JP2004238716A - 耐白錆性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法 - Google Patents
耐白錆性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】亜鉛系又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、(a)エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液と、(b)ウレタン樹脂の水分散体と、(c)シランカップリング剤と、(d)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜厚が0.01〜5μmの表面処理皮膜を有する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膜中に六価クロムを全く含むことなく優れた耐白錆性を示し、特に自動車、家電、建材用途に好適な非クロム型表面処理鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸またはその塩類を主要成分とした処理液(六価クロムを含有する処理液)によるクロメート処理が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメート処理は耐食性に優れた表面処理皮膜が得られ、且つ比較的簡単に行うことができる経済的な処理方法である。
クロメート処理は公害規制物質である六価クロムを使用するものであるが、最近では環境保護の観点から六価クロムの使用を制限或いは禁止しようとする動きが広がりつつあり、また、製品製造者の環境への貢献度が重視されるなかで、従来から用いられてきた六価クロムの利用・排出の削減に取り組む動きも加速している。
【0003】
このようなことから、亜鉛系めっき鋼板の白錆の発生を防止するために、クロメート処理に代わるクロムフリー処理技術が数多く提案されている。例えば、無機化合物、有機化合物、有機高分子材料、あるいはこれらを組み合わせた溶液を用い、浸漬、塗布、電解処理などの方法により薄膜を生成させる方法がある。
具体的には、以下のような方法を挙げることができる。
(1)有機樹脂と、シランカップリング剤またはコロイダルシリカと、リチウムシリケートとを配合した処理液に浸漬し、若しくは処理液を塗布することにより皮膜を形成する方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
(2)有機樹脂にタンニン酸等の多価フェノールカルボン酸とシランカップリング剤等を配合した処理液により皮膜を形成する方法(例えば、特許文献3、特許文献4参照)
(3)有機樹脂とシランカップリング剤を配合した処理液により皮膜を形成する方法(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2000−45078号公報
【特許文献2】
特開平10−209971号公報
【特許文献3】
特開平8−325760号公報
【特許文献4】
特開平10−209972号公報
【特許文献5】
特開平11−106945号公報
【特許文献6】
特開2000−319787号公報
【特許文献7】
特開2000−248384号公報
【特許文献8】
特開2000−178761号公報
【特許文献9】
特開2000−199076号公報
【特許文献10】
特開2001−11656号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)の方法としては、シランカップリング剤またはコロイダルシリカ(Si成分)とケイ酸リチウム(Li成分)と有機樹脂とからなる皮膜を形成したものがある。しかしながら、主成分がウレタン系やアクリル系の樹脂では耐食性が十分ではない。
また、上記(2)の方法として、特許文献4にはタンニン酸とシランカップリング剤と有機樹脂とを組み合わせたものが開示されている。しかし、この技術では形成される保護皮膜が耐食性の改善には寄与するものの、得られる耐食性は十分なものではなく、また、タンニン酸に由来する着色も生じてしまう。
【0006】
上記(3)の方法のうち、特許文献6、特許文献7には有機樹脂とシランカップリング剤、さらにチオカルボニル化合物、リン酸化合物、バナジウム化合物による皮膜が開示されているが、有機樹脂がポリウレタン、アクリルオレフィン樹脂では耐食性は十分ではない。また、特許文献9には酸変性エポキシ樹脂に、特許文献8では水酸基・カルボキシル基・グリシジル基・リン酸基含有モノマーを共重合成分として含有する樹脂に、それぞれシランカップリング剤、リン酸化合物を配合した皮膜が開示されているが、このような有機樹脂を用いても優れた耐食性は得られない。さらに、特許文献5にはポリビニルフェノール誘導体とシランカップリング剤、リン酸等のエッチング剤を配合した皮膜が開示されているが、この皮膜もクロメート処理と同等の耐食性を得ることができない。また、上記皮膜が単層皮膜の場合、アルカリ脱脂後の耐食性が特に不十分である。また、特許文献10には活性水素を有するヒドラジン誘導体を有機樹脂皮膜として被覆したものが開示されているが、これは二層皮膜であるため、製造可能なラインが限定される、コストアップにつながるという欠点がある。
【0007】
したがって本発明の目的は、クロメート処理を行うことなく、クロメート処理した表面処理鋼板に匹敵する優れた耐食性を示すとともに、ライン上の制約を受けにくく低コストで製造可能な単層皮膜の表面処理鋼板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために、めっき鋼板の腐食を抑制するための腐食抑制の原理について以下のような検討を行った。
表面処理皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板の腐食は以下の過程で進む。
(1) 表面処理皮膜中に腐食因子(酸素、水、塩素イオンなど)が浸入し、これらがめっき皮膜/表面処理皮膜界面に拡散する。
(2) めっき皮膜/表面処理皮膜界面において、以下のような酸化還元反応により亜鉛が溶解する。
カソード反応:2H2O+O2+4e− → 4OH−
アノード反応:2Zn → 2Zn2++4e−
【0009】
したがって、亜鉛系めっき鋼板の耐食性向上には、上記(1)、(2)の両方の反応の進行を抑制することが不可欠であり、そのためには、
▲1▼ 腐食因子の拡散障壁となる高度なバリア層(主として上記カソード反応を抑制する作用をする)
▲2▼ めっき皮膜表層を不活性化するめっき金属との反応層(主として上記アノード反応を抑制する作用をする)
を有する皮膜構成とすること、さらに好ましくは、上記反応層に欠損が生じた場合に自己補修作用が働くような皮膜構成とすることが最も効果的である。
【0010】
本発明者は、このような皮膜構成を、従来技術のようにバリア層形成成分と反応層形成成分とを個別にコーティングすることにより形成した二層皮膜ではなく、1回のコーティングにより形成した単層皮膜内に実現させること、具体的には、皮膜上部に上記▲1▼のバリア層(有機リッチ層)を、皮膜下部に上記▲2▼の反応層(無機リッチ層)をそれぞれ構成させることにより、顕著な耐食性向上効果が得られることを見い出した。このような単層皮膜を擬似二層皮膜と定義すると、この擬似二層皮膜を構成するバリア層と反応層との間には、従来型の2回コーティングにより形成された二層皮膜間のような明確な界面は存在しない。むしろ両者を傾斜組成化することにより、従来型の単層コーティングでは得られない高度の耐食性向上効果を発揮できるものと考えられる。
【0011】
本発明者らが鋭意検討を行った結果、上記のような擬似二層皮膜は、エポキシ基含有樹脂と一部又は全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物とを反応させて得られる水分散性樹脂に、シランカップリング剤と特定の酸成分(リン酸及び/又はヘキサフルオロ金属酸)を配合した表面処理組成物を亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に塗布し、乾燥させることにより得られることが判った。
【0012】
シランカップリング剤はこれまでにも無機化合物と有機化合物との密着性を向上させる作用を有することが知られており、めっき金属と有機樹脂との密着性を高めることが可能である。このようなシランカップリング剤の既知の作用効果に対して、上述した特定の表面処理組成物では、表面処理組成物に含まれる酸成分がめっき皮膜表面をエッチングによって活性化し、シランカップリング剤がこの活性化されためっき金属と皮膜形成樹脂の両方と化学結合することで、めっき金属と皮膜形成樹脂との極めて優れた密着性が得られるものと考えられる。つまり、表面処理組成物中にシランカップリング剤と特定の酸成分とを複合添加することにより、シランカップリング剤を単独添加した場合に比べ、めっき金属と皮膜形成樹脂との密着性が格段に高められ、これが耐食性の向上に寄与するものと考えられる。
【0013】
