JP2004237988A - ラベル貼付機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラベルを、エア吸引により吸着保持し、エア噴出により飛ばして非貼付対象物に貼付するラベル貼付機において、ラベルの種類に適合した吸着シートおよび貼付方式が適用されるようにする手段を提供する。
【解決手段】供給されるラベルを吸着部により吸着保持し、吸着保持されたラベルを前記吸着部により被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、 ラベルを搭載するカセットと、該カセットに搭載されるラベルの種類を検知するラベル検知部と、吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートの種類を検知する吸着シート検知部と、前記ラベル検知部と前記吸着シート検知部における検知結果から、前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合しているか否かを判定する判定手段を備えた。
【選択図】 図2
【解決手段】供給されるラベルを吸着部により吸着保持し、吸着保持されたラベルを前記吸着部により被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、 ラベルを搭載するカセットと、該カセットに搭載されるラベルの種類を検知するラベル検知部と、吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートの種類を検知する吸着シート検知部と、前記ラベル検知部と前記吸着シート検知部における検知結果から、前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合しているか否かを判定する判定手段を備えた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラベルを商品に貼付するラベル貼付機に関する。
【0002】
【従来の技術】
商品にラベルを貼付するために、従来から、裏面に粘着剤が塗布されたラベルの表面を吸着プレートで一旦吸着保持した後、吸着エアの吸引を停止させるとともに、吸着プレートから逆にエアを噴出して、吸着プレートに対向配置された商品に向けてラベルを飛ばすようにしたラベル貼付機が採用されている。ここで、吸着プレートの下面に形成される吸着面には、ラベルを吸着保持または飛ばすためのエア吸引およびエア噴出を行うための複数個のエア孔が貫通形成されており、吸着プレートの上面には、バキューム装置およびエアコンプレッサ装置によりエアを吸引および噴出させる給排気部が接続されている。
【0003】
吸着プレートは、様々な大きさ・形状のラベルに対応できるように大きめに設定されており、吸着面全体にエア孔が配置されている。この吸着面にラベルを吸着保持させる場合、ラベルが接触しない部分のエア孔を閉鎖しておかなければ、そこからエア洩れして、安定的にラベルを吸着保持したり、飛ばしたりすることができない。そこで、吸着プレートの必要なエア孔は連通させるとともに、不要なエア孔は閉鎖させる透孔パターンを有する複数種類の吸着シートを予め用意し、ラベルの大きさ・形状に合わせて、吸着プレートと給排気部との間に挟み込むことにより取り付けることとしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、吸着プレートからエアを噴出することによりラベルを飛ばして非接触で商品に貼付する場合において、ラベルを保持吸着した吸着プレートを移動させずにエアを噴出してラベルを貼付するエアジェット方式と、ラベルを保持吸着した吸着プレートをシリンダーにより商品に接近させてからエアを噴出してラベルを貼付するシリンダジェット方式と呼ばれる2種類の貼付方式がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−119943号公報(第2頁、図11)
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吸着シートは、吸着プレートと給排気部の間に挟み込まれるために、ラベル貼付機に取り付けたままでは透孔パターンを目視することができない。ラベル貼付機から取り外して透孔パターンを目視できるようにしても吸着シートの種類を把握してラベルの種類に適合したものか否かを判断するには時間を要するとともに作業者が判断ミスする可能性がある。さらに、ラベルの種類変更の作業途中に作業者が交替した場合、ラベルの種類に適合する吸着シートへの交換作業が忘れられるおそれがある。したがって、吸着シートの交換・チェックに長時間を要したり、吸着シートの種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機を稼動させてラベルの貼付ミスを生じさせたりする場合があった。
【0006】
また、上述した2種類のラベル貼付方式のうち、エアジェット方式は高速生産が可能であるが、異形・小形のラベルに適用した場合に貼付精度を確保できないという問題がある一方、シリンダジェット方式は吸着プレートと商品を接近させるので貼付精度を確保しやすいが、シリンダーの作動時間が必要なため生産能力が低下するという問題があった。
【0007】
本願発明は、ラベルを、エア吸引により吸着保持し、エア噴出により飛ばして非貼付対象物に貼付するラベル貼付機において、ラベルの種類に適合した吸着シートおよび貼付方式が適用されるようにする手段を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、供給されるラベルを吸着部により吸着保持し、吸着保持されたラベルを前記吸着部により被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、
ラベルを搭載するカセットと、該カセットに搭載されるラベルの種類を検知するラベル検知部と、吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートの種類を検知する吸着シート検知部と、前記ラベル検知部と前記吸着シート検知部における検知結果から、前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合しているか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とするラベル貼付機を提供する。
【0009】
請求項1の発明によれば、下記の作用効果を奏する。カセットに搭載されるラベルと吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートが適合しているか否かを容易に判定可能であるため、吸着シートの交換・チェックを迅速かつ確実に行うことができ、吸着シートの種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機を稼動させる心配がない。
【0010】
請求項2の発明は、前記判定手段による判定結果を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラベル貼付機を提供する。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルと吸着シートが適合しているか否かの判定結果を報知する手段を設けたので、作業者に、吸着シートの種類間違いや交換忘れがあることを確実に知らせて貼付ミスを防止することができる。
【0012】
請求項3の発明は、前記判定手段により前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合していないと判定されたときは、ラベルの貼付作業を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のラベル貼付機を提供する。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルと吸着シートが適合していない場合には、ラベルの貼付作業を強制的に停止するので、ラベルの貼付ミスを生じさせるおそれがない。
【0014】
請求項4の発明は、前記吸着部に吸着保持されたラベルを吸着部からのエア噴出で被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、前記ラベル検知部および/または前記吸着シート検知部における検知結果に基づいて、前記吸着部を移動させないでエア噴出するか、前記吸着部を被貼付対象物に接近させてエア噴出するかを自動選択することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のラベル貼付機を提供する。
【0015】
請求項4の発明によれば、請求項1から3の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルの種類に応じて、エアジェット方式か、シリンダジェット方式かを選択して、生産の効率化を図るとともに貼付精度を確保することができる。また、ラベルの種類は自動的に検知され、その検知結果に基づいて、いずれかの方式を自動的に選択するので、作業者の負担を軽減することができる。
