JP2016069483A - 高性能タイヤ - Google Patents

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隆行 永瀬
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Abstract

【課題】十分な耐摩耗性を維持しながら高温路面でのグリップ性能を向上させ、さらに製造時の負担を低減できる高性能タイヤを提供すること。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムを60〜100質量%含むジエン系ゴム成分、および粉砕樹脂を含有するゴム組成物で構成されるトレッドを有する高性能タイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明は、所定のゴム組成物により構成されたトレッドを有する高性能タイヤに関する。
高性能タイヤ用のトレッドには、様々な路面でのグリップ性能が要求される。なかでも、気温が高い夏場は、路面温度が高温となり、走行中のトレッドの温度も高くなるため、高温路面でのグリップ性能向上が望まれている。
しかし、ゴム組成物の一般特性として、温度が高くなる程、グリップ性能への寄与が大きいヒステリシスロス(tanδ)が低くなる傾向にあるため、グリップ性能が低下するという問題がある。
従来から、高温路面でのグリップ性能を向上させる目的で、トレッド用ゴム組成物において、ヒステリシスロスを大きくするために、軟化剤をオイルから液状ポリマーへ変更する手法、樹脂を増量する手法、高軟化点の樹脂を添加する手法などが採用されていた。特に、高温路面でのグリップ性能向上には、高軟化点の樹脂を多量に添加する手法が効果的であり、広く行われていた。
特許文献1には、所定のゴム成分に、所定のカーボンブラックおよびシリカを含む補強剤、ならびに樹脂を含有することで、耐摩耗性、グリップ性能、および引っ張り強度をバランス良く向上させ、広い温度条件において優れた剛性を示すタイヤが記載されている。
特開2006−249403号公報
しかしながら、高軟化点の樹脂を多量に添加する手法は、ゴム成分への樹脂の分散が困難であるため、混練物が設備(主にロール)へ過密着するという製造工程における問題がある。また、樹脂が十分に分散しないために、ゴム組成物の破壊強度が低下し、耐摩耗性が悪化するという問題がある。つまり、十分な耐摩耗性を維持しつつ、製造時の負担を低減し、高温路面でのグリップ性能にも優れるタイヤとすることは困難である。また、特許文献1に記載されているタイヤも、製造時の負担については考慮されておらず、十分な耐摩耗性を維持しながら、高温路面でのグリップ性能を向上させる点についても、改善の余地がある。
本発明は、十分な耐摩耗性を維持しながら高温路面でのグリップ性能を向上させ、さらに製造時の負担を低減できる高性能タイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、所定のジエン系ゴム成分に粉砕樹脂を含有することで、十分な耐摩耗性を維持しながら高温路面でのグリップ性能を向上させ、さらに製造時の負担を低減でき、前記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、スチレンブタジエンゴムを60〜100質量%含むジエン系ゴム成分、および粉砕樹脂を含有するゴム組成物で構成されるトレッドを有する高性能タイヤに関する。
粉砕樹脂が、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する樹脂であることが好ましい。
粉砕樹脂の軟化点が、60〜180℃であることが好ましい。
粉砕樹脂の平均粒子径が、1〜100μmであることが好ましい。
粉砕樹脂の粉砕方法が、液体窒素を用いた凍結粉砕であることが好ましい。
さらに、カーボンブラックを含有することが好ましい。
ゴム組成物の100℃でのゴム硬度が、20〜50であることが好ましい。
本発明によれば、所定のジエン系ゴム成分および粉砕樹脂を含有するゴム組成物で構成されるトレッドを有する高性能タイヤとすることで、十分な耐摩耗性を維持しながら高温路面でのグリップ性能を向上させ、さらに製造時の負担を低減できる高性能タイヤを提供することができる。
本発明の高性能タイヤは、所定のジエン系ゴム成分および粉砕樹脂を含有するゴム組成物により構成されたトレッドを有することを特徴とする。
前記ジエン系ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。これらのジエン系ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能および耐摩耗性がバランス良く得られるという理由からNR、BR、SBRが好ましく、SBRがより好ましい。なお、本明細書におけるジエン系ゴム成分は、後述の液状ジエン系重合体とは別に配合されるゴム成分である。
前記SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)、これらのSBRの末端を変性した変性SBR(変性E−SBR、変性S−SBR)など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、グリップ性能および耐摩耗性がバランス良く得られるという理由から、S−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有量は、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。SBRのスチレン含有量が20質量%未満の場合は、十分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、SBRのスチレン含有量は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。SBRのスチレン含有量が60質量%を超える場合は、耐摩耗性が低下するだけでなく、グリップ性能が良好に得られない傾向がある。なお、本明細書におけるSBRのスチレン含有量は、H1−NMR測定により算出される値である。
ジエン系ゴム成分中のSBRの含有量は、60質量%以上であり、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。SBRの含有量が60質量%未満の場合は、十分な耐熱性、グリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であることが最も好ましい。