上述した皮膜構成の擬似二層皮膜が形成されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、表面処理組成物中の酸成分とめっき皮膜表面との反応が皮膜形成に関与している可能性がある。また一方において、シランカップリング剤が関与した以下のような作用も考えられる。すなわち、水溶液中で加水分解したシランップリング剤がシラノール基(Si−OH)を有しているため、酸成分により活性化されためっき金属表面に対するシランップリング剤の水素結合的な吸着作用が促進され、めっき金属表面にシランップリング剤が濃化し、その後、乾燥することにより脱水縮合反応が起きて強固な化学結合となり、これにより皮膜下部の反応層が形成されるとともに、皮膜上部に濃化した水分散性樹脂によりバリア層が形成される、というメカニズムによる可能性もある。また、以上述べたような作用が複合的に生じている可能性もある。また、以上のような皮膜の形成過程において、溶解した亜鉛などのめっき金属と酸成分との反応生成物(化合物)が皮膜中に析出するものと考えられる。
【0014】
このような擬似二層皮膜の防食機構についても必ずしも明らかではないが、個々の防食機構としては、上記▲1▼のバリア層としてエポキシ基含有樹脂にヒドラジン誘導体を付与することによって緻密な有機高分子皮膜が形成され、これが腐食因子(酸素、水、塩素イオンなど)の透過を抑制して腐食の要因となるカソード反応を効果的に抑制すること、また、腐食反応によって溶出しためっき金属イオンを皮膜中のフリーのヒドラジン誘導体がトラップし、安定な不溶性キレート化合物層を形成すること、また、上記▲2▼の反応層がめっき皮膜表層を不活性化して腐食の要因となるアノード反応を効果的に抑制すること、さらに、皮膜中に析出した析出化合物が腐食環境下で溶解して酸成分(リン酸イオンなど)が生成し、この酸成分がめっき皮膜から溶出した亜鉛イオンなどの金属イオンを捕捉(金属イオンと結合して不溶性化合物を形成)する自己補修作用が得られること、さらには、シランカップリング剤が酸成分によって活性化されためっき金属面と強固に結合し、めっき金属の溶解を抑制するとともに、皮膜形成樹脂とも結合することにより、密着性の高い緻密な皮膜が形成できること、等が考えられ、これらによる複合的な防食機構により、極めて優れた耐食性(耐白錆性)が得られるものと考えられる。
【0015】
本発明者らは、以上のような知見をもとに、さらなる耐白錆性の向上を図るべく、表面処理組成物の組成について検討を重ねた。その結果、水分散性樹脂として、エポキシ基含有有機樹脂と活性水素を有するヒドラジン誘導体とともに、第1級または第2級アミン化合物を反応させることによって得られた変性エポキシ樹脂の水分散液を用いるとともに、この水性エポキシ樹脂分散液に、上述したシランカップリング剤および特定の酸成分とともに、ウレタン樹脂の水分散体を複合添加することにより、さらに優れた耐白錆性が得られることを見い出した。また、上記表面処理組成物に、水溶性無機成分や非クロム系防錆添加剤を添加することにより、特にアルカリ脱脂後における耐白錆性を効果的に向上させ得ることも判った。
【0016】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1] 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、
(a)エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液と、
(b)ウレタン樹脂の水分散体と、
(c)シランカップリング剤と、
(d)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜厚が0.01〜5μmの表面処理皮膜を有することを特徴とする、耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
【0017】
[2] 上記[1]の表面処理鋼板において、活性水素を含有するヒドラジン誘導体が、5員環または6員環の環状構造を有し、該環状構造中に窒素原子を有するピラゾール化合物および/またはトリアゾール化合物であることを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
[3] 上記[1]または[2]の表面処理鋼板において、表面処理組成物が、シランカップリング剤を有機樹脂の固形分100質量部に対して1〜300質量部、リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸を有機樹脂の固形分100質量部に対して0.1〜80質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの表面処理鋼板において、表面処理組成物がさらに、水溶性無機成分を有機樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜60質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
【0018】
[5] 上記[4]表面処理鋼板において、水溶性無機成分のカチオン種がMg、Ca、Y、Ti、Zr、Nb、Zn、Mn、Co、Ni、Zn、Al、In、Ce、Laの中から選ばれる1種または2種以上であり、アニオン種が硝酸、硫酸、酢酸、炭酸、リン酸、塩化物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかの表面処理鋼板において、表面処理組成物がさらに、非クロム系防錆添加剤を有機樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜50質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの表面処理鋼板において、表面処理組成物が、反応性官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかの表面処理鋼板の皮膜厚を0.01μm以上5μm未満とした表面処理皮膜の上層に、さらに皮膜厚が0.01μm以上5μm未満の有機樹脂皮膜を有し、該有機樹脂皮膜と前記表面処理皮膜の合計の皮膜厚が5μm以下であることを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
【0019】
[9] 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、
(a)エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液と、
(b)ウレタン樹脂の水分散体と、
(c)シランカップリング剤と、
(d)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有し、pHが0.5〜6に調製された表面処理組成物を塗布し、水洗することなく50℃〜300℃の到達板温で加熱乾燥し、皮膜厚が0.01〜5μmの表面処理皮膜を形成することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
[10] 上記[9]の製造方法により得られた表面処理鋼板の皮膜厚を0.01μm以上5μm未満とした表面処理皮膜の上層に、皮膜厚が0.01μm以上5μm未満の有機樹脂皮膜を、前記表面処理皮膜厚と合計した皮膜厚が5μm以下となるように形成することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細とその限定理由を説明する。
本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Co合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板など)、Zn−Mg合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板(例えば、Zn−6%Al−3%Mg合金めっき鋼板、Zn−11%Al−3%Mg合金めっき鋼板)、さらにはこれらのめっき鋼板のめっき皮膜中に金属酸化物、ポリマーなどを分散させた亜鉛系複合めっき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)などを用いることができる。
【0021】
また、上記のようなめっきのうち、同種または異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を用いることができる。
また、本発明の表面処理鋼板のベースとなるアルミニウム系めっき鋼板としては、アルミニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板などを用いることができる。
また、めっき鋼板としては、鋼板面に予めNiなどの薄目付めっきを施し、その上に、上記のような各種めっきを施したものであってもよい。
めっきの方法としては、電解法(水溶液中での電解または非水溶媒中での電解)、溶融法および気相法のうち、実施可能ないずれの方法を採用してもよい。
【0022】
