JP2004237456A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】光照射装置を効率良く冷却して、光源の寿命が長く、一定の照度を保つことができる光照射装置を有するインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【解決手段】光照射装置を冷却する冷却装置と、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置を制御する制御部19とを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】光照射装置を冷却する冷却装置と、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置を制御する制御部19とを設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに係り、特に光を照射することでインクを硬化させて画像を記録するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装材等の樹脂製の記録媒体にカラー印刷を行う方式として、主にグラビア印刷が知られているが、グラビア印刷は、印刷を行う前工程において版を作製する必要があるため、コストや時間がかかる。そこで、近年、インクジェットプリンタを用いることにより、樹脂製の記録媒体に印刷を行う方式が知られている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタとしては、光を照射することによって硬化するインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドと、インクを硬化させるための光を発生する光照射装置とを有するインクジェットプリンタが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−310454号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光照射装置は、光を発生させることにより発熱するため、従来のインクジェットプリンタ(特許文献1)では、光照射装置の光源の寿命の低下や、照度の低下を招くという問題があった。特に、カチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクを用いる場合においては、カチオン重合型インクは酸素阻害作用をうけることがないため、低照度の紫外線を照射する。したがって、光照射装置の発熱による照度の低下は、画質に大きく影響する。
【0006】
そのため、光照射装置を冷却する冷却装置を設けることが考えられる。ところで、光照射装置を記録ヘッドとともに記録媒体に対して走査することにより画像を記録するシリアルヘッド方式の場合においては、光照射装置を走査させることで対流が生じて、熱が発散する。そして、発散する熱の量は、光照射装置の走査速度に応じて異なる。したがって、光照射装置の走査速度に関わりなく、画一的に光照射装置を冷却すると、例えば、インクジェットプリンタが待機状態にあり、光照射装置が停止しているとき等、最も熱がこもりやすい状態を基準として冷却を行う必要がある。したがって、光照射装置が高速で走査しているとき等には、無駄に冷却が行われていることになり、効率が悪い。
【0007】
そこで、本発明は、光照射装置を効率良く冷却して、光源の寿命が長く、一定の照度を保つことができる光照射装置を有するインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明によるインクジェットプリンタは、光を照射することによって硬化するインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドと、インクを硬化させる光を発光する光照射装置とを有し、前記光照射装置を前記記録ヘッドとともに走査して、前記ノズルから吐出され記録媒体に着弾したインクに、記光照射装置により光を照射することでインクを硬化させて、画像を記録するインクジェットプリンタにおいて、前記光照射装置を冷却する冷却装置と、前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御する制御部とを設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、画像記録時に変化する前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、画像記録時に変化する光照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、画像記録モードに応じて変化する前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、画像記録モードによって変化する光照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記光照射装置から照射される光量を測定する光量測定装置を設け、前記制御部は、前記光量測定装置により測定された光量に応じて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、光量測定装置により測定された光照射装置から照射される光量が加味されて、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御され、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、前記光照射装置により発光される光量を制御するとともに、制御された光量に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、制御部により制御された光量が加味されて、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御され、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記冷却装置は、前記光照射装置に対して風を送る冷却ファンであり、前記制御部は、前記冷却ファンの送風量を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に基づいて、冷却ファンの光照射装置への送風量が制御され、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が発散される。