JP2004237969A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】サブフレームの後端部を前方荷重の入力初期から後方移動させることにより、フロントサイドメンバへの荷重入力を持続させて軸圧潰によるエネルギー吸収効率を高められる車体前部構造の提供を図る。
【解決手段】サブフレーム14の後端部14dを車体前部骨格メンバ13に連結した後方連結部17に、前方荷重Fの入力初期からサブフレーム14の後方移動を許容する初期移動許容手段20を設けることにより、車体前方から前方荷重Fが入力されると、サブフレーム14の後端部14dは、初期移動許容手段20によって前方荷重Fの入力初期からサブフレーム14の後方移動を許容して、サブフレーム14が大きな障害となることなくフロントサイドメンバ10に衝突荷重Fを入力初期から持続して作用させることができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体前部構造に関し、とりわけ、パワーユニットを搭載するサブフレームを備えた車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車体前部構造としては、衝突等の過大荷重が車体前方から入力された場合に、フロントサイドメンバの軸圧潰により、その衝突エネルギーの大部分を吸収する手法が一般に採られるが、パワーユニットを搭載したサブフレームがフロントサイドメンバを含めた車体前部骨格メンバの下側に結合している場合、このサブフレームによってフロントサイドメンバの軸圧潰が阻害されるため、サブフレームに各種工夫を施してフロントサイドメンバの軸圧潰を促進することになる。
【0003】
例えば、サブフレームの後端部と車体前部骨格メンバとの連結部に、サブフレームの変形が限度に達した後に、サブフレームの後端部を後方移動させる易変形手段を設けて、サブフレームが変形して路面に接触して変形の限度に達した後にサブフレームの後端部を後方移動させて、フロントサイドメンバの軸圧潰を促すようになっている(特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−160664号公報(第5頁、第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車体前部構造では、衝突初期にサブフレームが屈曲変形して、この変形が限度に達した後にサブフレームの後端部を易変形手段によって後方移動させることになるため、衝突荷重は衝突初期にフロントサイドメンバに入力した後にサブフレームの屈曲変形に費やされるため、フロントサイドメンバへの荷重入力が持続しなくなって、このフロントサイドメンバの軸圧潰によるエネルギー吸収効果を十分に活用できなくなる可能性がある。
【0006】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、サブフレームの後端部を前方荷重の入力初期から後方移動させることにより、フロントサイドメンバへの荷重入力を持続させて軸圧潰によるエネルギー吸収効率を高められる車体前部構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の車体前部構造にあっては、車体前部の車幅方向両側に車体前後方向に延在配置されて、車体前方から入力される所定値以上の衝突荷重により軸圧潰されるフロントサイドメンバと、これら両フロントサイドメンバの前端に跨って結合したファーストクロスメンバ等とによって車体前部骨格メンバを構成し、この車体前部骨格メンバの下側に、パワーユニットを搭載するサブフレームの前後両端部を連結してあり、前記サブフレームの後端部を車体前部骨格メンバに連結した後方連結部には、前記衝突荷重の入力初期からサブフレームの後方移動を許容する初期移動許容手段を設けたことを特徴としている。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、車体前方から衝突荷重が入力すると、サブフレームの後端部は、このサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段によって、前記衝突荷重の入力初期からサブフレームの後方移動が許容されるため、サブフレームが大きな障害となることなくフロントサイドメンバに衝突荷重を入力初期から持続して作用させ、もって、このフロントサイドメンバに軸圧潰を効率良く発生させて荷重エネルギーの吸収効果を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0010】