さらに、めっきの黒変を防止する目的(耐黒変性)で、めっき皮膜中に0.1〜2000ppm程度の濃度でNi、Co、Feのうちの1種以上の微量元素を析出させたり、或いは、めっき皮膜の表面にNi、Co、Feの1種以上を含むアルカリ性水溶液または酸性水溶液による表面調整処理を施し、これらの元素を析出させるようにしてもよい。また、優れた耐食性と耐黒変性を両立させるためには、例えば、縮合リン酸を主成分とする日本パーカライジング(株)製「CL−342」(商品名)の水溶液を用いるとともに、この水溶液中のNi、Co、Feの1種以上の含有量を0.5〜50ppm、より好ましくは1〜20ppmとすることが望ましい。また、美麗な外観を得るためには、上記「CL−342」の濃度は5〜50g/l、より好ましくは10〜30g/lとすることが望ましい。
【0023】
次に、上記亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される表面処理皮膜およびこの皮膜形成用の表面処理組成物について説明する。
本発明の表面処理鋼板において、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される表面処理皮膜は、
(a)エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液と、
(b)ウレタン樹脂の水分散体と、
(c)シランカップリング剤と、
(d)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された表面処理皮膜である。この表面処理皮膜はCrを全く含まない。
【0024】
まず、上記水性エポキシ樹脂分散液(a)の構成成分である(A)〜(C)の成分について説明する。
上記(A)の成分であるエポキシ基含有樹脂は、分子中にエポキシ基を1個以上含有する樹脂であり、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、エポキシ基含有モノマーとその他のモノマーとを共重合したアクリル系共重合体樹脂、エポキシ基を有するポリブタジエン樹脂、エポキシ基を有するポリウレタン樹脂、およびこれらの樹脂の付加物若しくは縮合物等の1種を単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0025】
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック型フェノール等のポリフェノール類とエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンとを反応させてグリシジル基を導入してなるか、若しくはこのグリシジル基導入反応生成物にさらにポリフェノール類を反応させて分子量を増大させてなる芳香族エポキシ樹脂;さらには脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これらのエポキシ樹脂は、特に低温での皮膜形成性を必要とする場合には、数平均分子量が1500以上であることが好適である。
上記変性エポキシ樹脂としては、上記エポキシ樹脂中のエポキシ基または水酸基に各種変性剤を反応させた樹脂を挙げることができる。例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂;アクリル酸またはメタクリル酸などを含有する重合性不飽和モノマー成分で変性したエポキシアクリレート樹脂;イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂等である。
【0026】
上記アクリル系共重合体樹脂としては、エポキシ基を有する不飽和モノマーとアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを必須とする重合性不飽和モノマー成分を溶液重合法、エマルション重合法または懸濁重合法等によって合成した樹脂を挙げることができる。上記重合性不飽和モノマー成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−、iso−若しくはtert―ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドの炭素数1〜4アルキルエーテル化物、N、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等を挙げることができる。また、エポキシ基を有する不飽和モノマーとしては、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、3,4エポキシシクロヘキシル−1−メチル(メタ)アクリレート等、エポキシ基と重合性不飽和基を持つものであれば、特に制限されるものではない。
また、このアクリル系共重合体樹脂はポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等によって変性させた樹脂とすることもできる。
【0027】
上記エポキシ樹脂として特に好ましいのは、ビスフェノールAとエピパロヒドリンとの反応生成物である下記化学構造式に代表される樹脂であり、耐食性に優れているため特に好適である。
【化1】
上記化学構造式中、qは0〜50の整数、好ましくは1〜40の整数、特に好ましくは2〜20の整数である。
このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂は、当業界において広く知られた製造法により得ることができる。
【0028】
上記(B)の成分である第1級または第2級アミン化合物は、エポキシ基含有樹脂の水分散性を発現するために必須の部分である。
具体例としては、モノエチルアミン、モノn−またはiso−プロピルアミン、モノn−またはiso−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、2−ヒドロキシ−2´(アミノプロポキシ)エチルエーテル等の第1級アミン化合物;ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−または−ios−プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等の第2級アミン化合物等が挙げられる。これらの第1級アミン化合物、第2級アミン化合物は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、これらのなかでも特に反応のし易さや制御性、水分散性の観点からはジエタノールアミンが好適である。
【0029】
上記(C)の成分である、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物は、表面処理皮膜に高度の耐食性を付与するために必須の成分である。活性水素を有するヒドラジン誘導体の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
▲1▼ カルボヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、チオカルボヒドラジド、4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゾフェノンヒドラゾン、アミノポリアクリルアミド等のヒドラジド化合物;
【0030】
▲2▼ ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン、3−アミノ−5−メチルピラゾール等のピラゾール化合物;
▲3▼ 1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1水和物)、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、6−フェニル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジン等のトリアゾール化合物;
【0031】
▲4▼ 5−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール、5−メルカプト−1−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール等のテトラゾール化合物;
▲5▼ 5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のチアジアゾール化合物;
▲6▼ マレイン酸ヒドラジド、6−メチル−3−ピリダゾン、4,5−ジクロロ−3−ピリダゾン、4,5−ジブロモ−3−ピリダゾン、6−メチル−4,5−ジヒドロ−3−ピリダゾン等のピリダジン化合物;
また、これらのなかでも、5員環または6員環の環状構造を有し、この環状構造中に窒素原子を有するピラゾール化合物、トリアゾール化合物が耐食性などの観点から特に好適である。
以上挙げたヒドラジン誘導体は1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
また、本発明では活性水素含有化合物(C)の一部として、ヒドラジン誘導体以外の活性水素含有化合物を用いることができる。
