JP2004235147A - 誘電体ペースト及び誘電体膜 - Google Patents

誘電体ペースト及び誘電体膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2004235147A
JP2004235147A JP2004001802A JP2004001802A JP2004235147A JP 2004235147 A JP2004235147 A JP 2004235147A JP 2004001802 A JP2004001802 A JP 2004001802A JP 2004001802 A JP2004001802 A JP 2004001802A JP 2004235147 A JP2004235147 A JP 2004235147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
solvent
liquid crystal
aromatic liquid
crystal polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004001802A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Otomo
新治 大友
Satoshi Okamoto
敏 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2004001802A priority Critical patent/JP2004235147A/ja
Publication of JP2004235147A publication Critical patent/JP2004235147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

【課題】
誘電損失が少ない誘電体膜を与える誘電体ぺーストを提供する.
【解決手段】
[1]ヒドロキシナフトエ酸由来の構造単位を特定量含有してなる芳香族液晶ポリエステルと、溶媒と、誘電体粉末とを含有してなる誘電体ぺースト。
[2]芳香族液晶ポリエステルを溶媒に溶解して芳香族ポリエステル溶液を得、該溶液に誘電体粉末を添加して得られる[1]記載の誘電体ペースト。
[3][1]または[2]記載の誘電体ペーストを基板に塗布して得られることを特徴とする誘電体膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、誘電体ペーストに関する。
電子機器の性能向上や小型化、薄型化、軽量化のため、配線基板の薄型化、軽量化が図られている。配線基板を薄型化、軽量化するための方法としては、蒸着法やスパッタリング法により基板上に誘電体膜を形成する方法や誘電体ぺーストを基板上にコーティングして誘電体膜を形成する方法(特許文献1参照)などが知られている。
特開2002−60595
しかしながら、蒸着法やスパッタリング法による方法では、製膜のために500℃以上の高温が必要であり、電極材料の高温による劣化が起こるという問題があった。
一方、誘電体ぺーストを用いる方法では、上記したような高温による電極材料の劣化の問題を解決することはできるが、なお得られた誘電体膜の誘電損失には改善の余地が残されていた。
本発明の目的は、誘電損失が少ない誘電体膜を与える誘電体ぺーストを提供することにある。
即ち本発明は、芳香族液晶ポリエステルと、溶媒と、誘電体粉末とを含有してなり、芳香族液晶ポリエステルと溶媒との合計量に対する芳香族液晶ポリエステルの量が0.5〜50重量%であり、かつ芳香族液晶ポリエステルと溶媒との合計量を100重量部としたとき、誘電体粉末量が0.2〜200重量部であり、芳香族液晶ポリエステルが下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)で示される構成単位を含有してなり、全構成単位に対して、構成単位(I)が40〜75モル%、構成単位(II)が12.5〜30モル%、構成単位(III)が12.5〜30モル%、構成単位(IV)が0〜5モル%であることを特徴とする誘電体ペーストを提供するものである。

Figure 2004235147
(I)

Figure 2004235147
(II)

Figure 2004235147
(III)

Figure 2004235147
(IV)

(式中、Xはナフトリレン基を表わし、Xはフェニレン基またはナフトリレン基を表わし、Xはフェニレン基、ナフトリレン基または下記式(III-1)で示される基を表わし、Xはフェニレン基を表わす。)

Figure 2004235147
(III-1)
(式中、Yは、直接結合、−S−、−CO−、−OCHCHO−、または−O−を表わす。)
本発明によれば、誘電損失が少ない誘電体膜を与える誘電体ぺーストを提供することが可能となる。
本発明の誘電体ペーストは、芳香族液晶ポリエステルと、溶媒と、誘電体粉末とを含有してなる。
誘電体粉末の含有量は、芳香族液晶ポリエステルと溶媒との合計量を100重量部としたとき、0.2〜200重量部であることが必要であり、5〜100重量部であることが好ましく、5〜50重量部であることがより好ましい。
0.2重量部未満では、誘電体粉末の添加効果が少なく、200重量部を超えると誘電体膜中の芳香族液晶ポリエステルのバインダーとしての効果が低下し、膜強度が低くなる。
誘電体粉末の粒径は0.1〜20μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることが好ましい。
誘電体粉末は、特に限定されないが、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムの固溶体、チタン酸鉛などのチタン酸類、チタン酸ジルコン酸鉛、窒化タンタル、タンタル酸リチウム、ニオブ酸ストロンチウム・バリウム、ゲルマニウム酸鉛、三流化グリシン、ゲルマニウム酸鉛・バリウム酸化タンタル、窒化酸化タンタル、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素などの比誘電率が5以上の粉末が挙げられる。
これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムの固溶体及び酸化タンタルからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉末であることが好ましい。
芳香族液晶ポリエステルの含有量は、芳香族液晶ポリエステルと溶媒との合計量に対して、0.5〜50重量%であることが必要であり、3〜20重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることがより好ましい。
0.5重量%未満では、所定の誘電体の膜厚を得ることが困難となり、繰り返し塗布することが必要になるため生産性が低下する。また、50重量%を超えると、芳香族液晶ポリエステルを溶解させることが困難となり、誘電体粉末を含有せしめた際に粘度が高くなるため、塗工が容易でなくなる。
芳香族液晶ポリエステルは、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)で示される構成単位を含有してなる。

