JP2004238547A - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分散性と親和性が改良された、高剛性樹脂を含むゴム組成物で、機械的強度や耐磨耗性及び粘弾性特性に優れたゴム組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴム中に微細なポリフェニレン系熱可塑性樹脂を均一に含有することを特徴とするゴム組成物。特に、スチレンン−ブタジエン(SBR)系共重合体ゴムにポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂或いはその変性物を含有するゴム組成物が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴム中に微細なポリフェニレン系熱可塑性樹脂を均一に含有することを特徴とするゴム組成物。特に、スチレンン−ブタジエン(SBR)系共重合体ゴムにポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂或いはその変性物を含有するゴム組成物が好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニル芳香族系ゴム中に微細なポリフェニレン系樹脂を含有させたゴム組成物及びその製造方法に関し、特に、分散性と親和性を改良し発熱特性及び機械的強度に優れるゴム組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤや防振ゴム、工業用ベルト等に要求される重要な特性として、高強度物性と低発熱特性がある。これらの特性は、特に高速走行や高荷重或いは大変形において使用されるゴム製品において重要である。この様な機械的強度と粘弾性特性を改良する方法としては、ゴム組成物の硬度ないしモジュラスを上げ、且つ破壊強度や破断伸びを大きくすることが良好とされてきた。ゴム硬度や破壊強度を向上させる為には、従来よりカーボンブラック等の高充填や硫黄を増量させること等により、モジュラス及び架橋密度の増加等の手法が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、上記の手法に依れば破断時の伸びを低下させるので、ゴム小片がタイヤのトレッドやベルトの搬送面から脱離する、所謂、チッピングという現象が起こる。その対策として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の配合等、種々の検討がなされてきたが、他の特性、特に、耐久性や耐熱性、発熱性に望ましい結果が得られないことが多く、必ずしも十分な成果が得られていないのが実状である。例えば、下記(特許文献1参照)に見られる様に、耐カット性と低発熱性の両立は可能であるが、耐久性や耐熱性が十分ではなかった。
【0004】
タイヤやベルト・ホースに限らず、高強度で耐熱性と低発熱性の両立が重要である様なゴム製品の他の部材においても、上記特性の両立は極めて達成困難な課題となっている。例えば、防振ゴム、特にサスペンション用防振ゴムへの要求特性として、高モジュラスと低発熱性の両立等が挙げられる。
【0005】
一方、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂をゴム部材に配合した空気入りタイヤの例が挙げられる(例えば、特許文献2及び3参照)。前者の特許には、軟化点温度が135℃以上のポリエチレンをその軟化点より低い温度で配合することが記載されているが、この場合、配合に際して特別に微細なポリエチレン粒子を使用することを必要要件とし、また混練時の取扱い作業が煩瑣で困難であると同時に、混練後においてポリエチレン粒子が凝集して配合物の物性を低下させる問題がある。また後者の特許においては、結晶の融点が104℃から115℃の範囲にある低密度ポリエチレン(LDPE)を使用することが記載されているが、この場合も、後述する様に、高温での配合物の物性の低下が著しく、ゴム組成物、特にタイヤ用ゴム組成物としては好適とは言えない。
【0006】
また、LDPE及びLLDPE(線状低密度ポリエチレン)を配合したゴム部材を適用した空気入りタイヤ(例えば、特許文献4参照)が開示されているが、この場合にも、高温での配合物の物性の低下が見られ、ゴム組成物として、特にタイヤ用ゴム組成物としては使用が困難と言わざるを得ない。一般的に低融点のポリエチレンを使用した場合は、上記の耐熱性低下の問題の他に、ポリエチレン樹脂の熱クリープに起因するゴム組成物のヘタリ(挫屈)が発生し、これも望ましくない物性の低下をもたらす。
【0007】
上記の耐熱性及び耐熱クリープ性を改善する技法として、架橋可能部分を20質量%以上含む高密度ポリエチレンを2〜75質量部配合し、該配合樹脂の融点より高い温度で混練することを特徴とするゴム組成物(例えば、特許文献5参照)が開示されている。このゴム組成物を用いることにより、破壊特性や低発熱性を損なうことなく、耐熱性と耐熱クリープ性及び高硬度等を満足させることがある程度可能となった。しかしながら、架橋構造が導入された高密度ポリエチレンはゲル化し易く、混練りの際に、特に無架橋樹脂との併用混練において、ゲル化成分の分散不良を起こし、ゴム成分中への均一な分散が難しく、その結果、加硫製品に欠陥や不良を発生させるという問題がある。
【0008】
上記の他にも、樹脂配合による物性補強の例として、(1)ロジン系樹脂やシクロペンタジエン系樹脂及び特殊イオウ化合物を配合してなるトレッド用ゴム組成物(例えば、特許文献6参照)、(2)ジエン系ゴムとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムに所定の芳香族系石油樹脂を配合した接着ゴム層(例えば、特許文献7参照)、(3)オレフィン系ゴムに熱可塑性樹脂及び補強剤を配合した硬度が30〜70である耐熱防振ゴム用ゴム組成物(例えば、特許文献8参照)、(4)ジエン系ゴム成分に主鎖中にアミド基を有する熱可塑性樹脂の繊維とオレフィン系樹脂を配合し、オレフィン系樹脂の融点より3℃以上高い温度で混練分散したゴム組成物(例えば、特許文献9参照)、等が開示されている。
しかしながら、上記いずれにおいても、(1)ゴム成分中への樹脂粒子の分散性、及び(2)ゴム成分と分散樹脂の化学的親和性、に問題を有し、所望の補強効果、特に機械的強度の向上と低発熱性の保持を両立させて満足できる水準には未だ到達していないのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開昭48−38338号公報
【特許文献2】
米国特許4675349号
【特許文献3】
米国特許5341863号
【特許文献4】
特開平7−266454号公報
【特許文献5】
特開平10−67886号公報
【特許文献6】
特開2000−344946号公報
【特許文献7】
特開2000−318405号公報
【特許文献8】
特開平11−293065号公報
【特許文献9】
特開平10−315717号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、均一な微細分散性と良好な親和性を達成して、破壊物性及び混練作業性等を損なうことなく、低発熱性で耐熱性、高強度・高モジュラス、耐熱クリープ性等を総て満足し得るゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、下記に示すゴム組成物及びその製造方法によって解決される。
<1> ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴム中に微細なポリフェニレン系熱可塑性樹脂を均一に含有することを特徴とするゴム組成物。
<2> 前記合成ゴムが、スチレンン−ブタジエン(SBR)系共重合体であることを特徴とする上記<1>に記載のゴム組成物。
<3> 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂或いはその変性物であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のゴム組成物。
<4> 前記熱可塑性樹脂の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜50質量部であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれかに記載のゴム組成物。
<5> 前記ゴム組成物が、空気入りタイヤのトレッドゴム用であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかに記載のゴム組成物。
<6> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、80μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<7> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、40μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<8> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂を機械的に粉砕して、或いは機械的に粉砕した後に分粒して、ゴム成分と混練することを特徴とする上記<6>又は<7>に記載のゴム組成物の製造方法。
