JP2004238774A - 柔軟ヤーン及びそれからなる人工芝 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレンブロック共重合体50〜94重量%、(B)プロピレン単独重合体(B−1)20〜60重量%とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B−2)40〜80重量%とからなり、MFRが0.2〜10g/10分、TREFにおける40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物3〜25重量%、及び(C)線状低密度ポリエチレン3〜40重量%を含有するオレフィン系樹脂組成物からなる柔軟ヤーン、それからなる人工芝。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟ヤーン、パイル糸、人工芝に関し、詳しくは、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を含むオレフィン系樹脂組成物からなる低熱収縮率、柔軟性、耐摩耗性(フィブリル化抵抗性)に優れた柔軟ヤーン、パイル糸及びそれからなる人工芝に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然芝生の代替材料として、ポリプロピレンやナイロン等の合成樹脂製ヤーンのパイル糸を基布に植え付けた人工芝が、テニス、サッカー、ホッケー、野球、ゴルフ場等の球技スポーツ用の屋外又は屋内球技場、多目的グラウンドや公園等に広く使用されされている。さらに、パイル糸の植え付けの間に砂等の充填物を充填した、砂入り人工芝の競技場が、水切れ、競技時の膝に対する疲労を軽減する等の利点から、広く使用されている。
【0003】
ポリプロピレン系ヤーンは、安価であり、かつ耐候性も有機系光安定剤の添加でかなり改良されるため、パイル糸の材料として使用されているが、砂入り人工芝では、人工芝がシューズ、スパイクなどで踏みつけられた際に、充填された砂との摩擦で、パイル先端部がフィブリル化しやすいと言う欠点があり問題が指摘されていた。
【0004】
このような砂入り人工芝で、人工芝がシューズ等で踏みつけられた際に、フィブリル化し難いポリプロピレン系人工芝用パイル糸を提供する例として、例えば、プロピレン単独重合体からなる鎖セグメント及びプロピレンとエチレンのランダム共重合体からなる鎖セグメントから構成されるプロピレン・エチレンブロック共重合体よりなるポリプロピレン系樹脂を基材とする人工芝が(例えば、特許文献1参照。)、また、ポリプロピレン系樹脂65〜95重量%及び密度0.918〜0.940g/cm3の線状ポリエチレン系樹脂35〜5重量%からなる樹脂組成物の基材が(例えば、特許文献2参照)、さらに、ポリプロピレン系樹脂70〜95重量%及びメルトフローレート0.1〜10g/10分のメタロセン系触媒により得られるエチレン・α−オレフィン共重合体30〜5重量%からなる樹脂組成物の基材が(例えば、特許文献3参照。)開示されている。
【0005】
しかしながら、上記ポリプロピレン系パイル糸から作られた砂入り人工芝のフィブリル化抵抗性は、十分とは言えず、更なる性能の向上が望まれている。
従来のポリプロピレン系人工芝用パイル糸においては、それ単体で耐摩耗性(フィブリル化抵抗性)に優れたヤーン発現させるには至っていないのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−112405号公報
【特許文献2】
特開平6−184811号公報
【特許文献3】
特開平9−291508号公報
【0007】
【発明が解決すべき課題】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、砂入り人工芝に使用されても優れたフィブリル化抵抗性(耐摩擦性)を発揮するポリオレフィン系樹脂を用いた柔軟ヤーン、それからなるパイル糸、及び人工芝を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、プロピレン系重合体に特定の性状を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を配合したオレフィン系樹脂組成物から、柔軟なスリットヤーンが得られることを見出し、また当該ヤーンを人工芝構成物の少なくとも1つとすることにより、柔軟で耐摩耗性に優れた人工芝が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の成分(A)50〜94重量%、成分(B)3〜25重量%、及び成分(C)3〜40重量%を含有するオレフィン系樹脂組成物からなる柔軟ヤーンが提供される。
成分(A):プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレンブロック共重合体、
成分(B):下記の成分(B−1)20〜60重量%と成分(B−2)40〜80重量%とからなり、成分(B−1)の重合工程と成分(B−2)の重合工程からなる多段重合により製造されるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が0.2〜10g/10分、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いる温度40〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%であることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
成分(B−1):アイソタクチックペンタッド分率が90%以上のプロピレン単独重合体
成分(B−2):プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体であって、α−オレフィン含量が5〜75重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体