Figure 2004235147
(I)

Figure 2004235147
(II)

Figure 2004235147
(III)

Figure 2004235147
(IV)
式中、Xはナフトリレン基を表わし、下記の基であることが好ましい。

Figure 2004235147

はフェニレン基またはナフトリレン基を表わし、フェニレン基であることが好ましく、後述のハロゲン置換フェノール化合物を含む溶媒への溶解性の観点から下記の基であることがより好ましい。

Figure 2004235147
はフェニレン基、ナフトリレン基または下記式(III-1)で示される基を表わす。

Figure 2004235147
(III-1)
式中、Yは、直接結合、−S−、−CO−、−OCHCHO−、または−O−を表わす。
は下記の基であることが好ましい。

Figure 2004235147

はフェニレン基を表わす。
芳香族液晶ポリエステルは、全構成単位に対して、構成単位(I)が40〜75モル%、構成単位(II)が12.5〜30モル%、構成単位(III)が12.5〜30モル%、構成単位(IV)が0〜5モル%であることが必要であり、全構成単位に対して、構成単位(I)が40〜65モル%、構成単位(II)が17.5〜30モル%、構成単位(III)が17.5〜30モル%、構成単位(IV)が0〜5モル%であることが好ましく、全構成単位に対して、構成単位(I)が45〜55モル%、構成単位(II)が22.5〜27.5モル%、構成単位(III)が22.5〜27.5モル%で、構成単位(IV)が0〜5モル%であることがより好ましい。
構成単位(I)が40モル%未満では、耐熱性・機械物性のバランスが悪くなり、構成単位(I)が75モル%を超えると、溶解性・耐熱性が悪くなるので好ましくない。
芳香族液晶ポリエステルの製造方法としては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法などが挙げられる。これらの重合法により製造された芳香族液晶ポリエステルは、更に減圧または不活性ガス中で加熱する固相重合により、分子量の増加を図ることができる。
溶液重合またはスラリー重合を行なう場合には、溶媒の使用が可能であり、溶媒としては、例えば、流動パラフィン、高耐熱性合成油、不活性鉱物油等が挙げられる。
溶融重合を行なう場合には、反応系内が所定温度に達した後、減圧を開始して所定の減圧度にして行なう。溶融重合を行い、攪拌機のトルクが所定値に達した後、不活性ガスを導入し、減圧状態から常圧を経て、所定の加圧状態にして反応系から芳香族液晶ポリエステルを排出する。
上記の方法は、例えば、特公昭47−47870号公報、特公昭63−3888号公報などに記載されており、適宜条件を変更して芳香族液晶ポリエステルを製造することができる。
本発明に用いる溶媒としては、芳香族液晶ポリエステルを溶解できるものであれば特に限定されないが、下記一般式(V)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒が、常温または加熱下に芳香族液晶ポリエステルを溶解できるため好ましく使用される。
また、芳香族液晶ポリエステルを比較的低温で溶解できることから、ハロゲン置換フェノール化合物(V)を60重量%以上含有する溶媒がより好ましく、他成分と混合する必要がないため、ハロゲン置換フェノール化合物(V)が実質的に100重量%の溶媒がさらに好ましく使用される。

