JP2004237853A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交差点での右折時や左折時に操作しやすいように操舵ギヤ比を自動調整することができる車両用操舵制御装置を提供すること。
【解決手段】操舵ギヤ比Gが任意に変化できる操舵ギヤ比調節手段4と、入力情報に応じて操舵ギヤ比Gを設定する操舵ギヤ比設定手段と、を備えた車両用操舵制御装置において、自車周辺の道路地図情報を出力するナビゲーション装置9を設け、前記操舵ギヤ比設定手段は、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、前記ナビゲーション装置9から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比を補正するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】操舵ギヤ比Gが任意に変化できる操舵ギヤ比調節手段4と、入力情報に応じて操舵ギヤ比Gを設定する操舵ギヤ比設定手段と、を備えた車両用操舵制御装置において、自車周辺の道路地図情報を出力するナビゲーション装置9を設け、前記操舵ギヤ比設定手段は、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、前記ナビゲーション装置9から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比を補正するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転操作性を向上させるため、走行環境に対応して操舵ギヤ比を変化させる車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行環境に対応して操舵ギヤ比を変化させる車両用操舵制御装置は、ナビゲーションから得られるカーブの回転半径Rに応じて操舵ギヤ比を補正している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−310146号公報(図2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用操舵制御装置にあっては、カーブの回転半径Rが分かっている場合は補正できるが、走行頻度が大きいと考えられる交差点に関しては何ら言及していない。直進状態から減速し、大きく操舵する交差点での右左折は操舵操作として難しく、車両毎の慣れも必要であり、操作しやすいように特性を補正すべきだと考えられる。この場合、交差点での右左折時の走行軌道は、交差点の大きさや車線数などで変化するため、これらに応じてきめ細かく操舵ギヤ比を補正すべきと考えられる。しかしながら、従来例のようなカーブの回転半径R情報だけからは交差点での右左折時の走行軌道は推測できない。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、交差点での右折時や左折時に操作しやすいように操舵ギヤ比を自動調整することができる車両用操舵制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
操舵ギヤ比可変手段と操舵ギヤ比設定手段とを備えた車両用操舵制御装置において、
自車周辺の道路地図情報を出力するナビゲーション手段を設け、
前記操舵ギヤ比設定手段は、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、前記ナビゲーション手段から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比を補正することを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
よって、本発明の車両用操舵制御装置にあっては、操舵ギヤ比設定手段において、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、ナビゲーション手段から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比が補正されるため、交差点での右折時や左折時に操作しやすいように操舵ギヤ比を自動調整することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用操舵制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例及び第2実施例に基づいて説明する。
【0008】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システム図である。図1において、1は運転席、2はステアリングホイール、3はステアリングシャフト、4は操舵ギヤ比調節手段(操舵ギヤ比可変手段)、5はステアリング機構、6,6は前輪、7は制御手段、8は自車位置検出手段、9はナビゲーション装置(ナビゲーション手段)、10は車速検出手段、11はウインカ検出手段、12はブレーキ検出手段である。
【0009】
基本的には車速Vを車速検出手段10にて検出し、マイクロコンピュータを主体とする制御手段7にて操舵ギヤ比Gを算出し、操舵ギヤ比調節手段4にてその操舵ギヤ比Gとなるように調節を行うものである。
ここで、操舵ギヤ比Gとは、(ステアリングホイール2の操舵角度)/(前輪6,6の転舵角度)とし、この値が小さいほど運転者にとっては操舵がクイック、大きいほどスローであることを示す。
【0010】
本第1実施例は、操舵ギヤ比Gは、車速Vによって変えることを基本とするが、制御手段7にて他の情報を検出して、交差点での右左折操作であると判断した場合に操舵ギヤ比Gの補正を行うものである。検出する他の情報とは、ウインカ検出手段11により検出する左右のウインカのオン・オフ、ブレーキ検出手段12により検出する運転者のブレーキ操作量、ナビゲーション装置9より検出する自車周辺の道路情報とする。
【0011】
前記ナビゲーション装置9は、GPS(Global Positioning System)による自車位置検出手段8を備え、内部に持つ道路地図情報と照らし合わせ、自車に対する近傍の交差点位置(交差点中心位置及び交差点左端位置)、走行中の道路及び交差点で直交する道路の幅・全車線数・対向車線数を制御手段7に出力する。また、ナビゲーション装置9は、一般的な機能として、運転者が設定した走行ルートの誘導も行い、この走行ルートも制御手段7に出力する。
【0012】
図2に制御手段7で制御する車速Vに対する操舵ギヤ比Gの関係を示す。太線の基本操舵ギヤ比G’は交差点補正を入れない場合の通常走行時の特性であり、車速VがVl以下及びVh以上では操舵ギヤ比は固定値G1,G2であり、その間が車速Vに概ね比例的に変化するものである。このように基本操舵ギヤ比特性を設定した目的は、低車速での取り回し性の良さと、高車速での操縦安定性の良さの両立を狙ったものである。
【0013】
本第1実施例では、交差点での右左折操作であると判断した場合に操舵ギヤ比Gの補正を行うが、その値の範囲は、図2に示す斜線の範囲とする。基本操舵ギヤ比G’に対して、交差点での右左折操作時は操舵ギヤ比Gを小さくすることとし、その下限値は図2中の下限操舵ギヤ比Glowとする。
【0014】
図3及び図4にナビゲーション装置9が出力する情報の詳細を示す。現走行車線の道路幅をW1、全車線数をNa1、対向車線数をNc1とし、右左折して進行すると予測する道路(以下、右左折後車線とする)の道路幅をW2、全車線数をNa2、対向車線数をNc2とする。自車に対する交差点位置の情報は図4に示すが、自車の座標を(0、0)、進行方向をY軸とした場合の交差点中心位置(Xc、Yc)、中心位置に対してX軸左上の交差点左端位置(Xl、Yc)を出力するものとする。ここで、運転者がこの交差点を直進、右折又は左折するかの予測は、前記交差点中心位置(Xc、Yc)に対してY軸上で距離lj手前の図4中の交差点補正判断位置で行う。