ビドラジン誘導体以外の活性水素含有化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・ アンモニア、カルボン酸などの有機酸
・ 塩化水素などのハロゲン化水素類
・ アルコール類、チオール類
・ 活性水素を有しないヒドラジン誘導体または第3級アミンと酸との混合物
である4級塩化剤
【0033】
活性水素含有化合物の一部として使用できる上記4級塩化剤は、活性水素を有しないヒドラジン誘導体または第3級アミンはそれ自体ではエポキシ基と反応性を有しないので、これらをエポキシ基と反応可能とするために酸との混合物としたものである。4級塩化剤は、必要に応じて水の存在下でエポキシ基と反応し、エポキシ基含有樹脂と4級塩を形成する。4級塩化剤を得るために使用される酸は、酢酸、乳酸などの有機酸、塩酸などの無機酸のいずれでもよい。また、4級塩化剤を得るために使用される活性水素を有しないヒドラジン誘導体としては、例えば3,6−ジクロロピリダジンなどを、また、第3級アミンとしては、例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミンなどを挙げることができる。
【0034】
また、活性水素含有化合物(C)中における活性水素を有するヒドラジン誘導体の割合は10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%、さら好ましくは40〜100モル%とすることが適当である。活性水素を有するヒドラジン誘導体の割合が10モル%未満では表面処理皮膜に十分な防錆機能を付与することができず、得られる防錆効果は皮膜形成有機樹脂とヒドラジン誘導体を単に混合して使用した場合と大差なくなる。
【0035】
本発明で用いる水性エポキシ樹脂分散液(a)の変性エポキシ樹脂は、エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させることにより得られるが、その反応は、通常10〜300℃、好ましくは50〜150℃の温度で約1〜8時間程度行うことが望ましい。
【0036】
この反応は有機溶剤を加えて行ってもよく、使用する有機溶剤の種類は特に限定されない。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の水酸基を含有するアルコール類やエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を例示でき、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、これらのなかでエポキシ樹脂との溶解性、皮膜形成性等の面からは、ケトン系またはエーテル系の溶剤が特に好ましい。
【0037】
エポキシ基含有樹脂(A)と第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)との配合割合は、エポキシ基含有樹脂(A)中のエポキシ基に対して第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)を20〜80mol%、好ましくは30〜70mol%、より好ましくは40〜60mol%とするのが適当であり、反応後の残存エポキシ基に対してその量に相当する活性水素を有するヒドラジン誘導体を反応させることが耐食性、水分散性等の点で有利である。すなわち、活性水素を有するヒドラジン誘導体の配合量は、エポキシ基含有樹脂(A)中のエポキシ基に対して80〜20mol%、好ましくは70〜30mol%、より好ましくは60〜40mol%とするのが適当である。
【0038】
上記(A)〜(C)の成分を反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させて水性エポキシ樹脂分散液を得る方法としては、上記変性エポキシ樹脂に含まれるアミノ基に対する周知の中和剤である酢酸、蟻酸、燐酸等で中和し、水分散化する方法が有効である。その中和当量は特に制限されるものではないが、アミノ基に対して0.2〜0.8当量、好ましくは0.3〜0.7当量、より好ましくは0.4〜0.6当量が分散液性状、耐水性の点で適当である。
なお、上記成分(A)〜(C)を反応させて得られた変性エポキシ樹脂またはこれを水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液は、2種以上を混合したものを用いてもよい。
【0039】
上記水性エポキシ樹脂分散液(a)は、(b)〜(d)の成分を加えてそのまま用いてもめっき皮膜との密着性が良好な皮膜を形成できるが、より緻密なバリア皮膜を形成するためには、水性エポキシ樹脂分散液に硬化剤を配合し、有機皮膜を加熱硬化させることが望ましい。この硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂化合物などを挙げることができる。
上記ポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物(複素環を含む)、芳香族イソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物を多価アルコールで部分反応させた化合物等を挙げることができ、これらのポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の一部または全部がブロック剤によりブロックされていてもよい。
【0040】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば以下のものが例示できる。
▲1▼ m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、o−またはp−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート;
▲2▼ 上記▲1▼の化合物単独またはそれらの混合物と多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価アルコール類;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトールなどの4価アルコール;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールなど)との反応生成物であって、1分子中に少なくとも2個のイソシアネートが残存する化合物;
これらのポリイソシアネート化合物は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0041】
また、ブロック剤としては、例えば、▲1▼メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール等の脂肪族モノアルコール類;▲2▼エチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールのモノエーテル類、例えば、メチル、エチル、プロピル(n−,iso)、ブチル(n−,iso,sec)等のモノエーテル;▲3▼フェノール、クレゾール等の芳香族アルコール;▲4▼アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム等のオキシムなどが使用でき、これらの1種または2種以上と前記ポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、少なくとも常温下で安定に保護されたポリイソシアネート化合物を得ることができる。
【0042】
上記アミノ樹脂化合物としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。また、アミノ樹脂化合物のなかでも、メチロール基の少なくとも一部をアルキルエーテル化したメチロール化メラミン樹脂が特に好適である。
水性エポキシ樹脂分散液(a)中における変性エポキシ樹脂(D)と硬化剤(E)との配合割合は、固形分の質量比で(D)/(E)=95/5〜55/45、好ましくは(D)/(E)=90/10〜65/35とするのが、皮膜の密着性、上塗り適正などの観点から適当である。
【0043】
さらに、低温架橋性を増大させるため公知の硬化促進触媒を使用することが望ましい。硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いる場合の硬化促進触媒としては、例えば、N−エチルモルホリン、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、塩化第1スズ、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマス等が使用できる。硬化剤としてアミノ樹脂化合物を用いる場合の硬化促進触媒としては、例えば、りん酸、スルホン酸化合物またはスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等を挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。
【0044】
