JP2004238370A - スルフェンアミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(リ)で示されるN−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、N−アシルスルフェンアミド化合物とアミン化合物を反応させることにより製造する。
【化1】
(式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。R2、R3は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示し、R2とR3が互いに連結して窒素原子と共に環を形成していてもよい。ただし、R2とR3の両方が水素原子ではない。)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、N−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、N−アシルスルフェンアミド化合物とアミン類を反応させることによりN−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スルフェンアミド化合物は、種々の機能性を持つ化合物である(非特許文献1)。たとえば、ゴムの加硫化剤(特許文献1,特許文献2)、発芽前処理用除草剤(特許文献3)、殺菌剤(特許文献4)等の作用を有することが知られている。
また、N−モノ置換−2−アルコキシカルボニルフェニルスルフェンアミド化
合物の場合は、下記反応式(ヘ)に示すように塩基の存在下において容易に環化して(特許文献5,非特許文献2)、抗菌・抗バクテリア作用等の生理活性を持つことが知られている1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合物を製造することができる。
【化7】
【0003】
従来、スルフェンアミド類は、メルカプト基やジスルフィド基を有する化合物を塩素ガスと処理をした後に得られる塩化スルフェニル化合物とアミン類を反応させる方法や、クロラミン化合物とメルカプト化合物を反応させる方法により製造されてきたが、いずれの方法も、出発原料を製造するにあたり有毒な塩素ガスを用いなければならず、また塩素ガスは製造装置の腐食の問題もあり、取り扱い上困難な場合もあるので、塩素ガスを使用しない安全な製造法の開発が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開昭64−48831号公報
【特許文献2】米国特許第2866777号明細書(1955)
【特許文献3】特開昭53−31643号明細書
【特許文献4】特開昭55−51053号公報
【特許文献5】特開昭46−5516号公報
【非特許文献1】Chem. Rev. 89, 689 (1989)
【非特許文献2】J. Org. Chem., 40, 2029 (1975)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スルフェンアミド化合物を製造するにあたり、従来から行われてきた方法で用いられてきた、有毒で取り扱いの困難な塩素ガスを用いるという欠点を克服し、塩素を用いることなく、かつ、N−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物を製造するための工業的に有利な方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、N−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、N−アシルスルフェンアミド化合物とアミン類を反応することにより、安全かつ容易に、N−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物が得られることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明によれば、下記一般式(イ)で表されるN−置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるN−アシルスルフェンアミド化合物と下記一般式(ハ)で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN−置換スルフェンアミド化合物の製造方法が提供される。
【化8】
(式中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。R2は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
【化9】
(式中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは、0または1〜4の整数である。R4は、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を示す。)
【化10】
(式中、R2は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
【0008】
また、本発明によれば、下記一般式(ニ)で表されるN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるN−アシルスルフェンアミド化合物と、下記一般式(ホ)で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法が提供される。
【化11】
(式中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは、0または1〜4の整数である。R2、R3は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示し、R2とR3が互いに連結して窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
【化12】
(式中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは、0または1〜4の整数である。R4は炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を示す。)
【化13】
(式中、R2、R3は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。R2とR3は互いに連結して窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
【0009】
【発明実施の形態】
本発明は、特定のスルフェンアミド化合物を製造する方法である。
この目的生成物であるスルフェンアミド化合物は、下記一般式(イ)で表されるN−置換スルフェンアミド化合物である。
【化14】
本発明の製造目的化合物であるN−置換スルフェンアミド化合物の置換基は、以下の通りである。
(1)R1は、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数3〜8のシクロアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
具体的なアルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。
具体的なアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素を挙げることができる。
R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nは0または1〜4の整数である。
(2)R2は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、オクチル基、デカン基、ウンデカン基、ドデカン基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのシクロアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な芳香族基としては、フェニル基、クメニル基(o,m,pがある。)、メシチル基、トリル基(o,m,pがある。)、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
【0010】
