JP2004237325A - 熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置 - Google Patents
熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】加熱処理する粗バーの幅方向位置をサイドエッジ部を傷付けることなく調整する。
【解決手段】熱間圧延ラインを挟むよう上下両側に配した上ピンチロール14及び下ピンチロール15と、上ピンチロール14を下ピンチロール15側へ所要の圧力で押し付けるための上部ロール押圧用シリンダ21と、各ピンチロール14,15を軸方向へシフトさせるサイドシフトシリンダ28と、周速が粗バー3の送り速度と一致するよう各ピンチロール14,15を粗バー3の送り方向へ回転駆動するモータ42とを備えたピンチロール式サイドシフト装置13を、バーヒータやエッジヒータの上流側に設置する。粗バー3をサイドシフト装置13の上下ピンチロール14,15で上下より挟み、サイドシフトシリンダ28にて各ピンチロール14,15を左右方向へシフトさせることにより、挟まれた粗バー3を一緒に幅方向へシフトさせる。
【選択図】 図1
【解決手段】熱間圧延ラインを挟むよう上下両側に配した上ピンチロール14及び下ピンチロール15と、上ピンチロール14を下ピンチロール15側へ所要の圧力で押し付けるための上部ロール押圧用シリンダ21と、各ピンチロール14,15を軸方向へシフトさせるサイドシフトシリンダ28と、周速が粗バー3の送り速度と一致するよう各ピンチロール14,15を粗バー3の送り方向へ回転駆動するモータ42とを備えたピンチロール式サイドシフト装置13を、バーヒータやエッジヒータの上流側に設置する。粗バー3をサイドシフト装置13の上下ピンチロール14,15で上下より挟み、サイドシフトシリンダ28にて各ピンチロール14,15を左右方向へシフトさせることにより、挟まれた粗バー3を一緒に幅方向へシフトさせる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱間圧延設備における粗圧延機で粗圧延される粗バーを、仕上圧延機で仕上圧延する前に加熱装置で加熱処理するときに、該粗バーの幅方向の位置を調整するための熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延設備にて熱間鋼帯を製造する場合は、図13(イ)(ロ)にその一例の概略を示す如く、先ず、図示しない加熱炉で昇温された被圧延材のスラブ1を、粗圧延機2にて粗圧延して、たとえば、20〜40mm程度の厚さで70〜100m程度の長さ寸法を有する中間材としての粗バー3を成形させ、次に、上記粗圧延機2にて粗圧延される粗バー3の平坦度、すなわち、長手方向の全長あるいは一部に生じる上下方向に波打つような変形(うねり変形)を、ホットレベラー4に通して平坦に矯正するようにし、次いで、上記ホットレベラー4にて平坦度の矯正された粗バー3を、加熱装置として、粗バー3の長さ方向及び幅方向の全体に亘って加熱する誘導加熱装置としてのバーヒータ5と、粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ部を加熱する誘導加熱装置としてのエッジヒータ6によってそれぞれ加熱処理することにより、上記粗バー3を所要温度(たとえば、1000〜1100℃)まで昇温させ、しかる後、昇温された上記粗バー3を仕上圧延機7で仕上圧延させて、所要の板幅、板厚の熱間鋼帯8を形成させるようにしている。
【0003】
なお、上記熱間圧延設備において、加熱装置としてのバーヒータ5とエッジヒータ6は上下流方向の配置を逆にして処理順序を逆にすることも行われている。
【0004】
ところで、上記バーヒータ5及びエッジヒータ6における加熱処理が行われた後の粗バー3において、該粗バー3の幅方向に温度分布の偏りが生じていると、その温度分布の偏りに伴って幅方向で変形抵抗に差が生じるため、このような幅方向に温度分布の偏りのある粗バー3を仕上圧延機7へ送って仕上圧延を行わせる場合には、製造される熱間鋼帯8が左右方向へ蛇行する等、幅方向の形状が悪くなるおそれが懸念される。
【0005】
上記のように粗バー3の幅方向に温度分布の偏りが生じる要因としては、加熱炉でのスラブの昇温のバラツキの影響が残っていたり、粗バー3の幅方向の中心が熱間圧延ラインの中心線からずれた状態にて、上記バーヒータ5やエッジヒータ6へ供給されることが考えられた。このために、粗バー3を、幅方向の温度分布が均一な状態に加熱することができるようにするための対策として、図11(イ)(ロ)に示す如く、熱間圧延設備における上記バーヒータ5の入口側、及び、エッジヒータ6の入口側における粗バー3の幅方向の両側に、熱間圧延ライン方向に沿う板状のサイドガイド9をそれぞれ設けて、粗バー3を上記バーヒータ5又はエッジヒータ6で加熱するときに、該粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ部を、上記左右のサイドガイド9に当ててガイドさせることにより、上記粗バー3の幅方向の中心が熱間圧延ラインの中心線に一致するよう粗バー3の幅方向位置を是正させるようにしたり(たとえば、特許文献1参照)、あるいは、図14(イ)(ロ)に示す如く、熱間圧延設備における粗圧延機2と仕上圧延機7との間に配設した粗バー3加熱用の複数の加熱装置10の間における粗バー3の幅方向両側位置に、サイドガイドとしての縦型ロール11をそれぞれ設けて、粗バー3を上記各加熱装置10へ送り込むときに、該粗バー3のサイドエッジ部を、上記左右の縦型ロール11に当ててそれぞれガイドさせることにより、搬送される粗バー3の幅方向の中心が熱間圧延ラインの中心線に一致するよう粗バー3の幅方向位置を是正させることが従来提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
なお、図13(イ)(ロ)における符号12はホットレベラー4よりも上流側にて加熱処理前の粗バー3の幅方向位置をガイドするサイドガイドを示す。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−314201号公報
【特許文献2】
特開平10−328708号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に示されたように、サイドガイド9によって粗バー3の幅方向の位置を是正させる場合、上記バーヒータ5にて加熱された粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ部は1000〜1100℃に昇温されており、したがって、該各サイドエッジ部は傷付き易くなっていることから、粗バー3の幅方向位置を是正すべく走行して動いている状態の粗バー3のサイドエッジ部が、該粗バー3の走行方向に位置固定された上記左右のサイドガイド9に押し付けられると、該サイドガイド9との接触により、粗バー3のサイドエッジ部に、盛り上がるような変形や、めくれ、ばり等が発生し、このため製品精度が悪化すると共に、歩留まりが低下するという問題が生じるおそれがある。又、上記板状のサイドガイド9では、粗バー3のサイドエッジ部との接触時間が長くなるため、上記粗バー3のサイドエッジ部の温度低下の原因となるという不具合を生じるおそれもある。
【0009】
又、上記特許文献2に示されたように縦型ロール11により粗バー3のサイドエッジ部をガイドさせる場合には、上記縦型ロール11と、粗バー3のサイドエッジ部との接触時間は短くすることができると考えられるが、この場合であっても、縦型ロール11と粗バー3の各サイドエッジ部との接触は、線接触となるため、該粗バー3の各サイドエッジ部における盛り上がり変形、めくれ、ばり等の発生を完全には防止することができないという問題がある。
【0010】
特に、フェライト系ステンレス鋼等の軟らかい鋼種を取り扱う場合には、上記のようなサイドエッジ部における盛り上がり変形、めくれ、ばり等が発生し易く、サイドエッジ部を傷付けるおそれがある。
【0011】
更に、上記粗圧延機2にて粗圧延される粗バー3は幅が不均一で波状になっていることがあり、このため特許文献1に示された如き上記従来のサイドガイド9や、特許文献2に示された如き縦型ロール11は、目標とする板幅に対し50〜100mm程度の余裕代を取ってガイド幅の設定を行なう必要がある。又、粗圧延機2にて粗圧延された粗バー3の平面形状が左右方向の一側に極端に湾曲していた場合には、上記サイドガイド9や縦型ロール11のガイド幅が少なく設定されていると、上記粗バー3の先端部が、後段の仕上圧延機7に噛み込まれて幅方向に拘束されることに伴って、該粗バー3の後端側が上記サイドガイド9や縦型ロール11に乗り上がり易くなって、粗バー3のサイドエッジ部の傷付きが多大となるおそれもあり、このことからも、ガイド幅を目標とする板幅に対し所要の余裕代を取って設定する必要がある。したがって、上記サイドガイド9や縦型ロール11のようなガイド部材では、ガイド幅に余裕代が設定してあることから、バーヒータ5やエッジヒータ6等の加熱装置に送り込む粗バー3の幅方向位置を、正確にコントロールすることが難しく、このため粗バー3を加熱する際、幅方向の温度分布の均一化を図る上で不利になるという問題もある。
【0012】
そこで、本発明は、粗圧延機にて粗圧延される粗バーを、仕上圧延機で仕上圧延する前に加熱するときに、粗バーのサイドエッジ部に盛り上がり変形やめくれ、ばり等を生じさせることなく粗バーの幅方向最適位置を調整でき、しかも、上記粗圧延機にて粗圧延される粗バーの幅寸法や温度が不均一な場合にも容易に対応できる熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、上下より挟んだまま幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には上下のピンチロールにより粗バーを挟み、該ピンチロールとともに幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを上下より挟むための上下一対のピンチロールと、該ピンチロールを粗バーの幅方向と同方向に同時に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置とする。
【0014】
上下一対のピンチロールを、粗バーの送り方向へ回転させておき、加熱装置へ送られる粗バーが上記回転する上下のピンチロール間に挟まれたときに、上下のピンチロールを同時に左右方向へシフトさせると、上記ピンチロールに挟まれた粗バーは左右方向へ移動させられて、幅方向のポジションの調整が行われる。この際、上記粗バーのサイドエッジの端面に上下のピンチロールが接触することはないため、上記粗バーのサイドエッジ部が傷つけられるおそれはない。
【0015】
又、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、左右方向から押すことにより幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には端部に段差部を有する搬送用ロールを粗バーの幅方向にシフトさせることによって、該段差部により粗バーを左右方向から押して幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ両端部に段差部を有する搬送用ロールと、該搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成、又は、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ左端部に段差部を有する第一の搬送用ロールと、前記粗バーの下方に設けられ右端部に段差部を有する第二の搬送用ロールと、該第一の搬送用ロール及び該第二の搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置とすると、搬送用ロールの周速と粗バーの送り速度とを一致させながら、該搬送用ロールを粗バーの幅方向へ移動させるようにすることにより、搬送用ロールの段差部を、粗バーの送り方向へ粗バーの送り速度とほぼ一致した速度で移動させながら粗バーのサイドエッジ部に接触させて粗バーを左右方向へ押すことができるため、粗バーのサイドエッジ部が傷付くおそれを防止できる。
【0016】
更に、粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーのサイドエッジの位置信号に基づいて行うようにする方法及び装置とすることにより、サイドエッジ位置の検出結果に基づいて、粗バーの幅方向位置を調整できるため、加熱装置にて加熱する粗バーの幅方向位置を、該加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に調整することができ、更に、粗バーの幅寸法が不均一な場合であっても容易に対応して粗バーの幅方向位置を上記最適位置に調整することが可能となり、このため上記加熱装置により粗バーを幅方向に均一に加熱することができ、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延機にて仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
【0017】
更に又、粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーの幅方向の温度分布に基づいて行うようにする方法及び装置とすると、加熱装置に供給するときの粗バーの幅方向位置を、粗バーの幅方向の温度分布の検出結果に基づいて、上記加熱装置の加熱特性等を考慮して、該加熱装置における加熱処理を行うことで加熱処理後の粗バーの幅方向における温度分布を均一にすることができるようにするための左右方向の最適位置に調整することができ、このため、加熱装置による加熱処理により、幅方向に均一に加熱された粗バーを得ることができるため、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
【0018】
上記において、粗バーの左右のサイドエッジに温度差がある場合に、該温度差がなくなるように加熱装置のヒータ部の位置に応じて該粗バーを幅方向にシフトさせるようにすることにより、粗バーの左右のサイドエッジ部に温度差が生じている場合であっても、上記粗バーの左右のサイドエッジ部を加熱装置のヒータ部にて加熱させることで、左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような幅方向の最適位置にシフトさせてから加熱処理を行わせることができるため、左右のサイドエッジ部の温度差が解消されるよう加熱処理された粗バーを得ることができ、このため該加熱処理後の粗バーを幅方向に均一に仕上圧延することが可能になる。
【0019】
