JP2004236940A - 細胞の播種方法、装置および生体組織補填材 - Google Patents
細胞の播種方法、装置および生体組織補填材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】細胞の健全性を害することなく、ブロック状の生体組織補填材に細胞を効率的に播種する。
【解決手段】多面体状の生体組織補填材1を、その複数の表面5,6,7が上向きとなるように配置して、その上方から細胞4を滴下する、細胞の播種方法を提供する。
【選択図】 図2
【解決手段】多面体状の生体組織補填材1を、その複数の表面5,6,7が上向きとなるように配置して、その上方から細胞4を滴下する、細胞の播種方法を提供する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、骨等の生体組織の欠損部を再生する際に使用する生体組織補填材と該生体組織補填材への細胞の播種方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、骨腫瘍摘出や外傷等により生じた骨の欠損部に、骨補填材を補填することにより、骨を再生させて欠損部を修復することが可能になってきている。骨補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)やリン酸三カルシウム(TCP)が知られているが、体内に異物を残さないとする考え方から、例えば、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が使用される。β−TCPを骨欠損部の骨細胞に接触させておくと、破骨細胞がβ−TCPを食べ、骨芽細胞が新しい骨を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。すなわち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に自家骨に置換されていくことになる。
【0003】
一方、術後の骨欠損部の修復速度を高めるために、患者から採取した骨髄間葉系細胞を骨補填材とともに培養することにより製造される培養骨を使用することが提案されている。培養されることにより骨補填材を足場にして増殖した多くの骨髄間葉系細胞を含む培養骨を骨欠損部に補填するので、手術後に体内で細胞を増殖させる方法と比較すると、自家骨に置換されるまでの日数を大幅に短縮することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
このような培養骨は、一般に、患者から採取した骨髄細胞をフラスコ内で一次培養して必要細胞数まで増加させた後に、トリプシンのような蛋白質分解酵素を用いて細胞をフラスコから剥離する。そして、これを骨補填材に付着させて骨形成培地内に留置して二次培養を行うことにより製造される(例えば、非特許文献2参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
植村他2名,「生分解性β−TCP多孔材料を用いた骨におけるティッシュエンジニアリング−生体内で強度を増す新しい材料オスフェリオン−」,メディカル朝日,朝日新聞社,2001年10月1日,第30巻,第10号,p.46−49
【0006】
【非特許文献2】
吉川,「骨髄間葉系細胞による培養真皮、培養骨−骨髄間葉系細胞による再生医療−」,バイオインダストリー,株式会社シーエムシー出版,2001年,第18巻,第7号,p.46−53
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、骨補填材のような生体組織補填材は、一般に、立方体のブロック状に形成されているので、水平な培養皿上に配置された骨補填材の全ての表面に細胞を付着させる作業、すなわち細胞の播種作業は、骨補填材の天地面を培養皿上で変更しながら一面ずつ行わなければならず、煩わしいものであった。また、細胞が播種された骨補填材をピンセット等の取り扱い器具によって何度も把持する必要があり、細胞の健全性が害される不都合が考えられる。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞の健全性を害することなく、ブロック状の生体組織補填材に細胞を効率的に播種することができる細胞の播種方法および生体組織補填材を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、多面体状の生体組織補填材を、その複数の表面が上向きとなるように配置して、その上方から細胞を滴下する細胞の播種方法を提供する。
この発明によれば、上方から見て複数の表面が見えるように生体組織補填材が配置された状態で、上方から細胞が滴下されるので、滴下された細胞は生体組織補填材の姿勢を変えることなく複数の面に付着させられる。したがって、生体組織補填材の全表面に細胞を付着させるために、生体組織補填材を回転させる回数を減らすことが可能となる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の細胞の播種方法において、前記複数面の境界により構成される生体組織補填材の頂部を最上位に配置して、その上方から細胞を滴下する播種方法を提供する。
この発明によれば、最上位に配置した頂部の上方から細胞を滴下することにより、頂部によって細胞が複数の表面に分岐される。これにより、手間を省いて、多数面に細胞を付着させることが可能となる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の細胞の播種方法において、細胞の滴下位置を前記頂部の周囲において移動させる播種方法を提供する。
この発明によれば、最上位に配置された頂部近傍においては、その滴下位置を微妙にずらすだけで、細胞が流れる表面を変更することが可能となる。したがって、簡易な操作で効率よく細胞を付着させることが可能となる。
【0012】
請求項4に係る発明は、多面体状の第1の生体組織補填材を部分的に収容する相補的な形状の凹部を有する第2の生体組織補填材を用意し、該第2の生体組織補填材の凹部内に細胞を滴下した後に、該凹部内に前記第1の生体組織補填材を嵌め込み、さらに、該第1の生体組織補填材の複数の表面が上向きとなるように配置してその上方から細胞を滴下する細胞の播種方法を提供する。
【0013】
この発明によれば、第2の生体組織補填材の凹部内に細胞を滴下することにより、該凹部内面に細胞が付着した状態に保持される。そのようにして細胞が付着した凹部内に第1の生体組織補填材を嵌め込むことにより、当該第1の生体組織補填材と第2の生体組織補填材との間に細胞が挟まれた状態に配される。この状態で、第1の生体組織補填材の外部に露出している表面を上向きにして細胞を滴下することにより、簡易な操作で第1の生体組織補填材の全表面に細胞を付着させることが可能となる。大きな生体組織欠損部を補填するために生体組織補填材が大きくなる場合に、細胞を生体組織補填材内部まで浸透させることができるので有効である。
【0014】
請求項5に係る発明は、錐状または錐台状に形成されている生体組織補填材を提供する。
この発明によれば、水平面上に底面を下向きにして生体組織補填材を載置することにより、生体組織補填材の底面を除く全ての表面が上向きに配置される。したがって、生体組織補填材を簡易に安定して保持した状態で、多くの表面に効率的に細胞を付着させることが可能となる。
【0015】
請求項6に係る発明は、隣接する表面どうしを連通するように穿孔された貫通孔を有する多面体状の生体組織補填材を提供する。
この発明によれば、生体組織補填材の一表面に細胞を滴下すると、貫通孔を通じて細胞が隣接する表面へ流動する。したがって、一表面の上方から滴下させるだけで、多数表面に細胞を付着させることが可能となる。
【0016】
