JP2004238169A - スチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法および剥離装置 - Google Patents
スチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法および剥離装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】カバーゴムの剥離を熟練者でなくとも容易に行うことができ、且つ同時にスチールコードを接着ゴム層から剥離することができる、安全で取扱いの簡単なスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法および剥離装置を提供する。
【解決手段】ベルトBの先端部を、剥離用カッタ8と剥離用鋼線11を有するコード剥離手段15とを備え、ベルト長さ方向に移動する剥離装置本体1のベルト案内路Pに通し、あらかじめ剥離したカバーゴムR1と接着ゴム層Lとの境目部分に、剥離用カッタ8の刃先を当接させるとともに、あらかじめ露出したスチールコード11の先端部分に剥離用鋼線11を巻付け、その後、剥離用カッタ8の刃先が境目部分に切込む方向に、剥離装置本体1またはジョイント部Jの少なくとも一方を移動する。
【選択図】 図1
【解決手段】ベルトBの先端部を、剥離用カッタ8と剥離用鋼線11を有するコード剥離手段15とを備え、ベルト長さ方向に移動する剥離装置本体1のベルト案内路Pに通し、あらかじめ剥離したカバーゴムR1と接着ゴム層Lとの境目部分に、剥離用カッタ8の刃先を当接させるとともに、あらかじめ露出したスチールコード11の先端部分に剥離用鋼線11を巻付け、その後、剥離用カッタ8の刃先が境目部分に切込む方向に、剥離装置本体1またはジョイント部Jの少なくとも一方を移動する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベヤベルトや伝導ベルト等のスチールコード入りベルトをジョイントする際に、ジョイント部分の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードの剥離とを同時に行うことができるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法と剥離装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、高張力が要求されるコンベヤベルトや伝導ベルト等に用いられているスチールコード入りのベルト(以下、単にSTベルトともいう)は、直径2.0〜12.0mmの複数のスチールコードを、同一平面内でベルト長さ方向に等間隔で並べ、これらをゴムで被覆したものである。その断面をベルト長さ方向から見た斜視図を図5に示す。スチールコードは、上面と下面のカバーゴムR1,R2の間の接着ゴム層Lに埋設された状態となっている。
【0003】
このようなSTベルトは、その端部を繋ぎ合わせて長尺としたり、また無端ベルトとして使用される。このSTベルトを繋ぎ合わせる作業をジョイント作業といい、次のように行われている。
【0004】
まず、ジョイント部(ベルト端部であって他のベルト端部とジョイントする部分をいう)の上面カバーゴムを接着ゴム層から剥離し、その接着ゴム層に埋設されているスチールコードを露出させる。なお、一方のジョイント部は下面カバーゴムも除去しておく。このようにスチールコードSを露出したジョイント部J同士を、図6に示すようにして突き合わせ、一方のスチールコードSが他方のスチールコードSの間に入るようにし、その上に生ゴムを被せて加硫することでベルト端部同士を繋ぎ合わせる。
【0005】
上記のようなジョイント作業において、スチールコードを露出させるには、以下のような方法がとられている。
【0006】
▲1▼端部において上面カバーゴムと接着ゴム層との間にナイフ等で切り目を入れ、上面カバーゴムをわずかに剥がした後に、その剥がした上面カバーゴムにクランプ等を挟み込んで固定する。そして、上面カバーゴムをめくるようにして、ウインチ等の牽引装置でクランプを引張りつつ、図7に示すように、上面カバーゴムと接着ゴム層との間にナイフ等の刃物を入れて、上面カバーゴムと接着ゴム層とを剥離していく。このようにして、ジョイント部の上面カバーゴムを全て除去する。
【0007】
▲2▼このジョイント部の下面カバーゴムも▲1▼と同じように剥離した後に、接着ゴム層のスチールコード間のゴムをナイフ等でカットしてスチールコードを露出させる。
【0008】
しかしながら、スチールコード入りのベルトは厳しい条件のもとで使用されるためゴムについても高い剛性を持たせてあり、上述のようにナイフ等を用いて手作業でスチールコードの露出を行うことは困難な場合があった。そこで、出願人はスチールコードを接着ゴム層から簡単に剥離できるスチールコードの露出方法について発明し既に開示している。
【0009】
その除去方法は、ベルト先端から、ジョイント部の長さに応じた位置に、ベルト幅の方向に連続する切開部をベルトの全幅にわたって設ける。この切開部はナイフ等によりゴムのみが所定の幅で除去されたものでスチールコードが露出した状態となっている。その露出したスチールコードにそれぞれピアノ線を一重巻に巻きつけた後、これらのピアノ線の両端をベルト幅の方向に長さを有する牽引治具に固定する。そして、牽引治具をベルト先端に向かって牽引することにより、スチールコードに巻きついたピアノ線が上面および側面カバーゴムを切裂きながらスチールコードに沿ってスライドし、接着ゴム層とスチールコードとが剥離される。こうして、スチールコードが露出した状態となるのである。
【0010】
この方法を用いれば、接着ゴム層からスチールコードを簡単に露出させることができる。しかも、露出されたスチールコードは外周面にゴムの付着がほとんどなく、ほぼ円形の断面形状となっているため、形を整えたりする手間を省くことができ、ジョイント作業を少ない労力と時間で行うことができるのである。(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特許第1269250号明細書
