JP2004234948A - リチウム二次電池用電解液及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用電解液及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム二次電池の安全性を向上させることができるような電解液を提供する。
【解決手段】リチウム二次電池用の電解液において、分子内に環構造を2個以上有する化合物Aと前記環構造と同一の環構造を有しかつその数が化合物Aの有する数以下である化合物Bとを含有させ、該電解液における、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)を0.7以上とする。このような電解液を用いることにより、リチウム二次電池の高温保存や過充電時の安全性を飛躍的に改善することができるようになる。
【選択図】 無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池に用いる電解液及び前記電解液を用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
正極、負極、及び電解液を含有する電解質を有するリチウム二次電池は、過充電時や高温保存に対する安全性を確保する必要がある。従来、リチウム二次電池の安全性は、過充電時の過電流を機械的に遮断する電流遮断装置や、高温時に電池を開放状態にするための温度ヒューズ等の保護回路をリチウム二次電池に取り付けることによって確保されてきた。
【0003】
ところが、このような電流遮断装置や保護回路は、リチウム二次電池のコスト増となるだけでなく、リチウム二次電池の小型化をも阻害するため、電解質中の電解液に添加剤を溶解させて、高温保存時や過充電時の安全性を確保しようとする研究・開発も盛んに行われている。例えば、過充電時のリチウム二次電池の安全を確保するために、電解液に少量のビフェニル等を溶解させることが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−106835号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら電池の安全を確保するための添加剤は、分子内に炭化水素環又は複素環(ビフェニル等の芳香族添加剤の場合は、炭化水素環の一種であるベンゼン環構造を分子内に有する。)を有するものが多いが、過充電時の安全性をより高くするためには、その含有量をある程度以上とする必要がある。
【0006】
しかし、分子内に炭化水素環又は複素環を有する添加剤は、高い極性を有する電解液への溶解性が一般的に低い。従って、過充電時の安全性をより高めようとしても、電解液中における上記添加剤の含有量が制限されるという課題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明者は、分子内に炭化水素環又は複素環(本明細書においては、炭化水素環と複素環とをまとめて環構造という場合がある。)を有する添加剤の電解液に対する溶解性を向上させて、電流遮断装置や温度ヒューズ等の保護回路を取り外した場合においてもリチウム二次電池の過充電時や高温保存時の安全性を十分に確保するべく鋭意検討を行った。その結果、上記環構造を有する添加剤に類似する構造を有する所定の化合物を併存させることにより上記環構造を有する添加剤の溶解性を向上させることができることを見出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明の第1の要旨は、リチウム二次電池用の電解液であって、該電解液が、分子内に炭化水素環又は複素環の少なくとも一方の環構造を2個以上有する化合物Aと、前記環構造の数が化合物Aの有する数以下である化合物Bとを含有し、該電解液における、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)が0.7以上であることを特徴とする電解液に存する。
【0009】
また、本発明の第2の要旨は、正極、負極及び電解質を有するリチウム二次電池であって、上記電解液を電解質に含有することを特徴とするリチウム二次電池に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
(A)リチウム二次電池用の電解液
本発明のリチウム二次電池用の電解液は、分子内に炭化水素環又は複素環の少なくとも一方の環構造を2個以上有する化合物Aと、前記環構造の数が化合物Aの有する数以下である化合物Bとを含有し、該電解液における、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)が0.7以上であることを特徴とする。
【0011】
まず、本発明においては、同一の炭化水素環又は複素環を分子内に有する化合物Aと化合物Bとを用いる。そして、化合物Aにおける上記環構造の数を2以上とし、化合物Bにおける上記環構造の数は、化合物Aにおける上記環構造の数以下とする。例えば、化合物Aが分子中に炭化水素環を3つ有する場合、化合物Bは、同一の炭化水素環を1〜3個有することになる。このように、化合物Aに対して類似構造を有する化合物Bを用いることにより、電解液中での化合物Aの溶解度を上昇させることができるようになる。
【0012】
次に、本発明においては、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)を0.7以上とする。つまり、化合物Bを化合物Aに対して所定量以上含有させることにより、化合物Aの電解液中での溶解度を上昇させることができるようになる。
尚、本発明における炭化水素環とは、炭素原子が環状に結合した構造をいい、脂環式炭化水素環及び芳香族炭化水素環に分類される。また、本発明における複素環とは、環を構成する元素が炭素原子だけではなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ヒ素等のヘテロ原子を含む環状構造をいう。
【0013】
また、本発明においては、化合物A及び化合物Bが有する炭化水素環又は複素環の数の関係が重要である。本発明においては、炭化水素環又は複素環の数え方は以下の方法で行う。
すなわち、炭化水素環においては、炭素原子が環状に結合した単一の環構造を1つの炭化水素環と数える。例えば、ナフタレンやビフェニルは、炭化水素環のうち芳香族炭化水素環であるベンゼン環を2つ有すると考える。同様の考え方から、テトラリンやシクロヘキシルベンゼンは、炭化水素環のうち芳香族炭化水素環であるベンゼン環を1つ、炭化水素環のうち脂環式炭化水素環であるシクロヘキサン環を1つ有すると考える。
【0014】
一方、複素環についても、ヘテロ原子と炭素原子からなる単一の環構造を1つの複素環と考える。例えば、プリンは、ピリミジン環及びピロール環を1つずつ有すると考える。
複素環と炭化水素環とが縮合して構成される環構造についても、同様の考え方で炭化水素環又は複素環の数を数える。例えば、インドールは、炭化水素環の一種であるベンゼン環を1つ、複素環の一種であるピロール環を1つ有すると考える。同様にキノリンは、ベンゼン環及びピリジン環を1つずつ有すると考える。
【0015】
以下、本発明について、[1]化合物Aと化合物Bとを併用する意義、[2]化合物Aと化合物Bとに共通する炭化水素環又は複素環[3]化合物A、[4]化合物B、[5]化合物Aと化合物Bとの組み合わせの具体例、[6]化合物Aと化合物Bとの量比、[7]化合物Aと化合物Bとの性状、の順番で詳細に説明する。
[1]化合物Aと化合物Bとを使用する意義
上述の通り、本発明においては、同一の炭化水素環又は複素環を有する化合物Aと化合物Bとを併用する。つまり、化合物Aと化合物Bとは同一の環構造を相互に有することとなる。本発明において、このように類似構造を有する化合物Aと化合物Bとを併用する理由を以下に説明する。
【0016】