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インクは紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型のインクであり、前記光照射装置は、紫外線を発光する紫外線照射装置であることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、紫外線照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インクは、カチオン硬化型のインクであることを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、カチオン重合型インクを硬化させるための低照度の紫外線を発光する紫外線照射装置においても、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図3を参照して説明する。
【0025】
本実施形態によるインクジェットプリンタ1は、シリアルヘッド方式のインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、棒状のガイドレール2を有しており、このガイドレール2には、キャリッジ3が支持されている。このキャリッジ3は、キャリッジ駆動機構17(図3参照)によって主走査方向Xをガイドレール2に沿って往復移動するようになっている。
【0026】
また、インクジェットプリンタ1には、キャリッジ3の移動位置や移動速度を検知するためのエンコーダ20(図3参照)を構成するスケール部4が、ガイドレール2に沿って設けられている。そして、キャリッジ3の裏面には、スケール部4に設けられているマークを読取るエンコーダ20のセンサ部5が設けられている。
【0027】
キャリッジ3には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクを吐出するノズル(図示しない)が設けられた記録ヘッド6が搭載されている。これらの記録ヘッド6の両側部には、図1及び図2に示すように、紫外線光源7を有し、ノズルから記録媒体8に吐出されたインクに対して紫外線を照射する光照射装置としての紫外線照射装置9が設けられている。紫外線照射装置9の上方には、図1及び図2に示すように、紫外線を発光することにより熱せられた紫外線光源7に対して風を送って紫外線照射装置9を冷却する冷却装置としての冷却ファン10が設けられている。なお、紫外線光源7としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、陰極管、LED等が適用される。
【0028】
なお、本実施の形態で使用するインクは、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型のインクである。紫外線硬化型のインクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクのほうが機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。
【0029】
キャリッジ3の移動可能範囲の中央部分は、記録媒体8に記録を行う記録領域Aとされており、この記録領域Aには、平板状の部材で構成され、記録媒体8を非記録面から支持するプラテン11が設けられている。
【0030】
キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Aの外側一端は、キャリッジ3の待機場所となるホームポジション領域Bとされており、ホームポジション領域Bには、待機時にノズル内のインクに光が照射されることを防止する待機時遮光ユニット12が設けられている。さらに、ホームポジション領域Bには、紫外線照射装置9から記録媒体8に対して照射される紫外線照射量を検知する光量測定装置13が設けられている。
【0031】
キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Aの外側他端は、記録ヘッド6をクリーニングするクリーニング領域Cとされており、このクリーニング領域Cには、ノズル内のインクを吸引するとともに記録ヘッド6のノズルが形成されている面に付着しているインクを拭き取るメンテナンスユニット14が設けられている。
【0032】
また、インクジェットプリンタ1には、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに記録媒体8を送るための搬送機構18(図3参照)が設けられている。搬送機構18は、画像記録時において、キャリッジ3の動作に合わせて、記録媒体8の搬送と停止とを繰り返して記録媒体8を間欠的に搬送する。
【0033】
また、インクジェットプリンタ1には、図3に示すように、冷却ファン10、所定の画像信号に基づいてノズルに連通するインク流路を圧縮することによりインクをノズルから吐出させる圧電素子15、インクを所定の温度に加熱するヒータ16、キャリッジ駆動機構17、搬送機構18、及び紫外線照射装置9を制御する制御部19が設けられている。
【0034】
制御部19は、キャリッジ3の移動速度と冷却ファン10の紫外線照射装置9への送風量との関係を定めた移動速度−送風量テーブルを有している。この移動速度−送風量テーブルは、紫外線光源7から発せられる紫外線の光量によって、紫外線光源7の発熱量が異なるため、紫外線の光量に応じて、複数用意されている。