請求項7に係る発明は、多面体状の生体組織補填材をその複数の表面が上向きになるように載置する載置台と、該載置台の上方に配置され、生体組織補填材の上向きに配された複数の表面に細胞を滴下する細胞滴下手段とを備える細胞播種装置を提供する。
この発明によれば、細胞滴下手段により滴下された細胞が、生体組織補填材の姿勢を変えることなく複数の面に付着させられることになる。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の細胞播種装置において、前記載置台を傾斜させる傾斜手段を備える細胞播種装置を提供する。
この発明によれば、揺動装置の作動により載置台を傾斜させることにより、生体組織補填材の姿勢を変更して上向きに配される表面を簡易に変更することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態に係る細胞の播種方法、装置および生体組織補填材について説明する前に、この発明が適用される細胞の自動培養装置の一例を図13を参照して説明する。
この自動培養装置100は、図13に示されるように、外部から観察可能な透明な壁材により密閉された空間Sの内部に、複数の培養容器101を1つずつ収容可能な複数の培養室102を備えた細胞培養部103と、前記空間S内を走行可能な走行台車104と、培養容器101内の細胞を遠心分離するための遠心分離機105と、培地交換等を行うための2台のマニピュレータ106,107(培地交換手段)と、培地、トリプシンのような蛋白質分解酵素や成長因子を貯留する容器108を、例えば、4℃の低温状態に保持する保冷室109と、一次培養された細胞を生体組織補填材に付着させる播種装置とを備えている。
【0019】
図中符号110は、空間S内部に清浄な下降空気流を送る空気清浄部、符号111は、タッチパネル式のモニタを有する制御装置、符号112はマニピュレータ106,107の先端に着脱され、培養容器101毎に交換されるピペット113を収容するピペット収容部、符号114は、培地交換時に培養容器101を載置する作業台を示している。
【0020】
培養容器101は、例えば、上方に開口する円形シャーレ状の容器であって、内部に培地および細胞を収容できるようになっている。また、培養容器101は、細胞の培養過程に応じて最適な環境を細胞に与えるため、培養工程が進行するにつれて底面積の広いものに移し替えられるように、種々の大きさのものが用意されている。
【0021】
前記細胞培養部103の各培養室102は、走行台車104側の開閉扉および区画壁によって密閉されることにより、他の培養室102等から隔離されるようになっている。また、各培養室102内は、所定の温度(例えば、37±0.5℃)、湿度(例えば、100%)およびCO2濃度(例えば、5%)等の培養条件が維持されるようになっている。また、これらの培養室102内の実際の温度、湿度およびCO2濃度等の培養室内情報を検出するセンサ(図示略)がそれぞれ備えられている。
【0022】
前記走行台車104には、培養容器を搭載する載置台116と、該載置台116を昇降させる昇降機構117と、載置台116に搭載された図示しない移載機構とが設けられている。移載機構は、載置台116が培養室102に位置決めされたときに、培養室102に対して培養容器101を出し入れするように構成されている。
【0023】
前記培地を貯留する容器108には、培地の溶存酸素濃度や糖度等の培地情報を検出する培地情報検出手段(図示略)が備えられている。また、培地、トリプシン、成長因子等を貯留する容器108は、マニピュレータ107に接続され、図示しないバルブの開閉によって、マニピュレータ107において培養容器101内に培地等が投入されるようになっている。
【0024】
前記制御装置111は、各細胞に対する培養のメニューを記憶しているとともに、各メニュー項目に対応して、走行台車104、マニピュレータ106,107、バルブ等の動作を制御するようになっている。また、制御装置111には、各種情報を記憶するデータベース(図示略)が備えられている。また、制御装置111には、カレンダー機能が搭載されていて、メニュー項目に対応して細胞に対して行われた培地交換等の作業の日付をデータベースに記憶することができるようになっている。また、培地交換の際には、交換された培地、供給された成長因子、ビタミン等の量や種類等を含む培地交換情報が、メニュー項目から抽出されて、記憶されるようになっている。
前記播種装置は、例えば、後述する図4の傾斜装置13と該傾斜装置13の上方に配置される細胞滴下手段(ピペット)とから構成されている。
【0025】
このように構成された本実施形態に係る細胞培養装置100の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る細胞培養装置100に、患者から採取された骨髄液が投入されると、骨髄液は所定の培養容器101あるいは遠心分離容器(図示略)に収容された状態で、走行台車104によって遠心分離機まで搬送され、そこで旋回されることにより、比重の重い骨髄細胞を抽出される。
【0026】
抽出された骨髄細胞は、予め調製されている培地とともに適当な培養容器101内に投入され混合される。培地の一部は取り出されて感染検査に送られる。そして、骨髄細胞および培地を投入した培養容器101は走行台車104の載置台116に搭載されて、空いている培養室102まで搬送される。
この状態で、培養室102内においては骨髄液および培地が所定の温度、湿度およびCO2濃度等の培養条件に維持される。
【0027】
そして、これにより、所定時間にわたって一定培養条件下で細胞が一次培養される。細胞の培養途中の所定の交換時期には、培養室102から培養容器101が移載機構の作動により取り出される。
【0028】
培養室102から取り出された培養容器101は、走行台車104によって搬送されて、作業台114上に載置される。そこで、ピペット収容部112から新たなピペット113を装着したマニピュレータ106が、該ピペット113を培養容器101まで搬送して、ピペット113の先端を培養容器101内の培地に接触させ吸引する。ピペット113を充分な内容量のものとしておくことにより、吸引した培地をピペット113内のみに収容してピペット113ごと廃棄することができる。これにより、マニピュレータ106に培地を付着させることが防止できる。なお、吸引した廃棄培地を廃棄することなく感染検査に送ることにしてもよい。
【0029】
そして、この状態において、同じ培養容器101内でさらに培養することが必要な場合には、マニピュレータ107およびバルブの作動により培養容器101内に新たな培地等が供給される。培地等が供給されたときには、その量および種類、培地情報検出手段により検出された培地内の溶存酸素濃度や糖度等の培地情報がデータベースに記憶される。そして、新たな培地が供給された培養容器101は、再度、走行台車104によって空いている培養室102まで運ばれる。
【0030】
上記状態において、培養容器101を変えることが必要となった場合には、マニピュレータ107とバルブの作動により、トリプシンの容器108からトリプシンを供給される。これにより、培養容器101の底面に付着していた細胞が剥離される。この状態で、培養容器101は、再度、走行台車104の作動により、遠心分離機105に移動され、そこで、細胞とトリプシン入りの培地とが分離される。分離された培地は、マニピュレータ106の作動により吸引されて廃棄される。分離された細胞は、ピペット113を持ち替えたマニピュレータ106の作動により、ピペット113内に吸引され、作業台114上に用意された新たな培養容器101内に投入される。また、この培養容器101内には、マニピュレータ107とバルブの作動により新たな培地が供給される。
細胞を収容した新たな培養容器101は、走行台車104の作動により空いている培養室102まで搬送されて収容される。
【0031】