更に又、サイドシフト装置の上流側に、粗バーのサイドエッジ位置を検出するエッジセンサーと、前記粗バーの幅方向の温度分布を検出する温度分布センサーとを設け、且つ制御器を、上記エッジセンサー及び温度分布センサーの検出結果に基づいて前記サイドシフト装置の駆動を制御するものとした構成とすることにより、粗バーのサイドエッジ位置の検出結果に、幅方向の温度分布の検出結果を基にした補正を加えて、加熱装置にて加熱する上記粗バーの幅方向位置を調整できるため、粗バーの幅方向位置を、上記加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に更に精度よく調整できることから、加熱装置により加熱処理後に得られる粗バーの温度の更なる均一化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1乃至図4は本発明の熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置の実施の一形態を示すもので、図13(イ)(ロ)に示したと同様に、粗圧延機2の下流側に、ホットレベラー4と、加熱装置としてのバーヒータ5及びエッジヒーター6と、仕上圧延機7とを順に備えた熱間圧延設備における上記バーヒータ5の入口側とエッジヒータ6の入口側のそれぞれ又は一方に、ピンチロール式サイドシフト装置13を設け、該ピンチロール式サイドシフト装置13の上下のピンチロール14,15により粗バー3を上下方向より挟むと共に、該上下のピンチロール14,15を軸方向(左右方向)へ同時にシフトさせることにより、該ピンチロール14,15の間に挟持される粗バー3を、ピンチロール14,15と一緒に粗バー3の幅方向(左右方向)へシフトさせることができるようにする。
【0022】
詳述すると、上記ピンチロール式サイドシフト装置13は、図1及び図2に示す如く、粗バー3を挟むように上側と下側に、粗バー3の幅寸法よりも長くしてある上下一対の上ピンチロール14と下ピンチロール15を平行に配置してあり、ベース16上に支持フレーム22を熱間圧延ラインを挟む粗バー3の幅方向両側位置に配置し、又、上記ベース16の上面部に左右方向に延びるガイド溝18を備えたガイド部材17を設置すると共に、該各ガイド部材17のガイド溝18に下端部をスライド自在に嵌合させた左右の下部軸箱19a,19bに、上記下ピンチロール15の両端部軸心位置の回転軸20をそれぞれ回転自在に支持させて、該下ピンチロール15を、上記左右の各下部軸箱19a,19bと一緒に左右方向へスライドできるようにしてある。
【0023】
又、上記左右のガイド部材17の上方となる所要高さ位置に、上ピンチロール押圧用シリンダ21をそれぞれ下向きに配置して、たとえば、図2に一例として示す如く、ベース16上に固定した支持フレーム22に該各上ピンチロール押圧用シリンダ21を下向きに支持させ、且つ上記各上ピンチロール押圧用シリンダ21のピストンロッド21aの下端部(先端部)に、底面部に左右方向に延びるあり溝状のガイド溝24を設けてなる左右のガイド部材23の上端部をそれぞれ一体に取り付け、該左右の各ガイド部材23のガイド溝24に、左右の上部軸箱25a,25bを、上端部に突設してあるあり状の係合突部26を介してそれぞれスライド自在に嵌合させると共に、該左右の上部軸箱25a,25bに、上記上ピンチロール14の両端部軸心位置の回転軸27をそれぞれ回転自在に支持させて、上ピンチロール14を、上記左右の各上部軸箱25a,25bと一緒に左右方向へスライドできるようにし、上記左右の上ピンチロール押圧用シリンダ21のピストンロッド21aの同期した伸縮作動により、ガイド部材23を介して上部軸箱25a,25bと一緒に上記上ピンチロール14を上下方向、すなわち、下部ロール15に対し近接、離反する方向へ移動させることができるようにしてある。これにより、上記上ピンチロール押圧用シリンダ21にて上ピンチロール14を押し下げて上下ピンチロール14,15間の間隔を粗バー3の板厚分より若干狭く設定しておくことにより、ホットレベラー4で平坦度矯正された粗バー3が、上記上ピンチロール14を上ピンチロール押圧用シリンダ21の押し付け力に抗して上方へ押しのけるようにして上下のピンチロール14,15間に進入するようになって、粗バー3を上下のピンチロール14,15間にて所要圧力で挟めるようにしてあり、したがって、後述するサイドシフトシリンダ28の伸縮駆動により上記上下ピンチロール14,15を左右方向へ同時にシフトさせる際に、該ピンチロール14と15の間に挟まれた粗バー3を左右方向へ一緒に移動させることができるようにしてある。
【0024】
更に、上下ピンチロール14,15の一端側に位置する上部軸箱25aと下部軸箱19aの外側には、係合突部32と33を設けて、該係合突部32と33を上下方向にスライドできるようガイドするガイド溝31を備えたガイド部材30を、基礎上又は支持フレーム22に取り付けた支持部材29上の油圧シリンダ等のサイドシフトシリンダ28に、該ピストンロッド28aを介し連結して、上記サイドシフトシリンダ28のピストンロッド28aの伸縮駆動で、ガイド部材30を介し上下のピンチロール14,15を同時に左右方向へシフトさせることができるようにしてある。この際、上ピンチロール14と下ピンチロール15の近接、離反方向への相対変位は、上記係合突部32及び33を、ガイド部材30のガイド溝31に沿わせて上下方向にスライドさせることにより許容できるようになる。
【0025】
上記上ピンチロール14の回転軸27の他端側は、対応する軸箱25bよりも外側へ突出させると共に、該回転軸27の突出端部に、スプライン構造により伸縮可能としてある動力伝達軸34の一端部を自在継手35を介し接続し、同様に、下ピンチロール15の回転軸20の他端側は、対応する軸箱19bよりも外側へ突出させると共に、該回転軸20の突出端部に、上記と同様の伸縮可能な動力伝達軸36の一端部を自在継手37を介し接続し、更に、上記各動力伝達軸34と36の他端部に、減速機38に同回転数で対向方向に回転できるよう設けてある2つの出力軸39aと39bを、自在継手40及び41を介しそれぞれ個別に接続し、更に、上記減速機38にモータ42を取り付けて、上記モータ42の回転駆動力を、減速機38の出力軸39aより自在継手35,40及び動力伝達軸34を介し上ピンチロール14の回転軸27へ伝達すると同時に、上記減速機38の出力軸39bより自在継手37,41及び動力伝達軸36を介し下ピンチロール15の回転軸20へ伝達することにより、上記上ピンチロール14と下ピンチロール15とを、回転させて上下ピンチロール14,15間で粗バー3をつかみ且つ粗バー3の送りを許容するようにする。そのために、各ピンチロール14及び15の周速を、粗バー3の送り速度と一致するようにして回転させることができるようにしてある。上記上下ピンチロール14と15を左右方向へシフトさせるときは、スプライン構造としてある各動力伝達軸34と36がそれぞれ伸縮するようにしてある。又、上ピンチロール14を上下方向に変位させると、該上ピンチロール14の回転軸27と、対応する減速機38の出力軸39aとは上下方向に相対変位することになるが、この場合は、自在継手35により上ピンチロール14の回転軸27と動力伝達軸34との角度変更を許容させると同時に、自在継手40により上記動力伝達軸34と減速機38の出力軸39aとの角度変更を許容させ、更に、上記動力伝達軸34の伸縮により、上ピンチロール14の回転軸27と減速機38の出力軸39aとの間隔を自在に変化させることによって対応できるようにしてある。
【0026】
次に、図3及び図4は上記ピンチロール式サイドシフト装置13の実施要領と制御機構を示すもので、上記ピンチロール式のサイドシフト装置13を、バーヒータ5とエッジヒータ6の各入口側又は一方の入り口側に設置して、該各サイドシフト装置13の上流側における粗バー3の上方位置に、下方を通過して上記サイドシフト装置13に進入する粗バー3のサイドエッジの位置を、たとえば、CCDカメラ44で監視することにより常に検出できるようにしたエッジセンサー43を設置し、該エッジセンサー43によって検出される粗バー3のサイドエッジ位置の検出結果に基づいて、上記サイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28へ伸縮指令を与えるための制御器45を設けた構成とする。
【0027】
上記制御器45は、バーヒータ5及びエッジヒータ6で粗バー3を加熱するときの幅方向の最適位置として、たとえば、エッジセンサー43により検出される粗バー3の左右のサイドエッジ位置の中央を、上記バーヒータ5やエッジヒータ6の中心線と一致させるようにしたり、あるいは、左右いずれか一方のサイドエッジ位置が常に一直線上に保持させるようにする等、上記バーヒータ5やエッジヒータ6のそれぞれの加熱特性等を考慮して、該各バーヒータ5やエッジヒータ6にて加熱することによって粗バー3の幅方向における温度分布を左右方向で均等にすることができるような位置として粗バー3の幅方向の最適位置を設定し、この設定された最適位置に対して上記エッジセンサー43にて検出された粗バー3の位置がずれている場合には、両者が一致するようサイドシフトシリンダ28へ指令を与えて、粗バー3の幅方向位置を調整するようにしてある。
【0028】
46はピンチロール式サイドシフト装置における左右のフレーム22を連結して該各フレーム22同士を所要間隔で固定するための連結部材、47は左右のガイド部材23同士を連結して該各ガイド部材23同士の相対位置を固定するための連結部材である。その他、図11(イ)(ロ)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0029】
上記構成としてある本発明の熱間粗バーのサイドポジションコントロール装置を設けた熱間圧延設備において熱間鋼帯8を製造する場合は、バーヒータ5とエッジヒータ6の上流側にそれぞれ設けてある各ピンチロール式サイドシフト装置13のモータ42を駆動させて、該各サイドシフト装置13にて上ピンチロール14及び下ピンチロール15を、周速が粗バー3の送り速度と一致するよう同期して回転駆動させるようにしておく。
【0030】
この状態において、従来と同様に、先ず、スラブ1を粗圧延機2にて粗圧延して粗バー3とした後、ホットレベラー4にて上記粗バー3の平坦度を矯正させる。その後、上記平坦度の矯正された粗バー3を、バーヒータ5で加熱するときに、上記粗バー3がバーヒータ5の上流側に設けてあるエッジセンサー43の下方を通過する時点で該エッジセンサー43にて上記粗バー3のサイドエッジの位置が検出され、その信号が制御器45に入力される。サイドシフト装置13の上下のピンチロール14と15の間に挟まれた粗バー3は、上記エッジセンサー43によるサイドエッジ位置の検出結果に基づき制御器45よりサイドシフトシリンダ28へ送られる駆動指令によりサイドシフトされ、粗バー3の幅方向が最適位置に一致させられるようになる。
【0031】
これにより、エッジセンサー43により検出された粗バー3のサイドエッジ位置が、粗バー3をバーヒータ5へ進入させるときに所望される最適位置よりずれている場合には、上記粗バー3の最適位置からのずれが検出されたサイドエッジ部分がサイドシフト装置13の上下のピンチロール14と15の間に挟まれたときに、サイドシフトシリンダ28が伸縮作動させられて、上記上下のピンチロール14と15が同時に左右方向へシフトされることに伴って、上記粗バー3が上記上下のピンチロール14と15に挟まれた状態で一緒に左右方向へシフトさせられる。このため上記粗バー3の幅方向位置が、バーヒータ5へ進入させるときの最適位置となるように調整される。したがって、上記サイドシフト装置13を通過した粗バー3は、その後、バーヒータ5に対し幅方向位置が最適位置となった状態で進入させられて、該バーヒータ5における加熱処理が行われるようになる。
【0032】
上記バーヒータ5にて加熱処理された粗バー3は、次にエッジヒータ6へ送られるときに、該エッジヒータ6の入口側にて、上記バーヒータ5の場合と同様に、上記粗バー3がエッジヒータ6の上流側に設けてあるエッジセンサー43の下方を通過する時点で該エッジセンサー43にて上記粗バー3のサイドエッジの位置が検出されてその信号が制御器45へ入力される。
【0033】
これにより、上記エッジセンサー43によりサイドエッジ位置の検出された粗バー3の幅方向位置が、粗バー3をエッジヒータ6へ進入させるときに所望される最適位置よりずれている場合には、上記粗バー3の最適位置からのずれが検出されたサイドエッジ部分がサイドシフト装置13の上下のピンチロール14と15の間に挟まれた配置となるときに、制御器45からの指令により上記サイドシフトシリンダ28が伸縮駆動させられて、上記上下のピンチロール14と15とともに左右方向へシフトされるため、上記粗バー3の幅方向位置は、エッジヒータ6へ進入させるときの最適位置と一致するように調整される。したがって、上記サイドシフト装置13を通過した後、粗バー3は、エッジヒータ6に対し幅方向位置が最適位置となる状態で進入させられて、該エッジヒータ6における加熱処理が行われるようになる。
【0034】
上記バーヒータ5及びエッジヒータ6に、それぞれの最適位置で供給されて加熱処理された後の粗バー3は、従来と同様に仕上圧延機7で仕上圧延が行われて熱間鋼帯を形成させるようにする。
【0035】
このように、本発明によれば、仕上圧延機7で仕上圧延を行なわせるための粗バー3を加熱すべくバーヒータ5やエッジヒータ6へ供給するときに、該粗バー3の幅方向位置を、上記バーヒータ5やエッジヒータ6へ供給するときに所望される左右方向の最適位置に一致させることができるため、上記バーヒータ5及びエッジヒータ6にてそれぞれ加熱処理を行わせることにより、該粗バー3を幅方向に均一に加熱することができ、したがって、該粗バー3の幅方向における変形抵抗の偏りをなくすことができることから、仕上圧延機7にて粗バー3を幅方向に均一に仕上圧延できて、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
【0036】
又、上記粗バー3の幅方向位置の調整は、周速が上記粗バー3の送り速度と一致するよう回転駆動させた上下のピンチロール14と15により上下方向より挟むと共に、該上下のピンチロール14と15の左右方向へのシフトに伴って上記粗バー3を幅方向に移動させて行うため、上記粗バー3の幅方向両端部のサイドエッジの端面に、上ピンチロール14や下ピンチロール15が接触することはなく、したがって、上記粗バー3のサイドエッジ部に、盛り上がり変形、めくれ、ばり等が発生するおそれをなくして上記サイドエッジ部の傷付きを防止できるため、幅方向の形状及び精度が優れた熱間鋼帯8を、歩留まりよく製造することができる。
【0037】
なお、上記においては、バーヒータ5とエッジヒータ6を上流側より順に備えた熱間圧延設備における上記バーヒータ5とエッジヒータ6の上流側位置に、それぞれサイドシフト装置13及びエッジセンサー43を設置したものとして示したが、上流側より順にエッジヒータ6とバーヒータ5を備えた熱間圧延設備にて、上記エッジヒータ6とバーヒータ5の上流側位置に、それぞれサイドシフト装置13とエッジセンサー43とを設置してもよい。更に、上記いずれの熱間圧延設備において、バーヒータ5又はエッジヒータ6のいずれか一方の上流側位置にのみ、サイドシフト装置13とエッジセンサー43とを設けるようにしてもよい。
【0038】