成分(C)成分:線状低密度ポリエチレン
【0010】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、成分(B−2)におけるα−オレフィンが、エチレンであり、エチレンの含有量が5〜40重量%であることを特徴とする柔軟ヤーンが提供される。
【0011】
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、柔軟ヤーンが、空冷インフレーション法、Tダイ法、または水冷インフレーション法のいずれかの方法により製造されたものであることを特徴とする柔軟ヤーンが提供される。
【0012】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜第3の発明の柔軟ヤーンからなるパイル糸が提供される。
【0013】
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明のパイル糸からなる人工芝が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
1.オレフィン系樹脂組成物
本発明の柔軟ヤーンの原料となるオレフィン系樹脂組成物は、(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレンブロック共重合体と(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)線状低密度ポリエチレンとを含有する組成物である。以下に各成分につい説明する。
【0015】
(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレンブロック共重合体本発明で用いるオレフィン系樹脂組成物を構成するプロピレン単独重合体としては、特に限定されず、従来公知のポリプロピレン単独重合体を用いることができる。また、プロピレン・エチレンブロック共重合体としては、特に限定されず、従来公知のプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いることができる。
また、これらは、人工芝用原糸の物性を損なわない範囲で、プロピレンとエチレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等のα−オレフィンとのランダム共重合体、及びこれらの混合物であってもよい。
プロピレン単独重合体及びプロピレン・エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)は、0.5〜5g/10分、好ましくは0.5〜4g/10分であることが耐摩耗性の点で好ましい。
【0016】
本発明のオレフィン系樹脂組成物における(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレンブロック共重合体の配合量は、50〜94重量%であり、好ましくは55〜90重量%、より好ましくは60〜90重量%である。(A)成分の量が50重量%未満では、柔軟性とタフト性及び耐寒性が劣る結果であり、94重量%を超えるとタフト性、熱収縮率、耐摩耗性のバランスが悪くなり好ましくない。
【0017】
(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
本発明で用いるオレフィン系樹脂組成物を構成する(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、プロピレン単独重合体成分(B−1)とプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(B−2)との組成物である。
また、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、成分(B−1)の重合工程と成分(B−2)の重合工程とからなる多段重合で製造される組成物である。多段重合としては、一段目の工程でプロピレン単独重合体(B−1)を製造後、2段目以降の工程でプロピレンとα−オレフィンとの共重合体(B−2)を製造する少なくとも2段の逐次の多段重合工程により組成物(B)を得る方法、プロピレン単独重合体(B−1)と、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体(B−2)とをそれぞれ別個の重合工程で重合したものをブレンドすることにより組成物(B)を得る方法等が挙げられる。これらの中では、少なくとも2段の逐次の多段重合工程による前者の方法が好ましい。
【0018】
上記重合に用いられる触媒としては、特に限定されるものではないが、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなるものが好ましい。
【0019】
上記有機アルミニウム化合物としては、この種の重合において公知の、一般式R1 mAlX(3−m)(式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、mは1〜3の数である。)で表される化合物であり、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
【0020】
また、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を必須とする固体成分としては、この種の重合において公知の固体成分である。
【0021】
チタン原子の供給源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR2)(4−n)Xn(式中、R2は炭素数1〜10の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、nは0〜4の数である。)で表される化合物であり、例えば、四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等が挙げられる。