【0015】
次に、運転者がこの交差点を右折又は左折するかの予測方法について述べる。この予測は、ウインカ、設定ルート、ブレーキ量、走行パターンが左右寄りかどうかを見て総合的に決定する。まず、走行パターンについて図5にて説明する。自車が現走行車線内で通常走行よりも右寄りか左寄りかを判断する。上記より自車に対しての交差点中心、交差点左端位置が分かっているため(自車からの交差点中心の横位置はXc、交差点左端の横位置はXl)、自車の車幅と横方向のマージンを考慮した所定値lcを設定し、Xc、−Xl(Xlは負の値のためマイナスを付ける)がlcより小さい場合はそれぞれ右寄り、左寄りと判断する。
【0016】
運転者が交差点を右折又は左折するかの予測は、ウインカ、設定ルート、ブレーキ量、走行パターンに重み得点を付け、総得点が所定値以上の場合は、右折又は左折と判断する。この得点を図6に示す。右折得点と左折得点に分けており、総得点が100点以上の場合、それぞれ右折行動、左折行動であると判断する。ウインカは運転者の右左折の明確な意思があるため得点が高く、ルート設定、回頭するための減速操作を示すブレーキ量、前述の方法で求めた右左折寄りの順で続く。
【0017】
次に、交差点を右左折すると判断した場合の操舵ギヤ比Gの決定方法について説明する。操舵ギヤ比Gは、現走行車線の道路幅W1、全車線数Na1、対向車線数Nc1及び右左折後車線の道路幅をW2、全車線数をNa2、対向車線数をNc2から決定する。基本的な考え方は、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さくなるように補正するものである。道路幅や全車線数・対向車線数、また右折及び左折により操舵ギヤ比Gを変化させる。また、現走行車線と右左折後車線の上記パラメータが違う場合は、この二つで小さく回るであろう方の車線に合う特性つまり小さい方の操舵ギヤ比を最終的な操舵ギヤ比Gとする。最終的な操舵ギヤ比をG、前述の基本操舵ギヤ比をG’、操舵ギヤ比補正係数をKとすると、
G=G’×K ...(式1)
の式で最終的な操舵ギヤ比Gを算出する。なお、この値が前述の下限操舵ギヤ比Glowより小さい場合は、最終的な操舵ギヤ比GはGlowとする。
【0018】
ここで、Kは現走行車線の情報より求めた係数K1と右左折後車線の情報より求めた係数K2のうち、小さい方の値をKとする。K1は、道路幅W1、全車線数Na1、対向車線数Nc1より求めた各係数Kw1、Kan1、Kcn1により、
右折の場合:K1=Kw1×Kan1×Kcn1 ...(式2)
左折の場合: K1=Kw1×Kan1 ...(式3)
の式で求める。ただし、左折の場合は対向車線数は関係ないためKcn1は使わない式となる。
【0019】
同様に係数K2は、右左折後車線の道路幅W2、全車線数Na2、対向車線数Nc2より求めた各係数Kw2、Kan2、Kcn2により、
右折の場合:K2=Kw2×Kan2×Kcn2 ...(式4)
左折の場合:K2=Kw2×Kan2 ...(式5)
の式で求める。
【0020】
ここで、道路幅W1と係数Kw1の関係は、図7に示す特性とする。道路幅W1が小さいほど係数Kw1は小さい、つまり操舵ギヤ比が小さくクイックな操舵特性となる。全車線数Na1と係数Kan1の関係は、図8に示す特性とする。全車線数Na1が大きいほど係数Kan1は小さい、つまり一車線あたりの幅が小さくなるため小さく回る必要があり、操舵ギヤ比をクイックにするものである。図9に対向車線数Nc1と係数Kcn1の関係を示す。これは右折時のみに適用するものである。対向車線数Nc1が大きい場合は、右折後の車線に移るまでに手前から回る軌道を取ることができるため、操舵ギヤ比は大きく、つまり係数Kcn1を大きくするものである。
【0021】
図10、図11、図12は、右左折後車線の道路幅W2、全車線数Na2、対向車線数Nc2より各係数Kw2、Kan2、Kcn2を求めるものである。意味合いはそれぞれ現走行車線の図7、図8、図9に相当しており、特性も同じものとしている。
【0022】
次に、作用を説明する。
【0023】
[操舵ギヤ比設定処理]
図13に第1実施例の制御手段7にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す(操舵ギヤ比設定手段)。以下、フローチャートの各ステップについて説明する。
【0024】
ステップS1は、交差点右左折時フラグt_flag=0、交差点補正判断距離lj=所定値、交差点補正終了距離ld=所定値、左右寄り判断距離lc=所定値というように初期値をセットし、ステップS2へ移行する。
ここで、交差点右左折時フラグt_flagは交差点右左折操作と判断した場合に1となるフラグであり、交差点補正終了距離ldは、交差点右左折時に行った操舵ギヤ比の補正を終了する交差点中心からの進行方向距離である。
【0025】
ステップS2では、ナビゲーション装置9により、最も近い交差点の中心位置(Xc、Yc)を読み込み、ステップS3では、交差点右左折時フラグt_flagの値により交差点での右左折時の操作ギヤ比補正を行っているか否かを判断し、t_flag=1、つまり、既に補正を行っている場合はステップS4へ移行し、t_flag=0、つまり、操作ギヤ比補正を行っていない場合は、ステップS7へ移行する。
【0026】
ステップS4では、交差点中心からの進行方向距離Ycが−ldより大きい場合は補正中であり、ステップS5へ移行して係数Kは保持する。それ以外の場合は補正を終了し、ステップS6へ移行し、K=1、つまり、基本操舵ギヤ比G’に戻す。なお、ステップS5、ステップS6からはステップS26へ飛ぶ。
【0027】
ステップS7では、Y軸方向の交差点中心位置Ycが交差点補正判断距離ljか否かが判断され、Yc≠ljの場合にはステップS8へ移行し、t_flag=0、K=1としてステップS26へ飛ぶ。また、Yc=ljの場合にはステップS9以降へ移行する。
【0028】
ステップS9では、ナビゲーション装置9により、図4に示す交差点左端位置(Xl,Yc)を読み込み、ステップS10では、図5より、自車からの交差点中心の横位置Xc、交差点左端の横位置Xl、自車の車幅と横方向のマージンを考慮した所定値lcから走行パターンを算出し、ステップS11ではウインカ、ブレーキ量、設定ルートを読み込み、ステップS12では図6にて読み込み量により右折得点、左折得点を算出し、ステップS13にて右折得点が100点以上の場合は、ステップS14へ進んで、t_flag=1、曲がる方向を右折と判断し、ステップS17へ移行する。また、ステップS15にて左折得点が100点以上の場合は、ステップS16へ進んで、t_flag=1、曲がる方向を左折と判断し、ステップS17へ移行する。
【0029】
ステップS17では、ナビゲーション装置9により各道路情報を読み込み、ステップS18では、図7〜図9から現走行車線の係数Kw1,Kan1,Kcn1を求め、ステップS19では、図10〜図12から右左折後車線の係数Kw2,Kan2,Kcn2を求め、ステップS20では、右折か左折かを判断し、右折の場合はステップS21へ進んで、係数K1、係数K2を算出し、左折の場合はステップS22へ進んで、係数K1、係数K2を算出する。そして、ステップS23,S24,S25では、係数K1と係数K2のうち小さい方を係数Kとする。
【0030】