<9> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、20μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<10> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、10μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<11> 前記ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を芳香族系溶媒に溶解して混合した後、該溶媒を除去したマスターバッチを用いることを特徴とする上記<9>又は<10>に記載のゴム組成物の製造方法。
<12> 前記芳香族系溶媒がトルエンからなることを特徴とする上記<9>又は<10>に記載のゴム組成物の製造方法。
<13> 前記ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を溶媒に溶解して混合した溶液を、貧溶媒に投下して再沈することにより該溶媒を除去したことを特徴とする上記<11>又は<12>に記載のゴム組成物の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴム成分中に微細なポリフェニレン系熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする。本発明の上記ゴム組成物には、目的ないし必要に応じて、更に、カーボンブラックやシリカ等の補強材や充填材、プロセスオイル、粘着付与剤、硫黄、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、及びその他の各種ゴム薬品やゴム用添加剤を配合することができる。
本発明のゴム組成物は、フェニレン(phenylene)骨格を有する高剛性の熱可塑性樹脂が微細な粒子状として、ビニル芳香族炭化水素の構造単位を有するゴム成分中に均一に分散して配合されているので、高剛性樹脂とゴムマトリックスとの親和性が良好であり、加硫後の機械的強度や粘弾性特性及び耐磨耗性等に優れたゴム組成物となる。
以下、本発明のゴム組成物及びその製造方法について、詳細に説明する。
【0013】
(ゴム成分)
本発明のゴム組成物には、後述するフェニレン(phenylene)骨格を有する高剛性の熱可塑性樹脂との間に良好な相溶性ないし化学的親和性を保有する為に、芳香族環、特にベンゼン環を側鎖に有するビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムが用いられる。上記ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムとしては、両者のモノマーからなるブロック共重合体やランダム共重合体及びグラフト共重合体等があるが、ゴム弾性及び低発熱性の観点より、ランダム共重合体の合成ゴムが好ましい。
【0014】
上記ビニル芳香族炭化水素系のモノマーしては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、o−エチルスチレン、p−ブチルスチレン、o−ブチルスチレン、ビニルナフタリン等及びこれらの任意の置換体が包含される。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。中でもスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが好ましい。
【0015】
上記共役ジエン系のモノマーしては、1分子当りの炭素原子数が4〜12個、好ましくは4〜8個を有する共役ジエン系炭化水素が好適に用いられ、具体的には、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。中でも特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0016】
本発明に用いるビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の共重合体ゴムとしては、特にスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が最も好ましく、該共重合ゴムは、乳化(ラテックス)重合SBRでも溶液重合SBRでもよく、また油展SBRでもよい。中でも、特にタイヤのトレッドゴム用としては、高剛性で高強度及び耐磨耗性と制動性能の観点より、スチレン含有率が20〜60%であるSBRがより好ましく、特にスチレン含有率が30〜45質量%のSBRが好ましい。該スチレン含有率が20%未満の場合には、低温及び高温領域において所望のグリップ力を得ることができないことがあり、また、該スチレン含有率が60%を越える場合には、ブロック剛性が必要以上に高くなり過ぎて路面へのゴムの食い込みが悪くなることがある。
【0017】
尚、本発明においては、上記のビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムと併用して、タイヤ及び産業用ゴム製品の分野において従来より常用されている他の公知のゴム(天然ゴム及び各種合成ゴム)も使用できる。但し、併用する場合にも、フェニレン骨格を有する熱可塑性樹脂との化学的親和性を維持するために、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムを過半部数、好ましくは60部以上、更に好ましくは70部以上とすることが望ましい。
【0018】
上記天然ゴムとしては、シートゴムでもブロック状ゴムでもよく、RSS#1〜#5のいずれをも用いることができる。上記他の合成ゴムとしても、例えば、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリルブタジエン(NBR)、ポリイソプレン(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体ゴム(EPDM)等、及びこれらの任意のブレンド物が挙げられる。
【0019】
(ポリフェニレン系熱可塑樹脂)
本発明のゴム組成物に用いられるポリフェニレン系熱可塑性樹脂は、フェニレン(phenylene)骨格を有する高剛性の熱可塑性樹脂であり、具体的には、例えばポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボナート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、等が挙げられる。
【0020】
上記のポリフェニレン系熱可塑性樹脂の中でも、本発明のゴム組成物に用いる樹脂としては、ゴム成分との親和性及び製造適性に優れ機械的強度や粘弾性特性の向上効果を高める観点より、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂及び変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、特に、2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル樹脂及び変性2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル樹脂が最も好ましい。上記の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、成形性や流動性、衝撃強度、耐屈曲疲労性、耐久寿命、難燃性、防炎性、耐熱水性、経済性等の改良を目的とした全ての変性物を包含する。
【0021】
本発明の上記ポリフェニレン(PPE)系熱可塑樹脂或いは変性ポリフェニレン系熱可塑樹脂としては、市販の樹脂、例えば、日本GEプラスチック(株)製の「ノリル」シリーズ、旭化成工業(株)製の「ザイロン」シリーズ、三菱瓦斯化学(株)製の「ユピエースA」シリーズ、及びダイセル・デグサ(株)製の「ベストラン」シリーズ、等も好適に使用できる。
【0022】
本発明のゴム組成物に含有される上記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径は、混練作業性を改善し補強効果を向上させる為に、80μm以下に調製することが好ましく、特に該平均粒径を40μm以下にすることがより好ましい。ゴム組成物中に平均粒径が80μmを越えるポリフェニレン系熱可塑性樹脂を混練するのは困難さを伴い、破壊強度及びモジュラスの向上効果が不十分である場合が多い。上記平均粒径が80μm以下、更には40μm以下のポリフェニレン系熱可塑性樹脂を得るには、機械的に粉砕する方法、或いは機械的に粉砕した後に分粒する方法等を用いることができる。
【0023】