Figure 2004235147

(V)
式中、Aはハロゲン原子を表わすか、トリハロゲン化メチル基を表わし、iは1〜5の整数を表わす。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
また、該溶媒は、芳香族液晶ポリエステルを比較的低温で溶解できることから、下記一般式(VI)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含む溶媒であることが好ましく、ハロゲン置換フェノール化合物(VI)を60重量%以上含む溶媒がより好ましく、ハロゲン置換フェノール化合物(VI)が実質的に100重量%の溶媒が、他成分と混合する必要がないためさらに好ましい。
Figure 2004235147
(VI)
式中、A’は、水素原子またはハロゲン原子を表わすか、トリハロゲン化メチル基を表わし、iは1〜5の整数を表わす。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
ハロゲン原子がフッ素原子である一般式(V)の例としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール等が挙げられる。
ハロゲン原子が塩素原子である一般式(V)の例としては、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールが挙げられ、溶解性の観点からp−クロロフェノールが好ましい。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられる。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンがフッ素原子である一般式(V)の例としては、3,5−ビストリフルオロメチルフェノールが挙げられる。
該溶媒としては、価格と入手性の観点から、o―クロロフェノール、p―クロロフェノールなどの塩素置換フェノール化合物を30重量%以上含む溶媒が好ましく使用され、溶解性の観点から、p―クロロフェノールを30重量%以上含む溶媒がより好ましく使用される。
p−クロロフェノールは、さらに置換基を有していてもよく、上記一般式(VI)で示されるフェノール化合物が、価格と入手性の観点から好ましい。
ハロゲン置換フェノール化合物としては、例えば、テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、3,5−ビストリフルオロメチルフェノール、p−フルオロフェノール、p―クロロフェノール、o―クロロフェノールなどが挙げられ、価格と入手性の観点から、o―クロロフェノール、p―クロロフェノールなどの塩素置換フェノール化合物が好ましく、溶解性の観点から、p―クロロフェノールがさらに好ましい。
本発明で使用される溶剤中には、溶液の保存時または後述の塗布時に芳香族液晶ポリエステルを析出させるものでなければ、ハロゲン置換フェノール化合物以外に他の成分を含有されていてもよい。
含有されていてもよい他の成分は、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等の塩素系化合物などが挙げられる。
芳香族液晶ポリエステルは、ハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含む溶剤100重量部に対して、作業性あるいは経済性の観点から、0.5〜50重量部であることが好ましく、3〜10重量部であることがより好ましい。0.5重量部未満では、生産効率が低下する傾向があり、50重量部を超えると溶解が困難になる傾向がある。
本発明の誘電体ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラー、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を一種または二種以上を添加してもよい。
本発明の誘電体ぺーストは、誘電体粉末が高い固形分比率、例えば、ペースト全体に対して、20重量%以上で含有されていても低粘度で塗工することが可能である。
本発明の誘電体ペーストの調製方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族液晶ポリエステルを溶媒に溶解して芳香族ポリエステル溶液を得、該溶液に誘電体粉末を添加するなどの方法が挙げられる。
誘電体膜は、本発明の誘電体ペーストを基板に塗布して得られる。
具体的には、本発明の誘電体ペーストを、必要に応じて、フィルターなどによってろ過するなどして誘電体ペースト中に含まれる微細な異物を除去した後、基板に塗布し、溶媒を除去することにより誘電体膜を得ることができる。
使用する誘電体ペーストの粘度は、塗布方法により適正な粘度は異なるが、0.1ポイズ〜200ポイズであることが好ましく、0.5ポイズ〜30ポイズであることがより好ましい。
塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、バーコート法、スプレーコート法などの公知の方法を採用することができる。
溶媒除去の方法は、特に限定されないが、溶媒の蒸発により行なうことが好ましい。
溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられるが、中でも生産効率、取り扱い性の点から加熱により蒸発させることが好ましく、通風しつつ加熱して蒸発させることがより好ましい。
加熱温度は、通常、100〜150℃程度である。
得られる誘電体膜は、必要に応じて、さらに熱処理を行ってもよい。
熱処理の温度は、通常、200〜400℃程度である。
誘電体膜の厚みは、用途により異なるが、0.5μm〜500μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。
なお、用いられる基板は、特に限定されないが、例えば、プリント基板に用いるガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させてなる基板、BT基板(三菱瓦斯化学社製)などが具体的に挙げられる。
また、誘電体膜は、テフロン(R)、金属、ガラス等からなる表面平坦かつ均一な支持体上に本発明の誘電体ペーストを塗布し、溶媒を除去し、該支持体上から剥離することによっても得ることができる。
本発明の誘電体ペーストは、誘電体粉末が高い固形分比率で含有されていても誘電損失が低く、低粘度で、塗工が容易であるので、該誘電体ペーストを用いて、生産性よく、誘電体膜を得ることができる。
得られる誘電体膜は、表面が平滑で、膜厚が均一であり、比誘電率が高く、誘電損失が小さいことから、受動素子・能動素子内臓基板などの用途に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが,本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
製造例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸188.2g(1.00モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 93.1g(0.50モル)、イソフタル酸 83.1g(0.50モル)及び無水酢酸 224.6g(2.2モル)、を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。その後、留出する副生酢酸、及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固相で重合反応を進めた。
製造例2
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸188.2g(1.00モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 93.1g(0.50モル)、イソフタル酸 83.1g(0.50モル)及び無水酢酸 224.6g(2.2モル)、を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。その後、留出する副生酢酸、及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下270℃で3時間保持し、固相で重合反応を進めた。
実施例1
製造例1により得た芳香族液晶ポリエステル5gを、p−クロロフェノール95gに120℃で攪拌しながら溶解し、得られた溶液をTV−20型粘度計を用いて粘度を測定した(4.11ポイズ、27℃)。その後芳香族液晶ポリエステル溶液にチタン酸バリウム(共立マテリアル製BT−HP8YF、平均粒径7μm)40gを加え、混練、分散して誘電体ペーストを作成した。誘電体ペーストの粘度をTV−20型粘度計を用いて測定した結果、94.2ポイズ(27℃)であった。この誘電体ペーストをバーコーターでガラス基板上に200μmの厚みで塗布し、80℃で1時間、120℃で1時間、160℃で1時間、180℃で1時間、熱風オーブンにて乾燥した。その結果、得られた誘電体膜は、平滑な表面を有し、17μmの均一な膜厚の誘電体膜を得ることができた。得られた誘電体膜の比誘電率、誘電損失をHP製インピーダンス・マテリアルアナライザーを用いて測定した結果、1GHzの比誘電率は48であり、誘電損失は0.022であった。
実施例2
製造例2により得た芳香族液晶ポリエステル3gを、p−クロロフェノール97gに120℃で攪拌しながら溶解し、得られた溶液をTV−20型粘度計を用いて粘度を測定した(127.7ポイズ、27℃)。その後芳香族液晶ポリエステル溶液にチタン酸バリウム(共立マテリアル製BT−HP8YF、平均粒径7μm)40gを加え、混練、分散して誘電体ペーストを作成した。誘電体ペーストの粘度をTV−20型粘度計を用いて測定した結果、148.1ポイズ(27℃)であった。この誘電体ペーストをバーコーターでガラス基板上に320μmの厚みで塗布し、80℃で1時間、120℃で1時間、160℃で1時間、180℃で1時間、熱風オーブンにて乾燥した。その結果、得られた誘電体膜は、平滑な表面を有し、26μmの均一な膜厚の誘電体膜を得ることができた。得られた誘電体膜の比誘電率、誘電損失をHP製インピーダンス・マテリアルアナライザーを用いて測定した結果、1GHzの比誘電率は47であり、誘電損失は0.024であった。
以上の実施例では、誘電体粉末としてチタン酸バリウムを用いたが、この他にチタン酸ストロンチウム、酸化タンタルを用いても、同様の効果を得ることができる。