次に、図5(イ)(ロ)及び図6は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1乃至図4に示した実施の形態と同様の構成において、バーヒータ5及びエッジヒータ6の上流側に、ピンチロール式のサイドシフト装置13をそれぞれ設けることに代えて、ロール端部に段差部51を有する搬送用の複数(図では2本)の段付ロール49と50を、段差部51が互に反対側となるよう熱間圧延ライン方向へ並べて設置して、該段付ロール49と50上を粗バー3が送られるようにし、且つ該段付ロール49と50の段差部51にて粗バー3の幅方向端部のサイドエッジ部をガイドさせると共に、上記段付ロール49と50の両方又は片方をシフトさせるようにして、粗バー3を段付ロール49,50の各段差部51で左右方向から押すことにより該粗バー3を幅方向にシフトさせて幅方向位置を調整できるようにした段付ロール方式のサイドシフト装置48をそれぞれ設けたものである。
【0039】
詳述すると、上記段付ロール式サイドシフト装置48は、図5(イ)(ロ)に示す如く、粗バー3の搬送ラインの下方位置に、粗バー3の幅方向(左右方向)に延びる支持架台52を設けて、該支持架台52の上面に、左右方向に延びる2組のガイドレール53と54を熱間圧延ライン方向の前後に所要間隔を隔てて配設し、一方のガイドレール53上に、所要間隔を隔てて配置した左右の軸箱55aと55bの下端部をそれぞれスライド可能に取り付け、該左右の軸箱55aと55bの間に、粗バー3を支持することができ且つ長手方向の一端部(図5(イ)では左端部)を所要寸法拡径させて段差部51を形成してなる第一の段付ロール49を配置して、該段付ロール49の両端部軸心位置の回転軸57を、上記左右の軸箱55aと55bにそれぞれ回転自在に支持させると共に、上記支持架台52上における一方の軸箱55aに、その外方位置に設置したサイドシフト用シリンダ58のピストンロッド58aを連結して、上記サイドシフト用シリンダ58のピストンロッド58aの伸縮駆動により、左右の各軸箱55a,55bと一緒に上記段付ロール49を左右方向へシフトさせることができるようにしてある。
【0040】
又、他方のガイドレール54上に、所要間隔を隔てて配置した左右の軸箱56aと56bの下端部をそれぞれスライド可能に取り付け、該左右の軸箱56aと56bの間に、粗バー3を支持することができ且つ他端部(図5(イ)では右端部)を所要寸法拡径させて段差部51を形成してなる第二の段付ロール50を配置して、該段付ロール50の両端部軸心位置に設けた回転軸59を、上記左右の軸箱56aと56bにそれぞれ回転自在に支持させると共に、上記支持架台52上における一方の軸箱56aに、その外方位置に設置したサイドシフト用シリンダ60のピストンロッド60aを連結して、上記サイドシフト用シリンダ60のピストンロッド60aの伸縮駆動により、各軸箱56a,56bと一緒に段付ロール50を、上記段付ロール49と同様に左右方向へシフトさせることができるようにしてある。
【0041】
更に、上記各段付ロール49及び50の他方の回転軸57及び59は、対応する他方の軸箱55b及び56bよりも外方へ突出させ、該各回転軸57と59の突出端部に、スプライン構造により伸縮可能とした個別の動力伝達軸63及び64の一端部をそれぞれ連結すると共に、該各動力伝達軸63及び64の他端部を、減速機61に互いに同方向に同期して回転できるように設けてある2つの出力軸62a及び62bにそれぞれ個別に取り付け、且つ上記減速機61にモータ65を連結して、上記モータ65の回転駆動力を、減速機61で減速し、動力伝達軸63,64を介し段付ロール49,50の回転軸57,59へ伝達することにより、上記各段付ロール49と50を粗バー3の送り速度と一致する周速で回転駆動させることができるようにしてある。
【0042】
更に、図1乃至図4の実施の形態における制御器45に代えて制御器66を設け、上記段付ロール式サイドシフト装置48の上流側に設けたエッジセンサー43により粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ位置を検出すると、その値が制御器66に入力されるようにしてあって、検出結果に基づいて、該サイドエッジ位置の検出された部分が上記各段付ロール49,50の位置まで進行したときに、サイドシフト用シリンダ58と60により対応する段付ロール49と50の左右方向の位置を個別に調整することにより、各段付ロール49と50の段差部51を左右方向へシフトさせ、該各段差部51の左右方向へのシフトに伴って各段差部51の間に常にガイドされるようにしてある粗バー3を上記各段差部51にて左右方向から押して幅方向へシフトさせるようにしてある。したがって、上記サイドエッジ位置の検出結果より導かれる上記粗バー3の幅方向位置が、バーヒータ5あるいはエッジヒータ6へ粗バー3を供給するときに所望される最適位置よりずれている場合には、ずれている側に段差部51を有する方の段付ロール49又は50と対応するサイドシフト用シリンダ58又は60へ制御器66より伸縮駆動指令を与えて、上記段付ロール49又は50を、粗バー3側へシフトさせることで、該段付ロール49又は50の段差部51によりずれを是正する方向へ粗バー3を押して幅方向へシフトさせることができるようにしてある。その他の構成は図1乃至図4に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0043】
本実施の形態の熱間粗バーのサイドポジションコントロール装置を設けた熱間圧延設備において熱間鋼帯8を製造する場合は、各段付ロール式サイドシフト装置48のモータ65を駆動させて、該各サイドシフト装置48の各段付ロール49及び50を、粗バー3の送り方向へ、周速が粗バー3の送り速度と一致するよう回転駆動させると共に、各段付ロール49,50の段差部51を、それぞれ粗バー3のサイドエッジ部と100mm程度のクリアランスを保持した状態に待機させるようにしておく。
【0044】
この状態において、スラブ1を粗圧延機2にて粗圧延した粗バー3を、ホットレベラー4にて平坦度を矯正させた後、該平坦度の矯正された粗バー4を、加熱すべくバーヒータ5へ供給させると、上記実施の形態と同様に、上記粗バー3がバーヒータ5の上流側に設けてあるエッジセンサー43の下方を通過する時点で該エッジセンサー43にて上記粗バー3のサイドエッジ位置が検出され、これにより、上記サイドシフト装置48における各段付ロール49と50の段差部51の位置が、上記サイドエッジ部の検出が行なわれた粗バー3の幅寸法に対応して調整されることから、上記エッジセンサー43の下方を通過した粗バー3は、サイドシフト装置48に進入して各段付ロール49と50の段差部51同士の間に受け入れられて、幅方向両端部のサイドエッジ部がガイドされるようになる。
【0045】
この際、上記エッジセンサー43によるサイドエッジ位置の検出結果に基づく粗バー3の幅方向位置が、粗バー3をバーヒータ5へ進入させるときに所望される最適位置よりずれている場合には、制御器66からの指令により、各サイドシフト用シリンダ58及び60が同期して適宜伸縮駆動させられて、上記各段付ロール49と50がシフトさせられ、これにより、各段付ロール49と50の段差部51によりサイドエッジ部が押されることによって上記粗バー3はずれが是正される方向へシフトさせられて、幅方向位置が上記最適位置に一致するよう調整される。この際、上記各段付ロール49と50が共に周速が粗バー3の送り速度と一致するよう回転駆動されていることに伴って、各段付ロール49及び50の段差部51における粗バー3と接触する部分は、粗バー3の送り方向に該粗バー3の送り速度とほぼ等しい速度で移動しているため、段差部51との接触により粗バー3のサイドエッジ部が傷付くことは防止される。
【0046】
上記段付ロール式サイドシフト装置48を通過した後の粗バー3は、幅方向位置が最適位置に調整された状態にてバーヒータ5に対し供給されて、該バーヒータ5における加熱処理が行われるようになる。
【0047】
上記バーヒータ5による加熱処理が行われた粗バー3は、次に、エッジヒータ6へ送られ、この際、エッジヒータ6の上流側に設けてあるエッジセンサー43によるサイドエッジ位置の検出結果に基づいて、上記バーヒータ5の上流側のサイドシフト装置48の場合と同様に、サイドシフト装置48が作動させられることによって、粗バー3のエッジヒータ6へ供給されるときの幅方向位置が、最適位置に是正された後、該粗バー3のエッジヒータ6への供給が行なわれて、該エッジヒータ6における加熱処理が行われるようになる。
【0048】
したがって、本実施の形態によっても、上記実施の形態と同様に、バーヒータ5やエッジヒータ6に対し、粗バー3の幅方向位置を最適位置に是正してから供給することができることから、バーヒータ5及びエッジヒータ6にてそれぞれ加熱処理を行わせることにより、粗バー3を幅方向に均一に加熱することができて、該粗バー3を仕上圧延機7で仕上圧延することで、品質の高い熱間鋼帯を製造することができ、しかも、上記粗バー3の幅方向位置を是正する場合にも、サイドエッジ部に、盛り上がり変形、めくれ、ばり等が発生するおそれをなくして上記サイドエッジ部の傷付きを防止できるため、幅方向の形状及び精度が優れた熱間鋼帯8を、歩留まりよく製造することができる。
【0049】
次いで、図7乃至図9は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1乃至図4に示したと同様に粗圧延機2の下流側に、ホットレベラー4と、加熱装置としてのバーヒータ5及びエッジヒーター6と、仕上圧延機7とを順に備えた熱間圧延設備における上記エッジヒータ6の上流側に、図1及び図2に示したと同様のピンチロール式サイドシフト装置13を設けると共に、該サイドシフト装置13の上流側における上方位置に、粗圧延機2から送られて来る粗バー3の幅方向の温度分布を検出するための温度分布センサー67として、たとえば、サーモグラフィ等の温度分布センサー67を設け、更に、該温度分布センサー67により検出される粗バー3の幅方向の温度分布の検出結果に基づいて、上記サイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28(図1参照)へ駆動指令を与える制御器68を設けたものである。
【0050】
ここで、上記制御器68によるサイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28の伸縮駆動により粗バー3の幅方向位置を制御することについて説明する。
【0051】
スラブ1を粗圧延機2にて粗圧延されて誘導加熱処理前の粗バー3は、図8(イ)に実線で示す如く、一般に、サイドエッジ部の温度が低く、更に、▲1▼加熱炉にてスラブの昇温を行わせるときに加熱状態のばらつきがあること、▲2▼粗圧延機における冷却水の排水が左右方向で均一ではないために粗圧延された粗バー3の左右に温度差が生じることがあること、▲3▼デスケーリング水の排水が左右均一でないために粗バー3の左右に温度差が生じることがあること、等に起因して、温度の低下の度合が左右のサイドエッジ部で異なることがある(図では左側のサイドエッジ部の方が幅広く温度低下した状態を示す)。
【0052】
粗バー3のサイドエッジ部分の温度が低いことに関しては、加熱装置の1つとしてエッジヒータ6を設けて、該エッジヒータ6にて粗バー3の幅方向両端部のサイドエッジ部分のみを加熱することで対処するようにしているのであるが、上述したように粗バー3の左右のサイドエッジ部分に温度の低下度合の差異が生じている場合には、粗バー3をエッジヒータ6へ供給するときに、該粗バー3の幅方向位置を、幅方向の中心が、エッジヒータ6の中心線と一致するように調整したのでは、左右のサイドエッジ部分に均等に入熱が行なわれて、左右のサイドエッジ部の昇温温度が等しくなるため、左右のサイドエッジ部における温度差を解消させることはできない。
【0053】
そこで、粗バー3のサイドエッジ部をエッジヒータ6により加熱するときに、サイドエッジ部とエッジヒータ6とのラップ量(重なり量)を変化させて、上記粗バー3のサイドエッジ部における昇温の度合を調べたところ、図9に、ラップ量を大(線a)、中(線b)、小(線c)と変化させた場合の、粗バー3のサイドエッジ部における端部からの距離と、昇温温度との関係のグラフを示す如き知見が得られ、このことから、温度の低いサイドエッジ部を幅広く加熱するためには、エッジヒータ6とのラップ量を大きくすればよいことが判明した。又、この際、昇温温度の絶対量を増加させるためには誘導加熱装置であるエッジヒータ6への印加電力を大きくすればよいことも判明した。
【0054】
この結果を鑑みて、上記制御器68は、上記温度分布センサー69による粗バー3の幅方向温度分布の検出結果に基づいて、左右のサイドエッジ部で温度に相違が生じている場合、たとえば、図8(イ)に実線で示す如く、左側のサイドエッジ部の方が右側のサイドエッジ部に比して幅広く温度低下している場合には、該左右の各サイドエッジ部の温度を均等に上昇させて図8(イ)に破線で示す如き幅方向の温度分布が均一になるような目的温度とさせるため、すなわち、粗バー3の幅方向の中心を基準としたときの幅方向における相対温度差を解消できるようにするために、上記粗バー3の左右の各サイドエッジ部に関して必要とされる昇温温度を求め、この場合、左側のサイドエッジ部では図8(イ)に一点鎖線で示す如き昇温温度が要求され、一方右側のサイドエッジ部では、図8(イ)に二点鎖線で示す如き昇温温度が要求されることから、これらの昇温温度を得るために必要なサイドエッジ部とエッジヒータ6とのラップ量を図9に示したグラフより適宜選択し、図8(ロ)に示す如く、上記選択されたラップ量を得るためのエッジヒータ6に対する粗バー3のサイドエッジの相対位置を求めて、求められた位置を基準として、該基準位置、たとえば、粗バー3の左側サイドエッジ位置を基準位置Oに、粗バー3のサイドエッジ位置を常に一致させることができるようサイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28へ適宜駆動指令を与えて、該サイドシフト装置13により粗バー3の幅方向位置を調整させるようにしてある。
【0055】
その他の構成は図1乃至図4に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0056】
本実施の形態によれば、粗圧延機2にて形成された粗バー3は、ホットレベラー4にて平坦度が矯正された後、バーヒータ5へ供給されて幅方向及び長手方向の全体に亘り加熱され、その後、サイドエッジ部の加熱を行うべくエッジヒータ6へ送られる。この際、該エッジヒータ6の上流側にて上記エッジヒータ6へ進入する粗バー3の幅方向の温度分布を温度分布センサー67により検出させ、その検出結果に基づいて制御器68よりサイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28へ指令を与えて該サイドシフトシリンダ28を適宜伸縮駆動させる。更に、この際、エッジヒータ6における印加電力を、粗バー3のサイドエッジ部を均等に加熱するために所望される昇温温度の絶対量に対応させて制御するようにしてもよい。
【0057】