上記の機械的粉砕には、任意の粉砕機を使用できるが、例えば、高速回転式衝撃粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ディスクミル、遠心分級ミルなど)、ローラーミル、エロフォールミル、ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星型粉砕機)、媒体攪拌型粉砕機(塔式粉砕機、攪拌槽型粉砕機、流通管型粉砕機、アニュラー型粉砕機)、ジィェトミル、コロイドミル、等を挙げることができる。特に、本発明のポリフェニレン系熱可塑性樹脂は、常温で粉砕するのは効率が良くないので、液体窒素(−196℃)等を利用して樹脂及び粉砕容器内を冷却した上で上記粉砕機等を用いて粉砕する、所謂、冷凍粉砕法が好ましい。
また粉砕後の分粒には、乾式分粒器、湿式分粒器、フィルター分粒器等を用いて、重力方式、遠心力方式、慣性力方式等で所望の粒径の物を得ることができる。
【0024】
本発明のゴム組成物に含有させるポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径としては、混練作業性と補強効果を特に向上させる為に、20μm以下更には10μm以下に調製することが最も好ましい。この様に平均粒径を20μm以下に調製するには、機械的に粉砕する方法及び機械的に粉砕した後に分粒する方法では、長時間を要する或いは収率が低減することが多いので、本発明においては、ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を芳香族系溶媒に溶解して混合した後、該溶媒を除去したマスターバッチを用いる方法が好ましい。
【0025】
上記の芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒を好適に挙げることができ、この中でも、特にトルエンを主成分とする芳香族系溶媒が、本発明の合成ゴムとポリフェニレン系熱可塑性樹脂を溶解させる度合が最も大きいので好ましい。但し、使用する溶媒としては、上記3種の混合物、更にn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン、1−メチルブテン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、及びメチルシクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒等を併用してもよく、本発明のゴム成分と樹脂成分を良く溶解させるものであれば特に制限はない。
【0026】
また、ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑樹脂を芳香族系溶媒に溶解して混合した後、該溶媒を除去する方法にも、特に制限はなく自然乾燥法、減圧又は/及び加熱乾燥法、スチームを吹き込んで溶媒を除去する方法、等で実施することができるが、特に、ゴム成分と樹脂成分を溶解して混合した溶液を、水或いはメタノール等の貧溶媒に投下して再沈することにより該溶媒を除去する方法は、作業能率が良好で除去効率も高いので好ましい方法である。再沈後の乾燥は、熱ロール又は減圧下で乾燥する方法、凝固物を直接熱ロール又は減圧下で溶媒を除去する方法等、常法を任意に用いることができる。
【0027】
この様にして得られたゴム成分とポリフェニレン系熱可塑樹脂からなるマスターバッチゴムのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は、20〜200の範囲にあることが好ましい。該ムーニー粘度が20未満であると、引張強度が劣り破壊特性が低下することがあり、また該ムーニー粘度が200を超えると、加工性の面で問題があり、いずれも好ましくない。
【0028】
尚、本発明のゴム組成物においては、ゴム成分100質量部に対する上記のポリフェニレン系熱可塑性樹脂の含有量は、0.5〜50質量部であることが好ましく、該含有量は1.0〜40質量部がより好ましく、特に1.5〜30質量部が最も好ましい。該樹脂含有量が0.5質量部未満であると、破壊強度や粘弾性特性の向上効果が不足する場合があり、一方、該樹脂含有量が50質量部を越えて増量することは、上記の向上効果としては飽和する傾向にあり、返って破断時伸びや発熱性等の物性の低下を招くことがある。
【0029】
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物には、必須成分として上述したビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系合成ゴムとポリフェニレン系熱可塑樹脂を含むが、その他に、目的とするゴム製品の要求性能及び製造適性上の必要性等に応じて、更に、カーボンブラックやシリカ等の補強材や充填材、プロセスオイル、粘着付与剤、硫黄、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、その他の各種ゴム薬品やゴム用添加剤を配合することができる。
【0030】
本発明のゴム組成物には、補強材ないし充填材としてカーボンブラックを配合することが好ましい。ゴム成分100質量部に対して、通常20〜80質量部ほどのカーボンブラックを配合することにより、破壊強度や耐摩耗性及びモジュラス等を更に向上できる。該カーボンブラックの配合量は、上記効果を高める為に、30〜70質量部の範囲がより好ましく、特に40〜60質量部のカーボンを配合することが好ましい。該配合量が20質量部に満たないと、物性の向上効果が不足することがあり、一方、80質量部を越えて配合すると、ヒステリシス或いは発熱特性の悪化を招くことがある。
【0031】
配合するカーボンブラックとしては特に制限はなく、具体的には例えば、N110(SAF)、N115、N120、N121、N125、N134、N135、S212、N220(ISAF−HM)、N231(ISAF−LM)、N234、N293、N299、S315、N326(ISAF−LS)、N330(HAF)、N335、N339、N343、N347(HAF−HS)、N351、N356、N358、N375、N539、N550(FEF)、N582、N630、N642、N650、N660(GPF)、N683(APF)、N754、N762(SRF−LM)、N765、N772、N774(SRF−HM)、N787、N907、N908、N990(MT)、N991(MT)カーボン等が挙げられる。ここで、括弧内の記号は、従来からのカーボンブラックの慣用分類名を示す。上記のカーボンブラックは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0032】
また本発明のゴム組成物には、補強材ないし充填材としてシリカを配合することもできる。該シリカとしては特に制限はなく、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも耐破壊特性の改良効果、ウェットグリップ性及び低転がり抵抗の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。
シリカを充填材として用いた場合、補強性を更に向上させる為に、配合時にシランカップリング剤を併用することが好ましく、該シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド等が挙げられる。また、アルミナ類や炭酸カルシウム、クレー等の無機充填剤等を用いることもできる。
【0033】
更に、本発明のゴム組成物には、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、粘着賦与剤等を添加してもよい。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、その配合量はゴム成分100質量部に対して硫黄分として0.1質量部〜8質量部が好ましく、更に好ましくは0.5質量部から5質量部である。
【0034】
上記加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、好ましいものとして、ベンゾチアゾール類、ベンゾチアゾリルスルフェンアミド類、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類に属する加硫促進剤として、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−ジ(2−ベンゾチアゾチアゾリルスルフェン)イミド、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド等;ジチオリン酸亜鉛類に属する加硫促進剤として、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−イソブチルジチオリン酸亜鉛等;チウラム類に属する加硫促進剤として、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド等;ジチオリン酸ポリスルフィド類に属する加硫促進剤として、ビス(O,O’−ジ−イソプロピルチオホスホリル)ジスルフィド、ビス(O,O’−ジ−イソブチルチオホスホリル)ジスルフィド等;ジチオカルバミン酸亜鉛類に属する加硫促進剤として、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。