【0016】
請求項5の発明は、前記ラベル検知部および/または前記吸着シート検知部における検知結果に基づいて、前記吸着部によるエア噴出の時間を自動調整することを特徴とする請求項4に記載のラベル貼付機を提供する。
【0017】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルの種類に応じて、エア噴出の時間を自動調整するようにしたので、より良い貼付状態を得ることができる。また、不必要なエア消費を抑えることにより運転コストの削減を図ることができる。さらに、貼付のサイクルタイムが短縮化されて、生産の効率化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
【0019】
〔ラベル貼付機1の概要〕
図1は、本発明に係るラベル貼付機1が組み込まれたオートラベラー100を示した斜視図である。オートラベラー100は、パック包装された商品G(非貼付対象物)の上面に、商品名や価格等の商品情報が印字されたラベルを貼付する。前工程でパック包装が完了した商品Gは順次搬送されて、オートラベラー100に設けられたコンベア台101のコンベアベルト102上に載置される。コンベアベルト102は図1中の左から右へ連続的な送り運動をしており、載置された商品Gはコンベアベルト102の両サイドに設けられた搬送ガイド103により、幅方向の位置および姿勢を整えられつつ、搬送される。
【0020】
ラベル貼付機1は、主として、ラベル発行部2、ラベル発行部2に対して着脱自在のカセット3、ラベル貼付部4および制御部6(図8参照)からなる。ラベル貼付部4はラベル発行部2から供給された印字済みのラベルLを保持して、コンベアベルト102に送られてラベル貼付機1の下方を通過する商品Gの上面に押し付ける。ラベルLには、裏面に予め粘着剤が塗布されており、商品Gへの押し付けにより貼付される。商品Gは、搬送ガイド103により位置および姿勢が整えられているので、商品Gの上面の所定位置にラベルが貼付される。ラベルが貼付された商品Gは、さらにコンベアベルト102で次工程に搬送されて、パレット等に並べられる。なお、ラベル貼付機1は、さまざまな高さ寸法の商品へのラベル貼付に対応できるように、支柱ガイド105上をスライドして上下動するスライド支持部106に固定されている。
【0021】
図2は、ラベル貼付機1の全体を示す側面図である。ラベル貼付機1は、ラベル発行部2から供給される印字済みのラベルLの表面を、ラベル貼付部4に設けられる吸着部44により吸着保持し、吸着保持されたラベルLを吸着部44により商品Gに貼付する。
【0022】
〔ラベル発行部2〕
図3は、カセット3がラベル発行部2から取り外された状態を示す図であって、ラベル発行部2は、図中の左側に表されている。ラベル発行部2は、金属製の発行部筐体21で被われており、カセット3を着座固定させるように不図示のカセットロック機構を有してなる。ラベル発行部2には、カセットロック機構のほか、ラベル検知センサ22、ラベル駆動部23、印字部24およびアシストローラー部26が設けられている。なお、ラベルLの用紙は、予め裏面に粘着剤が塗布されるとともに帯状の台紙Dに所定間隔で剥離可能に固定されており、ロール状に巻かれてラベルロールRを形成している。
【0023】
ラベル検知センサ22は、複数個の検知センサ22a〜22eで構成され、発行部筐体21に設けられた開口窓を通して、カセット3に設けられる後述のラベル被検知部32に対向するように設けられている。ラベル検知センサ22は、ラベルLの種類(形状・大きさ)に対応してラベル被検知部32に装着される被検知プラグの装着パターン(ラベルID)を検知する。ラベル駆動部23は、カセット3に設けられたラベル供給部33を回転させて、ラベルロールRラベルLを印字部24へ繰り出させる駆動軸であって、不図示の電動モーターにより駆動させられる。
【0024】
印字部24は、ラベルLの表面に商品名や価格等の商品情報を印字して、印字済みのラベルLをラベル貼付部4に供給する。印字部24は、固定レバー241の操作により押し下げられるサーマルヘッド242と、サーマルヘッド242が押し付けられる印字ローラー243の間で、ラベルLに商品情報を印字しながら、ラベルLを台紙Dごと送り出す。固定レバー241の先端部に形成される固定フック241aは、図2に示されるように固定レバー241が押し下げ操作された状態で、印字ローラー243側に設けられた固定ピン243aに係合されて、サーマルヘッド242と印字ローラー243との間の押し付け状態を維持する。
【0025】
アシストローラー部26は、ラベルLが剥離された台紙Dについて、幅方向の位置を整えつつ巻き取り易い方向に案内する。アシストローラー部26は、固定アシストローラー261と、これに押し付けられる移動アシストローラー262からなり、移動アシストローラー262を支持するスライダー263がスライドレール264上をスライドすることにより押し付けおよび押し付けの解除がなされる。巻取り駆動部27は、ラベルLが剥離された台紙Dを巻き取るための駆動軸であって不図示の電動モーターにより駆動させられる。
【0026】
〔カセット3〕
カセット3は、樹脂製のカセット筐体31に、ラベル被検知部32、ラベル供給部33、カセットアシストローラー34、および台紙巻取り部37を備えてなり、ラベル発行部2に着脱自在に取り付けられる。カセット筐体31は、カセット本体部31aとこれに対して開閉自在に取り付けられる蓋部31bから構成される。カセット3は、交換されることにより様々な種類の商品Gの生産に対応できるように、予め異なる種類のラベルL(ラベルロールR)を搭載したものが準備されている。図3では、ラベルLとして、小さな楕円形状のラベルL1および大きな矩形状のラベルL2が表されており、図中の右上方に記載されるカセット3は、ラベルL1を幅狭の台紙D1に固定したラベルロールR1を搭載し、右下方に記載されるカセット3は、ラベルL2を幅広の台紙D2に固定したラベルロールR2を搭載する。
【0027】
ラベル被検知部32は、カセット3に搭載されるラベルLの種類を表示するラベルIDの表示部である。ラベルIDはカセット筐体31に形成される複数個の被検知プラグ取付孔32a〜32eに選択的に装着される被検知プラグの装着パターンとして表示される。ラベルL1が搭載されるカセット3のラベルIDは、被検知プラグ取付孔32c,32eに被検知プラグが装着されることにより表示され、ラベルL2が搭載されるカセット3のラベルIDは、被検知プラグ取付孔32a,32dに被検知プラグが装着されることにより表示される。カセット3は、5個の被検知プラグ取付孔を有しているため、被検知プラグの装着有無の組合わせで、32(2の5乗)種類のラベルIDを表示可能である。なお、ラベル被検知部32すなわち被検知プラグ取付孔32a〜32eは、カセット3の蓋部31bの開放により容易に目視できる位置に配置される。
【0028】
ラベル供給部33は、ラベルロールRを回転自在に支持して、カセット3がラベル発行部2に着座固定された状態でラベル駆動部23に嵌合して、ラベルLを印字部24へ送り出すように回転させられる。カセットアシストローラー34は、ラベルLを印字部24に送り込み易い方向に案内する。台紙巻取り部37は、カセット3がラベル発行部2に着座固定された状態で巻取り駆動部27に嵌合して、ラベルLが剥離された台紙Dを巻き取るように回転させられる。
【0029】
〔ラベル貼付部4〕
ラベル貼付部4は、ラベル発行部2から供給される印字済みのラベルLを吸着部44の吸着プレート49で負圧エアによる吸引で一旦吸着保持した後、吸着エアの吸引を停止させるとともに、吸着プレート49から逆にエアを噴出して、吸着プレート49に対向配置される商品GにラベルLを飛ばすことにより貼付するものである。ラベル貼付部4は、図2に示されるように、板金製の貼付部筐体41に被われ、ラベル発行部2に連結固定される。ラベル貼付部4は、主として、シリンダー機構42、給排気機構43、吸着部44、吸着センサ50(図6参照)および吸着シート検知センサ51を有してなる。シリンダー機構42は、貼付部筐体41にブラケット422で連結されるシリンダー本体421から突出するシリンダーロッド423の伸縮により、シリンダーロッド423の先端に連結される吸着部44を上下移動させる。これにより、吸着部44は、商品Gに対して接近および離間することができる。
【0030】
給排気機構43は、吸着部44へ供給される負圧エアおよび噴出エアを供給する供給源であって、エアを負圧吸引するバキューム装置431およびエアを噴出するコンプレッサ装置432を有してなる。バキューム装置431およびコンプレッサ装置432は、それぞれエア配管433および434に接続され、さらに両エア配管433,434が集合するエア配管435を介して、吸着部44の上部に取り付けられる後述の給排気ノズル451に接続される。エア配管433,434の途中部には電磁バルブ433a,434aが配設されている。電磁バルブ433a,434aの開閉により、吸着部44への負圧エアおよび圧縮エアの供給、供給の切替えおよび供給停止を行うことができる。
【0031】
