JP2004238229A - 車両用導電性透明部材 - Google Patents
車両用導電性透明部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004238229A JP2004238229A JP2003027076A JP2003027076A JP2004238229A JP 2004238229 A JP2004238229 A JP 2004238229A JP 2003027076 A JP2003027076 A JP 2003027076A JP 2003027076 A JP2003027076 A JP 2003027076A JP 2004238229 A JP2004238229 A JP 2004238229A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- vehicle
- conductive
- conductive film
- transparent member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
Abstract
【課題】解氷や防曇のための加熱を効率よく行うことが可能な車両用導電性透明部材を提供する。
【解決手段】一対の板状のガラス1、2と、一対のガラスの間に配置され、通電により発熱して一対のガラスのいずれかを加熱する導電膜4、6と、一対のガラスの間に配置され、導電膜4、6と一対のガラスのうち導電膜4、6にて加熱しない方のガラスとを熱的に遮断する断熱層5とを設ける。導電膜4を断熱層5と車室内側に位置するガラス2との間に配置すれば、導電膜4で発生する熱はすべて車室内側ガラス2に伝わる。導電膜6を断熱層5と車室外側に位置するガラス1との間に配置すれば、導電膜6で発生する熱はすべて車室外側ガラス1に伝わる。
【選択図】 図1
【解決手段】一対の板状のガラス1、2と、一対のガラスの間に配置され、通電により発熱して一対のガラスのいずれかを加熱する導電膜4、6と、一対のガラスの間に配置され、導電膜4、6と一対のガラスのうち導電膜4、6にて加熱しない方のガラスとを熱的に遮断する断熱層5とを設ける。導電膜4を断熱層5と車室内側に位置するガラス2との間に配置すれば、導電膜4で発生する熱はすべて車室内側ガラス2に伝わる。導電膜6を断熱層5と車室外側に位置するガラス1との間に配置すれば、導電膜6で発生する熱はすべて車室外側ガラス1に伝わる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明導電性発熱膜を有する車両用導電性透明部材に関し、車両の窓ガラス等に好適に用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用窓ガラスとして通電により発熱する透明な導電膜を有するガラス(以下、電熱ガラスという)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような電熱ガラスを用いることで、ガラス温度を上昇させて車両用窓ガラスに付着した氷を溶かしたり、露点温度の上昇を利用して車両用窓ガラスの曇りを抑えることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開昭64−90847号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電熱ガラスでは、例えば低外気温時や高速走行時には低温外気にさらされる車室外側からの放熱が多いため、防曇を目的として車両用窓ガラスの車室内側を加熱したい場合、充分な発熱量を得ることが難しいという問題がある。また、解氷を目的として車両用窓ガラスの車室外側を加熱したい場合には、車室内側からの放熱が多いため、同様に充分な発熱量を得ることが難しい。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、解氷や防曇のための加熱を効率よく行うことが可能な車両用導電性透明部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一対の板状のガラス(1、2)と、一対のガラスの間に配置され、通電により発熱して一対のガラスのいずれかを加熱する導電膜(4、6)と、一対のガラスの間に配置され、導電膜(4、6)と一対のガラスのうち導電膜(4、6)にて加熱しない方のガラスとを熱的に遮断する断熱層(5)とを備えることを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、導電膜(4、6)は断熱膜(5)により加熱しない方のガラスと熱的に遮断され、通電により発生する導電膜(4、6)の熱はすべて加熱するガラスに伝わる。これにより、導電膜(4、6)にて発生する熱が加熱しない方のガラスから放出されることを防止できるため、効率的に加熱するガラスを昇温させることができる。この結果、ガラスの解氷や防曇を効率よく行うことができ、確実に視界を確保することができる。
【0008】