所定の培養期間が終了すると、上記と同様にして、培養容器101内から培地が廃棄された後に、培養容器101内にトリプシンが投入・混合される。これにより、培養容器101の底面に付着して成長していた間葉系幹細胞が、培養容器101の底面から剥離される。そして、このように剥離された間葉系幹細胞は、遠心分離機105にかけられることにより抽出される。
【0032】
抽出された間葉系幹細胞は、細胞数調整が行われた後に、播種装置において後述する播種方法により骨補填材に播種される。
このようにして、間葉系幹細胞が付着させられた骨補填材は、培地内に浸漬された状態で、走行台車104によって空いている培養室102まで搬送され、所定の温度、湿度およびCO2濃度等の培養条件に維持することにより、所定時間にわたって一定培養条件下で細胞が二次培養される。
【0033】
二次培養工程においても、一次培養工程と同様にして、定期的に培地の交換が行われ、投入される培地の一部および廃棄される培地の一部がそれぞれ、感染検査に送られる。そして、所定の培養期間が経過したところで、出荷用の品質検査と感染検査のための検体抽出が行われ、製造された培養骨は所定の密封容器(図示略)に密封されて製品として提供される。
このように、この細胞培養装置100によれば、多数の検体である細胞が同時に培養され、各細胞から製品としての培養骨が自動的に製造されることになる。
【0034】
次に、この発明の一実施形態に係る細胞の播種方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る細胞の播種方法は、図1に示されるように、直方体ブロック状の生体組織補填材1、例えば、β−TCPの多孔質体からなる生体組織補填材1に、間葉系幹細胞のような細胞を播種する方法である。
【0035】
まず第1に、生体組織補填材1を、図1(a)に示されるように、一頂部2が最上位に配されるように配置する。例えば、生体組織補填材1をこのような姿勢に安定して保持することができる治具(図示略)を利用する。
第2に、図1(b)に示されるように、先端にチップ3を取り付けた電動ピペット(図示略)によって細胞を収容したチップ3先端を、前記生体組織補填材1の頂部2の上方に配置する。
第3に、図2(a)に示されるように、電動ピペットを作動させて、チップ3内の細胞4を生体組織補填材1の頂部2近傍に滴下させる。
【0036】
このとき、図2(b)に示されるように、細胞4の滴下位置を頂部2から若干ずらした位置にすることにより、細胞4を付着させる表面5,6,7を選択することができる。そして、生体組織補填材1の上方に配置したチップ3先端を、図2(b)に矢印Aにより示されるように、頂部2の周囲で回転させることにより、細胞4を滴下させる表面5,6,7を順次変えて行くことができる。
【0037】
図1および図2に示す例では、直方体状の生体組織補填材1の3つの面5,6,7が上向きに配されているので、単一の操作で3つの表面5,6,7に細胞4を付着させることができる。そして、3つの表面5,6,7に細胞4が十分に付着した状態で、作業者が生体組織補填材1を把持してその天地を一回反転させるだけで、残りの3つの表面8,9,10を上向きに配置することができるので、上記と同様にしてこれらの表面8,9,10にも細胞4を簡易に付着させることができる。
【0038】
このように、本実施形態に係る細胞4の播種方法によれば、簡易な操作によって複数面に細胞4を付着させることができる。したがって、作業者が、細胞4を付着させる面が上向きになるように生体組織補填材1の天地面を逐一入れ替える作業をする煩わしさから解消され、作業を簡易なものとすることができる。また、生体組織補填材1を把持して反転させる作業が1回で済むので、把持されることにより細胞4の健全性が害される可能性を低くすることができる。
【0039】
なお、上記実施形態に係る細胞4の播種方法では、生体組織補填材1として、直方体状の生体組織補填材1を例に挙げて説明したが、これに代えて、例えば、4面体、8面体等、他の任意の多面体状の生体組織補填材1にも適用することができる。
【0040】
次に、この発明の第2の実施形態に係る細胞の播種方法について、図3および図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る播種方法は、第1の実施形態に係る播種方法と同様に、頂部2を最上位にして複数の表面5,6,7を上向きに配した直方体状で内部に多数の連通孔を有する多孔体である生体組織補填材1の上方から細胞4を滴下させる方法である。
【0041】
図3に示されるように、複数の生体組織補填材1をディッシュ11の底面12上に間隔をあけて配置する。ディッシュ11は、そのまま培養容器として利用できるものとしてもよい。図4(a)に示されるように、ディッシュ11は、傾斜装置(播種装置)13に取り付けられる。傾斜装置13は、少なくとも一軸14回りにディッシュ取付面15を傾斜させるように構成されている。傾斜角度は任意でよいが、傾斜させた状態で、生体組織補填材1がディッシュ11内を移動しない程度の傾斜角度とする。
【0042】
本実施形態に係る細胞4の播種方法は、まず、前記傾斜装置13を作動させることにより、図4(a)の状態から図4(b)の状態へ、ディッシュ取付面15を一方向に傾斜させ、該ディッシュ取付面15に取り付けられているディッシュ11を傾斜させる。これにより、ディッシュ11内に配列されている全ての生体組織補填材1が、1つの頂部2を最上位にして複数面5,6,7を上向きに配置される。
【0043】
この状態で、図4(b)に示されるように、先端にチップ3を取り付けた電動ピペットによりリン酸緩衝溶液(PBS)を収容したチップ3を生体組織補填材1の上方に近接させ、リン酸緩衝溶液を滴下しながら、電動ピペットを矢印Bのように移動させる。これにより、生体組織補填材1の上向きに配されている3つの表面5,6,7にリン酸緩衝溶液が散布される。
【0044】
次いで、図4(c)に示されるように、傾斜装置13を作動させて、ディッシュ11を反対方向に傾ける。これにより、生体組織補填材1の上向きに配されている表面を変更する。そして、同様にして電動ピペットを矢印Cのように移動させてリン酸緩衝溶液を散布することにより、生体組織補填材1の5つの表面5〜9が湿潤されることになる。
【0045】
その後、ディッシュ1の傾斜状態を、図4(c)に示されるように保持したまま、チップ内に細胞を収容した電動ピペットを矢印Cのように移動させて、上向きの3つの表面6,8,9に細胞4を滴下させる。そして、再度、傾斜装置13を作動させて、ディッシュ11の傾斜を図4(b)に戻し、この状態で、電動ピペットを矢印Bのように移動させて、他の2表面5,6にも細胞4を滴下させる。これにより生体組織補填材1の5つの表面5〜9および内部に細胞4が付着させられる。
【0046】
この場合に、本実施形態に係る細胞4の播種方法によれば、ディッシュ11を傾斜させることによって、細胞4の付着した生体組織補填材1を直接把持することなく底面10を除く全ての表面5〜9に細胞4を効率的に付着させることができる。
なお、この実施形態において、細胞4の播種に先立ってリン酸緩衝溶液により生体組織補填材1を湿潤させることとしたのは、細胞4の生体組織補填材1の多孔中への流入性を高めるためである。リン酸緩衝溶液に代えて生理食塩水や培養液を用いることにしてもよい。
【0047】
次に、この発明の第3の実施形態に係る細胞の播種方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る細胞4の播種方法は、比較的大きな生体組織欠損部に補填するための大きな生体組織補填材1に播種する場合の方法である。
【0048】
本実施形態に係る細胞4の播種方法は、図5に示されるように、直方体状の第1の生体組織補填材1Aと、該第1の生体組織補填材1Aよりも大きな直方体状の第2の生体組織補填材1Bとを用意する。第2の生体組織補填材1Bには、第1の生体組織補填材1Aの1つの頂部2aを形成する3つの表面8,9,10を覆うような相補的な形状を有する凹部20を備えている。凹部20は、直方体状の第2の生体組織補填材1Bの1つの頂部を切り欠いて設けられている。
