JP2004239153A - 可動スクロール部材の製造方法、スクロール型流体機械の可動スクロール部材、スクロール型圧縮機及び可動スクロール部材用のワーク - Google Patents
可動スクロール部材の製造方法、スクロール型流体機械の可動スクロール部材、スクロール型圧縮機及び可動スクロール部材用のワーク Download PDFInfo
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Abstract
【課題】部品点数増、重量増及び強度不足の虞なく、偏心軸の軸線周りの、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正する。
【解決手段】成型工程では、可動渦巻壁24bを機械加工によって形成するための被加工部と、可動基板24aとを備えた可動スクロール部材用のワークを成型する。また、可動基板24aの背面には、前記機械加工の際にワークを保持するためのチャック用ピン40aを複数、可動基板24aと一体に成型する。機械加工工程では、チャック用ピン40aをチャックして前記ワークを保持し、被加工部を機械加工して可動渦巻壁24bを形成する。測定工程では、前記機械加工後のワーク40の、スクロール型圧縮機の偏心軸の軸線周りのアンバランスを測定する。修正工程では、測定した前記アンバランスに応じて前記チャック用ピン40aを削ることにより、前記アンバランスを修正する。
【選択図】 図3
【解決手段】成型工程では、可動渦巻壁24bを機械加工によって形成するための被加工部と、可動基板24aとを備えた可動スクロール部材用のワークを成型する。また、可動基板24aの背面には、前記機械加工の際にワークを保持するためのチャック用ピン40aを複数、可動基板24aと一体に成型する。機械加工工程では、チャック用ピン40aをチャックして前記ワークを保持し、被加工部を機械加工して可動渦巻壁24bを形成する。測定工程では、前記機械加工後のワーク40の、スクロール型圧縮機の偏心軸の軸線周りのアンバランスを測定する。修正工程では、測定した前記アンバランスに応じて前記チャック用ピン40aを削ることにより、前記アンバランスを修正する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動スクロール部材の製造方法、スクロール型流体機械の可動スクロール部材、スクロール型圧縮機及び可動スクロール部材用のワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型流体機械では、固定基板及び固定渦巻壁を備える固定スクロール部材と、可動基板及び可動渦巻壁を備える可動スクロール部材とが対向している。可動スクロール部材は、回転軸により偏心軸を介して相対回転可能に支持されている。可動渦巻壁と固定渦巻壁との間には、回転軸の回転により可動スクロール部材が回転軸の軸線周りで公転することに基づいて容積減少する密閉空間が形成されている。前記可動スクロール部材において、可動基板の中心軸線は、偏心軸の軸線と一致するように形成されている。
【0003】
さて、可動渦巻壁は、可動基板の中心軸線から、インボリュート曲線等の渦巻状の曲線に沿って形成されているため、可動渦巻壁の重心は、可動渦巻壁の渦巻形状により、可動基板の中心軸線からずれている。よって、可動基板の重心を、偏心軸の軸線上に配置しても、可動スクロール部材の重心は、前記可動渦巻壁の重心となり、偏心軸の軸線からずれることとなる。つまり、可動スクロール部材は、偏心軸の軸線周りにアンバランスとなる。
【0004】
前記アンバランスにより、スクロール型流体機械の運転時には、スクロール型流体機械の振動・騒音が発生し、ベアリングの耐久性が低下する。特に、近年の電気自動車の燃料電池用の電動スクロール型圧縮機は、従来のスクロール型流体機械、例えば車両空調装置用の冷媒圧縮機等より大型化しており、可動スクロール部材も大型化しているため、スクロール型圧縮機の振動・騒音の増加や、ベアリングの耐久性低下の問題が顕著となる。
【0005】
そこで、可動スクロール部材の偏心軸周りのアンバランスを修正することにより、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制し、ベアリングの耐久性向上を図る技術がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。特許文献1の技術では、可動スクロール部材の自転防止機構を構成するボス部が可動基板に形成されており、該ボス部に肉盛りしたり、前記ボス部の周縁部が欠除した形状に成形することによって、可動スクロール部材の重心を調整しようとしている。
【0006】
さて、可動スクロール部材は、実際には設計事項に従ってワークを機械加工することによって形成するのであり、機械加工後の現物の可動スクロール部材の重心は、設計段階で予定していた位置から、機械加工の許容誤差の分だけずれる。従って、可動スクロール部材は、偏心軸の軸線周りにアンバランスとなる。さらに、前記機械加工が個々のワーク毎に行われることにより、前記アンバランスは、個々の可動スクロール部材毎に異なるようになる。
【0007】
しかし、特許文献1の技術においてボス部に肉盛りするということは、肉盛り部をボス部と一体に作るという思想であり、機械加工によって可動スクロール部材を形成した後の現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定することは記載されていない。従って、特許文献1の技術は、可動スクロール部材の設計段階の技術であって、機械加工の許容誤差によるアンバランスを修正していないものと把握できる。また、特許文献1の技術において前記ボス部の周縁部が欠除した形状に成形する場合でも、やはり現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定することは記載されていない。
【0008】
また、特許文献2の技術では、可動スクロール部材の可動基板に切欠きを形成したり、該切欠きに錘を付加することによって、可動スクロール部材の重心を調整しようとしている。
【0009】
【特許文献1】
実開平6−63889号公報のCD−ROM(第14−21頁、図2,図4−図10)
【特許文献2】
特開2000−320478号公報(第3頁、図2,図3)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献2にも、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定することは記載されていないため、同特許文献2の技術でも、機械加工の許容誤差によるアンバランスを修正していないものと把握できる。
【0011】
仮に、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定したものとして、その測定したアンバランスに基づき、特許文献1や特許文献2の技術を用いて機械加工の許容誤差による可動スクロール部材のアンバランスを修正しようとしても、例えば、錘を取り付ける場合は、錘の分、部品点数増となる。
【0012】
また、部品点数増にならないように、ボス部の周縁部が欠除した形状になるように成形したり、可動基板に切欠きを設けると、その欠除や切欠きに対応してボス部や可動基板の厚みを増したり、ボス部や可動基板の径を大きくする必要がある。しかし、この場合、可動スクロール部材が重量増となり、可動スクロール部材が旋回する際の遠心力が増加して、スクロール型流体機械の振動・騒音が増加し、ベアリングの耐久性が低下するという問題がある。ボス部を肉盛りにする場合も、可動スクロール部材が重量増となる。また、前記欠除や切欠きにより、ボス部や可動基板が強度不足になる虞がある。
【0013】