Claims (7)

  1. 芳香族液晶ポリエステルと、溶媒と、誘電体粉末とを含有してなり、芳香族液晶ポリエステルと溶媒との合計量に対する芳香族液晶ポリエステルの量が0.5〜50重量%であり、かつ芳香族液晶ポリエステルと溶媒との合計量を100重量部としたとき、誘電体粉末量が0.2〜200重量部であり、芳香族液晶ポリエステルが下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)で示される構成単位を含有してなり、全構成単位に対して、構成単位(I)が40〜75モル%、構成単位(II)が12.5〜30モル%、構成単位(III)が12.5〜30モル%、構成単位(IV)が0〜5モル%であることを特徴とする誘電体ペースト。

    Figure 2004235147
    (I)

    Figure 2004235147
    (II)

    Figure 2004235147
    (III)

    Figure 2004235147
    (IV)

    (式中、Xはナフトリレン基を表わし、Xはフェニレン基またはナフトリレン基を表わし、Xはフェニレン基、ナフトリレン基または下記式(III-1)で示される基を表わし、Xはフェニレン基を表わす。)

    Figure 2004235147
    (III-1)
    (式中、Yは、直接結合、−S−、−CO−、−OCHCHO−、または−O−を表わす。)
  2. 溶媒が、実質的に下記一般式(V)で示されるハロゲン置換フェノール化合物からなる請求項1記載の誘電体ペースト。

