JP2004238449A - エポキシ樹脂系塗膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面の白化が抑制でき、意匠性に優れたエポキシ樹脂系塗膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂とアミン系化合物を混合して混合物を得る。この際、混合物中には、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどのシラン系化合物を添加配合しておく。そして、この混合物を、基材上に塗布し、エポキシ樹脂を硬化させてエポキシ樹脂系塗膜を得る。
【効果】混合物を基材上に塗布すると、アミン系化合物が雰囲気中の水分や二酸化炭素と反応する前に、シラン系化合物が水と反応してシラン系の重合物を形成する。したがって、アミン系化合物と水分や二酸化炭素とが反応して、カルバミン酸塩を生成するのを防止する。カルバミン酸塩が生成しにくいため、これが原因で生じる、エポキシ樹脂系塗膜表面の白化を防止できる。
【選択図】 なし
【解決手段】エポキシ樹脂とアミン系化合物を混合して混合物を得る。この際、混合物中には、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどのシラン系化合物を添加配合しておく。そして、この混合物を、基材上に塗布し、エポキシ樹脂を硬化させてエポキシ樹脂系塗膜を得る。
【効果】混合物を基材上に塗布すると、アミン系化合物が雰囲気中の水分や二酸化炭素と反応する前に、シラン系化合物が水と反応してシラン系の重合物を形成する。したがって、アミン系化合物と水分や二酸化炭素とが反応して、カルバミン酸塩を生成するのを防止する。カルバミン酸塩が生成しにくいため、これが原因で生じる、エポキシ樹脂系塗膜表面の白化を防止できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種基材上にエポキシ樹脂系塗膜を形成する方法に関し、特に、エポキシ樹脂系塗膜表面の白化を抑制し、意匠性に優れたエポキシ樹脂系塗膜を形成しうる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、床や壁などの基材に、耐久性、防塵性或いは耐薬品性などを与えるため、基材表面に液状エポキシ樹脂を塗布し硬化させて、エポキシ樹脂系塗膜を形成することが行われている。そして、液状エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン系化合物が用いられている。しかしながら、硬化剤としてアミン系化合物を用いると、塗布時の雰囲気によって、得られたエポキシ樹脂系塗膜表面が白化して、意匠性が低下するということがあった。すなわち、常温雰囲気下の塗布では、白化が見られることは少ないが、低温・多湿雰囲気下では、しばしば、白化が見られた。
【0003】
この白化の原因は、低温・多湿雰囲気下では、エポキシ樹脂とアミン系化合物の硬化反応の速度よりも、アミン系化合物と雰囲気中の水分及び二酸化炭素との反応速度の方が速くなり、エポキシ樹脂系塗膜中にカルバミン酸塩が多量に生成するためであると考えられている。このことから、従来技術では、低温・多湿雰囲気下では反応性の低いアミン系化合物を用いて硬化速度を犠牲にして白化を抑制する、あるいは反応性の高いアミン系化合物を用い、ある程度の白化性を犠牲にして塗膜の硬化速度を確保するかのいずれかを選択しなければならなかった。
【0004】
また一方、特許文献1では、エポキシ樹脂の硬化剤であるアミン系化合物として、カルバミン酸塩が生成しにくいアミン系化合物、すなわち、キシリレンジアミンの変性物と脂肪アミンとの混合物をアミン系化合物として使用することが提案されている。また、特許文献2では、アミン系化合物を中和しうる有機酸をエポキシ樹脂中に含有させておき、アミン系化合物と水分及び二酸化炭素との反応を抑制することが提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1や特許文献2記載の方法では、硬化剤としてのアミン系化合物の反応性が低下し、エポキシ樹脂の硬化性が損なわれ、エポキシ樹脂系塗膜の耐久性、防塵性或いは耐薬品性などが低下するということがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−104738号公報(第2頁第1欄)
【特許文献2】
特開平8−311392号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、アミン系化合物の反応性は、そのまま維持しながら、雰囲気中の水分と速やかに反応する化合物、すなわち、アミン系化合物と水分との反応速度よりも速く水分と反応する化合物を配合し、アミン系化合物と水分の反応を阻害して、カルバミン酸塩を生成しにくいようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂を硬化させるためのアミン系化合物との混合物を、基材に塗布してエポキシ樹脂系塗膜を形成する方法において、該混合物中に下記一般式(1)で表される官能基を有するシラン系化合物を含有させておくことを特徴とするエポキシ樹脂系塗膜の形成方法に関するものである。
一般式(1):
【化3】
(但し、R1,R2,R3は、アルキル基を表す。)
【0009】
本発明で使用するエポキシ樹脂としては、従来のエポキシ樹脂系塗膜の形成に用いられているものであれば、どのようなものでも用いることができる。具体的には、ビフェニール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等とエピクロルヒドリンを反応させて得られるビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等や、これらを水添化あるいは臭素化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、メタキシレンジアミンやヒダントインなどをエポキシ化した含窒素エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂等があげられる。
【0010】
エポキシ樹脂を硬化させるためのアミン系化合物としても、従来公知のものを用いればよい。すなわち、本発明においては、どのような反応性のアミン系化合物を用いてもよい。しかしながら、一般的には、反応性の低いアミン系化合物を用いるのが好ましい。なお、ここで言う反応性とは、雰囲気中の水分や二酸化炭素との反応性のことである。
【0011】
反応性の低いアミン系化合物としては、イソフォロンジアミン(IPDA)変性アミン,ジェファーミン,メチレンビシクロヘキサミン(PACM)変性アミン,変性芳香族ポリアミン(MPCA)などを用いることができる。また、反応性の高いアミン系化合物としては、メタキシレンジアミン(MXDA)変性アミン、1,3ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)変性アミン、ノルボルナンジアミン(NBDA)変性アミンなどを用いることができる。
【0012】
エポキシ樹脂とアミン系化合物とを用いて、エポキシ樹脂系塗膜を形成するには、まず、エポキシ樹脂とアミン系化合物とを混合する。そして、この混合物を各種基材上に塗布して、エポキシ樹脂を硬化させればよい。エポキシ樹脂は、アミン系化合物と混合すれば、速やかに硬化するので、塗布直前に両者を混合する。また、混合割合は従来公知のエポキシ樹脂組成物と同様でよい。具体的には、アミン系化合物の活性水素当量が、エポキシ基の当量に比べて0.5〜2.0倍程度であり、好ましくは0.8〜1.2倍程度がよい。
【0013】
本発明においては、エポキシ樹脂とアミン系化合物とを混合する際に、上記一般式(1)で表される官能基を有するシラン系化合物も、同時に混合する。このシラン系化合物は、珪素原子に四個の酸素原子が結合しており、そのうちの少なくとも三個はアルコキシ基の形になっている官能基を含む化合物である。このように、珪素原子に四個の酸素原子が結合している基は、水分と接触すると速やかに加水分解反応を起こし、脱アルコールが生じてシラノール化合物となり、それらが縮合され、アミン系化合物が雰囲気中の水分及び二酸化炭素と反応してカルバミン酸塩を生成するより前に、ポリシロキサン結合を有するシラン系の重合物を形成するのである。たとえば、珪素原子に三個の酸素原子しか結合しておらず、残りの一個に炭素原子が結合しているようなシラン系化合物の場合は、加水分解反応の速度が遅く、アミン系化合物が雰囲気中の水分及び二酸化炭素と反応してカルバミン酸塩を生成するより前に、シラン系の重合物を形成しがたいので、本発明では使用することができない。
【0014】
本発明においては、特に、下記一般式(2)で表されるシラン系化合物を用いるのが好ましい。
一般式(2):
【化4】
(但し、R1,R2,R3,R4は、アルキル基を表す。nは1以上の整数を表す。)
これらのシラン系化合物は、テトラアルコキシシラン又はこの加水分解縮合物である。たとえば、テトラメトキシシラン又はこの加水分解縮合物や、テトラエトキシシラン又はこの加水分解縮合物である。このようなシラン系化合物は、一般的に、加水分解反応の速度が速いからである。本発明においては、加水分解反応の速度が速いテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランを用いるのが、好ましい。なお、シラン系化合物は、アミン系化合物100質量部に対して、0.1〜10.0質量部程度配合するのが好ましい。とくに1.0〜3.0質量部程度配合するのが最も好ましい。
【0015】
本発明においては、エポキシ樹脂とアミン系化合物とシラン系化合物の三者を混合し、この混合物を基材に塗布し硬化させて、エポキシ樹脂系塗膜を形成すればよい。混合物中には、従来採用されている任意の添加剤が含有されていてもよい。たとえば、炭酸カルシウム,表面処理炭酸カルシウム,珪砂などの充填剤、シリカ微粉末などの揺変剤、カップリング剤,希釈剤,可塑剤などの改質剤、無機系・有機系脱水剤やカルボン酸ビニルエステルなどの安定化剤、顔料などが含有されていてもよい。
【0016】