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の方法においても、上面カバーゴムの厚みが厚くピアノ線で切裂くことが困難な場合には、あらかじめ上面カバーゴムを上記▲1▼のような方法で除去しておかなければならない。このような作業はナイフ等の刃物を用いて手作業で行われているため、熟練者でなければ上面カバーゴムをうまく剥離できない場合があり、ジョイント作業に多くの時間がかかることがある。また、刃物を持って作業するため怪我をし易いという安全面の問題もある。
【0013】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、カバーゴムの剥離を熟練者でなくとも容易に行うことができ、なお且つ同時にスチールコードを接着ゴム層から剥離することができる、安全で取扱いの簡単なスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法および剥離装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のスチールコードのカバーゴムとスチールコードの剥離方法は、スチールコードベルトのジョイント作業において、ジョイント部の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを同時に行う剥離方法であって、
まず、前記ジョイント部のベルト先端部のカバーゴムをベルト全幅に渡って剥離するとともに、前記接着ゴム層から前記スチールコードのコード先端部分を露出させ、
前記ベルト先端部を、剥離用カッタと剥離用鋼線を有するコード剥離手段とを備え、ベルト長さ方向に移動する剥離装置本体のベルト案内路に通し、
前記剥離したカバーゴムと接着ゴム層との境目部分に、前記剥離用カッタの刃先を当接させるとともに、前記剥離用鋼線を露出した前記スチールコードの先端部分に巻付け、
その後、前記剥離用カッタの刃先が前記境目部分に切込む方向に、前記剥離装置本体または前記ジョイント部の少なくとも一方を移動することを特徴としている。
【0015】
このような請求項1のスチールコードのカバーゴムとスチールコードの剥離方法によれば、前記剥離用カッタと前記コード剥離手段とを一体的に設けた前記剥離装置本体または前記ジョイント部の少なくとも一方を、前記剥離用カッタの刃先が前記境目部分に切込む方向に動かす。
【0016】
つまり、前記剥離装置を固定し、前記ジョイント部を前記剥離用カッタの刃先の向きとは反対方向に移動するか、前記ジョイント部を固定し、前記剥離装置を前記剥離用カッタの刃先の向きと同じ方向に移動するか、また前記剥離装置と前記ジョイント部とを互いに逆向きとなる方向に移動する。
【0017】
これにより前記剥離用カッタで前記接着ゴム層とカバーゴムとを剥離すると同時に、前記剥離用鋼線で前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離を行うことができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置は、スチールコードベルトのジョイント作業において、ジョイント部の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを同時に行う剥離装置であって、
この剥離装置は、前記接着ゴム層とカバーゴムとを剥離する剥離用カッタと、前記接着ゴム層とスチールコードとを剥離するコード剥離手段と、これらを支持しつつ、前記ジョイント部に案内されてベルト長さ方向に移動可能な装置本体を具備し、
この装置本体は、前記ジョイント部が通されるベルト案内路と、このベルト案内路の両側に設けられている一対の案内用側板とを有しており、
前記剥離用カッタは、刃先を前記装置本体の移動方向に向けるとともに、前記ベルト案内路内の前記ジョイント部の接着ゴム層上面に近接するように、前記一対の案内用側板に支持され、
前記コード剥離手段は、前記剥離用カッタの刃先より後側で、前記一対の案内用側板に支持されている鋼線取付具と、この鋼線取付具に繋止される前記スチールコードに巻付け可能な長さを有する剥離用鋼線とを備えていること特徴としている。
【0019】
このような請求項2のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置によれば、前記装置本体を前記ジョイント部に沿ってベルトの長さ方向に移動させるだけで、前記ジョイント部のカバーゴムを剥離すると同時に、前記接着ゴム層から前記スチールコードを剥離することができる。
【0020】
つまり、前記STベルトの先端部において、あらかじめ前記カバーゴムをベルト全幅に渡って剥離するとともに、前記スチールコードの先端部を前記接着ゴム層から露出させた前記ジョイント部を、前記装置本体のベルト案内路に通すと、前記剥離用カッタの刃先は、剥離された前記カーバーゴムと接着ゴム層との境目部分に当接する。また、露出している前記スチールコードの先端部には、前記コード剥離手段の剥離用鋼線が巻付けられる。
【0021】
この状態で前記装置本体を、ベルト長さ方向であって前記STベルトの先端部と反対方向に移動させると、前記剥離用カッタにより前記接着ゴム層とカバーゴムとが剥離されると同時に、前記スチールコードに沿ってスライドする前記コード剥離手段の剥離用鋼線によって、前記接着ゴム層とスチールコードとが剥離されるのである。
【0022】
なお、ベルト幅が広い場合には、前記ジョイント部をベルト長さ方向に複数本の切り目を入れて分割し、その分割片ごとに前記ベルト案内路に通すようにしても良い。
【0023】
また請求項3に記載したように、前記案内用側板を前記装置本体に、上下に移動可能に取付けることもできる。このようにすれば、ベルトの厚みに応じて前記剥離用カッタの高さを容易に変更することができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法および剥離装置の実施形態について図1〜4に基づいて以下に説明する。