その使用量は、主に必要とされるゴムの加硫速度に適合する様に決定され、一般的にゴム成分100質量部に対して0.1質量部〜7質量部が好ましく、更に好ましくは0.5質量部から5質量部である。
【0035】
上記プロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系オイル等が挙げられ、引張強度や耐摩耗性の向上を重視する用途には芳香族系が、ヒステリシスロスや低温特性の向上を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して0質量部から100質量部が好ましく、100質量部を越えると加硫ゴムの引張強度や低発熱性が悪化させる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、これら以外にもゴム工業分野で通常使用されている酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、パラフィンワックス類、顔料、その他の添加剤を適宜に配合することができる。
【0036】
(製造方法及び用途)
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分と樹脂成分及びその他成分を配合した後に、適宜に選択した設備や条件及び手順に従って、混練り、熱入れ、押出、圧延、裁断、積層、成型、加硫、仕上げ等の作業を経ることにより作製される。
【0037】
上記混練りは、混練り容器への投入体積率、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。該混練り装置としては、市販品を使用することができ、例えば、ロール、インターナルミキサー、バンバリーミキサーなどが好適に挙げられる。
【0038】
上記熱入れの温度としては、ゴム組成物が軟化する温度であるのが好ましく、具体的には、例えば、80℃以上が好ましく、90〜170℃がより好ましい。
【0039】
上記押出或いは圧延は、押出或いは圧延の時間、押出或いは圧延の装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。該押出或いは圧延の装置としては、公知の市販品を好適に使用することができる。
前記押出し装置としては、市販品を好適に使用することができ、例えば、一軸押出し機、二軸押出し機などが好適に挙げられる。尚、該押出或いは圧延の際、ゴム組成物中に、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等のプロセスオイル等を適宜に添加して、作業性及び表面肌(仕上り)を向上することもできる
【0040】
上記加硫は、加熱方式や加硫時間、加硫装置等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。該加硫装置としては、市販品を好適に使用することができる。
【0041】
かくして得られたゴム組成物は、例えば、成型加工後に加硫を行い、タイヤのトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビードゴム部等のタイヤ部材用途を始め;防振ゴムや防舷材、コンベヤベルト、Vベルト等のベルト;高圧ホース、自動車ホース等のホース;遮水シート、免震ゴム支承、ゴム継手、シールパッキン、ラバーフェンス等の土木建築用資材;ゴム製のブイ、防舷材等の海洋関連品;防音マット、空気バネ、制振ゴム等の防振ゴム;各種ローラー;駐車場ゴムシート等の各種シートが挙げられる。
【0042】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明の要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例において「部数」及び「%」は全て、「質量部」及び「質量%」を表す。
【0043】
(PPE樹脂の微粉末の調製)
ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂として、旭化成工業(株)製の「ザイロン X0108」を用い、東京アトマイザー製造(株)製の冷凍粉砕機「TAP−ULF−1C」を使用して、数回に亙り凍結及び粉砕を繰り返した後、ナイロン製メッシュを使用して分粒し、目的とする平均粒径が45〜75μmのPPE樹脂の微粒子を得た。
【0044】
(PPE樹脂/SBRのマスターバッチの調製)
室温(20℃)において、トルエン溶媒2000gに、JSR(株)製のスチレンン−ブタジエン共重合ゴム「SBR1500」の400gと、ダイセル・デグサ(株)製のポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂「VESTORAN 1900」の20g、40g、80gをそれぞれ溶解させ、特殊機化工業(株)製の攪拌機「TK HOMO DISPER L.SPEC」を使用して、回転数3000RPMで10分間かけて混合した。その後、貧溶媒としての水に投下して再沈させ、常法に従って溶媒を乾燥して、目的とするSBRと微細PPE樹脂のマスターバッチを得た。このPPE樹脂の分散粒径は10μm以下であった。
【0045】
上記で得られたPPE樹脂粉末及びSBR/微細PPE樹脂のマスターバッチを用いて、下記の表1に示す配合処方に従って、実施例1〜6及び比較例1のゴム組成物を調製し、70mLのラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)及び3インチロールを用いて混練を行った。該混練は2段階からなり、第1ステージでは加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の高温でゴム成分の架橋に作用する配合剤を除く成分及びゴムとカーボンブラック、微細PPE樹脂を添加した。その後、第2ステージでは、第1ステージにおいて添加しなかった配合剤を添加し、第1ステージより低い温度にて混練した。
【0046】
【表1】
【0047】
次いで、上記で得られた各ゴム組成物を加硫し、各種の評価試験を下記の方法に従って行い、その結果を下記の表2及び添付の図1と2に示した。ここで、上記の加硫条件は温度160℃で、加硫反応によるトルクの上昇が最高値の90%に達するまでの時間(t90)の1.5倍に当る加硫時間で加硫した。
(1)引張り試験
JIS K6301(1995)に準拠して、室温(25℃)において、ダンベル3号の打抜きサンプルを用いて引張り試験を行い、100、200、300%伸張時のモジュラス(M100〜300)を測定した。
【0048】
(2)ランボーン摩耗試験
JIS K 6264に準拠して、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、温度30℃において、スリップ率60%の条件で測定した。比較例1のサンプルの摩耗量の逆数を100とする指数によって表示し、この指数の値は大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
【0049】
(3)動的粘弾性の測定
(米国)レオメトリックス社製の動的スペクトロメーターを使用して、温度50℃において、周波数15Hzで、動的剪断歪みを0.1〜30%与えて、貯蔵弾性率(G′)と損失正接(tanδ)を測定した。
【0050】
【表2】
【0051】
上記の表2及び添付の図1と2の結果より、本願発明に基づく実施例1〜6のゴム組成物は、比較例の物に比べて、モジュラスが高く、耐磨耗性に優れ、更に動的入力に対して貯蔵弾性率(G′)が高く発熱性(tanδ)が小さく、優れた物性を有するゴム組成物であることが判明した。尚、本発明の実施例のゴム組成物は、配合物の混練り作業性や加硫成型性において何らの支障及び不具合等は認められなかった。
【0052】
【発明の効果】
本発明に依れば、ゴム成分中に高剛性樹脂の微細粒子を配合したゴム組成物が得られ、分散性と親和性が極めて良好であるので、機械的特性や耐磨耗性及び低発熱性に優れたゴム組成物及びそのの製造方法を提供することができる。更に、タイヤ及び防振ゴム、防舷材、ベルト、ホース等に好適に適用できる優れたゴム組成物及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム組成物の貯蔵弾性率(G′)の歪依存性を示すグラフである。