図1〜図11は本発明にかかる車体前部構造の一実施形態を示し、図1は車体全体構造の斜視図、図2は車体前部骨格メンバ部分の配置構成の要部を示す分解斜視図、図3は車体前部骨格メンバ部分の結合状態の要部を示す斜視図、図4は車体前部骨格メンバ部分の要部を示す側面図、図5はサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段を示す分解斜視図、図6は初期移動許容手段の変形前の状態を示す斜視図、図7は初期移動許容手段の変形途中の斜視図、図8は初期移動許容手段の変形終了後の斜視図、図9は車体前部骨格メンバ部分の衝突時の作動状態を示す側面図、図10は初期移動許容手段の衝突後の作動状態を示す要部側面図、図11はフロントサイドメンバの変位と入力荷重の関係をグラフによって従来と比較して示す説明図である。
【0011】
この第1実施形態の車体前部構造は、図1に示すように車体1の前部、つまり、後述するエンジンやモータ等のパワーユニットを収納するフロントコンパートメント2はダッシュパネル3によって車室4と隔成される。
【0012】
フロントコンパートメント2の車幅方向両側には、図2に示すように車幅方向両側に前後方向に延在して1対のフロントサイドメンバ10(便宜上、図中片側のみを示す)が配置され、両フロントサイドメンバ10の前端に跨ってファーストクロスメンバ11が結合されている。
【0013】
また、前記フロントサイドメンバ10は、ダッシュパネル3に至る部分で傾斜部分10aをもって下方に屈曲し、この屈曲した先が車体フロア5(図1参照)下側の両側に配置されるエクステンションサイドメンバ12となっており、これらフロントサイドメンバ10とファーストクロスメンバ11およびエクステンションサイドメンバ12の前端部とによって車体前部骨格メンバ13を構成している。
【0014】
車体前部骨格メンバ13の下側には、前記フロントサイドメンバ10および前記ファーストクロスメンバ11に略沿った形状でサブフレーム14を配置してある。
【0015】
サブフレーム14は、ファーストクロスメンバ11に沿った前端連結部14aと、フロントサイドメンバ10に沿った左右1対のフレーム本体部分14bとによって平面視で略コ字状に形成され、この1対のフレーム本体部分14bは、図3,図4に示すようにその前端部14cがファーストクロスメンバ11の両端部下面に連結されるとともに、その後端部14dがフロントサイドメンバ10に連なる前記エクステンションサイドメンバ12の前端部に連結される。
【0016】
前記1対のフレーム本体部分14bは、折曲部14eをもって前後方向の中間部分14fが下方に落ち込む形状で折曲され、その落ち込んだ中間部分14f間にパワーユニットPが図外のマウント部材を介して搭載される。
【0017】
また、前記エクステンションサイドメンバ12の車幅方向外方には、図2,図3に示すようにサイドシル15が位置しており、このサイドシル15の前端部には上方に連続して立ち上がるフロントピラー16を設けてある。
【0018】
そして、このように構成された車体前部構造では、前記フロントサイドメンバ10が閉断面構造として形成され、車両前方から入力される所定値以上の衝突荷重F(図3参照)により、軸方向に潰れ変形、つまり軸圧潰可能となっており、この軸圧潰により衝突荷重Fのエネルギーを吸収できるようになっている。
【0019】
ここで、本実施形態は図4,図5に示すように、サブフレーム14の後端部、つまり、フレーム本体部分14bの後端部14dを車体前部骨格メンバを構成するエクステンションサイドメンバ12の前端部に連結した後方連結部17に、前記衝突荷重Fの入力初期からサブフレーム14の後方移動を許容する初期移動許容手段20を設けてある。
【0020】
初期移動許容手段20は、サブフレーム14の後端部14dを前記エクステンションサイドメンバ12の前端部に連結する締結部材としての取付ボルト18に対して、所要の移動抵抗をもってサブフレーム14の後端部14dを後方移動させる後方移動部21として構成してある。
【0021】
即ち、前記後方連結部17は、エクステンションサイドメンバ12の前端部から垂設した取付部19の下面に前記取付ボルト18を植設してあり、この取付ボルト18をサブフレーム14の後端部14dに貫通してナット18a止めするようになっている。
【0022】
前記後方移動部21は、前記取付ボルト18を貫通する前後長穴22と、サブフレーム14の後端部14dの上面に前後長穴22をその後部を残して覆って取り付けた上側抵抗部材としての上側プレート23と、後端部14dの下面に前後長穴22をその後部を残して覆って取り付けた下側抵抗部材としての下側プレート24と、によって構成してある。
【0023】
そして、衝突荷重Fが入力した際に、サブフレーム14の後端部14dは前後長穴22と取付ボルト18の相対移動を伴って後方移動できるようになっており、このとき、上側プレート23および下側プレート24は、図7,図8に示すように取付ボルト18にしごかれるようにして変形される。
【0024】
従って、上側プレート23および下側プレート24は、取付ボルト18によるしごき変形が可能となるようにそれぞれの厚さtが決定され、これら上側プレート23および下側プレート24がしごき変形されることにより、サブフレーム14の後端部14dが後方移動する際の移動抵抗となり、この移動抵抗により初期移動許容手段20が作動する入力荷重Fの大きさを決定することができる。
【0025】