【0022】
マグネシウム原子の供給源となるマグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げられ、中でも、マグネシウムジハライド等が好ましい。
【0023】
ハロゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、沃素が挙げられ、中でも塩素が好ましく、これらは、通常、前記チタン化合物或いはマグネシウム化合物から供給されるが、アルミニウムのハロゲン化物、珪素のハロゲン化物、タングステンのハロゲン化物等の他のハロゲン供給源から供給されてもよい。
【0024】
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸及びその誘導体等の含酸素化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素化合物が挙げられ、中で、無機酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好ましく、珪酸エステル、フタル酸エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸ハライド等が更に好ましく、一般式R3R4 (3−p)Si(OR5)p(式中、R3は炭素数3〜20、好ましくは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基、又は、炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を示し、R4は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐又は直鎖状脂肪族炭化水素残基を示し、R5は炭素数1〜10、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を示し、pは1〜3の数である。)で表される有機珪素化合物であり、例えば、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等が挙げられる。
【0025】
上記少なくとも2段の逐次の多段重合工程においては、第一段重合工程で、プロピレンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好ましくは1.0〜3.5MPaの条件で、プロピレン単独重合を行い、(B−1)を製造する。なお、本発明の目的を損なわない範囲でプロピレン以外のα−オレフィンを供給してもよい。
引き続いて、第二段重合工程で、プロピレンとα−オレフィンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレン及び他のα−オレフィンの分圧各0.3〜4.5MPa、好ましくは0.5〜3.5MPaの条件で、プロピレンとα−オレフィンの共重合を行い、(B−2)を製造し、組成物(B)を得る。
さらに、必要に応じて、同様の共重合を繰り返して行われる。
【0026】
なお、その際の重合は、回分式、連続式、半回分式のいずれによってもよく、第一段重合工程の重合は、気相又は液相中、また、第二段重合工程以降の重合も気相又は液相中、特には気相中で実施するのが好ましく、各段階の滞留時間は、各々0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間が好ましい。
【0027】
さらに、上記少なくとも2段の逐次の多段重合工程により製造される組成物の粉体粒子にベタツキ等の問題が生じる際は、粉体粒子に流動性を付与する目的で、第一段重合工程での重合後、第二段重合工程での重合開始前又は重合途中に、活性水素含有化合物を、触媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000倍モルで、かつ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。
ここで、活性水素含有化合物としては、例えば、水、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸類、酸アミド類、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
【0028】
また、(B−1)及び(B−2)を別個に重合してブレンドする方法においても同様の触媒、同様の条件で重合することができる。
【0029】
成分(B−1)は、プロピレン単独重合体であり、そのアイソタクチックペンタッド分率は90%以上、好ましくは95%以上である。アイソタクチックペンタッド分率が90%未満であると組成物の熱可塑性エラストマーとしての柔軟性と引張特性のバランスが劣ると共に、耐熱性も劣ることとなる。
ここで、プロピレン単独重合体のアイソタクチックペンタッド分率は、Macromolecules、6、925(1973)に記載の13C−NMRスペクトル法により求める。すなわち、13C−NMRスペクトルにおいて5個連続したプロピレン単量体単位を示すピークから、アイソタクチック結合に相当するピークの分率を求める。なお、ピークの帰属は、Macromolecules、8、687(1975)に記載の方法で測定するものとする。
【0030】
成分(B−2)は、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、中でも、エチレンが好ましい。プロピレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンの含量は、5〜75重量%であり、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜40重量%である。α−オレフィンの含量が5重量%未満であると、共重合体成分量を増加させても、ヤーン、スリットヤーンの柔軟性付与効果は乏しい不具合があり、75重量%を超える場合は、成形加工性が劣るので生産性が低下するので好ましくない。