これにより、上記サイドシフト装置13において、粗バー3の幅方向位置は、該粗バー3をエッジヒータ6にて加熱処理させることにより加熱後の粗バー3の左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような最適位置に調整することができ、その後、該幅方向位置が最適位置に調整された粗バー3がエッジヒータ6へ進入させられて該エッジヒータ6による加熱処理が行われるようになることから、加熱処理後の粗バー3は左右のサイドエッジ部の温度分布を均等にすることができる。したがって、該加熱処理後の粗バー3を仕上圧延機7へ供給して仕上圧延させると、幅方向に偏りを生じさせることなく左右均等に仕上圧延できて、幅方向の形状及び精度が優れた品質の高い熱間鋼帯8を製造することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、粗圧延機3と仕上圧延機7との間に、上流側よりエッジヒータ6とバーヒータ5の順序で加熱装置を備えた熱間圧延設備にも採用でき、又、図1乃至図4の実施の形態、及び、図5(イ)(ロ)及び図6の実施の形態におけるピンチロール式又は段付ロール式のサイドシフト装置13又は48と、その上流側に設けるエッジセンサー43の組み合わせは、バーヒータ5とエッジヒータ6のいずれか一方の上流側にのみ設けるようにしてもよいこと、図7乃至図9の実施の形態の段付ロール式サイドシフト装置13と、その上流側の温度分布センサー67との組み合わせは、エッジヒータ6よりも上流側に上記サイドシフト装置13があり、更に該サイドシフト装置13の上流側に温度分布センサー67が配置してあれば、両者をバーヒータ5の上流側に設けたり、温度分布センサー67を粗圧延機2の直後位置に配置して、上記サイドシフト装置13はエッジヒータ6の直前位置に設ける等、配置位置を変更してもよいこと、図10に示す如く、図5(イ)(ロ)及び図6に示した実施の形態におけるエッジヒータ6の入口側に設けてある段付ロール式サイドシフト装置48の上流側位置に、エッジセンサー43に代えて図7乃至図9の実施の形態に示したと同様な温度分布センサー67を設け、該温度分布センサー69にて検出される粗バー3の幅方向の温度分布に基づいて、制御器68´からの指令により、上記エッジヒータ6へ供給するときの粗バー3の幅方向位置が、該エッジヒータ6にて粗バー3を加熱処理することで、左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような最適位置になるよう上記段付ロール式サイドシフト装置48による粗バー3の幅方向位置の調整を行わせるようにしてもよいこと、更には、図11に示す如く、図1乃至図4の実施の形態、又は、図5(イ)(ロ)及び図6の実施の形態におけるエッジヒータ6よりも上流側位置に設けてあるエッジセンサー43に、図7乃至図9の実施の形態に示したと同様な温度分布センサー67を併設して(図では図1乃至図4の実施の形態に適用した場合を示してある)、該温度分布センサー67により検出される粗バー3の幅方向温度分布の情報により、制御器45又は66より上記エッジセンサー43の検出結果に基づいてエッジヒータ6の上流側のサイドシフト装置13又は48へ与える駆動指令に補正を加えるようにしてもよく、この場合、粗バー3の幅方向位置を左右方向の最適位置へ更に精度よく適合させることが可能になることから、エッジヒータ6による加熱処理後の粗バー3温度の更なる均一化を図ることができること、図1乃至図4の実施の形態、及び、図7乃至図9の実施の形態におけるピンチロール式サイドシフト装置13では、ピンチロール14と15の間に挟んだ粗バー3の幅方向位置を、上流側に設けたエッジセンサー43又は温度分布センサー69の検出結果に基づいて、上記上下ピンチロール14と15を左右方向への速やかにシフトさせて該ピンチロール14と15の間に挟んだ粗バー3の幅方向位置を調整できれば、サイドシフトシリンダ28は、油圧以外の形式であってもよく、更には、該ピンチロール14と15の左右方向への移動を行なわせるサイドシフト用駆動装置としては、サイドシフトシリンダ28以外のいかなる駆動機構のものも採用できること、又、上下ピンチロール14と15を、粗バー3の送り方向となる対向方向に、周速が粗バー3の移送速度と一致するように同期させて回転駆動できれば、上記ピンチロール14と15に等速で反対方向に回転するモータを個別に接続するようにしてもよいこと、更に、上下のピンチロール14と15の間に進入する粗バー3を該上下のピンチロール14と15にて所要圧力で挟むことができれば、ピンチロール14と15の間に押し付け力を作用させる機構としては、上ピンチロール押圧用シリンダ21以外のいかなる機構を採用してもよいこと、図5(イ)(ロ)及び図6に示した実施の形態における段付ロール式サイドシフト装置48は、各段付ロール49及び50を粗バー3の送り方向に2組以上備えるようにしてもよいこと、又、各段付ロール49及び50を、上流側のエッジセンサー43の検出結果に基づいて速やかに左右方向へ移動させることができれば、サイドシフト用シリンダ58,60の駆動方式はいかなるものも採用でき、更には、サイドシフト用の駆動装置としてはシリンダ58,60以外にも、いかなる形式の駆動機構のものを採用してもよいこと、各段付ロール49と50を、周速が粗バー3の送り速度と一致するように同期して粗バー3の送り方向に回転駆動させることができれば、上記各段付ロール49と50に、同方向に等速で回転するモータを個別に接続するようにしてもよいこと、更に、2本の段差ロール49,50と用いた構成とすることに代えて、図12に示す如く、長手方向両端部をそれぞれ所要寸法拡径させて両端部に段差部51を形成してなる1本の段差ロール49´を、サイドシフト用シリンダ58にて左右方向へシフトさせることができるようにした構成としてなる段付ロール式サイドシフト装置48aを形成して、上記段差ロール49´の左右方向へのシフトに伴って該段差ロール49´の段差部51により粗バー3を左右方向から押して幅方向にシフトさせるようにしてもよいこと、図1乃至図4の実施の形態、及び、図5(イ)(ロ)及び図6の実施の形態におけるエッジセンサー43は、CCDカメラ44を用いたものとして示したが、粗バー3のサイドエッジ位置を、該サイドエッジ部分に損傷等を生じさせることなく検出できれば、いかなる形式のものを採用してもよいこと、図7乃至図9の実施の形態における温度分布センサー67は、粗バー3の幅方向の温度分布を検出できれば、サーモグラフィー以外のいかなる形式のものを用いてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1) 粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、上下より挟んだまま幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には上下のピンチロールにより粗バーを挟み、該ピンチロールとともに幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを上下より挟むための上下一対のピンチロールと、該ピンチロールを粗バーの幅方向と同方向に同時に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置としてあるので、加熱装置で加熱するための粗バーを、上下のピンチロールで挟んで幅方向位置をシフトさせることができ、この際、上記粗バーのサイドエッジの端面に上下のピンチロールが接触することはないため、上記粗バーのサイドエッジ部が傷付くおそれを防止できる。
(2) 粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、左右方向から押すことにより幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には端部に段差部を有する搬送用ロールを粗バーの幅方向にシフトさせることによって、該段差部により粗バーを左右方向から押して幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ両端部に段差部を有する搬送用ロールと、該搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成、又は、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ左端部に段差部を有する第一の搬送用ロールと、前記粗バーの下方に設けられ右端部に段差部を有する第二の搬送用ロールと、該第一の搬送用ロール及び該第二の搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置とすると、搬送用ロールの周速と粗バーの送り速度とを一致させながら、該搬送用ロールを粗バーの幅方向へ移動させるようにすることにより、搬送用ロールの段差部を、粗バーの送り方向へ粗バーの送り速度とほぼ一致した速度で移動させながら粗バーのサイドエッジ部に接触させて粗バーを左右方向へ押すことができるため、粗バーのサイドエッジ部が傷付くおそれを防止できる。
(3) 粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーのサイドエッジの位置信号に基づいて行うようにする方法及び装置とすることにより、サイドエッジ位置の検出結果に基づいて、粗バーの幅方向位置を調整できるため、加熱装置にて加熱する粗バーの幅方向位置を、該加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に調整することができ、更に、粗バーの幅寸法が不均一な場合であっても容易に対応して粗バーの幅方向位置を上記最適位置に調整することが可能となり、このため上記加熱装置により粗バーを幅方向に均一に加熱することができ、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延機にて仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
(4) 粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーの幅方向の温度分布に基づいて行うようにする方法及び装置とすると、加熱装置に供給するときの粗バーの幅方向位置を、粗バーの幅方向の温度分布の検出結果に基づいて、上記加熱装置の加熱特性等を考慮して、該加熱装置における加熱処理を行うことで加熱処理後の粗バーの幅方向における温度分布を均一にすることができるようにするための左右方向の最適位置に調整することができ、このため、加熱装置による加熱処理により、幅方向に均一に加熱された粗バーを得ることができるため、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
(5) 粗バーの左右のサイドエッジに温度差がある場合に、該温度差がなくなるように加熱装置のヒータ部の位置に応じて該粗バーを幅方向にシフトさせるようにすることにより、粗バーの左右のサイドエッジ部に温度差が生じている場合であっても、上記粗バーの左右のサイドエッジ部を加熱装置のヒータ部にて加熱させることで、左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような幅方向の最適位置にシフトさせてから加熱処理を行わせることができるため、左右のサイドエッジ部の温度差が解消されるよう加熱処理された粗バーを得ることができ、このため該加熱処理後の粗バーを幅方向に均一に仕上圧延することが可能になる。
(6) サイドシフト装置の上流側に、粗バーのサイドエッジ位置を検出するエッジセンサーと、前記粗バーの幅方向の温度分布を検出する温度分布センサーとを設け、且つ制御器を、上記エッジセンサー及び温度分布センサーの検出結果に基づいて前記サイドシフト装置の駆動を制御するものとした構成とすることにより、粗バーのサイドエッジ位置の検出結果に、幅方向の温度分布の検出結果を基にした補正を加えて、加熱装置にて加熱する上記粗バーの幅方向位置を調整できるため、粗バーの幅方向位置を、上記加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に更に精度よく調整できることから、加熱装置により加熱処理後に得られる粗バーの温度の更なる均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置の実施の一形態としてピンチロール式サイドシフト装置を示す一部切断概略正面図である。
【図2】図1のA−A方向矢視図である。
【図3】図1のピンチロール式サイドシフト装置を採用した熱間圧延設備を示す概略側面図である。
【図4】図3の熱間圧延設備に設けるエッジセンサー部分を拡大して示す平面図である。
【図5】本発明の実施の他の形態として段付ロール式サイドシフト装置を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)は概略切断側面図である。
【図6】図5の段付ロール式サイドシフト装置を採用した熱間圧延設備を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。
【図8】図7の実施の形態における制御内容を示すもので、(イ)は粗バーの幅方向の温度分布の例を示す図、(ロ)は(イ)の温度分布を基に設定される粗バーの幅方向位置の最適位置を示す図である
【図9】粗バーのサイドエッジ部と、エッジヒータとのラップ量の変化させるときのサイドエッジ部の端部からの距離と昇温温度分布との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。
【図11】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。
【図12】本発明の実施の更に他の形態を示す概略平面図である。
【図13】従来の熱間圧延設備の一例を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は加熱装置部分を拡大して示す平面図である。
【図14】従来の熱間圧延設備の他の例を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は加熱装置部分を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
2 粗圧延機
3 粗バー
5 バーヒータ(加熱装置)
6 エッジヒータ(加熱装置)
13 ピンチロール式サイドシフト装置(サイドシフト装置)
14 上ピンチロール
15 下ピンチロール
28 サイドシフトシリンダ(サイドシフト用駆動装置)
43 エッジセンサー
45 制御器
48,48a 段付ロール式サイドシフト装置(サイドシフト装置)
49,49´ 段付ロール(搬送用ロール)
50 段付ロール(搬送用ロール)
51 段差部
58 サイドシフト用シリンダ(サイドシフト用駆動装置)
60 サイドシフト用シリンダ(サイドシフト用駆動装置)
66 制御器
67 温度分布センサー
68,68´ 制御器
【発明の属する技術分野】
本発明は熱間圧延設備における粗圧延機で粗圧延される粗バーを、仕上圧延機で仕上圧延する前に加熱装置で加熱処理するときに、該粗バーの幅方向の位置を調整するための熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延設備にて熱間鋼帯を製造する場合は、図13(イ)(ロ)にその一例の概略を示す如く、先ず、図示しない加熱炉で昇温された被圧延材のスラブ1を、粗圧延機2にて粗圧延して、たとえば、20〜40mm程度の厚さで70〜100m程度の長さ寸法を有する中間材としての粗バー3を成形させ、次に、上記粗圧延機2にて粗圧延される粗バー3の平坦度、すなわち、長手方向の全長あるいは一部に生じる上下方向に波打つような変形(うねり変形)を、ホットレベラー4に通して平坦に矯正するようにし、次いで、上記ホットレベラー4にて平坦度の矯正された粗バー3を、加熱装置として、粗バー3の長さ方向及び幅方向の全体に亘って加熱する誘導加熱装置としてのバーヒータ5と、粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ部を加熱する誘導加熱装置としてのエッジヒータ6によってそれぞれ加熱処理することにより、上記粗バー3を所要温度(たとえば、1000〜1100℃)まで昇温させ、しかる後、昇温された上記粗バー3を仕上圧延機7で仕上圧延させて、所要の板幅、板厚の熱間鋼帯8を形成させるようにしている。