また、この実施形態では上側プレート23と下側プレート24との間には、それぞれの移動抵抗値を、上側プレート23が下側プレート24よりも相対的に大きくなる移動抵抗差部分25を設けてある。
【0026】
この場合、前記移動抵抗差部分25は、上側プレート23の前方部分、つまり取付ボルト18に当接した後端23aから前方に向かって所定距離Lだけ移動した位置Kから前方に、補強部分としての厚肉部分26を設けることにより形成される。尚、下側プレート24は全体に亘って前記上側プレート23の後側部分と略同一の均一厚さの平板として形成してある。
【0027】
そして、前記厚肉部分26は、その形成位置Kを、衝突荷重Fの入力により後退するパワーユニットPがダッシュパネル3に干渉する手前近傍に対応した位置に設定してある。
【0028】
つまり、前記形成位置Kまでの距離Lは、図9に示すようにフロントサイドメンバ10の前端からパワーユニットPまでの潰れストロークa1と、パワーユニットPからダッシュパネル3までの潰れストロークa2とを考慮して、潰れストロークa2よりも僅かに短い寸法となっている。
【0029】
従って、衝突荷重Fによりフロントサイドメンバ10の前端部が軸圧潰しつつパワーユニットPが後退して、このパワーユニットPがダッシュパネル3に干渉する手前で、前記厚肉部分26が取付ボルト18に突き当たることになる。
【0030】
以上の構成により本実施形態の車体前部構造にあっては、車両が前面衝突した場合等にあって車体前方から衝突荷重Fが入力されると、この衝突荷重Fは、ファーストクロスメンバ11からフロントサイドメンバ10に入力して、図9に示すようにこのフロントサイドメンバ10の前端部を軸圧潰しつつ、サブフレーム14の前端部14cにも入力する。
【0031】
サブフレーム14に入力した衝突荷重Fは、フレーム本体部分14bを介して後端部14dの初期移動許容手段20に入力され、取付ボルト18が上側プレート23および下側プレート24をしごき変形させつつ、サブフレーム14がパワーユニットPとともに全体的に後方移動する。
【0032】
従って、衝突荷重Fの入力初期からサブフレーム14の後方移動が許容されるため、サブフレーム14が大きな障害となることなく、図11中実線の特性Aに示すように、フロントサイドメンバ10に衝突荷重Fを入力初期から持続して作用させることができるようになり、同図中破線に示す従来の特性Bに比較して、それぞれの特性の積分値として得られる衝突エネルギーの吸収量を大幅に増大することができる。
【0033】
ところで、この第1実施形態では前記作用効果に加えて、初期移動許容手段20を、サブフレーム14の後端部14dを車体前部骨格メンバ13に連結する取付ボルト18に対して、所要の移動抵抗をもってサブフレーム14の後端部を後方移動させる後方移動部21としたので、この後方移動部21は、少なくとも取付ボルト18と前記後端部14dを前後方向に相対移動させる前後長穴22を形成すればよく、その構成を簡素化できるとともに、サブフレーム14をその後端部14dで後方移動させることにより、フロントサイドメンバ10の軸圧潰代を余裕をもって大きく取ることができ、その軸圧潰を容易にする。
【0034】
また、前記後方移動部21は、サブフレーム14の上下側に配置した上側プレート23と下側プレート24との間に、それぞれが取付ボルト18によってしごき変形される際の移動抵抗値、つまり変形力を上側プレート23が下側プレート24よりも相対的に大きくなる移動抵抗差部分25を設けたので、図6に示す非衝突状態から衝突荷重Fが入力された後、図7に示すように上側プレート23および下側プレート24(同図には現れず)が同じ変形量でしごかれて行き、そして、そのしごき変形が移動抵抗差部分25の形成部分に至ると、図8に示すように上側プレート23の変形量が下側プレート24(同図には現れず)よりも減少し、図10にも示すようにサブフレーム14の後端部14dに図中反時計回り方向の曲げモーメントMが発生し、この後端部14dを前方が下方となる方向に傾斜させることができる。
【0035】
従って、この後端部14dの傾斜によってサブフレーム14の屈曲部14eを更に屈曲しつつ中間部分14fを下方に押し下げて、この中間部分14fに搭載したパワーユニットPを下降できるため、このパワーユニットPがダッシュパネル3に干渉するのを防止して、フロントサイドメンバ10の軸圧潰代を長く取ることができるとともに、キャビン変形を避けることができる。
【0036】
更に、前記移動抵抗差部分25は、その形成位置KをパワーユニットPがダッシュパネル3に干渉する手前近傍に対応する位置に設定したので、パワーユニットPがダッシュパネル3に干渉するまではサブフレーム14は車体後方に移動するため、衝突荷重Pをフロントサイドメンバ10に効率良く入力させて軸圧潰を促進し、衝突エネルギーの吸収効率を高める一方、パワーユニットPがダッシュパネル3に干渉する手前で図10に示すようにパワーユニットPを下降させて、ダッシュパネル3に干渉するのを避けることができ、衝突荷重Fのエネルギー吸収を最も効率良く吸収できる形態を取ることができる。