【0035】
制御部19には、光量測定装置13及びエンコーダ20が接続されており、制御部19には、光量測定装置13により検出された紫外線の光量、及び、エンコーダ20により検出されたキャリッジ3の移動速度を入力されるようになっている。制御部19は、紫外線の光量に基づいて所定の移動速度−送風量テーブルを選択し、選択した移動速度−送風量テーブルに基づいて、エンコーダ20により検出されたキャリッジ3の移動速度に対応する送風量を決定するようになっている。そして、制御部19は、決定された送風量に基づいて、冷却ファン10を制御するようになっている。
【0036】
ここで、キャリッジ3の移動速度と冷却ファン10の送風量との関係について説明すると、キャリッジ3が高速で移動している際には、紫外線の発光により生じた熱は、キャリッジ3の移動に伴って生じる対流によって発散されやすいため、紫外線照射装置9に対する冷却ファン10からの送風量は少なくてよい。一方、キャリッジ3が停止している場合や低速で移動している場合には、紫外線の発光により生じた熱がこもりやすいため、冷却ファン10からの送風量を多くして、熱を発散させる必要がある。
【0037】
具体的には、待機時においては、キャリッジ3は、ホームポジション領域Bで停止した状態であるが、画像を記録する際に直ちに紫外線を安定して照射できるように、紫外線光源7は点灯された状態になっている。したがって、紫外線光源7より発生する熱を発散させるためには、冷却ファン10からの送風量を多くする必要がある。記録ヘッド6のクリーニング時においても、紫外線光源7は点灯された状態になっており、キャリッジ3の移動速度は低速であるから、冷却ファン10からの送風量を多くする必要がある。
【0038】
画像の記録が開始されると、キャリッジ3は、記録領域の一端部においては低速度から加速し、中央部においては一定速度で移動して、他端部においては減速しながら移動して、往復移動を繰り返す。このとき、中央部においては、高速で移動しているため、送風量は少なくてよく、移動速度や紫外線の光量によっては、発生する熱がキャリッジ3の移動による対流で全て発散されるため、送風する必要がない。一方、加速時や減速時においては、送風量は、キャリッジ3の移動速度に応じて、紫外線照射装置9にこもる熱を発散させるのに相当な量である必要がある。このような観点から、予め移動速度−送風量テーブルを作成しておく。
【0039】
なお、キャリッジ3の移動速度は、例えば、解像度等の画像記録条件によって変更することができる場合があるが、この場合においても、エンコーダ20によりキャリッジ3の移動速度を検出し、制御部19は、移動速度−送風量テーブルに基づいて、キャリッジ3の移動速度に対応する送風量を決定して、この送風量に基づいて、冷却ファン10を制御すればよい。
【0040】
また、制御部19は、エンコーダ20により検出されるキャリッジ3の移動位置及び所定の画像信号に基づいて所定の圧電素子15に対する電圧の印加を制御するようになっている。
【0041】
さらに、制御部19は、ヒータ16の温度を制御するようになっている。特に、光硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与えるため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つように、ヒータ16を制御することが必要である。
【0042】
また、制御部19は、キャリッジ3を主走査方向Xに往復移動させるとともに、記録媒体8を副走査方向Yに搬送させるように、キャリッジ駆動機構17及び搬送機構18の動作を制御するようになっている。
【0043】
さらに、制御部19は、紫外線光源7から紫外線を発生させるように紫外線照射装置9を制御するようになっている。
【0044】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0045】
インクジェットプリンタ1の稼動中においては、光量測定装置13により紫外線の光量が検出されるとともに、エンコーダ20によりキャリッジ3の移動速度が検出がされ、検出された光量及び移動速度が制御部19に対して出力される。この光量及び移動速度が制御部19に入力されると、制御部19により、光量に基づいて所定の移動速度−送風量テーブルが選択され、この選択された移動速度−送風量テーブルに基づいて、キャリッジ3の移動速度に対応する送風量が決定される。そして、この送風量に基づいて、制御部19により、冷却ファン10が制御される。
【0046】
したがって、ホームポジション領域B及びクリーニング領域Cにおいては、冷却ファン10から多量の風が、紫外線照射装置9に対して送られ、これにより、紫外線光源7より発生した熱が発散される。記録領域Aにおいては、キャリッジ3が加速するに従って送風量は少なくなり、紫外線の光量によっては、中央部を移動している際には送風が行われず、キャリッジ3が減速するに従って送風量が多くなる。これにより、記録領域Aにおいても、紫外線光源7より発生した熱が常に発散された状態となる。
【0047】
また、記録領域においては、制御部19の制御により、キャリッジ3の移動位置及び所定の画像信号に基づいて、所定の圧電素子15に電圧が印加される。圧電素子15に電圧が印加されると、圧電素子15が膨張し、これにより、インク流路が圧縮されてインクがノズルより吐出される。このとき、制御部19によりヒータ16の温度が制御されることによってインクが所定の温度に加熱されて、ノズルからは、所定の液滴量のインクが吐出される。
【0048】
このとき、制御部19の制御により、キャリッジ駆動機構17が作動し、キャリッジ3が記録媒体8の上方を主走査方向Xに往復移動しており、吐出されたインクが順次記録媒体8に着弾する。
【0049】
また、ノズルからインクが吐出される際、キャリッジ3に設けられた紫外線照射装置9が、紫外線を発生させながら、記録媒体8の上方を主走査方向Xに往復移動する。これにより、記録媒体8に着弾したインクに紫外線が照射され、インクが硬化する。
【0050】