前記粉砕樹脂とは、微細な粉末に粉砕された樹脂である。粉砕樹脂に使用される樹脂としては、芳香族石油樹脂などの従来タイヤ用ゴム組成物で慣用される樹脂が挙げられる。芳香族石油樹脂としては例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)などが挙げられる。フェノール系樹脂としては例えばコレシン(BASF社製)、タッキロール(田岡化学工業(株)製)などが挙げられる。クマロンインデン樹脂としては例えばクマロン(日塗化学(株)製)、エスクロン(新日鉄化学(株)製)、ネオポリマー(JX日鉱日石エネルギー(株)製)などが挙げられる。スチレン樹脂としては例えばSylvatraxx 4401(Arizona chemical社製)などが挙げられる。テルペン樹脂としては例えばTR7125(Arizona chemical社製)、TO125(ヤスハラケミカル(株)製)などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、良好なグリップ性能が得られるという理由から、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
これらの粉砕樹脂のうち、なかでも、高軟化点の粉砕樹脂を多量に配合することが、ゴム組成物の高温でのヒステリシスロスを向上させ、高温路面でのグリップ性能を向上させることから好ましい。
粉砕樹脂の軟化点は、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。軟化点が60℃未満である場合は、十分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、粉砕樹脂の軟化点は、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。軟化点が、180℃を超える場合は、ゴム硬度が高くなりすぎ、グリップ性能が低下する傾向がある。なお、本明細書における軟化点とは、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
粉砕樹脂のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上さらに好ましい。粉砕樹脂の含有量が5質量部未満の場合は、樹脂による高温路面でのグリップ性能の改善効果が小さくなる傾向がある。また、粉砕樹脂の含有量は、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましい。粉砕樹脂の含有量が、150質量部を超える場合は、樹脂のゴム成分への分散が難しく、耐摩耗性に悪影響を及ぼす傾向がある。
粉砕樹脂の平均粒子径は、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。平均粒子径が1μm未満の場合は、粉砕した樹脂が常温下でも融着してしまう恐れがあり、粉砕の効果が得られなくなる可能性がある。また、粉砕樹脂の平均粒子径は100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。平均粒子径が100μmを超える場合は、ゴム成分への分散効果が十分に得られない恐れがある。なお、本明細書における粉砕樹脂の平均粒子径は、レーザー回析式粒子径分布測定により測定した値である。
粉砕樹脂の粉砕方法としては、液体窒素を用いた凍結粉砕方法、ロールを用いた粉砕方法、ボールミルを用いた粉砕方法などが挙げられる。常温での粉砕では、微細な粉末状態にすることが困難であり、また、粉砕時の発熱などにより、樹脂が再融着し大きな粒になる可能性もあることから、粉砕時に発熱せず、均一に微細な粉末を容易に得ることができる液体窒素を用いた凍結粉砕方法が好ましい。凍結粉砕方法としては特に限定されないが、ホソカワミクロン(株)製の密閉系凍結乾燥粉砕システムでの凍結粉砕などが挙げられる。
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、オイル、液状ジエン系重合体、低温可塑剤などの軟化剤、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなどの補強用充填剤、酸化亜鉛、ワックス、各種老化防止剤、ステアリン酸、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明に係るゴム組成物は、グリップ性能が向上するという理由から、さらに、オイル、液状ジエン系重合体、低温可塑剤などの軟化剤を配合することが好ましい。
前記オイルとしては、例えば、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイルが挙げられる。
オイルを含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。オイルの含有量が5質量部未満の場合は、添加による効果が得られない傾向がある。また、オイルの含有量は、100質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。オイルの含有量が100質量部を超える場合は、耐摩耗性が悪化する傾向がある。なお、本明細書におけるオイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル分も含まれる。
前記液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体であり、例えば、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性とグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRが好ましい。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、1.0×103以上が好ましく、3.0×103以上がより好ましい。液状ジエン系重合体のMwが1.0×103未満の場合は、耐摩耗性、破壊特性が低下し、十分な耐久性が確保できない傾向がある。また、液状ジエン系重合体のMwは、2.0×105以下が好ましく、1.5×104以下がより好ましい。液状ジエン系重合体のMwが、2.0×105を超える場合は、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ、生産性が悪化する傾向がある。なお、本明細書における液状ジエン系重合体のMwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体を含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。液状ジエン系重合体の含有量が5質量部未満の場合は、十分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、液状ジエン系重合体の含有量は、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。液状ジエン系重合体の含有量が150質量部を超える場合は、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
前記低温可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等のエステル系可塑剤が挙げられ、良好なグリップ性能を得られるという理由から、DOS、TOPが好ましい。