【0037】
更にまた、前記移動抵抗差部分25は、上側プレート23に形成した厚肉部分26としたので、その移動抵抗差部分25の構成を簡単にするとともに、移動抵抗差部分25を確実に作動させることができる。
【0038】
図12は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0039】
図12はサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段を示す分解斜視図で、この第2実施形態の移動抵抗差部分25aは、下側プレート24に脆弱部分としての複数本の横スリット27を形成することにより構成してある。
【0040】
勿論、この実施形態にあっても前記横スリット27の形成位置Kは、前記第1実施形態と同様に下側プレート24の後端24aから前方に所定距離Lだけ移動した位置に設定してあり、また、上側プレート23は全体に亘って均一厚さに形成してある。
【0041】
従って、この第2実施形態の車体前部構造にあっては、衝突荷重Fがサブフレーム14の後端部14dに作用すると、第1実施形態と同様に上側プレート23および下側プレート24をしごき変形させつつ、取付ボルト18と前後長穴22とが相対移動し、所定距離Lだけ移動した時点で下側プレート24は横スリット27で変形量が大きくなり、前記後端部14dを傾斜させることができるため、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
図13は前記第2実施形態の変形例を示す図12に対応した分解斜視図で、この変形例では、図12に示した複数本の横スリット27に代えて複数本の横溝28によって移動抵抗差部分25bを形成してある。
【0043】
横溝28は下方に開放されており、前記横スリット27と同様に脆弱部分として機能し、前記第2実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0044】
図14は本発明の第3実施形態を示し、前記第1,第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0045】
図14はサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段を示す分解斜視図で、この第3実施形態の車体前部構造では、上側プレート23および下側プレート24に後端23a,24aの幅方向中央部から前方に向かって切欠き溝29,30を形成し、下側プレート24の切欠き溝30の前端部に脆弱部としての幅広部30Aを形成することにより、初期移動許容手段25cを構成してある。
【0046】
勿論、前記切欠き溝29,30の溝幅Wは取付ボルト18の径よりも小さく形成される。
【0047】
また、この実施形態にあっても切欠き溝30に形成した幅広部30Aは、下側プレート24の後端24aから所定距離Lだけ前方に移動した位置Kから前方に形成してある。
【0048】
従って、この第3実施形態の車体前部構造にあっては、衝突荷重Fの入力によりサブフレーム14の後端部14dが後退する際に、取付ボルト18が上側プレート23および下側プレート24の切欠き溝29,30を押し広げつつ相対移動し、取付ボルト18が切欠き溝30の幅広部30Aに到達した時点で下側プレート24の変形力が減少するため、前記後端部14dを傾斜させることができ、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
図15〜図19は本発明の第4実施形態を示し、前記第1〜第3実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0050】
図15は車体前部骨格メンバ部分の要部を示す側面図、図16は後方連結部に設けた初期移動許容手段の斜視図、図17は初期移動許容手段の変形途中の斜視図、図18は車体前部骨格メンバ部分の衝突時の作動状態を示す側面図であり、この第4実施形態の車体前部構造では、図15に示すように車体前部骨格メンバ13に車体後方に向かって下方に傾斜する後退傾斜部40を設け、この後退傾斜部40に、サブフレーム14の後端部14dを連結する後方連結部17を配置してある。
【0051】
即ち、この第4実施形態にあっては、フロントサイドメンバ10から前記エクステンションサイドメンバ12に至る間に形成された傾斜部分10aを利用し、この傾斜部分10aにサブフレーム14の後端部を初期移動許容手段20を介して連結してある。
【0052】
前記傾斜部分10aは、エクステンションサイドメンバ12に連続するように断面矩形状の閉断面となっており、その下側面を前記後退傾斜部40として用い、図16に示すように、この後退傾斜部40のほぼ水平の平坦な頂部40aにサブフレーム14(図15参照)の後端部14dを結合する取付ボルト18の挿通孔41を形成してある。
【0053】
前記取付ボルト18には、図16,図17に示すように、後退傾斜部40の上面に係止する鍔部(ナットでもよい)18bを設けてある。
【0054】