【図2】本発明のゴム組成物の損失正接(tanδ)の歪依存性を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニル芳香族系ゴム中に微細なポリフェニレン系樹脂を含有させたゴム組成物及びその製造方法に関し、特に、分散性と親和性を改良し発熱特性及び機械的強度に優れるゴム組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤや防振ゴム、工業用ベルト等に要求される重要な特性として、高強度物性と低発熱特性がある。これらの特性は、特に高速走行や高荷重或いは大変形において使用されるゴム製品において重要である。この様な機械的強度と粘弾性特性を改良する方法としては、ゴム組成物の硬度ないしモジュラスを上げ、且つ破壊強度や破断伸びを大きくすることが良好とされてきた。ゴム硬度や破壊強度を向上させる為には、従来よりカーボンブラック等の高充填や硫黄を増量させること等により、モジュラス及び架橋密度の増加等の手法が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、上記の手法に依れば破断時の伸びを低下させるので、ゴム小片がタイヤのトレッドやベルトの搬送面から脱離する、所謂、チッピングという現象が起こる。その対策として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の配合等、種々の検討がなされてきたが、他の特性、特に、耐久性や耐熱性、発熱性に望ましい結果が得られないことが多く、必ずしも十分な成果が得られていないのが実状である。例えば、下記(特許文献1参照)に見られる様に、耐カット性と低発熱性の両立は可能であるが、耐久性や耐熱性が十分ではなかった。
【0004】
タイヤやベルト・ホースに限らず、高強度で耐熱性と低発熱性の両立が重要である様なゴム製品の他の部材においても、上記特性の両立は極めて達成困難な課題となっている。例えば、防振ゴム、特にサスペンション用防振ゴムへの要求特性として、高モジュラスと低発熱性の両立等が挙げられる。
【0005】
一方、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂をゴム部材に配合した空気入りタイヤの例が挙げられる(例えば、特許文献2及び3参照)。前者の特許には、軟化点温度が135℃以上のポリエチレンをその軟化点より低い温度で配合することが記載されているが、この場合、配合に際して特別に微細なポリエチレン粒子を使用することを必要要件とし、また混練時の取扱い作業が煩瑣で困難であると同時に、混練後においてポリエチレン粒子が凝集して配合物の物性を低下させる問題がある。また後者の特許においては、結晶の融点が104℃から115℃の範囲にある低密度ポリエチレン(LDPE)を使用することが記載されているが、この場合も、後述する様に、高温での配合物の物性の低下が著しく、ゴム組成物、特にタイヤ用ゴム組成物としては好適とは言えない。
【0006】
また、LDPE及びLLDPE(線状低密度ポリエチレン)を配合したゴム部材を適用した空気入りタイヤ(例えば、特許文献4参照)が開示されているが、この場合にも、高温での配合物の物性の低下が見られ、ゴム組成物として、特にタイヤ用ゴム組成物としては使用が困難と言わざるを得ない。一般的に低融点のポリエチレンを使用した場合は、上記の耐熱性低下の問題の他に、ポリエチレン樹脂の熱クリープに起因するゴム組成物のヘタリ(挫屈)が発生し、これも望ましくない物性の低下をもたらす。
【0007】
上記の耐熱性及び耐熱クリープ性を改善する技法として、架橋可能部分を20質量%以上含む高密度ポリエチレンを2〜75質量部配合し、該配合樹脂の融点より高い温度で混練することを特徴とするゴム組成物(例えば、特許文献5参照)が開示されている。このゴム組成物を用いることにより、破壊特性や低発熱性を損なうことなく、耐熱性と耐熱クリープ性及び高硬度等を満足させることがある程度可能となった。しかしながら、架橋構造が導入された高密度ポリエチレンはゲル化し易く、混練りの際に、特に無架橋樹脂との併用混練において、ゲル化成分の分散不良を起こし、ゴム成分中への均一な分散が難しく、その結果、加硫製品に欠陥や不良を発生させるという問題がある。
【0008】
上記の他にも、樹脂配合による物性補強の例として、(1)ロジン系樹脂やシクロペンタジエン系樹脂及び特殊イオウ化合物を配合してなるトレッド用ゴム組成物(例えば、特許文献6参照)、(2)ジエン系ゴムとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムに所定の芳香族系石油樹脂を配合した接着ゴム層(例えば、特許文献7参照)、(3)オレフィン系ゴムに熱可塑性樹脂及び補強剤を配合した硬度が30〜70である耐熱防振ゴム用ゴム組成物(例えば、特許文献8参照)、(4)ジエン系ゴム成分に主鎖中にアミド基を有する熱可塑性樹脂の繊維とオレフィン系樹脂を配合し、オレフィン系樹脂の融点より3℃以上高い温度で混練分散したゴム組成物(例えば、特許文献9参照)、等が開示されている。
しかしながら、上記いずれにおいても、(1)ゴム成分中への樹脂粒子の分散性、及び(2)ゴム成分と分散樹脂の化学的親和性、に問題を有し、所望の補強効果、特に機械的強度の向上と低発熱性の保持を両立させて満足できる水準には未だ到達していないのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開昭48−38338号公報
【特許文献2】
米国特許4675349号
【特許文献3】
米国特許5341863号
【特許文献4】
特開平7−266454号公報
【特許文献5】
特開平10−67886号公報
【特許文献6】
特開2000−344946号公報
【特許文献7】
特開2000−318405号公報
【特許文献8】
特開平11−293065号公報
【特許文献9】
特開平10−315717号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、均一な微細分散性と良好な親和性を達成して、破壊物性及び混練作業性等を損なうことなく、低発熱性で耐熱性、高強度・高モジュラス、耐熱クリープ性等を総て満足し得るゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、下記に示すゴム組成物及びその製造方法によって解決される。
<1> ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴム中に微細なポリフェニレン系熱可塑性樹脂を均一に含有することを特徴とするゴム組成物。
<2> 前記合成ゴムが、スチレンン−ブタジエン(SBR)系共重合体であることを特徴とする上記<1>に記載のゴム組成物。
<3> 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂或いはその変性物であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のゴム組成物。
<4> 前記熱可塑性樹脂の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜50質量部であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれかに記載のゴム組成物。
<5> 前記ゴム組成物が、空気入りタイヤのトレッドゴム用であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかに記載のゴム組成物。
<6> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、80μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<7> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、40μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<8> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂を機械的に粉砕して、或いは機械的に粉砕した後に分粒して、ゴム成分と混練することを特徴とする上記<6>又は<7>に記載のゴム組成物の製造方法。
<9> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、20μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<10> 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、10μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のゴム組成物。
<11> 前記ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を芳香族系溶媒に溶解して混合した後、該溶媒を除去したマスターバッチを用いることを特徴とする上記<9>又は<10>に記載のゴム組成物の製造方法。
<12> 前記芳香族系溶媒がトルエンからなることを特徴とする上記<9>又は<10>に記載のゴム組成物の製造方法。
<13> 前記ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を溶媒に溶解して混合した溶液を、貧溶媒に投下して再沈することにより該溶媒を除去したことを特徴とする上記<11>又は<12>に記載のゴム組成物の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴム成分中に微細なポリフェニレン系熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする。本発明の上記ゴム組成物には、目的ないし必要に応じて、更に、カーボンブラックやシリカ等の補強材や充填材、プロセスオイル、粘着付与剤、硫黄、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、及びその他の各種ゴム薬品やゴム用添加剤を配合することができる。