【0049】
まず第1に、図6に示されるように、第2の生体組織補填材1Bを凹部20を上向きにして配置し、該凹部20内に細胞4を滴下する。細胞4の滴下方法は、上記第1および第2の実施形態に係る播種方法と同様である。
これにより、凹部20を構成する3つの表面21,22,23に細胞が付着させられる(斜線は細胞が付着された面を表している。)。
【0050】
次に、図7に示されるように、第1の生体組織補填材1Aを第2の生体組織補填材1Bの凹部20内に収容する。これにより、凹部20内に配されることとなる第1の生体組織補填材1Aの3つの表面8,9,10には細胞4が付着させられる。
そして、図8に示されるように、凹部20に収容された状態の第1の生体組織補填材1Aおよび第2の生体組織補填材1Bの上方から細胞4を滴下する。これにより、第1の生体組織補填材1Aについては全ての表面5〜10、第2の生体組織補填材1Aについては凹部20が形成されている3つの表面24,25,26上に細胞4が付着させられる。
【0051】
このように、本実施形態に係る細胞4の播種方法によれば、細胞4が内部まで浸透し難い大きなサイズの生体組織補填材1に対して、簡易に内部に細胞4を到達させることができるという利点がある。
【0052】
次に、この発明の一実施形態に係る生体組織補填材について、図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填材30は、4角錐形状に構成されている。このような生体組織補填材30は、例えば、水平面上に、その底面31を下にして配置されることにより、底面31以外の他の面32〜35は全て、上向きに配される。したがって、最上位に配される頂部36近傍に細胞を滴下することにより、底面31を除く全ての表面32〜35に、極めて簡易かつ効率的に細胞を付着させることが可能となる。
【0053】
なお、本実施形態に係る生体組織補填材30は、4角錐形状を例に挙げて説明したが、これに代えて、3角錐、5角錐等任意の多角錐形状としてもよい。また、図10に示されるように、頂部に平坦面37を有する角錐台形状に構成してもよい。さらに、角錐に限られるものではなく、円錐および円錐台としても同様の効果を奏することができる。
【0054】
次に、この発明の他の実施形態に係る生体組織補填材40について、図11および図12を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填材40は、直方体状に形成されているとともに、その一表面41から隣接する他の複数の表面42〜45に向けて穿孔された貫通孔47〜50を備えている。
貫通孔47〜50の径は、滴下された細胞4が容易に流通し得る大きさで、好ましくは、血管の進入が容易なように、直行もしくは緩やかなカーブを描く径0.5〜2mm程度の貫通孔が望ましい。また、その断面形状は、円形に限られない。
【0055】
このように構成された本実施形態に係る生体組織補填材40によれば、図12に示されるように、一表面41を上向きに配置して上方から細胞4を滴下することにより、当該表面41に細胞4が付着させられる。また、当該表面41(上面)には他の隣接表面42〜45につながる貫通孔47〜50が形成されているので、滴下された細胞4が当該貫通孔47〜50を通じて隣接表面42〜45にまで達し、当該表面42〜45にも付着させられることになる。したがって、水平面上に載置した生体組織補填材40の上方から細胞4を滴下させるだけで、底面46を除く多数の表面41〜45に細胞4を付着させることができるという効果がある。
【0056】
また、貫通孔47〜50の内壁にも細胞4が付着するので、生体組織補填材40の内部まで細胞4を浸透させる効果もある。さらに、このようにして細胞4を付着させられた本実施形態に係る生体組織補填材40を生体組織欠損部に補填すると、該欠損部内において成長してきた血管が貫通穴47〜50内に進入し易く、生体組織補填材40に付着している細胞4の近くに血流を生じさせて、細胞4の成長を促進することができるという利点もある。
【0057】
なお、上記実施形態においては、一表面41から隣接表面42〜45のみに穿孔された貫通孔47〜50を例示したが、これに代えて、または、これとともに、対向表面、例えば、上記実施形態における上面41から底面46まで貫通する貫通孔を設けてもよい。さらに、貫通孔47等の数や、角度等にも制限はなく、また、その形成方法も、機械による穿孔に限られない。
【0058】
また、上記各実施形態において、生体組織補填材1,30,40として、β−TCPの多孔質体からなるブロックを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。
【0059】
また、上記各実施形態においては、生体組織補填材1,30,40に滴下する細胞4としては、ES細胞、体性幹細胞、間葉系幹細胞、骨細胞や軟骨細胞等の体細胞でよい。また、自家細胞でも、他家細胞でもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る細胞の播種方法および生体組織補填材によれば、簡易な操作によって、多数の表面に細胞を効率的に付着させることができる。その結果、播種作業に要する工数を削減し、作業者の負担を軽減できる。また、播種作業に際して、細胞の付着した生体組織補填材の天地面を変更する回数を少なくすることができ、細胞の健全性を維持することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る細胞の播種方法における生体組織補填材の配置を説明する斜視図である。
【図2】図1のように配置した生体組織補填材に対する細胞の滴下の様子を示す斜視図である。
【図3】この発明の第2の実施形態に係る細胞の播種方法であって、ディッシュ内における生体組織補填材の配列を示す斜視図である。
【図4】図3のディッシュを取り付けた傾斜装置の動作を説明する一部を破断した側面図である。
【図5】この発明の第3の実施形態に係る細胞の播種方法における生体組織補填材を説明する斜視図である。
【図6】図5の第2の生体組織補填材への細胞の滴下の様子を示す斜視図である。
【図7】図5の第1の生体組織補填材と第2の生体組織補填材とを組み合わせる様子を示す斜視図である。
【図8】図5の2つの生体組織補填材を組み合わせた後における細胞の滴下の様子を示す斜視図である。
【図9】この発明の一実施形態に係る角錐状の生体組織補填材を示す斜視図である。
【図10】図9の変形例に係る角錐台状の生体組織補填材を示す斜視図である。
【図11】この発明の他の実施形態に係る生体組織補填材を示す斜視図である。
【図12】図11の生体組織補填材への細胞の滴下の様子を示す縦断面図である。
【図13】この発明の細胞の播種方法が適用される自動培養装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,30,40 生体組織補填材
5〜10 表面
4 細胞
2 頂部
20 凹部
1B 第2の生体組織補填材
1A 第1の生体組織補填材
47〜50 貫通孔
【発明の属する技術分野】