ステップS26では、車速Vを読み込み、ステップS27では、図2により車速Vから基本操舵ギヤ比G’と加減操舵ギヤ比Glowを算出し、ステップS28では、基本操舵ギヤ比G’と係数Kから操舵ギヤ比Gを求め、ステップS29及びステップS30では、操舵ギヤ比Gを下限操舵ギヤ比Glowの値にて制限し、ステップS31では、操舵ギヤ比がステップS28またはステップS30にて決められた操舵ギヤ比Gとなるように、操舵ギヤ比調節手段4を駆動する。なお、次のステップS32にてキーONと判断された場合には、ステップS2へ戻り、上記処理が繰り返され、ステップS32にてキーOFFと判断された場合には、この制御処理を終了する。
【0031】
[操舵ギヤ比設定作用]
操舵ギヤ比の補正の開始条件は、▲1▼交差点右左折時フラグt_flag=0(ステップS3)、▲2▼Y軸方向の交差点中心位置Ycが交差点補正判断距離lj(ステップS7)、▲3▼右折または左折の判断時(ステップS15)であり、この3つの条件が成立すると、図13のフローチャートにおいて、ステップS9〜ステップS25へ進んで、係数Kを1以下の値とする補正が実行される。
【0032】
係数Kの補正内容は、まず、現走行車線の道路幅W1、全車線数Na1、対向車線数Nc1及び右左折後車線の道路幅をW2、全車線数をNa2、対向車線数をNc2から係数Kを決定する。基本的な考え方は、右左折前と右左折後での道路幅と全車線数と対向車線数を考慮した判断により、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さくなるように係数Kを補正する(図13のステップS17〜ステップS25)。そして、図2のハッチングに示すように、基本操舵ギヤ比G’と下限操舵ギヤ比Glowとの間の領域を操舵ギヤ比補正範囲とする(図13のステップS26〜ステップS31)。
【0033】
そして、操舵ギヤ比の補正中であって、図13のフローチャートにおいて、ステップS3→ステップS5→ステップS26へ進むとき、つまり、▲1▼交差点右左折時フラグt_flag=1、かつ、▲2▼交差点中心からの進行方向距離Ycが−ldより大きい場合には、その時に設定されている係数Kが保持される。
【0034】
さらに、操舵ギヤ比の補正中であって、図13のフローチャートにおいて、ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS26へ進むとき、つまり、▲1▼交差点右左折時フラグt_flag=1、かつ、▲2▼交差点中心からの進行方向距離Ycが−ld以下となった場合には、この2つの条件を補正解除条件として係数KがK=1に戻される。
【0035】
次に、効果を説明する。
第1実施例の車両用操舵制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0036】
(1)操舵ギヤ比Gが任意に変化できる操舵ギヤ比調節手段4と、入力情報に応じて操舵ギヤ比Gを設定する操舵ギヤ比設定手段と、を備えた車両用操舵制御装置において、自車周辺の道路地図情報を出力するナビゲーション装置9を設け、前記操舵ギヤ比設定手段は、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、前記ナビゲーション装置9から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比を補正するようにしたため、交差点での右折時や左折時に操作しやすいように操舵ギヤ比を自動調整することができる。
【0037】
(2)前記操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比Gを補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の全車線数Na1,Na2、道路幅W1,W2、対向車線数Nc1,Nc2であるため、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の全車線数、道路幅、対向車線数に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0038】
(3)前記操舵ギヤ比設定手段は、車速Vに対する基本操舵ギヤ比G’の関係は予め定まっており、車速Vが高くなるほどその基本操舵ギヤ比G’は大きい値となり、交差点右左折時は操舵ギヤ比Gを基本操舵ギヤ比G’に対して小さくなるように補正するため、交差点右左折時は運転者にとって操舵がクイックとなり、交差点での右左折操舵を容易に行うことができる。
【0039】
(4)前記操舵ギヤ比設定手段は、道路幅が小さいほど操舵ギヤ比は小さく、全車線数が多いほど操舵ギヤ比は小さく、対向車線数が多いほど操舵ギヤ比は大きくするようにしたため、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さく、運転者にとって操舵がクイックとなるように補正されるというように、道路幅と全車線数と対向車線数に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0040】
(5)前記操舵ギヤ比設定手段は、左折時は右折時よりも操舵ギヤ比を小さくするようにしたため、対向車線数が関係ない左折時に操舵がクイックとなるように補正されるというように、左折時と右折時との状況の違いに応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0041】
(6)前記操舵ギヤ比設定手段は、現在走行中の道路の道路地図情報から求めた操舵ギヤ比と、これから曲がるであろう道路の道路地図情報から求めた操舵ギヤ比のうち、小さい方の操舵ギヤ比を最終的な操舵ギヤ比としたため、小さく回るであろう方の道路に合う操舵特性となり、左折時や右折時において進入側と抜け側との道路状況の違いに対して、よりクイックな操舵特性を生かした操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0042】
(7)前記操舵ギヤ比設定手段にて運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断する情報は、ウインカの有無、ブレーキ操作量、道路中央付近に対して右寄り又は左寄りに走っているか否か、ナビゲーション装置9の設定ルートの複合であるため、車両進行方向に存在する交差点にて右折を予定しているのか左折を予定しているかの判断を精度良く行うことができる。
【0043】
(第2実施例)
第1実施例では、操舵ギヤ比を補正する係数Kは、ナビゲーション装置9から得られる道路幅、全車線数、対向車線数から求めたが、道路幅等が分かる細かい地図を持たないナビゲーション装置9においては、別の情報から操舵ギヤ比を補正する必要がある。
【0044】
この第2実施例は、ナビゲーション装置9からは、道路幅、全車線数、対向車線数は出力されず、変わりに道路種別が出力される場合である。
【0045】
道路種別は、その道路の規格のことであり、ここでは、道幅の大きい順から、国道、県道・主要地方道、一般道1、一般道2、一般道3、細道路1、細道路2の7種類に分けられていると仮定する。前記第1実施例の中で求めている右左折時における現走行車線の操舵ギヤ比の係数K1、右左折後車線における操舵ギヤ比の係数K2を、この道路種別により求める。
【0046】
現走行車線の道路種別と係数K1の関係を図14に示す。また、右左折後車線の道路種別と係数K2の関係を図15に示す。
道路幅が小さい道路ほど係数K1、K2を小さくしている。また、右折時と左折時は走行軌道が変化するため、係数K1、K2の値を変えている(右折時>左折時)。その後、係数K1、K2の小さい方を基本操舵ギヤ比G’にかける係数Kとする。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0047】