本発明で使用するエポキシ樹脂,アミン系化合物及びシラン系化合物は、2液型の組み合わせ製品として提供されるのが好ましい。すなわち、エポキシ樹脂とアミン系化合物とは、両者を混合すると直ちに硬化するので、両者を混合した状態の1液型の製品としては、提供できない。したがって、エポキシ樹脂が収納されてなる主剤容器と、アミン系化合物が収納されてなる硬化剤容器との組み合わせ製品として提供されるのである。この際、シラン系化合物は、主剤容器にエポキシ樹脂と混合して収納されていてもよいし、硬化剤容器にアミン系化合物と混合して収納されていてもよい。また、シラン系化合物は、主剤容器及び硬化剤容器とは別個の第三の容器に収納されていてもよい。さらに、上記した任意の添加剤も、主剤容器又は硬化剤容器又は第三の容器に収納されていてもよい。
【0017】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤であるアミン系化合物が、雰囲気中の水分や二酸化炭素と反応してカルバミン酸塩を生成するよりも、速く雰囲気中の水分と反応しうるシラン系化合物を、アミン系化合物と共に存在させておくと、カルバミン酸塩の生成を抑制しうるという知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
【0018】
実施例1A
以下に記載した各化合物を混合した後、この混合物を基材(エポキシ系プライマーを塗布したスレート板)に、400g/m2となるように塗布した。そして、10℃、65〜85%RHの雰囲気に維持したインキュベーター中で1日養生し、エポキシ樹脂系塗膜を得た。
エポキシ樹脂 80質量部
(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート828」)
反応性希釈剤 15質量部
(旭電化工業社製、商品名「アデカグリシロールED503」)
着色顔料 2質量部
(日本ピグメント社製、商品名「NV−EP グレートナー」)
分散剤(楠本化成社製、商品名「ディスパロン1930N」) 3質量部
MXDA変性アミン 50質量部
(旭電化社製、商品名「アデカハードナーEH220」)
テトラメトキシシラン 0.15質量部
(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)
【0019】
実施例1B
テトラメトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0020】
実施例1C
テトラメトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0021】
実施例1D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0022】
実施例1E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例1Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0023】
実施例1F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例1Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0024】
実施例2A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるテトラメトキシシラン加水分解縮合物(三菱化学社製、商品名「MS−51」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化5】
(但し、nは1以上の整数であり、その平均値は5〜6の範囲内である。)
【0025】
実施例2B
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0026】
実施例2C
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0027】
実施例2D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0028】
実施例2E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例2Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0029】
実施例2F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例2Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0030】
実施例3A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8124」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0031】
実施例3B
テトラエトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0032】
実施例3C
テトラエトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0033】
実施例3D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0034】
実施例3E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例3Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0035】
実施例3F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例3Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0036】
実施例4A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるテトラエトキシシラン加水分解縮合物(信越シリコーン社製、商品名「X−40−9238」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化6】
(但し、nは1以上の整数であり、その平均値は5〜6の範囲内である。)
【0037】
実施例4B
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0038】
実施例4C
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0039】
実施例4D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0040】
実施例4E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例4Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0041】
実施例4F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例4Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0042】
比較例1A
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0043】
比較例1D
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例1Dと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0044】
比較例2A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM403」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化7】
【0045】
比較例2B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0046】
比較例2C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0047】
比較例2D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0048】
比較例2E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例2Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0049】
比較例2F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例2Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0050】
比較例3A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM602」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化8】
【0051】
比較例3B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0052】
比較例3C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0053】
比較例3D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0054】
比較例3E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例3Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0055】