化合物Aとしては、リチウム二次電池の過充電に対する安全性等を向上させる添加剤として知られている芳香族環等を有する化合物(例えばビフェニル)を用いるのが一般的である。このような化合物Aは、非極性であるのが一般的である。
一方、プロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトン等に代表される電解液の溶媒は、極性が高いのが一般的である。従って、非極性である化合物Aと電解液の溶媒との親和性が低くなり、化合物Aの電解液中での溶解度を高くすることができない。このため、本発明においては、非極性の化合物A及び極性の高い電解液の溶媒の双方に対して親和性を有する副物質(化合物B)を電解液中に含有させることにより、化合物Aをより多く電解液中に溶解できるようになる。
[2]化合物Aと化合物Bとに共通する炭化水素環又は複素環
化合物Aと化合物Bとに共通する炭化水素環又は複素環について説明する。
【0017】
炭化水素環とは、炭素原子が環状に結合した構造いう。炭化水素環は、脂環式炭化水素環及び芳香族炭化水素環に分類される。
炭化水素環のうち脂環式炭化水素環としては、通常、炭素数が3以上20以下で構成されるものを挙げることができる。工業的に得やすい点から、炭素数が3以上10以下の脂環式炭化水素環を用いることが好ましく、炭素数が5又は6の脂環式炭化水素環を用いることが特に好ましい。
【0018】
炭素数が5又は6の脂環式炭化水素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン等を挙げることができる。これら脂環式炭化水素環のうちで、工業的に得やすい観点から好ましいのはシクロヘキサンである。
炭化水素環のうち、芳香族炭化水素環としては、炭素数が6のベンゼンを挙げることができる。
【0019】
一方、複素環とは、環を構成する元素が炭素原子だけではなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ヒ素等のヘテロ原子を含む環状構造をいう。本発明においては、これらヘテロ原子のうち、リチウム二次電池の安全性を確保する観点から、酸素、硫黄、及び窒素の少なくとも1つを用いることが好ましい。特に好ましいのは、酸素又は硫黄を用いることである。さらに、複素環基に用いる複素環は、2種以上のヘテロ原子を含んでもよい。工業的に得やすい点から2種以上のヘテロ原子の組み合わせで好ましいのは、硫黄と窒素である。
【0020】
また、複素環中のヘテロ原子の数は、通常1以上5以下である。リチウム二次電池の安全性や、合成の容易性を考慮すると、ヘテロ原子数は、1以上3以下とすることが好ましく、1又は2とするのが特に好ましく、1とするのが最も好ましい。
複素環の大きさとしては、3原子環から大環状化合物に至る各種のものを用いることができるが、リチウム二次電池の安全性及び合成の容易性を考慮すると、3原子環から6原子環のものを用いるのが好ましく、5原子環又は6原子環のいずれかを用いるのが特に好ましい。
【0021】
複素環の具体例としては、例えば、酸素を含む複素環、硫黄を含む複素環、窒素を含む複素環、硫黄及び窒素を含む複素環を挙げることができる。
酸素を含む複素環としては、例えば、エチレンオキシド、ジオキサン、フラン、γ−ピランを挙げることができるが、リチウム二次電池の安全性を確保する点から、フランを用いるのが好ましい。
【0022】
硫黄を含む複素環としては、例えば、チオフェン、γ−チオピランを挙げることができるが、リチウム二次電池に安全性を確保する点から、チオフェンを用いるのが好ましい。
窒素を含む複素環としては、例えば、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピリミジン、トリアジンを挙げることができるが、リチウム二次電池に安全性を確保する点から、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピリミジン、及びトリアジンのいずれかを用いるのが好ましい。
【0023】
硫黄及び窒素を含む複素環としては、例えばチアゾールを挙げることができる。
本発明において特に好ましい環構造は、シクロヘキサン、ベンゼン、又はフランを用いることであり、最も好ましい環構造は、ベンゼンである。過充電防止剤の多くは、ベンゼン環構造を分子内に有するので、化合物Aとして分子内に2つ以上のベンゼン環構造を有するものを用いることことが好ましいのである。そして、化合物Aにベンゼン環構造を用いることに伴い、化合物Bとしてもベンゼン環構造を分子内に有する化合物を用いることにより、本発明の効果が顕著に発揮されるようになる。
【0024】
化合物A、化合物Bの分子内に含まれるベンゼン環構造の状態としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、1−ナフチル基(この場合はベンゼン環構造が2つ存在すると考える。)、2−ナフチル基(この場合はベンゼン環構造が2つ存在すると考える。)、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基を挙げることができる。これらベンゼン環構造のうち、リチウム二次電池の安全性を確保する観点から、フェニル基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、1−ナフチル基、及び2−ナフチル基を用いることが好ましい。
[3]化合物A
次に化合物Aについて説明する。上記[2]で説明した通り、化合物A及び化合物Bが分子内に有する共通の炭化水素環又は複素環は、リチウム二次電池の安全性を向上させる目的のもと種々のものを用いることができるが、ベンゼンを用いるのが最も好ましい。このため、以下化合物Aの一例として、最も好ましい態様であるベンゼン環構造を用いる場合について説明する。
【0025】
環構造としてベンゼンを用いる場合、化合物Aは、ベンゼン環構造を2以上有することとなる。このような構造を有する化合物Aとしては、例えば、2以上のベンゼン環構造が2個又はそれ以上の原子を共有して縮合している場合(例えばナフタレンのような構造を有する場合)、2以上のベンゼン環構造がそれぞれ1個ずつの原子を共有して結合している場合(例えばビフェニルのような構造を有する場合)、及び2以上のベンゼン環構造が他の原子又は他の環構造を介して結合している場合を挙げることができる。
【0026】
まず、化合物Aとして、2以上のベンゼン環構造が2個又はそれ以上の原子を共有して縮合している構造を有する化合物(以下、単に縮合多環炭化水素という場合がある。)を用いる場合について説明する。
縮合多環式炭化水素としては、例えば、ナフタレン(分子内にベンゼン環構造を2つ有する。)、アントラセン(分子内にベンゼン環構造を3つ有する。)、フェナントレン(分子内にベンゼン環構造を3つ有する。)、ピレン(分子内にベンゼン環構造を4つ有する。)、ペリレン(分子内にベンゼン環構造を5つ有する。)及びフラーレン類(例えば、C60の場合で分子内にベンゼン環構造を20個有し、C70の場合で分子内にベンゼン環構造を25個有する。)を挙げることができる。化合物Aとして縮合多環炭化水素を用いる場合、好ましいのはフラーレン類を用いることである。フラーレン類はラジカル捕捉機能を有するため、フラーレン類を用いることにより、リチウム二次電池の過充電時や高温保存における安全性を向上させることができると考えられるからである。
【0027】
フラーレン類としては、フラーレン、フラーレン誘導体、フラーレン及びフラーレン誘導体の混合物を挙げることができる。
フラーレンとは球殻状の炭素分子であり、本発明の目的を満たす限り限定されないが、C60、C70、C74、C76、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C92、C94、C96、C98、C100等又はこれら化合物の2量体、3量体等を挙げることができる。これらフラーレンの中でも好ましいのは、C60、C70、又はこれらの2量体、3量体である。C60、C70は工業的に得やすく、溶媒への溶解性も高いため特に好ましい。これらフラーレンは、複数を併用してもよいが、複数を併用する場合、溶解性が高くなる観点から好ましいのはC60及びC70を用いることである。