また、請求項2に記載では、導電膜(4)は、断熱層(5)と車室内側に位置するガラス(2)との間に配置されることを特徴としている。このような構成により、導電膜(4)は車室外と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜(4)の熱はすべて車室内側ガラス(2)に伝わる。これにより、導電膜(4)にて発生する熱が車室外に放出されることを防止できるため、外部温度が低温の場合や高速走行時においても、効率的に車室内側ガラス(2)を昇温させることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、導電膜(6)は、断熱層(5)と車室外側に位置するガラス(1)との間に配置されることを特徴としている。このような構成により、導電膜(4)は車室内と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜(4)の熱はすべて車室外側ガラス(1)に伝わる。これにより、導電膜(6)にて発生する熱が車室内側に放出されることを防止できるため、効率的に車室外側ガラス(1)を昇温させることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、導電膜(4、6)は、断熱層(5)と車室内側に位置するガラス(2)との間と、断熱層(5)と車室外側に位置するガラス(1)との間とにそれぞれ配置されることを特徴としている。このような構成により、車室内側に配置される導電膜(4)は断熱膜(5)により車室外と熱的に遮断され、車室内側の導電膜(4)にて発生する熱が車室外に放出されることを防止できる。同様に、車室外側に配置される導電膜(6)は断熱膜(5)により車室内と熱的に遮断され、導電膜(6)にて発生する熱が車室内側に放出されることを防止できる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明のように、断熱層を空気層にて形成することもできる。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1に基づいて説明する。本第1実施形態の車両用導電性透明部材は、車室内側での防曇を目的としたものであり、車両のフロントウィンドウガラスに用いられるものであるが、リアウィンドウガラス、サイドウィンドウガラス等にも適用可能である。
【0014】
図1は、本第1実施形態の車両用導電性透明部材100の断面図である。図1に示すように、導電性透明部材100は、一般的な合わせガラスを主要構成としており、一対の板状ガラス1、2とこれらに挟み込まれた透明な合成樹脂シート3とを備えている。シート3は、衝撃を受けてガラス1、2が割れた際にガラス片が飛散することを防止するものであり、一般的にPVB(ポリビニルブチラール)膜が用いられている。
【0015】
車室内側ガラス2とシート3との間には、透明な導電膜4が設けられている。導電膜4は、通電により発熱するものであり、例えば透明金属膜を用いることができる。本第1実施形態の導電膜4は、車両内側ガラス2を加熱するためのものであり、車両内側ガラス2に接するように配置されている。さらに本第1実施形態の導電性透明部材100では、車室外側ガラス1とシート3との間に透明な断熱膜(断熱層)5が設けられている。本第1実施形態の断熱膜5は、導電膜4にて加熱しない車室外側ガラス1と導電膜4とを熱的に遮断している。断熱膜5は、透明でかつ断熱効果のある材料であればよく、例えば透明な有機系合成樹脂を用いることができる。
【0016】
以上の構成によれば、導電膜4は断熱膜5により車室外と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜4の熱はすべて車室内側ガラス2に伝わる。これにより、導電膜4にて発生する熱が車室外に放出されることを防止できるため、外部温度が低温の場合や高速走行時においても、効率的に車室内側ガラス2を昇温させることができる。この結果、車室内側ガラス2で発生する曇りを効率的に除去でき、確実に視界を確保することができる。さらに、省電力化を図ることもできる。
【0017】
また、断熱膜5によって導電性透明部材100による冷輻射を防止すると同時に導電性透明部材100自体が発熱するため、温感の向上・暖房効率の向上効果を得ることができる。
【0018】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図2に基づいて説明する。本第2実施形態の車両用導電性透明部材は、車室外側での解氷を目的としている。上記第1実施形態と同様な部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0019】
図2は、本第2実施形態の車両用導電性透明部材101の断面図である。図2に示すように、本第2実施形態の導電性透明部材101では、車室外側ガラス1とシート3との間に導電膜6が設けられ、車室内側ガラス2とシート3との間に断熱膜5が設けられている。本第2実施形態の導電膜6は、車両外側ガラス1を加熱するためのものであり、車両外側ガラス1に接するように配置されている。本第2実施形態の断熱膜5は、導電膜4にて加熱しない車室内側ガラス2と導電膜4とを熱的に遮断している。
【0020】
このような構成によれば、導電膜6は断熱膜5により車室内と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜6の熱はすべて車室外側ガラス1に伝わる。これにより、導電膜6にて発生する熱が車室内側に放出されることを防止できるため、効率的に車室外側ガラス1を昇温させることができる。この結果、車室外側ガラス1に付着した氷を効率的に溶かすことができると同時に、車室外側ガラス1で発生する曇りを効率的に除去でき、確実に視界を確保することができる。さらに、省電力化を図ることもできる。