比較例3F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例3Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0056】
比較例4A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM903」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
〔化9〕
H2NC3H6Si(OC2H5)3
【0057】
比較例4B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0058】
比較例4C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0059】
比較例4D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0060】
比較例4E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例4Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0061】
比較例4F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例4Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0062】
比較例5A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM1003」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
〔化10〕
CH2=CHSi(OCH3)3
【0063】
比較例5B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0064】
比較例5C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0065】
比較例5D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0066】
比較例5E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例5Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0067】
比較例5F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例5Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0068】
以上の実施例1A〜4F及び比較例1A〜5Fで得られたエポキシ樹脂系塗膜の表面の状態を目視により、以下の基準で評価した。その結果を、表1に示した。
○・・・・白化が認められず、光沢有り。
△・・・・若干の白化が認められた。
×・・・・全体に白化が認められた。
××・・・全体に激しい白化が認められた。
なお、「△」以上であれば、実用に耐えうる。
【0069】
【0070】
表1の結果から明らかなように、エポキシ樹脂と反応性の高いアミン系化合物であるMXDA変性アミンとの混合物を塗布して、エポキシ樹脂系皮膜を形成する場合、この混合物中に特定のシラン系化合物を添加配合しておくと、シラン系化合物を用いない場合及び特定のシラン系化合物以外のシラン系化合物を添加配合した場合に比べて、低温・多湿雰囲気下において、エポキシ樹脂系皮膜に白化が生じにくいことが分かる。なお、室温雰囲気下においても、いずれの場合でも、白化は認められなかった。
【0071】
実施例5A
以下に記載した各化合物を混合した後、この混合物を基材(エポキシ系プライマーを塗布したスレート板)に、400g/m2となるように塗布した。そして、10℃、65〜85%RHの雰囲気に維持したインキュベーター中で1日養生し、エポキシ樹脂系塗膜を得た。
エポキシ樹脂 80質量部
(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート828」)
反応性希釈剤 15質量部
(旭電化工業社製、商品名「アデカグリシロールED503」)
着色顔料 2質量部
(日本ピグメント社製、商品名「NV−EP グレートナー」)
分散剤(楠本化成社製、商品名「ディスパロン1930N」) 3質量部
IPDA変性アミン 50質量部
(三和化成社製、商品名「サンマイドI−90S」)
テトラメトキシシラン 0.15質量部
(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)
【0072】
実施例5B
テトラメトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0073】
実施例5C
テトラメトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0074】
実施例5D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0075】
実施例5E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例5Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0076】
実施例5F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例5Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0077】
実施例6A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラメトキシシラン加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−51」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0078】
実施例6B
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例6Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0079】
実施例6C
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例6Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0080】
実施例6D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例6Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0081】
実施例6E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例6Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0082】
実施例6F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例6Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0083】
実施例7A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8124」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0084】
実施例7B
テトラエトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0085】
実施例7C
テトラエトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0086】
実施例7D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0087】
実施例7E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例7Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0088】
実施例7F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例7Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0089】
実施例8A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラエトキシシラン加水分解縮合物(信越シリコーン社製、商品名「X−40−9238」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0090】
実施例8B
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0091】
実施例8C
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0092】
実施例8D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0093】
実施例8E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例8Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0094】
実施例8F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例8Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0095】