次に、上記(b)の成分であるウレタン樹脂の水分散体について説明する。
ウレタン樹脂の水分散体は、ポリイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等のポリヒドロキシ化合物とを反応させて得られる生成物を用いたウレタンエマルションである。
このウレタンエマルションは、例えば、分子内にイソシアネート基と反応し得る活性水素を持たない親水性有機溶剤の存在下または非存在下で、ポリイソシアネート化合物とポリヒドロキシ化合物とを、ポリヒドロキシ化合物の水酸基に対してポリイソシアネート化合物のイソシアネート基過剰で反応させることにより容易に得ることができ、必要に応じてこの反応生成物(ポリマー)とアミンと水とを混合してアミン伸長反応を行なわしめた後、ノニオン性あるいはイオン性の乳化剤と混合して水を加えることで乳化分散させ、必要により前記有機溶剤を留去することにより、得ることができる。
【0045】
また、ウレタン樹脂骨格中に、ノニオン性、アニオン性又はカチオン性の親水性基を有するポリヒドロキシ化合物を用いることにより、乳化剤を用いずにウレタンエマルションが得られる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類等の有機ジイソシアネート類、または上記有機ジイソシアネート類どうしの環化重合体、さらには上記有機ジイソシアネート類のイソシアヌレート体、ビウレット体等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、ウレタン樹脂の水分散体(b)としては、水性エポキシ樹脂分散液(a)との混合安定性の面から、ノニオン性またはカチオン性のポリウレタンエマルションが特に好適である。
【0046】
表面処理組成物がウレタン樹脂の水分散体(b)を含有することにより、耐白錆性を効果的に高めることができる。この理由としては、ウレタン樹脂の水分散体が適量配合されることによって表面処理組成物の造膜性が向上し、この結果、腐食因子の透過抑制作用が高まり、また皮膜中の防錆成分の流出も抑制されるためであると考えられる。
表面処理組成物中における水性エポキシ樹脂分散液(a)とウレタン樹脂の水分散体(b)との配合割合は、固形分質量比で(a)/(b)=95/5〜5/95、好ましくは75/25〜25/75とするのが適当である。水性エポキシ樹脂分散液(a)に対するウレタン樹脂の水分散体(b)の配合割合が上記下限を下回るとウレタン樹脂に由来する造膜性が十分ではなく、腐食因子の抑制作用が不十分となって耐白錆性が低下する傾向がある。一方、水性エポキシ樹脂分散液(a)に対するウレタン樹脂の水分散体(b)の配合割合が上記上限を上回ると、表面処理組成物中での活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物の割合が低下するため、この場合も耐白錆性が低下する傾向がある。
【0047】
また、表面処理組成物には、上述した特定の水分散性樹脂(変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂)以外の水分散性樹脂および/または水溶性樹脂として、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール樹脂、オレフィン系樹脂の1種または2種以上を全樹脂固形分中での割合で25質量%程度を上限として配合してもよい。
【0048】
次に、上記(c)の成分であるシランカップリング剤について説明する。
このシランカップリング剤としては、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメエキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジルアミン)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
表面処理組成物が特定の酸成分とともにシランカップリング剤を含むことにより向上するには、先に述べたような理由が考えられる。
【0049】
また、上記シランカップリング剤の中でも、上記水性エポキシ樹脂分散液(a)と反応性が高い官能基を有するという観点から、特に、反応性官能基としてアミノ基を有すシランカップリング剤が好ましい。このようなシランカップリング剤としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメエキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、具体的には、信越化学(株)製の「KBM−903」、「KBE−903」、「KBM−603」、「KBE−602」、「KBE−603」(いずれも商品名)などを用いることができる。
【0050】
シランカップリング剤の配合量は、表面処理組成物中の有機樹脂の固形分100質量部に対して、1〜300質量部、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは、15〜50質量部とするのが適当である。シランカップリング剤の配合量が1質量部未満では耐食性が劣り、一方300質量部を超えると十分な皮膜が形成できないため、水分散性樹脂との密着性とバリア性を高める効果が発揮できず耐食性が低下する。
【0051】
次に、上記(d)の成分であるリン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸は、不活性なめっき皮膜表面に作用して金属表面を活性化させる作用を有する。そして、このように活性化されためっき金属表面と皮膜形成樹脂との密着性がシランカップリング剤を介して著しく向上する結果、耐食性が顕著に改善される。このリン酸とヘキサフルオロ金属酸は単独で用いてもよいし、併用してもよい。
ヘキサフルオロ金属酸の種類は特に限定されないが、先に述べた擬似二層皮膜の反応層を効果的に形成させるという観点から、特に、フッ化チタン酸、フッ化ジルコン酸、ケイフッ酸等のようなTi,Si,Zrの中から選ばれる1種または2種以上の元素を含むヘキサフルオロ金属酸が好ましく、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0052】
リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸の配合量(併用する場合は合計の配合量)は、表面処理組成物中の有機樹脂の固形分100質量部に対して、0.1〜80質量部、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは5〜50質量部とするのが適当である。リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸の配合量が0.1質量部未満では耐食性が劣り、一方、80質量部超では皮膜形成後の外観ムラが生じやすい。
【0053】
表面処理組成物には、耐食性向上を目的として、さらに水溶性無機成分を配合することが好ましい。この水溶性無機成分としては、カチオン種がMg、Ca、Y、Ti、Zr、Nb、Zn、Mn、Co、Ni、Zn、Al、In、Ce、Laの中から選ばれる1種または2種以上、アニオン種が硝酸、硫酸、酢酸、炭酸、リン酸、塩化物の中から選ばれる1種または2種以上である無機成分が好ましい。具体的には、硝酸Mg、硝酸Co、硫酸Ti、硫酸Ni、酢酸Zn、酢酸Ce、炭酸Mn等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0054】
このような水溶性無機成分を配合することにより、特にアルカリ脱脂後の耐白錆性が向上する理由は、擬似二層皮膜中の無機リッチ層の緻密性が高まり、アルカリ処理による無機リッチ層の破壊が抑制されるためであると考えられる。
また、特に優れた耐白錆性を得るという観点からは、水溶性無機成分のカチオン種としてAl、Mn、Zr 、Co、Mgを有するものが特に望ましく、これらの中から選ばれる1種または2種以上の元素を含む水溶性無機成分を用いることが好ましい。
この水溶性無機成分の配合量は、表面処理組成物中の有機樹脂の固形分100質量部に対して、固形分で0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜40質量部、より好ましくは1〜30質量部とするのが適当である。水溶性無機成分の配合量が0.1質量部未満では耐食性の向上効果が十分でなく、一方、60質量部を超えると処理液との反応性が強くなり外観ムラを生じやすくなる。
【0055】
表面処理組成物には、耐食性向上を目的として、必要に応じて非クロム系防錆添加剤を配合することができる。この非クロム系防錆添加剤は、特に下記(e1)〜(e4)の群から選ばれる1つまたは2つ以上を用いることが好ましい。
(e1)酸化ケイ素
(e2)カルシウムまたは/およびカルシウム化合物
(e3)難溶性リン酸化合物
(e4)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種又は2種以上のS原子を含有する有機化合物
これら(e1)〜(e4)の非クロム系防錆添加剤の詳細および防食機構は以下の通りである。
【0056】