吸着部44は、図4に示されるように、主として、給排気接続部45、吸着ベース部46、吸着シート47、吸着プレート49が上下に重ねられた状態で構成される。給排気接続部45は、通気孔452aを有する接続部本体452の上面に給排気ノズル451が固定されてなり、ガスケット453を介して吸着ベース部46に固定される。給排気ノズル451には、上述のとおり給排気機構43が接続される。
【0032】
吸着ベース部46は、固定ブラケット461、エア分散パネル462、エアータンク463、タンクカバー464およびガスケット465が上下に重ねられた状態で連結固定されてなる。固定ブラケット461は、給排気接続部45およびシリンダーロッド423を固定するためのブラケットである。エア分散パネル462は、固定ブラケット461とエアータンク463の間に介在して、エアータンク463を補強する。固定ブラケット461、エア分散パネル462およびエアータンク463の上面には、通気孔461a,462a,463aが相互に連通される位置に形成されている。エアータンク463の下面側は開口されており、その開口部を多数の通気孔464aを有するタンクカバー464で覆い、さらにその下側にガスケット465が取り付けられて上下に連通されている。なお、エア分散パネル462は、側辺部に形成された耳部462bが吸着ベース部46から外側方にはみ出しており、その下面側に雌型係合部材466が取り付けられている。
【0033】
吸着プレート49は、黒色の樹脂で形成される厚板であって、下面にラベルを吸着する平坦状の吸着面491が形成されており、吸着面491全体に吸着プレート49の上下面を連通する複数個の吸着孔49fが配置される。吸着プレート49は、側辺部に形成された耳部49bの上面側に雄型係合部材491が取り付けられており、固定ブラケット461に取り付けられた雌型係合部材466と係合および係合解除可能とされている。これにより、吸着ベース部46と吸着プレート49は開閉可能であり、その間に挟み込まれる吸着シート47を交換可能としている。なお、吸着プレート49は、様々な大きさ、形状のラベルに対応できるように、大きめに設定されている。
【0034】
吸着シート47には、吸着プレート49に吸着保持されるラベルLの大きさ・形状に合わせて透孔47fが形成されている。吸着シート47は、吸着面491に形成される吸着孔49fのうち、ラベルLが接触する部分は透孔47fにより給排気機構43と連通させる一方、ラベルLが接触しない部分は閉鎖して、給排気機構43との連通を遮断する。これにより、ラベルLが接触しない部分の吸着孔49fからのエア洩れが防止される一方、ラベルLが接触する部分の吸着孔49fによりラベルLを安定的に吸着保持および飛ばすことができる。吸着シート47は、具体的には、図5に示されるように形成される。図5(a)は、小さな楕円形状のラベルL1に対応するように透孔471fが形成された吸着シート471を示したものであり、図5(b)は、大きな矩形状のラベルL2に対応するように透孔472fが形成された吸着シート472を示したものである。
【0035】
吸着シート47には、吸着ベース部46と吸着プレート49の間に挟み込まれた状態で吸着部44の外側方にはみ出す耳部47bがあり、その耳部47bに吸着シート被検知部48が形成される。吸着シート被検知部48は、吸着シート47の種類(透孔47fの形状)を表示する吸着シートID表示部である。吸着シートIDは複数個の被検知プラグ取付孔48a〜48eに選択的に装着される被検知プラグの装着パターンとして表示される。図5に示されるように、ラベルL1に対応する吸着シート471の吸着シートIDは、被検知プラグ取付孔48c,48eに被検知プラグが装着されることにより表示され、ラベルL2に対応する吸着シート472の吸着シートIDは、被検知プラグ取付孔48a,48cに被検知プラグが装着されることにより表示されており、この被検知プラグの装着パターンは、カセット3のラベル被検知部32に表示されるラベルIDと一致させられている。被検知プラグ取付孔48a〜48eは、吸着部44の外側方にはみ出す耳部47bに形成されているので、吸着シート47が挟み込まれた状態でも、吸着シートIDを外部から容易に目視確認してラベルIDとの一致をチェックすることができるとともに、貼付部筐体41の外側に設けられた吸着シート検知センサ51による検知を行うことができる。
【0036】
吸着プレート49の吸着面491に対して斜め下方側から望む位置には、図6に示されるように、吸着センサ50が配設されている。吸着センサ50は、吸着プレート49にラベルLが吸着されているか否かを、吸着プレート49に吸着されるラベルLの裏面と吸着面491の色のコントラストにより検知する。
【0037】
吸着シート検知センサ51は、貼付部筐体41の外側に固定されており、吸着シート47に形成される吸着シート被検知部48に対向するように設けられている。吸着シート検知センサ51は、吸着シート47の種類に応じて吸着シート被検知部48に装着される被検知プラグの装着パターン(吸着シートID)を検知する。
【0038】
〔制御部6〕
制御部6には、ラベル検知センサ22、吸着シート検知センサ51、および吸着センサ50における検知結果、すなわちラベルID、吸着シートID、および吸着面491に対するラベルLの吸着有無の検知結果が自動的に入力される。
【0039】
制御部6は、上記各センサ22,51から入力される検知結果に基づいて、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLに適合するものであるか否かを判定する判定手段として機能し、判定結果の情報信号を自動的に出力して、モニター部62に出力表示させる。吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLの種類に適合していないと判定したときは、モニター部62への判定結果の出力表示に加えて、シリンダー機構42を停止させ、給排気機構43の電磁バルブ433a,434aを閉鎖させる制御信号を出力する。これにより、ラベルLの貼付作業が停止されて、ラベル種類違い等した不良品の発生を防ぐことができる。例えば、吸着シート検知センサ51で検知される吸着シートIDが、ラベルL1用の吸着シート471のものであって、ラベル検知センサ22で検知されるラベルIDが、ラベルL2のものである場合に、制御部6は停止の制御信号を出力する。作業者は、モニター部62の出力表示に従って適切な処置を講じ、操作パネル61に処置終了した旨を入力して貼付作業を再開させることができる。
【0040】
また、制御部6は、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、電磁バルブ433aおよび434aに制御信号を出力し、ラベルLを飛ばすために吸着孔49fからエアが噴出される時間を自動制御する。例えば、L1のように小さなラベルを飛ばすときは、噴出エアに巻き込まれてラベルL1の貼付位置にズレが生じないように、吸着孔49fからのエア噴出時間を短くし、L2のように大きなラベルを飛ばすときには、商品Gへの押し付け不足による貼付不良が生じないように、吸着孔49fからのエア噴出時間を短く設定する制御信号を出力する。ラベルの大小は、予め制御部6に記憶されているID情報に基づいて、ラベルIDおよび吸着シートIDから即時に判定される。
【0041】
さらに、制御部6は、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、シリンダー機構42に制御信号を出力し、エア噴出前のシリンダー機構42の作動を自動制御する。例えば、L1のように貼付位置のズレが生じやすい小さなラベルを飛ばすときは、ラベルL1の貼付精度を確保するために、シリンダーロッド423を伸長させることにより、吸着部44を商品Gに接近させてからエア噴出を行う制御信号を出力する。また、L2のように貼付位置のズレが生じ難い大きなラベルを飛ばすときには、生産の効率化を優先させて、シリンダーロッド423は短縮させたままで吸着部44を移動させずにエア噴出を行う制御信号を出力する。すなわち、ラベルL1の場合には、図7(a)に一点鎖線で示されるように、吸着部44を商品Gに接近させて(矢印A)から、エア噴出してラベルL1を飛ばし商品Gに貼付する(矢印B)。また、ラベルL2の場合には、図7(b)に示されるように、吸着部44を移動させないで、エア噴出してラベルL2を飛ばし商品Gに貼付する(矢印C)。
【0042】
制御部6は、上述のようにラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51の検知結果に基づく制御信号を出力するほか、吸着センサ50の検知結果に基づく制御信号も出力する。具体的には、エア噴出によるラベルLの貼付が行われる吸着センサ50により吸着面491にラベルLが吸着されていないことが検知された場合は、ラベル貼付機1を停止させる制御信号を出力して、モニター部62に異常があったことを出力表示する。これにより、ラベルLの貼付がなされていない不良品の発生を防ぐことができる。作業者は、モニター部62の出力表示に従って適切な処置を講じ、操作パネル61に処置終了した旨を入力して運転を再開させることができる。
【0043】
〔ラベル貼付機1の特徴点〕
上述のように構成されるラベル貼付機1は、下記の特徴点を有している。
【0044】