【0028】
また、フラーレン誘導体とは、フラーレンを構成する少なくとも1つの炭素に有機化合物の一部分を形成する原子団や無機元素からなる原子団が結合した化合物をいう。フラーレン誘導体を得るために用いるフラーレンとしては、本発明の目的を満たす限り限定されず、上記具体的に示したフラーレンのいずれを用いてもよい。フラーレン誘導体としては、例えば、水素化フラーレン、酸化フラーレン、水酸化フラーレン、ハロゲン(F、Cl、Br、I)化フラーレン等を用いることができる。これらフラーレン誘導体も複数種類を併用しても構わない。
【0029】
フラーレンは、例えば、抵抗加熱法、レーザー加熱法、アーク放電法、燃焼法などにより得られたフラーレン含有スートから抽出分離することによって得られる。この際、必ずしも完全に分離する必要はなく、性能を損なわない範囲でフラーレンの含有率を調整することができる。また、フラーレン誘導体は、フラーレンに対して従来公知の方法を用いて合成することができる。例えば、求核剤との反応(求核付加反応)、環化付加反応、光付加(環化)反応、酸化反応等を利用して、所望のフラーレン誘導体を得ることができる。
【0030】
このようにして得られたフラーレン類は、常温(25℃)、常湿(50%RH)では、通常粉末状の性状を有し、その二次粒径は、通常10nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、通常1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下である。
一方、化合物Aとして、2以上のベンゼン環構造がそれぞれ1個ずつの原子を共有して結合している化合物を用いることもできる。
【0031】
このような化合物Aとしては、例えば、ビフェニル(分子内にベンゼン環を2つ有する。)やテルフェニル(分子内にベンゼン環を3つ有する。)を挙げることができる。ビフェニル及びテルフェニルは、リチウム二次電池の安全性を向上させる添加剤として良好に用いられる。
さらに、化合物Aとして、2以上のベンゼン環構造が他の原子又は他の環構造を介して縮合している化合物を用いることもできる。
【0032】
2以上のベンゼン環構造が他の原子を介して結合している化合物Aとしては、例えば、周期表第6A族元素を介して2つのベンゼン環構造が結合する化合物や、2つのベンゼン環構造が複素環を介して縮合する化合物を挙げることができる。
周期表第6A族元素を介して2つのベンゼン環構造が結合する化合物としては、例えば、フェニルエーテル(酸素原子を介して2つのベンゼン環構造が結合している。)、ジフェニルスルフィド(硫黄原子を介して2つのベンゼン環構造が結合している。)を挙げることができる。フェニルエーテル及びジフェニルスルフィドは、リチウム二次電池の安全性を向上させる添加剤として良好に用いられる。
【0033】
2つのベンゼン環構造が複素環を介して縮合する化合物としては、例えば、ジベンゾフラン(フラン環を介して二つのベンゼン環構造が縮合している。)、キサンテン(ピラン環を介して二つのベンゼン環構造が縮合している。)、カルバゾール(ピロール環を介して二つのベンゼン環構造が縮合している。)、アクリジン(ピリジン環を介して二つのベンゼン環構造が縮合している。)を挙げることができる。これら化合物のうち、好ましいのはジベンゾフランである。ジベンゾフランは、リチウム二次電池の安全性を向上させる添加剤として良好に用いられる。
【0034】
上記のように、化合物Aとして様々な化合物を用いることができる。当然、化合物Aは、複数種類を併用しても構わない。
化合物Aは、分子内に環構造を2個以上有するが、3個以上有することが好ましく、4個以上有することがより好ましい。このように、化合物Aにおける分子内の環構造の数が多ければ多いほど、リチウム二次電池の過充電時の安全性を確保しやすくなるので好ましい。
【0035】
すなわち、リチウム二次電池が過充電状態となった場合、化合物Aが酸化されて副次反応を起こし互いに結合する結果、電極表面に皮膜が形成され、この皮膜が充電電流を遮断することによって、リチウム二次電池の過充電時の安全性が確保されると推定されるが、ベンゼン環構造等の共役系を有する環構造は酸化を受けやすく、上記過充電状態における副次反応の進行を容易ならしめるため、化合物Aが有する環構造の数は多ければ多いほど好ましいのである。
【0036】
一方、化合物A中の環構造の数は多い程好ましいものの、環構造の数は通常40個以下、好ましくは30個以下、より好ましくは25個以下、最も好ましくは20個以下とする。
また、リチウム二次電池の過充電時の安全性を良好に確保するために、過充電時の化合物Aの副次反応により皮膜形成を容易ならしめる手段として、化合物Aの分子内に存在する2個以上の環構造が同一平面に存在するか、存在しうる構造であることも好ましい。2個以上の環構造が同一平面上に存在するようにすれば、化合物Aは活物質表面を被覆し吸着した状態で酸化されることが可能とあり、同一分子内や隣接分子間における結合の形成がより効率的になされ、容易に皮膜が形成されるようになる。
【0037】
化合物Aの分子内に存在する2個以上の環構造が同一平面に存在するものとしては、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ジベンゾフラン等の化合物を挙げることができる。また、化合物Aの分子内に存在する2個以上の環構造が同一平面に存在しうるものとしては、分子中のベンゼン環構造が自由に回転する構造を有する、ビフェニル、テルフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等の化合物を挙げることができる。
[4]化合物B
化合物Bは、化合物Aと同様の炭化水素環又は複素環を有し、その数が化合物Aの有する数以下であるようにすればよい。化合物Bは化合物Aと親和性を有する化合物である必要があり、化合物Aにどのようなものを用いるかによって決まってくる。尚、化合物Bとして、単一の化合物を用いてもよいが、化合物Aとの関係で上記条件を満たす限り、複数の化合物を併用してもよいことはいうまでもない。
【0038】
以下に化合物Aと化合物Bとの好ましい組み合わせの具体例について説明する。
[5]化合物Aと化合物Bとの組み合わせの具体例
[5−1]化合物A
分子内に環構造を2個以上有する化合物Aとしては好ましいのは、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0039】
【化4】
a1−(X1)−a2 ・・・(1)
(nは0又は1であり、
n=0のときは、a1及びa2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基である。
【0040】
n=1のときは、X1は、周期表第6族元素、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、及び置換されていてもよい脂鎖式炭化水素基のいずれかであり、a1及びa2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基であり、a1とa2とは互いに結合して環を構成してもよい。)
n=0のときは、化合物A中の環構造を確実に2以上とするために、a1及びa2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基とする。また、n=1のときも、a1及びa2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基とする。