まず、上記(e1)の成分としては微粒子シリカであるコロイダルシリカや乾式シリカを使用することができるが、耐食性の観点からは特に、カルシウムをその表面に結合させたカルシウムイオン交換シリカを使用するのが好ましい。
コロイダルシリカは、例えば、日産化学(株)製のスノーテックスO、20、30、40、C、S(いずれも商品名)を用いることができ、ヒュームドシリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL R971、R812、R811、R974、R202、R805、130、200、300、300CF(いずれも商品名)を用いることができる。また、カルシウムイオン交換シリカとしてはW.R.Grace&Co.製のSHIELDEX C303、SHIELDEX AC3、SHIELDEX AC5(いずれも商品名)、富士シリシア化学(株)製のSHIELDEX、SHIELDEX SY710(いずれも商品名)などを挙げることができる。これらシリカは、腐食環境下において緻密で安定な亜鉛の腐食生成物の生成に寄与し、この腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによって、腐食の促進を抑制する。
【0057】
上記(e2)の成分であるカルシウム化合物は、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カルシウム塩のいずれでもよく、これらの1種または2種以上を使用できる。また、カルシウム塩の種類にも特に制限はなく、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのようなカチオンとしてのカルシウムのみを含む単塩のほか、リン酸カルシウム・亜鉛、リン酸カルシウム・マグネシウムなどのようなカルシウム以外のカチオンを含む複塩を使用してもよい。この(e2)成分は腐食環境下においてめっき金属である亜鉛やアルミニウムよりも卑なカルシウムが優先溶解し、これがカソード反応により生成したOH−と緻密で難溶性の生成物として欠陥部を封鎖、腐食反応を抑制する。また、上記のようなシリカとともに配合された場合には表面にカルシウムイオンが吸着し、表面電荷を電気的に中和して凝集する。その結果、緻密かつ難溶性の保護皮膜が生成して腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0058】
また、上記(e3)である難溶性リン酸化合物としては、難溶性リン酸塩を用いることができる。この難溶性リン酸塩は単塩、複塩等のすべての種類の塩を含む。また、それを構成する金属カチオンに限定はなく、難溶性のリン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム等のいずれの金属カチオンでもよい。また、リン酸イオンの骨格や縮合度などにも限定はなく、正塩、二水素塩、一水素塩または亜リン酸塩のいずれでもよく、さらに、正塩はオルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩等の全ての縮合リン酸を含む。この難溶性リン化合物は腐食によって溶出しためっき金属の亜鉛やアルミニウムが、加水分解により解離したリン酸イオンと錯形成反応により緻密且つ難溶性の保護皮膜を生成して腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0059】
また、上記(e4)のS原子を有する有機化合物としては、例えば、以下のようなものが挙げることができる。すなわち、トリアゾール類としては1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール等が、また、チオール類としては、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、2−メルカプトベンツイミダゾール等が、また、チアジアゾール類としては5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、等が、また、チアゾール類としては2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール類等が、また、チウラム類としては、テトラエチルチウラムジスルフィド等が、それぞれ挙げられる。これらの有機化合物は吸着効果によって自己補修性を発現する。すなわち、腐食によって溶出した亜鉛やアルミニウムが、これらの有機化合物が有する硫黄を含む極性基に吸着して不活性皮膜を形成して腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0060】
非クロム系防錆添加剤の配合量としては、表面処理組成物中の有機樹脂の固形分100質量部に対して、固形分で0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部とするのが適当である。この非クロム系防錆添加剤の配合量が0.1質量部未満では、耐アルカリ脱脂後の耐食性向上効果が十分に得られず、一方、50質量部を超えると塗装性および加工性が低下するだけでなく、耐食性も低下するので好ましくない。
なお、上記(e1)〜(e4)の防錆添加剤を2種以上複合添加してもよい。
【0061】
表面処理組成物には、皮膜の加工性(耐キズつき性)や連続磨耗性を向上させるために、必要に応じて潤滑剤を配合することができる。この潤滑剤としては、例えば、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレン等のポリオレフィンワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバろう等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの潤滑剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することが可能である。
【0062】
潤滑剤の配合量は、表面処理組成物中の有機樹脂の固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部とするのが適当である。上記潤滑性剤の配合量が0.1質量部未満では得られる塗膜の滑り性が低いため、厳しい加工を行った際に塗膜に傷が付きやすく、一方、20質量部を超えると得られる塗膜の塗装性が低下すると同時に柔軟性が低下し、厳しい加工を行った際に塗膜の連続性が損なわれる。
【0063】
また、表面処理組成物中には、腐食抑制剤として、他の酸化物微粒子(例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アンチモン等)、リンモリブデン酸塩(例えば、リンモリブデン酸アルミニウム等)、有機リン酸およびその塩(例えば、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩、およびこれらの金属塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等)、有機インヒビター(例えば、ヒドラジンおよびその誘導体、チオール化合物、チオカルバミン酸塩等)などの1種または2種以上を添加できる。
【0064】
さらに必要に応じて、表面処理組成物中には添加剤として、有機着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料等)、着色染料(例えば、水溶性アゾ系金属染料等)無機顔料(例えば、酸化チタン等)、導電性顔料(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケルなどの金属粉末、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等)、カップリング剤(例えば、チタンカップリング剤等)、メラミン・シアヌル酸付加物等の1種または2種以上を添加することができる。
【0065】
以上のような表面処理組成物により形成される表面処理皮膜は、乾燥膜厚が0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.3〜2μmとする。乾燥膜厚が0.01μm未満では耐食性が不十分であり、一方、5μmを超えると導電性や加工性が低下する。
また、以上述べた表面処理皮膜の上層には、第2層皮膜として有機樹脂皮膜を形成することができる。この場合、第2層である有機樹脂皮膜の皮膜厚を0.01μm以上5μm未満にするとともに、第1層皮膜である上記表面処理皮膜の膜厚を0.01μm以上5μm未満とし、両皮膜の合計が5μmを超えないようにすることが好ましい。
【0066】
亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に上記表面処理皮膜を形成するには、上述した組成を有する表面処理組成物(処理液)を乾燥皮膜厚が上記範囲となるようにめっき鋼板に塗布し、水洗することなく加熱乾燥させる。