この発明は、骨等の生体組織の欠損部を再生する際に使用する生体組織補填材と該生体組織補填材への細胞の播種方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、骨腫瘍摘出や外傷等により生じた骨の欠損部に、骨補填材を補填することにより、骨を再生させて欠損部を修復することが可能になってきている。骨補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)やリン酸三カルシウム(TCP)が知られているが、体内に異物を残さないとする考え方から、例えば、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が使用される。β−TCPを骨欠損部の骨細胞に接触させておくと、破骨細胞がβ−TCPを食べ、骨芽細胞が新しい骨を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。すなわち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に自家骨に置換されていくことになる。
【0003】
一方、術後の骨欠損部の修復速度を高めるために、患者から採取した骨髄間葉系細胞を骨補填材とともに培養することにより製造される培養骨を使用することが提案されている。培養されることにより骨補填材を足場にして増殖した多くの骨髄間葉系細胞を含む培養骨を骨欠損部に補填するので、手術後に体内で細胞を増殖させる方法と比較すると、自家骨に置換されるまでの日数を大幅に短縮することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
このような培養骨は、一般に、患者から採取した骨髄細胞をフラスコ内で一次培養して必要細胞数まで増加させた後に、トリプシンのような蛋白質分解酵素を用いて細胞をフラスコから剥離する。そして、これを骨補填材に付着させて骨形成培地内に留置して二次培養を行うことにより製造される(例えば、非特許文献2参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
植村他2名,「生分解性β−TCP多孔材料を用いた骨におけるティッシュエンジニアリング−生体内で強度を増す新しい材料オスフェリオン−」,メディカル朝日,朝日新聞社,2001年10月1日,第30巻,第10号,p.46−49
【0006】
【非特許文献2】
吉川,「骨髄間葉系細胞による培養真皮、培養骨−骨髄間葉系細胞による再生医療−」,バイオインダストリー,株式会社シーエムシー出版,2001年,第18巻,第7号,p.46−53
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、骨補填材のような生体組織補填材は、一般に、立方体のブロック状に形成されているので、水平な培養皿上に配置された骨補填材の全ての表面に細胞を付着させる作業、すなわち細胞の播種作業は、骨補填材の天地面を培養皿上で変更しながら一面ずつ行わなければならず、煩わしいものであった。また、細胞が播種された骨補填材をピンセット等の取り扱い器具によって何度も把持する必要があり、細胞の健全性が害される不都合が考えられる。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞の健全性を害することなく、ブロック状の生体組織補填材に細胞を効率的に播種することができる細胞の播種方法および生体組織補填材を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、多面体状の生体組織補填材を、その複数の表面が上向きとなるように配置して、その上方から細胞を滴下する細胞の播種方法を提供する。
この発明によれば、上方から見て複数の表面が見えるように生体組織補填材が配置された状態で、上方から細胞が滴下されるので、滴下された細胞は生体組織補填材の姿勢を変えることなく複数の面に付着させられる。したがって、生体組織補填材の全表面に細胞を付着させるために、生体組織補填材を回転させる回数を減らすことが可能となる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の細胞の播種方法において、前記複数面の境界により構成される生体組織補填材の頂部を最上位に配置して、その上方から細胞を滴下する播種方法を提供する。
この発明によれば、最上位に配置した頂部の上方から細胞を滴下することにより、頂部によって細胞が複数の表面に分岐される。これにより、手間を省いて、多数面に細胞を付着させることが可能となる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の細胞の播種方法において、細胞の滴下位置を前記頂部の周囲において移動させる播種方法を提供する。
この発明によれば、最上位に配置された頂部近傍においては、その滴下位置を微妙にずらすだけで、細胞が流れる表面を変更することが可能となる。したがって、簡易な操作で効率よく細胞を付着させることが可能となる。
【0012】
請求項4に係る発明は、多面体状の第1の生体組織補填材を部分的に収容する相補的な形状の凹部を有する第2の生体組織補填材を用意し、該第2の生体組織補填材の凹部内に細胞を滴下した後に、該凹部内に前記第1の生体組織補填材を嵌め込み、さらに、該第1の生体組織補填材の複数の表面が上向きとなるように配置してその上方から細胞を滴下する細胞の播種方法を提供する。
【0013】
この発明によれば、第2の生体組織補填材の凹部内に細胞を滴下することにより、該凹部内面に細胞が付着した状態に保持される。そのようにして細胞が付着した凹部内に第1の生体組織補填材を嵌め込むことにより、当該第1の生体組織補填材と第2の生体組織補填材との間に細胞が挟まれた状態に配される。この状態で、第1の生体組織補填材の外部に露出している表面を上向きにして細胞を滴下することにより、簡易な操作で第1の生体組織補填材の全表面に細胞を付着させることが可能となる。大きな生体組織欠損部を補填するために生体組織補填材が大きくなる場合に、細胞を生体組織補填材内部まで浸透させることができるので有効である。
【0014】
請求項5に係る発明は、錐状または錐台状に形成されている生体組織補填材を提供する。
この発明によれば、水平面上に底面を下向きにして生体組織補填材を載置することにより、生体組織補填材の底面を除く全ての表面が上向きに配置される。したがって、生体組織補填材を簡易に安定して保持した状態で、多くの表面に効率的に細胞を付着させることが可能となる。
【0015】
請求項6に係る発明は、隣接する表面どうしを連通するように穿孔された貫通孔を有する多面体状の生体組織補填材を提供する。
この発明によれば、生体組織補填材の一表面に細胞を滴下すると、貫通孔を通じて細胞が隣接する表面へ流動する。したがって、一表面の上方から滴下させるだけで、多数表面に細胞を付着させることが可能となる。
【0016】
請求項7に係る発明は、多面体状の生体組織補填材をその複数の表面が上向きになるように載置する載置台と、該載置台の上方に配置され、生体組織補填材の上向きに配された複数の表面に細胞を滴下する細胞滴下手段とを備える細胞播種装置を提供する。
この発明によれば、細胞滴下手段により滴下された細胞が、生体組織補填材の姿勢を変えることなく複数の面に付着させられることになる。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の細胞播種装置において、前記載置台を傾斜させる傾斜手段を備える細胞播種装置を提供する。
この発明によれば、揺動装置の作動により載置台を傾斜させることにより、生体組織補填材の姿勢を変更して上向きに配される表面を簡易に変更することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態に係る細胞の播種方法、装置および生体組織補填材について説明する前に、この発明が適用される細胞の自動培養装置の一例を図13を参照して説明する。
この自動培養装置100は、図13に示されるように、外部から観察可能な透明な壁材により密閉された空間Sの内部に、複数の培養容器101を1つずつ収容可能な複数の培養室102を備えた細胞培養部103と、前記空間S内を走行可能な走行台車104と、培養容器101内の細胞を遠心分離するための遠心分離機105と、培地交換等を行うための2台のマニピュレータ106,107(培地交換手段)と、培地、トリプシンのような蛋白質分解酵素や成長因子を貯留する容器108を、例えば、4℃の低温状態に保持する保冷室109と、一次培養された細胞を生体組織補填材に付着させる播種装置とを備えている。