第1に、ラベル検知センサ22、吸着シート検知センサ51における検知結果から、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLに適合しているか否かを判定する判定手段としての制御部6を備えているという特徴点を有する。これにより、吸着シート47とラベルLが適合しているか否かを容易に判定出来るので、吸着シート47の交換・チェックを迅速かつ確実に行うことができる。その結果、作業者が吸着シート47とラベルLの適合性をチェックする負担が軽減される。また、吸着シート47の種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機1による貼付作業を行い、貼付ミスによる不良品の発生を防止できる。
【0045】
第2に、制御部6による、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLが適合しているか否かの判定結果は、モニター部62に表示されるという特徴点を有している。これにより、作業者に、吸着シート47の種類間違いや交換忘れがあることを確実に知らせて、貼付ミスによる不良品の発生を防止できる。
【0046】
第3に、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLに適合していない場合には、ラベルLの貼付作業を停止させるという特徴点を有している。ラベルの貼付作業を自動的に停止するので、吸着シート47の交換ミスによる不良品発生を完全に防止することができる。
【0047】
第4に、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、シリンダー機構42に制御信号を出力し、エア噴出前のシリンダー機構42の作動を自動制御するという特徴点を有している。具体的には、ラベルLが小さい場合には、シリンダー機構42を作動して吸着部44を商品Gに接近させたうえでエア噴出してラベルLを飛ばすシリンダジェット方式を選択し、ラベルLが大きい場合には、吸着部44を移動させないでエア噴出してラベルを飛ばすエアジェット方式を自動選択する。これにより、小さいラベルは商品Gに近い距離から飛ばされるので、噴出エアに巻き込まれて貼付位置がずれること等が防止され、大きいラベルはエアによる巻き込みの心配がなくシリンダー機構42を作動させないので、作業時間のロスを生じることが防止される。その結果、貼付精度の確保と生産の効率化を両立させることができる。また、センサによる検知結果から、いずれかの方式を自動的に選択するので、作業者の負担を軽減することができ、操作ミス等による不都合を回避することができる。
【0048】
第5に、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、給排気機構43に制御信号を出力して、エア噴出の時間を自動制御するという特徴点を有している。具体的には、ラベルLが小さい場合には、ラベルLを飛ばすためのエア噴出の時間を短くし、ラベルLが大きい場合には、ラベルLを飛ばすためのエア噴出の時間を長くするように、給排気機構43のコンプレッサ装置432に設けられる電磁バルブ434aの開放時間を自動調整する。これにより、小さいラベルでも噴出エアに巻き込まれて貼付位置がずれること等が防止され、大きいラベルは商品Gに対する押し付け不十分による貼付不良が防止される。また、エア噴出の時間を調整するだけであるから、エアの流量や圧力を調整するよりも制御し易く、装置の構造も簡単にすることができる。さらに、エア噴出の時間が必要最小限に止められることになるので、不必要なエア消費を抑えることにより給排気機構43の運転コストを削減することができるとともに、タイムロスの発生を抑えることにより生産の効率化を図ることができる。
【0049】
第6に、吸着プレート49にラベルLが吸着されているか否か検知するための吸着センサ50が、吸着プレート49側ではなく、吸着プレート49の吸着面491に対して斜め下方側から望む位置に配設されているという特徴点を有している。これにより、吸着プレート49に吸着センサ50の取付部を形成するために吸着孔491fの設置範囲が制限される事態を回避できる。その結果、小さなラベル面に対しても適切な配置の吸着孔491fを確保して、均等にエア噴出させるようにすることができ、高精度な貼付を実現することができる。また、ラベルの裏面(糊面)は単色であるため、ラベルの表面(印字面)のように印刷による色の濃淡がなく、センサによる検知ミスの発生が防止される。さらに、一般に、ラベルの裏面(糊面)は白色であり、黒色の吸着プレート49とのコントラストが高いため、安価なセンサを採用しても確実にラベルLの有無を検知できる。
【0050】
〔変形例〕
上記実施形態では、ラベルLの種類および吸着シート47の種類を、カセット3または吸着シート47の被検知プラグ取り付け孔に取り付けられる被検知プラグの装着パターンにより検知させるようにしたが、被検知対象として他のものを採用しても良い。例えば、被検知対象としてラベルLや吸着シート47の種類を示すバーコードや数字を設けるようにしても良いし、ラベルL自体の形状や台紙Dの幅、吸着シート47自体の形状等を被検知対象としても良い。
【0051】
上記実施形態では、貼付方式の自動選択あるいはエア噴出時間の自動調整を、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51における検知結果に基づいて行ったが、ラベル検知センサ22または吸着シート検知センサ51のいずれか一方における検知結果に基づいて行うようにしても良い。
【0052】
上記実施形態では、制御部6による吸着シートとラベルの適合性に関する判定結果をモニター部62に表示させるようにしたが、判定結果の報知手段として、点滅ランプ等の他の表示装置や、警告音を発生する音響装置を使用するようにしても良い。
【0053】
上記実施形態では、ラベルLの大小に基づいて、貼付方式をエアジェット方式およびシリンダジェット方式から選択したが、ラベルの形状やラベルが貼付される商品の表面の状態等、ラベルの種類の違いにより、貼付方式を選択するようにしても良い。例えば、細長状の異形ラベルを噴出エアにより貼付する場合、ラベルが飛ばされるときに噴出エアの巻き込みによりラベルが捩れて貼付不良を起こすことがあるため、大きいラベルでもシリンダジェット方式を選択して吸着部44を商品Gに接近させたうえでラベルを飛ばすように設定しても良い。これにより、捩れが発生する前にラベルが商品に定着するので、貼付不良の発生が防止される。
【0054】
また、例えば、ラベルが貼付される商品Gの表面に凹凸がある場合、ラベルが商品に沿いにくいケースがあるため、大きいラベルでもシリンダジェット方式を選択して吸着部44を商品Gに接近させたうえでラベルLを飛ばすように設定しても良い。これにより、商品Gに近い位置から噴出エアが当てられるため、ラベルLの商品Gに対する強い押し付け力が得られることにより、ラベルLが凹凸に確実に沿わされて、貼付不良の発生が防止される。
【0055】
上記実施形態では、ラベルLの大小に基づいて、エア噴出の時間を調整したが、ラベルLの形状やラベルLが貼付される商品Gの表面の状態により、ラベルの形状やラベルが貼付される商品の表面の状態等、ラベルの種類の違いにより、エアの噴出時間を調整するようにしても良い。例えば、細長状のラベルを貼付する場合は、飛ばされるときに噴出エアの巻き込みによりラベルが捩れて貼付不良を起こすことがあるため、ラベルサイズが大きいものであっても、エア噴出の時間を短くするように設定してもよい。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜5に記載された発明によれば、カセットに搭載されるラベルと吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートが適合しているか否かを容易に判定可能であるため、吸着シートの交換・チェックを迅速かつ確実に行うことができ、吸着シートの種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機を稼動させる心配がなく、作業者の負担が軽減されるとともにラベルの貼付不良が確実に防止されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るラベル貼付機が組み込まれたオートラベラーを示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るラベル貼付機の全体を示す側面図である。
【図3】カセットがラベル発行部から取り外された状態を示す図である。
【図4】吸着部を分解した様子を示す斜視図である。
【図5】吸着シートの例を示す図である。
【図6】吸着センサの配設状態を示す図である。
【図7】吸着部からラベルを飛ばす方式を説明する図であり、(a)はシリンダジェット方式、(b)はエアジェット方式を示したものである。
【図8】制御部6について説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 ラベル貼付機
2 ラベル発行部
3 カセット
4 ラベル貼付部
6 制御部(判定手段)
22 ラベル検知センサ(ラベル検知部)
44 吸着部
51 吸着シート検知センサ(吸着シート検知部)
62 モニター部(報知手段)
G 商品(被貼付対象物)
L ラベル