表面処理組成物(処理液)はpH0.5〜6、好ましくは1〜4に調整することが適当である。表面処理組成物のpHが0.5未満では処理液の反応性が強すぎるため外観ムラが生じ、一方、pHが6を超えると処理液の反応性が低くなり、めっき金属と皮膜との結合が不十分となり、耐食性が低下する。
【0067】
表面処理組成物をめっき鋼板面に形成する方法としては塗布法、浸せき法、スプレー法のいずれでもよい。塗布処理方法としては、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式等)、スクイズコーター、ダイコーター等いずれの方法でもよい。また、スクイズコーター等による塗布処理、あるいは浸漬処理、スプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
【0068】
表面処理組成物をコーティングした後は、水洗することなく加熱乾燥を行う。加熱乾燥手段としてはドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用いることができる。加熱処理は、到達板温で30℃〜300℃、好ましくは、40℃〜250℃の範囲で行うことが適当である。この加熱温度が30℃未満では皮膜中の水分が多量に残り、耐食性が不十分となる。また、300℃を超えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に欠陥が生じ耐食性が低下する。
また、上記のようにして形成された表面処理皮膜の上層に第2層皮膜として有機樹脂皮膜を形成する場合には、第2層皮膜用の処理組成物を上述した膜厚となるように上記表面処理皮膜面に塗布し、乾燥させる。処理組成物の塗布や加熱乾燥は、上述した表面処理の形成に用いた方法に準じて行えばよい。
【0069】
したがって、本発明の製造方法およびその好ましい実施形態は以下のとおりである。
[1] 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、
(a)エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液と、
(b)ウレタン樹脂の水分散体と、
(c)シランカップリング剤と、
(d)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有し、pHが0.5〜6に調製された表面処理組成物を塗布し、水洗することなく50℃〜300℃の到達板温で加熱乾燥し、皮膜厚が0.01〜5μmの表面処理皮膜を形成することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
【0070】
[2] 上記[1]の製造方法において、活性水素を含有するヒドラジン誘導体が、5員環または6員環の環状構造を有し、該環状構造中に窒素原子を有するピラゾール化合物および/またはトリアゾール化合物であることを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
[3] 上記[1]または[2]の製造方法において、表面処理組成物が、シランカップリング剤を有機樹脂の固形分100質量部に対して1〜300質量部、リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸を有機樹脂の固形分100質量部に対して0.1〜80質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
【0071】
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、表面処理組成物がさらに、水溶性無機成分を有機樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜60質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
[5] 上記[4]の製造方法において、水溶性無機成分のカチオン種がMg、Ca、Y、Ti、Zr、Nb、Zn、Mn、Co、Ni、Zn、Al、In、Ce、Laの中から選ばれる1種または2種以上であり、アニオン種が硝酸、硫酸、酢酸、炭酸、リン酸、塩化物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法において、表面処理組成物がさらに、非クロム系防錆添加剤を有機樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜50質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
【0072】
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの製造方法において、表面処理組成物が、反応性官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかの製造方法により得られた表面処理鋼板の皮膜厚を0.01μm以上5μm未満とした表面処理皮膜の上層に、皮膜厚が0.01μm以上5μm未満の有機樹脂皮膜を、前記表面処理皮膜厚と合計した皮膜厚が5μm以下となるように形成することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
【0073】
なお、上述した表面処理皮膜はめっき鋼板の片面、両面のいずれに形成してもよく、めっき鋼板表裏面の皮膜形成の組み合わせとしては、例えば、単層皮膜(表面処理皮膜)/無処理、二層皮膜(表面処理皮膜+有機樹脂皮膜)/無処理、単層皮膜(表面処理皮膜)/二層皮膜(表面処理皮膜+有機樹脂皮膜)、二層皮膜(表面処理皮膜+有機樹脂皮膜)/二層皮膜(表面処理皮膜+有機樹脂皮膜)など、任意の形態とすることができる。
【0074】
【実施例】
表面処理組成物用の樹脂組成物として表2に示す水性エポキシ樹脂分散液を用い、これにウレタン樹脂水分散体(表3)、シランカップリング剤(表4)、リン酸またはヘキサフルオロ金属酸(表5)、水溶性無機成分(表6)、非クロム系防錆添加剤(表7)、固形潤滑剤(表8)を適宜配合し、さらにアンモニア水、硝酸、酢酸、硫酸、リン酸、ヘキサフルオロ金属酸等でpHを0.5〜6に調整した後、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所要時間攪拌し、表面処理組成物を調製した。
【0075】
表2に示す水性エポキシ樹脂分散液の製造例1〜5を以下に示す。
・製造例1
温度計、撹拌機、冷却管を備えたガラス製4ツ口フラスコに、エピコート1007(エポキシ樹脂,シェルジャパン(株)社製,エポキシ当量2000) 787.4gとプロピレングリコールモノブチルエーテル425g加え、110℃で撹拌混合し、均一透明になった後100℃に冷却し、ジエタノールアミン20.7gを加え、1時間反応させた後、エポキシアミン価を測定し、理論値になっていることを確認して、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(分子量84)16.5gを加えて、5時間反応させた。その後、プロピレングリコールモノブチルエーテル250gを加えて変性エポキシ樹脂を得た。この変性エポキシ樹脂にリン酸23.3gを加え、水を混合・滴下し固形分濃度20%の水性エポキシ樹脂分散液E1を得た。
【0076】
・製造例2
温度計、撹拌機、冷却管を備えたガラス製4ツ口フラスコに、エピコート1004(エポキシ樹脂,シェルジャパン(株)製、エポキシ当量925) 546gとプロピレングリコールモノブチルエーテル311g加え、110℃で撹拌混合し、均一透明になった後100℃に冷却し、ジエタノールアミン31.5gを加え、1時間反応させた後、エポキシアミン価を測定し、理論値になっていることを確認して、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(分子量84)25.2gを加えて、5時間反応させた。その後、プロピレングリコールモノブチルエーテル182.6gを加えて変性エポキシ樹脂を得た。この変性エポキシ樹脂にリン酸35.3gを加え、水を混合・滴下し固形分濃度20%の水性エポキシ樹脂分散液E2を得た。
・製造例3
ジエタノールアミンの量を12.4g、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールの量を23.1gとした以外は製造例1と同様の条件で反応を行い、変性エポキシ樹脂を得た。この変性エポキシ樹脂に水を混合し固形分濃度20%の水性エポキシ樹脂分散液E3を得た。
【0077】
・製造例4(比較例)
温度計、撹拌機、冷却管を備えたガラス製4ツ口フラスコに、エピコート1001(エポキシ樹脂,ジャパンエポキシレジン社製,エポキシ当量約475、数平均分子量約900)186.6gとプロピレングリコールモノブチルエーテル115.2gを加え、110℃まで昇温して撹拌混合し、液が均一透明になった後100℃に冷却し、ジエタノールアミン25.5gを加えて100℃の温度に1時間保持した。その後、プロピレングリコールモノブチルエーテル68.0gを加えて変性エポキシ樹脂を得た。この変性エポキシ樹脂にリン酸23.3gを加え、水を滴下しながら混合し固形分濃度20%の水性エポキシ樹脂分散液E4を得た。