【0003】
なお、上記熱間圧延設備において、加熱装置としてのバーヒータ5とエッジヒータ6は上下流方向の配置を逆にして処理順序を逆にすることも行われている。
【0004】
ところで、上記バーヒータ5及びエッジヒータ6における加熱処理が行われた後の粗バー3において、該粗バー3の幅方向に温度分布の偏りが生じていると、その温度分布の偏りに伴って幅方向で変形抵抗に差が生じるため、このような幅方向に温度分布の偏りのある粗バー3を仕上圧延機7へ送って仕上圧延を行わせる場合には、製造される熱間鋼帯8が左右方向へ蛇行する等、幅方向の形状が悪くなるおそれが懸念される。
【0005】
上記のように粗バー3の幅方向に温度分布の偏りが生じる要因としては、加熱炉でのスラブの昇温のバラツキの影響が残っていたり、粗バー3の幅方向の中心が熱間圧延ラインの中心線からずれた状態にて、上記バーヒータ5やエッジヒータ6へ供給されることが考えられた。このために、粗バー3を、幅方向の温度分布が均一な状態に加熱することができるようにするための対策として、図11(イ)(ロ)に示す如く、熱間圧延設備における上記バーヒータ5の入口側、及び、エッジヒータ6の入口側における粗バー3の幅方向の両側に、熱間圧延ライン方向に沿う板状のサイドガイド9をそれぞれ設けて、粗バー3を上記バーヒータ5又はエッジヒータ6で加熱するときに、該粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ部を、上記左右のサイドガイド9に当ててガイドさせることにより、上記粗バー3の幅方向の中心が熱間圧延ラインの中心線に一致するよう粗バー3の幅方向位置を是正させるようにしたり(たとえば、特許文献1参照)、あるいは、図14(イ)(ロ)に示す如く、熱間圧延設備における粗圧延機2と仕上圧延機7との間に配設した粗バー3加熱用の複数の加熱装置10の間における粗バー3の幅方向両側位置に、サイドガイドとしての縦型ロール11をそれぞれ設けて、粗バー3を上記各加熱装置10へ送り込むときに、該粗バー3のサイドエッジ部を、上記左右の縦型ロール11に当ててそれぞれガイドさせることにより、搬送される粗バー3の幅方向の中心が熱間圧延ラインの中心線に一致するよう粗バー3の幅方向位置を是正させることが従来提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
なお、図13(イ)(ロ)における符号12はホットレベラー4よりも上流側にて加熱処理前の粗バー3の幅方向位置をガイドするサイドガイドを示す。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−314201号公報
【特許文献2】
特開平10−328708号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に示されたように、サイドガイド9によって粗バー3の幅方向の位置を是正させる場合、上記バーヒータ5にて加熱された粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ部は1000〜1100℃に昇温されており、したがって、該各サイドエッジ部は傷付き易くなっていることから、粗バー3の幅方向位置を是正すべく走行して動いている状態の粗バー3のサイドエッジ部が、該粗バー3の走行方向に位置固定された上記左右のサイドガイド9に押し付けられると、該サイドガイド9との接触により、粗バー3のサイドエッジ部に、盛り上がるような変形や、めくれ、ばり等が発生し、このため製品精度が悪化すると共に、歩留まりが低下するという問題が生じるおそれがある。又、上記板状のサイドガイド9では、粗バー3のサイドエッジ部との接触時間が長くなるため、上記粗バー3のサイドエッジ部の温度低下の原因となるという不具合を生じるおそれもある。
【0009】
又、上記特許文献2に示されたように縦型ロール11により粗バー3のサイドエッジ部をガイドさせる場合には、上記縦型ロール11と、粗バー3のサイドエッジ部との接触時間は短くすることができると考えられるが、この場合であっても、縦型ロール11と粗バー3の各サイドエッジ部との接触は、線接触となるため、該粗バー3の各サイドエッジ部における盛り上がり変形、めくれ、ばり等の発生を完全には防止することができないという問題がある。
【0010】
特に、フェライト系ステンレス鋼等の軟らかい鋼種を取り扱う場合には、上記のようなサイドエッジ部における盛り上がり変形、めくれ、ばり等が発生し易く、サイドエッジ部を傷付けるおそれがある。
【0011】
更に、上記粗圧延機2にて粗圧延される粗バー3は幅が不均一で波状になっていることがあり、このため特許文献1に示された如き上記従来のサイドガイド9や、特許文献2に示された如き縦型ロール11は、目標とする板幅に対し50〜100mm程度の余裕代を取ってガイド幅の設定を行なう必要がある。又、粗圧延機2にて粗圧延された粗バー3の平面形状が左右方向の一側に極端に湾曲していた場合には、上記サイドガイド9や縦型ロール11のガイド幅が少なく設定されていると、上記粗バー3の先端部が、後段の仕上圧延機7に噛み込まれて幅方向に拘束されることに伴って、該粗バー3の後端側が上記サイドガイド9や縦型ロール11に乗り上がり易くなって、粗バー3のサイドエッジ部の傷付きが多大となるおそれもあり、このことからも、ガイド幅を目標とする板幅に対し所要の余裕代を取って設定する必要がある。したがって、上記サイドガイド9や縦型ロール11のようなガイド部材では、ガイド幅に余裕代が設定してあることから、バーヒータ5やエッジヒータ6等の加熱装置に送り込む粗バー3の幅方向位置を、正確にコントロールすることが難しく、このため粗バー3を加熱する際、幅方向の温度分布の均一化を図る上で不利になるという問題もある。
【0012】
そこで、本発明は、粗圧延機にて粗圧延される粗バーを、仕上圧延機で仕上圧延する前に加熱するときに、粗バーのサイドエッジ部に盛り上がり変形やめくれ、ばり等を生じさせることなく粗バーの幅方向最適位置を調整でき、しかも、上記粗圧延機にて粗圧延される粗バーの幅寸法や温度が不均一な場合にも容易に対応できる熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、上下より挟んだまま幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には上下のピンチロールにより粗バーを挟み、該ピンチロールとともに幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを上下より挟むための上下一対のピンチロールと、該ピンチロールを粗バーの幅方向と同方向に同時に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置とする。
【0014】
上下一対のピンチロールを、粗バーの送り方向へ回転させておき、加熱装置へ送られる粗バーが上記回転する上下のピンチロール間に挟まれたときに、上下のピンチロールを同時に左右方向へシフトさせると、上記ピンチロールに挟まれた粗バーは左右方向へ移動させられて、幅方向のポジションの調整が行われる。この際、上記粗バーのサイドエッジの端面に上下のピンチロールが接触することはないため、上記粗バーのサイドエッジ部が傷つけられるおそれはない。
【0015】
又、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、左右方向から押すことにより幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には端部に段差部を有する搬送用ロールを粗バーの幅方向にシフトさせることによって、該段差部により粗バーを左右方向から押して幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ両端部に段差部を有する搬送用ロールと、該搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成、又は、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ左端部に段差部を有する第一の搬送用ロールと、前記粗バーの下方に設けられ右端部に段差部を有する第二の搬送用ロールと、該第一の搬送用ロール及び該第二の搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置とすると、搬送用ロールの周速と粗バーの送り速度とを一致させながら、該搬送用ロールを粗バーの幅方向へ移動させるようにすることにより、搬送用ロールの段差部を、粗バーの送り方向へ粗バーの送り速度とほぼ一致した速度で移動させながら粗バーのサイドエッジ部に接触させて粗バーを左右方向へ押すことができるため、粗バーのサイドエッジ部が傷付くおそれを防止できる。
【0016】
更に、粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーのサイドエッジの位置信号に基づいて行うようにする方法及び装置とすることにより、サイドエッジ位置の検出結果に基づいて、粗バーの幅方向位置を調整できるため、加熱装置にて加熱する粗バーの幅方向位置を、該加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に調整することができ、更に、粗バーの幅寸法が不均一な場合であっても容易に対応して粗バーの幅方向位置を上記最適位置に調整することが可能となり、このため上記加熱装置により粗バーを幅方向に均一に加熱することができ、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延機にて仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
【0017】
更に又、粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーの幅方向の温度分布に基づいて行うようにする方法及び装置とすると、加熱装置に供給するときの粗バーの幅方向位置を、粗バーの幅方向の温度分布の検出結果に基づいて、上記加熱装置の加熱特性等を考慮して、該加熱装置における加熱処理を行うことで加熱処理後の粗バーの幅方向における温度分布を均一にすることができるようにするための左右方向の最適位置に調整することができ、このため、加熱装置による加熱処理により、幅方向に均一に加熱された粗バーを得ることができるため、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
【0018】
上記において、粗バーの左右のサイドエッジに温度差がある場合に、該温度差がなくなるように加熱装置のヒータ部の位置に応じて該粗バーを幅方向にシフトさせるようにすることにより、粗バーの左右のサイドエッジ部に温度差が生じている場合であっても、上記粗バーの左右のサイドエッジ部を加熱装置のヒータ部にて加熱させることで、左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような幅方向の最適位置にシフトさせてから加熱処理を行わせることができるため、左右のサイドエッジ部の温度差が解消されるよう加熱処理された粗バーを得ることができ、このため該加熱処理後の粗バーを幅方向に均一に仕上圧延することが可能になる。
【0019】
更に又、サイドシフト装置の上流側に、粗バーのサイドエッジ位置を検出するエッジセンサーと、前記粗バーの幅方向の温度分布を検出する温度分布センサーとを設け、且つ制御器を、上記エッジセンサー及び温度分布センサーの検出結果に基づいて前記サイドシフト装置の駆動を制御するものとした構成とすることにより、粗バーのサイドエッジ位置の検出結果に、幅方向の温度分布の検出結果を基にした補正を加えて、加熱装置にて加熱する上記粗バーの幅方向位置を調整できるため、粗バーの幅方向位置を、上記加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に更に精度よく調整できることから、加熱装置により加熱処理後に得られる粗バーの温度の更なる均一化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1乃至図4は本発明の熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置の実施の一形態を示すもので、図13(イ)(ロ)に示したと同様に、粗圧延機2の下流側に、ホットレベラー4と、加熱装置としてのバーヒータ5及びエッジヒーター6と、仕上圧延機7とを順に備えた熱間圧延設備における上記バーヒータ5の入口側とエッジヒータ6の入口側のそれぞれ又は一方に、ピンチロール式サイドシフト装置13を設け、該ピンチロール式サイドシフト装置13の上下のピンチロール14,15により粗バー3を上下方向より挟むと共に、該上下のピンチロール14,15を軸方向(左右方向)へ同時にシフトさせることにより、該ピンチロール14,15の間に挟持される粗バー3を、ピンチロール14,15と一緒に粗バー3の幅方向(左右方向)へシフトさせることができるようにする。
【0022】
詳述すると、上記ピンチロール式サイドシフト装置13は、図1及び図2に示す如く、粗バー3を挟むように上側と下側に、粗バー3の幅寸法よりも長くしてある上下一対の上ピンチロール14と下ピンチロール15を平行に配置してあり、ベース16上に支持フレーム22を熱間圧延ラインを挟む粗バー3の幅方向両側位置に配置し、又、上記ベース16の上面部に左右方向に延びるガイド溝18を備えたガイド部材17を設置すると共に、該各ガイド部材17のガイド溝18に下端部をスライド自在に嵌合させた左右の下部軸箱19a,19bに、上記下ピンチロール15の両端部軸心位置の回転軸20をそれぞれ回転自在に支持させて、該下ピンチロール15を、上記左右の各下部軸箱19a,19bと一緒に左右方向へスライドできるようにしてある。
【0023】
