と、それぞれ定義する。
図7から図9に示すように、テンション計測装置23Aは、支持台240と、支柱241と、装置本体242と、を備えている。支持台240は、柱21(図1参照)に設けられた図示しない移動部に取り付けられている。支柱241は、下端が支持台240の上面に固定されている。支柱241の上端には、装置本体242が固定されている。
テンション計測装置23Aは、支持台240が柱21(図1参照)に設けられた図示しない移動部に取り付けられることにより、柱21に沿って上下方向に移動可能に構成される。
なお、テンション計測装置23Aは、支持台240及び支柱241を備えない構成であってもよい。この場合、テンション計測装置23Aは、装置本体242が柱21(図1参照)に設けられた図示しない移動部に取り付けられる。
図7及び図8に示すように、装置本体242には、超音波センサー232、233、234、235をそれぞれ支持する支持部材245が設けられている。
(支持部材)
超音波センサー232、233、234、235のそれぞれは、各支持部材245によって支持されることで、エアーノズル231(図9参照)に対して後述する装置本体242の傾斜面242aよりも離隔した位置に配置される。
各支持部材245は、超音波センサー232、233、234、235をそれぞれ保持するセンサ筐体245aと、センサ筐体245aを回転可能に支持するブラケット245bと、を含んで構成される。
図9に示すように、センサ筐体245aは、ブラケット245bに対して図中、矢印Pで示す方向(以下、「ピッチ方向」という)に軸部材245cを支点に回転可能に、すなわち超音波センサーの送受信面S(図9参照)と後述する傾斜面242aとのなす角度を調整可能に、ブラケット245bに支持されている。
軸部材245cは、センサ筐体245aの回転軸としての機能と、センサ筐体245aを調整した角度で回転不能に固定する固定部材としての機能と、を兼ねる。
また、図8に示すように、ブラケット245bは、装置本体242に対して図中、矢印Yで示す方向(以下、「ヨー方向」という)に軸部材245dを支点に回転可能に、すなわち装置本体242へのブラケット245bの設置平面上での回転角度を調整可能に、装置本体242に支持されている。これにより、センサ筐体245aのヨー方向の回転角度を調整することができる。
ブラケット245bは、2つの固定部材245eによって、調整した回転角度で装置本体242に対して回転不能に固定される。
なお、支持部材245は、センサ筐体245aのピッチ方向及びヨー方向の回転角度を調整可能であれば、上述した構成に限らない。また、支持部材245は、センサ筐体245aのピッチ方向又はヨー方向のいずれかの回転角度を調整可能な構成であってもよい。
(傾斜面)
図9に示すように、装置本体242は、正面側(図9中、左側)に傾斜面242aが形成されている。傾斜面242aは、超音波センサー232、233、234、235に合わせて上下左右にそれぞれ形成されている。本変形例に係る装置本体242は、傾斜部材を構成する。
各傾斜面242aは、装置本体242の背面側から正面側先端に向かうに従い、徐々にエアーノズル231の中心(図9中、一点鎖線で示す)Onに近づくように傾斜している。このため、装置本体242の正面側の形状は、装置本体242の正面側先端を上面とする四角錐台形状、又は、装置本体242の正面側先端を頂点とする四角錐形状をなしている。
各傾斜面242aは、エアーノズル231を中心として同心円上にペリクル膜がテンション(張力)を受けている方向と平行でエアーノズル231の中心Onを通る直線上であって、超音波センサー232、233、234、235のそれぞれとエアーノズル231の中心Onとの間に設けられている。
各傾斜面242aは、エアーノズル231の近傍において、超音波センサー232、233、234、235から出力された超音波(送信波)、及び、ペリクル膜で反射された超音波(反射波)を反射する反射部として機能する。
なお、本変形例では、装置本体242に傾斜面242aを形成した構成について説明したが、装置本体242と別体の部材に傾斜面242aを形成してもよい。
超音波センサー232、233、234、235のそれぞれは、各傾斜面242aで反射した超音波を受信可能なように送受信面Sをそれぞれの傾斜面242aに向けて設置されている。
(中空部)
図9に示すように、装置本体242は、エアーノズル231を収容する中空状の中空部242bを有している。
中空部242bは、装置本体242の正面側先端から背面側に貫通するように形成された筒状の中空空間であり、エアーノズル231を取り囲むように形成されている。中空部242bの形状は、円筒状に限らず、多角形の筒状であってもよい。
中空部242bの正面側の開口端(図9中、左端)は、エアーノズル231の正面側先端よりも正面側に位置しているのが好ましい。
(仕切板)
図7に示すように、装置本体242において、エアーノズル231を中心として周方向に隣り合う傾斜面242aの間には、仕切板247が設けられている。仕切板247は、超音波を遮蔽可能な部材によって構成されている。本変形例では、4つの傾斜面242aに合わせて4枚の仕切板247が設けられている。