【0019】
図中符号110は、空間S内部に清浄な下降空気流を送る空気清浄部、符号111は、タッチパネル式のモニタを有する制御装置、符号112はマニピュレータ106,107の先端に着脱され、培養容器101毎に交換されるピペット113を収容するピペット収容部、符号114は、培地交換時に培養容器101を載置する作業台を示している。
【0020】
培養容器101は、例えば、上方に開口する円形シャーレ状の容器であって、内部に培地および細胞を収容できるようになっている。また、培養容器101は、細胞の培養過程に応じて最適な環境を細胞に与えるため、培養工程が進行するにつれて底面積の広いものに移し替えられるように、種々の大きさのものが用意されている。
【0021】
前記細胞培養部103の各培養室102は、走行台車104側の開閉扉および区画壁によって密閉されることにより、他の培養室102等から隔離されるようになっている。また、各培養室102内は、所定の温度(例えば、37±0.5℃)、湿度(例えば、100%)およびCO2濃度(例えば、5%)等の培養条件が維持されるようになっている。また、これらの培養室102内の実際の温度、湿度およびCO2濃度等の培養室内情報を検出するセンサ(図示略)がそれぞれ備えられている。
【0022】
前記走行台車104には、培養容器を搭載する載置台116と、該載置台116を昇降させる昇降機構117と、載置台116に搭載された図示しない移載機構とが設けられている。移載機構は、載置台116が培養室102に位置決めされたときに、培養室102に対して培養容器101を出し入れするように構成されている。
【0023】
前記培地を貯留する容器108には、培地の溶存酸素濃度や糖度等の培地情報を検出する培地情報検出手段(図示略)が備えられている。また、培地、トリプシン、成長因子等を貯留する容器108は、マニピュレータ107に接続され、図示しないバルブの開閉によって、マニピュレータ107において培養容器101内に培地等が投入されるようになっている。
【0024】
前記制御装置111は、各細胞に対する培養のメニューを記憶しているとともに、各メニュー項目に対応して、走行台車104、マニピュレータ106,107、バルブ等の動作を制御するようになっている。また、制御装置111には、各種情報を記憶するデータベース(図示略)が備えられている。また、制御装置111には、カレンダー機能が搭載されていて、メニュー項目に対応して細胞に対して行われた培地交換等の作業の日付をデータベースに記憶することができるようになっている。また、培地交換の際には、交換された培地、供給された成長因子、ビタミン等の量や種類等を含む培地交換情報が、メニュー項目から抽出されて、記憶されるようになっている。
前記播種装置は、例えば、後述する図4の傾斜装置13と該傾斜装置13の上方に配置される細胞滴下手段(ピペット)とから構成されている。
【0025】
このように構成された本実施形態に係る細胞培養装置100の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る細胞培養装置100に、患者から採取された骨髄液が投入されると、骨髄液は所定の培養容器101あるいは遠心分離容器(図示略)に収容された状態で、走行台車104によって遠心分離機まで搬送され、そこで旋回されることにより、比重の重い骨髄細胞を抽出される。
【0026】
抽出された骨髄細胞は、予め調製されている培地とともに適当な培養容器101内に投入され混合される。培地の一部は取り出されて感染検査に送られる。そして、骨髄細胞および培地を投入した培養容器101は走行台車104の載置台116に搭載されて、空いている培養室102まで搬送される。
この状態で、培養室102内においては骨髄液および培地が所定の温度、湿度およびCO2濃度等の培養条件に維持される。
【0027】
そして、これにより、所定時間にわたって一定培養条件下で細胞が一次培養される。細胞の培養途中の所定の交換時期には、培養室102から培養容器101が移載機構の作動により取り出される。
【0028】
培養室102から取り出された培養容器101は、走行台車104によって搬送されて、作業台114上に載置される。そこで、ピペット収容部112から新たなピペット113を装着したマニピュレータ106が、該ピペット113を培養容器101まで搬送して、ピペット113の先端を培養容器101内の培地に接触させ吸引する。ピペット113を充分な内容量のものとしておくことにより、吸引した培地をピペット113内のみに収容してピペット113ごと廃棄することができる。これにより、マニピュレータ106に培地を付着させることが防止できる。なお、吸引した廃棄培地を廃棄することなく感染検査に送ることにしてもよい。
【0029】
そして、この状態において、同じ培養容器101内でさらに培養することが必要な場合には、マニピュレータ107およびバルブの作動により培養容器101内に新たな培地等が供給される。培地等が供給されたときには、その量および種類、培地情報検出手段により検出された培地内の溶存酸素濃度や糖度等の培地情報がデータベースに記憶される。そして、新たな培地が供給された培養容器101は、再度、走行台車104によって空いている培養室102まで運ばれる。
【0030】
上記状態において、培養容器101を変えることが必要となった場合には、マニピュレータ107とバルブの作動により、トリプシンの容器108からトリプシンを供給される。これにより、培養容器101の底面に付着していた細胞が剥離される。この状態で、培養容器101は、再度、走行台車104の作動により、遠心分離機105に移動され、そこで、細胞とトリプシン入りの培地とが分離される。分離された培地は、マニピュレータ106の作動により吸引されて廃棄される。分離された細胞は、ピペット113を持ち替えたマニピュレータ106の作動により、ピペット113内に吸引され、作業台114上に用意された新たな培養容器101内に投入される。また、この培養容器101内には、マニピュレータ107とバルブの作動により新たな培地が供給される。
細胞を収容した新たな培養容器101は、走行台車104の作動により空いている培養室102まで搬送されて収容される。
【0031】
所定の培養期間が終了すると、上記と同様にして、培養容器101内から培地が廃棄された後に、培養容器101内にトリプシンが投入・混合される。これにより、培養容器101の底面に付着して成長していた間葉系幹細胞が、培養容器101の底面から剥離される。そして、このように剥離された間葉系幹細胞は、遠心分離機105にかけられることにより抽出される。
【0032】
抽出された間葉系幹細胞は、細胞数調整が行われた後に、播種装置において後述する播種方法により骨補填材に播種される。
このようにして、間葉系幹細胞が付着させられた骨補填材は、培地内に浸漬された状態で、走行台車104によって空いている培養室102まで搬送され、所定の温度、湿度およびCO2濃度等の培養条件に維持することにより、所定時間にわたって一定培養条件下で細胞が二次培養される。
【0033】
二次培養工程においても、一次培養工程と同様にして、定期的に培地の交換が行われ、投入される培地の一部および廃棄される培地の一部がそれぞれ、感染検査に送られる。そして、所定の培養期間が経過したところで、出荷用の品質検査と感染検査のための検体抽出が行われ、製造された培養骨は所定の密封容器(図示略)に密封されて製品として提供される。
このように、この細胞培養装置100によれば、多数の検体である細胞が同時に培養され、各細胞から製品としての培養骨が自動的に製造されることになる。
【0034】