本発明は、部品点数増、重量増及び強度不足の虞なく、偏心軸の軸線周りの、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正できる可動スクロール部材の製造方法、可動スクロール部材、スクロール型圧縮機及び可動スクロール部材用のワークを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の製造方法は、前記可動渦巻壁を機械加工によって形成するための被加工部と、前記可動基板とを備えた可動スクロール部材用のワークを成型するとともに、前記可動基板の背面には、前記機械加工の際に前記ワークを保持するためのチャック用ピンを複数、前記可動基板と一体に成型する成型工程を備えている。また、前記チャック用ピンをチャックして前記ワークを保持し、前記被加工部を機械加工して前記可動渦巻壁を形成する機械加工工程を備えている。そして、前記機械加工後のワークの、前記偏心軸の軸線周りのアンバランスを測定する測定工程と、測定した前記アンバランスに応じて前記チャック用ピンを削ることにより、前記アンバランスを修正する修正工程とを備えている。
【0015】
この発明では、機械加工によって可動渦巻壁を形成後の現物の個々のワークの、偏心軸の軸線周りのアンバランスが測定工程で測定され、この測定されたアンバランスに応じて、修正工程では、チャック用ピンが削られてアンバランスが修正される。従って、現物の個々の可動スクロール部材に対応して、アンバランスを修正できるため、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制し、ベアリングの耐久性を向上できる。
【0016】
また、チャック用ピンはワークに一体に設けられているため、例えば錘を付加する場合と異なり、部品点数増を防止できる。また、この発明では、チャック用ピンを削るのであって、可動基板や、例えば自転阻止機構のボス部を欠除した形状に成形したり切欠きを設けるのではないため、可動基板や前記ボス部を厚み増にしなくてよいため、重量増を防止できる。また、可動スクロール部材の強度不足を防止できる。
【0017】
また、チャック用ピンは、機械加工工程より後では、チャックするためという機能では不要である。この不要になったチャック用ピンを利用して、可動スクロール部材のアンバランスを修正しているため、例えば可動スクロール部材のアンバランスを修正するための部材を、チャック用ピンと別に設ける場合に比べて、ワークの構成が簡単になる。
【0018】
請求項2の発明は請求項1において、前記修正工程で前記チャック用ピンを削る際の合計の削り量を調整することにより、前記可動スクロール部材の重量が所定値になるように調整している。従って、現物の個々の可動スクロール部材の重量を所定値に調整できる。ここで、可動スクロール部材の重量の所定値とは、例えば、回転軸の軸線周りのバランスをとるための重量のことである。
【0019】
請求項3の発明の可動スクロール部材の可動基板の背面には、複数のピンが凸設されており、少なくとも1つのピンの重量が、他のピンの重量と異なることにより、可動スクロール部材の重心が、偏心軸の軸線上にある。従って、この発明では、偏心軸の軸線周りのバランスがとれるため、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制でき、ベアリングの耐久性を向上できる。また、部品点数増、可動スクロール部材の重量増及び強度不足を防止できる。前記ピンは、可動渦巻壁を機械加工で形成する際に、可動スクロール部材用のワークを保持するためのチャック用のピンを削ることによって形成できる。
【0020】
請求項4の発明のスクロール型圧縮機は、請求項3に記載の可動スクロール部材を備えている。そして、電気自動車の燃料電池に供給されるガスの圧縮を行う。一般に、電気自動車の燃料電池に供給されるガスの圧縮を行うスクロール型圧縮機は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルを構成して冷媒を圧縮するスクロール型圧縮機等に比べて大きい場合が多い。従って、この発明では、前記のように比較的大きなスクロール型圧縮機の、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正できるため、スクロール型圧縮機の振動・騒音を効果的に抑制でき、ベアリングの耐久性を効果的に向上できる。
【0021】
請求項5の発明の可動スクロール部材用のワークは、可動渦巻壁を機械加工によって形成するための被加工部と、可動基板とを備えるとともに、前記可動基板の背面には、スクロール型流体機械の運転時に可動スクロール部材の自転を防止する自転防止機構を構成するボス部又は凹部を、前記可動基板の周方向に複数配置している。そして、前記可動基板の背面には、前記可動渦巻壁を形成する機械加工の際に前記ワークを保持するためのチャック用で、かつ、前記機械加工の後に削られることによって、前記可動スクロール部材を支持する偏心軸の軸線周りの、前記可動スクロール部材のアンバランスを修正可能なピンを複数、前記可動基板の周方向に、かつ、前記ボス部又は凹部の間に配置している。
【0022】
この発明のワークを用いることにより、請求項1又は2の製造方法を実施でき、また、請求項3又は4の発明の可動スクロール部材を製造できる。従って、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正でき、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制し、ベアリングの耐久性を向上できる。また、部品点数増、可動スクロール部材の重量増及び強度不足を防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を電気自動車の燃料電池用の電動スクロール型圧縮機に具体化した一実施形態について図1〜図3に従って説明する。図1は、電動スクロール型圧縮機の概要を示す模式断面図である。なお、図1の左方を電動スクロール型圧縮機の前方とし、右方を後方とする。
【0024】
図1に示すように、スクロール型流体機械としての電動スクロール型圧縮機(以下単に圧縮機とする)は、電気自動車の燃料電池FCに供給されるガスを圧縮するためのものであり、特に、本実施形態においては、燃料電池FCに供給されるエアの圧縮のために用いられている。この圧縮機は、例えば電気自動車の走行速度が高くなれば燃料電池FCに対する単位時間当たりのエア供給量を多くするように、逆に電気自動車の走行速度が低くなれば燃料電池FCへのエア供給量を少なくするように回転速度が制御される。また、信号待ち等の電気自動車の走行停止状態においても、その他の電装品(例えば空調装置用の電動冷媒圧縮機)の稼働のために、圧縮機は低い回転速度で運転される。
【0025】
次に、前記圧縮機の構成について詳述する。
前記圧縮機のハウジングは、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる圧縮機構側ハウジング11の後端に、同じくアルミニウム又はアルミニウム合金よりなるモータ側ハウジング12が接合されてなる。ハウジング内には、回転軸13が回転可能に支持されている。回転軸13は、ベアリング14を介して圧縮機構側ハウジング11に支持されるとともに、ベアリング15を介してモータ側ハウジング12に支持されている。
【0026】
モータ側ハウジング12内において回転軸13上には、電動モータMを構成するロータ16が一体回転可能に固定されている。モータ側ハウジング12の内周面には、電動モータMを構成するステータ17が、ロータ16を取り囲むようにして固定配置されている。
【0027】