【0025】
図1および図3に示すように、スチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置1は、カバーゴムRと接着ゴム層Lとを剥離する剥離用カッタ8と、接着ゴム層LとスチールコードSとを剥離するコード剥離手段15とを支持している装置本体2を具備している。措置本体2は、STベルトBのジョイント部Jが通されるベルト案内路Pが設けられており、ジョイント部Jに案内されてベルト長さ方向に移動可能となっている。
【0026】
装置本体2のベース部3は、ベルト案内路P方向に長い略長方形の底板3aの両側端部に沿って、横長の略長方形の側板3bがそれぞれ立設されており、装置本体2の移動方向(図中右方向)側の一端部が横板3cで繋がれている。両側板3bには、その長手方向の前後に、ベルト受ローラ4がそれぞれ取付けられており、ベルト受ローラ4は側面から見て、その上部が側板3bの上端よりも上側に突出した状態で支持されている。
【0027】
ベース部3の両側には、案内用側板5がそれぞれ配置されており、これらは幅200mm程度のベルトを通すことができる間隔を有している。これらの案内用側板5はベルト案内路Pの両側に位置している。各案内用側板5は、ベース部3の側板3bの長さよりも短い約1/3程度の幅を有した上側部分5aと、その幅の約2倍の長さを有する長方形状の下側部分5bとからなり、上側部分5aと下側部分5bとは一体で形成されている。
【0028】
各下側部分5bには、2つの上下方向の長穴5cが所定の間隔を設けて形成されている。各長穴5cに、座金6を取付けた六角穴付ボルト7をそれぞれ通し、これらの六角穴付ボルト7をベース部3の側板3bに形成されているネジ穴(図示せず)に締め込む。このようにして、各案内用側板5はその高さを上下に調節できるように、ベース部3に取付けられている。
【0029】
各案内用側板5の上側部分5aの中央部分には、側方から見て、装置本体2の移動方向であって、且つ斜め下方に向かって徐々に先細りとなるような略三角形状のカッタ取付孔5dが形成されている。これらのカッタ取付孔5dに、長辺側の一端部に刃が形成されている長方形状の剥離用カッタ8が、刃先を装置本体2の移動方向に向けた状態で挿通され、その両端部を各カッタ取付孔5dでそれぞれ支持させた状態で取付けられている。このように取付けられている剥離用カッタ8は、刃先がベルト案内路P内にあるジョイント部Jの接着ゴム層Lの上面に近接するようになっている。
【0030】
各案内用側板5の上端部、つまり上側部分5aの上端部には、装置本体2の移動側側とその反対側との端部に、口を向かい合わせた状態でフック状の係止部5e,5fがそれぞれ形成されている。
【0031】
そして、本体装置2の移動方向側にある各係止部5eに、ウインチ等の牽引装置のフックFを取付け可能なリング部9を備えた連結バー10の両端部がそれぞれ係合されている。リング部は連結バー10の中間部分の外周部に溶接されている。連結バー10の両端部は段落としされて径が小さく形成されているため、その段差によって横方向へずれることがなく、連結バー10が不用意に外れない構造となっている。
【0032】
一方、係止部5eの反対側にある各係止部5fには、コード剥離手段15の鋼線取付具である取付バー12の両端部が係合されている。これらの両端部は、連結バー10と同じように段落としされているため、取付バー12が不用意に外れない構造となっている。
【0033】
取付バー12の中間部分には、軸と直交するようにして複数の貫通穴(図示せず)が形成されており、これらの各貫通穴の一方から、ネジ部13aが設けられているフック13の基端側を貫通させ、突出したネジ部13aにナット14を締め込むことで、これらのフック13を取付バー12に取付けている。このようにして取付けられている各フック13には、リング状の剥離用鋼線(ピアノ線)11がそれぞれ繋止されている。
【0034】
また、上側部分5aの一方の側端部(本体装置2の移動方向側)は、端に向かう程その厚みが薄くなるように形成されている。これにより、ジョイント部Jを、STベルトBの長さ方向に切り目を入れて複数に分割している場合、その切れ目の間を案内用側板5が通り易くなるため、装置本体2の移動をスムーズに行うことができる。
【0035】
次に、このような剥離装置1を用いてSTベルトBのジョイント部JのカバーゴムR1とスチールコードSとを剥離する方法について説明する。あらかじめジョイント部Jを、両案内用側板5の内幅に応じた間隔でベルト長さ方向にカットし、複数本の分割片Cに分割する。なお、本実施例の場合、分割片Cの幅は約200mmとしている。
【0036】
分割片Cの一つを、その先端部において上面のカバーゴムR1と接着ゴム層Lとを全幅に渡って剥離するとともに、カバーゴムR1を剥離した部分の接着ゴム層Lのゴムをナイフ等の刃物を用いてカットし、埋設されているスチールコードSの先端部分を露出させる。
【0037】
このような前準備を行った分割片Cを、装置本体2のベルト案内路P内に通す。このとき、あらかじめ案内用側板5の高さ調節を行うことで、剥離用カッタ8の刃先とベルト受ローラ4の上端との隙間を調整し、剥離用カッタ8の刃先がベルト案内路P内にある分割片Cの接着ゴム層Lの上面に近接するように調整を行っておく。
【0038】
そして、あらかじめ剥離されたカバーゴムR1と接着ゴム層Lとの境目部分に、剥離用カッタ8の刃先を当接させるとともに、接着ゴム層Lから露出された各スチールコードSの先端部分に、コード剥離手段15の剥離用鋼線11をそれぞれ一重巻に巻きつける。
【0039】
こうしてベルト案内路Pに通された分割片Cの先端部を、装置本体2とは別体でもうけられているクランプ等(図示せず)により挟み込んで固定する。その後、装置本体2のリング部9に、ワイヤWを繰出したウインチ(図示せず)のフックFを掛ける。このウインチはSTベルトBの先端部と反対側に配置され、ワイヤWをSTベルトBの上面に沿うようにして引張ることができるように設置されている。