【0031】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)における(B−1)と(B−2)の組成割合は、(B−1)が20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%、より好ましくは30〜50重量%であり、(B−2)が40〜80重量%、好ましくは45〜75重量%、より好ましくは50〜70重量%である。成分(B−1)が60重量%を超えると(成分(B−2)が40重量%未満であると)、ヤーン、スリットヤーンの柔軟性付与効果が乏しく、一方、成分(B−1)が20重量%未満であると(成分(B−2)が80重量%を超えると)、ヤーン、スリットヤーンの熱安定性が損なわれる。
【0032】
また、本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)は、次の(i)MFR及び(ii)温度上昇溶離分別における溶出量の物性を有している必要がある。
【0033】
(i)MFR
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のJIS−K6921による230℃、21.18Nでのメルトフローレート(MFR)は、0.2〜10g/10分であり、好ましくは0.5〜8g/10分であり、より好ましくは1〜6g/10分である。MFRが0.2g/10分未満であると、ヤーン成形時圧力が高くなりすぎ、高倍率での延伸が困難となり、ヤーン厚の不均一などの弊害が生じる。一方、10g/10分を超えると、溶融粘度が低いことから成形時にフィルム安定性が不良となり、また、インフレーションフィルム成形においてはバブルが不安定でパンク等を生じ延伸切れが多発するといった弊害が生じる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量などを適宜調節する方法、あるいは重合終了後に過酸化物の添加によりMFRを適正範囲に調整する方法がある。
【0034】
(ii)温度上昇溶離分別における溶出量
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いる温度40〜140℃の間の温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fraction)によって得られる積分溶出曲線において、40℃で溶出する成分の量が30〜80重量%、好ましくは35〜75重量%、より好ましくは45〜70重量%である。
TREFにおける40℃可溶成分は、いわゆるゴム成分であるため、当該成分が30重量%未満であると、ヤーン、スリットヤーン化したときに柔軟性に乏しいものとなってしまう。一方、80重量%を超えると、ヤーン、スリットヤーンとしての熱安定性が損なわれ、好ましくない。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のTREFにおける40℃可溶成分量は、成分(B−2)プロピレン・α−オレフィン共重合体の含有量を調製することにより制御することができる。
【0035】
ここで、上記温度上昇溶離分別(TREF)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(積分溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測定する方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測定の詳細については、Journal of Applied Polymer Science第26巻 第4217〜4231頁(1981年)に記載されており、本発明においてもこれに従って行う。
【0036】
なお、40℃可溶分量は、具体的に次の条件で測定する値である。
測定装置はダイヤインスツルメンツ製CFC T−100を使用する。
まず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、4mg/mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は設定条件にしたがって自動的に行われる。サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入される。次に該サンプルを140℃から40℃の温度まで約40分かけて降温する。TREFカラムが40℃で更に30分間保持された後、40℃の温度で溶解している成分2mlが1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工製AD806MS 3本)へ注入される。SECで分子サイズの分別が行われている間に、TREFカラムでは次の溶出温度(100℃)に昇温され、その温度に約30分保持される。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔で行われる。溶出温度は40℃、100℃及び140℃の3水準に階段的に昇温される。該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は装置付属の赤外線分光光度計で検出され、各溶出温度区分におけるクロマトグラフが得られる。なお、赤外線分光光度計での検出は検出波数3.42μmにおける吸光度を使用して行われ、溶液中のポリマー成分量と吸光度とが比例するものとして以下のデータ処理が行われる。各溶出温度区分におけるクロマトグラムは内蔵のデータ処理ソフトにより処理され、各クロマトグラムの面積を基に、積算が100%となるように規格化された各溶出温度区分の溶出量が計算される。更に、得られた各溶出温度区分の溶出量から、積分溶出曲線が作成される。