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラベルを商品に貼付するラベル貼付機に関する。
【0002】
【従来の技術】
商品にラベルを貼付するために、従来から、裏面に粘着剤が塗布されたラベルの表面を吸着プレートで一旦吸着保持した後、吸着エアの吸引を停止させるとともに、吸着プレートから逆にエアを噴出して、吸着プレートに対向配置された商品に向けてラベルを飛ばすようにしたラベル貼付機が採用されている。ここで、吸着プレートの下面に形成される吸着面には、ラベルを吸着保持または飛ばすためのエア吸引およびエア噴出を行うための複数個のエア孔が貫通形成されており、吸着プレートの上面には、バキューム装置およびエアコンプレッサ装置によりエアを吸引および噴出させる給排気部が接続されている。
【0003】
吸着プレートは、様々な大きさ・形状のラベルに対応できるように大きめに設定されており、吸着面全体にエア孔が配置されている。この吸着面にラベルを吸着保持させる場合、ラベルが接触しない部分のエア孔を閉鎖しておかなければ、そこからエア洩れして、安定的にラベルを吸着保持したり、飛ばしたりすることができない。そこで、吸着プレートの必要なエア孔は連通させるとともに、不要なエア孔は閉鎖させる透孔パターンを有する複数種類の吸着シートを予め用意し、ラベルの大きさ・形状に合わせて、吸着プレートと給排気部との間に挟み込むことにより取り付けることとしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、吸着プレートからエアを噴出することによりラベルを飛ばして非接触で商品に貼付する場合において、ラベルを保持吸着した吸着プレートを移動させずにエアを噴出してラベルを貼付するエアジェット方式と、ラベルを保持吸着した吸着プレートをシリンダーにより商品に接近させてからエアを噴出してラベルを貼付するシリンダジェット方式と呼ばれる2種類の貼付方式がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−119943号公報(第2頁、図11)
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吸着シートは、吸着プレートと給排気部の間に挟み込まれるために、ラベル貼付機に取り付けたままでは透孔パターンを目視することができない。ラベル貼付機から取り外して透孔パターンを目視できるようにしても吸着シートの種類を把握してラベルの種類に適合したものか否かを判断するには時間を要するとともに作業者が判断ミスする可能性がある。さらに、ラベルの種類変更の作業途中に作業者が交替した場合、ラベルの種類に適合する吸着シートへの交換作業が忘れられるおそれがある。したがって、吸着シートの交換・チェックに長時間を要したり、吸着シートの種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機を稼動させてラベルの貼付ミスを生じさせたりする場合があった。
【0006】
また、上述した2種類のラベル貼付方式のうち、エアジェット方式は高速生産が可能であるが、異形・小形のラベルに適用した場合に貼付精度を確保できないという問題がある一方、シリンダジェット方式は吸着プレートと商品を接近させるので貼付精度を確保しやすいが、シリンダーの作動時間が必要なため生産能力が低下するという問題があった。
【0007】
本願発明は、ラベルを、エア吸引により吸着保持し、エア噴出により飛ばして非貼付対象物に貼付するラベル貼付機において、ラベルの種類に適合した吸着シートおよび貼付方式が適用されるようにする手段を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、供給されるラベルを吸着部により吸着保持し、吸着保持されたラベルを前記吸着部により被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、
ラベルを搭載するカセットと、該カセットに搭載されるラベルの種類を検知するラベル検知部と、吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートの種類を検知する吸着シート検知部と、前記ラベル検知部と前記吸着シート検知部における検知結果から、前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合しているか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とするラベル貼付機を提供する。
【0009】
請求項1の発明によれば、下記の作用効果を奏する。カセットに搭載されるラベルと吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートが適合しているか否かを容易に判定可能であるため、吸着シートの交換・チェックを迅速かつ確実に行うことができ、吸着シートの種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機を稼動させる心配がない。
【0010】
請求項2の発明は、前記判定手段による判定結果を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラベル貼付機を提供する。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルと吸着シートが適合しているか否かの判定結果を報知する手段を設けたので、作業者に、吸着シートの種類間違いや交換忘れがあることを確実に知らせて貼付ミスを防止することができる。
【0012】
請求項3の発明は、前記判定手段により前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合していないと判定されたときは、ラベルの貼付作業を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のラベル貼付機を提供する。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルと吸着シートが適合していない場合には、ラベルの貼付作業を強制的に停止するので、ラベルの貼付ミスを生じさせるおそれがない。
【0014】
請求項4の発明は、前記吸着部に吸着保持されたラベルを吸着部からのエア噴出で被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、前記ラベル検知部および/または前記吸着シート検知部における検知結果に基づいて、前記吸着部を移動させないでエア噴出するか、前記吸着部を被貼付対象物に接近させてエア噴出するかを自動選択することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のラベル貼付機を提供する。
【0015】
請求項4の発明によれば、請求項1から3の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルの種類に応じて、エアジェット方式か、シリンダジェット方式かを選択して、生産の効率化を図るとともに貼付精度を確保することができる。また、ラベルの種類は自動的に検知され、その検知結果に基づいて、いずれかの方式を自動的に選択するので、作業者の負担を軽減することができる。
【0016】
請求項5の発明は、前記ラベル検知部および/または前記吸着シート検知部における検知結果に基づいて、前記吸着部によるエア噴出の時間を自動調整することを特徴とする請求項4に記載のラベル貼付機を提供する。
【0017】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の作用効果に加えて下記の作用効果を奏する。ラベルの種類に応じて、エア噴出の時間を自動調整するようにしたので、より良い貼付状態を得ることができる。また、不必要なエア消費を抑えることにより運転コストの削減を図ることができる。さらに、貼付のサイクルタイムが短縮化されて、生産の効率化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
【0019】
〔ラベル貼付機1の概要〕
図1は、本発明に係るラベル貼付機1が組み込まれたオートラベラー100を示した斜視図である。オートラベラー100は、パック包装された商品G(非貼付対象物)の上面に、商品名や価格等の商品情報が印字されたラベルを貼付する。前工程でパック包装が完了した商品Gは順次搬送されて、オートラベラー100に設けられたコンベア台101のコンベアベルト102上に載置される。コンベアベルト102は図1中の左から右へ連続的な送り運動をしており、載置された商品Gはコンベアベルト102の両サイドに設けられた搬送ガイド103により、幅方向の位置および姿勢を整えられつつ、搬送される。
【0020】