前記圧縮機構側ハウジング11は、固定スクロール部材20と、この固定スクロール部材20の前端に接合固定された前側ハウジング部材21と、固定スクロール部材20の後端に接合固定された後側ハウジング部材22とで構成されている。固定スクロール部材20は、固定基板20aの後面に固定渦巻壁20bが立設されてなる。
【0028】
前記回転軸13の前端部には、この回転軸13の軸線L1に対して偏心した位置に偏心軸23が設けられている。偏心軸23には、可動スクロール部材24が、固定スクロール部材20と対向するようにベアリング25を介して支持されている。
【0029】
図2は、可動スクロール部材を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、可動スクロール部材24は、円板状をなす可動基板24aの前面に、固定スクロール部材20へ向かって可動渦巻壁24bが立設されてなる。
【0030】
前記固定スクロール部材20及び可動スクロール部材24の各渦巻壁20b,24bの先端面は、相手のスクロール部材20,24の基板20a,24aに当接されており、基板20a,24a及び渦巻壁20b,24bは、密閉空間としての圧縮室26を複数、区画形成している。
【0031】
前記可動基板24aの中央部には、偏心軸23が挿入される被挿入筒24cが、偏心軸23の挿入側(図1中、右側)と反対側(図1中、左側)との両方に突出するように形成されている。偏心軸23の挿入側と反対側で、被挿入筒24cは底壁によって閉塞されている。被挿入筒24c内で偏心軸23が、可動基板24aから固定基板20a側へ飛び出すように配置されているとにより、この偏心軸23の飛び出し分だけ、圧縮機は回転軸13の軸線L1方向に小型化できる。
【0032】
前記固定スクロール部材20において固定基板20aの中心部には、吐出ポート20cが形成されている。吐出ポート20cは、前側ハウジング部材21に形成された圧縮機の吐出口21aと、両スクロール部材20,24間の中心部を構成する中心室27とを連通する。吐出ポート20c内にはエアフィルタ28が配置されている。
【0033】
可動スクロール部材24の可動基板24aにおいて、可動基板24aの背面としての可動基板24aの後面には、3個のボス部24d(図1では1個だけ示す)が120°間隔で形成されている。ボス部24dには、旋回軸31がベアリング32を介して回転可能に支持されている。ボス部24dと対向するように、後側ハウジング部材22の内壁面には凹部22aが形成されており、凹部22aには、旋回軸31を回転可能に支持するベアリング33が配設されている。旋回軸31とベアリング32,33、ボス部24d及び凹部22aは、周知の構造の自転阻止機構34を構成している。
【0034】
前記自転阻止機構34を収めるために、可動基板24aと、これに対向する後側ハウジング部材22の内壁面との間には、スペース35が確保されている。
前記電動モータMによって回転軸13が回転駆動されると、可動スクロール部材24が偏心軸23を介して回転軸13の軸線L1周りで公転される。このとき、可動スクロール部材24は、自転阻止機構34によって自転が阻止されて、公転運動のみが許容される。この可動スクロール部材24の公転運動により、圧縮室26が両スクロール部材20,24の渦巻壁20b、24bの外周側から中心側へ容積を減少しつつ移動されることで、圧縮室26内に取り込まれたエアの圧縮が行われる。圧縮済みのエアは、中心側に到達した圧縮室26から、中心室27及び吐出ポート20c並びに吐出口21aを介して燃料電池FC(圧縮機外部)へと送り出される。
【0035】
次に、本発明の要部について説明する。
図1及び図2に示すように、可動スクロール部材24には、可動基板24aの背面に、3本のピン24e,24f,24g(図1ではピン24fだけ示す)が垂直に凸設されている。ピン24e,24f,24gは、ボス部24d同士の間に、等角度間隔(120°間隔)で位置している。
【0036】
各ピン24e,24f,24gは、互いに長さが異なっている。すなわち、各ピン24e,24f,24gは、互いに重量が異なっている。なお、図2では、分かり易いように各ピン24e,24f,24gの長さの差を誇張して示している。可動スクロール部材24の重心は、被挿入筒24cの中心軸線上にあるように、すなわち、可動スクロール部材24の中心軸線上にあるように調整されている。つまり、可動スクロール部材24の重心は、偏心軸23の軸線L2上にあるように調整(重心補正)されている。
【0037】
各ピン24e,24f,24gは、可動スクロール部材24の可動基板24aと、後側ハウジング部材22の内壁面との間の前記スペース35に収容されている。よって、各ピン24e,24f,24gは、後側ハウジング部材22の内壁面に当接することはなく、各ピン24e,24f,24gは、可動スクロール部材24のスクロール動作に支障を与えることなく配置されている。
【0038】
前記可動スクロール部材24の重量は、所定値になるように調整(重量管理)されている。回転軸13にはベアリング14より前側に、回転軸13の軸線L1に対して偏心軸23と反対側にカウンタウエイト36が取り付けられている。可動スクロール部材24の重量と、カウンタウエイト36の重量との関係は、回転軸13の軸線L1周りのバランスをとるようになっており、可動スクロール部材24の重量の所定値は、カウンタウエイト36との関係により予め定まっている。
【0039】
次に、可動スクロール部材24の製造方法について説明する。
可動スクロール部材24の製造方法は、可動スクロール部材24用のワークを成型する成型工程と、前記ワークを機械加工する機械加工工程と、機械加工後のワークの、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定する測定工程と、前記アンバランスを修正する修正工程とを備えている。
【0040】
図3は、機械加工後の可動スクロール部材24用のワーク、すなわち測定工程でのワークを示す斜視図である。
図3に示すように、機械加工後のワーク40は、機械加工としての削り加工によって形成された可動渦巻壁24bを備えるとともに、可動基板24a、被挿入筒24c、ボス部24dを備えている。また、ワーク40の可動基板24aの背面には、可動基板24aの周方向に120°間隔で3本のチャック用ピン40aが形成されている。各チャック用ピン40aは、同じ長さに形成されており、ピン24e,24f,24gより長く、各チャック用ピン40aの端面は、機械加工の基準となる座面、すなわち加工用基準座40bとなっている。
【0041】
まず、前記成型工程では、可動基板24aの背面にチャック用ピン40aを一体に備えた、可動スクロール部材24用のワークを成型する。このワークは、可動渦巻壁24bを機械加工によって形成するための被加工部を備えている。
【0042】
次に、前記機械加工工程では、全部の加工用基準座40bが、ワークを保持する保持治具(図示略)に備えられた同一平面に当接した状態で、チャック用ピン40aを保持治具でチャックすることによりワークを保持する。そして、前記被加工部を機械加工し、可動渦巻壁24bを形成する。
【0043】
次に、前記測定工程では、機械加工後のワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定する。
可動基板24aの背面には、各チャック用ピン40aよりも可動基板24aの径方向外側に、計3点の測定位置が予め設定されている。この計3点の測定位置に、ロードセルからなる測定器具を配置して、計3個のロードセルで同時に重量測定を行う。各ロードセルで測定された重量を合計することにより、ワーク40の重量を得る。また、各ロードセルで測定した重量の差と、ワーク40の中心軸線と各測定位置との位置関係から、ワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを算出する。