【0021】
また、断熱膜5によって導電性透明部材101による冷輻射を防止できるため、温感の向上・暖房効率の向上効果を得ることができる。
【0022】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図3に基づいて説明する。本第3実施形態の車両用導電性透明部材は、車室内側での防曇と車室外側での解氷とを目的としている。上記第1実施形態と同様な部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0023】
図3は、本第3実施形態の車両用導電性透明部材102の断面図である。図3に示すように、本第3実施形態の導電性透明部材102では、車室内側ガラス2とシート3との間に断熱膜5および第1の導電膜4が設けられている。断熱膜5はシート3と接するように設けられている。第1の導電膜4は車両内ガラス2を加熱するためのものであり、車室内側ガラス2に接するように配置されている。また、車室外側ガラス1とシート3との間に第2の導電膜6が設けられている。第2の導電膜6は車両外側ガラス1を加熱するためのものであり、車両外側ガラス1に接するように配置されている。
【0024】
このような構成によれば、第1の導電膜4は断熱膜5により車室外と熱的に遮断され、通電により発生する第1の導電膜4の熱はすべて車室内側ガラス2に伝わる。これにより、外部温度が低温の場合や高速走行時においても、第1の導電膜4にて発生する熱が車室外へ放熱することを防止することができ、効率的に車室内側ガラス2を昇温させて防曇を行うことができる。
【0025】
同様に、第2の導電膜6は断熱膜5により車室内と熱的に遮断され、通電により発生する第2の導電膜6の熱はすべて車室外側ガラス1に伝わる。これにより、第2の導電膜6にて発生する熱が車室内へ放熱することを防止でき、効率的に車室外側ガラス1を昇温させて解氷を行うことができる。
【0026】
また、車両外側ガラス1および車両内側ガラス2の両面で氷結・曇り等が発生した場合には、第1の導電膜4および第2の導電膜6にて同時に発熱させることで、車両外側ガラス1および車両内側ガラス2を同時に効率的に加熱することができ、短時間で解氷・防曇を行うことができる。
【0027】
また、第1の導電膜4と第2の導電膜6とで独立した電源回路を持たせれば、それぞれの導電膜4、6での加熱量を効率的に調整することができる。
【0028】
また、断熱膜5によって導電性透明部材102による冷輻射を防止できると同時に導電性透明部材102自体が発熱するため、温感の向上・暖房効率の向上効果が得られる。
【0029】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態の導電性透明部材100〜102では、独立した断熱膜5を設けたが、これに限らず、図4〜図6に示す導電性透明部材103、104、105のように合成樹脂シート7の厚みを充分に厚くして断熱層を形成してもよい。このように、合成樹脂シート7を充分厚くすることで断熱性を確保でき、上記各実施形態において断熱膜5を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0030】
図4に示す導電性透明部材103は上記第1実施形態の導電性透明部材100に対応し、図5に示す導電性透明部材104は上記第2実施形態の導電性透明部材101に対応し、図6に示す導電性透明部材105は上記第3実施形態の導電性透明部材102に対応している。
【0031】
また、図7〜図9に示す導電性透明部材106、107、108のように、断熱膜4に代えて空気層8を断熱層として形成してもよい。空気層8は断熱効果が高いので、上記各実施形態において断熱膜5を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0032】
図7に示す導電性透明部材106は上記第1実施形態の導電性透明部材100に対応し、図8に示す導電性透明部材107は上記第2実施形態の導電性透明部材101に対応し、図9に示す導電性透明部材108は上記第3実施形態の導電性透明部材102に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の車両用導電性透明部材の断面図である。
【図2】第2実施形態の車両用導電性透明部材の断面図である。
【図3】第3実施形態の車両用導電性透明部材の断面図である。
【図4】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図5】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図6】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図7】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図8】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図9】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車室外側ガラス、2…車室内側ガラス、3、7…シート、4、6…導電膜、5…断熱膜、8…空気層、100〜108…導電性透明部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