JP4147124B2 - 柔軟性モノフィラメント又はヤーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも1つの構成成分とするモノフィラメント又はヤーン及びそれからなる成形体に関し、特に、柔軟性と強度バランスに優れたモノフィラメント又はヤーン及びそれからなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種ネットや防虫網、あるいはカーペット基布やラミネートクロス袋等の用途においては、合成樹脂、例えばポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の単一成分からなるモノフィラメントあるいは延伸ヤーンを経緯状に織編したものが製造されている。
【0003】
ポリオレフィン系樹脂の織布においては、建築用資材カバー等のカバー類、レジャーシートや防水シート等のクロスシート類、テントや包装袋、フレキシブルコンテナ、また漁網ロープや防虫網などのロープ、ネットにおける用途等多岐にわたっている。
【0004】
これらの用途においては、従来から柔軟性と強度のバランスを求められているものである。これを解決するために、クロスシートのように織編された基布等の両面にポリオレフィン等のフィルムをラミネートする場合では、従来はポリエチレン系の延伸ヤーンを織編した基布に低密度ポリエチレンフィルムをラミネートする手法が一般的であるが、クロスシート自体の強度に高いものが要求される分野においては、基布としてプロピレン系重合体を使用することが好ましい。ただし、プロピレン系重合体を基布として用いる場合、ラミネート材にポリエチレン系フィルムを使用すると、界面剥離が顕著となるといった弊害が生じる。一方、プロピレン系フィルムをラミネート材として使用すると、ラミネート加工温度を高温に設定することが必要となり、これによりラミネートされる側の基布の収縮が顕著になるといった弊害が生じる。このような問題を解決するものとして、メタロセン触媒で重合されたポリエチレンを熱融着性フィルムとして用いる技術が開発されてきている(例えば、特許文献1参照。)が、未だ接着強度等においては、十分なものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−48418号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑み、オレフィン系樹脂を用いた柔軟性と強度バランスに優れたモノフィラメントまたはヤーン、及びそれらを用いた製品を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも1つの構成成分として用いたモノフィラメント又はヤーンが柔軟性と引張強度のバランスに優れ、さらに該モノフィラメント又はヤーンとプロピレン単独重合体とを積層した複合ヤーン又は複合モノフィラメントは、柔軟性と引張強度のバランス、かつ接着強度に優れることを見出し、本発明に至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(1)〜(4)の要件を満たすオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体とからなる芯鞘型複合モノフィラメントであって、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を鞘とし、かつプロピレン単独重合体を芯とし、しかも、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体の複合比率(重量比)が80/20〜20/80であることを特徴とする芯鞘型複合モノフィラメントが提供される。
要件(1):アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のプロピレン単独重合体(A)が20〜60重量%と、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとからなり、α−オレフィン含量が5〜75重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が40〜80重量%とからなる。
要件(2):上記成分(A)の重合工程と、上記成分(B)の重合工程からなる多段重合により製造される。
要件(3):メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が0.1〜30g/10分である。
要件(4):o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%である。
【0009】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明における成分(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンが、エチレンであり、その含有量が10〜70重量%であることを特徴とする複合モノフィラメントが提供される。
【0010】
また、本発明の第3の発明によれば、下記(1)〜(4)の要件を満たすオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体とからなる積層体ヤーンであって、
オレフィン系熱可塑性エラストマーを外層とするヤーンと、プロピレン単独重合体を内層とするヤーンとからなり、しかも、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体の複合比率(重量比)が80/20〜20/80であることを特徴とする積層体ヤーンが提供される。
要件(1):アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のプロピレン単独重合体(A)が20〜60重量%と、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとからなり、α−オレフィン含量が5〜75重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が40〜80重量%とからなる。
要件(2):上記成分(A)の重合工程と、上記成分(B)の重合工程からなる多段重合により製造される。
要件(3):メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が0.1〜30g/10分である。
要件(4):o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%である。
【0011】