そして、制御部19により搬送機構18が制御されることによって、記録媒体8が副走査方向Yに搬送され、画像が記録媒体8に記録される。
【0051】
以上より、本実施形態によれば、紫外線照射装置9から照射される光量を加味しつつ、画像記録モードによって、あるいは、画像記録時において変化する紫外線照射装置9の走査速度に基づいて冷却ファン10の送風量が制御されるため、低コストで、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0052】
なお、本実施形態では、冷却装置として冷却ファン10を用いたが、これに限るものではなく、例えば、ペルチェ素子からなる冷却装置等を用いるようにしてもよい。この場合、予め、キャリッジ3の移動速度とこれに対応して紫外線照射装置9を冷却するためにペルチェ素子に印加する電圧値との関係を定めた移動速度−電圧値テーブルを作成しておき、制御部19は、この移動速度−電圧値テーブルに基づいて、キャリッジ3の移動速度に対応する電圧値を選択し、この電圧値に基づいて、ペルチェ素子を制御するようにするとよい。
【0053】
また、本実施形態では、光量測定装置13により紫外線照射装置9から照射される紫外線の光量を測定し、制御部19は、測定された光量に基づいて移動速度−送風量テーブルを選択するようにしたが、例えば、制御部19が、記録媒体8の種類に応じて光量を制御するような場合においては、制御部19は、制御する光量に基づいて移動速度−送風量テーブルを選択するようにしてもよい。
【0054】
なお、本実施形態では、紫外線の被照射により硬化するインクを用いたが、必ずしもこれには限定されず、紫外線以外の光の被照射により硬化するものであってもよい。ここでいう「光」とは、広義の光であって、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波を含むものである。すなわち、インクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを用いる場合は、紫外線光源7に代えて、その光を照射する光源を適用する。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に応じて、光照射装置の走査により生じる対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0056】
請求項2に記載の発明によれば、画像記録時に変化する光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0057】
請求項3に記載の発明によれば、画像記録モードに応じて変化する光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0058】
請求項4に記載の発明によれば、光量測定装置により測定された光照射装置から照射される光量が加味されて、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、より効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0059】
請求項5に記載の発明によれば、制御部により制御された光量が加味されて、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、簡易な構成で、より効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0060】
請求項6に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に応じて、冷却ファンの光照射装置への送風量が制御されるため、低コストで、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0061】
請求項7に記載の発明によれば、紫外線照射装置の走査速度に応じて、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0062】
請求光8に記載の発明によれば、紫外線照射装置の走査速度に応じて冷却装置が制御され、効率よく光照射装置を冷却することができ、一定の照度を保つことができるため、光照射装置の発熱による照度の低下によって、インクが硬化しない状態で画像が形成され、あるいは、画質が劣化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェットプリンタの一実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明によるインクジェットプリンタの紫外線照射装置及び冷却ファンの斜視図である。
【図3】本発明によるインクジェットプリンタの一実施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 キャリッジ
9 紫外線照射装置
10 冷却ファン
13 光量測定装置
19 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに係り、特に光を照射することでインクを硬化させて画像を記録するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装材等の樹脂製の記録媒体にカラー印刷を行う方式として、主にグラビア印刷が知られているが、グラビア印刷は、印刷を行う前工程において版を作製する必要があるため、コストや時間がかかる。そこで、近年、インクジェットプリンタを用いることにより、樹脂製の記録媒体に印刷を行う方式が知られている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタとしては、光を照射することによって硬化するインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドと、インクを硬化させるための光を発生する光照射装置とを有するインクジェットプリンタが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−310454号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光照射装置は、光を発生させることにより発熱するため、従来のインクジェットプリンタ(特許文献1)では、光照射装置の光源の寿命の低下や、照度の低下を招くという問題があった。特に、カチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクを用いる場合においては、カチオン重合型インクは酸素阻害作用をうけることがないため、低照度の紫外線を照射する。したがって、光照射装置の発熱による照度の低下は、画質に大きく影響する。