    Figure 2004235147
    (V)
    (式中、Aはハロゲン原子を表わすか、トリハロゲン化メチル基を表わし、iは1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合、複数あるAは同一でも異なっていてもよい。)
  3. 溶媒が、実質的に下記一般式(VI)で示されるハロゲン置換フェノール化合物からなる請求項1または2記載の誘電体ペースト。

    Figure 2004235147
    (VI)
    (式中、A’はハロゲン原子を表わすか、トリハロゲン化メチル基を表わし、iは0〜4の整数を表わし、iが2以上の場合、複数あるAは同一でも異なっていてもよい。)
  4. 芳香族液晶ポリエステルを溶媒に溶解して芳香族ポリエステル溶液を得、該溶液に誘電体粉末を添加して得られる請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体ペースト。
  5. 誘電体粉末が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムの固溶体、および酸化タンタルからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉末である請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体ペースト。
  6. 芳香族液晶ポリエステルと溶媒の合計量を100重量部とした時、誘電体粉末量が5〜100重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体ペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体ペーストを基板に塗布して得られることを特徴とする誘電体膜。
JP2004001802A 2003-01-08 2004-01-07 誘電体ペースト及び誘電体膜 Pending JP2004235147A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004001802A JP2004235147A (ja) 2003-01-08 2004-01-07 誘電体ペースト及び誘電体膜

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003001912 2003-01-08
JP2004001802A JP2004235147A (ja) 2003-01-08 2004-01-07 誘電体ペースト及び誘電体膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004235147A true JP2004235147A (ja) 2004-08-19

Family

ID=32964603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004001802A Pending JP2004235147A (ja) 2003-01-08 2004-01-07 誘電体ペースト及び誘電体膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004235147A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008285633A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Nitto Denko Corp 複合誘電体とその利用
JP2011021178A (ja) * 2009-06-15 2011-02-03 Ueno Fine Chem Ind Ltd 液晶ポリエステルブレンド組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008285633A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Nitto Denko Corp 複合誘電体とその利用
JP2011021178A (ja) * 2009-06-15 2011-02-03 Ueno Fine Chem Ind Ltd 液晶ポリエステルブレンド組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6838546B2 (en) Aromatic liquid-crystalline polyester solution composition
US20060160987A1 (en) Liquid crystalline polyester and film using the same
WO2020166651A1 (ja) 液晶ポリエステル粉末、液晶ポリエステル組成物、フィルムの製造方法、及び積層体の製造方法
CN113396180B (zh) 液晶聚酯粉末、液晶聚酯组合物、膜的制造方法和层叠体的制造方法
JP2010528149A (ja) 芳香族液晶ポリエステルアミド共重合体、この芳香族液晶ポリエステルアミド共重合体を使用したプリプレグ、及びこのプリプレグを使用した積層板並びに配線板
KR20040054507A (ko) 방향족 액정 폴리에스테르 및 그 필름
JP2006096955A (ja) 芳香族液晶ポリエステルフィルム
JP6619487B1 (ja) 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法
TWI811422B (zh) 積層體用液晶聚酯樹脂、液晶聚酯樹脂組成物、積層體、液晶聚酯樹脂薄膜、以及積層體及液晶聚酯樹脂薄膜之製造方法
JP5899887B2 (ja) 液晶ポリエステルフィルムの製造方法
US11879041B2 (en) Film and laminate
JP2005078806A (ja) 高誘電樹脂組成物
JP2002114894A (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物およびフィルムの製造方法
TWI386431B (zh) 浸漬樹脂的基板及其製造方法
JP2004285301A (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物
JP2004235147A (ja) 誘電体ペースト及び誘電体膜
CN113710484B (zh) 膜和层叠体
JP2014508206A (ja) 全芳香族ポリエステルアミド共重合体樹脂、該樹脂を含むフィルム、該フィルムを含む軟性金属張積層板、及び該軟性金属張積層板を具備する軟性印刷回路基板
JP2012514066A (ja) 芳香族ポリエステルアミド共重合体、高分子フィルム、プリプレグ、プリプレグ積層体、金属箔積層板及びプリント配線板
JP4543518B2 (ja) 誘電体ペースト及び誘電体膜
JP2004244621A (ja) 繊維強化基板
CN116096573A (zh) 液状组合物、液状组合物的制造方法、液晶聚酯膜的制造方法及层叠体的制造方法
JP2004250687A (ja) 高誘電樹脂組成物、高誘電樹脂フィルムおよびコンデンサー
JP2004277731A (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物
WO2023022083A1 (ja) 液晶ポリエステル粉末及びその製造方法、液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステルフィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061108

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080130

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Effective date: 20080513

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20091027

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100309

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02