これにより、各傾斜面242a上の空間は、仕切板247によって仕切られることとなり、周方向に隣り合う傾斜面242a上の空間に対して遮蔽される。このため、超音波センサー232、233、234、235から出力された超音波(送信波)同士、又は、ペリクル膜で反射された超音波(反射波)同士が各傾斜面242a上の空間において干渉することが防止される。
なお、本変形例では、4枚の仕切板247を設けたが、少なくとも2枚以上あればよい。例えば、超音波センサーを超音波センサー232、233、234、235の順にそれぞれ時間的にずらして駆動する場合、少なくとも駆動順で隣り合う超音波センサーに対応する傾斜面242a同士の間に仕切板247が設けられていればよい。本変形例でいえば、超音波センサー232に対応する傾斜面242aと超音波センサー235に対応する傾斜面242aとの間、及び、超音波センサー233に対応する傾斜面242aと超音波センサー234に対応する傾斜面242aとの間に設けられるのが好ましい。
また、例えば、超音波センサー及び傾斜面242aが4つ以外の場合であっても、周方向に隣り合う傾斜面242aの間に仕切板247が設けられる。例えば、超音波センサー及び傾斜面242aが2つの場合は、エアーノズル231を挟んで両側に設けられた傾斜面242aの間に2枚の仕切板247が設けられる。
(作用効果)
図10(a)、(b)は、本実施形態に係るテンション計測装置23における、エアーノズル231の中心と超音波センサー232、233、234、235の中心との距離(図10(a)、(b)では、エアーノズル231の中心と超音波センサー233の中心との距離を示している)を示す図である。
図10(a)、(b)に示すように、本実施形態に係るテンション計測装置23においては、超音波センサー232、233、234、235から超音波(送信波)をペリクル膜Pf(図10(b)参照)に対して直接、出力し、ペリクル膜Pfで反射された超音波(反射波)を直接、受信する構成である。このため、エアーノズル231の中心と超音波センサー232、233、234、235の中心との距離D1は、エアーノズル231と超音波センサー232、233、234、235との距離に依存することとなる。
ここで、エアーノズル231から噴射された圧縮空気によるペリクル膜Pfの変形量は、圧縮空気が当たる箇所、すなわち、エアーノズル231の中心Onに対向する位置に近いほど、大きくなる。したがって、ペリクル膜Pfは、エアーノズル231の中心Onに対向する位置から遠ざかるほど、変形が小さくなったり、変形が生じなくなったりする。
ペリクル膜Pfの変形が生じていない箇所、又は、変形が生じていてもその変形が微小である箇所において、その変形量を超音波センサー232、233、234、235で計測しようとしても、ペリクル膜Pfのテンションの異方性を正確に計測できる程度の変形量を計測することはできない。
図10(b)において、ペリクル膜Pfのテンションの異方性を正確に計測できる程度の変形量を計測するのに好適な変形領域を点線Dfで囲んだ領域とすると、本実施形態に係るテンション計測装置23では、超音波の当たる領域がペリクル膜Pfの好適な変形領域の外側(中心Onから遠ざかる側)に位置するため、ペリクル膜Pfの好適な変形領域と超音波の当たる領域との重なりが小さい。
したがって、ペリクル膜Pfのテンションの異方性を正確に計測できる程度の変形量を計測するには、上述の距離D1は小さい方が望ましく、より好ましくは、ペリクル膜Pfの好適な変形領域と超音波の当たる領域との重なりが大きいほうがよい。
本変形例に係るテンション計測装置23Aは、エアーノズル231の近傍において、超音波センサー232、233、234、235から出力された超音波(送信波)、及び、ペリクル膜Pf(図11参照)で反射された超音波(反射波)を反射する傾斜面242aを備えている。
これにより、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、次の作用効果を得ることができる。
ここで、図9に示すように、超音波センサー232、233、234、235の中心を通り超音波センサーの送受信面Sに直交する線を中心線Osとする。中心線Osは、超音波センサー232、233、234、235から出力された超音波(送信波)、及び、ペリクル膜Pf(図11参照)で反射された超音波(反射波)の中心軸と一致しており、超音波と同様、傾斜面242aで反射するように描いている。
本変形例に係るテンション計測装置23Aは、図9に示すように、エアーノズル231の中心Onと、上述の中心線Os(図9では、超音波センサー232の中心線Osのみを表示)と、の距離D2を、本実施形態の距離D1よりも小さくすることができる。
このため、図11に示すように、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、本実施形態と比較して超音波の当たる領域をエアーノズル231の中心Onに対向する位置に近づけることができ、ペリクル膜Pfの好適な変形領域と超音波の当たる領域との重なりを大きくすることができる。