【0040】
ウインチを駆動してゆっくりとワイヤWを巻き取っていくと、装置本体2はウインチに引張られ、分割片Cの先端部と反対方向に、且つ分割片Cに沿って移動する。このとき、装置本体2のベース部3にベルト受ローラ4が設けられているため、装置本体2は分割片Cに沿ってスムーズに移動する。
【0041】
装置本体2が移動すると、分割片Cは第1段階として、接着ゴム層LとカバーゴムR1との境目部分に切込んだ剥離用カッタ8により、分割片CのカバーゴムR1と接着ゴム層Lとが剥離される。剥離されたカバーゴムR1は、連結バー10と取付バー12との間を抜けて装置本体2の外へ送り出される。 次に第2段階として、図4に示すように、剥離用カッタ8の後側にあるコード剥離手段15の剥離用鋼線11により、接着ゴム層LとスチールコードSとが剥離される。これは装置本体2の移動に伴って剥離用鋼線11が引張られることにより、剥離用鋼線11のスチールコードSに巻付けた部分が、スチールコードSに沿ってスライドし、周りのゴムをカットするカッタのような働きをするからである。
【0042】
このように装置本体2は、移動方向の前方ではカバーゴムR1の剥離を行い、後方では接着ゴム層LとスチールコードSとの剥離を行うというように、2つの剥離作業を同時に行いならが移動しているのである。
【0043】
装置本体2を、ジョイント部Jの長さに応じた距離を移動させた後、剥離したカバーゴムR1をカットして取除く。必要であれば残った接着ゴム層Lと下面のカバーゴムR2とをカットして取り除く。
【0044】
上述のような作業を各分割片Cに対して行い、ジョイント部JのカバーゴムR1,R2を全て除去するとともに、ジョイント部Jの全スチールコードSを露出させる。
【0045】
STベルトが、カバーゴムと接着ゴム層との間に、補強用の帆布などを配してブレーカー層が設けられている場合には、このブレーカー層と接着ゴム層との間に、剥離用カッタの刃先が位置するように案内用側板5を調整し、接着ゴム層から、ブレーカー層とカバーゴムとを一緒に剥離するようにしても良い。
【0046】
なお、本実施例ではSTベルト側を固定した状態で、本体装置を移動させているが、それとは反対に、本体装置を固定しSTベルト側を移動させるようにして、剥離作業を行うこともできる。このようにすれば、本体装置を持ち運びし易いように小型化しなくても良く、両案内用側板の間隔を広げることができるので、幅の広いSTベルトのジョイント部を分割することなく剥離作業を行える剥離装置とすることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法を用いれば、
1)作業者が熟練者でなくとも、ジョイント部のカバーゴムの剥離を簡単に行うことができ、しかも、同時に接着ゴム層からスチールコードを剥離することができるので、作業効率が向上し作業時間を大幅に短縮することができる。
【0048】
従って、特にジョイント箇所が多い場合には、作業時間を従来に比べてかなり短縮することができるので、大幅な経費の削減を図ることができる。また、作業者はナイフ等の刃物を持って作業しなくても良いため、作業の安全性の改善を図ることができる。
【0049】
本発明のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置を用いれば、
2)装置本体のベルト案内路にSTベルトのジョイント部を通し、ベルト長さ方向に移動させることにより、接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを行うことができるので、ナイフ等を使用する場合に比べて安全で、取扱いも非常に簡単である。しかも、これらの剥離作業を同時に行うことができるので作業効率が向上し、べルトのジョイントにかかる時間を短縮することができる。
【0050】
3)剥離用カッタを支持している案内用側板を上下に移動することで、簡単に剥離用カッタの高さ調整ができるので、様々な厚みのベルトに対して即座に対応することができ、作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置の実施例を示す平面図である。
【図3】本実施例の使用形態を示すベルト案内路方向の縦断面の概略図である。
【図4】図3におけるA部におけるスチールコードの剥離状態を示す説明図である。
【図5】STベルトの長さ方向から見た斜視図である(一部断面を含む)。
【図6】STベルトのジョイント部分を示す平面図である。
【図7】従来のジョイント作業における、ジョイント部のカバーゴムの剥離方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 剥離装置
2 装置本体
5 側板
8 剥離用カッタ
11 鋼線
12 取付バー
15 コード剥離手段
B STベルト
J ジョイント部
L 接着ゴム層
P ベルト案内路
R1 上面のカバーゴム
R2 下面のカバーゴム
S スチールコード
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベヤベルトや伝導ベルト等のスチールコード入りベルトをジョイントする際に、ジョイント部分の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードの剥離とを同時に行うことができるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法と剥離装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、高張力が要求されるコンベヤベルトや伝導ベルト等に用いられているスチールコード入りのベルト(以下、単にSTベルトともいう)は、直径2.0〜12.0mmの複数のスチールコードを、同一平面内でベルト長さ方向に等間隔で並べ、これらをゴムで被覆したものである。その断面をベルト長さ方向から見た斜視図を図5に示す。スチールコードは、上面と下面のカバーゴムR1,R2の間の接着ゴム層Lに埋設された状態となっている。