実施例9A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8113」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0096】
実施例9B
トリメトキシメチルシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0097】
実施例9C
トリメトキシメチルシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0098】
実施例9D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0099】
実施例9E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例9Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0100】
実施例9F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例9Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0101】
実施例10A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、トリエトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8123」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0102】
実施例10B
トリエトキシメチルシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0103】
実施例10C
トリエトキシメチルシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0104】
実施例10D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0105】
実施例10E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例10Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0106】
実施例10F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例10Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0107】
比較例6A
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0108】
比較例6D
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例5Dと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0109】
比較例7A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM403」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0110】
比較例7B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0111】
比較例7C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0112】
比較例7D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0113】
比較例7E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例7Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0114】
比較例7F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例7Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0115】
比較例8A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM602」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0116】
比較例8B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0117】
比較例8C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0118】
比較例8D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0119】
比較例8E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例8Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0120】
比較例8F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例8Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0121】
比較例9A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM903」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0122】
比較例9B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0123】
比較例9C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0124】
比較例9D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0125】
比較例9E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例9Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0126】
比較例9F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例9Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0127】
比較例10A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM1003」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0128】
比較例10B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0129】
比較例10C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0130】
比較例10D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0131】
比較例10E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例10Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0132】
比較例10F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例10Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0133】
以上の実施例5A〜10F及び比較例6A〜10Fで得られたエポキシ樹脂系塗膜の表面の状態を目視により、表1 における基準と同様の基準で評価し、その結果を表2に示した。
【0134】
【0135】
表2の結果から明らかなように、エポキシ樹脂と反応性の低いアミン系化合物であるIPDA変性アミンとの混合物を塗布して、エポキシ樹脂系皮膜を形成する場合、この混合物中に特定のシラン系化合物を添加配合しておくと、シラン系化合物を用いない場合及び特定のシラン系化合物以外のシラン系化合物を添加配合した場合に比べて、低温・多湿雰囲気下において、エポキシ樹脂系皮膜に白化が生じにくいことが分かる。また、表1と表2の結果を対比すれば明らかなように、アミン系化合物として、MXDA変性アミンを使用した場合よりも、IPDA変性アミンを使用した場合の方が、白化を良好に抑制しうるものである。これは、MXDA変性アミンの方がIPDAアミンに比べて、水分や二酸化炭素との反応速度が速いからである。なお、室温雰囲気下において、いずれの場合でも、白化は認められない点は、表1も表2も同様である。
【0136】
【作用】
本発明は、エポキシ樹脂とアミン系化合物の混合物中に、特定のシラン系化合物が添加配合されているので、この混合物を基材上に塗布し硬化させる際に、アミン系化合物と水分とが反応するよりも前に、特定のシラン系化合物が雰囲気中の水分と反応して、シラン系の重合物を形成する。したがって、アミン系化合物が雰囲気中の水分や二酸化炭素と反応して、カルバミン酸塩を生成するのを防止できる。
【0137】
【発明の効果】