本発明のゴム組成物は、フェニレン(phenylene)骨格を有する高剛性の熱可塑性樹脂が微細な粒子状として、ビニル芳香族炭化水素の構造単位を有するゴム成分中に均一に分散して配合されているので、高剛性樹脂とゴムマトリックスとの親和性が良好であり、加硫後の機械的強度や粘弾性特性及び耐磨耗性等に優れたゴム組成物となる。
以下、本発明のゴム組成物及びその製造方法について、詳細に説明する。
【0013】
(ゴム成分)
本発明のゴム組成物には、後述するフェニレン(phenylene)骨格を有する高剛性の熱可塑性樹脂との間に良好な相溶性ないし化学的親和性を保有する為に、芳香族環、特にベンゼン環を側鎖に有するビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムが用いられる。上記ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムとしては、両者のモノマーからなるブロック共重合体やランダム共重合体及びグラフト共重合体等があるが、ゴム弾性及び低発熱性の観点より、ランダム共重合体の合成ゴムが好ましい。
【0014】
上記ビニル芳香族炭化水素系のモノマーしては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、o−エチルスチレン、p−ブチルスチレン、o−ブチルスチレン、ビニルナフタリン等及びこれらの任意の置換体が包含される。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。中でもスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが好ましい。
【0015】
上記共役ジエン系のモノマーしては、1分子当りの炭素原子数が4〜12個、好ましくは4〜8個を有する共役ジエン系炭化水素が好適に用いられ、具体的には、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。中でも特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0016】
本発明に用いるビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の共重合体ゴムとしては、特にスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が最も好ましく、該共重合ゴムは、乳化(ラテックス)重合SBRでも溶液重合SBRでもよく、また油展SBRでもよい。中でも、特にタイヤのトレッドゴム用としては、高剛性で高強度及び耐磨耗性と制動性能の観点より、スチレン含有率が20〜60%であるSBRがより好ましく、特にスチレン含有率が30〜45質量%のSBRが好ましい。該スチレン含有率が20%未満の場合には、低温及び高温領域において所望のグリップ力を得ることができないことがあり、また、該スチレン含有率が60%を越える場合には、ブロック剛性が必要以上に高くなり過ぎて路面へのゴムの食い込みが悪くなることがある。
【0017】
尚、本発明においては、上記のビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムと併用して、タイヤ及び産業用ゴム製品の分野において従来より常用されている他の公知のゴム(天然ゴム及び各種合成ゴム)も使用できる。但し、併用する場合にも、フェニレン骨格を有する熱可塑性樹脂との化学的親和性を維持するために、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴムを過半部数、好ましくは60部以上、更に好ましくは70部以上とすることが望ましい。
【0018】
上記天然ゴムとしては、シートゴムでもブロック状ゴムでもよく、RSS#1〜#5のいずれをも用いることができる。上記他の合成ゴムとしても、例えば、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリルブタジエン(NBR)、ポリイソプレン(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体ゴム(EPDM)等、及びこれらの任意のブレンド物が挙げられる。
【0019】
(ポリフェニレン系熱可塑樹脂)
本発明のゴム組成物に用いられるポリフェニレン系熱可塑性樹脂は、フェニレン(phenylene)骨格を有する高剛性の熱可塑性樹脂であり、具体的には、例えばポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボナート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、等が挙げられる。
【0020】
上記のポリフェニレン系熱可塑性樹脂の中でも、本発明のゴム組成物に用いる樹脂としては、ゴム成分との親和性及び製造適性に優れ機械的強度や粘弾性特性の向上効果を高める観点より、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂及び変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、特に、2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル樹脂及び変性2,6−ジメチルポリフェニレンエーテル樹脂が最も好ましい。上記の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、成形性や流動性、衝撃強度、耐屈曲疲労性、耐久寿命、難燃性、防炎性、耐熱水性、経済性等の改良を目的とした全ての変性物を包含する。
【0021】
本発明の上記ポリフェニレン(PPE)系熱可塑樹脂或いは変性ポリフェニレン系熱可塑樹脂としては、市販の樹脂、例えば、日本GEプラスチック(株)製の「ノリル」シリーズ、旭化成工業(株)製の「ザイロン」シリーズ、三菱瓦斯化学(株)製の「ユピエースA」シリーズ、及びダイセル・デグサ(株)製の「ベストラン」シリーズ、等も好適に使用できる。
【0022】
本発明のゴム組成物に含有される上記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径は、混練作業性を改善し補強効果を向上させる為に、80μm以下に調製することが好ましく、特に該平均粒径を40μm以下にすることがより好ましい。ゴム組成物中に平均粒径が80μmを越えるポリフェニレン系熱可塑性樹脂を混練するのは困難さを伴い、破壊強度及びモジュラスの向上効果が不十分である場合が多い。上記平均粒径が80μm以下、更には40μm以下のポリフェニレン系熱可塑性樹脂を得るには、機械的に粉砕する方法、或いは機械的に粉砕した後に分粒する方法等を用いることができる。
【0023】
上記の機械的粉砕には、任意の粉砕機を使用できるが、例えば、高速回転式衝撃粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ディスクミル、遠心分級ミルなど)、ローラーミル、エロフォールミル、ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星型粉砕機)、媒体攪拌型粉砕機(塔式粉砕機、攪拌槽型粉砕機、流通管型粉砕機、アニュラー型粉砕機)、ジィェトミル、コロイドミル、等を挙げることができる。特に、本発明のポリフェニレン系熱可塑性樹脂は、常温で粉砕するのは効率が良くないので、液体窒素(−196℃)等を利用して樹脂及び粉砕容器内を冷却した上で上記粉砕機等を用いて粉砕する、所謂、冷凍粉砕法が好ましい。
また粉砕後の分粒には、乾式分粒器、湿式分粒器、フィルター分粒器等を用いて、重力方式、遠心力方式、慣性力方式等で所望の粒径の物を得ることができる。
【0024】
本発明のゴム組成物に含有させるポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径としては、混練作業性と補強効果を特に向上させる為に、20μm以下更には10μm以下に調製することが最も好ましい。この様に平均粒径を20μm以下に調製するには、機械的に粉砕する方法及び機械的に粉砕した後に分粒する方法では、長時間を要する或いは収率が低減することが多いので、本発明においては、ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を芳香族系溶媒に溶解して混合した後、該溶媒を除去したマスターバッチを用いる方法が好ましい。
【0025】