ここで、40℃可溶成分は、TREFによって得られる積分溶出曲線において、40℃の温度で溶出する成分を示すものであり、40℃可溶成分量は、40℃の温度で溶出する溶出量を示すものである。
【0037】
本発明のオレフィン系樹脂組成物における(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の配合量は、3〜25重量%であり、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。(B)成分の量が3重量%未満では、耐摩耗性が劣る結果となり、25重量%を超えるとタフト性、熱収縮率、耐摩耗性のバランスが劣る。
【0038】
(C)線状低密度ポリエチレン
本発明で用いるオレフィン系樹脂組成物を構成する(C)線状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1等から選択される一種又は二種以上の共単量体との共重合体である。具体的には、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・ヘプテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1の共重合体等である。
線状低密度ポリエチレンの密度(JIS−K7112)は、約0.905〜0.940g/cm3、好ましくは0.910〜0.935g/cm3が耐摩耗性の点で好ましい。又、メルトフローレート(JIS−K7210、190℃、21.18N)は、0.3〜10g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分が外観の点で好ましい。
重合触媒は特に限定されず、従来公知のチーグラー系触媒、又はメタロセン系触媒で重合された線状低密度ポリエチレンである。本発明においては、チーグラー系触媒で重合された線状低密度ポリエチレンとメタロセン系触媒で重合された線状低密度ポリエチレンを併用してもよい。
【0039】
本発明のオレフィン系樹脂組成物における(C)線状低密度ポリエチレンの配合量は、3〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜30重量%である。(C)成分の量が3重量%未満では、耐摩耗性に難があり、40重量%を超えると熱収縮率が大きくなり好ましくない。
【0040】
(D)その他の成分
本発明のオレフィン系樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、石油樹脂などを配合することができる。
【0041】
2.オレフィン系樹脂組成物の製造
本発明で用いるオレフィン系樹脂組成物は、上記の(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレンブロック共重合体と、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物と、(C)線状低密度ポリエチレンと、必要に応じて、各種添加剤等とを、ドライブレンドの状態あるいは溶融混練機を用いて180〜300℃で加熱溶融混練し、粒状に裁断されたペレットの状態でヤーン用成形材料として提供される。
【0042】
3.柔軟ヤーン
本発明の柔軟ヤーンは、上述の成形材料をTダイ法により製造されるフィルムを延伸して、又は空冷インフレーション法、Tダイ法、水冷インフレーション法等のフィルム成形法により製造されるフィルムを延伸、スリットして得られる。
具体的には例えば以下の方法を例示できる。成形材料を190℃〜240℃の温度範囲内で溶融混練押出し、厚さが50〜250μmのフィルムを得、得られたフィルムを冷却後、幅1〜80mm、好ましくは10〜30mmにスリットしてテープとする。次いで、テープ引き取り方向へ2.5〜10倍の延伸倍率で延伸し、得られた延伸テープを熱板又はオーブンで95〜155℃の温度範囲内で5〜10%弛緩熱処理してヤーンとする。ヤーンのデニールは、10〜10000g/9000mが好ましく、糸幅は、0.5〜40mmが好ましく、糸厚は、30〜150μmが好ましい。
本発明の柔軟ヤーンの目付量は、5〜200g/m2であるのが好ましい。
【0043】
本発明の柔軟ヤーンは、他の樹脂層が積層された多層ヤーンであっても良い。他の樹脂層に使用できる樹脂としては高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
【0044】
4.パイル糸
本発明のパイル糸は上記によって得られる柔軟ヤーンを加工して製造することができる。製造方法には制限がなく、公知の方法を採用可能である。例えば、上記ヤーンを複数本撚り加工し、これを更に嵩高に加工して、パイル糸が得られる。
【0045】
5.人工芝
本発明の人工芝はパイル糸を人工芝用原糸として用い、公知の方法で製造することができる。例えば次のような条件で製造することができる。
(i)人工芝生用原糸を5/16ゲージなどのタフティング機により、一次基布(例えば、ポリプロピレン製テープの織り基布)に、4〜8ステッチでタフトする。使用される織り基布は、縦糸に250〜1000デニール、横糸に500〜1500デニールのポリプロピレン製一軸延伸テープを用い、縦、横の打ち込み本数は、1インチ幅あたり、縦12〜24本/インチ幅、横10〜20本/インチ幅になるよう、例えば、スルーザ型織機を用い製織されたものを用いる。織組織としては、平織、綾織等が適用される。
(ii)タフトされたパイルの織基布への固定方法として、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機系充填剤が含まれるSBR(スチレン・ブタジエンゴムラッテックス)を固形分として、その塗布量が200〜800g/m2になるように塗布し、その後、熱風循環式オーブン等で100〜140℃の温度条件で乾燥され、人工芝を製造する。その他、カットパイルが植込まれた一次基布の裏面に無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムを押出溶融ラミネートして、人工芝を製造する方法などが採用される。