【0003】
このようなSTベルトは、その端部を繋ぎ合わせて長尺としたり、また無端ベルトとして使用される。このSTベルトを繋ぎ合わせる作業をジョイント作業といい、次のように行われている。
【0004】
まず、ジョイント部(ベルト端部であって他のベルト端部とジョイントする部分をいう)の上面カバーゴムを接着ゴム層から剥離し、その接着ゴム層に埋設されているスチールコードを露出させる。なお、一方のジョイント部は下面カバーゴムも除去しておく。このようにスチールコードSを露出したジョイント部J同士を、図6に示すようにして突き合わせ、一方のスチールコードSが他方のスチールコードSの間に入るようにし、その上に生ゴムを被せて加硫することでベルト端部同士を繋ぎ合わせる。
【0005】
上記のようなジョイント作業において、スチールコードを露出させるには、以下のような方法がとられている。
【0006】
▲1▼端部において上面カバーゴムと接着ゴム層との間にナイフ等で切り目を入れ、上面カバーゴムをわずかに剥がした後に、その剥がした上面カバーゴムにクランプ等を挟み込んで固定する。そして、上面カバーゴムをめくるようにして、ウインチ等の牽引装置でクランプを引張りつつ、図7に示すように、上面カバーゴムと接着ゴム層との間にナイフ等の刃物を入れて、上面カバーゴムと接着ゴム層とを剥離していく。このようにして、ジョイント部の上面カバーゴムを全て除去する。
【0007】
▲2▼このジョイント部の下面カバーゴムも▲1▼と同じように剥離した後に、接着ゴム層のスチールコード間のゴムをナイフ等でカットしてスチールコードを露出させる。
【0008】
しかしながら、スチールコード入りのベルトは厳しい条件のもとで使用されるためゴムについても高い剛性を持たせてあり、上述のようにナイフ等を用いて手作業でスチールコードの露出を行うことは困難な場合があった。そこで、出願人はスチールコードを接着ゴム層から簡単に剥離できるスチールコードの露出方法について発明し既に開示している。
【0009】
その除去方法は、ベルト先端から、ジョイント部の長さに応じた位置に、ベルト幅の方向に連続する切開部をベルトの全幅にわたって設ける。この切開部はナイフ等によりゴムのみが所定の幅で除去されたものでスチールコードが露出した状態となっている。その露出したスチールコードにそれぞれピアノ線を一重巻に巻きつけた後、これらのピアノ線の両端をベルト幅の方向に長さを有する牽引治具に固定する。そして、牽引治具をベルト先端に向かって牽引することにより、スチールコードに巻きついたピアノ線が上面および側面カバーゴムを切裂きながらスチールコードに沿ってスライドし、接着ゴム層とスチールコードとが剥離される。こうして、スチールコードが露出した状態となるのである。
【0010】
この方法を用いれば、接着ゴム層からスチールコードを簡単に露出させることができる。しかも、露出されたスチールコードは外周面にゴムの付着がほとんどなく、ほぼ円形の断面形状となっているため、形を整えたりする手間を省くことができ、ジョイント作業を少ない労力と時間で行うことができるのである。(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特許第1269250号明細書
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の方法においても、上面カバーゴムの厚みが厚くピアノ線で切裂くことが困難な場合には、あらかじめ上面カバーゴムを上記▲1▼のような方法で除去しておかなければならない。このような作業はナイフ等の刃物を用いて手作業で行われているため、熟練者でなければ上面カバーゴムをうまく剥離できない場合があり、ジョイント作業に多くの時間がかかることがある。また、刃物を持って作業するため怪我をし易いという安全面の問題もある。
【0013】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、カバーゴムの剥離を熟練者でなくとも容易に行うことができ、なお且つ同時にスチールコードを接着ゴム層から剥離することができる、安全で取扱いの簡単なスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法および剥離装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のスチールコードのカバーゴムとスチールコードの剥離方法は、スチールコードベルトのジョイント作業において、ジョイント部の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを同時に行う剥離方法であって、
まず、前記ジョイント部のベルト先端部のカバーゴムをベルト全幅に渡って剥離するとともに、前記接着ゴム層から前記スチールコードのコード先端部分を露出させ、
前記ベルト先端部を、剥離用カッタと剥離用鋼線を有するコード剥離手段とを備え、ベルト長さ方向に移動する剥離装置本体のベルト案内路に通し、
前記剥離したカバーゴムと接着ゴム層との境目部分に、前記剥離用カッタの刃先を当接させるとともに、前記剥離用鋼線を露出した前記スチールコードの先端部分に巻付け、
その後、前記剥離用カッタの刃先が前記境目部分に切込む方向に、前記剥離装置本体または前記ジョイント部の少なくとも一方を移動することを特徴としている。
【0015】
このような請求項1のスチールコードのカバーゴムとスチールコードの剥離方法によれば、前記剥離用カッタと前記コード剥離手段とを一体的に設けた前記剥離装置本体または前記ジョイント部の少なくとも一方を、前記剥離用カッタの刃先が前記境目部分に切込む方向に動かす。
【0016】
つまり、前記剥離装置を固定し、前記ジョイント部を前記剥離用カッタの刃先の向きとは反対方向に移動するか、前記ジョイント部を固定し、前記剥離装置を前記剥離用カッタの刃先の向きと同じ方向に移動するか、また前記剥離装置と前記ジョイント部とを互いに逆向きとなる方向に移動する。
【0017】