【0006】
そのため、光照射装置を冷却する冷却装置を設けることが考えられる。ところで、光照射装置を記録ヘッドとともに記録媒体に対して走査することにより画像を記録するシリアルヘッド方式の場合においては、光照射装置を走査させることで対流が生じて、熱が発散する。そして、発散する熱の量は、光照射装置の走査速度に応じて異なる。したがって、光照射装置の走査速度に関わりなく、画一的に光照射装置を冷却すると、例えば、インクジェットプリンタが待機状態にあり、光照射装置が停止しているとき等、最も熱がこもりやすい状態を基準として冷却を行う必要がある。したがって、光照射装置が高速で走査しているとき等には、無駄に冷却が行われていることになり、効率が悪い。
【0007】
そこで、本発明は、光照射装置を効率良く冷却して、光源の寿命が長く、一定の照度を保つことができる光照射装置を有するインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明によるインクジェットプリンタは、光を照射することによって硬化するインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドと、インクを硬化させる光を発光する光照射装置とを有し、前記光照射装置を前記記録ヘッドとともに走査して、前記ノズルから吐出され記録媒体に着弾したインクに、記光照射装置により光を照射することでインクを硬化させて、画像を記録するインクジェットプリンタにおいて、前記光照射装置を冷却する冷却装置と、前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御する制御部とを設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、画像記録時に変化する前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、画像記録時に変化する光照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、画像記録モードに応じて変化する前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、画像記録モードによって変化する光照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記光照射装置から照射される光量を測定する光量測定装置を設け、前記制御部は、前記光量測定装置により測定された光量に応じて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、光量測定装置により測定された光照射装置から照射される光量が加味されて、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御され、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、前記光照射装置により発光される光量を制御するとともに、制御された光量に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、制御部により制御された光量が加味されて、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御され、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記冷却装置は、前記光照射装置に対して風を送る冷却ファンであり、前記制御部は、前記冷却ファンの送風量を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に基づいて、冷却ファンの光照射装置への送風量が制御され、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が発散される。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インクは紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型のインクであり、前記光照射装置は、紫外線を発光する紫外線照射装置であることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、紫外線照射装置の走査速度に応じて変化する対流により発散される熱の量に対応して、冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インクは、カチオン硬化型のインクであることを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、カチオン重合型インクを硬化させるための低照度の紫外線を発光する紫外線照射装置においても、光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御され、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図3を参照して説明する。
【0025】