又、上記左右のガイド部材17の上方となる所要高さ位置に、上ピンチロール押圧用シリンダ21をそれぞれ下向きに配置して、たとえば、図2に一例として示す如く、ベース16上に固定した支持フレーム22に該各上ピンチロール押圧用シリンダ21を下向きに支持させ、且つ上記各上ピンチロール押圧用シリンダ21のピストンロッド21aの下端部(先端部)に、底面部に左右方向に延びるあり溝状のガイド溝24を設けてなる左右のガイド部材23の上端部をそれぞれ一体に取り付け、該左右の各ガイド部材23のガイド溝24に、左右の上部軸箱25a,25bを、上端部に突設してあるあり状の係合突部26を介してそれぞれスライド自在に嵌合させると共に、該左右の上部軸箱25a,25bに、上記上ピンチロール14の両端部軸心位置の回転軸27をそれぞれ回転自在に支持させて、上ピンチロール14を、上記左右の各上部軸箱25a,25bと一緒に左右方向へスライドできるようにし、上記左右の上ピンチロール押圧用シリンダ21のピストンロッド21aの同期した伸縮作動により、ガイド部材23を介して上部軸箱25a,25bと一緒に上記上ピンチロール14を上下方向、すなわち、下部ロール15に対し近接、離反する方向へ移動させることができるようにしてある。これにより、上記上ピンチロール押圧用シリンダ21にて上ピンチロール14を押し下げて上下ピンチロール14,15間の間隔を粗バー3の板厚分より若干狭く設定しておくことにより、ホットレベラー4で平坦度矯正された粗バー3が、上記上ピンチロール14を上ピンチロール押圧用シリンダ21の押し付け力に抗して上方へ押しのけるようにして上下のピンチロール14,15間に進入するようになって、粗バー3を上下のピンチロール14,15間にて所要圧力で挟めるようにしてあり、したがって、後述するサイドシフトシリンダ28の伸縮駆動により上記上下ピンチロール14,15を左右方向へ同時にシフトさせる際に、該ピンチロール14と15の間に挟まれた粗バー3を左右方向へ一緒に移動させることができるようにしてある。
【0024】
更に、上下ピンチロール14,15の一端側に位置する上部軸箱25aと下部軸箱19aの外側には、係合突部32と33を設けて、該係合突部32と33を上下方向にスライドできるようガイドするガイド溝31を備えたガイド部材30を、基礎上又は支持フレーム22に取り付けた支持部材29上の油圧シリンダ等のサイドシフトシリンダ28に、該ピストンロッド28aを介し連結して、上記サイドシフトシリンダ28のピストンロッド28aの伸縮駆動で、ガイド部材30を介し上下のピンチロール14,15を同時に左右方向へシフトさせることができるようにしてある。この際、上ピンチロール14と下ピンチロール15の近接、離反方向への相対変位は、上記係合突部32及び33を、ガイド部材30のガイド溝31に沿わせて上下方向にスライドさせることにより許容できるようになる。
【0025】
上記上ピンチロール14の回転軸27の他端側は、対応する軸箱25bよりも外側へ突出させると共に、該回転軸27の突出端部に、スプライン構造により伸縮可能としてある動力伝達軸34の一端部を自在継手35を介し接続し、同様に、下ピンチロール15の回転軸20の他端側は、対応する軸箱19bよりも外側へ突出させると共に、該回転軸20の突出端部に、上記と同様の伸縮可能な動力伝達軸36の一端部を自在継手37を介し接続し、更に、上記各動力伝達軸34と36の他端部に、減速機38に同回転数で対向方向に回転できるよう設けてある2つの出力軸39aと39bを、自在継手40及び41を介しそれぞれ個別に接続し、更に、上記減速機38にモータ42を取り付けて、上記モータ42の回転駆動力を、減速機38の出力軸39aより自在継手35,40及び動力伝達軸34を介し上ピンチロール14の回転軸27へ伝達すると同時に、上記減速機38の出力軸39bより自在継手37,41及び動力伝達軸36を介し下ピンチロール15の回転軸20へ伝達することにより、上記上ピンチロール14と下ピンチロール15とを、回転させて上下ピンチロール14,15間で粗バー3をつかみ且つ粗バー3の送りを許容するようにする。そのために、各ピンチロール14及び15の周速を、粗バー3の送り速度と一致するようにして回転させることができるようにしてある。上記上下ピンチロール14と15を左右方向へシフトさせるときは、スプライン構造としてある各動力伝達軸34と36がそれぞれ伸縮するようにしてある。又、上ピンチロール14を上下方向に変位させると、該上ピンチロール14の回転軸27と、対応する減速機38の出力軸39aとは上下方向に相対変位することになるが、この場合は、自在継手35により上ピンチロール14の回転軸27と動力伝達軸34との角度変更を許容させると同時に、自在継手40により上記動力伝達軸34と減速機38の出力軸39aとの角度変更を許容させ、更に、上記動力伝達軸34の伸縮により、上ピンチロール14の回転軸27と減速機38の出力軸39aとの間隔を自在に変化させることによって対応できるようにしてある。
【0026】
次に、図3及び図4は上記ピンチロール式サイドシフト装置13の実施要領と制御機構を示すもので、上記ピンチロール式のサイドシフト装置13を、バーヒータ5とエッジヒータ6の各入口側又は一方の入り口側に設置して、該各サイドシフト装置13の上流側における粗バー3の上方位置に、下方を通過して上記サイドシフト装置13に進入する粗バー3のサイドエッジの位置を、たとえば、CCDカメラ44で監視することにより常に検出できるようにしたエッジセンサー43を設置し、該エッジセンサー43によって検出される粗バー3のサイドエッジ位置の検出結果に基づいて、上記サイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28へ伸縮指令を与えるための制御器45を設けた構成とする。
【0027】
上記制御器45は、バーヒータ5及びエッジヒータ6で粗バー3を加熱するときの幅方向の最適位置として、たとえば、エッジセンサー43により検出される粗バー3の左右のサイドエッジ位置の中央を、上記バーヒータ5やエッジヒータ6の中心線と一致させるようにしたり、あるいは、左右いずれか一方のサイドエッジ位置が常に一直線上に保持させるようにする等、上記バーヒータ5やエッジヒータ6のそれぞれの加熱特性等を考慮して、該各バーヒータ5やエッジヒータ6にて加熱することによって粗バー3の幅方向における温度分布を左右方向で均等にすることができるような位置として粗バー3の幅方向の最適位置を設定し、この設定された最適位置に対して上記エッジセンサー43にて検出された粗バー3の位置がずれている場合には、両者が一致するようサイドシフトシリンダ28へ指令を与えて、粗バー3の幅方向位置を調整するようにしてある。
【0028】
46はピンチロール式サイドシフト装置における左右のフレーム22を連結して該各フレーム22同士を所要間隔で固定するための連結部材、47は左右のガイド部材23同士を連結して該各ガイド部材23同士の相対位置を固定するための連結部材である。その他、図11(イ)(ロ)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0029】
上記構成としてある本発明の熱間粗バーのサイドポジションコントロール装置を設けた熱間圧延設備において熱間鋼帯8を製造する場合は、バーヒータ5とエッジヒータ6の上流側にそれぞれ設けてある各ピンチロール式サイドシフト装置13のモータ42を駆動させて、該各サイドシフト装置13にて上ピンチロール14及び下ピンチロール15を、周速が粗バー3の送り速度と一致するよう同期して回転駆動させるようにしておく。
【0030】
この状態において、従来と同様に、先ず、スラブ1を粗圧延機2にて粗圧延して粗バー3とした後、ホットレベラー4にて上記粗バー3の平坦度を矯正させる。その後、上記平坦度の矯正された粗バー3を、バーヒータ5で加熱するときに、上記粗バー3がバーヒータ5の上流側に設けてあるエッジセンサー43の下方を通過する時点で該エッジセンサー43にて上記粗バー3のサイドエッジの位置が検出され、その信号が制御器45に入力される。サイドシフト装置13の上下のピンチロール14と15の間に挟まれた粗バー3は、上記エッジセンサー43によるサイドエッジ位置の検出結果に基づき制御器45よりサイドシフトシリンダ28へ送られる駆動指令によりサイドシフトされ、粗バー3の幅方向が最適位置に一致させられるようになる。
【0031】
これにより、エッジセンサー43により検出された粗バー3のサイドエッジ位置が、粗バー3をバーヒータ5へ進入させるときに所望される最適位置よりずれている場合には、上記粗バー3の最適位置からのずれが検出されたサイドエッジ部分がサイドシフト装置13の上下のピンチロール14と15の間に挟まれたときに、サイドシフトシリンダ28が伸縮作動させられて、上記上下のピンチロール14と15が同時に左右方向へシフトされることに伴って、上記粗バー3が上記上下のピンチロール14と15に挟まれた状態で一緒に左右方向へシフトさせられる。このため上記粗バー3の幅方向位置が、バーヒータ5へ進入させるときの最適位置となるように調整される。したがって、上記サイドシフト装置13を通過した粗バー3は、その後、バーヒータ5に対し幅方向位置が最適位置となった状態で進入させられて、該バーヒータ5における加熱処理が行われるようになる。
【0032】
上記バーヒータ5にて加熱処理された粗バー3は、次にエッジヒータ6へ送られるときに、該エッジヒータ6の入口側にて、上記バーヒータ5の場合と同様に、上記粗バー3がエッジヒータ6の上流側に設けてあるエッジセンサー43の下方を通過する時点で該エッジセンサー43にて上記粗バー3のサイドエッジの位置が検出されてその信号が制御器45へ入力される。
【0033】
これにより、上記エッジセンサー43によりサイドエッジ位置の検出された粗バー3の幅方向位置が、粗バー3をエッジヒータ6へ進入させるときに所望される最適位置よりずれている場合には、上記粗バー3の最適位置からのずれが検出されたサイドエッジ部分がサイドシフト装置13の上下のピンチロール14と15の間に挟まれた配置となるときに、制御器45からの指令により上記サイドシフトシリンダ28が伸縮駆動させられて、上記上下のピンチロール14と15とともに左右方向へシフトされるため、上記粗バー3の幅方向位置は、エッジヒータ6へ進入させるときの最適位置と一致するように調整される。したがって、上記サイドシフト装置13を通過した後、粗バー3は、エッジヒータ6に対し幅方向位置が最適位置となる状態で進入させられて、該エッジヒータ6における加熱処理が行われるようになる。
【0034】
上記バーヒータ5及びエッジヒータ6に、それぞれの最適位置で供給されて加熱処理された後の粗バー3は、従来と同様に仕上圧延機7で仕上圧延が行われて熱間鋼帯を形成させるようにする。
【0035】
このように、本発明によれば、仕上圧延機7で仕上圧延を行なわせるための粗バー3を加熱すべくバーヒータ5やエッジヒータ6へ供給するときに、該粗バー3の幅方向位置を、上記バーヒータ5やエッジヒータ6へ供給するときに所望される左右方向の最適位置に一致させることができるため、上記バーヒータ5及びエッジヒータ6にてそれぞれ加熱処理を行わせることにより、該粗バー3を幅方向に均一に加熱することができ、したがって、該粗バー3の幅方向における変形抵抗の偏りをなくすことができることから、仕上圧延機7にて粗バー3を幅方向に均一に仕上圧延できて、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
【0036】
又、上記粗バー3の幅方向位置の調整は、周速が上記粗バー3の送り速度と一致するよう回転駆動させた上下のピンチロール14と15により上下方向より挟むと共に、該上下のピンチロール14と15の左右方向へのシフトに伴って上記粗バー3を幅方向に移動させて行うため、上記粗バー3の幅方向両端部のサイドエッジの端面に、上ピンチロール14や下ピンチロール15が接触することはなく、したがって、上記粗バー3のサイドエッジ部に、盛り上がり変形、めくれ、ばり等が発生するおそれをなくして上記サイドエッジ部の傷付きを防止できるため、幅方向の形状及び精度が優れた熱間鋼帯8を、歩留まりよく製造することができる。
【0037】
なお、上記においては、バーヒータ5とエッジヒータ6を上流側より順に備えた熱間圧延設備における上記バーヒータ5とエッジヒータ6の上流側位置に、それぞれサイドシフト装置13及びエッジセンサー43を設置したものとして示したが、上流側より順にエッジヒータ6とバーヒータ5を備えた熱間圧延設備にて、上記エッジヒータ6とバーヒータ5の上流側位置に、それぞれサイドシフト装置13とエッジセンサー43とを設置してもよい。更に、上記いずれの熱間圧延設備において、バーヒータ5又はエッジヒータ6のいずれか一方の上流側位置にのみ、サイドシフト装置13とエッジセンサー43とを設けるようにしてもよい。
【0038】
次に、図5(イ)(ロ)及び図6は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1乃至図4に示した実施の形態と同様の構成において、バーヒータ5及びエッジヒータ6の上流側に、ピンチロール式のサイドシフト装置13をそれぞれ設けることに代えて、ロール端部に段差部51を有する搬送用の複数(図では2本)の段付ロール49と50を、段差部51が互に反対側となるよう熱間圧延ライン方向へ並べて設置して、該段付ロール49と50上を粗バー3が送られるようにし、且つ該段付ロール49と50の段差部51にて粗バー3の幅方向端部のサイドエッジ部をガイドさせると共に、上記段付ロール49と50の両方又は片方をシフトさせるようにして、粗バー3を段付ロール49,50の各段差部51で左右方向から押すことにより該粗バー3を幅方向にシフトさせて幅方向位置を調整できるようにした段付ロール方式のサイドシフト装置48をそれぞれ設けたものである。
【0039】
詳述すると、上記段付ロール式サイドシフト装置48は、図5(イ)(ロ)に示す如く、粗バー3の搬送ラインの下方位置に、粗バー3の幅方向(左右方向)に延びる支持架台52を設けて、該支持架台52の上面に、左右方向に延びる2組のガイドレール53と54を熱間圧延ライン方向の前後に所要間隔を隔てて配設し、一方のガイドレール53上に、所要間隔を隔てて配置した左右の軸箱55aと55bの下端部をそれぞれスライド可能に取り付け、該左右の軸箱55aと55bの間に、粗バー3を支持することができ且つ長手方向の一端部(図5(イ)では左端部)を所要寸法拡径させて段差部51を形成してなる第一の段付ロール49を配置して、該段付ロール49の両端部軸心位置の回転軸57を、上記左右の軸箱55aと55bにそれぞれ回転自在に支持させると共に、上記支持架台52上における一方の軸箱55aに、その外方位置に設置したサイドシフト用シリンダ58のピストンロッド58aを連結して、上記サイドシフト用シリンダ58のピストンロッド58aの伸縮駆動により、左右の各軸箱55a,55bと一緒に上記段付ロール49を左右方向へシフトさせることができるようにしてある。
【0040】
又、他方のガイドレール54上に、所要間隔を隔てて配置した左右の軸箱56aと56bの下端部をそれぞれスライド可能に取り付け、該左右の軸箱56aと56bの間に、粗バー3を支持することができ且つ他端部(図5(イ)では右端部)を所要寸法拡径させて段差部51を形成してなる第二の段付ロール50を配置して、該段付ロール50の両端部軸心位置に設けた回転軸59を、上記左右の軸箱56aと56bにそれぞれ回転自在に支持させると共に、上記支持架台52上における一方の軸箱56aに、その外方位置に設置したサイドシフト用シリンダ60のピストンロッド60aを連結して、上記サイドシフト用シリンダ60のピストンロッド60aの伸縮駆動により、各軸箱56a,56bと一緒に段付ロール50を、上記段付ロール49と同様に左右方向へシフトさせることができるようにしてある。
【0041】