ラベル貼付機1は、主として、ラベル発行部2、ラベル発行部2に対して着脱自在のカセット3、ラベル貼付部4および制御部6(図8参照)からなる。ラベル貼付部4はラベル発行部2から供給された印字済みのラベルLを保持して、コンベアベルト102に送られてラベル貼付機1の下方を通過する商品Gの上面に押し付ける。ラベルLには、裏面に予め粘着剤が塗布されており、商品Gへの押し付けにより貼付される。商品Gは、搬送ガイド103により位置および姿勢が整えられているので、商品Gの上面の所定位置にラベルが貼付される。ラベルが貼付された商品Gは、さらにコンベアベルト102で次工程に搬送されて、パレット等に並べられる。なお、ラベル貼付機1は、さまざまな高さ寸法の商品へのラベル貼付に対応できるように、支柱ガイド105上をスライドして上下動するスライド支持部106に固定されている。
【0021】
図2は、ラベル貼付機1の全体を示す側面図である。ラベル貼付機1は、ラベル発行部2から供給される印字済みのラベルLの表面を、ラベル貼付部4に設けられる吸着部44により吸着保持し、吸着保持されたラベルLを吸着部44により商品Gに貼付する。
【0022】
〔ラベル発行部2〕
図3は、カセット3がラベル発行部2から取り外された状態を示す図であって、ラベル発行部2は、図中の左側に表されている。ラベル発行部2は、金属製の発行部筐体21で被われており、カセット3を着座固定させるように不図示のカセットロック機構を有してなる。ラベル発行部2には、カセットロック機構のほか、ラベル検知センサ22、ラベル駆動部23、印字部24およびアシストローラー部26が設けられている。なお、ラベルLの用紙は、予め裏面に粘着剤が塗布されるとともに帯状の台紙Dに所定間隔で剥離可能に固定されており、ロール状に巻かれてラベルロールRを形成している。
【0023】
ラベル検知センサ22は、複数個の検知センサ22a〜22eで構成され、発行部筐体21に設けられた開口窓を通して、カセット3に設けられる後述のラベル被検知部32に対向するように設けられている。ラベル検知センサ22は、ラベルLの種類(形状・大きさ)に対応してラベル被検知部32に装着される被検知プラグの装着パターン(ラベルID)を検知する。ラベル駆動部23は、カセット3に設けられたラベル供給部33を回転させて、ラベルロールRラベルLを印字部24へ繰り出させる駆動軸であって、不図示の電動モーターにより駆動させられる。
【0024】
印字部24は、ラベルLの表面に商品名や価格等の商品情報を印字して、印字済みのラベルLをラベル貼付部4に供給する。印字部24は、固定レバー241の操作により押し下げられるサーマルヘッド242と、サーマルヘッド242が押し付けられる印字ローラー243の間で、ラベルLに商品情報を印字しながら、ラベルLを台紙Dごと送り出す。固定レバー241の先端部に形成される固定フック241aは、図2に示されるように固定レバー241が押し下げ操作された状態で、印字ローラー243側に設けられた固定ピン243aに係合されて、サーマルヘッド242と印字ローラー243との間の押し付け状態を維持する。
【0025】
アシストローラー部26は、ラベルLが剥離された台紙Dについて、幅方向の位置を整えつつ巻き取り易い方向に案内する。アシストローラー部26は、固定アシストローラー261と、これに押し付けられる移動アシストローラー262からなり、移動アシストローラー262を支持するスライダー263がスライドレール264上をスライドすることにより押し付けおよび押し付けの解除がなされる。巻取り駆動部27は、ラベルLが剥離された台紙Dを巻き取るための駆動軸であって不図示の電動モーターにより駆動させられる。
【0026】
〔カセット3〕
カセット3は、樹脂製のカセット筐体31に、ラベル被検知部32、ラベル供給部33、カセットアシストローラー34、および台紙巻取り部37を備えてなり、ラベル発行部2に着脱自在に取り付けられる。カセット筐体31は、カセット本体部31aとこれに対して開閉自在に取り付けられる蓋部31bから構成される。カセット3は、交換されることにより様々な種類の商品Gの生産に対応できるように、予め異なる種類のラベルL(ラベルロールR)を搭載したものが準備されている。図3では、ラベルLとして、小さな楕円形状のラベルL1および大きな矩形状のラベルL2が表されており、図中の右上方に記載されるカセット3は、ラベルL1を幅狭の台紙D1に固定したラベルロールR1を搭載し、右下方に記載されるカセット3は、ラベルL2を幅広の台紙D2に固定したラベルロールR2を搭載する。
【0027】
ラベル被検知部32は、カセット3に搭載されるラベルLの種類を表示するラベルIDの表示部である。ラベルIDはカセット筐体31に形成される複数個の被検知プラグ取付孔32a〜32eに選択的に装着される被検知プラグの装着パターンとして表示される。ラベルL1が搭載されるカセット3のラベルIDは、被検知プラグ取付孔32c,32eに被検知プラグが装着されることにより表示され、ラベルL2が搭載されるカセット3のラベルIDは、被検知プラグ取付孔32a,32dに被検知プラグが装着されることにより表示される。カセット3は、5個の被検知プラグ取付孔を有しているため、被検知プラグの装着有無の組合わせで、32(2の5乗)種類のラベルIDを表示可能である。なお、ラベル被検知部32すなわち被検知プラグ取付孔32a〜32eは、カセット3の蓋部31bの開放により容易に目視できる位置に配置される。
【0028】
ラベル供給部33は、ラベルロールRを回転自在に支持して、カセット3がラベル発行部2に着座固定された状態でラベル駆動部23に嵌合して、ラベルLを印字部24へ送り出すように回転させられる。カセットアシストローラー34は、ラベルLを印字部24に送り込み易い方向に案内する。台紙巻取り部37は、カセット3がラベル発行部2に着座固定された状態で巻取り駆動部27に嵌合して、ラベルLが剥離された台紙Dを巻き取るように回転させられる。
【0029】
〔ラベル貼付部4〕
ラベル貼付部4は、ラベル発行部2から供給される印字済みのラベルLを吸着部44の吸着プレート49で負圧エアによる吸引で一旦吸着保持した後、吸着エアの吸引を停止させるとともに、吸着プレート49から逆にエアを噴出して、吸着プレート49に対向配置される商品GにラベルLを飛ばすことにより貼付するものである。ラベル貼付部4は、図2に示されるように、板金製の貼付部筐体41に被われ、ラベル発行部2に連結固定される。ラベル貼付部4は、主として、シリンダー機構42、給排気機構43、吸着部44、吸着センサ50(図6参照)および吸着シート検知センサ51を有してなる。シリンダー機構42は、貼付部筐体41にブラケット422で連結されるシリンダー本体421から突出するシリンダーロッド423の伸縮により、シリンダーロッド423の先端に連結される吸着部44を上下移動させる。これにより、吸着部44は、商品Gに対して接近および離間することができる。
【0030】
給排気機構43は、吸着部44へ供給される負圧エアおよび噴出エアを供給する供給源であって、エアを負圧吸引するバキューム装置431およびエアを噴出するコンプレッサ装置432を有してなる。バキューム装置431およびコンプレッサ装置432は、それぞれエア配管433および434に接続され、さらに両エア配管433,434が集合するエア配管435を介して、吸着部44の上部に取り付けられる後述の給排気ノズル451に接続される。エア配管433,434の途中部には電磁バルブ433a,434aが配設されている。電磁バルブ433a,434aの開閉により、吸着部44への負圧エアおよび圧縮エアの供給、供給の切替えおよび供給停止を行うことができる。
【0031】
吸着部44は、図4に示されるように、主として、給排気接続部45、吸着ベース部46、吸着シート47、吸着プレート49が上下に重ねられた状態で構成される。給排気接続部45は、通気孔452aを有する接続部本体452の上面に給排気ノズル451が固定されてなり、ガスケット453を介して吸着ベース部46に固定される。給排気ノズル451には、上述のとおり給排気機構43が接続される。
【0032】
吸着ベース部46は、固定ブラケット461、エア分散パネル462、エアータンク463、タンクカバー464およびガスケット465が上下に重ねられた状態で連結固定されてなる。固定ブラケット461は、給排気接続部45およびシリンダーロッド423を固定するためのブラケットである。エア分散パネル462は、固定ブラケット461とエアータンク463の間に介在して、エアータンク463を補強する。固定ブラケット461、エア分散パネル462およびエアータンク463の上面には、通気孔461a,462a,463aが相互に連通される位置に形成されている。エアータンク463の下面側は開口されており、その開口部を多数の通気孔464aを有するタンクカバー464で覆い、さらにその下側にガスケット465が取り付けられて上下に連通されている。なお、エア分散パネル462は、側辺部に形成された耳部462bが吸着ベース部46から外側方にはみ出しており、その下面側に雌型係合部材466が取り付けられている。
【0033】
吸着プレート49は、黒色の樹脂で形成される厚板であって、下面にラベルを吸着する平坦状の吸着面491が形成されており、吸着面491全体に吸着プレート49の上下面を連通する複数個の吸着孔49fが配置される。吸着プレート49は、側辺部に形成された耳部49bの上面側に雄型係合部材491が取り付けられており、固定ブラケット461に取り付けられた雌型係合部材466と係合および係合解除可能とされている。これにより、吸着ベース部46と吸着プレート49は開閉可能であり、その間に挟み込まれる吸着シート47を交換可能としている。なお、吸着プレート49は、様々な大きさ、形状のラベルに対応できるように、大きめに設定されている。