【0041】
a1及びa2として用いる芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数が6以上20以下の芳香族炭化水素基を挙げることができる。a1及びa2に用いる芳香族炭化水素基を構成する炭素の数は、通常6以上であり、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは10以下である。上記炭素数の芳香族炭化水素基を用いることにより、化合物Aの融点を良好に制御することができるようになる。
炭素数が6以上20以下の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、9−フルオレニル基、1−インデニル基、2−インデニル基、3−インデニル基、4−インデニル基、5−インデニル基、6−インデニル基、7−インデニル基等を挙げることができる。
【0042】
工業的に合成し易い点から好ましいのは、炭素数6以上10以下の芳香族炭化水素基である。このようなものとしては、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ベンジル基を挙げることができる。
当然、芳香族炭化水素基の水素原子の全部又は一部は、他の置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、ハロゲン原子等の置換基を挙げることができる。ここで、置換基として使用できる、鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はヘテロ環オキシ基における炭素原子数は、好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、最も好ましくは5以下である。さらに、上記の鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基及びヘテロ環オキシ基に結合している水素原子がさらにハロゲン原子等で置換されていてもよい。
【0043】
具体的な置換基としては、鎖状、分岐状又は環状のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等を挙げることができる。また、置換基として使用できる鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等を挙げることができる。さらに、置換基として使用できるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。さらに、置換基として使用できるヘテロ環基としては、ピリジル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンソフラニル基等を挙げることができる。さらにまた、置換基として使用できるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基等を挙げることができる。さらに、置換基として使用できるアリールオキシ基としては、フェノキシ基やナフチルオキシ基等を挙げることができる。さらにまた、置換基として使用できるヘテロ環オキシ基としては、ピリジルオキシ基、フリルオキシ基、チアゾリルオキシ基等を挙げることができる。さらに、置換基として使用できるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等を挙げることができる。
【0044】
一方、n=1のときは、X1は、周期表第6族元素、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、及び置換されていてもよい脂鎖式炭化水素基のいずれかである。
X1に用いる周期表第6族元素としては、酸素、硫黄、セレン、テルル、ポロニウムがある。高温保存や過充電時における安全性を向上させる点からは、上記元素のうちの酸素又は硫黄を用いることが好ましい。
【0045】
X1に用いる芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数が6以上20以下の芳香族炭化水素基を挙げることができる。X1に用いる芳香族炭化水素基を構成する炭素の数は、通常6以上であり、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下とする。上記炭素数の芳香族炭化水素基を用いることにより、リチウム二次電池の安全性を良好に確保できるようになる。
炭素数が6以上20以下の芳香族炭化水素基としては、例えば、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、トリフェニレン基等をあげることができる。
【0046】
上記芳香族炭化水素基の中でも、炭素数が6以上12以下の芳香族炭化水素基が好ましい。このような芳香族炭化水素基としては、m−フェニレン基、p−フェニレン基、又はビフェニレン基を用いるのが好ましい。
また、X1に用いる芳香族炭化水素基は、芳香族環に結合する水素の全部又は一部が他の基で置換されていてもよい。このような置換基としては、a1、a2で説明した置換基と同様のものを用いることができる。
【0047】
X1に用いる脂鎖式炭化水素基について説明する。化合物Bとの相溶性の観点から、X1の炭素数は通常1以上、好ましくは2以上、一方、通常4以下、好ましくは3以下とする。このような脂鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基等を挙げることができる。
上記脂鎖式炭化水素基の中でも、炭素数が2又は3の脂鎖式炭化水素基を用いるのがより好ましい。このような脂鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基を挙げることができるが、特に好ましいのはメチレン基又はエチレン基である。
【0048】
また、X1に用いる脂鎖式炭化水素基は、脂鎖式炭化水素に結合する水素の全部又は一部が他の基で置換されていてもよい。このような置換基としては、a1、a2で説明した置換基と同様のものを用いることができる。
尚、n=1の場合、a1及びa2は互いに結合して環を構成していてもよい。即ち、a1及びa2は互いにX1を介して結合するが、この結合とは別に、a1とa2とを直接又は単数又は複数の原子を介して結合させて、全体として、X1を含む環を構成することができる。
【0049】
一般式(1)で表される化合物Aの具体例としては、フェニルエーテル、ナフチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(p−トリル)エーテル、ビス(p−トリル)スルフィド、ビス(p−フルオロフェニル)エーテル、ビス(p−フルオロフェニル)スルフィド、ビス(p−クロロフェニル)エーテル、ジフェノキシベンゼン、ジベンゾフラン、1,4−ジベンゾジオキサン、キサンテン、ビフェニル、テルフェニル、ジフェニルメタン、ジベンジルなどが例示される。この中でも、リチウム二次電池の安全性を確保する観点から、フェニルエーテル、ジフェニルスルフィド、ジベンゾフラン、ビフェニル、テルフェニル、ジフェニルメタン、ジベンジルを用いることがより好ましく、過充電防止効果を有する点からジベンゾフラン、ビフェニル、テルフェニルを用いることが最も好ましい。無論、上記一般式(1)で表される化合物は、複数種を併用することができる。
[5−2]化合物B
化合物Aとして上記一般式(1)のものを用いる場合、化合物Aの有する環構造と同一の環構造を有しかつその数が化合物Aの有する数以下である化合物Bとしては、下記一般式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0050】
【化5】
Figure 2004234948