上記の芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒を好適に挙げることができ、この中でも、特にトルエンを主成分とする芳香族系溶媒が、本発明の合成ゴムとポリフェニレン系熱可塑性樹脂を溶解させる度合が最も大きいので好ましい。但し、使用する溶媒としては、上記3種の混合物、更にn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン、1−メチルブテン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、及びメチルシクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒等を併用してもよく、本発明のゴム成分と樹脂成分を良く溶解させるものであれば特に制限はない。
【0026】
また、ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑樹脂を芳香族系溶媒に溶解して混合した後、該溶媒を除去する方法にも、特に制限はなく自然乾燥法、減圧又は/及び加熱乾燥法、スチームを吹き込んで溶媒を除去する方法、等で実施することができるが、特に、ゴム成分と樹脂成分を溶解して混合した溶液を、水或いはメタノール等の貧溶媒に投下して再沈することにより該溶媒を除去する方法は、作業能率が良好で除去効率も高いので好ましい方法である。再沈後の乾燥は、熱ロール又は減圧下で乾燥する方法、凝固物を直接熱ロール又は減圧下で溶媒を除去する方法等、常法を任意に用いることができる。
【0027】
この様にして得られたゴム成分とポリフェニレン系熱可塑樹脂からなるマスターバッチゴムのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は、20〜200の範囲にあることが好ましい。該ムーニー粘度が20未満であると、引張強度が劣り破壊特性が低下することがあり、また該ムーニー粘度が200を超えると、加工性の面で問題があり、いずれも好ましくない。
【0028】
尚、本発明のゴム組成物においては、ゴム成分100質量部に対する上記のポリフェニレン系熱可塑性樹脂の含有量は、0.5〜50質量部であることが好ましく、該含有量は1.0〜40質量部がより好ましく、特に1.5〜30質量部が最も好ましい。該樹脂含有量が0.5質量部未満であると、破壊強度や粘弾性特性の向上効果が不足する場合があり、一方、該樹脂含有量が50質量部を越えて増量することは、上記の向上効果としては飽和する傾向にあり、返って破断時伸びや発熱性等の物性の低下を招くことがある。
【0029】
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物には、必須成分として上述したビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系合成ゴムとポリフェニレン系熱可塑樹脂を含むが、その他に、目的とするゴム製品の要求性能及び製造適性上の必要性等に応じて、更に、カーボンブラックやシリカ等の補強材や充填材、プロセスオイル、粘着付与剤、硫黄、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、その他の各種ゴム薬品やゴム用添加剤を配合することができる。
【0030】
本発明のゴム組成物には、補強材ないし充填材としてカーボンブラックを配合することが好ましい。ゴム成分100質量部に対して、通常20〜80質量部ほどのカーボンブラックを配合することにより、破壊強度や耐摩耗性及びモジュラス等を更に向上できる。該カーボンブラックの配合量は、上記効果を高める為に、30〜70質量部の範囲がより好ましく、特に40〜60質量部のカーボンを配合することが好ましい。該配合量が20質量部に満たないと、物性の向上効果が不足することがあり、一方、80質量部を越えて配合すると、ヒステリシス或いは発熱特性の悪化を招くことがある。
【0031】
配合するカーボンブラックとしては特に制限はなく、具体的には例えば、N110(SAF)、N115、N120、N121、N125、N134、N135、S212、N220(ISAF−HM)、N231(ISAF−LM)、N234、N293、N299、S315、N326(ISAF−LS)、N330(HAF)、N335、N339、N343、N347(HAF−HS)、N351、N356、N358、N375、N539、N550(FEF)、N582、N630、N642、N650、N660(GPF)、N683(APF)、N754、N762(SRF−LM)、N765、N772、N774(SRF−HM)、N787、N907、N908、N990(MT)、N991(MT)カーボン等が挙げられる。ここで、括弧内の記号は、従来からのカーボンブラックの慣用分類名を示す。上記のカーボンブラックは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0032】
また本発明のゴム組成物には、補強材ないし充填材としてシリカを配合することもできる。該シリカとしては特に制限はなく、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも耐破壊特性の改良効果、ウェットグリップ性及び低転がり抵抗の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。
シリカを充填材として用いた場合、補強性を更に向上させる為に、配合時にシランカップリング剤を併用することが好ましく、該シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド等が挙げられる。また、アルミナ類や炭酸カルシウム、クレー等の無機充填剤等を用いることもできる。
【0033】
更に、本発明のゴム組成物には、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、粘着賦与剤等を添加してもよい。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、その配合量はゴム成分100質量部に対して硫黄分として0.1質量部〜8質量部が好ましく、更に好ましくは0.5質量部から5質量部である。
【0034】
上記加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、好ましいものとして、ベンゾチアゾール類、ベンゾチアゾリルスルフェンアミド類、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類に属する加硫促進剤として、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−ジ(2−ベンゾチアゾチアゾリルスルフェン)イミド、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド等;ジチオリン酸亜鉛類に属する加硫促進剤として、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−イソブチルジチオリン酸亜鉛等;チウラム類に属する加硫促進剤として、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド等;ジチオリン酸ポリスルフィド類に属する加硫促進剤として、ビス(O,O’−ジ−イソプロピルチオホスホリル)ジスルフィド、ビス(O,O’−ジ−イソブチルチオホスホリル)ジスルフィド等;ジチオカルバミン酸亜鉛類に属する加硫促進剤として、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。
その使用量は、主に必要とされるゴムの加硫速度に適合する様に決定され、一般的にゴム成分100質量部に対して0.1質量部〜7質量部が好ましく、更に好ましくは0.5質量部から5質量部である。
【0035】
上記プロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系オイル等が挙げられ、引張強度や耐摩耗性の向上を重視する用途には芳香族系が、ヒステリシスロスや低温特性の向上を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して0質量部から100質量部が好ましく、100質量部を越えると加硫ゴムの引張強度や低発熱性が悪化させる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、これら以外にもゴム工業分野で通常使用されている酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、パラフィンワックス類、顔料、その他の添加剤を適宜に配合することができる。
【0036】
(製造方法及び用途)
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分と樹脂成分及びその他成分を配合した後に、適宜に選択した設備や条件及び手順に従って、混練り、熱入れ、押出、圧延、裁断、積層、成型、加硫、仕上げ等の作業を経ることにより作製される。
【0037】
上記混練りは、混練り容器への投入体積率、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。該混練り装置としては、市販品を使用することができ、例えば、ロール、インターナルミキサー、バンバリーミキサーなどが好適に挙げられる。
【0038】