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、成分(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンが、エチレンであり、その含有量が10〜70重量%であることを特徴とする積層体ヤーンが提供される。
【0012】
また、本発明の第5の発明によれば、第1又は2の発明の複合モノフィラメントを用いたネット地が提供される。
【0013】
また、本発明の第6の発明によれば、第1又は2の発明の複合モノフィラメントを用いた防虫網が提供される。
【0014】
また、本発明の第7の発明によれば、第3又は4の発明の積層体ヤーンを用いたカーペット基布が提供される。
【0015】
また、本発明の第8の発明によれば、第3又は4の発明の積層体ヤーンを用いたクロスシート又はラミネート袋が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のモノフィラメント又はヤーンで用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、プロピレン単独重合体成分(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(B)との組成物である。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)の重合工程と成分(B)の重合工程とからなる多段重合で製造される組成物である。多段重合としては、一段目の工程でプロピレン単独重合体(A)を製造後、2段目以降の工程でプロピレンとα−オレフィンとの共重合体(B)を製造する少なくとも2段の逐次の多段重合工程により組成物を得る方法、プロピレン単独重合体(A)と、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体(B)とをそれぞれ別個の重合工程で重合したものをブレンドすることにより組成物を得る方法等が挙げられる。これらの中では、少なくとも2段の逐次の多段重合工程による前者の方法が好ましい。
【0017】
上記重合に用いられる触媒としては、特に限定されるものではないが、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなるものが好ましい。
【0018】
上記有機アルミニウム化合物としては、この種の重合において公知の、一般式R AlX(3−m)(式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、mは1〜3の数である。)で表される化合物であり、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
【0019】
また、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を必須とする固体成分としては、この種の重合において公知の固体成分である。
【0020】
チタン原子の供給源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR(4−n)(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、nは0〜4の数である。)で表される化合物であり、例えば、四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等が挙げられる。
【0021】
マグネシウム原子の供給源となるマグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げられ、中でも、マグネシウムジハライド等が好ましい。
【0022】
ハロゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、沃素が挙げられ、中でも塩素が好ましく、これらは、通常、前記チタン化合物或いはマグネシウム化合物から供給されるが、アルミニウムのハロゲン化物、珪素のハロゲン化物、タングステンのハロゲン化物等の他のハロゲン供給源から供給されてもよい。
【0023】
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸及びその誘導体等の含酸素化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素化合物が挙げられ、中で、無機酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好ましく、珪酸エステル、フタル酸エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸ハライド等が更に好ましく、一般式R (3−p)Si(OR(式中、Rは炭素数3〜20、好ましくは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基、又は、炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を示し、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐又は直鎖状脂肪族炭化水素残基を示し、Rは炭素数1〜10、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を示し、pは1〜3の数である。)で表される有機珪素化合物であり、例えば、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等が挙げられる。
【0024】
上記少なくとも2段の逐次の多段重合工程においては、第一段重合工程で、プロピレンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好ましくは1.0〜3.5MPaの条件で、プロピレン単独重合を行い、成分(A)を製造する。
引き続いて、第二段重合工程で、プロピレンとα−オレフィンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレン及び他のα−オレフィンの分圧各0.3〜4.5MPa、好ましくは0.5〜3.5MPaの条件で、プロピレンとα−オレフィンの共重合を行い、成分(B)を製造し、オレフィン系エラストマー組成物を得る。
さらに、必要に応じて、同様の共重合を繰り返して行う。
【0025】
なお、その際の重合は、回分式、連続式、半回分式のいずれによってもよく、第一段重合工程の重合は、気相又は液相中、また、第二段重合工程以降の重合も気相又は液相中、特には気相中で実施するのが好ましく、各段階の滞留時間は、各々0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間が好ましい。
【0026】