ここで、b1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基を表し、b2はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基を表し、b3は、水素原子又はハロゲン原子を表す。
【0051】
b1及びb2に用いるアルキル基としては、炭素数が、通常1以上、一方、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは5以下のものを挙げることができる。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0052】
過充電防止剤として用いられる点から好ましいのは、炭素数1以上5以下のアルキル基である。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
b1及びb2に用いるアルケニル基としては、炭素数が、通常1以上、一方、通常5以下、好ましくは3以下のものを挙げることができる。このようなアルケニル基としては、例えば、1−プロぺニル基、2−プロぺニル基、イソプロぺニル基、ブチニル基、ペンチニル基、(1−ブチニル)ペンチル基等を挙げることができる。
【0053】
アルケニル基の中でも、炭素数1以上3以下のアルケニル基を用いることが好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、2−プロぺニル基、イソプロペニル基を挙げることができる。
化合物Bの電解液中における安定性を考慮すると、アルケニル基として、特に好ましいのは、=CH部分を含まないものである。
【0054】
b1及びb2に用いるアルコキシ基としては、炭素数が、通常1以上、一方、通常6以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下のものを挙げることができる。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基を挙げることができる。
過充電防止剤として用いられる点から、炭素数1以上3以下のアルコキシ基をい用いることが好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等を挙げることができる。
【0055】
以上述べたアルキル基、アルケニル基、及びアルコキシ基は、さらに他の基で置換されていてもよい。
b3は、水素原子又はハロゲン原子を表す。用いるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等を挙げることができるが、好ましいのはフッ素又は臭素である。フッ素、臭素を用いることにより、化合物としての安定性を高くすることができる。
【0056】
また、上記一般式(2)において、b3が水素でb1が水素以外の基となる場合、及びb3が水素以外の基でb1が水素である場合には、化合物Bとしては、オルト体、メタ体、パラ体の異性体が存在することとなる。本発明においては、オルト体、メタ体、パラ体のいずれも使用することができる。但し、b1、b2の基を構成する炭素数を多くする観点からは、オルト体、メタ体を用いることが好ましい。オルト体及びメタ体は、パラ体と比較して融点が低くなる傾向にあるため、溶媒として用いるには好ましい。
【0057】
化合物Bとしては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、アニソール、フェネトール、プロピルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ジメトキシベンゼン、1ブロモ2,4ジメトキシベンゼン、メトキシエトキシベンゼン、ジエトキシベンゼン、メトキシトルエン、エトキシトルエンを挙げることができる。これら化合物のうち、化合物Aの溶解度を向上させる点から好ましいのは、アニソール、フェネトール、プロピルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ジメトキシベンゼン、1ブロモ2,4ジメトキシベンゼン、メトキシエトキシベンゼン、ジエトキシベンゼン、メトキシトルエン、エトキシトルエンである。無論、上記一般式(2)で表される化合物は、複数種を併用することができる。
【0058】
化合物Aとして上記一般式(1)の化合物を用いる場合、化合物Bとしては、下記一般式(3)に示す化合物を用いることもできる。もちろん、化合物Bとして、下記一般式(3)に示す化合物と上記一般式(2)に示す化合物とを併用してもよい。
【0059】
【化6】
c1−Y1−c2 ・・・(3)
(Y1は、周期表第6族元素又は置換されていてもよい脂鎖式炭化水素基を表し、c1及びc2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、互いに結合して環を構成してもよい。)
ここで、Y1は、周期表第6族元素を表す。周期表第6族元素としては、酸素、硫黄、セレン、テルル、ポロニウムがある。これら元素のうち、リチウム二次電池の安全性を改良する点及び化合物Aの溶解度を上昇させる点から、酸素又は硫黄を用いることが好ましい。
【0060】
また、Y1には、置換されていてもよい脂鎖式炭化水素基を用いることもできる。Y1に用いる脂鎖式炭化水素基としては、化合物Aを良好に溶解させるために、Y1の炭素数は、通常1以上、好ましくは2以上、一方、通常4以下、好ましくは3以下とするのが好ましい。このような脂鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基等を挙げることができる。
【0061】
上記脂鎖式炭化水素基の中でも、炭素数が2又は3の脂鎖式炭化水素基を用いるのがより好ましい。このような脂鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基を挙げることができるが、特に好ましいのはメチレン基又はエチレン基である。
また、Y1に用いる脂鎖式炭化水素基は、脂鎖式炭化水素に結合する水素の全部又は一部が他の基で置換されていてもよい。このような置換基としては、上記一般式(1)の化合物Aにおけるa1、a2に用いる置換基と同様のものを用いることができる。
【0062】
また、c1及びc2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、c1とc2とは、同一であっても異なっていてもよい。置換されていてもよい芳香族炭化水素基としては、上記一般式(1)で表される化合物Aにおけるa1及びa2と同様のものを用いることができる。
さらに、c1及びc2は互いに結合して環を構成していてもよい。即ち、c1及びc2は互いに元素Y1を介して結合するが、この結合とは別に、c1とc2とを直接又は単数又は複数の原子を介して結合させて、全体として、元素Y1を含む環を構成することができる。
【0063】
一般式(3)で表される化合物Bの具体例としては、フェニルエーテル、ナフチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(p−トリル)エーテル、ビス(p−トリル)スルフィド、ビス(p−フルオロフェニル)エーテル、ビス(p−フルオロフェニル)スルフィド、ビス(p−クロロフェニル)エーテル、ジフェノキシベンゼン、ジベンゾフラン、1,4−ジベンゾジオキサン、キサンテン、ジフェニルメタン、ジベンジルなどが例示される。この中でも、化合物Aの溶解度を上昇させる観点から、フェニルエーテル、ジフェニルスルフィド、ジベンゾフラン、ジフェニルメタン、ジベンジルが特に好ましく、フェニルエーテルが最も好ましい。無論、上記一般式(3)で表される化合物は、複数種を併用することができる。
【0064】
尚、化合物Aと化合物Bとで同一の化合物を用いても本発明の効果は発揮されないため、化合物Bに一般式(3)で表されるものを用いる場合、一般式(1)で表される化合物Aと同一の構造とはせず、化合物Aが有する環構造と同一の環構造を有しかつその数を化合物Aの有する数以下とする必要がある。