本実施形態によるインクジェットプリンタ1は、シリアルヘッド方式のインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、棒状のガイドレール2を有しており、このガイドレール2には、キャリッジ3が支持されている。このキャリッジ3は、キャリッジ駆動機構17(図3参照)によって主走査方向Xをガイドレール2に沿って往復移動するようになっている。
【0026】
また、インクジェットプリンタ1には、キャリッジ3の移動位置や移動速度を検知するためのエンコーダ20(図3参照)を構成するスケール部4が、ガイドレール2に沿って設けられている。そして、キャリッジ3の裏面には、スケール部4に設けられているマークを読取るエンコーダ20のセンサ部5が設けられている。
【0027】
キャリッジ3には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクを吐出するノズル(図示しない)が設けられた記録ヘッド6が搭載されている。これらの記録ヘッド6の両側部には、図1及び図2に示すように、紫外線光源7を有し、ノズルから記録媒体8に吐出されたインクに対して紫外線を照射する光照射装置としての紫外線照射装置9が設けられている。紫外線照射装置9の上方には、図1及び図2に示すように、紫外線を発光することにより熱せられた紫外線光源7に対して風を送って紫外線照射装置9を冷却する冷却装置としての冷却ファン10が設けられている。なお、紫外線光源7としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、陰極管、LED等が適用される。
【0028】
なお、本実施の形態で使用するインクは、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型のインクである。紫外線硬化型のインクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクのほうが機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。
【0029】
キャリッジ3の移動可能範囲の中央部分は、記録媒体8に記録を行う記録領域Aとされており、この記録領域Aには、平板状の部材で構成され、記録媒体8を非記録面から支持するプラテン11が設けられている。
【0030】
キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Aの外側一端は、キャリッジ3の待機場所となるホームポジション領域Bとされており、ホームポジション領域Bには、待機時にノズル内のインクに光が照射されることを防止する待機時遮光ユニット12が設けられている。さらに、ホームポジション領域Bには、紫外線照射装置9から記録媒体8に対して照射される紫外線照射量を検知する光量測定装置13が設けられている。
【0031】
キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Aの外側他端は、記録ヘッド6をクリーニングするクリーニング領域Cとされており、このクリーニング領域Cには、ノズル内のインクを吸引するとともに記録ヘッド6のノズルが形成されている面に付着しているインクを拭き取るメンテナンスユニット14が設けられている。
【0032】
また、インクジェットプリンタ1には、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに記録媒体8を送るための搬送機構18(図3参照)が設けられている。搬送機構18は、画像記録時において、キャリッジ3の動作に合わせて、記録媒体8の搬送と停止とを繰り返して記録媒体8を間欠的に搬送する。
【0033】
また、インクジェットプリンタ1には、図3に示すように、冷却ファン10、所定の画像信号に基づいてノズルに連通するインク流路を圧縮することによりインクをノズルから吐出させる圧電素子15、インクを所定の温度に加熱するヒータ16、キャリッジ駆動機構17、搬送機構18、及び紫外線照射装置9を制御する制御部19が設けられている。
【0034】
制御部19は、キャリッジ3の移動速度と冷却ファン10の紫外線照射装置9への送風量との関係を定めた移動速度−送風量テーブルを有している。この移動速度−送風量テーブルは、紫外線光源7から発せられる紫外線の光量によって、紫外線光源7の発熱量が異なるため、紫外線の光量に応じて、複数用意されている。
【0035】
制御部19には、光量測定装置13及びエンコーダ20が接続されており、制御部19には、光量測定装置13により検出された紫外線の光量、及び、エンコーダ20により検出されたキャリッジ3の移動速度を入力されるようになっている。制御部19は、紫外線の光量に基づいて所定の移動速度−送風量テーブルを選択し、選択した移動速度−送風量テーブルに基づいて、エンコーダ20により検出されたキャリッジ3の移動速度に対応する送風量を決定するようになっている。そして、制御部19は、決定された送風量に基づいて、冷却ファン10を制御するようになっている。
【0036】
ここで、キャリッジ3の移動速度と冷却ファン10の送風量との関係について説明すると、キャリッジ3が高速で移動している際には、紫外線の発光により生じた熱は、キャリッジ3の移動に伴って生じる対流によって発散されやすいため、紫外線照射装置9に対する冷却ファン10からの送風量は少なくてよい。一方、キャリッジ3が停止している場合や低速で移動している場合には、紫外線の発光により生じた熱がこもりやすいため、冷却ファン10からの送風量を多くして、熱を発散させる必要がある。
【0037】
具体的には、待機時においては、キャリッジ3は、ホームポジション領域Bで停止した状態であるが、画像を記録する際に直ちに紫外線を安定して照射できるように、紫外線光源7は点灯された状態になっている。したがって、紫外線光源7より発生する熱を発散させるためには、冷却ファン10からの送風量を多くする必要がある。記録ヘッド6のクリーニング時においても、紫外線光源7は点灯された状態になっており、キャリッジ3の移動速度は低速であるから、冷却ファン10からの送風量を多くする必要がある。