明導電性発熱膜を有する車両用導電性透明部材に関し、車両の窓ガラス等に好適に用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用窓ガラスとして通電により発熱する透明な導電膜を有するガラス(以下、電熱ガラスという)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような電熱ガラスを用いることで、ガラス温度を上昇させて車両用窓ガラスに付着した氷を溶かしたり、露点温度の上昇を利用して車両用窓ガラスの曇りを抑えることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開昭64−90847号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電熱ガラスでは、例えば低外気温時や高速走行時には低温外気にさらされる車室外側からの放熱が多いため、防曇を目的として車両用窓ガラスの車室内側を加熱したい場合、充分な発熱量を得ることが難しいという問題がある。また、解氷を目的として車両用窓ガラスの車室外側を加熱したい場合には、車室内側からの放熱が多いため、同様に充分な発熱量を得ることが難しい。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、解氷や防曇のための加熱を効率よく行うことが可能な車両用導電性透明部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一対の板状のガラス(1、2)と、一対のガラスの間に配置され、通電により発熱して一対のガラスのいずれかを加熱する導電膜(4、6)と、一対のガラスの間に配置され、導電膜(4、6)と一対のガラスのうち導電膜(4、6)にて加熱しない方のガラスとを熱的に遮断する断熱層(5)とを備えることを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、導電膜(4、6)は断熱膜(5)により加熱しない方のガラスと熱的に遮断され、通電により発生する導電膜(4、6)の熱はすべて加熱するガラスに伝わる。これにより、導電膜(4、6)にて発生する熱が加熱しない方のガラスから放出されることを防止できるため、効率的に加熱するガラスを昇温させることができる。この結果、ガラスの解氷や防曇を効率よく行うことができ、確実に視界を確保することができる。
【0008】
また、請求項2に記載では、導電膜(4)は、断熱層(5)と車室内側に位置するガラス(2)との間に配置されることを特徴としている。このような構成により、導電膜(4)は車室外と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜(4)の熱はすべて車室内側ガラス(2)に伝わる。これにより、導電膜(4)にて発生する熱が車室外に放出されることを防止できるため、外部温度が低温の場合や高速走行時においても、効率的に車室内側ガラス(2)を昇温させることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、導電膜(6)は、断熱層(5)と車室外側に位置するガラス(1)との間に配置されることを特徴としている。このような構成により、導電膜(4)は車室内と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜(4)の熱はすべて車室外側ガラス(1)に伝わる。これにより、導電膜(6)にて発生する熱が車室内側に放出されることを防止できるため、効率的に車室外側ガラス(1)を昇温させることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、導電膜(4、6)は、断熱層(5)と車室内側に位置するガラス(2)との間と、断熱層(5)と車室外側に位置するガラス(1)との間とにそれぞれ配置されることを特徴としている。このような構成により、車室内側に配置される導電膜(4)は断熱膜(5)により車室外と熱的に遮断され、車室内側の導電膜(4)にて発生する熱が車室外に放出されることを防止できる。同様に、車室外側に配置される導電膜(6)は断熱膜(5)により車室内と熱的に遮断され、導電膜(6)にて発生する熱が車室内側に放出されることを防止できる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明のように、断熱層を空気層にて形成することもできる。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1に基づいて説明する。本第1実施形態の車両用導電性透明部材は、車室内側での防曇を目的としたものであり、車両のフロントウィンドウガラスに用いられるものであるが、リアウィンドウガラス、サイドウィンドウガラス等にも適用可能である。
【0014】
図1は、本第1実施形態の車両用導電性透明部材100の断面図である。図1に示すように、導電性透明部材100は、一般的な合わせガラスを主要構成としており、一対の板状ガラス1、2とこれらに挟み込まれた透明な合成樹脂シート3とを備えている。シート3は、衝撃を受けてガラス1、2が割れた際にガラス片が飛散することを防止するものであり、一般的にPVB(ポリビニルブチラール)膜が用いられている。
【0015】