次に、作用を説明する。
【0048】
[操舵ギヤ比設定処理]
図16に第2実施例の制御手段7にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す(操舵ギヤ比設定手段)。以下、フローチャートの各ステップについて説明する。なお、ステップS1〜ステップS16、ステップS23〜ステップS32は、第1実施例のフローチャート(図13)と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0049】
ステップS33では、ナビゲーション装置9により、現走行車線及び右折又は左折後車線の道路種別を読み込み、ステップS34では、図14を用いて現走行車線の道路種別から係数K1を算出し、ステップS35では、図15を用いて右左折後車線の道路種別から係数K2を算出する。そして、ステップS23,S24,S25では、係数K1と係数K2のうち小さい方を係数Kとする。
【0050】
[操舵ギヤ比設定作用]
操舵ギヤ比の補正の開始条件や補正継続条件や補正解除条件は、第1実施例と同様である。
【0051】
係数Kの補正内容は、まず、現走行車線及び右折又は左折後車線の道路種別から係数K1,K2を決定する。基本的な考え方は、図14及び図15に示すように、道路種別による道幅判断により、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さくなるように係数Kを補正する(図16のステップS33〜ステップS35及びステップS23〜ステップS25)。そして、図2のハッチングに示すように、基本操舵ギヤ比G’と下限操舵ギヤ比Glowとの間の領域を操舵ギヤ比補正範囲とする(図16のステップS26〜ステップS31)。
【0052】
次に、効果を説明する。
第2実施例の車両用操舵制御装置にあっては、第1実施例の(1),(3),(5),(6),(7)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0053】
(8)前記操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比を補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路種別であるため、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路種別に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0054】
(8)前記操舵ギヤ比設定手段は、道路種別が狭いことを示す道路ほど操舵ギヤ比Gは小さくするようにしたため、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さく、運転者にとって操舵がクイックとなるように補正されるというように、道路種別に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0055】
以上、本発明の車両用操舵制御装置を第1実施例及び第2実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0056】
例えば、第1実施例では、操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比を補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の全車線数、道路幅、対向車線数の例を示し、第1実施例では、操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比を補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路種別の例を示したが、全車線数、道路幅、対向車線数、道路種別のいずれか1つ、もしくは、複数の組み合わせとしても良い。
【0057】
第1実施例及び第2実施例では、操舵ギヤ比設定手段にて運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断する情報は、ウインカの有無、ブレーキ操作量、道路中央付近に対して右寄り又は左寄りに走っているか否か、ナビゲーション手段の設定ルートの複合により行う例を示したが、これらの情報の何れか1つにより行ったり、2つ以上の適宜の組み合わせにより行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システム図である。
【図2】車速Vと操舵ギヤ比の関係特性図である。
【図3】交差点における各変数の説明図である。
【図4】交差点における各座標点の説明図である。
【図5】交差点内横位置と走行パターンの関係を示す図である。
【図6】制御手段の検出項目と右左折得点の関係を示す表である。
【図7】道路幅W1と係数Kw1の関係特性図である。
【図8】全車線数Na1と係数Kan1の関係特性図である。
【図9】対向車線数Nc1と係数Kcn1の関係特性図である。
【図10】道路幅W1と係数Kw1の関係特性図である。
【図11】全車線数Na1と係数Kan1の関係特性図である。
【図12】対向車線数Nc1と係数Kcn1の関係特性図である。
【図13】第1実施例の制御手段にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す図である。
【図14】第2実施例の道路種別と係数K1の関係特性図である。
【図15】第2実施例の道路種別と係数K2の関係特性図である。
【図16】第2実施例の制御手段にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 運転席
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 操舵ギヤ比調節手段(操舵ギヤ比可変手段)
5 ステアリング機構
6,6 前輪
7 制御手段
8 自車位置検出手段
9 ナビゲーション装置(ナビゲーション手段)
10 車速検出手段
11 ウインカ検出手段
12 ブレーキ検出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転操作性を向上させるため、走行環境に対応して操舵ギヤ比を変化させる車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行環境に対応して操舵ギヤ比を変化させる車両用操舵制御装置は、ナビゲーションから得られるカーブの回転半径Rに応じて操舵ギヤ比を補正している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−310146号公報(図2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用操舵制御装置にあっては、カーブの回転半径Rが分かっている場合は補正できるが、走行頻度が大きいと考えられる交差点に関しては何ら言及していない。直進状態から減速し、大きく操舵する交差点での右左折は操舵操作として難しく、車両毎の慣れも必要であり、操作しやすいように特性を補正すべきだと考えられる。この場合、交差点での右左折時の走行軌道は、交差点の大きさや車線数などで変化するため、これらに応じてきめ細かく操舵ギヤ比を補正すべきと考えられる。しかしながら、従来例のようなカーブの回転半径R情報だけからは交差点での右左折時の走行軌道は推測できない。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、交差点での右折時や左折時に操作しやすいように操舵ギヤ比を自動調整することができる車両用操舵制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