更に、上記各段付ロール49及び50の他方の回転軸57及び59は、対応する他方の軸箱55b及び56bよりも外方へ突出させ、該各回転軸57と59の突出端部に、スプライン構造により伸縮可能とした個別の動力伝達軸63及び64の一端部をそれぞれ連結すると共に、該各動力伝達軸63及び64の他端部を、減速機61に互いに同方向に同期して回転できるように設けてある2つの出力軸62a及び62bにそれぞれ個別に取り付け、且つ上記減速機61にモータ65を連結して、上記モータ65の回転駆動力を、減速機61で減速し、動力伝達軸63,64を介し段付ロール49,50の回転軸57,59へ伝達することにより、上記各段付ロール49と50を粗バー3の送り速度と一致する周速で回転駆動させることができるようにしてある。
【0042】
更に、図1乃至図4の実施の形態における制御器45に代えて制御器66を設け、上記段付ロール式サイドシフト装置48の上流側に設けたエッジセンサー43により粗バー3の幅方向両端のサイドエッジ位置を検出すると、その値が制御器66に入力されるようにしてあって、検出結果に基づいて、該サイドエッジ位置の検出された部分が上記各段付ロール49,50の位置まで進行したときに、サイドシフト用シリンダ58と60により対応する段付ロール49と50の左右方向の位置を個別に調整することにより、各段付ロール49と50の段差部51を左右方向へシフトさせ、該各段差部51の左右方向へのシフトに伴って各段差部51の間に常にガイドされるようにしてある粗バー3を上記各段差部51にて左右方向から押して幅方向へシフトさせるようにしてある。したがって、上記サイドエッジ位置の検出結果より導かれる上記粗バー3の幅方向位置が、バーヒータ5あるいはエッジヒータ6へ粗バー3を供給するときに所望される最適位置よりずれている場合には、ずれている側に段差部51を有する方の段付ロール49又は50と対応するサイドシフト用シリンダ58又は60へ制御器66より伸縮駆動指令を与えて、上記段付ロール49又は50を、粗バー3側へシフトさせることで、該段付ロール49又は50の段差部51によりずれを是正する方向へ粗バー3を押して幅方向へシフトさせることができるようにしてある。その他の構成は図1乃至図4に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0043】
本実施の形態の熱間粗バーのサイドポジションコントロール装置を設けた熱間圧延設備において熱間鋼帯8を製造する場合は、各段付ロール式サイドシフト装置48のモータ65を駆動させて、該各サイドシフト装置48の各段付ロール49及び50を、粗バー3の送り方向へ、周速が粗バー3の送り速度と一致するよう回転駆動させると共に、各段付ロール49,50の段差部51を、それぞれ粗バー3のサイドエッジ部と100mm程度のクリアランスを保持した状態に待機させるようにしておく。
【0044】
この状態において、スラブ1を粗圧延機2にて粗圧延した粗バー3を、ホットレベラー4にて平坦度を矯正させた後、該平坦度の矯正された粗バー4を、加熱すべくバーヒータ5へ供給させると、上記実施の形態と同様に、上記粗バー3がバーヒータ5の上流側に設けてあるエッジセンサー43の下方を通過する時点で該エッジセンサー43にて上記粗バー3のサイドエッジ位置が検出され、これにより、上記サイドシフト装置48における各段付ロール49と50の段差部51の位置が、上記サイドエッジ部の検出が行なわれた粗バー3の幅寸法に対応して調整されることから、上記エッジセンサー43の下方を通過した粗バー3は、サイドシフト装置48に進入して各段付ロール49と50の段差部51同士の間に受け入れられて、幅方向両端部のサイドエッジ部がガイドされるようになる。
【0045】
この際、上記エッジセンサー43によるサイドエッジ位置の検出結果に基づく粗バー3の幅方向位置が、粗バー3をバーヒータ5へ進入させるときに所望される最適位置よりずれている場合には、制御器66からの指令により、各サイドシフト用シリンダ58及び60が同期して適宜伸縮駆動させられて、上記各段付ロール49と50がシフトさせられ、これにより、各段付ロール49と50の段差部51によりサイドエッジ部が押されることによって上記粗バー3はずれが是正される方向へシフトさせられて、幅方向位置が上記最適位置に一致するよう調整される。この際、上記各段付ロール49と50が共に周速が粗バー3の送り速度と一致するよう回転駆動されていることに伴って、各段付ロール49及び50の段差部51における粗バー3と接触する部分は、粗バー3の送り方向に該粗バー3の送り速度とほぼ等しい速度で移動しているため、段差部51との接触により粗バー3のサイドエッジ部が傷付くことは防止される。
【0046】
上記段付ロール式サイドシフト装置48を通過した後の粗バー3は、幅方向位置が最適位置に調整された状態にてバーヒータ5に対し供給されて、該バーヒータ5における加熱処理が行われるようになる。
【0047】
上記バーヒータ5による加熱処理が行われた粗バー3は、次に、エッジヒータ6へ送られ、この際、エッジヒータ6の上流側に設けてあるエッジセンサー43によるサイドエッジ位置の検出結果に基づいて、上記バーヒータ5の上流側のサイドシフト装置48の場合と同様に、サイドシフト装置48が作動させられることによって、粗バー3のエッジヒータ6へ供給されるときの幅方向位置が、最適位置に是正された後、該粗バー3のエッジヒータ6への供給が行なわれて、該エッジヒータ6における加熱処理が行われるようになる。
【0048】
したがって、本実施の形態によっても、上記実施の形態と同様に、バーヒータ5やエッジヒータ6に対し、粗バー3の幅方向位置を最適位置に是正してから供給することができることから、バーヒータ5及びエッジヒータ6にてそれぞれ加熱処理を行わせることにより、粗バー3を幅方向に均一に加熱することができて、該粗バー3を仕上圧延機7で仕上圧延することで、品質の高い熱間鋼帯を製造することができ、しかも、上記粗バー3の幅方向位置を是正する場合にも、サイドエッジ部に、盛り上がり変形、めくれ、ばり等が発生するおそれをなくして上記サイドエッジ部の傷付きを防止できるため、幅方向の形状及び精度が優れた熱間鋼帯8を、歩留まりよく製造することができる。
【0049】
次いで、図7乃至図9は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1乃至図4に示したと同様に粗圧延機2の下流側に、ホットレベラー4と、加熱装置としてのバーヒータ5及びエッジヒーター6と、仕上圧延機7とを順に備えた熱間圧延設備における上記エッジヒータ6の上流側に、図1及び図2に示したと同様のピンチロール式サイドシフト装置13を設けると共に、該サイドシフト装置13の上流側における上方位置に、粗圧延機2から送られて来る粗バー3の幅方向の温度分布を検出するための温度分布センサー67として、たとえば、サーモグラフィ等の温度分布センサー67を設け、更に、該温度分布センサー67により検出される粗バー3の幅方向の温度分布の検出結果に基づいて、上記サイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28(図1参照)へ駆動指令を与える制御器68を設けたものである。
【0050】
ここで、上記制御器68によるサイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28の伸縮駆動により粗バー3の幅方向位置を制御することについて説明する。
【0051】
スラブ1を粗圧延機2にて粗圧延されて誘導加熱処理前の粗バー3は、図8(イ)に実線で示す如く、一般に、サイドエッジ部の温度が低く、更に、▲1▼加熱炉にてスラブの昇温を行わせるときに加熱状態のばらつきがあること、▲2▼粗圧延機における冷却水の排水が左右方向で均一ではないために粗圧延された粗バー3の左右に温度差が生じることがあること、▲3▼デスケーリング水の排水が左右均一でないために粗バー3の左右に温度差が生じることがあること、等に起因して、温度の低下の度合が左右のサイドエッジ部で異なることがある(図では左側のサイドエッジ部の方が幅広く温度低下した状態を示す)。
【0052】
粗バー3のサイドエッジ部分の温度が低いことに関しては、加熱装置の1つとしてエッジヒータ6を設けて、該エッジヒータ6にて粗バー3の幅方向両端部のサイドエッジ部分のみを加熱することで対処するようにしているのであるが、上述したように粗バー3の左右のサイドエッジ部分に温度の低下度合の差異が生じている場合には、粗バー3をエッジヒータ6へ供給するときに、該粗バー3の幅方向位置を、幅方向の中心が、エッジヒータ6の中心線と一致するように調整したのでは、左右のサイドエッジ部分に均等に入熱が行なわれて、左右のサイドエッジ部の昇温温度が等しくなるため、左右のサイドエッジ部における温度差を解消させることはできない。
【0053】
そこで、粗バー3のサイドエッジ部をエッジヒータ6により加熱するときに、サイドエッジ部とエッジヒータ6とのラップ量(重なり量)を変化させて、上記粗バー3のサイドエッジ部における昇温の度合を調べたところ、図9に、ラップ量を大(線a)、中(線b)、小(線c)と変化させた場合の、粗バー3のサイドエッジ部における端部からの距離と、昇温温度との関係のグラフを示す如き知見が得られ、このことから、温度の低いサイドエッジ部を幅広く加熱するためには、エッジヒータ6とのラップ量を大きくすればよいことが判明した。又、この際、昇温温度の絶対量を増加させるためには誘導加熱装置であるエッジヒータ6への印加電力を大きくすればよいことも判明した。
【0054】
この結果を鑑みて、上記制御器68は、上記温度分布センサー69による粗バー3の幅方向温度分布の検出結果に基づいて、左右のサイドエッジ部で温度に相違が生じている場合、たとえば、図8(イ)に実線で示す如く、左側のサイドエッジ部の方が右側のサイドエッジ部に比して幅広く温度低下している場合には、該左右の各サイドエッジ部の温度を均等に上昇させて図8(イ)に破線で示す如き幅方向の温度分布が均一になるような目的温度とさせるため、すなわち、粗バー3の幅方向の中心を基準としたときの幅方向における相対温度差を解消できるようにするために、上記粗バー3の左右の各サイドエッジ部に関して必要とされる昇温温度を求め、この場合、左側のサイドエッジ部では図8(イ)に一点鎖線で示す如き昇温温度が要求され、一方右側のサイドエッジ部では、図8(イ)に二点鎖線で示す如き昇温温度が要求されることから、これらの昇温温度を得るために必要なサイドエッジ部とエッジヒータ6とのラップ量を図9に示したグラフより適宜選択し、図8(ロ)に示す如く、上記選択されたラップ量を得るためのエッジヒータ6に対する粗バー3のサイドエッジの相対位置を求めて、求められた位置を基準として、該基準位置、たとえば、粗バー3の左側サイドエッジ位置を基準位置Oに、粗バー3のサイドエッジ位置を常に一致させることができるようサイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28へ適宜駆動指令を与えて、該サイドシフト装置13により粗バー3の幅方向位置を調整させるようにしてある。
【0055】
その他の構成は図1乃至図4に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0056】
本実施の形態によれば、粗圧延機2にて形成された粗バー3は、ホットレベラー4にて平坦度が矯正された後、バーヒータ5へ供給されて幅方向及び長手方向の全体に亘り加熱され、その後、サイドエッジ部の加熱を行うべくエッジヒータ6へ送られる。この際、該エッジヒータ6の上流側にて上記エッジヒータ6へ進入する粗バー3の幅方向の温度分布を温度分布センサー67により検出させ、その検出結果に基づいて制御器68よりサイドシフト装置13のサイドシフトシリンダ28へ指令を与えて該サイドシフトシリンダ28を適宜伸縮駆動させる。更に、この際、エッジヒータ6における印加電力を、粗バー3のサイドエッジ部を均等に加熱するために所望される昇温温度の絶対量に対応させて制御するようにしてもよい。
【0057】
これにより、上記サイドシフト装置13において、粗バー3の幅方向位置は、該粗バー3をエッジヒータ6にて加熱処理させることにより加熱後の粗バー3の左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような最適位置に調整することができ、その後、該幅方向位置が最適位置に調整された粗バー3がエッジヒータ6へ進入させられて該エッジヒータ6による加熱処理が行われるようになることから、加熱処理後の粗バー3は左右のサイドエッジ部の温度分布を均等にすることができる。したがって、該加熱処理後の粗バー3を仕上圧延機7へ供給して仕上圧延させると、幅方向に偏りを生じさせることなく左右均等に仕上圧延できて、幅方向の形状及び精度が優れた品質の高い熱間鋼帯8を製造することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、粗圧延機3と仕上圧延機7との間に、上流側よりエッジヒータ6とバーヒータ5の順序で加熱装置を備えた熱間圧延設備にも採用でき、又、図1乃至図4の実施の形態、及び、図5(イ)(ロ)及び図6の実施の形態におけるピンチロール式又は段付ロール式のサイドシフト装置13又は48と、その上流側に設けるエッジセンサー43の組み合わせは、バーヒータ5とエッジヒータ6のいずれか一方の上流側にのみ設けるようにしてもよいこと、図7乃至図9の実施の形態の段付ロール式サイドシフト装置13と、その上流側の温度分布センサー67との組み合わせは、エッジヒータ6よりも上流側に上記サイドシフト装置13があり、更に該サイドシフト装置13の上流側に温度分布センサー67が配置してあれば、両者をバーヒータ5の上流側に設けたり、温度分布センサー67を粗圧延機2の直後位置に配置して、上記サイドシフト装置13はエッジヒータ6の直前位置に設ける等、配置位置を変更してもよいこと、図10に示す如く、図5(イ)(ロ)及び図6に示した実施の形態におけるエッジヒータ6の入口側に設けてある段付ロール式サイドシフト装置48の上流側位置に、エッジセンサー43に代えて図7乃至図9の実施の形態に示したと同様な温度分布センサー67を設け、該温度分布センサー69にて検出される粗バー3の幅方向の温度分布に基づいて、制御器68´からの指令により、上記エッジヒータ6へ供給するときの粗バー3の幅方向位置が、該エッジヒータ6にて粗バー3を加熱処理することで、左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような最適位置になるよう上記段付ロール式サイドシフト装置48による粗バー3の幅方向位置の調整を行わせるようにしてもよいこと、更には、図11に示す如く、図1乃至図4の実施の形態、又は、図5(イ)(ロ)及び図6の実施の形態におけるエッジヒータ6よりも上流側位置に設けてあるエッジセンサー43に、図7乃至図9の実施の形態に示したと同様な温度分布センサー67を併設して(図では図1乃至図4の実施の形態に適用した場合を示してある)、該温度分布センサー67により検出される粗バー3の幅方向温度分布の情報により、制御器45又は66より上記エッジセンサー43の検出結果に基づいてエッジヒータ6の上流側のサイドシフト装置13又は48へ与える駆動指令に補正を加えるようにしてもよく、この場合、粗バー3の幅方向位置を左右方向の最適位置へ更に精度よく適合させることが可能になることから、エッジヒータ6による加熱処理後の粗バー3温度の更なる均一化を図ることができること、図1乃至図4の実施の形態、及び、図7乃至図9の実施の形態におけるピンチロール式サイドシフト装置13では、ピンチロール14と15の間に挟んだ粗バー3の幅方向位置を、上流側に設けたエッジセンサー43又は温度