車室内側ガラス2とシート3との間には、透明な導電膜4が設けられている。導電膜4は、通電により発熱するものであり、例えば透明金属膜を用いることができる。本第1実施形態の導電膜4は、車両内側ガラス2を加熱するためのものであり、車両内側ガラス2に接するように配置されている。さらに本第1実施形態の導電性透明部材100では、車室外側ガラス1とシート3との間に透明な断熱膜(断熱層)5が設けられている。本第1実施形態の断熱膜5は、導電膜4にて加熱しない車室外側ガラス1と導電膜4とを熱的に遮断している。断熱膜5は、透明でかつ断熱効果のある材料であればよく、例えば透明な有機系合成樹脂を用いることができる。
【0016】
以上の構成によれば、導電膜4は断熱膜5により車室外と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜4の熱はすべて車室内側ガラス2に伝わる。これにより、導電膜4にて発生する熱が車室外に放出されることを防止できるため、外部温度が低温の場合や高速走行時においても、効率的に車室内側ガラス2を昇温させることができる。この結果、車室内側ガラス2で発生する曇りを効率的に除去でき、確実に視界を確保することができる。さらに、省電力化を図ることもできる。
【0017】
また、断熱膜5によって導電性透明部材100による冷輻射を防止すると同時に導電性透明部材100自体が発熱するため、温感の向上・暖房効率の向上効果を得ることができる。
【0018】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図2に基づいて説明する。本第2実施形態の車両用導電性透明部材は、車室外側での解氷を目的としている。上記第1実施形態と同様な部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0019】
図2は、本第2実施形態の車両用導電性透明部材101の断面図である。図2に示すように、本第2実施形態の導電性透明部材101では、車室外側ガラス1とシート3との間に導電膜6が設けられ、車室内側ガラス2とシート3との間に断熱膜5が設けられている。本第2実施形態の導電膜6は、車両外側ガラス1を加熱するためのものであり、車両外側ガラス1に接するように配置されている。本第2実施形態の断熱膜5は、導電膜4にて加熱しない車室内側ガラス2と導電膜4とを熱的に遮断している。
【0020】
このような構成によれば、導電膜6は断熱膜5により車室内と熱的に遮断され、通電により発生する導電膜6の熱はすべて車室外側ガラス1に伝わる。これにより、導電膜6にて発生する熱が車室内側に放出されることを防止できるため、効率的に車室外側ガラス1を昇温させることができる。この結果、車室外側ガラス1に付着した氷を効率的に溶かすことができると同時に、車室外側ガラス1で発生する曇りを効率的に除去でき、確実に視界を確保することができる。さらに、省電力化を図ることもできる。
【0021】
また、断熱膜5によって導電性透明部材101による冷輻射を防止できるため、温感の向上・暖房効率の向上効果を得ることができる。
【0022】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図3に基づいて説明する。本第3実施形態の車両用導電性透明部材は、車室内側での防曇と車室外側での解氷とを目的としている。上記第1実施形態と同様な部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0023】
図3は、本第3実施形態の車両用導電性透明部材102の断面図である。図3に示すように、本第3実施形態の導電性透明部材102では、車室内側ガラス2とシート3との間に断熱膜5および第1の導電膜4が設けられている。断熱膜5はシート3と接するように設けられている。第1の導電膜4は車両内ガラス2を加熱するためのものであり、車室内側ガラス2に接するように配置されている。また、車室外側ガラス1とシート3との間に第2の導電膜6が設けられている。第2の導電膜6は車両外側ガラス1を加熱するためのものであり、車両外側ガラス1に接するように配置されている。
【0024】
このような構成によれば、第1の導電膜4は断熱膜5により車室外と熱的に遮断され、通電により発生する第1の導電膜4の熱はすべて車室内側ガラス2に伝わる。これにより、外部温度が低温の場合や高速走行時においても、第1の導電膜4にて発生する熱が車室外へ放熱することを防止することができ、効率的に車室内側ガラス2を昇温させて防曇を行うことができる。
【0025】
同様に、第2の導電膜6は断熱膜5により車室内と熱的に遮断され、通電により発生する第2の導電膜6の熱はすべて車室外側ガラス1に伝わる。これにより、第2の導電膜6にて発生する熱が車室内へ放熱することを防止でき、効率的に車室外側ガラス1を昇温させて解氷を行うことができる。
【0026】
また、車両外側ガラス1および車両内側ガラス2の両面で氷結・曇り等が発生した場合には、第1の導電膜4および第2の導電膜6にて同時に発熱させることで、車両外側ガラス1および車両内側ガラス2を同時に効率的に加熱することができ、短時間で解氷・防曇を行うことができる。
【0027】
また、第1の導電膜4と第2の導電膜6とで独立した電源回路を持たせれば、それぞれの導電膜4、6での加熱量を効率的に調整することができる。
【0028】
また、断熱膜5によって導電性透明部材102による冷輻射を防止できると同時に導電性透明部材102自体が発熱するため、温感の向上・暖房効率の向上効果が得られる。