さらに、上記少なくとも2段の逐次の多段重合工程により製造される組成物の粉体粒子にベタツキ等の問題が生じる際は、粉体粒子に流動性を付与する目的で、第一段重合工程での重合後、第二段重合工程での重合開始前又は重合途中に、活性水素含有化合物を、触媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000倍モルで、かつ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。
ここで、活性水素含有化合物としては、例えば、水、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸類、酸アミド類、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
【0027】
また、成分(A)及び成分(B)を別個に重合してブレンドする方法においても同様の触媒、同様の条件で重合することができる。
【0028】
成分(A)は、プロピレン単独重合体であり、そのアイソタクチックペンタッド分率は90%以上、好ましくは95%以上である。アイソタクチックペンタッド分率が90%未満であると組成物の熱可塑性エラストマーとしての柔軟性と引張特性のバランスが劣ると共に、耐熱性も劣ることとなる。
ここで、プロピレン単独重合体のアイソタクチックペンタッド分率は、Macromolecules、6、925(1973)に記載の13C−NMRスペクトル法により求める。すなわち、13C−NMRスペクトルにおいて5個連続したプロピレン単量体単位を示すピークから、アイソタクチック結合に相当するピークの分率を求める。なお、ピークの帰属は、Macromolecules、8、687(1975)に記載の方法で測定するものとする。
【0029】
成分(B)は、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、中でも、エチレンが好ましい。プロピレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンの含量は、5〜75重量%であり、好ましくは20〜45重量%である。また、α−オレフィンがエチレンの場合は、10〜70重量%が好ましい。α−オレフィンの含量が5重量%未満であると、共重合体成分量を増加させても、モノフィラメント、ヤーンの柔軟性付与効果は乏しいため好ましくない。一方、75重量%を超えるとゴムというよりポリエチレン的性質が強くなるため、柔軟性付与には効果が薄くなり好ましくない。
【0030】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物における成分(A)と成分(B)の組成割合は、(A)が20〜60重量%、好ましくは23〜59重量%、より好ましくは25〜58重量%であり、(B)が40〜80重量%、好ましくは41〜77重量%、より好ましくは42〜75重量%である。成分(A)が60重量%を超えると(成分(B)が40重量%未満であると)、モノフィラメント、ヤーンの柔軟性付与効果が乏しく、一方、成分(A)が20重量%未満であると(成分(B)が80重量%を超えると)、モノフィラメント、ヤーンの熱安定性が損なわれる。
【0031】
また、本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、次の(i)MFR、(ii)温度上昇溶離分別(TREF)における溶出量を有している必要がある。
【0032】
(i)MFR
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のJIS−K6921による230℃、21.18Nでのメルトフローレート(MFR)は、0.1〜30g/10分であり、好ましくは0.3〜25g/10分であり、より好ましくは0.5〜20g/10分である。MFRが0.1g/10分未満であると、紡糸圧力が高くなりすぎ、操業性や繊維径、フィルムの厚みの不均一などの弊害が生じる。逆に、30g/10分を超えると、溶融粘度が低いことからモノフィラメント成形時にはノズル直下で糸揺れが顕著となり、隣接する糸同士が接触することによる糸切れが発生し、ヤーン成形の場合はインフレーションフィルムが不安定となり生産性に支障を来すといった弊害が生じる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量などを適宜調節する方法、あるいは重合終了後に過酸化物の添加により調整する方法がある。
【0033】
(ii)温度上昇溶離分別における溶出量
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いる温度40〜140℃の間の温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fraction)によって得られる積分溶出曲線において、40℃で溶出する成分の量が30〜80重量%、好ましくは35〜75重量%である。
TREFにおける40℃可溶成分は、いわゆるゴム成分であるため、当該成分が30重量%未満であると、モノフィラメント又はヤーンとしたときに柔軟性に乏しいものとなってしまう。一方、80重量%を超えると、モノフィラメント又はヤーンとしての熱安定性が損なわれ、好ましくない。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のTREFにおける40℃可溶成分量は、成分(B)プロピレン・α−オレフィン共重合体の含有量を調製することにより制御することができる。
【0034】
ここで、上記温度上昇溶離分別(TREF)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(積分溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測定する方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測定の詳細については、Journal of Applied Polymer Science 第26巻 第4217〜4231頁(1981年)に記載されており、本発明においてもこれに従って行う。
【0035】
なお、40℃可溶分量は、具体的に次の条件で測定する値である。
測定装置はダイヤインスツルメンツ製CFC T−100を使用する。