また、この目的生成物の化合物は、下記一般式(ニ)で表されるN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物である。
【化15】
本発明の目的化合物であるN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物の置換基は、以下の通りである。
(1)R1は、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数3〜8のシクロアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
具体的なアルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。
具体的なアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素を挙げることができる。
R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nは0または1〜4の整数である。
(2)R2、R3は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示す。
具体的なアルキル基としては、具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、オクチル基、デカン基、ウンデカン基、ドデカン基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのシクロアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な芳香族基としては、フェニル基、クメニル基(o,m,pがある。)、メシチル基、トリル基(o,m,pがある。)、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
(3) R2、R3が、互いに連結して窒素原子と共に環を形成してるアミン類の例として、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。
【0011】
本発明の目的生成物であるスルフェンアミド化合物の代表例は、以下のとおりである。
N−ベンジル−2−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−(p−クロロベンジル)−2−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−ブチル−2−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−シクロヘキシル−2−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−クミル−2−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−(p−トリル)−2−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−(p−クロロフェニル)−2−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−ベンジル−4−スルフェナモイル安息香酸メチル。
N−(p−クロロフェニル)−4−メチルベンゼンスルフェンアミド。
N−ベンジル−2−ニトロスルフェナモイルベンゼン。
N−ベンジル−4−ニトロスルフェナモイルベンゼン。
S−ピロリジノ−2−メルカプト安息香酸メチル等。
【0012】
本発明の一方の出発物質は、N−アシルスルフェンアミド化合物である。この化合物は、下記一般式(ロ)で示される公知物質である。
【化16】
本発明の一方の出発物質である、N−アシルスルフェンアミド化合物の置換基は、以下の通りである。
(1)R1は、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数3〜8のシクロアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
具体的なアルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。
具体的なアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素を挙げることができる。
R1が複数ある場合は、各R1は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nは0または1〜4の整数である。
(2)R4は炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を示す。
具体的なペルフフオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
【0013】
前記N−アシルスルフェンアミド化合物は、公知の方法によりN−無置換スルフェンアミド化合物とペルフルオロカルボン酸無水物を塩基存在下混合することにより得ることができる。
【0014】
本発明の他の一方の出発物質は、下記一般式(ハ)で表されるアミン化合物である。
【化17】
前記、第1級アミン化合物の置換基は、以下の通りである。
R2は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。
具体的な脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、オクチル基、デカン基、ウンデカン基、ドデカン基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのシクロアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な芳香族炭化水素基としては、フェニル基、クメニル基(o,m,pがある。)、メシチル基、トリル基(o,m,pがある。)、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
【0015】
前記アミン化合物は、対応するアルコール化合物、ハロゲン化合物、ニトリル化合物、アルデヒド化合物、ニトロ化合物から製造されるが、市販の化合物が用いられる。
【0016】
また、本発明の他の一方の出発物質は、下記一般式(ホ)で表されるアミン化合物である。
【化18】
前記、第2級アミン化合物の置換基は、以下の通りである。
(1)R2、R3は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。R2とR3は互いに連結して窒素原子と共に環を形成していてもよい。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、オクチル基、デカン基、ドデカン基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのシクロアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な芳香族基としては、フェニル基、クメニル基(o,m,pがある。)、メシチル基、トリル基(o,m,pがある。)、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
(2)R2、R3が、互いに連結して窒素原子と共に環を形成してるアミン類の例として、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。
【0017】
前記アミン化合物は、対応するアルコール化合物、ハロゲン化合物、ニトリル化合物、アルデヒド化合物、ニトロ化合物から製造されるが、市販の化合物が用いられる。
【0018】
本発明の新規な合成反応は次のような反応式(ト)、(チ)によって表すことができる。
【化19】
【0019】
本発明のN−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法は、前記の原料物質を反応させて反応させる。この反応では、好ましくは反応溶媒の存在下で実施される。
この反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール等を挙げることができる。また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