操舵ギヤ比可変手段と操舵ギヤ比設定手段とを備えた車両用操舵制御装置において、
自車周辺の道路地図情報を出力するナビゲーション手段を設け、
前記操舵ギヤ比設定手段は、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、前記ナビゲーション手段から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比を補正することを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
よって、本発明の車両用操舵制御装置にあっては、操舵ギヤ比設定手段において、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、ナビゲーション手段から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比が補正されるため、交差点での右折時や左折時に操作しやすいように操舵ギヤ比を自動調整することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用操舵制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例及び第2実施例に基づいて説明する。
【0008】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システム図である。図1において、1は運転席、2はステアリングホイール、3はステアリングシャフト、4は操舵ギヤ比調節手段(操舵ギヤ比可変手段)、5はステアリング機構、6,6は前輪、7は制御手段、8は自車位置検出手段、9はナビゲーション装置(ナビゲーション手段)、10は車速検出手段、11はウインカ検出手段、12はブレーキ検出手段である。
【0009】
基本的には車速Vを車速検出手段10にて検出し、マイクロコンピュータを主体とする制御手段7にて操舵ギヤ比Gを算出し、操舵ギヤ比調節手段4にてその操舵ギヤ比Gとなるように調節を行うものである。
ここで、操舵ギヤ比Gとは、(ステアリングホイール2の操舵角度)/(前輪6,6の転舵角度)とし、この値が小さいほど運転者にとっては操舵がクイック、大きいほどスローであることを示す。
【0010】
本第1実施例は、操舵ギヤ比Gは、車速Vによって変えることを基本とするが、制御手段7にて他の情報を検出して、交差点での右左折操作であると判断した場合に操舵ギヤ比Gの補正を行うものである。検出する他の情報とは、ウインカ検出手段11により検出する左右のウインカのオン・オフ、ブレーキ検出手段12により検出する運転者のブレーキ操作量、ナビゲーション装置9より検出する自車周辺の道路情報とする。
【0011】
前記ナビゲーション装置9は、GPS(Global Positioning System)による自車位置検出手段8を備え、内部に持つ道路地図情報と照らし合わせ、自車に対する近傍の交差点位置(交差点中心位置及び交差点左端位置)、走行中の道路及び交差点で直交する道路の幅・全車線数・対向車線数を制御手段7に出力する。また、ナビゲーション装置9は、一般的な機能として、運転者が設定した走行ルートの誘導も行い、この走行ルートも制御手段7に出力する。
【0012】
図2に制御手段7で制御する車速Vに対する操舵ギヤ比Gの関係を示す。太線の基本操舵ギヤ比G’は交差点補正を入れない場合の通常走行時の特性であり、車速VがVl以下及びVh以上では操舵ギヤ比は固定値G1,G2であり、その間が車速Vに概ね比例的に変化するものである。このように基本操舵ギヤ比特性を設定した目的は、低車速での取り回し性の良さと、高車速での操縦安定性の良さの両立を狙ったものである。
【0013】
本第1実施例では、交差点での右左折操作であると判断した場合に操舵ギヤ比Gの補正を行うが、その値の範囲は、図2に示す斜線の範囲とする。基本操舵ギヤ比G’に対して、交差点での右左折操作時は操舵ギヤ比Gを小さくすることとし、その下限値は図2中の下限操舵ギヤ比Glowとする。
【0014】
図3及び図4にナビゲーション装置9が出力する情報の詳細を示す。現走行車線の道路幅をW1、全車線数をNa1、対向車線数をNc1とし、右左折して進行すると予測する道路(以下、右左折後車線とする)の道路幅をW2、全車線数をNa2、対向車線数をNc2とする。自車に対する交差点位置の情報は図4に示すが、自車の座標を(0、0)、進行方向をY軸とした場合の交差点中心位置(Xc、Yc)、中心位置に対してX軸左上の交差点左端位置(Xl、Yc)を出力するものとする。ここで、運転者がこの交差点を直進、右折又は左折するかの予測は、前記交差点中心位置(Xc、Yc)に対してY軸上で距離lj手前の図4中の交差点補正判断位置で行う。
【0015】
次に、運転者がこの交差点を右折又は左折するかの予測方法について述べる。この予測は、ウインカ、設定ルート、ブレーキ量、走行パターンが左右寄りかどうかを見て総合的に決定する。まず、走行パターンについて図5にて説明する。自車が現走行車線内で通常走行よりも右寄りか左寄りかを判断する。上記より自車に対しての交差点中心、交差点左端位置が分かっているため(自車からの交差点中心の横位置はXc、交差点左端の横位置はXl)、自車の車幅と横方向のマージンを考慮した所定値lcを設定し、Xc、−Xl(Xlは負の値のためマイナスを付ける)がlcより小さい場合はそれぞれ右寄り、左寄りと判断する。
【0016】
運転者が交差点を右折又は左折するかの予測は、ウインカ、設定ルート、ブレーキ量、走行パターンに重み得点を付け、総得点が所定値以上の場合は、右折又は左折と判断する。この得点を図6に示す。右折得点と左折得点に分けており、総得点が100点以上の場合、それぞれ右折行動、左折行動であると判断する。ウインカは運転者の右左折の明確な意思があるため得点が高く、ルート設定、回頭するための減速操作を示すブレーキ量、前述の方法で求めた右左折寄りの順で続く。
【0017】
次に、交差点を右左折すると判断した場合の操舵ギヤ比Gの決定方法について説明する。操舵ギヤ比Gは、現走行車線の道路幅W1、全車線数Na1、対向車線数Nc1及び右左折後車線の道路幅をW2、全車線数をNa2、対向車線数をNc2から決定する。基本的な考え方は、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さくなるように補正するものである。道路幅や全車線数・対向車線数、また右折及び左折により操舵ギヤ比Gを変化させる。また、現走行車線と右左折後車線の上記パラメータが違う場合は、この二つで小さく回るであろう方の車線に合う特性つまり小さい方の操舵ギヤ比を最終的な操舵ギヤ比Gとする。最終的な操舵ギヤ比をG、前述の基本操舵ギヤ比をG’、操舵ギヤ比補正係数をKとすると、
G=G’×K ...(式1)
の式で最終的な操舵ギヤ比Gを算出する。なお、この値が前述の下限操舵ギヤ比Glowより小さい場合は、最終的な操舵ギヤ比GはGlowとする。
【0018】
ここで、Kは現走行車線の情報より求めた係数K1と右左折後車線の情報より求めた係数K2のうち、小さい方の値をKとする。K1は、道路幅W1、全車線数Na1、対向車線数Nc1より求めた各係数Kw1、Kan1、Kcn1により、
右折の場合:K1=Kw1×Kan1×Kcn1 ...(式2)
左折の場合: K1=Kw1×Kan1 ...(式3)
の式で求める。ただし、左折の場合は対向車線数は関係ないためKcn1は使わない式となる。
【0019】