これにより前記剥離用カッタで前記接着ゴム層とカバーゴムとを剥離すると同時に、前記剥離用鋼線で前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離を行うことができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置は、スチールコードベルトのジョイント作業において、ジョイント部の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを同時に行う剥離装置であって、
この剥離装置は、前記接着ゴム層とカバーゴムとを剥離する剥離用カッタと、前記接着ゴム層とスチールコードとを剥離するコード剥離手段と、これらを支持しつつ、前記ジョイント部に案内されてベルト長さ方向に移動可能な装置本体を具備し、
この装置本体は、前記ジョイント部が通されるベルト案内路と、このベルト案内路の両側に設けられている一対の案内用側板とを有しており、
前記剥離用カッタは、刃先を前記装置本体の移動方向に向けるとともに、前記ベルト案内路内の前記ジョイント部の接着ゴム層上面に近接するように、前記一対の案内用側板に支持され、
前記コード剥離手段は、前記剥離用カッタの刃先より後側で、前記一対の案内用側板に支持されている鋼線取付具と、この鋼線取付具に繋止される前記スチールコードに巻付け可能な長さを有する剥離用鋼線とを備えていること特徴としている。
【0019】
このような請求項2のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置によれば、前記装置本体を前記ジョイント部に沿ってベルトの長さ方向に移動させるだけで、前記ジョイント部のカバーゴムを剥離すると同時に、前記接着ゴム層から前記スチールコードを剥離することができる。
【0020】
つまり、前記STベルトの先端部において、あらかじめ前記カバーゴムをベルト全幅に渡って剥離するとともに、前記スチールコードの先端部を前記接着ゴム層から露出させた前記ジョイント部を、前記装置本体のベルト案内路に通すと、前記剥離用カッタの刃先は、剥離された前記カーバーゴムと接着ゴム層との境目部分に当接する。また、露出している前記スチールコードの先端部には、前記コード剥離手段の剥離用鋼線が巻付けられる。
【0021】
この状態で前記装置本体を、ベルト長さ方向であって前記STベルトの先端部と反対方向に移動させると、前記剥離用カッタにより前記接着ゴム層とカバーゴムとが剥離されると同時に、前記スチールコードに沿ってスライドする前記コード剥離手段の剥離用鋼線によって、前記接着ゴム層とスチールコードとが剥離されるのである。
【0022】
なお、ベルト幅が広い場合には、前記ジョイント部をベルト長さ方向に複数本の切り目を入れて分割し、その分割片ごとに前記ベルト案内路に通すようにしても良い。
【0023】
また請求項3に記載したように、前記案内用側板を前記装置本体に、上下に移動可能に取付けることもできる。このようにすれば、ベルトの厚みに応じて前記剥離用カッタの高さを容易に変更することができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法および剥離装置の実施形態について図1〜4に基づいて以下に説明する。
【0025】
図1および図3に示すように、スチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置1は、カバーゴムRと接着ゴム層Lとを剥離する剥離用カッタ8と、接着ゴム層LとスチールコードSとを剥離するコード剥離手段15とを支持している装置本体2を具備している。措置本体2は、STベルトBのジョイント部Jが通されるベルト案内路Pが設けられており、ジョイント部Jに案内されてベルト長さ方向に移動可能となっている。
【0026】
装置本体2のベース部3は、ベルト案内路P方向に長い略長方形の底板3aの両側端部に沿って、横長の略長方形の側板3bがそれぞれ立設されており、装置本体2の移動方向(図中右方向)側の一端部が横板3cで繋がれている。両側板3bには、その長手方向の前後に、ベルト受ローラ4がそれぞれ取付けられており、ベルト受ローラ4は側面から見て、その上部が側板3bの上端よりも上側に突出した状態で支持されている。
【0027】
ベース部3の両側には、案内用側板5がそれぞれ配置されており、これらは幅200mm程度のベルトを通すことができる間隔を有している。これらの案内用側板5はベルト案内路Pの両側に位置している。各案内用側板5は、ベース部3の側板3bの長さよりも短い約1/3程度の幅を有した上側部分5aと、その幅の約2倍の長さを有する長方形状の下側部分5bとからなり、上側部分5aと下側部分5bとは一体で形成されている。
【0028】
各下側部分5bには、2つの上下方向の長穴5cが所定の間隔を設けて形成されている。各長穴5cに、座金6を取付けた六角穴付ボルト7をそれぞれ通し、これらの六角穴付ボルト7をベース部3の側板3bに形成されているネジ穴(図示せず)に締め込む。このようにして、各案内用側板5はその高さを上下に調節できるように、ベース部3に取付けられている。
【0029】
各案内用側板5の上側部分5aの中央部分には、側方から見て、装置本体2の移動方向であって、且つ斜め下方に向かって徐々に先細りとなるような略三角形状のカッタ取付孔5dが形成されている。これらのカッタ取付孔5dに、長辺側の一端部に刃が形成されている長方形状の剥離用カッタ8が、刃先を装置本体2の移動方向に向けた状態で挿通され、その両端部を各カッタ取付孔5dでそれぞれ支持させた状態で取付けられている。このように取付けられている剥離用カッタ8は、刃先がベルト案内路P内にあるジョイント部Jの接着ゴム層Lの上面に近接するようになっている。
【0030】
各案内用側板5の上端部、つまり上側部分5aの上端部には、装置本体2の移動側側とその反対側との端部に、口を向かい合わせた状態でフック状の係止部5e,5fがそれぞれ形成されている。
【0031】