【0044】
上記のように測定したワーク40の重量を、可動スクロール部材24の所定値から差し引くことにより、可動スクロール部材24が前記所定値になるようにするための、チャック用ピン40aの合計の削り量が求まる。
【0045】
この合計の削り量を配分して、ワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを修正するように、各チャック用ピン40a毎の削り量を求める。つまり、各チャック用ピン40aを削った後の可動スクロール部材24の重心が、偏心軸23の軸線L2上にあるように、言い換えれば、被挿入筒24cの中心軸線上にあるように、すなわち、可動スクロール部材24の中心軸線上にあるように、各チャック用ピン40a毎の削り量を求める。
【0046】
次に、前記修正工程では、前記測定工程で求めた各チャック用ピン40a毎の削り量に基づいて各チャック用ピン40aを削ることにより、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスが修正されるとともに、重量が所定値になるように調整された可動スクロール部材24を得る。
【0047】
本実施形態では、以下のような効果を奏する。
(1) 上述したように、可動スクロール部材24の製造方法では、成型工程で、チャック用ピン40aを備えるワークを成型し、機械加工工程で、チャック用ピン40aをチャックしてワークを保持し、ワークを機械加工して可動渦巻壁24bを形成する。そして、測定工程で、機械加工後のワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定し、修正工程で、チャック用ピン40aを削ることによりピン24e,24f,24gを形成し、前記アンバランスを修正する。
【0048】
従って、機械加工後の、現物の個々の可動スクロール部材24の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定し、前記アンバランスを修正できる。よって、現物の個々の可動スクロール部材24に対応して、圧縮機の振動・騒音を抑制でき、ベアリング14,15,25,32,33の耐久性を向上できる。
【0049】
(2) チャック用ピン40aはワーク40に一体に設けられているため、例えば錘を付加する場合と異なり、部品点数増を防止できる。また、チャック用ピン40aを削るのであって、可動基板24aや、例えば自転阻止機構34のボス部24dを削ったり切欠きを設けるのではないため、可動基板24aや自転阻止機構34のボス部24dの厚み増を防いで重量増を防止でき、また、可動スクロール部材24の強度不足を防止できる。
【0050】
(3) 可動スクロール部材24のピン24e,24f,24gは、チャック用ピン40aを削ることによって形成されている。チャック用ピン40aは、機械加工工程より後では、ワーク40を保持するためという機能では不要である。この不要になったチャック用ピン40aを利用して、可動スクロール部材24の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを調整しているため、例えば前記アンバランスを調整するための部材を、チャック用の部材と別に設ける場合に比べて、ワークの構成が簡単になる。
【0051】
(4) 前記修正工程で、チャック用ピン40aを削る際の合計の削り量を調整することにより、可動スクロール部材24の重量が所定値になるように調整している。従って、現物の個々の可動スクロール部材24の重量を所定値に調整できる。
【0052】
(5) 本実施形態の圧縮機は、電気自動車の燃料電池用であって、燃料電池に供給されるガスの圧縮を行うため、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルを構成して冷媒を圧縮するスクロール型圧縮機に比べて大きい。このように比較的大きな圧縮機の、現物の個々の可動スクロール部材24のアンバランスを修正しているため、圧縮機の振動・騒音を効果的に抑制でき、ベアリング14等の耐久性を効果的に向上できる。
【0053】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
○ 圧縮機の圧縮対象となるガスは、エアに限定されるものではなく、燃料電池FCの燃料となる水素であってもよい。
【0054】
○ 圧縮機は燃料電池用に限らず、例えば車両空調装置用の冷媒圧縮機において本発明を具体化してもよい。
○ 本発明が具体化されるスクロール型流体機械はスクロール型圧縮機に限らない。例えば、容器内のガスを吸出して容器内のガス圧を低下させる真空ポンプや、高圧ガスを受け入れて内部で膨張させて常圧ガスとして吐出することにより高圧ガスのエネルギーを動力に変換する膨張機等のスクロール型流体機械に本発明を具体化してもよい。
【0055】
○ 可動スクロール部材24に設けられるピン(ピン24e,24f,24g)は、3本あることに限られない。可動スクロール部材24の重心が偏心軸23の軸線L2上にあるように調整するのであれば、例えば、3本のチャック用ピン40aのうち1本を全部削ることにより、可動スクロール部材24にはピンが2本設けられる(例えば、ピン24eがなくなり、ピン24f,24gが設けられる)のであってもよい。
【0056】
○ チャック用ピン40aは、3本であることに限らない。例えば、チャック用ピン40aが4本以上であってもよく、そのチャック用ピン40aを削った結果として、可動スクロール部材24に設けられるピンが4本以上になってもよい。
【0057】
○ 可動スクロール部材24の背面には、自転阻止機構34用として、ボス部24dが形成されることに限らず、例えば凹部を可動スクロール部材24の背面に形成し、この凹部にベアリング32を収容して旋回軸31を支持してもよい。
【0058】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、本発明は、部品点数増、重量増及び強度不足の虞なく、偏心軸の軸線周りの、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動スクロール型圧縮機の概要を示す模式断面図。
【図2】可動スクロール部材を示す模式斜視図。
【図3】機械加工後の可動スクロール部材用のワークを示す斜視図。
【符号の説明】
13…回転軸、23…偏心軸、24…可動スクロール部材、24a…可動基板、24b…可動渦巻壁、24d…自転阻止機構を構成するボス部、24e,24f,24g…ピン、40…ワーク、40a…チャック用ピン、FC…燃料電池、L2…偏心軸の軸線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動スクロール部材の製造方法、スクロール型流体機械の可動スクロール部材、スクロール型圧縮機及び可動スクロール部材用のワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型流体機械では、固定基板及び固定渦巻壁を備える固定スクロール部材と、可動基板及び可動渦巻壁を備える可動スクロール部材とが対向している。可動スクロール部材は、回転軸により偏心軸を介して相対回転可能に支持されている。可動渦巻壁と固定渦巻壁との間には、回転軸の回転により可動スクロール部材が回転軸の軸線周りで公転することに基づいて容積減少する密閉空間が形成されている。前記可動スクロール部材において、可動基板の中心軸線は、偏心軸の軸線と一致するように形成されている。
【0003】
さて、可動渦巻壁は、可動基板の中心軸線から、インボリュート曲線等の渦巻状の曲線に沿って形成されているため、可動渦巻壁の重心は、可動渦巻壁の渦巻形状により、可動基板の中心軸線からずれている。よって、可動基板の重心を、偏心軸の軸線上に配置しても、可動スクロール部材の重心は、前記可動渦巻壁の重心となり、偏心軸の軸線からずれることとなる。つまり、可動スクロール部材は、偏心軸の軸線周りにアンバランスとなる。