低温可塑剤の凝固点は、十分なグリップ改善効果が得られるという理由から、−50℃以下が好ましく、−70℃以下がより好ましい。
低温可塑剤の25℃における粘度は、十分な初期グリップ改善効果が得られるという理由から、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。
低温可塑剤を含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。低温可塑剤の含有量が2質量部未満の場合は、初期グリップの改善効果が得られない恐れがある。また、低温可塑剤の含有量は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。低温可塑剤の含有量が40質量部を超える場合は、高温でのヒステリシスロスが低下し、高温路面でのグリップ性能が低下する傾向がある。
粉砕樹脂、オイル、液状ジエン系重合体、および低温可塑剤のジエン系ゴム成分100質量部に対する合計含有量は、50質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましく、70質量部以上がさらに好ましい。また、該合計含有量は、220質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましく、190質量部以下がさらに好ましい。該合計含有量が上記範囲内である場合は、本発明の効果がより好適に得られる。
前記補強用充填剤としては、耐摩耗性に優れるという理由から、カーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックなどが挙げられ、2種類以上のコロイダル特性の異なるものを併用してもよい。具体的にはGPF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、なかでも、SAFが好適である。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、100m2/g以上が好ましく、105m2/g以上がより好ましく、110m2/g以上がさらに好ましい。N2SAが100m2/g未満の場合は、グリップ性能が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは、600m2/g以下であることが好ましく、250m2/g以下であることがより好ましく、180m2/g以下であることがさらに好ましい。カーボンブラックのN2SAが600m2/gを超える場合は、分散性が劣り、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−2:2001に準じて測定される値である。
カーボンブラックのオイル吸油量(OAN)は、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。OANが50ml/100g未満の場合は、十分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのOANは、250ml/100g以下が好ましく、200ml/100g以下がより好ましく、135ml/100g以下がさらに好ましい。OANが250ml/100gを超える場合は、グリップ性能が低下する傾向がある。なお、本明細書におけるカーボンブラックのOANは、JIS K6217−4:2008に準じて測定される値である。
カーボンブラックを含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、50質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましく、100質量部以上がさらに好ましい。カーボンブラックの含有量が50質量部未満の場合は、十分な耐摩耗性、グリップ性能が得られない傾向がある、また、カーボンブラックの含有量は、200質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましい。カーボンブラックの含有量が200質量部を超える場合は、グリップ性能が低下する傾向がある。
前記酸化亜鉛としては、タイヤなどの従来ゴム工業で使用されるものであれば特に限定されないが、微粒子酸化亜鉛を使用することが好ましい。
酸化亜鉛の平均一次粒子径は、耐摩耗性に悪影響を与えないという理由から、200nm以下が好ましく、100nm以下がさらに好ましい。また、酸化亜鉛の平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましい。なお、本明細書における酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)である。
酸化亜鉛を含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、酸化亜鉛の含有量は、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。酸化亜鉛の含有量が上記範囲内である場合は、本発明の効果がより好適に得られる。
前記加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、グアニジン系加硫促進剤などが挙げられ、なかでも、耐摩耗性、熱ダレ性能に優れるという理由から、チアゾール系、チウラム系加硫促進剤を好適に使用できる。チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドなどが挙げられ、なかでも、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)などが挙げられ、なかでも、TOT−Nが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のジエン系ゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。加硫促進剤の含有量が1質量部未満の場合は、十分な加硫速度が得られず、良好なグリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、加硫促進剤の含有量は15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。加硫促進剤の含有量が15質量部を超える場合は、ブルーミングを起こし、グリップ性能、耐摩耗性が低下する傾向がある。
本発明に係るゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明に係るゴム組成物(加硫ゴム組成物)の100℃でのゴム硬度(Hs)は、20以上が好ましく、25以上がより好ましい。Hsが20未満の場合は、高温での剛性が不足することにより、操縦安定性能が大幅に悪化する傾向がある。また、Hsは50以下が好ましく、45以下がより好ましい。Hsが50を超える場合は、ゴムが硬くなりすぎることで、路面への追従性が劣り、十分なグリップ性能を発揮できない恐れがある。なお、本明細書におけるゴム硬度は、JIS K6253−3に準じて測定した値である。