【0038】
画像の記録が開始されると、キャリッジ3は、記録領域の一端部においては低速度から加速し、中央部においては一定速度で移動して、他端部においては減速しながら移動して、往復移動を繰り返す。このとき、中央部においては、高速で移動しているため、送風量は少なくてよく、移動速度や紫外線の光量によっては、発生する熱がキャリッジ3の移動による対流で全て発散されるため、送風する必要がない。一方、加速時や減速時においては、送風量は、キャリッジ3の移動速度に応じて、紫外線照射装置9にこもる熱を発散させるのに相当な量である必要がある。このような観点から、予め移動速度−送風量テーブルを作成しておく。
【0039】
なお、キャリッジ3の移動速度は、例えば、解像度等の画像記録条件によって変更することができる場合があるが、この場合においても、エンコーダ20によりキャリッジ3の移動速度を検出し、制御部19は、移動速度−送風量テーブルに基づいて、キャリッジ3の移動速度に対応する送風量を決定して、この送風量に基づいて、冷却ファン10を制御すればよい。
【0040】
また、制御部19は、エンコーダ20により検出されるキャリッジ3の移動位置及び所定の画像信号に基づいて所定の圧電素子15に対する電圧の印加を制御するようになっている。
【0041】
さらに、制御部19は、ヒータ16の温度を制御するようになっている。特に、光硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与えるため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つように、ヒータ16を制御することが必要である。
【0042】
また、制御部19は、キャリッジ3を主走査方向Xに往復移動させるとともに、記録媒体8を副走査方向Yに搬送させるように、キャリッジ駆動機構17及び搬送機構18の動作を制御するようになっている。
【0043】
さらに、制御部19は、紫外線光源7から紫外線を発生させるように紫外線照射装置9を制御するようになっている。
【0044】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0045】
インクジェットプリンタ1の稼動中においては、光量測定装置13により紫外線の光量が検出されるとともに、エンコーダ20によりキャリッジ3の移動速度が検出がされ、検出された光量及び移動速度が制御部19に対して出力される。この光量及び移動速度が制御部19に入力されると、制御部19により、光量に基づいて所定の移動速度−送風量テーブルが選択され、この選択された移動速度−送風量テーブルに基づいて、キャリッジ3の移動速度に対応する送風量が決定される。そして、この送風量に基づいて、制御部19により、冷却ファン10が制御される。
【0046】
したがって、ホームポジション領域B及びクリーニング領域Cにおいては、冷却ファン10から多量の風が、紫外線照射装置9に対して送られ、これにより、紫外線光源7より発生した熱が発散される。記録領域Aにおいては、キャリッジ3が加速するに従って送風量は少なくなり、紫外線の光量によっては、中央部を移動している際には送風が行われず、キャリッジ3が減速するに従って送風量が多くなる。これにより、記録領域Aにおいても、紫外線光源7より発生した熱が常に発散された状態となる。
【0047】
また、記録領域においては、制御部19の制御により、キャリッジ3の移動位置及び所定の画像信号に基づいて、所定の圧電素子15に電圧が印加される。圧電素子15に電圧が印加されると、圧電素子15が膨張し、これにより、インク流路が圧縮されてインクがノズルより吐出される。このとき、制御部19によりヒータ16の温度が制御されることによってインクが所定の温度に加熱されて、ノズルからは、所定の液滴量のインクが吐出される。
【0048】
このとき、制御部19の制御により、キャリッジ駆動機構17が作動し、キャリッジ3が記録媒体8の上方を主走査方向Xに往復移動しており、吐出されたインクが順次記録媒体8に着弾する。
【0049】
また、ノズルからインクが吐出される際、キャリッジ3に設けられた紫外線照射装置9が、紫外線を発生させながら、記録媒体8の上方を主走査方向Xに往復移動する。これにより、記録媒体8に着弾したインクに紫外線が照射され、インクが硬化する。
【0050】
そして、制御部19により搬送機構18が制御されることによって、記録媒体8が副走査方向Yに搬送され、画像が記録媒体8に記録される。
【0051】
以上より、本実施形態によれば、紫外線照射装置9から照射される光量を加味しつつ、画像記録モードによって、あるいは、画像記録時において変化する紫外線照射装置9の走査速度に基づいて冷却ファン10の送風量が制御されるため、低コストで、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0052】
なお、本実施形態では、冷却装置として冷却ファン10を用いたが、これに限るものではなく、例えば、ペルチェ素子からなる冷却装置等を用いるようにしてもよい。この場合、予め、キャリッジ3の移動速度とこれに対応して紫外線照射装置9を冷却するためにペルチェ素子に印加する電圧値との関係を定めた移動速度−電圧値テーブルを作成しておき、制御部19は、この移動速度−電圧値テーブルに基づいて、キャリッジ3の移動速度に対応する電圧値を選択し、この電圧値に基づいて、ペルチェ素子を制御するようにするとよい。
【0053】
また、本実施形態では、光量測定装置13により紫外線照射装置9から照射される紫外線の光量を測定し、制御部19は、測定された光量に基づいて移動速度−送風量テーブルを選択するようにしたが、例えば、制御部19が、記録媒体8の種類に応じて光量を制御するような場合においては、制御部19は、制御する光量に基づいて移動速度−送風量テーブルを選択するようにしてもよい。
【0054】