得られた人工芝は、人工芝材料のヤーンがオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を含有する組成物から得られているので、柔軟性を有し、耐摩耗性、フィブリル化抵抗性を有する特徴を有する。
【0046】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り実施例に限定されるものではない。なお、実施例における試験、評価方法は下記の通りであり、また、実施例、比較例で用いた樹脂類は下記の通りである。
【0047】
1.試験、評価方法
(1)MFR:JIS−K6921−2附属書に準拠し測定した。(条件:温度230℃、荷重21.18N)
(2)温度上昇溶離分別(TREF)による40℃可溶分量:測定装置はダイヤインスツルメンツ製CFC T−100を使用した。測定方法は前記のとおりとした。
(3)アイソタクチックペンタッド分率:測定方法は前記のとおりとした。(表1において、アイソタクチックペンタッド分率をIPFと記す。)
(4)熱収縮率:スリットヤーンを用いて110℃、10分間の熱収縮率を測定した。
(5)タフト性評価:3人のパネラーが目視で人工芝パイル外観の状態を見て、次の基準で判断した。
良好:3人のパネラーがタフト後、パイル外観の状態が良好としたもの。
可:3人のパネラーの内1名がタフト後、パイル外観状態を判断し、パイル高さの不揃いが少しありと判断し、残りの2名が人工芝パイル外観上問題少ないと判断したもの。
不可:2人以上が人工芝パイル外観上問題ありとしたもの。
(6)耐摩耗性の測定:テーバ摩擦法(JIS−L−1023)により、下記の基準で評価した。
◎:耐摩耗性テストでフィブリル化がほとんど見られないもの。
○:耐摩耗性テストでパイル表面にほんの少しフィブリル化が見られたもの。
×:耐摩耗性テストでパイル表面の先端部に縦裂けが見られ、一部先端部が引きちぎられ、細かくフィブリル化したもの。
【0048】
2.使用樹脂
(1)(A)成分
(i)プロピレン単独重合体(HPP):ノバテックPP FY6V(MFR2.4g/10分、日本ポリケム社製)
(ii)プロピレン・エチレンブロック共重合体(BCP):ノバテックPP BC6(MFR2.7g/10分、日本ポリケム社製)
【0049】
(2)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
以下の重合例1、2で製造した表1に示す物性を有する重合体−I及び重合体−IIを用いた。
【0050】
重合例1
(1)固体成分触媒の製造
窒素置換した内容積50リットルの攪拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで塩化マグネシウム4モルとテトラブトキシチタン8モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)480ミリリットルを導入して更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン15リットルを導入し、次いで、得られた固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入し、更に、四塩化珪素8モルをn−ヘプタン25ミリリットルに加えた混合液を30℃で30分間かけて導入して、温度を90℃に上げ、1時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、前記で得られたチタン含有固体成分250グラムと、1,5−ヘキサジエン750グラム、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン130ミリリットル、ジビニルジメチルシラン10ミリリットル、トリエチルアルミニウム225グラムとをそれぞれ導入して30℃で2時間接触させた後、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体成分触媒を得た。得られた固体成分触媒は、1,5−ヘキサジエンの予備重合量がチタン含有固体成分あたり、2.97グラムのものであった。
【0051】
(2)プロピレン共重合体の製造
内容積550リットルの第一段反応器に、温度70℃、圧力(70℃においては約3.2MPaになる)において、プロピレンとトリエチルアルミニウム、及び重合体生成速度が20kg/時間となるような量比の前記固体成分触媒とを連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を(水素供給量)/(プロピレン供給量)のモル比で0.055となるように連続的に供給して液相中で重合を実施した(第一段重合工程)。
引き続いて、生成重合体を、プロピレンパージ槽を経由させて、内容積1900リットルの第二段反応器に導入し、温度60℃、圧力3.0MPaになるように、生成する共重合体中の組成割合に応じたプロピレンとエチレンを(エチレン供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.18となるように連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を(水素供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.0041となるように連続的に供給して気相中で重合を実施し、生成重合体を連続的にベッセルに移した後、水分を含んだ窒素ガスを導入して反応を停止させ(第二段重合工程)て、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(重合体−I)を得た。得られた重合体−Iの物性を表1に示す。
【0052】
重合例2