本発明の高性能タイヤは、上記ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム組成物を未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成形することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の高性能タイヤを製造することができる。なお、本発明における高性能タイヤは、レースなどの競技用タイヤ、特にドライ路面に使用される高性能ドライタイヤに好適に適用できる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(S−SBR、スチレン含有量:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN219(N2SA:106m2/g、OAN:75ml/100g)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
液状ジエン系重合体:(株)クラレ製のL−SBR−820(液状SBR、Mw:10000)
樹脂1:日塗化学(株)製のクマロンG−90(クマロンインデン樹脂、軟化点:90℃、未粉砕、平均粒子径:1mm以上)
樹脂2:日塗化学(株)製のクマロンV−120(クマロンインデン樹脂、軟化点:120℃、未粉砕、平均粒子径:1mm以上)
樹脂3:JX日鉱日石エネルギー(株)製の日石ネオポリマー170S(クマロンインデン樹脂、軟化点:160℃、未粉砕、平均粒子径:1mm以上)
樹脂4:樹脂1を、ホソカワミクロン(株)の密閉系凍結乾燥粉砕システムで液体窒素を用いて凍結粉砕したもの(平均粒子径:12.5μm)
樹脂5:樹脂2を、ホソカワミクロン(株)の密閉系凍結乾燥粉砕システムで液体窒素を用いて凍結粉砕したもの(平均粒子径:12.2μm)
樹脂6:樹脂3を、ホソカワミクロン(株)の密閉系凍結乾燥粉砕システムで液体窒素を用いて凍結粉砕したもの(平均粒子径:11.3μm)
低温可塑剤:大八化学工業(株)製のDOS(凝固点:−62℃、粘度:18mPa・s(25℃))
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製のF−2(平均一次粒子径:65nm)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤1:大内新興化学(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン、6PPD)
老化防止剤2:大内新興化学(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
実施例および比較例
表1に示す配合内容に従い、上記各種薬品(硫黄および加硫促進剤を除く)を、神戸製鋼(株)製の1.7Lバンバリーミキサーにて、排出温度150℃で6分間混練りし、混練り物を得た。得られた混練り物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。その後、得られた未加硫ゴム組成物を160℃で35分間、4mm厚の金型でプレス加硫することで試験用加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を作製した。また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼りあわせ、150℃の条件下で30分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を得た。得られた加硫ゴムシートおよび試験用タイヤについて、下記評価を行った。結果を表1に示す。
<高温グリップ性能>
試験用タイヤを国産FR車(2000cc)の全輪に装着し、1周5.8kmの高温のドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。その際における、コントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほど高温路面でのグリップ性能が高いことを示す。なお、テスト時の気温は39℃、路面温度は53℃であった。高温グリップ性能指数は110以上を性能目標指数とする。
<耐摩耗性>
試験用タイヤを国産FR車(2000cc)の全輪に装着し、1周5.8kmのドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行った。その際におけるタイヤトレッドゴムの残溝量を計測し(新品時15mm)、比較例1の残溝量を100として指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性が高いことを示す。
<製造時の負荷>
上記未加硫ゴム組成物の製造時において、混練物をオープンロールから剥離する際にかける力具合を、作業者が10点満点で評点付けした。点数が高いほど、剥離にかかる力が少なく、製造時の負担が少ないことを示す。
<ゴム硬度測定>
加硫ゴムシートのタイプAデュロメータ硬さを、JIS K6253−3:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」に記載の測定方法に則って、100℃の雰囲気下で測定した。
Figure 2016069483
表1の結果より、所定のジエン系ゴム成分および粉砕樹脂を含有するゴム組成物で構成されるトレッドを有する高性能タイヤは、十分な耐摩耗性を維持しながら高温路面でのグリップ性能を向上させ、さらに製造時の負担を低減できることが分かる。

Claims (7)

  1. スチレンブタジエンゴムを60〜100質量%含むジエン系ゴム成分、および粉砕樹脂を含有するゴム組成物で構成されるトレッドを有する高性能タイヤ。
  2. 粉砕樹脂が、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する樹脂である請求項1記載の高性能タイヤ。
  3. 粉砕樹脂の軟化点が、60〜180℃である請求項1または2記載の高性能タイヤ。
  4. 粉砕樹脂の平均粒子径が、1〜100μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の高性能タイヤ。
  5. 粉砕樹脂の粉砕方法が、液体窒素を用いた凍結粉砕である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高性能タイヤ。
  6. さらに、カーボンブラックを含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の高性能タイヤ。
  7. ゴム組成物の100℃でのゴム硬度が、20〜50である請求項1〜6のいずれか1項に記載の高性能タイヤ。
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