【0029】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態の導電性透明部材100〜102では、独立した断熱膜5を設けたが、これに限らず、図4〜図6に示す導電性透明部材103、104、105のように合成樹脂シート7の厚みを充分に厚くして断熱層を形成してもよい。このように、合成樹脂シート7を充分厚くすることで断熱性を確保でき、上記各実施形態において断熱膜5を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0030】
図4に示す導電性透明部材103は上記第1実施形態の導電性透明部材100に対応し、図5に示す導電性透明部材104は上記第2実施形態の導電性透明部材101に対応し、図6に示す導電性透明部材105は上記第3実施形態の導電性透明部材102に対応している。
【0031】
また、図7〜図9に示す導電性透明部材106、107、108のように、断熱膜4に代えて空気層8を断熱層として形成してもよい。空気層8は断熱効果が高いので、上記各実施形態において断熱膜5を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0032】
図7に示す導電性透明部材106は上記第1実施形態の導電性透明部材100に対応し、図8に示す導電性透明部材107は上記第2実施形態の導電性透明部材101に対応し、図9に示す導電性透明部材108は上記第3実施形態の導電性透明部材102に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の車両用導電性透明部材の断面図である。
【図2】第2実施形態の車両用導電性透明部材の断面図である。
【図3】第3実施形態の車両用導電性透明部材の断面図である。
【図4】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図5】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図6】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図7】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図8】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【図9】車両用導電性透明部材の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車室外側ガラス、2…車室内側ガラス、3、7…シート、4、6…導電膜、5…断熱膜、8…空気層、100〜108…導電性透明部材。
Claims (5)
- 一対の板状のガラス(1、2)と、
前記一対のガラスの間に配置され、通電により発熱して前記一対のガラスのいずれかを加熱する導電膜(4、6)と、
前記一対のガラスの間に配置され、前記導電膜(4、6)と前記一対のガラスのうち前記導電膜(4、6)にて加熱しない方の前記ガラスとを熱的に遮断する断熱層(5)とを備えることを特徴とする車両用導電性透明部材。 - 前記導電膜(4)は、前記断熱層(5)と車室内側に位置する前記ガラス(2)との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用導電性透明部材。
- 前記導電膜(6)は、前記断熱層(5)と車室外側に位置する前記ガラス(1)との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用導電性透明部材。
- 前記導電膜(4、6)は、前記断熱層(5)と車室内側に位置する前記ガラス(2)との間と、前記断熱層(5)と車室外側に位置する前記ガラス(1)との間とにそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用導電性透明部材。
- 前記断熱層は、空気層にて形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用導電性透明部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003027076A JP2004238229A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 車両用導電性透明部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003027076A JP2004238229A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 車両用導電性透明部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004238229A true JP2004238229A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32954916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003027076A Pending JP2004238229A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 車両用導電性透明部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004238229A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008511529A (ja) * | 2004-08-31 | 2008-04-17 | サン−ゴバン グラス フランス | 赤外線および/または太陽光線を反射する薄膜積層体および加熱手段を備えた積層板ガラス |