【0004】
前記アンバランスにより、スクロール型流体機械の運転時には、スクロール型流体機械の振動・騒音が発生し、ベアリングの耐久性が低下する。特に、近年の電気自動車の燃料電池用の電動スクロール型圧縮機は、従来のスクロール型流体機械、例えば車両空調装置用の冷媒圧縮機等より大型化しており、可動スクロール部材も大型化しているため、スクロール型圧縮機の振動・騒音の増加や、ベアリングの耐久性低下の問題が顕著となる。
【0005】
そこで、可動スクロール部材の偏心軸周りのアンバランスを修正することにより、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制し、ベアリングの耐久性向上を図る技術がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。特許文献1の技術では、可動スクロール部材の自転防止機構を構成するボス部が可動基板に形成されており、該ボス部に肉盛りしたり、前記ボス部の周縁部が欠除した形状に成形することによって、可動スクロール部材の重心を調整しようとしている。
【0006】
さて、可動スクロール部材は、実際には設計事項に従ってワークを機械加工することによって形成するのであり、機械加工後の現物の可動スクロール部材の重心は、設計段階で予定していた位置から、機械加工の許容誤差の分だけずれる。従って、可動スクロール部材は、偏心軸の軸線周りにアンバランスとなる。さらに、前記機械加工が個々のワーク毎に行われることにより、前記アンバランスは、個々の可動スクロール部材毎に異なるようになる。
【0007】
しかし、特許文献1の技術においてボス部に肉盛りするということは、肉盛り部をボス部と一体に作るという思想であり、機械加工によって可動スクロール部材を形成した後の現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定することは記載されていない。従って、特許文献1の技術は、可動スクロール部材の設計段階の技術であって、機械加工の許容誤差によるアンバランスを修正していないものと把握できる。また、特許文献1の技術において前記ボス部の周縁部が欠除した形状に成形する場合でも、やはり現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定することは記載されていない。
【0008】
また、特許文献2の技術では、可動スクロール部材の可動基板に切欠きを形成したり、該切欠きに錘を付加することによって、可動スクロール部材の重心を調整しようとしている。
【0009】
【特許文献1】
実開平6−63889号公報のCD−ROM(第14−21頁、図2,図4−図10)
【特許文献2】
特開2000−320478号公報(第3頁、図2,図3)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献2にも、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定することは記載されていないため、同特許文献2の技術でも、機械加工の許容誤差によるアンバランスを修正していないものと把握できる。
【0011】
仮に、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを測定したものとして、その測定したアンバランスに基づき、特許文献1や特許文献2の技術を用いて機械加工の許容誤差による可動スクロール部材のアンバランスを修正しようとしても、例えば、錘を取り付ける場合は、錘の分、部品点数増となる。
【0012】
また、部品点数増にならないように、ボス部の周縁部が欠除した形状になるように成形したり、可動基板に切欠きを設けると、その欠除や切欠きに対応してボス部や可動基板の厚みを増したり、ボス部や可動基板の径を大きくする必要がある。しかし、この場合、可動スクロール部材が重量増となり、可動スクロール部材が旋回する際の遠心力が増加して、スクロール型流体機械の振動・騒音が増加し、ベアリングの耐久性が低下するという問題がある。ボス部を肉盛りにする場合も、可動スクロール部材が重量増となる。また、前記欠除や切欠きにより、ボス部や可動基板が強度不足になる虞がある。
【0013】
本発明は、部品点数増、重量増及び強度不足の虞なく、偏心軸の軸線周りの、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正できる可動スクロール部材の製造方法、可動スクロール部材、スクロール型圧縮機及び可動スクロール部材用のワークを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の製造方法は、前記可動渦巻壁を機械加工によって形成するための被加工部と、前記可動基板とを備えた可動スクロール部材用のワークを成型するとともに、前記可動基板の背面には、前記機械加工の際に前記ワークを保持するためのチャック用ピンを複数、前記可動基板と一体に成型する成型工程を備えている。また、前記チャック用ピンをチャックして前記ワークを保持し、前記被加工部を機械加工して前記可動渦巻壁を形成する機械加工工程を備えている。そして、前記機械加工後のワークの、前記偏心軸の軸線周りのアンバランスを測定する測定工程と、測定した前記アンバランスに応じて前記チャック用ピンを削ることにより、前記アンバランスを修正する修正工程とを備えている。
【0015】
この発明では、機械加工によって可動渦巻壁を形成後の現物の個々のワークの、偏心軸の軸線周りのアンバランスが測定工程で測定され、この測定されたアンバランスに応じて、修正工程では、チャック用ピンが削られてアンバランスが修正される。従って、現物の個々の可動スクロール部材に対応して、アンバランスを修正できるため、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制し、ベアリングの耐久性を向上できる。
【0016】
また、チャック用ピンはワークに一体に設けられているため、例えば錘を付加する場合と異なり、部品点数増を防止できる。また、この発明では、チャック用ピンを削るのであって、可動基板や、例えば自転阻止機構のボス部を欠除した形状に成形したり切欠きを設けるのではないため、可動基板や前記ボス部を厚み増にしなくてよいため、重量増を防止できる。また、可動スクロール部材の強度不足を防止できる。
【0017】
また、チャック用ピンは、機械加工工程より後では、チャックするためという機能では不要である。この不要になったチャック用ピンを利用して、可動スクロール部材のアンバランスを修正しているため、例えば可動スクロール部材のアンバランスを修正するための部材を、チャック用ピンと別に設ける場合に比べて、ワークの構成が簡単になる。
【0018】
請求項2の発明は請求項1において、前記修正工程で前記チャック用ピンを削る際の合計の削り量を調整することにより、前記可動スクロール部材の重量が所定値になるように調整している。従って、現物の個々の可動スクロール部材の重量を所定値に調整できる。ここで、可動スクロール部材の重量の所定値とは、例えば、回転軸の軸線周りのバランスをとるための重量のことである。
【0019】
請求項3の発明の可動スクロール部材の可動基板の背面には、複数のピンが凸設されており、少なくとも1つのピンの重量が、他のピンの重量と異なることにより、可動スクロール部材の重心が、偏心軸の軸線上にある。従って、この発明では、偏心軸の軸線周りのバランスがとれるため、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制でき、ベアリングの耐久性を向上できる。また、部品点数増、可動スクロール部材の重量増及び強度不足を防止できる。前記ピンは、可動渦巻壁を機械加工で形成する際に、可動スクロール部材用のワークを保持するためのチャック用のピンを削ることによって形成できる。