そして、本体装置2の移動方向側にある各係止部5eに、ウインチ等の牽引装置のフックFを取付け可能なリング部9を備えた連結バー10の両端部がそれぞれ係合されている。リング部は連結バー10の中間部分の外周部に溶接されている。連結バー10の両端部は段落としされて径が小さく形成されているため、その段差によって横方向へずれることがなく、連結バー10が不用意に外れない構造となっている。
【0032】
一方、係止部5eの反対側にある各係止部5fには、コード剥離手段15の鋼線取付具である取付バー12の両端部が係合されている。これらの両端部は、連結バー10と同じように段落としされているため、取付バー12が不用意に外れない構造となっている。
【0033】
取付バー12の中間部分には、軸と直交するようにして複数の貫通穴(図示せず)が形成されており、これらの各貫通穴の一方から、ネジ部13aが設けられているフック13の基端側を貫通させ、突出したネジ部13aにナット14を締め込むことで、これらのフック13を取付バー12に取付けている。このようにして取付けられている各フック13には、リング状の剥離用鋼線(ピアノ線)11がそれぞれ繋止されている。
【0034】
また、上側部分5aの一方の側端部(本体装置2の移動方向側)は、端に向かう程その厚みが薄くなるように形成されている。これにより、ジョイント部Jを、STベルトBの長さ方向に切り目を入れて複数に分割している場合、その切れ目の間を案内用側板5が通り易くなるため、装置本体2の移動をスムーズに行うことができる。
【0035】
次に、このような剥離装置1を用いてSTベルトBのジョイント部JのカバーゴムR1とスチールコードSとを剥離する方法について説明する。あらかじめジョイント部Jを、両案内用側板5の内幅に応じた間隔でベルト長さ方向にカットし、複数本の分割片Cに分割する。なお、本実施例の場合、分割片Cの幅は約200mmとしている。
【0036】
分割片Cの一つを、その先端部において上面のカバーゴムR1と接着ゴム層Lとを全幅に渡って剥離するとともに、カバーゴムR1を剥離した部分の接着ゴム層Lのゴムをナイフ等の刃物を用いてカットし、埋設されているスチールコードSの先端部分を露出させる。
【0037】
このような前準備を行った分割片Cを、装置本体2のベルト案内路P内に通す。このとき、あらかじめ案内用側板5の高さ調節を行うことで、剥離用カッタ8の刃先とベルト受ローラ4の上端との隙間を調整し、剥離用カッタ8の刃先がベルト案内路P内にある分割片Cの接着ゴム層Lの上面に近接するように調整を行っておく。
【0038】
そして、あらかじめ剥離されたカバーゴムR1と接着ゴム層Lとの境目部分に、剥離用カッタ8の刃先を当接させるとともに、接着ゴム層Lから露出された各スチールコードSの先端部分に、コード剥離手段15の剥離用鋼線11をそれぞれ一重巻に巻きつける。
【0039】
こうしてベルト案内路Pに通された分割片Cの先端部を、装置本体2とは別体でもうけられているクランプ等(図示せず)により挟み込んで固定する。その後、装置本体2のリング部9に、ワイヤWを繰出したウインチ(図示せず)のフックFを掛ける。このウインチはSTベルトBの先端部と反対側に配置され、ワイヤWをSTベルトBの上面に沿うようにして引張ることができるように設置されている。
【0040】
ウインチを駆動してゆっくりとワイヤWを巻き取っていくと、装置本体2はウインチに引張られ、分割片Cの先端部と反対方向に、且つ分割片Cに沿って移動する。このとき、装置本体2のベース部3にベルト受ローラ4が設けられているため、装置本体2は分割片Cに沿ってスムーズに移動する。
【0041】
装置本体2が移動すると、分割片Cは第1段階として、接着ゴム層LとカバーゴムR1との境目部分に切込んだ剥離用カッタ8により、分割片CのカバーゴムR1と接着ゴム層Lとが剥離される。剥離されたカバーゴムR1は、連結バー10と取付バー12との間を抜けて装置本体2の外へ送り出される。 次に第2段階として、図4に示すように、剥離用カッタ8の後側にあるコード剥離手段15の剥離用鋼線11により、接着ゴム層LとスチールコードSとが剥離される。これは装置本体2の移動に伴って剥離用鋼線11が引張られることにより、剥離用鋼線11のスチールコードSに巻付けた部分が、スチールコードSに沿ってスライドし、周りのゴムをカットするカッタのような働きをするからである。
【0042】
このように装置本体2は、移動方向の前方ではカバーゴムR1の剥離を行い、後方では接着ゴム層LとスチールコードSとの剥離を行うというように、2つの剥離作業を同時に行いならが移動しているのである。
【0043】
装置本体2を、ジョイント部Jの長さに応じた距離を移動させた後、剥離したカバーゴムR1をカットして取除く。必要であれば残った接着ゴム層Lと下面のカバーゴムR2とをカットして取り除く。
【0044】
上述のような作業を各分割片Cに対して行い、ジョイント部JのカバーゴムR1,R2を全て除去するとともに、ジョイント部Jの全スチールコードSを露出させる。
【0045】
STベルトが、カバーゴムと接着ゴム層との間に、補強用の帆布などを配してブレーカー層が設けられている場合には、このブレーカー層と接着ゴム層との間に、剥離用カッタの刃先が位置するように案内用側板5を調整し、接着ゴム層から、ブレーカー層とカバーゴムとを一緒に剥離するようにしても良い。
【0046】
なお、本実施例ではSTベルト側を固定した状態で、本体装置を移動させているが、それとは反対に、本体装置を固定しSTベルト側を移動させるようにして、剥離作業を行うこともできる。このようにすれば、本体装置を持ち運びし易いように小型化しなくても良く、両案内用側板の間隔を広げることができるので、幅の広いSTベルトのジョイント部を分割することなく剥離作業を行える剥離装置とすることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法を用いれば、
1)作業者が熟練者でなくとも、ジョイント部のカバーゴムの剥離を簡単に行うことができ、しかも、同時に接着ゴム層からスチールコードを剥離することができるので、作業効率が向上し作業時間を大幅に短縮することができる。
【0048】