同様に係数K2は、右左折後車線の道路幅W2、全車線数Na2、対向車線数Nc2より求めた各係数Kw2、Kan2、Kcn2により、
右折の場合:K2=Kw2×Kan2×Kcn2 ...(式4)
左折の場合:K2=Kw2×Kan2 ...(式5)
の式で求める。
【0020】
ここで、道路幅W1と係数Kw1の関係は、図7に示す特性とする。道路幅W1が小さいほど係数Kw1は小さい、つまり操舵ギヤ比が小さくクイックな操舵特性となる。全車線数Na1と係数Kan1の関係は、図8に示す特性とする。全車線数Na1が大きいほど係数Kan1は小さい、つまり一車線あたりの幅が小さくなるため小さく回る必要があり、操舵ギヤ比をクイックにするものである。図9に対向車線数Nc1と係数Kcn1の関係を示す。これは右折時のみに適用するものである。対向車線数Nc1が大きい場合は、右折後の車線に移るまでに手前から回る軌道を取ることができるため、操舵ギヤ比は大きく、つまり係数Kcn1を大きくするものである。
【0021】
図10、図11、図12は、右左折後車線の道路幅W2、全車線数Na2、対向車線数Nc2より各係数Kw2、Kan2、Kcn2を求めるものである。意味合いはそれぞれ現走行車線の図7、図8、図9に相当しており、特性も同じものとしている。
【0022】
次に、作用を説明する。
【0023】
[操舵ギヤ比設定処理]
図13に第1実施例の制御手段7にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す(操舵ギヤ比設定手段)。以下、フローチャートの各ステップについて説明する。
【0024】
ステップS1は、交差点右左折時フラグt_flag=0、交差点補正判断距離lj=所定値、交差点補正終了距離ld=所定値、左右寄り判断距離lc=所定値というように初期値をセットし、ステップS2へ移行する。
ここで、交差点右左折時フラグt_flagは交差点右左折操作と判断した場合に1となるフラグであり、交差点補正終了距離ldは、交差点右左折時に行った操舵ギヤ比の補正を終了する交差点中心からの進行方向距離である。
【0025】
ステップS2では、ナビゲーション装置9により、最も近い交差点の中心位置(Xc、Yc)を読み込み、ステップS3では、交差点右左折時フラグt_flagの値により交差点での右左折時の操作ギヤ比補正を行っているか否かを判断し、t_flag=1、つまり、既に補正を行っている場合はステップS4へ移行し、t_flag=0、つまり、操作ギヤ比補正を行っていない場合は、ステップS7へ移行する。
【0026】
ステップS4では、交差点中心からの進行方向距離Ycが−ldより大きい場合は補正中であり、ステップS5へ移行して係数Kは保持する。それ以外の場合は補正を終了し、ステップS6へ移行し、K=1、つまり、基本操舵ギヤ比G’に戻す。なお、ステップS5、ステップS6からはステップS26へ飛ぶ。
【0027】
ステップS7では、Y軸方向の交差点中心位置Ycが交差点補正判断距離ljか否かが判断され、Yc≠ljの場合にはステップS8へ移行し、t_flag=0、K=1としてステップS26へ飛ぶ。また、Yc=ljの場合にはステップS9以降へ移行する。
【0028】
ステップS9では、ナビゲーション装置9により、図4に示す交差点左端位置(Xl,Yc)を読み込み、ステップS10では、図5より、自車からの交差点中心の横位置Xc、交差点左端の横位置Xl、自車の車幅と横方向のマージンを考慮した所定値lcから走行パターンを算出し、ステップS11ではウインカ、ブレーキ量、設定ルートを読み込み、ステップS12では図6にて読み込み量により右折得点、左折得点を算出し、ステップS13にて右折得点が100点以上の場合は、ステップS14へ進んで、t_flag=1、曲がる方向を右折と判断し、ステップS17へ移行する。また、ステップS15にて左折得点が100点以上の場合は、ステップS16へ進んで、t_flag=1、曲がる方向を左折と判断し、ステップS17へ移行する。
【0029】
ステップS17では、ナビゲーション装置9により各道路情報を読み込み、ステップS18では、図7〜図9から現走行車線の係数Kw1,Kan1,Kcn1を求め、ステップS19では、図10〜図12から右左折後車線の係数Kw2,Kan2,Kcn2を求め、ステップS20では、右折か左折かを判断し、右折の場合はステップS21へ進んで、係数K1、係数K2を算出し、左折の場合はステップS22へ進んで、係数K1、係数K2を算出する。そして、ステップS23,S24,S25では、係数K1と係数K2のうち小さい方を係数Kとする。
【0030】
ステップS26では、車速Vを読み込み、ステップS27では、図2により車速Vから基本操舵ギヤ比G’と加減操舵ギヤ比Glowを算出し、ステップS28では、基本操舵ギヤ比G’と係数Kから操舵ギヤ比Gを求め、ステップS29及びステップS30では、操舵ギヤ比Gを下限操舵ギヤ比Glowの値にて制限し、ステップS31では、操舵ギヤ比がステップS28またはステップS30にて決められた操舵ギヤ比Gとなるように、操舵ギヤ比調節手段4を駆動する。なお、次のステップS32にてキーONと判断された場合には、ステップS2へ戻り、上記処理が繰り返され、ステップS32にてキーOFFと判断された場合には、この制御処理を終了する。
【0031】
[操舵ギヤ比設定作用]
操舵ギヤ比の補正の開始条件は、▲1▼交差点右左折時フラグt_flag=0(ステップS3)、▲2▼Y軸方向の交差点中心位置Ycが交差点補正判断距離lj(ステップS7)、▲3▼右折または左折の判断時(ステップS15)であり、この3つの条件が成立すると、図13のフローチャートにおいて、ステップS9〜ステップS25へ進んで、係数Kを1以下の値とする補正が実行される。
【0032】
係数Kの補正内容は、まず、現走行車線の道路幅W1、全車線数Na1、対向車線数Nc1及び右左折後車線の道路幅をW2、全車線数をNa2、対向車線数をNc2から係数Kを決定する。基本的な考え方は、右左折前と右左折後での道路幅と全車線数と対向車線数を考慮した判断により、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さくなるように係数Kを補正する(図13のステップS17〜ステップS25)。そして、図2のハッチングに示すように、基本操舵ギヤ比G’と下限操舵ギヤ比Glowとの間の領域を操舵ギヤ比補正範囲とする(図13のステップS26〜ステップS31)。
【0033】
そして、操舵ギヤ比の補正中であって、図13のフローチャートにおいて、ステップS3→ステップS5→ステップS26へ進むとき、つまり、▲1▼交差点右左折時フラグt_flag=1、かつ、▲2▼交差点中心からの進行方向距離Ycが−ldより大きい場合には、その時に設定されている係数Kが保持される。
【0034】
さらに、操舵ギヤ比の補正中であって、図13のフローチャートにおいて、ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS26へ進むとき、つまり、▲1▼交差点右左折時フラグt_flag=1、かつ、▲2▼交差点中心からの進行方向距離Ycが−ld以下となった場合には、この2つの条件を補正解除条件として係数KがK=1に戻される。
【0035】
次に、効果を説明する。
第1実施例の車両用操舵制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0036】
(1)操舵ギヤ比Gが任意に変化できる操舵ギヤ比調節手段4と、入力情報に応じて操舵ギヤ比Gを設定する操舵ギヤ比設定手段と、を備えた車両用操舵制御装置において、自車周辺の道路地図情報を出力するナビゲーション装置9を設け、前記操舵ギヤ比設定手段は、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、前記ナビゲーション装置9から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比を補正するようにしたため、交差点での右折時や左折時に操作しやすいように操舵ギヤ比を自動調整することができる。