WO2016059780A1 (ja) * | 2014-10-16 | 2016-04-21 | 株式会社デンソー | 湿度検出装置および防霜装置 |
JP2016078835A (ja) * | 2014-10-16 | 2016-05-16 | 株式会社デンソー | 防曇装置 |
JP2016141378A (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-08 | 株式会社デンソー | 車両用防曇解氷装置 |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003027076A patent/JP2004238229A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008511529A (ja) * | 2004-08-31 | 2008-04-17 | サン−ゴバン グラス フランス | 赤外線および/または太陽光線を反射する薄膜積層体および加熱手段を備えた積層板ガラス |
WO2016059780A1 (ja) * | 2014-10-16 | 2016-04-21 | 株式会社デンソー | 湿度検出装置および防霜装置 |
JP2016078835A (ja) * | 2014-10-16 | 2016-05-16 | 株式会社デンソー | 防曇装置 |
JP2016141378A (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-08 | 株式会社デンソー | 車両用防曇解氷装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10787153B2 (en) | Heatable composite pane having a safety function | |
KR101468829B1 (ko) | 차량 내 이미지 기록 장치를 위한 장치 | |
KR100741196B1 (ko) | 납땜 방법 및 땜납 조성물 | |
ES2825848T3 (es) | Acristalamiento térmico con lámina de vidrio exterior delgada y capa de calentamiento con líneas de separación de flujo | |
US20130092676A1 (en) | Composite pane having an electrically heatable coating | |
JPH10189232A (ja) | 積層透明体 | |
JP5212367B2 (ja) | 温度調節装置 | |
KR102020846B1 (ko) | 개선된 열 분포를 가지는 가열 가능한 적층 차량 창 | |
ES2222203T3 (es) | Acristalamiento calefactado, en particular para vehiculos. | |
JP6736448B2 (ja) | 合わせガラス | |
JPWO2020039781A1 (ja) | 合わせガラス | |
JP2005212556A (ja) | 車両用輻射暖房装置 | |
JP6164034B2 (ja) | ウインドウ用面状発熱体および車両用窓 | |
JP2004238229A (ja) | 車両用導電性透明部材 | |
CN201127128Y (zh) | 汽车用热反射膜加热除霜雾夹层玻璃 | |
US10870399B2 (en) | Sensor arrangement for a motor vehicle, motor vehicle and method for operating a sensor device | |
JP2004306025A (ja) | 車両用樹脂窓 | |
JP2004268770A (ja) | 車両用窓ガラスの防曇・解氷装置 | |
JPH1120622A (ja) | 車両用防曇ガラス | |
EP4366465A1 (en) | Vehicle glass module | |
KR20210014852A (ko) | 히팅 장치 | |
JP6360251B2 (ja) | 表示装置 | |
KR102610703B1 (ko) | 차량용 내장재 | |
KR200287079Y1 (ko) | 투명 발열체가 프린팅된 판유리 | |
CN219164758U (zh) | 一种电加热汽车玻璃 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050325 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071127 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080325 |