まず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、4mg/mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は設定条件にしたがって自動的に行われる。サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入される。次に該サンプルを140℃から40℃の温度まで約40分かけて降温する。TREFカラムが40℃で更に30分間保持された後、40℃の温度で溶解している成分2mlが1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工製AD806MS 3本)へ注入される。SECで分子サイズの分別が行われている間に、TREFカラムでは次の溶出温度(100℃)に昇温され、その温度に約30分保持される。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔で行われる。溶出温度は40℃、100℃及び140℃の3水準に階段的に昇温される。該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は装置付属の赤外線分光光度計で検出され、各溶出温度区分におけるクロマトグラフが得られる。なお、赤外線分光光度計での検出は検出波数3.42μmにおける吸光度を使用して行われ、溶液中のポリマー成分量と吸光度とが比例するものとして以下のデータ処理が行われる。各溶出温度区分におけるクロマトグラムは内蔵のデータ処理ソフトにより処理され、各クロマトグラムの面積を基に、積算が100%となるように規格化された各溶出温度区分の溶出量が計算される。更に、得られた各溶出温度区分の溶出量から、積分溶出曲線が作成される。
ここで、40℃可溶成分は、TREFによって得られる積分溶出曲線において、40℃の温度で溶出する成分を示すものであり、40℃可溶成分量は、40℃の温度で溶出する溶出量を示すものである。
【0036】
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、エラストマー、石油樹脂などを配合することができる。
【0037】
本発明においては、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物と、必要に応じてこれらの各種添加剤とを、ドライブレンドの状態あるいは溶融混練機を用いて180〜300℃で加熱溶融混練し、粒状に裁断されたペレットの状態でモノフィラメント、ヤーン成形材料として提供される。
【0038】
本発明の芯鞘型複合モノフィラメントは、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物と、プロピレン単独重合体から構成され、芯材としてプロピレン単独重合体を用い、鞘材としてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を用いる。
この複合モノフィラメントにおいては、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体との複合比率(重量比)は、80/20〜20/80が好ましい。複合比率が、80/20未満であるとエラストマー組成物の割合が高くなることにより、フィラメントの熱収縮率が高くなり好ましくない。また、20/80を超えるとエラストマー組成物の割合が低下することにより、柔軟性が低下し好ましくない。
また、モノフィラメントの繊度は、特に規定はないが、0.01〜5000デシテックスが好ましく、より好ましくは0.1〜2000デシテックスである。
【0039】
本発明のヤーンは、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を用い、公知の方法でフィルムを成形し、スリット後加熱延伸して成形される。好ましくは、プロピレン単独重合体との積層フィルムを成形後、スリット、延伸して得られる。積層体としては、プロピレン単独重合体からなる層を内層に用い、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を両外層に用いる3層構造が好ましく、ヤーンとしたときに好適な柔軟性と強度のバランスを発揮する。
積層体ヤーンにおいては、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体との積層比率(重量比)は、80/20〜20/80が好ましい。積層比率が、80/20未満であるとエラストマー組成物の割合が高くなることにより、フィラメントの熱収縮率が高くなり好ましくない。また、20/80を超えるとエラストマー組成物の割合が低下することにより、柔軟性が低下し好ましくない。
【0040】
本発明の柔軟性モノフィラメント又はヤーンは、柔軟性と強度バランスに優れ、複合モノフィラメント又は複合ヤーンとした場合は、さらに接着強度にも優れるため、モノフィラメントは、防風ネット等のネット地や防虫網、また漁網ロープ等のロープとして好適に用いることができ、ヤーンとしては、カーペット基布や建築用資材カバー等のカバー類、レジャーシートや防水シート等のシート類、テント、クロスシート、ラミネート袋、包装袋、フレキシブルコンテナ等として好適に用いることができる。
【0041】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例に限定されるものではない。なお、試験、評価方法及び実施例、比較例で用いたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の重合例を下記に示した。
【0042】
1.試験、評価方法
(1)MFR:JIS−K6921−2附属書に準拠し測定した。(条件:温度/230℃、荷重21.18N)
(2)アイソタクチックペンタッド分率(IPF):測定方法は前記のとおりとした。
(3)温度上昇溶離分別(TREF)による40℃可溶分量:測定装置はダイヤインスツルメンツ製CFC T−102Lを使用した。測定方法は前記のとおりとした。
(4)モノフィラメント、ヤーンの引張強度:JIS L 1013法に準拠して、チャック間距離が300mm、引張速度:300mm/分の条件で測定する。
(5)柔軟性:東洋精機社製ループスティフネステスターを使用し測定した。モノフィラメント又はヤーンを装置にセットすることにより、ループを形成させ、そのループに力を加え一定変位に達するまでに必要な力(g)を測定した。該値が小さいほど軟らかいことを示す。
【0043】
2.オレフィン系エラストマー組成物
重合例1〜7で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(重合体−I〜VIIを用いた。その重合条件、物性を表1に示す。
【0044】
重合例1
(1)固体成分触媒の製造
窒素置換した内容積50リットルの攪拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで塩化マグネシウム4モルとテトラブトキシチタン8モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)480ミリリットルを導入して更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン15リットルを導入し、次いで、得られた固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入し、更に、四塩化珪素8モルをn−ヘプタン25ミリリットルに加えた混合液を30℃で30分間かけて導入して、温度を90℃に上げ、1時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