次に、この発明の一実施形態に係る細胞の播種方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る細胞の播種方法は、図1に示されるように、直方体ブロック状の生体組織補填材1、例えば、β−TCPの多孔質体からなる生体組織補填材1に、間葉系幹細胞のような細胞を播種する方法である。
【0035】
まず第1に、生体組織補填材1を、図1(a)に示されるように、一頂部2が最上位に配されるように配置する。例えば、生体組織補填材1をこのような姿勢に安定して保持することができる治具(図示略)を利用する。
第2に、図1(b)に示されるように、先端にチップ3を取り付けた電動ピペット(図示略)によって細胞を収容したチップ3先端を、前記生体組織補填材1の頂部2の上方に配置する。
第3に、図2(a)に示されるように、電動ピペットを作動させて、チップ3内の細胞4を生体組織補填材1の頂部2近傍に滴下させる。
【0036】
このとき、図2(b)に示されるように、細胞4の滴下位置を頂部2から若干ずらした位置にすることにより、細胞4を付着させる表面5,6,7を選択することができる。そして、生体組織補填材1の上方に配置したチップ3先端を、図2(b)に矢印Aにより示されるように、頂部2の周囲で回転させることにより、細胞4を滴下させる表面5,6,7を順次変えて行くことができる。
【0037】
図1および図2に示す例では、直方体状の生体組織補填材1の3つの面5,6,7が上向きに配されているので、単一の操作で3つの表面5,6,7に細胞4を付着させることができる。そして、3つの表面5,6,7に細胞4が十分に付着した状態で、作業者が生体組織補填材1を把持してその天地を一回反転させるだけで、残りの3つの表面8,9,10を上向きに配置することができるので、上記と同様にしてこれらの表面8,9,10にも細胞4を簡易に付着させることができる。
【0038】
このように、本実施形態に係る細胞4の播種方法によれば、簡易な操作によって複数面に細胞4を付着させることができる。したがって、作業者が、細胞4を付着させる面が上向きになるように生体組織補填材1の天地面を逐一入れ替える作業をする煩わしさから解消され、作業を簡易なものとすることができる。また、生体組織補填材1を把持して反転させる作業が1回で済むので、把持されることにより細胞4の健全性が害される可能性を低くすることができる。
【0039】
なお、上記実施形態に係る細胞4の播種方法では、生体組織補填材1として、直方体状の生体組織補填材1を例に挙げて説明したが、これに代えて、例えば、4面体、8面体等、他の任意の多面体状の生体組織補填材1にも適用することができる。
【0040】
次に、この発明の第2の実施形態に係る細胞の播種方法について、図3および図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る播種方法は、第1の実施形態に係る播種方法と同様に、頂部2を最上位にして複数の表面5,6,7を上向きに配した直方体状で内部に多数の連通孔を有する多孔体である生体組織補填材1の上方から細胞4を滴下させる方法である。
【0041】
図3に示されるように、複数の生体組織補填材1をディッシュ11の底面12上に間隔をあけて配置する。ディッシュ11は、そのまま培養容器として利用できるものとしてもよい。図4(a)に示されるように、ディッシュ11は、傾斜装置(播種装置)13に取り付けられる。傾斜装置13は、少なくとも一軸14回りにディッシュ取付面15を傾斜させるように構成されている。傾斜角度は任意でよいが、傾斜させた状態で、生体組織補填材1がディッシュ11内を移動しない程度の傾斜角度とする。
【0042】
本実施形態に係る細胞4の播種方法は、まず、前記傾斜装置13を作動させることにより、図4(a)の状態から図4(b)の状態へ、ディッシュ取付面15を一方向に傾斜させ、該ディッシュ取付面15に取り付けられているディッシュ11を傾斜させる。これにより、ディッシュ11内に配列されている全ての生体組織補填材1が、1つの頂部2を最上位にして複数面5,6,7を上向きに配置される。
【0043】
この状態で、図4(b)に示されるように、先端にチップ3を取り付けた電動ピペットによりリン酸緩衝溶液(PBS)を収容したチップ3を生体組織補填材1の上方に近接させ、リン酸緩衝溶液を滴下しながら、電動ピペットを矢印Bのように移動させる。これにより、生体組織補填材1の上向きに配されている3つの表面5,6,7にリン酸緩衝溶液が散布される。
【0044】
次いで、図4(c)に示されるように、傾斜装置13を作動させて、ディッシュ11を反対方向に傾ける。これにより、生体組織補填材1の上向きに配されている表面を変更する。そして、同様にして電動ピペットを矢印Cのように移動させてリン酸緩衝溶液を散布することにより、生体組織補填材1の5つの表面5〜9が湿潤されることになる。
【0045】
その後、ディッシュ1の傾斜状態を、図4(c)に示されるように保持したまま、チップ内に細胞を収容した電動ピペットを矢印Cのように移動させて、上向きの3つの表面6,8,9に細胞4を滴下させる。そして、再度、傾斜装置13を作動させて、ディッシュ11の傾斜を図4(b)に戻し、この状態で、電動ピペットを矢印Bのように移動させて、他の2表面5,6にも細胞4を滴下させる。これにより生体組織補填材1の5つの表面5〜9および内部に細胞4が付着させられる。
【0046】
この場合に、本実施形態に係る細胞4の播種方法によれば、ディッシュ11を傾斜させることによって、細胞4の付着した生体組織補填材1を直接把持することなく底面10を除く全ての表面5〜9に細胞4を効率的に付着させることができる。
なお、この実施形態において、細胞4の播種に先立ってリン酸緩衝溶液により生体組織補填材1を湿潤させることとしたのは、細胞4の生体組織補填材1の多孔中への流入性を高めるためである。リン酸緩衝溶液に代えて生理食塩水や培養液を用いることにしてもよい。
【0047】
次に、この発明の第3の実施形態に係る細胞の播種方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る細胞4の播種方法は、比較的大きな生体組織欠損部に補填するための大きな生体組織補填材1に播種する場合の方法である。
【0048】
本実施形態に係る細胞4の播種方法は、図5に示されるように、直方体状の第1の生体組織補填材1Aと、該第1の生体組織補填材1Aよりも大きな直方体状の第2の生体組織補填材1Bとを用意する。第2の生体組織補填材1Bには、第1の生体組織補填材1Aの1つの頂部2aを形成する3つの表面8,9,10を覆うような相補的な形状を有する凹部20を備えている。凹部20は、直方体状の第2の生体組織補填材1Bの1つの頂部を切り欠いて設けられている。
【0049】
まず第1に、図6に示されるように、第2の生体組織補填材1Bを凹部20を上向きにして配置し、該凹部20内に細胞4を滴下する。細胞4の滴下方法は、上記第1および第2の実施形態に係る播種方法と同様である。
これにより、凹部20を構成する3つの表面21,22,23に細胞が付着させられる(斜線は細胞が付着された面を表している。)。
【0050】
次に、図7に示されるように、第1の生体組織補填材1Aを第2の生体組織補填材1Bの凹部20内に収容する。これにより、凹部20内に配されることとなる第1の生体組織補填材1Aの3つの表面8,9,10には細胞4が付着させられる。
そして、図8に示されるように、凹部20に収容された状態の第1の生体組織補填材1Aおよび第2の生体組織補填材1Bの上方から細胞4を滴下する。これにより、第1の生体組織補填材1Aについては全ての表面5〜10、第2の生体組織補填材1Aについては凹部20が形成されている3つの表面24,25,26上に細胞4が付着させられる。
【0051】
このように、本実施形態に係る細胞4の播種方法によれば、細胞4が内部まで浸透し難い大きなサイズの生体組織補填材1に対して、簡易に内部に細胞4を到達させることができるという利点がある。