したがって、エポキシ樹脂系塗膜中にカルバミン酸塩が多量に存在することを防止でき、カルバミン酸塩を原因とするエポキシ樹脂系塗膜表面の白化を防止できるという効果を奏する。よって、本発明に係る方法で形成されたエポキシ樹脂系塗膜は、その表面の白化が抑制されており、意匠性に優れるという効果を奏するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種基材上にエポキシ樹脂系塗膜を形成する方法に関し、特に、エポキシ樹脂系塗膜表面の白化を抑制し、意匠性に優れたエポキシ樹脂系塗膜を形成しうる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、床や壁などの基材に、耐久性、防塵性或いは耐薬品性などを与えるため、基材表面に液状エポキシ樹脂を塗布し硬化させて、エポキシ樹脂系塗膜を形成することが行われている。そして、液状エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン系化合物が用いられている。しかしながら、硬化剤としてアミン系化合物を用いると、塗布時の雰囲気によって、得られたエポキシ樹脂系塗膜表面が白化して、意匠性が低下するということがあった。すなわち、常温雰囲気下の塗布では、白化が見られることは少ないが、低温・多湿雰囲気下では、しばしば、白化が見られた。
【0003】
この白化の原因は、低温・多湿雰囲気下では、エポキシ樹脂とアミン系化合物の硬化反応の速度よりも、アミン系化合物と雰囲気中の水分及び二酸化炭素との反応速度の方が速くなり、エポキシ樹脂系塗膜中にカルバミン酸塩が多量に生成するためであると考えられている。このことから、従来技術では、低温・多湿雰囲気下では反応性の低いアミン系化合物を用いて硬化速度を犠牲にして白化を抑制する、あるいは反応性の高いアミン系化合物を用い、ある程度の白化性を犠牲にして塗膜の硬化速度を確保するかのいずれかを選択しなければならなかった。
【0004】
また一方、特許文献1では、エポキシ樹脂の硬化剤であるアミン系化合物として、カルバミン酸塩が生成しにくいアミン系化合物、すなわち、キシリレンジアミンの変性物と脂肪アミンとの混合物をアミン系化合物として使用することが提案されている。また、特許文献2では、アミン系化合物を中和しうる有機酸をエポキシ樹脂中に含有させておき、アミン系化合物と水分及び二酸化炭素との反応を抑制することが提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1や特許文献2記載の方法では、硬化剤としてのアミン系化合物の反応性が低下し、エポキシ樹脂の硬化性が損なわれ、エポキシ樹脂系塗膜の耐久性、防塵性或いは耐薬品性などが低下するということがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−104738号公報(第2頁第1欄)
【特許文献2】
特開平8−311392号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、アミン系化合物の反応性は、そのまま維持しながら、雰囲気中の水分と速やかに反応する化合物、すなわち、アミン系化合物と水分との反応速度よりも速く水分と反応する化合物を配合し、アミン系化合物と水分の反応を阻害して、カルバミン酸塩を生成しにくいようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂を硬化させるためのアミン系化合物との混合物を、基材に塗布してエポキシ樹脂系塗膜を形成する方法において、該混合物中に下記一般式(1)で表される官能基を有するシラン系化合物を含有させておくことを特徴とするエポキシ樹脂系塗膜の形成方法に関するものである。
一般式(1):
【化3】
(但し、R1,R2,R3は、アルキル基を表す。)
【0009】
本発明で使用するエポキシ樹脂としては、従来のエポキシ樹脂系塗膜の形成に用いられているものであれば、どのようなものでも用いることができる。具体的には、ビフェニール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等とエピクロルヒドリンを反応させて得られるビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等や、これらを水添化あるいは臭素化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、メタキシレンジアミンやヒダントインなどをエポキシ化した含窒素エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂等があげられる。
【0010】
エポキシ樹脂を硬化させるためのアミン系化合物としても、従来公知のものを用いればよい。すなわち、本発明においては、どのような反応性のアミン系化合物を用いてもよい。しかしながら、一般的には、反応性の低いアミン系化合物を用いるのが好ましい。なお、ここで言う反応性とは、雰囲気中の水分や二酸化炭素との反応性のことである。
【0011】
反応性の低いアミン系化合物としては、イソフォロンジアミン(IPDA)変性アミン,ジェファーミン,メチレンビシクロヘキサミン(PACM)変性アミン,変性芳香族ポリアミン(MPCA)などを用いることができる。また、反応性の高いアミン系化合物としては、メタキシレンジアミン(MXDA)変性アミン、1,3ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)変性アミン、ノルボルナンジアミン(NBDA)変性アミンなどを用いることができる。
【0012】
エポキシ樹脂とアミン系化合物とを用いて、エポキシ樹脂系塗膜を形成するには、まず、エポキシ樹脂とアミン系化合物とを混合する。そして、この混合物を各種基材上に塗布して、エポキシ樹脂を硬化させればよい。エポキシ樹脂は、アミン系化合物と混合すれば、速やかに硬化するので、塗布直前に両者を混合する。また、混合割合は従来公知のエポキシ樹脂組成物と同様でよい。具体的には、アミン系化合物の活性水素当量が、エポキシ基の当量に比べて0.5〜2.0倍程度であり、好ましくは0.8〜1.2倍程度がよい。
【0013】
本発明においては、エポキシ樹脂とアミン系化合物とを混合する際に、上記一般式(1)で表される官能基を有するシラン系化合物も、同時に混合する。このシラン系化合物は、珪素原子に四個の酸素原子が結合しており、そのうちの少なくとも三個はアルコキシ基の形になっている官能基を含む化合物である。このように、珪素原子に四個の酸素原子が結合している基は、水分と接触すると速やかに加水分解反応を起こし、脱アルコールが生じてシラノール化合物となり、それらが縮合され、アミン系化合物が雰囲気中の水分及び二酸化炭素と反応してカルバミン酸塩を生成するより前に、ポリシロキサン結合を有するシラン系の重合物を形成するのである。たとえば、珪素原子に三個の酸素原子しか結合しておらず、残りの一個に炭素原子が結合しているようなシラン系化合物の場合は、加水分解反応の速度が遅く、アミン系化合物が雰囲気中の水分及び二酸化炭素と反応してカルバミン酸塩を生成するより前に、シラン系の重合物を形成しがたいので、本発明では使用することができない。
【0014】
本発明においては、特に、下記一般式(2)で表されるシラン系化合物を用いるのが好ましい。
一般式(2):
【化4】
(但し、R1,R2,R3,R4は、アルキル基を表す。nは1以上の整数を表す。)
これらのシラン系化合物は、テトラアルコキシシラン又はこの加水分解縮合物である。たとえば、テトラメトキシシラン又はこの加水分解縮合物や、テトラエトキシシラン又はこの加水分解縮合物である。このようなシラン系化合物は、一般的に、加水分解反応の速度が速いからである。本発明においては、加水分解反応の速度が速いテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランを用いるのが、好ましい。なお、シラン系化合物は、アミン系化合物100質量部に対して、0.1〜10.0質量部程度配合するのが好ましい。とくに1.0〜3.0質量部程度配合するのが最も好ましい。
【0015】
本発明においては、エポキシ樹脂とアミン系化合物とシラン系化合物の三者を混合し、この混合物を基材に塗布し硬化させて、エポキシ樹脂系塗膜を形成すればよい。混合物中には、従来採用されている任意の添加剤が含有されていてもよい。たとえば、炭酸カルシウム,表面処理炭酸カルシウム,珪砂などの充填剤、シリカ微粉末などの揺変剤、カップリング剤,希釈剤,可塑剤などの改質剤、無機系・有機系脱水剤やカルボン酸ビニルエステルなどの安定化剤、顔料などが含有されていてもよい。
【0016】
本発明で使用するエポキシ樹脂,アミン系化合物及びシラン系化合物は、2液型の組み合わせ製品として提供されるのが好ましい。すなわち、エポキシ樹脂とアミン系化合物とは、両者を混合すると直ちに硬化するので、両者を混合した状態の1液型の製品としては、提供できない。したがって、エポキシ樹脂が収納されてなる主剤容器と、アミン系化合物が収納されてなる硬化剤容器との組み合わせ製品として提供されるのである。この際、シラン系化合物は、主剤容器にエポキシ樹脂と混合して収納されていてもよいし、硬化剤容器にアミン系化合物と混合して収納されていてもよい。また、シラン系化合物は、主剤容器及び硬化剤容器とは別個の第三の容器に収納されていてもよい。さらに、上記した任意の添加剤も、主剤容器又は硬化剤容器又は第三の容器に収納されていてもよい。
【0017】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤であるアミン系化合物が、雰囲気中の水分や二酸化炭素と反応してカルバミン酸塩を生成するよりも、速く雰囲気中の水分と反応しうるシラン系化合物を、アミン系化合物と共に存在させておくと、カルバミン酸塩の生成を抑制しうるという知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
【0018】
実施例1A
以下に記載した各化合物を混合した後、この混合物を基材(エポキシ系プライマーを塗布したスレート板)に、400g/m2となるように塗布した。そして、10℃、65〜85%RHの雰囲気に維持したインキュベーター中で1日養生し、エポキシ樹脂系塗膜を得た。
エポキシ樹脂 80質量部
(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート828」)
反応性希釈剤 15質量部
(旭電化工業社製、商品名「アデカグリシロールED503」)
着色顔料 2質量部
(日本ピグメント社製、商品名「NV−EP グレートナー」)
分散剤(楠本化成社製、商品名「ディスパロン1930N」) 3質量部