さらに、引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、前記で得られたチタン含有固体成分250グラムと、1,5−ヘキサジエン750グラム、t−ブチルーメチルージメトキシシラン130ミリリットル、ジビニルジメチルシラン10ミリリットル、トリエチルアルミニウム225グラムとをそれぞれ導入して30℃で2時間接触させた後、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体成分触媒を得た。得られた固体成分触媒は、1,5−ヘキサジエンの予備重合量がチタン含有固体成分あたり、2.97グラムのものであった。
【0045】
(2)プロピレン共重合体の製造
内容積550リットルの第一段反応器に、温度70℃、圧力(70℃においては約3.2MPaになる)において、プロピレンとトリエチルアルミニウム、及び重合体生成速度が20kg/時間となるような量比の前記固体成分触媒とを連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を、(水素供給量)/(プロピレン供給量)のモル比で0.055となるように連続的に供給して液相中で重合を実施した(第一段重合工程)。
引き続いて、生成重合体を、プロピレンパージ槽を経由させて、内容積1900リットルの第二段反応器に導入し、温度60℃、圧力3.0MPaになるように、生成する共重合体中の組成割合に応じたプロピレンとエチレンを(エチレン供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.18となるように連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を(水素供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.0041となるように連続的に供給して気相中で重合を実施し、生成重合体を連続的にベッセルに移した後、水分を含んだ窒素ガスを導入して反応を停止させ(第二段重合工程)、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(重合体−I)を得た。
【0046】
重合例2〜7
重合例1におけるエチレン・プロピレンのモル比、水素濃度等を表1に示すように変更する以外は、重合例1と同様にして重合体−II〜VIIのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
【0047】
【表1】
Figure 0004147124
【0048】
実施例1、2
表1に示す重合体−IVのパウダー100重量部に対して、酸化防止剤として1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(サイテック製、商品名サイアノックス1790)を0.04重量部、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名イルガホス168)を0.05重量部、及び中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.05重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のオレフィン系エラストマー組成物を調製した。調製後の重合体−IVを鞘材の原料とし、プロピレン単独重合体(HPP)(FY4;日本ポリケム社製)を芯材の原料として、ホール数40個(孔径2.0mm)の芯鞘型複合紡糸口金を用いてモノフィラメント成形を行った。芯/鞘比率は、実施例1では30/70、実施例2では60/40とし、押出温度230℃、吐出量4.5g/分・孔、最終速度100m/分、延伸倍率は7倍で行い、繊度450デシテックスの芯鞘型複合モノフィラメントを得た。得られた複合モノフィラメントの引張強度と柔軟性を測定した。その結果を表2に示す。
【0049】
比較例1
重合体−VIIを鞘材の原料とした以外は、実施例2と同様にして芯鞘型複合モノフィラメントを得た。その結果を表2に示す。
【0050】
比較例2
芯鞘比率を90/10とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合モノフィラメントを得た。その結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0004147124
【0052】
実施例3
表1に示す重合体−Iのパウダー100重量部に対して、酸化防止剤として1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(サイテック製、商品名サイアノックス1790)を0.04重量部、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名イルガホス168)を0.05重量部、及び中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.05重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のプロピレン共重合体組成物を調製した。
調製後の重合体−Iを外層とし、内層にはプロピレン単独重合体(HPP)(FY6H;日本ポリケム社製)を使用し、3層インフレーション成形を行った。外層/内層比率は35/30/35とし、押出温度230℃、吐出量500g/分の条件でフィルム成形、スリット後、最終速度100m/分、延伸温度110℃、7倍延伸で、繊度1440デシテックスの3層延伸ヤーンを得た。得られた積層ヤーンの引張強度と柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0053】
実施例4
外層を調製後の重合体−IIとした以外は、実施例3と同様にして、3層延伸ヤーンを得た。得られた積層ヤーンの引張強度と柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0054】
実施例5
外層を調製後の重合体−IIIとした以外は、実施例3と同様にして、3層延伸ヤーンを得た。得られた積層ヤーンの引張強度と柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0055】
比較例3