【0020】
請求項4の発明のスクロール型圧縮機は、請求項3に記載の可動スクロール部材を備えている。そして、電気自動車の燃料電池に供給されるガスの圧縮を行う。一般に、電気自動車の燃料電池に供給されるガスの圧縮を行うスクロール型圧縮機は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルを構成して冷媒を圧縮するスクロール型圧縮機等に比べて大きい場合が多い。従って、この発明では、前記のように比較的大きなスクロール型圧縮機の、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正できるため、スクロール型圧縮機の振動・騒音を効果的に抑制でき、ベアリングの耐久性を効果的に向上できる。
【0021】
請求項5の発明の可動スクロール部材用のワークは、可動渦巻壁を機械加工によって形成するための被加工部と、可動基板とを備えるとともに、前記可動基板の背面には、スクロール型流体機械の運転時に可動スクロール部材の自転を防止する自転防止機構を構成するボス部又は凹部を、前記可動基板の周方向に複数配置している。そして、前記可動基板の背面には、前記可動渦巻壁を形成する機械加工の際に前記ワークを保持するためのチャック用で、かつ、前記機械加工の後に削られることによって、前記可動スクロール部材を支持する偏心軸の軸線周りの、前記可動スクロール部材のアンバランスを修正可能なピンを複数、前記可動基板の周方向に、かつ、前記ボス部又は凹部の間に配置している。
【0022】
この発明のワークを用いることにより、請求項1又は2の製造方法を実施でき、また、請求項3又は4の発明の可動スクロール部材を製造できる。従って、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正でき、スクロール型流体機械の振動・騒音を抑制し、ベアリングの耐久性を向上できる。また、部品点数増、可動スクロール部材の重量増及び強度不足を防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を電気自動車の燃料電池用の電動スクロール型圧縮機に具体化した一実施形態について図1〜図3に従って説明する。図1は、電動スクロール型圧縮機の概要を示す模式断面図である。なお、図1の左方を電動スクロール型圧縮機の前方とし、右方を後方とする。
【0024】
図1に示すように、スクロール型流体機械としての電動スクロール型圧縮機(以下単に圧縮機とする)は、電気自動車の燃料電池FCに供給されるガスを圧縮するためのものであり、特に、本実施形態においては、燃料電池FCに供給されるエアの圧縮のために用いられている。この圧縮機は、例えば電気自動車の走行速度が高くなれば燃料電池FCに対する単位時間当たりのエア供給量を多くするように、逆に電気自動車の走行速度が低くなれば燃料電池FCへのエア供給量を少なくするように回転速度が制御される。また、信号待ち等の電気自動車の走行停止状態においても、その他の電装品(例えば空調装置用の電動冷媒圧縮機)の稼働のために、圧縮機は低い回転速度で運転される。
【0025】
次に、前記圧縮機の構成について詳述する。
前記圧縮機のハウジングは、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる圧縮機構側ハウジング11の後端に、同じくアルミニウム又はアルミニウム合金よりなるモータ側ハウジング12が接合されてなる。ハウジング内には、回転軸13が回転可能に支持されている。回転軸13は、ベアリング14を介して圧縮機構側ハウジング11に支持されるとともに、ベアリング15を介してモータ側ハウジング12に支持されている。
【0026】
モータ側ハウジング12内において回転軸13上には、電動モータMを構成するロータ16が一体回転可能に固定されている。モータ側ハウジング12の内周面には、電動モータMを構成するステータ17が、ロータ16を取り囲むようにして固定配置されている。
【0027】
前記圧縮機構側ハウジング11は、固定スクロール部材20と、この固定スクロール部材20の前端に接合固定された前側ハウジング部材21と、固定スクロール部材20の後端に接合固定された後側ハウジング部材22とで構成されている。固定スクロール部材20は、固定基板20aの後面に固定渦巻壁20bが立設されてなる。
【0028】
前記回転軸13の前端部には、この回転軸13の軸線L1に対して偏心した位置に偏心軸23が設けられている。偏心軸23には、可動スクロール部材24が、固定スクロール部材20と対向するようにベアリング25を介して支持されている。
【0029】
図2は、可動スクロール部材を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、可動スクロール部材24は、円板状をなす可動基板24aの前面に、固定スクロール部材20へ向かって可動渦巻壁24bが立設されてなる。
【0030】
前記固定スクロール部材20及び可動スクロール部材24の各渦巻壁20b,24bの先端面は、相手のスクロール部材20,24の基板20a,24aに当接されており、基板20a,24a及び渦巻壁20b,24bは、密閉空間としての圧縮室26を複数、区画形成している。
【0031】
前記可動基板24aの中央部には、偏心軸23が挿入される被挿入筒24cが、偏心軸23の挿入側(図1中、右側)と反対側(図1中、左側)との両方に突出するように形成されている。偏心軸23の挿入側と反対側で、被挿入筒24cは底壁によって閉塞されている。被挿入筒24c内で偏心軸23が、可動基板24aから固定基板20a側へ飛び出すように配置されているとにより、この偏心軸23の飛び出し分だけ、圧縮機は回転軸13の軸線L1方向に小型化できる。
【0032】
前記固定スクロール部材20において固定基板20aの中心部には、吐出ポート20cが形成されている。吐出ポート20cは、前側ハウジング部材21に形成された圧縮機の吐出口21aと、両スクロール部材20,24間の中心部を構成する中心室27とを連通する。吐出ポート20c内にはエアフィルタ28が配置されている。
【0033】
可動スクロール部材24の可動基板24aにおいて、可動基板24aの背面としての可動基板24aの後面には、3個のボス部24d(図1では1個だけ示す)が120°間隔で形成されている。ボス部24dには、旋回軸31がベアリング32を介して回転可能に支持されている。ボス部24dと対向するように、後側ハウジング部材22の内壁面には凹部22aが形成されており、凹部22aには、旋回軸31を回転可能に支持するベアリング33が配設されている。旋回軸31とベアリング32,33、ボス部24d及び凹部22aは、周知の構造の自転阻止機構34を構成している。
【0034】
前記自転阻止機構34を収めるために、可動基板24aと、これに対向する後側ハウジング部材22の内壁面との間には、スペース35が確保されている。
前記電動モータMによって回転軸13が回転駆動されると、可動スクロール部材24が偏心軸23を介して回転軸13の軸線L1周りで公転される。このとき、可動スクロール部材24は、自転阻止機構34によって自転が阻止されて、公転運動のみが許容される。この可動スクロール部材24の公転運動により、圧縮室26が両スクロール部材20,24の渦巻壁20b、24bの外周側から中心側へ容積を減少しつつ移動されることで、圧縮室26内に取り込まれたエアの圧縮が行われる。圧縮済みのエアは、中心側に到達した圧縮室26から、中心室27及び吐出ポート20c並びに吐出口21aを介して燃料電池FC(圧縮機外部)へと送り出される。