【0034】
吸着シート47には、吸着プレート49に吸着保持されるラベルLの大きさ・形状に合わせて透孔47fが形成されている。吸着シート47は、吸着面491に形成される吸着孔49fのうち、ラベルLが接触する部分は透孔47fにより給排気機構43と連通させる一方、ラベルLが接触しない部分は閉鎖して、給排気機構43との連通を遮断する。これにより、ラベルLが接触しない部分の吸着孔49fからのエア洩れが防止される一方、ラベルLが接触する部分の吸着孔49fによりラベルLを安定的に吸着保持および飛ばすことができる。吸着シート47は、具体的には、図5に示されるように形成される。図5(a)は、小さな楕円形状のラベルL1に対応するように透孔471fが形成された吸着シート471を示したものであり、図5(b)は、大きな矩形状のラベルL2に対応するように透孔472fが形成された吸着シート472を示したものである。
【0035】
吸着シート47には、吸着ベース部46と吸着プレート49の間に挟み込まれた状態で吸着部44の外側方にはみ出す耳部47bがあり、その耳部47bに吸着シート被検知部48が形成される。吸着シート被検知部48は、吸着シート47の種類(透孔47fの形状)を表示する吸着シートID表示部である。吸着シートIDは複数個の被検知プラグ取付孔48a〜48eに選択的に装着される被検知プラグの装着パターンとして表示される。図5に示されるように、ラベルL1に対応する吸着シート471の吸着シートIDは、被検知プラグ取付孔48c,48eに被検知プラグが装着されることにより表示され、ラベルL2に対応する吸着シート472の吸着シートIDは、被検知プラグ取付孔48a,48cに被検知プラグが装着されることにより表示されており、この被検知プラグの装着パターンは、カセット3のラベル被検知部32に表示されるラベルIDと一致させられている。被検知プラグ取付孔48a〜48eは、吸着部44の外側方にはみ出す耳部47bに形成されているので、吸着シート47が挟み込まれた状態でも、吸着シートIDを外部から容易に目視確認してラベルIDとの一致をチェックすることができるとともに、貼付部筐体41の外側に設けられた吸着シート検知センサ51による検知を行うことができる。
【0036】
吸着プレート49の吸着面491に対して斜め下方側から望む位置には、図6に示されるように、吸着センサ50が配設されている。吸着センサ50は、吸着プレート49にラベルLが吸着されているか否かを、吸着プレート49に吸着されるラベルLの裏面と吸着面491の色のコントラストにより検知する。
【0037】
吸着シート検知センサ51は、貼付部筐体41の外側に固定されており、吸着シート47に形成される吸着シート被検知部48に対向するように設けられている。吸着シート検知センサ51は、吸着シート47の種類に応じて吸着シート被検知部48に装着される被検知プラグの装着パターン(吸着シートID)を検知する。
【0038】
〔制御部6〕
制御部6には、ラベル検知センサ22、吸着シート検知センサ51、および吸着センサ50における検知結果、すなわちラベルID、吸着シートID、および吸着面491に対するラベルLの吸着有無の検知結果が自動的に入力される。
【0039】
制御部6は、上記各センサ22,51から入力される検知結果に基づいて、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLに適合するものであるか否かを判定する判定手段として機能し、判定結果の情報信号を自動的に出力して、モニター部62に出力表示させる。吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLの種類に適合していないと判定したときは、モニター部62への判定結果の出力表示に加えて、シリンダー機構42を停止させ、給排気機構43の電磁バルブ433a,434aを閉鎖させる制御信号を出力する。これにより、ラベルLの貼付作業が停止されて、ラベル種類違い等した不良品の発生を防ぐことができる。例えば、吸着シート検知センサ51で検知される吸着シートIDが、ラベルL1用の吸着シート471のものであって、ラベル検知センサ22で検知されるラベルIDが、ラベルL2のものである場合に、制御部6は停止の制御信号を出力する。作業者は、モニター部62の出力表示に従って適切な処置を講じ、操作パネル61に処置終了した旨を入力して貼付作業を再開させることができる。
【0040】
また、制御部6は、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、電磁バルブ433aおよび434aに制御信号を出力し、ラベルLを飛ばすために吸着孔49fからエアが噴出される時間を自動制御する。例えば、L1のように小さなラベルを飛ばすときは、噴出エアに巻き込まれてラベルL1の貼付位置にズレが生じないように、吸着孔49fからのエア噴出時間を短くし、L2のように大きなラベルを飛ばすときには、商品Gへの押し付け不足による貼付不良が生じないように、吸着孔49fからのエア噴出時間を短く設定する制御信号を出力する。ラベルの大小は、予め制御部6に記憶されているID情報に基づいて、ラベルIDおよび吸着シートIDから即時に判定される。
【0041】
さらに、制御部6は、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、シリンダー機構42に制御信号を出力し、エア噴出前のシリンダー機構42の作動を自動制御する。例えば、L1のように貼付位置のズレが生じやすい小さなラベルを飛ばすときは、ラベルL1の貼付精度を確保するために、シリンダーロッド423を伸長させることにより、吸着部44を商品Gに接近させてからエア噴出を行う制御信号を出力する。また、L2のように貼付位置のズレが生じ難い大きなラベルを飛ばすときには、生産の効率化を優先させて、シリンダーロッド423は短縮させたままで吸着部44を移動させずにエア噴出を行う制御信号を出力する。すなわち、ラベルL1の場合には、図7(a)に一点鎖線で示されるように、吸着部44を商品Gに接近させて(矢印A)から、エア噴出してラベルL1を飛ばし商品Gに貼付する(矢印B)。また、ラベルL2の場合には、図7(b)に示されるように、吸着部44を移動させないで、エア噴出してラベルL2を飛ばし商品Gに貼付する(矢印C)。
【0042】
制御部6は、上述のようにラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51の検知結果に基づく制御信号を出力するほか、吸着センサ50の検知結果に基づく制御信号も出力する。具体的には、エア噴出によるラベルLの貼付が行われる吸着センサ50により吸着面491にラベルLが吸着されていないことが検知された場合は、ラベル貼付機1を停止させる制御信号を出力して、モニター部62に異常があったことを出力表示する。これにより、ラベルLの貼付がなされていない不良品の発生を防ぐことができる。作業者は、モニター部62の出力表示に従って適切な処置を講じ、操作パネル61に処置終了した旨を入力して運転を再開させることができる。
【0043】
〔ラベル貼付機1の特徴点〕
上述のように構成されるラベル貼付機1は、下記の特徴点を有している。
【0044】
第1に、ラベル検知センサ22、吸着シート検知センサ51における検知結果から、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLに適合しているか否かを判定する判定手段としての制御部6を備えているという特徴点を有する。これにより、吸着シート47とラベルLが適合しているか否かを容易に判定出来るので、吸着シート47の交換・チェックを迅速かつ確実に行うことができる。その結果、作業者が吸着シート47とラベルLの適合性をチェックする負担が軽減される。また、吸着シート47の種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機1による貼付作業を行い、貼付ミスによる不良品の発生を防止できる。
【0045】
第2に、制御部6による、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLが適合しているか否かの判定結果は、モニター部62に表示されるという特徴点を有している。これにより、作業者に、吸着シート47の種類間違いや交換忘れがあることを確実に知らせて、貼付ミスによる不良品の発生を防止できる。
【0046】
第3に、吸着シート47がカセット3に搭載されるラベルLに適合していない場合には、ラベルLの貼付作業を停止させるという特徴点を有している。ラベルの貼付作業を自動的に停止するので、吸着シート47の交換ミスによる不良品発生を完全に防止することができる。
【0047】