【0037】
(2)前記操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比Gを補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の全車線数Na1,Na2、道路幅W1,W2、対向車線数Nc1,Nc2であるため、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の全車線数、道路幅、対向車線数に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0038】
(3)前記操舵ギヤ比設定手段は、車速Vに対する基本操舵ギヤ比G’の関係は予め定まっており、車速Vが高くなるほどその基本操舵ギヤ比G’は大きい値となり、交差点右左折時は操舵ギヤ比Gを基本操舵ギヤ比G’に対して小さくなるように補正するため、交差点右左折時は運転者にとって操舵がクイックとなり、交差点での右左折操舵を容易に行うことができる。
【0039】
(4)前記操舵ギヤ比設定手段は、道路幅が小さいほど操舵ギヤ比は小さく、全車線数が多いほど操舵ギヤ比は小さく、対向車線数が多いほど操舵ギヤ比は大きくするようにしたため、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さく、運転者にとって操舵がクイックとなるように補正されるというように、道路幅と全車線数と対向車線数に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0040】
(5)前記操舵ギヤ比設定手段は、左折時は右折時よりも操舵ギヤ比を小さくするようにしたため、対向車線数が関係ない左折時に操舵がクイックとなるように補正されるというように、左折時と右折時との状況の違いに応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0041】
(6)前記操舵ギヤ比設定手段は、現在走行中の道路の道路地図情報から求めた操舵ギヤ比と、これから曲がるであろう道路の道路地図情報から求めた操舵ギヤ比のうち、小さい方の操舵ギヤ比を最終的な操舵ギヤ比としたため、小さく回るであろう方の道路に合う操舵特性となり、左折時や右折時において進入側と抜け側との道路状況の違いに対して、よりクイックな操舵特性を生かした操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0042】
(7)前記操舵ギヤ比設定手段にて運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断する情報は、ウインカの有無、ブレーキ操作量、道路中央付近に対して右寄り又は左寄りに走っているか否か、ナビゲーション装置9の設定ルートの複合であるため、車両進行方向に存在する交差点にて右折を予定しているのか左折を予定しているかの判断を精度良く行うことができる。
【0043】
(第2実施例)
第1実施例では、操舵ギヤ比を補正する係数Kは、ナビゲーション装置9から得られる道路幅、全車線数、対向車線数から求めたが、道路幅等が分かる細かい地図を持たないナビゲーション装置9においては、別の情報から操舵ギヤ比を補正する必要がある。
【0044】
この第2実施例は、ナビゲーション装置9からは、道路幅、全車線数、対向車線数は出力されず、変わりに道路種別が出力される場合である。
【0045】
道路種別は、その道路の規格のことであり、ここでは、道幅の大きい順から、国道、県道・主要地方道、一般道1、一般道2、一般道3、細道路1、細道路2の7種類に分けられていると仮定する。前記第1実施例の中で求めている右左折時における現走行車線の操舵ギヤ比の係数K1、右左折後車線における操舵ギヤ比の係数K2を、この道路種別により求める。
【0046】
現走行車線の道路種別と係数K1の関係を図14に示す。また、右左折後車線の道路種別と係数K2の関係を図15に示す。
道路幅が小さい道路ほど係数K1、K2を小さくしている。また、右折時と左折時は走行軌道が変化するため、係数K1、K2の値を変えている(右折時>左折時)。その後、係数K1、K2の小さい方を基本操舵ギヤ比G’にかける係数Kとする。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0047】
次に、作用を説明する。
【0048】
[操舵ギヤ比設定処理]
図16に第2実施例の制御手段7にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す(操舵ギヤ比設定手段)。以下、フローチャートの各ステップについて説明する。なお、ステップS1〜ステップS16、ステップS23〜ステップS32は、第1実施例のフローチャート(図13)と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0049】
ステップS33では、ナビゲーション装置9により、現走行車線及び右折又は左折後車線の道路種別を読み込み、ステップS34では、図14を用いて現走行車線の道路種別から係数K1を算出し、ステップS35では、図15を用いて右左折後車線の道路種別から係数K2を算出する。そして、ステップS23,S24,S25では、係数K1と係数K2のうち小さい方を係数Kとする。
【0050】
[操舵ギヤ比設定作用]
操舵ギヤ比の補正の開始条件や補正継続条件や補正解除条件は、第1実施例と同様である。
【0051】
係数Kの補正内容は、まず、現走行車線及び右折又は左折後車線の道路種別から係数K1,K2を決定する。基本的な考え方は、図14及び図15に示すように、道路種別による道幅判断により、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さくなるように係数Kを補正する(図16のステップS33〜ステップS35及びステップS23〜ステップS25)。そして、図2のハッチングに示すように、基本操舵ギヤ比G’と下限操舵ギヤ比Glowとの間の領域を操舵ギヤ比補正範囲とする(図16のステップS26〜ステップS31)。
【0052】
次に、効果を説明する。
第2実施例の車両用操舵制御装置にあっては、第1実施例の(1),(3),(5),(6),(7)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0053】
(8)前記操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比を補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路種別であるため、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路種別に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0054】
(8)前記操舵ギヤ比設定手段は、道路種別が狭いことを示す道路ほど操舵ギヤ比Gは小さくするようにしたため、小さく曲がる交差点ほど操舵ギヤ比Gが小さく、運転者にとって操舵がクイックとなるように補正されるというように、道路種別に応じて操作しやすい最適な操舵ギヤ比に自動調整することができる。
【0055】
以上、本発明の車両用操舵制御装置を第1実施例及び第2実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0056】