初期移動許容手段20は、前記挿通孔41から連続して前記後退傾斜部40に車体後方かつ下方に延びる長穴42を所定長さL1に亘って形成してあり、この長穴42は前記取付ボルト18が移動可能な幅となっている。
【0055】
そして、前記後退傾斜部40の面には長穴42を覆うようにして圧潰プレート43を接合し、図17に示すように衝突荷重の入力により取付ボルト18が後退移動する際に、この取付ボルト18が圧潰プレート43をしごき変形させるようになっており、長穴42と圧潰プレート43とによって所要の移動抵抗をもってサブフレーム14の後端部14dを後方移動させる後方移動部21を構成してある。
【0056】
また、この実施形態では図16,図18に示すように、前記後退傾斜部40の傾斜角αと初期移動許容手段20による移動許容量L1との兼ね合いで、サブフレーム14の後方移動量b1をパワーユニットPがダッシュパネル3に干渉する手前近傍に設定してある。
【0057】
つまり、図18に示すように、パワーユニットPとダッシュパネル3との間の通常状態における距離をb2とすると、前記サブフレーム14の後方移動量b1は、b1≒b2(ただし、b1<b2)となる。
【0058】
また、後退傾斜部40の傾斜角αと、この後退傾斜部40に沿った移動許容量L1と、サブフレーム14の後方移動量b1とは、長穴42の前部が後退傾斜部40の水平な頂部40aに掛かっているため、b1≒L1・cosαの関係となる。
【0059】
従って、この第4実施形態の車体前部構造にあっては、車体前部骨格メンバ13に設けた後退傾斜部40に、サブフレーム14の後端部14dを連結する後方連結部17を配置したので、図18に示すように、前方から衝突荷重が入力してサブフレーム14とともにパワーユニットPが後方移動すると、図17に示すように、取付ボルト18は長穴42内を圧潰プレート43をしごき変形しつつ後退する。
【0060】
このとき、後退傾斜部40は車体後方に向けて下方に傾斜しているため、取付ボルト18はこの後退傾斜部40に沿って下方に移動し、これに伴ってサブフレーム14の後端部14d、更にはパワーユニットPを下降させてダッシュパネル3に干渉するのを抑制し、ひいては、キャビン部の変形を抑えることができる。
【0061】
特に、この実施形態では前記後退傾斜部40の傾斜角αと初期移動許容手段20による移動許容量L1との兼ね合いで、サブフレーム14の後方移動量b1をパワーユニットPがダッシュパネル3に干渉する手前近傍に設定したので、前面衝突時にパワーユニットPがダッシュパネル3に干渉するのを防止できるとともに、サブフレーム14の後方移動量b1に対して長穴42を移動する移動許容量L1を長くすることができるため、その分、圧潰プレート43のしごき変形量を大きくして衝突エネルギーの吸収量を増大することができる。
【0062】
図19は本発明の第5実施形態を示し、前記第4実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0063】
図19は後方連結部に設けた初期移動許容手段の斜視図であり、この第5実施形態の車体前部構造では、長穴42を覆った圧潰プレート43をこの長穴42の長さ方向に複数に分割し、それぞれの分割片43aを一定間隔をもって配列してある。
【0064】
従って、この第5実施形態では取付ボルト18の後退移動によって、圧潰プレート43の複数の分割片43aを順次しごき変形しつつ分断して移動抵抗を付加できるため、前記第4実施形態と同様の作用効果を奏することができるとともに、更には、分割片43aの長さや間隔によって衝突エネルギーの吸収を精度良く調整することができる。
【0065】
図20は本発明の第6実施形態を示し、前記第4実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0066】
図20は後方連結部に設けた初期移動許容手段の斜視図であり、この第6実施形態の車体前部構造では、前記第4,第5実施形態に示した長穴42に代えて、挿通孔41の径よりも十分に小さい幅となるスリット44を後退傾斜部40に形成してある。
【0067】
従って、この第6実施形態では取付ボルト18の後退移動時には、この取付ボルト18がスリット44を押し広げつつ移動して移動抵抗を付加できるため、前記第4実施形態と同様の作用効果を奏することができ、更には、スリット44自体で移動抵抗を付加できるため、圧潰プレート43を設ける必要がなくなる。
【0068】
ところで、本発明の車体前部構造は前記第1〜第6実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の各種実施形態を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車体全体構造の斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における車体前部骨格メンバ部分の配置構成の要部を示す分解斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態における車体前部骨格メンバ部分の結合状態の要部を示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態における車体前部骨格メンバ部分の要部を示す側面図。