MXDA変性アミン 50質量部
(旭電化社製、商品名「アデカハードナーEH220」)
テトラメトキシシラン 0.15質量部
(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)
【0019】
実施例1B
テトラメトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0020】
実施例1C
テトラメトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0021】
実施例1D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0022】
実施例1E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例1Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0023】
実施例1F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例1Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0024】
実施例2A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるテトラメトキシシラン加水分解縮合物(三菱化学社製、商品名「MS−51」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化5】
(但し、nは1以上の整数であり、その平均値は5〜6の範囲内である。)
【0025】
実施例2B
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0026】
実施例2C
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0027】
実施例2D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0028】
実施例2E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例2Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0029】
実施例2F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例2Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0030】
実施例3A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8124」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0031】
実施例3B
テトラエトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0032】
実施例3C
テトラエトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0033】
実施例3D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0034】
実施例3E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例3Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0035】
実施例3F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例3Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0036】
実施例4A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるテトラエトキシシラン加水分解縮合物(信越シリコーン社製、商品名「X−40−9238」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化6】
(但し、nは1以上の整数であり、その平均値は5〜6の範囲内である。)
【0037】
実施例4B
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0038】
実施例4C
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0039】
実施例4D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0040】
実施例4E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例4Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0041】
実施例4F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例4Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0042】
比較例1A
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0043】
比較例1D
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例1Dと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0044】
比較例2A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM403」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化7】
【0045】
比較例2B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0046】
比較例2C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0047】
比較例2D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例2Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0048】
比較例2E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例2Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0049】
比較例2F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例2Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0050】
比較例3A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM602」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【化8】
【0051】
比較例3B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0052】
比較例3C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0053】
比較例3D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例3Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0054】
比較例3E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例3Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0055】
比較例3F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例3Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0056】
比較例4A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM903」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
〔化9〕
H2NC3H6Si(OC2H5)3
【0057】
比較例4B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0058】
比較例4C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0059】
比較例4D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例4Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0060】
比較例4E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例4Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0061】
比較例4F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例4Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0062】
比較例5A