なお、本実施形態では、紫外線の被照射により硬化するインクを用いたが、必ずしもこれには限定されず、紫外線以外の光の被照射により硬化するものであってもよい。ここでいう「光」とは、広義の光であって、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波を含むものである。すなわち、インクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを用いる場合は、紫外線光源7に代えて、その光を照射する光源を適用する。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に応じて、光照射装置の走査により生じる対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0056】
請求項2に記載の発明によれば、画像記録時に変化する光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0057】
請求項3に記載の発明によれば、画像記録モードに応じて変化する光照射装置の走査速度に基づいて冷却装置が制御されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0058】
請求項4に記載の発明によれば、光量測定装置により測定された光照射装置から照射される光量が加味されて、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、より効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0059】
請求項5に記載の発明によれば、制御部により制御された光量が加味されて、光照射装置の走査による対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、簡易な構成で、より効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0060】
請求項6に記載の発明によれば、光照射装置の走査速度に応じて、冷却ファンの光照射装置への送風量が制御されるため、低コストで、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0061】
請求項7に記載の発明によれば、紫外線照射装置の走査速度に応じて、対流では発散されない熱が冷却装置により冷却されるため、効率よく光照射装置を冷却することができ、光源の寿命の低下を防止し、一定の照度を保つことができる。
【0062】
請求光8に記載の発明によれば、紫外線照射装置の走査速度に応じて冷却装置が制御され、効率よく光照射装置を冷却することができ、一定の照度を保つことができるため、光照射装置の発熱による照度の低下によって、インクが硬化しない状態で画像が形成され、あるいは、画質が劣化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェットプリンタの一実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明によるインクジェットプリンタの紫外線照射装置及び冷却ファンの斜視図である。
【図3】本発明によるインクジェットプリンタの一実施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 キャリッジ
9 紫外線照射装置
10 冷却ファン
13 光量測定装置
19 制御部
Claims (8)
- 光を照射することによって硬化するインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドと、インクを硬化させる光を発光する光照射装置とを有し、前記光照射装置を前記記録ヘッドとともに走査して、前記ノズルから吐出され記録媒体に着弾したインクに、記光照射装置により光を照射することでインクを硬化させて、画像を記録するインクジェットプリンタにおいて、前記光照射装置を冷却する冷却装置と、前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御する制御部とを設けたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
- 前記制御部は、画像記録時に変化する前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記制御部は、画像記録モードに応じて変化する前記光照射装置の走査速度に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記光照射装置から照射される光量を測定する光量測定装置を設け、前記制御部は、前記光量測定装置により測定された光量に応じて前記冷却装置を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記制御部は、前記光照射装置により発光される光量を制御するとともに、制御された光量に基づいて前記冷却装置を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記冷却装置は、前記光照射装置に対して風を送る冷却ファンであり、前記制御部は、前記冷却ファンの送風量を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記インクは紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型のインクであり、前記光照射装置は、紫外線を発光する紫外線照射装置であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記インクは、カチオン硬化型のインクであることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットプリンタ。
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-
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