外層を重合体−Vとした以外は、実施例3と同様にして、3層延伸ヤーンを得た。得られた積層ヤーンの引張強度と柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0056】
比較例4
表1に示す重合体VIのパウダー100重量部に対して、酸化防止剤として1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(サイテック製、商品名サイアノックス1790)を0.04重量部、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名イルガホス168)を0.05重量部、及び中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.05重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のプロピレン共重合体組成物を調製した。
外層を調製後の重合体−VIとした以外は、実施例3と同様にして、3層延伸ヤーンを得た。得られた積層ヤーンの引張強度と柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0057】
比較例5
積層比率を5/90/5とした以外は、実施例3と同様にして、3層延伸ヤーンを得た。得られた積層ヤーンの引張強度と柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
Figure 0004147124
【0059】
表2及び3から明らかなように、上記に示した各実施例によれば、いずれも柔軟性と強度のバランスに優れた複合モノフィラメント、複合ヤーンが得られる。一方、各比較例の複合モノフィラメント、複合ヤーンは引張強度、柔軟性をすべて満足するものはなく本発明の効果を発揮しない。
【0060】
【発明の効果】
本発明の柔軟性モノフィラメント又はヤーンは、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いているので、柔軟性と強度バランスに優れ、複合モノフィラメント又は複合ヤーンとした場合は、さらに接着強度にも優れるため、モノフィラメントは、防風ネット等のネット地や防虫網、また漁網ロープ等のロープとして好適に用いることができ、ヤーンとしては、カーペット基布や建築用資材カバー等のカバー類、レジャーシートや防水シート等のシート類、テント、クロスシート、ラミネート袋、包装袋、フレキシブルコンテナ等として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 下記(1)〜(4)の要件を満たすオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体とからなる芯鞘型複合モノフィラメントであって、
    オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を鞘とし、かつプロピレン単独重合体を芯とし、しかも、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体の複合比率(重量比)が80/20〜20/80であることを特徴とする芯鞘型複合モノフィラメント。
    要件(1):アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のプロピレン単独重合体(A)が20〜60重量%と、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとからなり、α−オレフィン含量が5〜75重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が40〜80重量%とからなる。
    要件(2):上記成分(A)の重合工程と、上記成分(B)の重合工程からなる多段重合により製造される。
    要件(3):メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が0.1〜30g/10分である。
    要件(4):o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%である。
  2. 成分(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンが、エチレンであり、その含有量が10〜70重量%であることを特徴とする請求項1に記載の複合モノフィラメント。
  3. 下記(1)〜(4)の要件を満たすオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体とからなる積層体ヤーンであって、
    オレフィン系熱可塑性エラストマーを外層とするヤーンと、プロピレン単独重合体を内層とするヤーンとからなり、しかも、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とプロピレン単独重合体の複合比率(重量比)が80/20〜20/80であることを特徴とする積層体ヤーン。
    要件(1):アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のプロピレン単独重合体(A)が20〜60重量%と、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとからなり、α−オレフィン含量が5〜75重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が40〜80重量%とからなる。
    要件(2):上記成分(A)の重合工程と、上記成分(B)の重合工程からなる多段重合により製造される。
    要件(3):メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が0.1〜30g/10分である。
    要件(4):o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%である。
  4. 成分(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンが、エチレンであり、その含有量が10〜70重量%であることを特徴とする請求項3に記載の積層体ヤーン
  5. 請求項1又は2に記載の複合モノフィラメントを用いたネット地。
  6. 請求項1又は2に記載の複合モノフィラメントを用いた防虫網。
  7. 請求項3又は4に記載の積層体ヤーンを用いたカーペット基布。
  8. 請求項3又は4に記載の積層体ヤーンを用いたクロスシート又はラミネート袋。
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