【図5】本発明の第1実施形態におけるサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段を示す分解斜視図。
【図6】本発明の第1実施形態における初期移動許容手段の変形前の状態を示す斜視図。
【図7】図6の状態から変形した途中の状態を示す斜視図。
【図8】図6の状態から変形が終了した状態を示す斜視図。
【図9】本発明の第1実施形態における車体前部骨格メンバ部分の衝突時の作動状態を示す側面図。
【図10】本発明の第1実施形態における初期移動許容手段の衝突後の作動状態を示す要部側面図。
【図11】本発明の第1実施形態におけるフロントサイドメンバの変位と入力荷重の関係をグラフによって従来と比較して示す説明図。
【図12】本発明の第2実施形態におけるサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段を示す分解斜視図。
【図13】本発明の第2実施形態の変形例におけるサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段を示す分解斜視図。
【図14】本発明の第3実施形態におけるサブフレームの後方連結部に設けた初期移動許容手段を示す分解斜視図。
【図15】本発明の第4実施形態における車体前部骨格メンバ部分の要部を示す側面図。
【図16】本発明の第4実施形態における後方連結部に設けた初期移動許容手段の斜視図。
【図17】本発明の第4実施形態における初期移動許容手段の変形途中の斜視図。
【図18】本発明の第4実施形態における車体前部骨格メンバ部分の衝突時の作動状態を示す側面図。
【図19】本発明の第5実施形態における後方連結部に設けた初期移動許容手段の斜視図。
【図20】本発明の第6実施形態における後方連結部に設けた初期移動許容手段の斜視図。
【符号の説明】
10 フロントサイドメンバ
13 車体前部骨格メンバ
14 サブフレーム
14d 後端部
17 後方連結部
18 取付ボルト(締結部材)
20 初期移動許容手段
21 後方移動部
23 上側プレート(上側抵抗部材)
24 下側プレート(下側抵抗部材)
25,25a,25b,25c 移動抵抗差部分
26 厚肉部分(補強部分)
27 横スリット(脆弱部分)
28 横溝(脆弱部分)
30A 幅広部(脆弱部分)
40 後退傾斜部
42 長穴
43 圧潰プレート
44 スリット
P パワーユニット
F 衝突荷重(前方荷重)
α 後退傾斜部の傾斜角

Claims (8)

  1. 車体前部の車幅方向両側に車体前後方向に延在配置され、車体前方から入力される所定値以上の前方荷重により軸圧潰されるフロントサイドメンバと、これら両フロントサイドメンバの前端に跨って結合したファーストクロスメンバ等とによって車体前部骨格メンバを構成し、この車体前部骨格メンバの下側に、パワーユニットを搭載するサブフレームの前後両端部を連結した車体前部構造であって、
    サブフレームの後端部を車体前部骨格メンバに連結した後方連結部に、前記前方荷重の入力初期からサブフレームの後方移動を許容する初期移動許容手段を設けたことを特徴とする車体前部構造。
  2. 車体前部骨格メンバに車体後方に向かって下方に傾斜する後退傾斜部を設け、この後退傾斜部に後方連結部を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 初期移動許容手段は、サブフレームの後端部を車体前部骨格メンバに連結する締結部材に対して、所要の移動抵抗をもってサブフレームの後端部を後方移動させる後方移動部であることを特徴とする請求項1または2に記載の車体前部構造。
  4. 後方移動部は、サブフレームの上下側に配置された上側抵抗部材と下側抵抗部材とを備え、これら上側抵抗部材と下側抵抗部材との間に、それぞれの移動抵抗値を上側抵抗部材が下側抵抗部材よりも相対的に大きくなる移動抵抗差部分を設けたことを特徴とする請求項3に記載の車体前部構造。
  5. 移動抵抗差部分は、その形成位置をパワーユニットがダッシュパネルに干渉する手前近傍に対応した位置に設定したことを特徴とする請求項4に記載の車体前部構造。
  6. 移動抵抗差部分は、上側抵抗部材に形成した補強部分であることを特徴とする請求項4または5に記載の車体前部構造。
  7. 移動抵抗差部分は、下側抵抗部材に形成した脆弱部分であることを特徴とする請求項4または5に記載の車体前部構造。
  8. 後退傾斜部の傾斜角と初期移動許容手段による移動許容量との兼ね合いで、サブフレームの後方移動量をパワーユニットがダッシュパネルに干渉する手前近傍に設定したことを特徴とする請求項2または3に記載の車体前部構造。
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