実施例1Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、下記式で表されるシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM1003」)を用いる他は、実施例1Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
〔化10〕
CH2=CHSi(OCH3)3
【0063】
比較例5B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0064】
比較例5C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0065】
比較例5D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0066】
比較例5E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例5Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0067】
比較例5F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例5Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0068】
以上の実施例1A〜4F及び比較例1A〜5Fで得られたエポキシ樹脂系塗膜の表面の状態を目視により、以下の基準で評価した。その結果を、表1に示した。
○・・・・白化が認められず、光沢有り。
△・・・・若干の白化が認められた。
×・・・・全体に白化が認められた。
××・・・全体に激しい白化が認められた。
なお、「△」以上であれば、実用に耐えうる。
【0069】
【0070】
表1の結果から明らかなように、エポキシ樹脂と反応性の高いアミン系化合物であるMXDA変性アミンとの混合物を塗布して、エポキシ樹脂系皮膜を形成する場合、この混合物中に特定のシラン系化合物を添加配合しておくと、シラン系化合物を用いない場合及び特定のシラン系化合物以外のシラン系化合物を添加配合した場合に比べて、低温・多湿雰囲気下において、エポキシ樹脂系皮膜に白化が生じにくいことが分かる。なお、室温雰囲気下においても、いずれの場合でも、白化は認められなかった。
【0071】
実施例5A
以下に記載した各化合物を混合した後、この混合物を基材(エポキシ系プライマーを塗布したスレート板)に、400g/m2となるように塗布した。そして、10℃、65〜85%RHの雰囲気に維持したインキュベーター中で1日養生し、エポキシ樹脂系塗膜を得た。
エポキシ樹脂 80質量部
(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート828」)
反応性希釈剤 15質量部
(旭電化工業社製、商品名「アデカグリシロールED503」)
着色顔料 2質量部
(日本ピグメント社製、商品名「NV−EP グレートナー」)
分散剤(楠本化成社製、商品名「ディスパロン1930N」) 3質量部
IPDA変性アミン 50質量部
(三和化成社製、商品名「サンマイドI−90S」)
テトラメトキシシラン 0.15質量部
(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)
【0072】
実施例5B
テトラメトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0073】
実施例5C
テトラメトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0074】
実施例5D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0075】
実施例5E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例5Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0076】
実施例5F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例5Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0077】
実施例6A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラメトキシシラン加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−51」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0078】
実施例6B
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例6Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0079】
実施例6C
テトラメトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例6Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0080】
実施例6D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例6Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0081】
実施例6E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例6Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0082】
実施例6F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例6Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0083】
実施例7A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8124」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0084】
実施例7B
テトラエトキシシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0085】
実施例7C
テトラエトキシシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0086】
実施例7D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0087】
実施例7E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例7Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0088】
実施例7F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例7Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0089】
実施例8A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、テトラエトキシシラン加水分解縮合物(信越シリコーン社製、商品名「X−40−9238」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0090】
実施例8B
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0091】
実施例8C
テトラエトキシシラン加水分解縮合物の質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0092】
実施例8D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0093】
実施例8E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例8Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0094】
実施例8F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例8Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0095】
実施例9A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8113」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0096】
実施例9B
トリメトキシメチルシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0097】
実施例9C
トリメトキシメチルシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0098】
実施例9D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0099】
実施例9E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例9Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0100】
実施例9F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例9Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0101】
実施例10A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、トリエトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8123」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0102】