【0035】
次に、本発明の要部について説明する。
図1及び図2に示すように、可動スクロール部材24には、可動基板24aの背面に、3本のピン24e,24f,24g(図1ではピン24fだけ示す)が垂直に凸設されている。ピン24e,24f,24gは、ボス部24d同士の間に、等角度間隔(120°間隔)で位置している。
【0036】
各ピン24e,24f,24gは、互いに長さが異なっている。すなわち、各ピン24e,24f,24gは、互いに重量が異なっている。なお、図2では、分かり易いように各ピン24e,24f,24gの長さの差を誇張して示している。可動スクロール部材24の重心は、被挿入筒24cの中心軸線上にあるように、すなわち、可動スクロール部材24の中心軸線上にあるように調整されている。つまり、可動スクロール部材24の重心は、偏心軸23の軸線L2上にあるように調整(重心補正)されている。
【0037】
各ピン24e,24f,24gは、可動スクロール部材24の可動基板24aと、後側ハウジング部材22の内壁面との間の前記スペース35に収容されている。よって、各ピン24e,24f,24gは、後側ハウジング部材22の内壁面に当接することはなく、各ピン24e,24f,24gは、可動スクロール部材24のスクロール動作に支障を与えることなく配置されている。
【0038】
前記可動スクロール部材24の重量は、所定値になるように調整(重量管理)されている。回転軸13にはベアリング14より前側に、回転軸13の軸線L1に対して偏心軸23と反対側にカウンタウエイト36が取り付けられている。可動スクロール部材24の重量と、カウンタウエイト36の重量との関係は、回転軸13の軸線L1周りのバランスをとるようになっており、可動スクロール部材24の重量の所定値は、カウンタウエイト36との関係により予め定まっている。
【0039】
次に、可動スクロール部材24の製造方法について説明する。
可動スクロール部材24の製造方法は、可動スクロール部材24用のワークを成型する成型工程と、前記ワークを機械加工する機械加工工程と、機械加工後のワークの、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定する測定工程と、前記アンバランスを修正する修正工程とを備えている。
【0040】
図3は、機械加工後の可動スクロール部材24用のワーク、すなわち測定工程でのワークを示す斜視図である。
図3に示すように、機械加工後のワーク40は、機械加工としての削り加工によって形成された可動渦巻壁24bを備えるとともに、可動基板24a、被挿入筒24c、ボス部24dを備えている。また、ワーク40の可動基板24aの背面には、可動基板24aの周方向に120°間隔で3本のチャック用ピン40aが形成されている。各チャック用ピン40aは、同じ長さに形成されており、ピン24e,24f,24gより長く、各チャック用ピン40aの端面は、機械加工の基準となる座面、すなわち加工用基準座40bとなっている。
【0041】
まず、前記成型工程では、可動基板24aの背面にチャック用ピン40aを一体に備えた、可動スクロール部材24用のワークを成型する。このワークは、可動渦巻壁24bを機械加工によって形成するための被加工部を備えている。
【0042】
次に、前記機械加工工程では、全部の加工用基準座40bが、ワークを保持する保持治具(図示略)に備えられた同一平面に当接した状態で、チャック用ピン40aを保持治具でチャックすることによりワークを保持する。そして、前記被加工部を機械加工し、可動渦巻壁24bを形成する。
【0043】
次に、前記測定工程では、機械加工後のワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定する。
可動基板24aの背面には、各チャック用ピン40aよりも可動基板24aの径方向外側に、計3点の測定位置が予め設定されている。この計3点の測定位置に、ロードセルからなる測定器具を配置して、計3個のロードセルで同時に重量測定を行う。各ロードセルで測定された重量を合計することにより、ワーク40の重量を得る。また、各ロードセルで測定した重量の差と、ワーク40の中心軸線と各測定位置との位置関係から、ワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを算出する。
【0044】
上記のように測定したワーク40の重量を、可動スクロール部材24の所定値から差し引くことにより、可動スクロール部材24が前記所定値になるようにするための、チャック用ピン40aの合計の削り量が求まる。
【0045】
この合計の削り量を配分して、ワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを修正するように、各チャック用ピン40a毎の削り量を求める。つまり、各チャック用ピン40aを削った後の可動スクロール部材24の重心が、偏心軸23の軸線L2上にあるように、言い換えれば、被挿入筒24cの中心軸線上にあるように、すなわち、可動スクロール部材24の中心軸線上にあるように、各チャック用ピン40a毎の削り量を求める。
【0046】
次に、前記修正工程では、前記測定工程で求めた各チャック用ピン40a毎の削り量に基づいて各チャック用ピン40aを削ることにより、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスが修正されるとともに、重量が所定値になるように調整された可動スクロール部材24を得る。
【0047】
本実施形態では、以下のような効果を奏する。
(1) 上述したように、可動スクロール部材24の製造方法では、成型工程で、チャック用ピン40aを備えるワークを成型し、機械加工工程で、チャック用ピン40aをチャックしてワークを保持し、ワークを機械加工して可動渦巻壁24bを形成する。そして、測定工程で、機械加工後のワーク40の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定し、修正工程で、チャック用ピン40aを削ることによりピン24e,24f,24gを形成し、前記アンバランスを修正する。
【0048】
従って、機械加工後の、現物の個々の可動スクロール部材24の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを測定し、前記アンバランスを修正できる。よって、現物の個々の可動スクロール部材24に対応して、圧縮機の振動・騒音を抑制でき、ベアリング14,15,25,32,33の耐久性を向上できる。
【0049】
(2) チャック用ピン40aはワーク40に一体に設けられているため、例えば錘を付加する場合と異なり、部品点数増を防止できる。また、チャック用ピン40aを削るのであって、可動基板24aや、例えば自転阻止機構34のボス部24dを削ったり切欠きを設けるのではないため、可動基板24aや自転阻止機構34のボス部24dの厚み増を防いで重量増を防止でき、また、可動スクロール部材24の強度不足を防止できる。
【0050】
(3) 可動スクロール部材24のピン24e,24f,24gは、チャック用ピン40aを削ることによって形成されている。チャック用ピン40aは、機械加工工程より後では、ワーク40を保持するためという機能では不要である。この不要になったチャック用ピン40aを利用して、可動スクロール部材24の、偏心軸23の軸線L2周りのアンバランスを調整しているため、例えば前記アンバランスを調整するための部材を、チャック用の部材と別に設ける場合に比べて、ワークの構成が簡単になる。
【0051】
(4) 前記修正工程で、チャック用ピン40aを削る際の合計の削り量を調整することにより、可動スクロール部材24の重量が所定値になるように調整している。従って、現物の個々の可動スクロール部材24の重量を所定値に調整できる。