これにより、テンションの異方性を正確に計測可能なペリクル膜Pfの変形を超音波センサー232、233、234、235によって計測できる。つまり、ペリクル膜Pfのテンションの異方性を正確に計測可能な変形が確実に生じている箇所において、その変形を計測することができる。これにより、ペリクル膜Pfのテンションの異方性を正確に計測できる程度の変形量を計測することができる。
また、本変形例に係るテンション計測装置23Aにおいて、各傾斜面242aは、エアーノズル231を中心として同心円上にペリクル膜Pfがテンション(張力)を受けている方向と平行でエアーノズル231の中心Onを通る直線上であって、超音波センサー232、233、234、235のそれぞれとエアーノズル231の中心Onとの間に設けられている。さらに、超音波センサー232、233、234、235が、各傾斜面242aで反射した超音波を受信可能なように送受信面Sを各傾斜面242aに向けて設置されている。
これにより、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、傾斜面242aによって超音波を反射させることで、超音波センサー232、233、234、235をエアーノズル231から離した位置に配置しても、超音波センサー232、233、234、235がエアーノズル231の中心Onに対向する位置に近く、かつテンションの異方性を正確に計測可能なペリクル膜Pfの変形を計測することができる。
ここで、超音波センサー232、233、234、235は、例えば残響波等の影響を抑制してその測定精度を維持するために防振を十分に行う必要がある。このため、超音波センサー周辺には、防振のための付加的な構造を設ける必要があり、超音波センサーを含む超音波センサー周辺の構造が大型化する傾向にある。防振のための付加的な構造としては、例えば、超音波センサー232、233、234、235に鉛板を巻いたり、センサ筐体245a等の支持部材245を大きくしたりする構造が挙げられる。
本変形例に係るテンション計測装置23Aは、上述の通り超音波センサー232、233、234、235をエアーノズル231から離した位置に配置して傾斜面242aによって超音波を反射させる構成であるため、超音波センサーを含む超音波センサー周辺の構造が大型化しても、その影響を回避することができる。
つまり、超音波センサーを含む超音波センサー周辺の構造の大型化しても、エアーノズル231と超音波センサー232、233、234、235との距離が大きくなることがない。このため、超音波センサーを含む超音波センサー周辺の構造の大型化によって超音波の当たる領域がエアーノズル231の中心Onに対向する位置から遠ざかってしまうといった影響を回避できる。
また、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、エアーノズル231を中心として周方向に隣り合う傾斜面242aの間に、仕切板247が設けられている。
これにより、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、エアーノズル231を中心として周方向に隣り合う超音波センサー同士で超音波が干渉してしまうことを防止することができる。
また、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、超音波センサー232、233、234、235をそれぞれ支持する支持部材245を有しており、当該支持部材245が、超音波センサー232、233、234、235の傾斜面242aに対する角度、具体的にはピッチ方向の回転角度及びヨー方向の回転角度を調整可能に構成されている。
これにより、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、超音波が当たるペリクル膜Pfの位置、及び、ペリクル膜Pfに超音波が当たる角度を調整することができる。これにより、超音波センサー232、233、234、235がペリクル膜Pfの変形を計測する位置及び角度を調整することができる。このように、ペリクル膜Pfに対する超音波の位置や角度を調整できれば、超音波(反射波)の振幅が最大になる位置関係を探すことができる。
なお、本変形例では、上述のように超音波センサー232、233、234、235のピッチ方向及びヨー方向の回転角度を調整可能に構成したが、これに加えて、センサ筐体245aの回転軸に直交し、かつ中心軸Osと交差する方向に、センサ筐体245a又はブラケット245bを移動可能に構成してもよい。例えば、超音波センサーの送受信面S(図9参照)に平行な方向や、ブラケット245bの回転軸と平行な方向に、センサ筐体245a又はブラケット245bが移動可能に構成される。
これにより、超音波センサー232、233、234、235のピッチ方向及びヨー方向の回転角度の調整と、ペリクル膜Pfに超音波の中心軸Osが当たる位置の調整と、を独立して行うことができる。
また、センサ筐体245a又はブラケット245bは、センサ筐体245aの回転軸に直交し、かつ中心軸Osと交差する方向にのみ移動可能な構成であってもよい。この場合、簡易な構成でペリクル膜Pfに超音波の中心軸Osが当たる位置のみを調整可能である。