実施例10B
トリエトキシメチルシランの質量部を0.75質量部に変更する他は、実施例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0103】
実施例10C
トリエトキシメチルシランの質量部を1.5質量部に変更する他は、実施例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0104】
実施例10D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0105】
実施例10E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例10Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0106】
実施例10F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、実施例10Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0107】
比較例6A
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0108】
比較例6D
テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)を使用しない他は、実施例5Dと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0109】
比較例7A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM403」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0110】
比較例7B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0111】
比較例7C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0112】
比較例7D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例7Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0113】
比較例7E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例7Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0114】
比較例7F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例7Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0115】
比較例8A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM602」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0116】
比較例8B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0117】
比較例8C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0118】
比較例8D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例8Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0119】
比較例8E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例8Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0120】
比較例8F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例8Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0121】
比較例9A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM903」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0122】
比較例9B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0123】
比較例9C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0124】
比較例9D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例9Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0125】
比較例9E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例9Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0126】
比較例9F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例9Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0127】
比較例10A
実施例5Aで使用したテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8114」)に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM1003」)を用いる他は、実施例5Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0128】
比較例10B
シランカップリング剤の質量部を0.75質量部に変更する他は、比較例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0129】
比較例10C
シランカップリング剤の質量部を1.5質量部に変更する他は、比較例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0130】
比較例10D
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例10Aと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0131】
比較例10E
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例10Bと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0132】
比較例10F
養生条件を23℃,50〜70%RHの室内に変更する他は、比較例10Cと同一の条件でエポキシ樹脂系塗膜を得た。
【0133】
以上の実施例5A〜10F及び比較例6A〜10Fで得られたエポキシ樹脂系塗膜の表面の状態を目視により、表1 における基準と同様の基準で評価し、その結果を表2に示した。
【0134】
【0135】
表2の結果から明らかなように、エポキシ樹脂と反応性の低いアミン系化合物であるIPDA変性アミンとの混合物を塗布して、エポキシ樹脂系皮膜を形成する場合、この混合物中に特定のシラン系化合物を添加配合しておくと、シラン系化合物を用いない場合及び特定のシラン系化合物以外のシラン系化合物を添加配合した場合に比べて、低温・多湿雰囲気下において、エポキシ樹脂系皮膜に白化が生じにくいことが分かる。また、表1と表2の結果を対比すれば明らかなように、アミン系化合物として、MXDA変性アミンを使用した場合よりも、IPDA変性アミンを使用した場合の方が、白化を良好に抑制しうるものである。これは、MXDA変性アミンの方がIPDAアミンに比べて、水分や二酸化炭素との反応速度が速いからである。なお、室温雰囲気下において、いずれの場合でも、白化は認められない点は、表1も表2も同様である。
【0136】
【作用】
本発明は、エポキシ樹脂とアミン系化合物の混合物中に、特定のシラン系化合物が添加配合されているので、この混合物を基材上に塗布し硬化させる際に、アミン系化合物と水分とが反応するよりも前に、特定のシラン系化合物が雰囲気中の水分と反応して、シラン系の重合物を形成する。したがって、アミン系化合物が雰囲気中の水分や二酸化炭素と反応して、カルバミン酸塩を生成するのを防止できる。
【0137】
【発明の効果】
したがって、エポキシ樹脂系塗膜中にカルバミン酸塩が多量に存在することを防止でき、カルバミン酸塩を原因とするエポキシ樹脂系塗膜表面の白化を防止できるという効果を奏する。よって、本発明に係る方法で形成されたエポキシ樹脂系塗膜は、その表面の白化が抑制されており、意匠性に優れるという効果を奏するものである。
Claims (4)
- シラン系化合物が、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランである請求項2記載のエポキシ樹脂系塗膜の形成方法。
- エポキシ樹脂が収納されてなる主剤容器と、アミン系化合物が収納されてなる硬化剤容器との組み合わせ製品であって、シラン系化合物が主剤容器に収納されているか、又は硬化剤容器に収納されていることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂系塗膜の形成方法に用いる組み合わせ製品。
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