【0052】
(5) 本実施形態の圧縮機は、電気自動車の燃料電池用であって、燃料電池に供給されるガスの圧縮を行うため、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルを構成して冷媒を圧縮するスクロール型圧縮機に比べて大きい。このように比較的大きな圧縮機の、現物の個々の可動スクロール部材24のアンバランスを修正しているため、圧縮機の振動・騒音を効果的に抑制でき、ベアリング14等の耐久性を効果的に向上できる。
【0053】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
○ 圧縮機の圧縮対象となるガスは、エアに限定されるものではなく、燃料電池FCの燃料となる水素であってもよい。
【0054】
○ 圧縮機は燃料電池用に限らず、例えば車両空調装置用の冷媒圧縮機において本発明を具体化してもよい。
○ 本発明が具体化されるスクロール型流体機械はスクロール型圧縮機に限らない。例えば、容器内のガスを吸出して容器内のガス圧を低下させる真空ポンプや、高圧ガスを受け入れて内部で膨張させて常圧ガスとして吐出することにより高圧ガスのエネルギーを動力に変換する膨張機等のスクロール型流体機械に本発明を具体化してもよい。
【0055】
○ 可動スクロール部材24に設けられるピン(ピン24e,24f,24g)は、3本あることに限られない。可動スクロール部材24の重心が偏心軸23の軸線L2上にあるように調整するのであれば、例えば、3本のチャック用ピン40aのうち1本を全部削ることにより、可動スクロール部材24にはピンが2本設けられる(例えば、ピン24eがなくなり、ピン24f,24gが設けられる)のであってもよい。
【0056】
○ チャック用ピン40aは、3本であることに限らない。例えば、チャック用ピン40aが4本以上であってもよく、そのチャック用ピン40aを削った結果として、可動スクロール部材24に設けられるピンが4本以上になってもよい。
【0057】
○ 可動スクロール部材24の背面には、自転阻止機構34用として、ボス部24dが形成されることに限らず、例えば凹部を可動スクロール部材24の背面に形成し、この凹部にベアリング32を収容して旋回軸31を支持してもよい。
【0058】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、本発明は、部品点数増、重量増及び強度不足の虞なく、偏心軸の軸線周りの、現物の個々の可動スクロール部材のアンバランスを修正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動スクロール型圧縮機の概要を示す模式断面図。
【図2】可動スクロール部材を示す模式斜視図。
【図3】機械加工後の可動スクロール部材用のワークを示す斜視図。
【符号の説明】
13…回転軸、23…偏心軸、24…可動スクロール部材、24a…可動基板、24b…可動渦巻壁、24d…自転阻止機構を構成するボス部、24e,24f,24g…ピン、40…ワーク、40a…チャック用ピン、FC…燃料電池、L2…偏心軸の軸線。
Claims (5)
- 固定基板及び固定渦巻壁を備える固定スクロール部材と、可動基板及び可動渦巻壁を備える可動スクロール部材とが対向し、回転軸により偏心軸を介して前記可動スクロール部材を相対回転可能に支持し、前記可動渦巻壁と前記固定渦巻壁との間には、前記回転軸の回転により前記可動スクロール部材が前記回転軸の軸線周りで公転することに基づいて容積減少する密閉空間を形成したスクロール型流体機械に用いられる可動スクロール部材の製造方法において、
前記可動渦巻壁を機械加工によって形成するための被加工部と、前記可動基板とを備えた可動スクロール部材用のワークを成型するとともに、前記可動基板の背面には、前記機械加工の際に前記ワークを保持するためのチャック用ピンを複数、前記可動基板と一体に成型する成型工程と、
前記チャック用ピンをチャックして前記ワークを保持し、前記被加工部を機械加工して前記可動渦巻壁を形成する機械加工工程と、
前記機械加工後のワークの、前記偏心軸の軸線周りのアンバランスを測定する測定工程と、
測定した前記アンバランスに応じて前記チャック用ピンを削ることにより、前記アンバランスを修正する修正工程と
を備えることを特徴とする可動スクロール部材の製造方法。 - 前記修正工程で前記チャック用ピンを削る際の合計の削り量を調整することにより、前記可動スクロール部材の重量が所定値になるように調整する請求項1に記載の可動スクロール部材の製造方法。
- 固定基板及び固定渦巻壁を備える固定スクロール部材と、可動基板及び可動渦巻壁を備える可動スクロール部材とが対向し、回転軸により偏心軸を介して前記可動スクロール部材を相対回転可能に支持し、前記可動渦巻壁と前記固定渦巻壁との間には、前記回転軸の回転により前記可動スクロール部材が前記回転軸の軸線周りで公転することに基づいて容積減少する密閉空間を形成したスクロール型流体機械に用いられる可動スクロール部材において、
前記可動基板の背面には、複数のピンが凸設されており、少なくとも1つの前記ピンの重量が、他の前記ピンの重量と異なることにより、可動スクロール部材の重心が、前記偏心軸の軸線上にあることを特徴とするスクロール型流体機械の可動スクロール部材。 - 請求項3に記載の可動スクロール部材を備えており、電気自動車の燃料電池に供給されるガスの圧縮を行うスクロール型圧縮機。
- 可動渦巻壁を機械加工によって形成するための被加工部と、可動基板とを備えるとともに、前記可動基板の背面には、スクロール型流体機械の運転時に可動スクロール部材の自転を防止する自転防止機構を構成するボス部又は凹部を、前記可動基板の周方向に複数配置した可動スクロール部材用のワークであって、
前記可動基板の背面には、前記可動渦巻壁を形成する機械加工の際に前記ワークを保持するためのチャック用で、かつ、前記機械加工の後に削られることによって、前記可動スクロール部材を支持する偏心軸の軸線周りの、前記可動スクロール部材のアンバランスを修正可能なピンを複数、前記可動基板の周方向に、かつ、前記ボス部又は凹部の間に配置した可動スクロール部材用のワーク。
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JP2003028629A JP2004239153A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 可動スクロール部材の製造方法、スクロール型流体機械の可動スクロール部材、スクロール型圧縮機及び可動スクロール部材用のワーク |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012117663A (ja) * | 2010-12-01 | 2012-06-21 | Hyundai Motor Co Ltd | ブーミングサウンド発生減速機 |
JP2021513625A (ja) * | 2018-03-20 | 2021-05-27 | フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフトVolkswagen Aktiengesellschaft | スクロール圧縮機およびその組み立て方法 |
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2003
- 2003-02-05 JP JP2003028629A patent/JP2004239153A/ja active Pending
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