【0020】
前記製造方法の温度は、0℃〜150℃付近の範囲の温度で行うことができる。この範囲未満の温度が低い場合には、反応時間が遅くなる。この範囲を超えると、温度が高すぎるので、分解反応や副反応が多くなる。このようなことから、前記50℃〜120℃の範囲で反応を行うことがが好ましい。
反応時間は、反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は1〜24時間で十分である。
反応終了後、溶媒を留去し、目的生成物を取り出すことができる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
なお、本発明の実施例は、本発明の理解を容易にするために代表的な反応例をあげたものであり、本発明はこれだけに限定されるものではない。
下記実施例によって製造されるN−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物は、既知のものについては融点および各種スペクトルデータを比較することより、未知のものについては各種スペクトルを主要な判定基準として同定した。
【0022】
実施例1
内容積30mlのガラス製容器中にN−トリフルオロアセチル−2−スルフェナモイル安息香酸メチル(83.8mg,0.3mmol)とベンジルアミン(48mg,0.45mmol)を、テトラヒドロフラン(3ml)に溶解させ、7時間、還流下に加熱を行った。
反応終了後、テトラヒドロフランを、減圧下に留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製することにより、N−ベンジル−2−スルフェナモイル安息香酸メチル、81.2mgを得た(収率99%)。
【0023】
実施例2
実施例1において,溶媒をテトラヒドロフランの代わりにジオキサンを用いて同様な操作を行い、N−ベンジル−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(収量70.5mg、収率86%)。
【0024】
実施例3
実施例1において,ベンジルアミンの代わりにp−クロロベンジルアミン(63.7mg,0.45mmol)を用いて7時間加熱還流を行い,同様な操作を行うことにより,N−(p−クロロベンジル)−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを収量67.4mg、収率73%で得た。
【0025】
実施例4
実施例3において,溶媒としてテトラヒドロフランに替えて、メタノールを用いて5時間加熱還流を行い,同様な操作を行うことにより,N−(p−クロロベンジル)−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(58.2mg、収率63%)。
【0026】
実施例5
実施例1のベンジルアミンに替えて、t−ブチルアミン(33mg,0.45mmol)を用いて封管中4時間加熱を行い,同様な操作を行うことにより,N−ブチル−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(収量64mg、収率89%)。
【0027】
実施例6
実施例1において,ベンジルアミンに替えてシクロヘキシルアミン(44.6mg,0.45mmol)を用い、還流下に4時間加熱し、同様な操作を行うことにより,N−シクロヘキシル−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(収量60.5mg、収率76%)。
【0028】
実施例7
実施例1において,ベンジルアミンに替えてクミルアミン(60.9mg,0.45mmol)を用いて、還流下に21時間加熱し、同様な操作を行うことによりN−クミル−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(収量36.2mg、収率40%)。
【0029】
実施例8
実施例1において,ベンジルアミンに替えてp−トルイジン(48.2mg,0.45mmol)を用い,溶媒として用いたテトラヒドロフランをトルエンに替えて、還流下に10時間加熱し、同様な操作を行うことによりN−(p−トリル)−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(収量32.8mg、収率40%)。
【0030】
実施例9
実施例1において,ベンジルアミンに替えてp−クロロアニリン(57.4mg,0.45mmol)を用い,溶媒としてテトラヒドロフランをトルエンに替えて、還流下に15時間加熱を行い,同様な操作を行うことによりN−(p−クロロフェニル)−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(収量52mg、収率59%)。
【0031】
実施例10
実施例1において,ベンジルアミンをピロリジン(32mg,0.45mmol)に替えて、還流下に3時間加熱し,同様な操作を行うことによりS−ピロリジノ−2−メルカプト安息香酸メチルを得た(収量62mg、収率87%)。
【0032】
実施例11
実施例1において、N−トリフルオロアセチル−2−スルフェナモイル安息香酸メチルを替えて、N−トリフルオロアセチル−4−スルフェナモイル安息香酸メチル(83.8mg,0.3mmol)を用い、溶媒としてテトラヒドロフランを替えて、トルエンを用い、還流下に2時間加熱し、同様な操作を行うことによりN−ベンジル−4−スルフェナモイル安息香酸メチルを得た(収量70.5mg、収率79%)。
【0033】
実施例12
内容積30mlのガラス製容器中にN−トリフルオロアセチル−4−メチルスルフェナモイルベンゼン(70.6mg,0.3mmol)とp−クロロアニリン(57.4mg,0.45mmol)をジオキサン(3ml)に溶解させ、3時間加熱還流を行った。
反応終了後、ジオキサンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製することによりN−(p−クロロフェニル)−4−メチルベンゼンスルフェンアミドを得た(収量59.2mg、収率79%)。
【0034】
実施例13
実施例11において、N−トリフルオロアセチル−4−スルフェナモイル安息香酸メチルを替えてN−トリフルオロアセチル−2−ニトロスルフェナモイルベンゼン(83.8mg,0.3mmol)を用いて、還流下に4時間加熱を行い,同様な操作を行うことによりN−ベンジル−2−ニトロスルフェナモイルベンゼンを得た(収量47.6mg、収率61%)。
【0035】
実施例14
実施例11において、N−トリフルオロアセチル−4−スルフェナモイル安息香酸メチルを替えて、N−トリフルオロアセチル−4−ニトロスルフェナモイルベンゼン(83.8mg,0.3mmol)を用いて、還流下に4時間加熱して,同様な操作を行うことにより、N−ベンジル−4−ニトロスルフェナモイルベンゼンを得た(収量77.6mg、収率96%)。
【0036】
【発明の効果】
本発明におけるN−アシルスルフェンアミド化合物とアミン類の反応により、N−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物を収率よく製造することができる。
しかも、有毒な塩素ガスを用いることなく安全に製造できるので、工業的なN−置換あるいはN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物の合成法として最適である。
Claims (2)
- 下記一般式(イ)で表されるN−置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるN−アシルスルフ
ェンアミド化合物と、下記一般式(ハ)で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN−置換スルフェンアミド化合物の製造方法。
- 下記一般式(ニ)で表されるN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるN−アシルスルフェンアミド化合物と、下記一般式(ホ)で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN,N−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法。
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