分布センサー69の検出結果に基づいて、上記上下ピンチロール14と15を左右方向への速やかにシフトさせて該ピンチロール14と15の間に挟んだ粗バー3の幅方向位置を調整できれば、サイドシフトシリンダ28は、油圧以外の形式であってもよく、更には、該ピンチロール14と15の左右方向への移動を行なわせるサイドシフト用駆動装置としては、サイドシフトシリンダ28以外のいかなる駆動機構のものも採用できること、又、上下ピンチロール14と15を、粗バー3の送り方向となる対向方向に、周速が粗バー3の移送速度と一致するように同期させて回転駆動できれば、上記ピンチロール14と15に等速で反対方向に回転するモータを個別に接続するようにしてもよいこと、更に、上下のピンチロール14と15の間に進入する粗バー3を該上下のピンチロール14と15にて所要圧力で挟むことができれば、ピンチロール14と15の間に押し付け力を作用させる機構としては、上ピンチロール押圧用シリンダ21以外のいかなる機構を採用してもよいこと、図5(イ)(ロ)及び図6に示した実施の形態における段付ロール式サイドシフト装置48は、各段付ロール49及び50を粗バー3の送り方向に2組以上備えるようにしてもよいこと、又、各段付ロール49及び50を、上流側のエッジセンサー43の検出結果に基づいて速やかに左右方向へ移動させることができれば、サイドシフト用シリンダ58,60の駆動方式はいかなるものも採用でき、更には、サイドシフト用の駆動装置としてはシリンダ58,60以外にも、いかなる形式の駆動機構のものを採用してもよいこと、各段付ロール49と50を、周速が粗バー3の送り速度と一致するように同期して粗バー3の送り方向に回転駆動させることができれば、上記各段付ロール49と50に、同方向に等速で回転するモータを個別に接続するようにしてもよいこと、更に、2本の段差ロール49,50と用いた構成とすることに代えて、図12に示す如く、長手方向両端部をそれぞれ所要寸法拡径させて両端部に段差部51を形成してなる1本の段差ロール49´を、サイドシフト用シリンダ58にて左右方向へシフトさせることができるようにした構成としてなる段付ロール式サイドシフト装置48aを形成して、上記段差ロール49´の左右方向へのシフトに伴って該段差ロール49´の段差部51により粗バー3を左右方向から押して幅方向にシフトさせるようにしてもよいこと、図1乃至図4の実施の形態、及び、図5(イ)(ロ)及び図6の実施の形態におけるエッジセンサー43は、CCDカメラ44を用いたものとして示したが、粗バー3のサイドエッジ位置を、該サイドエッジ部分に損傷等を生じさせることなく検出できれば、いかなる形式のものを採用してもよいこと、図7乃至図9の実施の形態における温度分布センサー67は、粗バー3の幅方向の温度分布を検出できれば、サーモグラフィー以外のいかなる形式のものを用いてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1) 粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、上下より挟んだまま幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には上下のピンチロールにより粗バーを挟み、該ピンチロールとともに幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーを上下より挟むための上下一対のピンチロールと、該ピンチロールを粗バーの幅方向と同方向に同時に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置としてあるので、加熱装置で加熱するための粗バーを、上下のピンチロールで挟んで幅方向位置をシフトさせることができ、この際、上記粗バーのサイドエッジの端面に上下のピンチロールが接触することはないため、上記粗バーのサイドエッジ部が傷付くおそれを防止できる。
(2) 粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、左右方向から押すことにより幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御する熱間粗バーのサイドポジション制御方法とし、具体的には端部に段差部を有する搬送用ロールを粗バーの幅方向にシフトさせることによって、該段差部により粗バーを左右方向から押して幅方向にシフトさせるようにする熱間粗バーのサイドポジション制御方法、及び、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ両端部に段差部を有する搬送用ロールと、該搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成、又は、粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ左端部に段差部を有する第一の搬送用ロールと、前記粗バーの下方に設けられ右端部に段差部を有する第二の搬送用ロールと、該第一の搬送用ロール及び該第二の搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有する熱間粗バーのサイドポジション制御装置とすると、搬送用ロールの周速と粗バーの送り速度とを一致させながら、該搬送用ロールを粗バーの幅方向へ移動させるようにすることにより、搬送用ロールの段差部を、粗バーの送り方向へ粗バーの送り速度とほぼ一致した速度で移動させながら粗バーのサイドエッジ部に接触させて粗バーを左右方向へ押すことができるため、粗バーのサイドエッジ部が傷付くおそれを防止できる。
(3) 粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーのサイドエッジの位置信号に基づいて行うようにする方法及び装置とすることにより、サイドエッジ位置の検出結果に基づいて、粗バーの幅方向位置を調整できるため、加熱装置にて加熱する粗バーの幅方向位置を、該加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に調整することができ、更に、粗バーの幅寸法が不均一な場合であっても容易に対応して粗バーの幅方向位置を上記最適位置に調整することが可能となり、このため上記加熱装置により粗バーを幅方向に均一に加熱することができ、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延機にて仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
(4) 粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーの幅方向の温度分布に基づいて行うようにする方法及び装置とすると、加熱装置に供給するときの粗バーの幅方向位置を、粗バーの幅方向の温度分布の検出結果に基づいて、上記加熱装置の加熱特性等を考慮して、該加熱装置における加熱処理を行うことで加熱処理後の粗バーの幅方向における温度分布を均一にすることができるようにするための左右方向の最適位置に調整することができ、このため、加熱装置による加熱処理により、幅方向に均一に加熱された粗バーを得ることができるため、該加熱処理後の粗バーを仕上圧延することにより、幅方向形状の優れた品質の高い熱間鋼帯を製造することが可能になる。
(5) 粗バーの左右のサイドエッジに温度差がある場合に、該温度差がなくなるように加熱装置のヒータ部の位置に応じて該粗バーを幅方向にシフトさせるようにすることにより、粗バーの左右のサイドエッジ部に温度差が生じている場合であっても、上記粗バーの左右のサイドエッジ部を加熱装置のヒータ部にて加熱させることで、左右のサイドエッジ部の温度差を解消できるような幅方向の最適位置にシフトさせてから加熱処理を行わせることができるため、左右のサイドエッジ部の温度差が解消されるよう加熱処理された粗バーを得ることができ、このため該加熱処理後の粗バーを幅方向に均一に仕上圧延することが可能になる。
(6) サイドシフト装置の上流側に、粗バーのサイドエッジ位置を検出するエッジセンサーと、前記粗バーの幅方向の温度分布を検出する温度分布センサーとを設け、且つ制御器を、上記エッジセンサー及び温度分布センサーの検出結果に基づいて前記サイドシフト装置の駆動を制御するものとした構成とすることにより、粗バーのサイドエッジ位置の検出結果に、幅方向の温度分布の検出結果を基にした補正を加えて、加熱装置にて加熱する上記粗バーの幅方向位置を調整できるため、粗バーの幅方向位置を、上記加熱装置の加熱特性等を考慮した左右方向の最適位置に更に精度よく調整できることから、加熱装置により加熱処理後に得られる粗バーの温度の更なる均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱間粗バーのサイドポジション制御方法及び装置の実施の一形態としてピンチロール式サイドシフト装置を示す一部切断概略正面図である。
【図2】図1のA−A方向矢視図である。
【図3】図1のピンチロール式サイドシフト装置を採用した熱間圧延設備を示す概略側面図である。
【図4】図3の熱間圧延設備に設けるエッジセンサー部分を拡大して示す平面図である。
【図5】本発明の実施の他の形態として段付ロール式サイドシフト装置を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)は概略切断側面図である。
【図6】図5の段付ロール式サイドシフト装置を採用した熱間圧延設備を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。
【図8】図7の実施の形態における制御内容を示すもので、(イ)は粗バーの幅方向の温度分布の例を示す図、(ロ)は(イ)の温度分布を基に設定される粗バーの幅方向位置の最適位置を示す図である
【図9】粗バーのサイドエッジ部と、エッジヒータとのラップ量の変化させるときのサイドエッジ部の端部からの距離と昇温温度分布との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。
【図11】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。
【図12】本発明の実施の更に他の形態を示す概略平面図である。
【図13】従来の熱間圧延設備の一例を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は加熱装置部分を拡大して示す平面図である。
【図14】従来の熱間圧延設備の他の例を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は加熱装置部分を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
2 粗圧延機
3 粗バー
5 バーヒータ(加熱装置)
6 エッジヒータ(加熱装置)
13 ピンチロール式サイドシフト装置(サイドシフト装置)
14 上ピンチロール
15 下ピンチロール
28 サイドシフトシリンダ(サイドシフト用駆動装置)
43 エッジセンサー
45 制御器
48,48a 段付ロール式サイドシフト装置(サイドシフト装置)
49,49´ 段付ロール(搬送用ロール)
50 段付ロール(搬送用ロール)
51 段差部
58 サイドシフト用シリンダ(サイドシフト用駆動装置)
60 サイドシフト用シリンダ(サイドシフト用駆動装置)
66 制御器
67 温度分布センサー
68,68´ 制御器
Claims (13)
- 粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、上下より挟んだまま幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御することを特徴とする熱間粗バーのサイドポジション制御方法。
- 粗圧延機にて粗圧延された粗バーを、左右方向から押すことにより幅方向にシフトさせて加熱装置に対するサイドポジションを制御することを特徴とする熱間粗バーのサイドポジション制御方法。
- 上下のピンチロールにより粗バーを挟み、該ピンチロールとともに幅方向にシフトさせる請求項1記載の熱間粗バーのサイドポジション制御方法。
- 端部に段差部を有する搬送用ロールを粗バーの幅方向にシフトさせることによって、該段差部により粗バーを左右方向から押して幅方向にシフトさせる請求項2記載の熱間粗バーのサイドポジション制御方法。
- 粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーのサイドエッジの位置信号に基づいて行うようにする請求項1、2、3又は4記載の熱間粗バーのサイドポジション制御方法。
- 粗バーの幅方向へのシフトを、該粗バーの幅方向の温度分布に基づいて行うようにする請求項1、2、3又は4記載の熱間粗バーのサイドポジション制御方法。
- 粗バーの左右のサイドエッジに温度差がある場合に、該温度差がなくなるように加熱装置のヒータ部の位置に応じて該粗バーを幅方向にシフトさせる請求項6記載の熱間粗バーのサイドポジション制御方法。
- 粗圧延機にて粗圧延された粗バーを上下より挟むための上下一対のピンチロールと、該ピンチロールを粗バーの幅方向と同方向に同時に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有することを特徴とする熱間粗バーのサイドポジション制御装置。
- 粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ両端部に段差部を有する搬送用ロールと、該搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有することを特徴とする熱間粗バーのサイドポジション制御装置。
- 粗圧延機にて粗圧延された粗バーの下方に設けられ左端部に段差部を有する第一の搬送用ロールと、前記粗バーの下方に設けられ右端部に段差部を有する第二の搬送用ロールと、該第一の搬送用ロール及び該第二の搬送用ロールを粗バーの幅方向に駆動させるサイドシフト用駆動装置と、を有するサイドシフト装置と、該サイドシフト装置の駆動を制御する制御器と、を備える構成を有することを特徴とする熱間粗バーのサイドポジション制御装置。
- サイドシフト装置の上流側に、粗バーのサイドエッジ位置を検出するエッジセンサーを設け、且つ制御器を、上記エッジセンサーの検出結果に基づいて前記サイドシフト装置の駆動を制御するものとした請求項8、9又は10記載の熱間粗バーのサイドポジション制御装置。
- サイドシフト装置の上流側に、粗バーの幅方向の温度分布を検出する温度分布センサーを設け、且つ制御器を、上記温度分布センサーの検出結果に基づいて前記サイドシフト装置の駆動を制御するものとした請求項8、9又は10記載の熱間粗バーのサイドポジション制御装置。
- サイドシフト装置の上流側に、粗バーのサイドエッジ位置を検出するエッジセンサーと、前記粗バーの幅方向の温度分布を検出する温度分布センサーとを設け、且つ制御器を、上記エッジセンサー及び温度分布センサーの検出結果に基づいて前記サイドシフト装置の駆動を制御するものとした請求項8、9又は10記載の熱間粗バーのサイドポジション制御装置。
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