第4に、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、シリンダー機構42に制御信号を出力し、エア噴出前のシリンダー機構42の作動を自動制御するという特徴点を有している。具体的には、ラベルLが小さい場合には、シリンダー機構42を作動して吸着部44を商品Gに接近させたうえでエア噴出してラベルLを飛ばすシリンダジェット方式を選択し、ラベルLが大きい場合には、吸着部44を移動させないでエア噴出してラベルを飛ばすエアジェット方式を自動選択する。これにより、小さいラベルは商品Gに近い距離から飛ばされるので、噴出エアに巻き込まれて貼付位置がずれること等が防止され、大きいラベルはエアによる巻き込みの心配がなくシリンダー機構42を作動させないので、作業時間のロスを生じることが防止される。その結果、貼付精度の確保と生産の効率化を両立させることができる。また、センサによる検知結果から、いずれかの方式を自動的に選択するので、作業者の負担を軽減することができ、操作ミス等による不都合を回避することができる。
【0048】
第5に、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51で検知されるラベルLの種類に基づいて、給排気機構43に制御信号を出力して、エア噴出の時間を自動制御するという特徴点を有している。具体的には、ラベルLが小さい場合には、ラベルLを飛ばすためのエア噴出の時間を短くし、ラベルLが大きい場合には、ラベルLを飛ばすためのエア噴出の時間を長くするように、給排気機構43のコンプレッサ装置432に設けられる電磁バルブ434aの開放時間を自動調整する。これにより、小さいラベルでも噴出エアに巻き込まれて貼付位置がずれること等が防止され、大きいラベルは商品Gに対する押し付け不十分による貼付不良が防止される。また、エア噴出の時間を調整するだけであるから、エアの流量や圧力を調整するよりも制御し易く、装置の構造も簡単にすることができる。さらに、エア噴出の時間が必要最小限に止められることになるので、不必要なエア消費を抑えることにより給排気機構43の運転コストを削減することができるとともに、タイムロスの発生を抑えることにより生産の効率化を図ることができる。
【0049】
第6に、吸着プレート49にラベルLが吸着されているか否か検知するための吸着センサ50が、吸着プレート49側ではなく、吸着プレート49の吸着面491に対して斜め下方側から望む位置に配設されているという特徴点を有している。これにより、吸着プレート49に吸着センサ50の取付部を形成するために吸着孔491fの設置範囲が制限される事態を回避できる。その結果、小さなラベル面に対しても適切な配置の吸着孔491fを確保して、均等にエア噴出させるようにすることができ、高精度な貼付を実現することができる。また、ラベルの裏面(糊面)は単色であるため、ラベルの表面(印字面)のように印刷による色の濃淡がなく、センサによる検知ミスの発生が防止される。さらに、一般に、ラベルの裏面(糊面)は白色であり、黒色の吸着プレート49とのコントラストが高いため、安価なセンサを採用しても確実にラベルLの有無を検知できる。
【0050】
〔変形例〕
上記実施形態では、ラベルLの種類および吸着シート47の種類を、カセット3または吸着シート47の被検知プラグ取り付け孔に取り付けられる被検知プラグの装着パターンにより検知させるようにしたが、被検知対象として他のものを採用しても良い。例えば、被検知対象としてラベルLや吸着シート47の種類を示すバーコードや数字を設けるようにしても良いし、ラベルL自体の形状や台紙Dの幅、吸着シート47自体の形状等を被検知対象としても良い。
【0051】
上記実施形態では、貼付方式の自動選択あるいはエア噴出時間の自動調整を、ラベル検知センサ22および吸着シート検知センサ51における検知結果に基づいて行ったが、ラベル検知センサ22または吸着シート検知センサ51のいずれか一方における検知結果に基づいて行うようにしても良い。
【0052】
上記実施形態では、制御部6による吸着シートとラベルの適合性に関する判定結果をモニター部62に表示させるようにしたが、判定結果の報知手段として、点滅ランプ等の他の表示装置や、警告音を発生する音響装置を使用するようにしても良い。
【0053】
上記実施形態では、ラベルLの大小に基づいて、貼付方式をエアジェット方式およびシリンダジェット方式から選択したが、ラベルの形状やラベルが貼付される商品の表面の状態等、ラベルの種類の違いにより、貼付方式を選択するようにしても良い。例えば、細長状の異形ラベルを噴出エアにより貼付する場合、ラベルが飛ばされるときに噴出エアの巻き込みによりラベルが捩れて貼付不良を起こすことがあるため、大きいラベルでもシリンダジェット方式を選択して吸着部44を商品Gに接近させたうえでラベルを飛ばすように設定しても良い。これにより、捩れが発生する前にラベルが商品に定着するので、貼付不良の発生が防止される。
【0054】
また、例えば、ラベルが貼付される商品Gの表面に凹凸がある場合、ラベルが商品に沿いにくいケースがあるため、大きいラベルでもシリンダジェット方式を選択して吸着部44を商品Gに接近させたうえでラベルLを飛ばすように設定しても良い。これにより、商品Gに近い位置から噴出エアが当てられるため、ラベルLの商品Gに対する強い押し付け力が得られることにより、ラベルLが凹凸に確実に沿わされて、貼付不良の発生が防止される。
【0055】
上記実施形態では、ラベルLの大小に基づいて、エア噴出の時間を調整したが、ラベルLの形状やラベルLが貼付される商品Gの表面の状態により、ラベルの形状やラベルが貼付される商品の表面の状態等、ラベルの種類の違いにより、エアの噴出時間を調整するようにしても良い。例えば、細長状のラベルを貼付する場合は、飛ばされるときに噴出エアの巻き込みによりラベルが捩れて貼付不良を起こすことがあるため、ラベルサイズが大きいものであっても、エア噴出の時間を短くするように設定してもよい。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜5に記載された発明によれば、カセットに搭載されるラベルと吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートが適合しているか否かを容易に判定可能であるため、吸着シートの交換・チェックを迅速かつ確実に行うことができ、吸着シートの種類間違いや交換忘れを見過ごしてラベル貼付機を稼動させる心配がなく、作業者の負担が軽減されるとともにラベルの貼付不良が確実に防止されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るラベル貼付機が組み込まれたオートラベラーを示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るラベル貼付機の全体を示す側面図である。
【図3】カセットがラベル発行部から取り外された状態を示す図である。
【図4】吸着部を分解した様子を示す斜視図である。
【図5】吸着シートの例を示す図である。
【図6】吸着センサの配設状態を示す図である。
【図7】吸着部からラベルを飛ばす方式を説明する図であり、(a)はシリンダジェット方式、(b)はエアジェット方式を示したものである。
【図8】制御部6について説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 ラベル貼付機
2 ラベル発行部
3 カセット
4 ラベル貼付部
6 制御部(判定手段)
22 ラベル検知センサ(ラベル検知部)
44 吸着部
51 吸着シート検知センサ(吸着シート検知部)
62 モニター部(報知手段)
G 商品(被貼付対象物)
L ラベル
Claims (5)
- 供給されるラベルを吸着部により吸着保持し、吸着保持されたラベルを前記吸着部により被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、
ラベルを搭載するカセットと、
該カセットに搭載されるラベルの種類を検知するラベル検知部と、
吸着部に交換可能に取り付けられる吸着シートの種類を検知する吸着シート検知部と、
前記ラベル検知部と前記吸着シート検知部における検知結果から、前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合しているか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とするラベル貼付機。 - 前記判定手段による判定結果を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラベル貼付機。
- 前記判定手段により前記吸着シートが前記カセットに搭載されるラベルに適合していないと判定されたときは、ラベルの貼付作業を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のラベル貼付機。
- 前記吸着部に吸着保持されたラベルを吸着部からのエア噴出で被貼付対象物に貼付するラベル貼付機であって、
前記ラベル検知部および/または前記吸着シート検知部における検知結果に基づいて、前記吸着部を移動させないでエア噴出するか、前記吸着部を被貼付対象物に接近させてエア噴出するかを自動選択することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のラベル貼付機。 - 前記ラベル検知部および/または前記吸着シート検知部における検知結果に基づいて、前記吸着部によるエア噴出の時間を自動調整することを特徴とする請求項4に記載のラベル貼付機。
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