また、本変形例に係るテンション計測装置23Aにおいて、装置本体242は、エアーノズル231を収容する中空部242bを有する。
これにより、本変形例に係るテンション計測装置23Aは、エアーノズル231から噴射される圧縮空気と超音波とが干渉することを防止できる。これにより、超音波センサー232、233、234、235で受信される超音波が、エアーノズル231から噴射される圧縮空気の影響を受けてしまうことを防止することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 ペリクル検査装置
23、23A テンション計測装置
231 エアーノズル(ノズル)
232、233、234、235 超音波センサー(変位センサ)
236 圧縮空気噴射部
237 制御部
240 支持台
241 支柱
242 装置本体(傾斜部材)
242a 傾斜面(反射部)
242b 中空部
245 支持部材
245a センサ筐体
245b ブラケット
245c 軸部材
245d 軸部材
245e 固定部材
247 仕切板
S 送受信面(受信面)

Claims (11)

  1. 気体を所定の張力のかかった膜に噴射するノズルと、
    前記ノズルを中心として同心円上に前記膜が前記張力を受けている方向と平行で前記ノズルの中心を通る直線上に少なくとも1つ設けられる変位センサと、
    前記ノズルから噴射された前記気体による前記膜の前記膜が前記張力を受けている方向に直交する方向への変位を前記変位センサにより計測し、前記変位に基づいて前記膜にかかっている前記張力を計測する制御部と、を備えるテンション計測装置。
  2. 前記変位センサは、前記ノズルを中心として同心円上に前記膜が前記張力を受けている方向と平行で前記ノズルの中心を通る直線上に前記ノズルを挟んで2つ設けられる請求項1に記載のテンション計測装置。
  3. 前記制御部は、所定の微小圧の前記気体を、パルス状に前記膜に噴射する請求項1または請求項2に記載のテンション計測装置。
  4. 前記制御部は、前記気体を噴射した後の前記膜が最大に変位した時から最大変化量の半分まで戻る時間を半戻り時間として計測し、前記半戻り時間に基づいて前記膜にかかっている前記張力を計測する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のテンション計測装置。
  5. 前記膜は、複数の方向に前記張力を受けており、前記複数の方向それぞれに、前記方向と平行で前記ノズルの中心を通る直線上に少なくとも1つ前記変位センサが設けられ、
    前記制御部は、前記気体を噴射した後の前記膜が最大に変位した時の最大変化量を計測し、前記最大変化量に基づいて前記膜にかかっている複数の前記張力の異方性を計測する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のテンション計測装置。
  6. 前記変位センサが超音波センサーからなり、
    前記ノズルの近傍において超音波を反射する反射部を、さらに備え、
    前記超音波センサーは、前記ノズルに対して前記反射部よりも離隔した位置に配置されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のテンション計測装置。
  7. 前記直線上であって前記超音波センサーと前記ノズルの中心との間に、前記ノズルから噴射される前記気体の噴射方向に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材を、さらに備え、
    前記反射部は、前記傾斜面によって構成されており、
    前記超音波センサーは、前記傾斜面で反射した超音波を受信可能なように受信面を前記傾斜面に向けて設置されている請求項6に記載のテンション計測装置。
  8. 前記超音波センサー及び前記反射部を複数備える場合、前記ノズルを中心として周方向に隣り合う前記反射部の間に、仕切板が設けられている請求項6又は請求項7に記載のテンション計測装置。
  9. 前記超音波センサーを支持する支持部材を、さらに備え、
    前記支持部材は、前記超音波センサーの前記反射部に対する角度を調整可能に構成されている請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のテンション計測装置。
  10. 前記傾斜部材は、前記ノズルを収容する中空部を有する請求項7に記載のテンション計測装置。
  11. 気体を所定の張力のかかった膜に噴射するステップと、
    噴射された前記気体による前記膜の前記膜が前記張力を受けている方向に直交する方向への変位を、前記気体が噴射された点を中心として同心円上に前記膜が前記張力を受けている方向と平行で前記点を通る直線上に少なくとも1つ設けられる変位センサにより計測するステップと、
    計測した前記膜の変位に基づいて前記膜にかかっている前記張力を計測するステップと、を備えるテンション計測方法。
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