上記熱入れの温度としては、ゴム組成物が軟化する温度であるのが好ましく、具体的には、例えば、80℃以上が好ましく、90〜170℃がより好ましい。
【0039】
上記押出或いは圧延は、押出或いは圧延の時間、押出或いは圧延の装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。該押出或いは圧延の装置としては、公知の市販品を好適に使用することができる。
前記押出し装置としては、市販品を好適に使用することができ、例えば、一軸押出し機、二軸押出し機などが好適に挙げられる。尚、該押出或いは圧延の際、ゴム組成物中に、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等のプロセスオイル等を適宜に添加して、作業性及び表面肌(仕上り)を向上することもできる
【0040】
上記加硫は、加熱方式や加硫時間、加硫装置等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。該加硫装置としては、市販品を好適に使用することができる。
【0041】
かくして得られたゴム組成物は、例えば、成型加工後に加硫を行い、タイヤのトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビードゴム部等のタイヤ部材用途を始め;防振ゴムや防舷材、コンベヤベルト、Vベルト等のベルト;高圧ホース、自動車ホース等のホース;遮水シート、免震ゴム支承、ゴム継手、シールパッキン、ラバーフェンス等の土木建築用資材;ゴム製のブイ、防舷材等の海洋関連品;防音マット、空気バネ、制振ゴム等の防振ゴム;各種ローラー;駐車場ゴムシート等の各種シートが挙げられる。
【0042】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明の要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例において「部数」及び「%」は全て、「質量部」及び「質量%」を表す。
【0043】
(PPE樹脂の微粉末の調製)
ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂として、旭化成工業(株)製の「ザイロン X0108」を用い、東京アトマイザー製造(株)製の冷凍粉砕機「TAP−ULF−1C」を使用して、数回に亙り凍結及び粉砕を繰り返した後、ナイロン製メッシュを使用して分粒し、目的とする平均粒径が45〜75μmのPPE樹脂の微粒子を得た。
【0044】
(PPE樹脂/SBRのマスターバッチの調製)
室温(20℃)において、トルエン溶媒2000gに、JSR(株)製のスチレンン−ブタジエン共重合ゴム「SBR1500」の400gと、ダイセル・デグサ(株)製のポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂「VESTORAN 1900」の20g、40g、80gをそれぞれ溶解させ、特殊機化工業(株)製の攪拌機「TK HOMO DISPER L.SPEC」を使用して、回転数3000RPMで10分間かけて混合した。その後、貧溶媒としての水に投下して再沈させ、常法に従って溶媒を乾燥して、目的とするSBRと微細PPE樹脂のマスターバッチを得た。このPPE樹脂の分散粒径は10μm以下であった。
【0045】
上記で得られたPPE樹脂粉末及びSBR/微細PPE樹脂のマスターバッチを用いて、下記の表1に示す配合処方に従って、実施例1〜6及び比較例1のゴム組成物を調製し、70mLのラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)及び3インチロールを用いて混練を行った。該混練は2段階からなり、第1ステージでは加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の高温でゴム成分の架橋に作用する配合剤を除く成分及びゴムとカーボンブラック、微細PPE樹脂を添加した。その後、第2ステージでは、第1ステージにおいて添加しなかった配合剤を添加し、第1ステージより低い温度にて混練した。
【0046】
【表1】
【0047】
次いで、上記で得られた各ゴム組成物を加硫し、各種の評価試験を下記の方法に従って行い、その結果を下記の表2及び添付の図1と2に示した。ここで、上記の加硫条件は温度160℃で、加硫反応によるトルクの上昇が最高値の90%に達するまでの時間(t90)の1.5倍に当る加硫時間で加硫した。
(1)引張り試験
JIS K6301(1995)に準拠して、室温(25℃)において、ダンベル3号の打抜きサンプルを用いて引張り試験を行い、100、200、300%伸張時のモジュラス(M100〜300)を測定した。
【0048】
(2)ランボーン摩耗試験
JIS K 6264に準拠して、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、温度30℃において、スリップ率60%の条件で測定した。比較例1のサンプルの摩耗量の逆数を100とする指数によって表示し、この指数の値は大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
【0049】
(3)動的粘弾性の測定
(米国)レオメトリックス社製の動的スペクトロメーターを使用して、温度50℃において、周波数15Hzで、動的剪断歪みを0.1〜30%与えて、貯蔵弾性率(G′)と損失正接(tanδ)を測定した。
【0050】
【表2】
【0051】
上記の表2及び添付の図1と2の結果より、本願発明に基づく実施例1〜6のゴム組成物は、比較例の物に比べて、モジュラスが高く、耐磨耗性に優れ、更に動的入力に対して貯蔵弾性率(G′)が高く発熱性(tanδ)が小さく、優れた物性を有するゴム組成物であることが判明した。尚、本発明の実施例のゴム組成物は、配合物の混練り作業性や加硫成型性において何らの支障及び不具合等は認められなかった。
【0052】
【発明の効果】
本発明に依れば、ゴム成分中に高剛性樹脂の微細粒子を配合したゴム組成物が得られ、分散性と親和性が極めて良好であるので、機械的特性や耐磨耗性及び低発熱性に優れたゴム組成物及びそのの製造方法を提供することができる。更に、タイヤ及び防振ゴム、防舷材、ベルト、ホース等に好適に適用できる優れたゴム組成物及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム組成物の貯蔵弾性率(G′)の歪依存性を示すグラフである。
【図2】本発明のゴム組成物の損失正接(tanδ)の歪依存性を示すグラフである。
Claims (13)
- ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン系の合成ゴム中に微細なポリフェニレン系熱可塑性樹脂を均一に含有することを特徴とするゴム組成物。
- 前記合成ゴムが、スチレンン−ブタジエン(SBR)系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂或いはその変性物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記熱可塑性樹脂の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜50質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ゴム組成物が、空気入りタイヤのトレッドゴム用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、80μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、40μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂を機械的に粉砕して、或いは機械的に粉砕した後に分粒して、ゴム成分と混練りすることを特徴とする請求項6又は7に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、20μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ポリフェニレン系熱可塑性樹脂の平均粒径が、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を芳香族系溶媒に溶解して混合した後、該溶媒を除去したマスターバッチを用いることを特徴とする請求項9又は10に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記芳香族系溶媒がトルエンからなることを特徴とする請求項11に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記ゴム成分とポリフェニレン系熱可塑性樹脂を溶媒に溶解して混合した溶液を、貧溶媒に投下して再沈することにより該溶媒を除去したことを特徴とする請求項11又は12に記載のゴム組成物の製造方法。
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