[6]化合物Aと化合物Bとの量比
本発明においては、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)を0.7以上とし、好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上、特に好ましくは1以上とする。この範囲とすれば、化合物Bを含有させることによってAの溶解度を上げることができるようになる。一方、通常、化合物Bを化合物Aに対して多く含有させればさせるほど化合物Aの溶解度が上がるため好ましいが、通常は、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)を10以下とする。電池容量やレート特性の電池の基本的特性とのバランスを考慮すれば、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)を、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、最も好ましくは3以下とする。
【0065】
電解液中における化合物Aと化合物Bの合計含有量は、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上とする。上記範囲とすれば安全性の目的が良好に達成されるようになる。一方、化合物Aと化合物Bの電解液中における含有量は、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下とする。上記範囲とすれば、電解液のイオン伝導度が低下することがなくなり、電池特性への影響を良好に抑制できるようになる。
[7]化合物Aと化合物Bとの性状
化合物Aは、通常過充電時や高温保存時の安全性を確保するための添加剤として、電解液に含まれる。一方、化合物Bは、通常、化合物Aの電解液中での溶解度を上げるために併用されるものであるが、化合物Aと同様、リチウム二次電池の安全性を向上させるような機能を有していると一層好ましい。化合物Aの溶解度向上に加えて、化合物B自身による安全性の向上効果が相乗的に奏される利点がある。また、化合物Bは、リチウム二次電池の容量や繰り返し充放電特性等の電池特性を損なうものでないことが好ましい。
【0066】
化合物Aは、一般的に沸点が高いことが好ましい。これは、化合物Aの沸点が低いと、過充電時又は高温保存時における電池の蓄熱により化合物Aが気化してしまい、リチウム二次電池の安全性が確保されにくくなるためである。この観点から、化合物Aの常圧における沸点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上とする。一方、あまりに沸点の高い化合物は現実的に得にくいので、化合物Aの沸点は通常300℃以下である。
【0067】
ここで、沸点の高い化合物は融点も同時に高くなる傾向があるため、化合物Aとして沸点の高い化合物を用いると、融点が室温以上となり、化合物Aは常温常湿(25℃/50%RH)において固体となる場合がある。しかし、化合物Aが常温常湿で固体であっても、化合物Bに低融点の物質を用いて、化合物B中に化合物Aを溶解させることにより電解液中で液体として存在することができる。従って、化合物Aの電解液中での溶解度を上昇させるために用いる化合物Bは、その融点を50℃以下として、常温常湿(25℃/50%RH)において液体とすることが好ましい。このようにすることで、化合物Aを化合物B中に容易に溶解させることができるようになる。化合物Bの融点は、より好ましくは30℃以下であり、更に好ましくは0℃以下である。一方、化合物Bの融点は、通常−10℃以上である。
[8]電解液のその他の成分
本発明のリチウム二次電池用の電解液は、化合物A及び化合物Bの他、通常、支持電解質であるリチウム塩を含有し、必要に応じて非水系溶媒を含有する。
【0068】
電解液に含有させる支持電解質であるリチウム塩としては、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiClO、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN、LiSOCF等を挙げることができる。これらのうちでは特にLiPF及びLiClOが好適である。これら支持電解質の電解液における含有量は、通常0.5〜2.5mol/lである。
【0069】
必要に応じて含有される非水系溶媒としては、比較的高誘電率の溶媒が好適に用いられる。具体的にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等を挙げることができる。以上の非水系溶媒は、複数種を併用することができる。
【0070】
また、電解液中には、必要に応じて、電池の性能向上のために各種の添加剤を添加することができる。
(B)リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、負極、正極及び電解質を有し、電解質中に上記(A)で説明した電解液を含有する。
【0071】
負極は、通常、活物質層を集電体上に形成してなる。活物質層は、通常負極活物質、バインダー及び必要に応じて導電剤等の添加剤を有する負極材料を含有している。
負極活物質としては、通常炭素性物質を用いる。炭素性物質としては、例えば、グラファイト等の黒鉛材料;石炭系コークス、石油系コークス;石炭系ピッチ若しくは石油系ピッチの炭化物、又はこれらピッチを酸化処理したものの炭化物;ニードルコークス、ピッチコークス、フェノール樹脂、結晶セルロース等の炭化物を挙げることができる。さらに上記炭素性物質を一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等を挙げることもできる。
【0072】
上記炭素性物質のうち、好ましいのは、コークス及びグラファイト等の黒鉛材料であるが、容量が大きい点で、グラファイト等の黒鉛材料が特に好ましい。
黒鉛材料としては、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛粉末及びその精製品、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラックの黒鉛化品、気相成長炭素繊維等の炭素繊維が挙げられる。このような黒鉛材料ならどれでもよいが、容量の点から好ましいのは人造黒鉛又は天然黒鉛である。電池性能を制御し易いという観点から特に好ましいのは人造黒鉛である。
【0073】
尚、黒鉛材料は、表面をアモルファス処理してもよい。
黒鉛材料の平均粒径は、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、また通常45μm以下、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは25μm以下である。平均粒径が過度に小さいと、黒鉛材料の比表面積が増えることとなり不可逆容量が増え電池容量が低下してしまう。一方、平均粒径が過度に大きいと活物質層の膜厚が制限され均一な活物質層を基材の上に形成させることが難しくなる。
【0074】
黒鉛材料の比表面積は、通常0.1m/g以上、好ましくは0.3m/g以上、より好ましくは0.5m/g以上とする。比表面積が過度に小さいと電池のレート特性が低下する。一方、黒鉛材料の比表面積は、通常30m/g以下、好ましくは20m/g以下、より好ましくは10m/g以下とする。比表面積が過度に大きいと電池の初期効率が低下する。比表面積の測定はBET法に従う。
【0075】
負極は、上記負極活物質を、バインダーを溶解しうる溶剤を用いて分散塗料化し、その塗料を集電体上に塗布、乾燥することにより製造することができる。