【0052】
次に、この発明の一実施形態に係る生体組織補填材について、図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填材30は、4角錐形状に構成されている。このような生体組織補填材30は、例えば、水平面上に、その底面31を下にして配置されることにより、底面31以外の他の面32〜35は全て、上向きに配される。したがって、最上位に配される頂部36近傍に細胞を滴下することにより、底面31を除く全ての表面32〜35に、極めて簡易かつ効率的に細胞を付着させることが可能となる。
【0053】
なお、本実施形態に係る生体組織補填材30は、4角錐形状を例に挙げて説明したが、これに代えて、3角錐、5角錐等任意の多角錐形状としてもよい。また、図10に示されるように、頂部に平坦面37を有する角錐台形状に構成してもよい。さらに、角錐に限られるものではなく、円錐および円錐台としても同様の効果を奏することができる。
【0054】
次に、この発明の他の実施形態に係る生体組織補填材40について、図11および図12を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填材40は、直方体状に形成されているとともに、その一表面41から隣接する他の複数の表面42〜45に向けて穿孔された貫通孔47〜50を備えている。
貫通孔47〜50の径は、滴下された細胞4が容易に流通し得る大きさで、好ましくは、血管の進入が容易なように、直行もしくは緩やかなカーブを描く径0.5〜2mm程度の貫通孔が望ましい。また、その断面形状は、円形に限られない。
【0055】
このように構成された本実施形態に係る生体組織補填材40によれば、図12に示されるように、一表面41を上向きに配置して上方から細胞4を滴下することにより、当該表面41に細胞4が付着させられる。また、当該表面41(上面)には他の隣接表面42〜45につながる貫通孔47〜50が形成されているので、滴下された細胞4が当該貫通孔47〜50を通じて隣接表面42〜45にまで達し、当該表面42〜45にも付着させられることになる。したがって、水平面上に載置した生体組織補填材40の上方から細胞4を滴下させるだけで、底面46を除く多数の表面41〜45に細胞4を付着させることができるという効果がある。
【0056】
また、貫通孔47〜50の内壁にも細胞4が付着するので、生体組織補填材40の内部まで細胞4を浸透させる効果もある。さらに、このようにして細胞4を付着させられた本実施形態に係る生体組織補填材40を生体組織欠損部に補填すると、該欠損部内において成長してきた血管が貫通穴47〜50内に進入し易く、生体組織補填材40に付着している細胞4の近くに血流を生じさせて、細胞4の成長を促進することができるという利点もある。
【0057】
なお、上記実施形態においては、一表面41から隣接表面42〜45のみに穿孔された貫通孔47〜50を例示したが、これに代えて、または、これとともに、対向表面、例えば、上記実施形態における上面41から底面46まで貫通する貫通孔を設けてもよい。さらに、貫通孔47等の数や、角度等にも制限はなく、また、その形成方法も、機械による穿孔に限られない。
【0058】
また、上記各実施形態において、生体組織補填材1,30,40として、β−TCPの多孔質体からなるブロックを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。
【0059】
また、上記各実施形態においては、生体組織補填材1,30,40に滴下する細胞4としては、ES細胞、体性幹細胞、間葉系幹細胞、骨細胞や軟骨細胞等の体細胞でよい。また、自家細胞でも、他家細胞でもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る細胞の播種方法および生体組織補填材によれば、簡易な操作によって、多数の表面に細胞を効率的に付着させることができる。その結果、播種作業に要する工数を削減し、作業者の負担を軽減できる。また、播種作業に際して、細胞の付着した生体組織補填材の天地面を変更する回数を少なくすることができ、細胞の健全性を維持することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る細胞の播種方法における生体組織補填材の配置を説明する斜視図である。
【図2】図1のように配置した生体組織補填材に対する細胞の滴下の様子を示す斜視図である。
【図3】この発明の第2の実施形態に係る細胞の播種方法であって、ディッシュ内における生体組織補填材の配列を示す斜視図である。
【図4】図3のディッシュを取り付けた傾斜装置の動作を説明する一部を破断した側面図である。
【図5】この発明の第3の実施形態に係る細胞の播種方法における生体組織補填材を説明する斜視図である。
【図6】図5の第2の生体組織補填材への細胞の滴下の様子を示す斜視図である。
【図7】図5の第1の生体組織補填材と第2の生体組織補填材とを組み合わせる様子を示す斜視図である。
【図8】図5の2つの生体組織補填材を組み合わせた後における細胞の滴下の様子を示す斜視図である。
【図9】この発明の一実施形態に係る角錐状の生体組織補填材を示す斜視図である。
【図10】図9の変形例に係る角錐台状の生体組織補填材を示す斜視図である。
【図11】この発明の他の実施形態に係る生体組織補填材を示す斜視図である。
【図12】図11の生体組織補填材への細胞の滴下の様子を示す縦断面図である。
【図13】この発明の細胞の播種方法が適用される自動培養装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,30,40 生体組織補填材
5〜10 表面
4 細胞
2 頂部
20 凹部
1B 第2の生体組織補填材
1A 第1の生体組織補填材
47〜50 貫通孔
Claims (8)
- 多面体状の生体組織補填材を、その複数の表面が上向きとなるように配置して、その上方から細胞を滴下する細胞の播種方法。
- 前記複数面の境界により構成される生体組織補填材の頂部を最上位に配置して、その上方から細胞を滴下する請求項1に記載の細胞の播種方法。
- 細胞の滴下位置を前記頂部の周囲において移動させる請求項2に記載の細胞の播種方法。
- 多面体状の第1の生体組織補填材を部分的に収容する相補的な形状の凹部を有する第2の生体組織補填材を用意し、該第2の生体組織補填材の凹部内に細胞を滴下した後に、該凹部内に前記第1の生体組織補填材を嵌め込み、さらに、該第1の生体組織補填材の複数の表面が上向きとなるように配置してその上方から細胞を滴下する細胞の播種方法。
- 錐状または錐台状に形成されている生体組織補填材。
- 隣接する表面どうしを連通するように穿孔された貫通孔を有する多面体状の生体組織補填材。
- 多面体状の生体組織補填材をその複数の表面が上向きになるように載置する載置台と、該載置台の上方に配置され、生体組織補填材の上向きに配された複数の表面に細胞を滴下する細胞滴下手段とを備える細胞播種装置。
- 前記載置台を傾斜させる傾斜手段を備える請求項7に記載の細胞播種装置。
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JP2003030713A JP2004236940A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 細胞の播種方法、装置および生体組織補填材 |
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- 2003-02-07 JP JP2003030713A patent/JP2004236940A/ja not_active Withdrawn
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