・製造例5(比較例)
製造例1で用いた3−アミノ−1,2,4−トリアゾール16.5gをN−メチル−エタノールアミン14.7gに置き換えた以外は製造例1と同様の条件で反応を行い、変性エポキシ樹脂を得た。この変性エポキシ樹脂に水を混合し固形分濃度20%の水性エポキシ樹脂分散液E5を得た。
【0078】
冷延鋼板をベースとした表1に示す家電、建材、自動車部品用のめっき鋼板を処理原板として用いた。なお、鋼板の板厚は、評価の目的に応じて所定の板厚を採用した。このめっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理、水洗乾燥した後、上記表面処理組成物をロールコーターにより塗布し、水洗することなく各種温度で加熱乾燥した。皮膜の膜厚は、表面処理組成物の固形分(加熱残分)または塗布条件(ロールの圧下力、回転速度等)により調整した。得られた表面処理鋼板の皮膜組成および品質性能(皮膜外観、耐白錆性、アルカリ脱脂後耐白錆性、導電性、塗料密着性)の各試験を行った結果を表9〜20に示す。なお、品質性能の評価は、以下のようにして行った。
【0079】
(1)皮膜外観
各サンプルについて、皮膜外観の均一性(ムラの有り無し)を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
○ :ムラが全く無い均一な外観
△ :ムラが若干目立つ外観
× :ムラが目立つ外観
(2)耐白錆性
各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を施し、168時間経過後の白錆面積率で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上
【0080】
(3)アルカリ脱脂後の耐白錆性
各サンプルについて、アルカリ脱脂後に塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を施し、72時間経過後の白錆面積率で評価した。
評価基準は以下の通りである。
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上
(4)導電性
JIS C2550により層間絶縁抵抗値を測定した。評価基準は以下の通りである。
○ :3Ω・cm2/枚未満
△ :3〜5Ω・cm2/枚
× :5Ω・cm2/枚超え
【0081】
(5)塗料密着性
各サンプルについて、メラミン系の焼付塗料を塗装(膜厚30μm)した後、沸水中に2時間浸漬し、直ちに、碁盤目(10×10個,1mm間隔)のカットを入れて接着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離面積率を測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:剥離なし
○:剥離面積率5%未満
△:剥離面積率5%以上、20%未満
×:剥離面積率20%以上
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
以下の表9〜表20中に記載の*1〜*9は下記の内容を指す。
*1:表1に記載のNo.(めっき鋼板)
*2:表2に記載のNo.(水性エポキシ樹脂分散液)
*3:表3に記載のNo.(ウレタン樹脂水分散体)
*4:表4に記載のNo.(シランカップリング剤)
*5:表5に記載のNo.(リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸)
*6:表6に記載のNo.(水溶性無機成分)
*7:表7に記載のNo.(非クロム系防錆添加剤)
*8:表8に記載のNo.(固形潤滑剤)
*9:質量部
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】
【0093】
【表11】
【0094】
【表12】
【0095】
【表13】
【0096】
【表14】
【0097】
【表15】
【0098】
【表16】
【0099】
【表17】
【0100】
【表18】
【0101】
【表19】
【0102】
【表20】
【0103】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の表面処理鋼板は、皮膜中にクロムを含まないにもかかわらず非常に優れた耐白錆性を有し、また皮膜外観や塗料密着性についても優れた特性を有している。
Claims (10)
- 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、
(a)エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液と、
(b)ウレタン樹脂の水分散体と、
(c)シランカップリング剤と、
(d)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜厚が0.01〜5μmの表面処理皮膜を有することを特徴とする、耐白錆性に優れた表面処理鋼板。 - 活性水素を含有するヒドラジン誘導体が、5員環または6員環の環状構造を有し、該環状構造中に窒素原子を有するピラゾール化合物および/またはトリアゾール化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
- 表面処理組成物が、シランカップリング剤を有機樹脂の固形分100質量部に対して1〜300質量部、リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸を有機樹脂の固形分100質量部に対して0.1〜80質量部含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
- 表面処理組成物がさらに、水溶性無機成分を有機樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜60質量部含有することを特徴とする、請求項1、2または3に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
- 水溶性無機成分のカチオン種がMg、Ca、Y、Ti、Zr、Nb、Zn、Mn、Co、Ni、Zn、Al、In、Ce、Laの中から選ばれる1種または2種以上であり、アニオン種が硝酸、硫酸、酢酸、炭酸、リン酸、塩化物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項4に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
- 表面処理組成物がさらに、非クロム系防錆添加剤を有機樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜50質量部含有することを特徴とする、請求項1、2、3、4または5に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
- 表面処理組成物が、反応性官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1、2、3、4、5または6に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の表面処理鋼板の皮膜厚を0.01μm以上5μm未満とした表面処理皮膜の上層に、さらに皮膜厚が0.01μm以上5μm未満の有機樹脂皮膜を有し、該有機樹脂皮膜と前記表面処理皮膜の合計の皮膜厚が5μm以下であることを特徴とする、耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
- 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、
(a)エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級アミン化合物および/または第2級アミン化合物(B)と、一部または全部が活性水素を有するヒドラジン誘導体からなる活性水素含有化合物(C)とを反応させて得られた変性エポキシ樹脂を水に分散させた水性エポキシ樹脂分散液と、
(b)ウレタン樹脂の水分散体と、
(c)シランカップリング剤と、
(d)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有し、pHが0.5〜6に調製された表面処理組成物を塗布し、水洗することなく50℃〜300℃の到達板温で加熱乾燥し、皮膜厚が0.01〜5μmの表面処理皮膜を形成することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。 - 請求項9に記載の製造方法により得られた表面処理鋼板の皮膜厚を0.01μm以上5μm未満とした表面処理皮膜の上層に、皮膜厚が0.01μm以上5μm未満の有機樹脂皮膜を、前記表面処理皮膜厚と合計した皮膜厚が5μm以下となるように形成することを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
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