活物質層中の負極活物質の割合は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上であり、通常99重量%以下、好ましくは98重量%以下である。多すぎると電極の機械的強度が劣る傾向にあり、少なすぎると容量等電池性能が劣る傾向にある。
【0076】
活物質層に使用するバインダーとしては、電解液等に対して安定である必要があり、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から各種の材料が使用される。具体的には、シリケート、ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどのポリマー鎖中に環構造を有するポリマー;メチルセルロース等のセルロース類が挙げられる。
【0077】
他の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。
【0078】
また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常10,000〜3,000,000、好ましくは100,000〜1,000,000程度である。低すぎると塗膜の強度が低下する傾向にある。一方、高すぎると負極製造用の塗料の粘度が高くなり電極の形成が困難になることがある。好ましいバインダー樹脂としては、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーが挙げられ、より好ましくはポリフッ化ビニリデンである。
【0079】
バインダーの使用量は、負極活物質100重量部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると活物質層の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎると電池容量が低下する傾向にある。
【0080】
活物質層中には、必要に応じて、導電性材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有させてもよい。
活物質層を形成する際に使用する溶剤としては、例えばN−メチルピロリドンや、ジメチルホルムアミドを挙げることができ、好ましくはN−メチルピロリドンである。塗料中の溶剤濃度は、少なくとも10重量%より大きくするが、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上である。また、上限としては、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下である。溶剤濃度が低すぎると塗布が困難になることがあり、高すぎると塗布膜厚を上げることが困難になると共に塗料の安定性が悪化することがある。
【0081】
分散塗料化には通常用いられる分散機が使用でき、プラネタリーミキサー、ボールミル、サンドミル、二軸混練機などが使用できる。
集電体上に塗料を塗布する塗布装置に関しては特に限定されず、スライドコーターやエクストルージョン型のダイコーター、リバースロール、グラビアコーター、ナイフコーター、キスコーター、マイクログラビアコーター、ロッドコーター、ブレードコーターなどが挙げられるが、ダイコーター、ブレードコーター、及びナイフコーターが好ましく、塗料粘度および塗布膜厚等を考慮するとエクストルージョン型のダイコーター、簡便な点からはブレードコーターが最も好ましい。
【0082】
上記塗料を集電体上に塗布した後、塗膜を例えば120℃程度の温度で10分間程度の時間乾燥させることよって活物質層が形成される。
活物質層の厚さは、通常10μm以上、好ましくは20μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。活物質層の厚さが過度に薄いと、電池の容量が小さくなりすぎる。一方、過度に厚いとレート特性が低下しることとなる。
【0083】
負極に使用される集電体としては、電気化学的に溶出等の問題が生じず、電池の集電体として機能しうる各種のものを使用でき、通常は銅、ニッケル、ステンレス等の金属や合金が用いられる。好ましくは、銅を使用する。集電体の形状は特に制限されず、例えば、板状やメッシュ状の形状を挙げることができる。集電体の厚さは、通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上であり、また通常100μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。薄すぎると機械的強度が弱くなる傾向にあり、生産上問題になる。厚すぎると電池全体としての容量が低下する。
【0084】
電解質は、上記(A)で説明した電解液を含有し、電解液の保液性を上げて安全性の向上のためにさらにポリマーを含有してもよい。このようなポリマーとしては、例えば、フッ素性樹脂であるPVDFやアクリル系樹脂であるポリアクリレート等を挙げることができる。
電解質は、正極と負極との内部、及び正極と負極との間に存在するが、正極と負極との間には、正極と負極との短絡防止のために、多孔質フィルムのような支持体を存在させるのが好ましい。多孔質フィルムとしては、高分子樹脂からなるフィルムや、粉体とバインダーからなる薄膜が好ましく使用でき、より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質膜である。
【0085】
リチウム二次電池の正極は、通常集電体上に正極活物質を含有する正極活物質層を有する。使用される正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物が挙げられ、具体的には、LiNiO、LiNiCoO等のリチウムニッケル複合酸化物、LiCoO等のリチウムコバルト複合酸化物、LiMn等のリチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。これら複合酸化物の遷移金属サイトの一部は他の元素で置換されていてもよい。遷移金属の一部を他の元素で置換することにより、結晶構造の安定性を向上させることができる。この際の該遷移金属サイトの一部を置換する他元素(以下、置換元素と表記する)としては、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が挙げられ、好ましくはAl、Cr、Fe、Co、Li、Ni、Mg、Ga、更に好ましくはAlである。なお、遷移金属サイトは2種以上の他元素で置換されていてもよい。置換元素による置換割合は通常ベースとなる遷移金属元素の2.5モル%以上、好ましくはベースとなる遷移金属元素の5モル%以上であり、通常ベースとなる遷移金属元素の30モル%以下、好ましくはベースとなる遷移金属元素の20モル%以下である。置換割合が少なすぎると結晶構造の安定化が十分図れない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下してしまう場合がある。リチウム遷移金属複合酸化物のうち、より好ましくはリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物であり、特に好ましくはLiCoOである。正極活物質の粒径は、レート特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で通常1μm以上、一方、通常30μm以下、好ましくは10μm以下である。正極は、通常正極活物質とバインダーとを有する活物質層を集電体上に形成してなる。正極に使用されるバインダーの種類や活物質層の形成方法は負極の場合と同様とすればよい。
【0086】