重合例1の第一段重合行程におけるエチレン・プロピレンのモル比を(水素供給量)/(プロピレン供給量)のモル比で0.007、第二段重合工程におけるエチレン・プロピレンのモル比を(エチレン供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.48、水素を(水素供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.0075とする以外は、重合例Iと同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(重合体−II)を得た。重合体−IIの物性を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
(3)(C)成分
(i)チーグラー系触媒による線状低密度ポリエチレン(Z−LLDPE):ノバテックLL UF340(密度0.923g/cm3、メルトフローレート1.9g/10分、日本ポリケム製)
(ii)メタロセン系触媒による線状低密度ポリエチレン(M−LLDPE):カーネル KF271(密度0.913g/cm3、メルトフローレート2.4g/10分、日本ポリケム製)
(iii)低密度ポリエチレン(LDPE):ノバテックLD LC560(密度0.926g/cm3、メルトフローレート3.5g/10分、日本ポリケム製)
【0055】
実施例1〜5、比較例1〜5
表2に示す(A)〜(C)の樹脂成分からなる組成物100重量部に対し、フタロシアニン系顔料2重量部、炭酸カルシウム0.4重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)0.8重量部、紫外線吸収剤0.7重量部、フェノール系酸化防止剤0.2重量部、リン系酸化防止剤0.2重量部及び中和剤0.15重量部を配合し、スーパーミキサーを用いてドライブレンドした後、ホッパーより原料を供給し、神戸製鋼所押出機(KCM)を用い溶融混練し、押出してペレットを得た。
得られたペレットをヤーン成形機により、スリットヤーン(延伸温度135℃、延伸倍率6倍に延伸後、140℃熱風循環オーブンで弛緩率8%熱処理をし、幅5mm、厚み80μm、約8000デニールの一軸延伸物)を製造した。得られたスリットヤーンの物性を表2に示す。
さらに得られたスリットヤーンを用い、常法に基づき撚り加工し、更に嵩高に加工して、人工芝用パイルとした。これをタフティング機により、ポリプロピレン製織り基布に、タフトし、無機系充填剤を含有したスチレン・ブタジエンゴムラッテックスを固形分として、パイルを基布に固定し、人工芝生を製造した。人工芝の評価結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示すように実施例1〜5に示す樹脂配合組成物からのスリットヤーン、人工芝は、いずれもタフト性が良好で、熱収縮率、耐摩耗性も優れる物性が得られることが判る。一方、比較例1はタフト性が良好ではあるが、熱収縮率が大きく、耐摩耗性も実施例に比べやや劣る結果を示した。また、比較例2、3、4はタフト性、熱収縮率、耐摩耗性のいずれも実施例のものに比べて物性が劣る結果を示すものであった。また、比較例5はタフト性は実施例のものに比べてやや劣り、熱収縮率が大きい結果を示すものであった。
【0058】
【発明の効果】
本発明の柔軟ヤーンは、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を含有しているので、成形性を損なうことなく柔軟で耐摩耗性に優れており、人工芝、スポーツ用屋外(屋内)球技場用基布等の産業資材用、あるいは多目的グラウンドや公園等において人工パイル糸として好適に使用することができる。
Claims (5)
- 下記の成分(A)50〜94重量%、成分(B)3〜25重量%、及び成分(C)3〜40重量%を含有するオレフィン系樹脂組成物からなる柔軟ヤーン。
成分(A):プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレンブロック共重合体
成分(B):下記の成分(B−1)20〜60重量%と成分(B−2)40〜80重量%とからなり、成分(B−1)の重合工程と成分(B−2)の重合工程からなる多段重合により製造されるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が0.2〜10g/10分、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いる温度40〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%であることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
成分(B−1):アイソタクチックペンタッド分率が90%以上のプロピレン単独重合体
成分(B−2):プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体であって、α−オレフィン含量が5〜75重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体
成分(C)成分:線状低密度ポリエチレン - 成分(B−2)におけるα−オレフィンが、エチレンであり、エチレンの含有量が5〜40重量%であることを特徴とする請求項1に記載の柔軟ヤーン。
- 柔軟ヤーンが、空冷インフレーション法、Tダイ法、または水冷インフレーション法のいずれかの方法により製造されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の柔軟ヤーン。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の柔軟ヤーンからなるパイル糸。
- 請求項4に記載のパイル糸からなる人工芝。
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