例えば、第1実施例では、操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比を補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の全車線数、道路幅、対向車線数の例を示し、第1実施例では、操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比を補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路種別の例を示したが、全車線数、道路幅、対向車線数、道路種別のいずれか1つ、もしくは、複数の組み合わせとしても良い。
【0057】
第1実施例及び第2実施例では、操舵ギヤ比設定手段にて運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断する情報は、ウインカの有無、ブレーキ操作量、道路中央付近に対して右寄り又は左寄りに走っているか否か、ナビゲーション手段の設定ルートの複合により行う例を示したが、これらの情報の何れか1つにより行ったり、2つ以上の適宜の組み合わせにより行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システム図である。
【図2】車速Vと操舵ギヤ比の関係特性図である。
【図3】交差点における各変数の説明図である。
【図4】交差点における各座標点の説明図である。
【図5】交差点内横位置と走行パターンの関係を示す図である。
【図6】制御手段の検出項目と右左折得点の関係を示す表である。
【図7】道路幅W1と係数Kw1の関係特性図である。
【図8】全車線数Na1と係数Kan1の関係特性図である。
【図9】対向車線数Nc1と係数Kcn1の関係特性図である。
【図10】道路幅W1と係数Kw1の関係特性図である。
【図11】全車線数Na1と係数Kan1の関係特性図である。
【図12】対向車線数Nc1と係数Kcn1の関係特性図である。
【図13】第1実施例の制御手段にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す図である。
【図14】第2実施例の道路種別と係数K1の関係特性図である。
【図15】第2実施例の道路種別と係数K2の関係特性図である。
【図16】第2実施例の制御手段にて実行される操舵ギヤ比設定処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 運転席
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 操舵ギヤ比調節手段(操舵ギヤ比可変手段)
5 ステアリング機構
6,6 前輪
7 制御手段
8 自車位置検出手段
9 ナビゲーション装置(ナビゲーション手段)
10 車速検出手段
11 ウインカ検出手段
12 ブレーキ検出手段
Claims (7)
- 操舵ギヤ比が任意に変化できる操舵ギヤ比可変手段と、入力情報に応じて操舵ギヤ比を設定する操舵ギヤ比設定手段と、を備えた車両用操舵制御装置において、
自車周辺の道路地図情報を出力するナビゲーション手段を設け、
前記操舵ギヤ比設定手段は、走行方向前方に交差点があり、運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断された場合、前記ナビゲーション手段から得る現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の道路地図情報に応じて、操舵ギヤ比を補正することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載された車両用操舵制御装置において、
前記操舵ギヤ比設定手段にて操舵ギヤ比を補正するために用いる道路地図情報は、現在走行中の道路及びこれから曲がるであろう道路の全車線数、道路幅、対向車線数、道路種別のいずれか又は複合であることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載された車両用操舵制御装置において、
前記操舵ギヤ比設定手段は、車速に対する基本的な操舵ギヤ比の関係は予め定まっており、車速が高くなるほどその基本操舵ギヤ比は大きい値となり、交差点右左折時は操舵ギヤ比を基本的な操舵ギヤ比に対して小さくなるように補正することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項2に記載された車両用操舵制御装置において、
前記操舵ギヤ比設定手段は、道路幅が小さいほど操舵ギヤ比は小さく、全車線数が多いほど操舵ギヤ比は小さく、対向車線数が多いほど操舵ギヤ比は大きく、道路種別が狭いことを示す道路ほど操舵ギヤ比は小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載された車両用操舵制御装置において、
前記操舵ギヤ比設定手段は、左折時は右折時よりも操舵ギヤ比を小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項2に記載された車両用操舵制御装置において、
前記操舵ギヤ比設定手段は、現在走行中の道路の道路地図情報から求めた操舵ギヤ比と、これから曲がるであろう道路の道路地図情報から求めた操舵ギヤ比のうち、小さい方の操舵ギヤ比を最終的な操舵ギヤ比とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載された車両用操舵制御装置において、
前記操舵ギヤ比設定手段にて運転者がその交差点を右折又は左折をする可能性が高いと判断する情報は、ウインカの有無、ブレーキ操作量、道路中央付近に対して右寄り又は左寄りに走っているか否か、ナビゲーション手段の設定ルートのいずれか又は複合であることを特徴とする車両用操舵制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2003029194A JP2004237853A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 車両用操舵制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273230A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Aisin Aw Co Ltd | 車両制御装置及び車両制御方法 |
JP2008044427A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Toyota Motor Corp | 車両の操舵制御装置 |
JP2012243069A (ja) * | 2011-05-19 | 2012-12-10 | Honda Motor Co Ltd | 運転支援装置 |
-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003029194A patent/JP2004237853A/ja active Pending
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JP2008044427A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Toyota Motor Corp | 車両の操舵制御装置 |
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