従って、特にジョイント箇所が多い場合には、作業時間を従来に比べてかなり短縮することができるので、大幅な経費の削減を図ることができる。また、作業者はナイフ等の刃物を持って作業しなくても良いため、作業の安全性の改善を図ることができる。
【0049】
本発明のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置を用いれば、
2)装置本体のベルト案内路にSTベルトのジョイント部を通し、ベルト長さ方向に移動させることにより、接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを行うことができるので、ナイフ等を使用する場合に比べて安全で、取扱いも非常に簡単である。しかも、これらの剥離作業を同時に行うことができるので作業効率が向上し、べルトのジョイントにかかる時間を短縮することができる。
【0050】
3)剥離用カッタを支持している案内用側板を上下に移動することで、簡単に剥離用カッタの高さ調整ができるので、様々な厚みのベルトに対して即座に対応することができ、作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかるスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置の実施例を示す平面図である。
【図3】本実施例の使用形態を示すベルト案内路方向の縦断面の概略図である。
【図4】図3におけるA部におけるスチールコードの剥離状態を示す説明図である。
【図5】STベルトの長さ方向から見た斜視図である(一部断面を含む)。
【図6】STベルトのジョイント部分を示す平面図である。
【図7】従来のジョイント作業における、ジョイント部のカバーゴムの剥離方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 剥離装置
2 装置本体
5 側板
8 剥離用カッタ
11 鋼線
12 取付バー
15 コード剥離手段
B STベルト
J ジョイント部
L 接着ゴム層
P ベルト案内路
R1 上面のカバーゴム
R2 下面のカバーゴム
S スチールコード
Claims (3)
- スチールコードベルトのジョイント作業において、ジョイント部の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを同時に行う剥離方法であって、
まず、前記ジョイント部のベルト先端部のカバーゴムをベルト全幅に渡って剥離するとともに、前記接着ゴム層から前記スチールコードのコード先端部分を露出させ、
前記ベルト先端部を、剥離用カッタと剥離用鋼線を有するコード剥離手段とを備え、ベルト長さ方向に移動する剥離装置本体のベルト案内路に通し、
前記剥離したカバーゴムと接着ゴム層との境目部分に、前記剥離用カッタの刃先を当接させるとともに、前記剥離用鋼線を露出した前記スチールコードの先端部分に巻付け、
その後、前記剥離用カッタの刃先が前記境目部分に切込む方向に、前記剥離装置本体または前記ジョイント部の少なくとも一方を移動することを特徴とするスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離方法。 - スチールコードベルトのジョイント作業において、ジョイント部の接着ゴム層とカバーゴムとの剥離と、前記接着ゴム層とスチールコードとの剥離とを同時に行う剥離装置であって、
この剥離装置は、前記接着ゴム層とカバーゴムとを剥離する剥離用カッタと、前記接着ゴム層とスチールコードとを剥離するコード剥離手段と、これらを支持しつつ、前記ジョイント部に案内されてベルト長さ方向に移動可能な装置本体を具備し、
この装置本体は、前記ジョイント部が通されるベルト案内路と、このベルト案内路の両側に設けられている一対の案内用側板とを有しており、
前記剥離用カッタは、刃先を前記装置本体の移動方向に向けるとともに、前記ベルト案内路内の前記ジョイント部の接着ゴム層上面に近接するように、前記一対の案内用側板に支持され、
前記コード剥離手段は、前記剥離用カッタの刃先より後側で、前記一対の案内用側板に支持されている鋼線取付具と、この鋼線取付具に繋止され前記スチールコードに巻付け可能な長さを有する剥離用鋼線とを備えていることを特徴とするスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置。 - 前記案内用側板が、前記装置本体に上下に移動可能に取付けられていることを特徴とする請求項2記載のスチールコードベルトのカバーゴムとスチールコードの剥離装置。
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JP2009280372A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Mitsubishi Electric Corp | 乗客用コンベアの移動手摺の製造方法および接続部加工装置 |
JP2011045936A (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-10 | Bridgestone Corp | コンベヤベルトのゴム質切裂装置およびゴム質切裂方法 |
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CN106003765A (zh) * | 2016-08-03 | 2016-10-12 | 兖州煤业股份有限公司 | 胶带接头钢丝绳快速分离机及其分离方法 |
KR101878099B1 (ko) * | 2017-04-21 | 2018-07-12 | 현대제철 주식회사 | 벨트컨베이어용 스틸와이어 제거장치 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030478A patent/JP2004238169A/ja active Pending
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