正極に使用される集電体としては、電気化学的に溶出等の問題が生じず、電池の集電体として機能しうる各種のものを使用でき、通常、アルミニウム、銅、ニッケル、錫、ステンレス鋼等の金属、これら金属の合金等を用いることができる。この場合、正極の集電体としては、通常アルミニウムが用いられる。集電体の形状は特に制限されず、例えば、板状やメッシュ状の形状を挙げることができる。集電体の厚みは通常1以上、一方、通常50μm以下、好ましくは30μm以下である。薄すぎると機械的強度が弱くなるが、厚すぎると電池が大きくなり、電池の中で占めるスペースが大きくなってしまい、電池のエネルギー密度が小さくなる。
【0087】
正極、負極、及び電解質を有する電池要素はケースに収納される。電池要素としては、例えば、正極と負極とを電解質層を介して積層した積層体を巻回した形態、正極と負極と電解質層を介して平板状に積層した形態、又は前記平板状に積層した電池要素を複数個用意してさらに積層した形態を挙げることができる。
電池要素を収納するケースは、通常、コインセルや乾電池用の金属缶や形状可変性を有するケースを挙げることができる。
【0088】
リチウム二次電池が電源として使用される電気機器としては、例えば、携帯用パーソナルコンピュータ(本明細書においては、パーソナルコンピュータを単にパソコンという場合がある。)、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)等を挙げることができる。また、リチウム二次電池は、電気自動車用の電源として用いることもできる。
【0089】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
化合物Aとしてジベンゾフラン(DBF)、化合物Bとしてフェニルエーテル(PhE)を用いた。DBF中にはベンゼン環構造が2つあり、PhE中にもベンゼン環構造が2つある。ここで、常温常湿(25℃/50RH%)において、DBFは固体であり、PhEは液体である。
【0090】
LiPFをプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(1:1)に1mol/Lの濃度で溶解した溶液100重量部に所定量のPhEを添加した電解液に対するDBFの溶解性を調べた。溶解限界を表−1に示す。
尚、溶解限界は、PhEを0、6、10、及び15重量部含有する電解液をそれぞれ用意し、DBFを0.5重量部刻みで加えていくことにより測定した。そして、電解液が白濁したときのDBFの含有量の一つ手前における含有量を溶解限界(重量部)とした。例えば、DBFをz重量部含有させたときに電解液が白濁したとすれば、(z−0.5)重量部を溶解限界とした。溶解限界の測定方法は、実施例2〜5においても同様とした。
【0091】
【表1】
Figure 2004234948
(実施例2)
化合物Aとしてビフェニル(BPh)、化合物Bとしてフェニルエーテル(PhE)を用いた。BPh中にはベンゼン環構造が2つあり、PhE中にもベンゼン環構造が2つある。ここで、常温常湿(25℃/50RH%)において、BPhは固体である。
【0092】
LiPFをプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(1:1)に1mol/Lの濃度で溶解した溶液100重量部に所定量のPhEを添加した電解液に対するBPhの溶解性を調べた。溶解限界を表−2に示す。
【0093】
【表2】
Figure 2004234948
(実施例3)
化合物Aとしてメタ体のテルフェニル(TPh:融点89℃)、化合物Bとしてフェニルエーテル(PhE)を用いた。TPh中にはベンゼン環構造が3つあり、PhE中にはベンゼン環構造が2つある。ここで、常温常湿(25℃/50RH%)において、TPhは固体である。
【0094】
LiPFをプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(1:1)に1mol/Lの濃度で溶解した溶液100重量部に所定量のPhEを添加した電解液に対するTPhの溶解性を調べた。溶解限界を表−3に示す。
【0095】
【表3】
Figure 2004234948
(実施例4)
化合物Aとしてジベンゾフラン(DBF)、化合物Bとして1ブロモ2,4ジメトキシベンゼン(BDMB)を用いた。DBF中にはベンゼン環構造が2つあり、BDMB中にはベンゼン環構造が1つある。ここで、常温常湿(25℃/50RH%)において、BDMBは液体である。
【0096】
LiPFをプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(1:1)に1mol/Lの濃度で溶解した溶液100重量部に所定量のBDMBを添加した電解液に対するDBFの溶解性を調べた。溶解限界を表−4に示す。
【0097】
【表4】
Figure 2004234948
(実施例5)
化合物Aとしてビフェニル(BPh)、化合物Bとして1ブロモ2,4ジメトキシベンゼン(BDMB)を用いた。BPh中にはベンゼン環構造が2つあり、BDMB中にはベンゼン環構造が1つある。
【0098】
LiPFをプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(1:1)に1mol/Lの濃度で溶解した溶液100重量部に所定量のBDMBを添加した電解液に対するBPhの溶解性を調べた。溶解限界を表−5に示す。
【0099】
【表5】
Figure 2004234948
(実施例6〜12、比較例1〜4)
先ず、以下の表−6の配合組成に従い、各成分を混練機により2時間処理して、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物を含有する正極を作製するための電極材料層形成用塗料αを調整した。
【0100】
また、以下の表−7の配合組成に従い、各成分を混練機により2時間処理して、負極の電極材料層形成用塗料βを調製した。
さらに、以下の表−8の配合組成に従い、各成分を混合攪拌して溶解し電解質形成用塗料を調製した。尚、表−8において、化合物A、化合物B、化合物Aの含有量、及び化合物Bの含有量については、表−9に示すように、様々な組み合わせを用いて実験を行った(実施例6〜12、比較例1〜4)。
【0101】
【表6】
Figure 2004234948
【0102】
【表7】
Figure 2004234948
【0103】
【表8】
Figure 2004234948
エクストルージョン型のダイコータにより、厚さ20μmのアルミニウム製タブ付正極集電体上に電極材料層形成用塗料αを塗布した後、これを乾燥し、多孔質な膜である正極の電極材料層を集電体の片面に結着させた。次いで、ロールプレス(カレンダー)により、上記の正極の電極材料層に圧密処理を施した後、所定のサイズ(有効正極面積51.5×31.7mm)に裁断し、平板状の正極とした。このようにして得られた正極の電極材料層の膜厚は59.7μmであった。
【0104】
上記正極と同様にして、エクストルージョン型のダイコータにより、厚さ10μmの銅製タブ付負極集電体上に負極の電極材料層形成用塗料βを塗布した後、これを乾燥し、多孔質な膜である負極の電極材料層を集電体の片面に結着させた。次いで、ロールプレス(カレンダー)により、上記負極の電極材料層に圧密処理を施した後、所定のサイズに裁断し、負極とした。このようにして得られた負極の電極材料層の膜厚は62.5μmであった。
【0105】
上記の正極と負極とに上記電解質形成用塗料を塗布し、別途に調製した電解質形成用塗料を含浸させた高分子多孔質フイルム(セパレータ)を間に挟んで積層し、90℃で10分間加熱することにより電解質を非流動化し、ポリアクリレート樹脂及び電解液からなるゲル状電解質を形成した。そして、正極、負極及び非流動性の電解質層を有する平板状の単位電池要素を得た。
【0106】
得られた単位電池要素を、アルミニウム層とその両面に配置された合成樹脂層から構成されるラミネートフィルムをプリフォーム成形したケースに収納して、ラミネートフィルムの端を真空シールして、リチウム二次電池を作製した。
得られたリチウム二次電池を初期充電し電池特性を確認した後、放電状態から1C及び3Cの電流密度で上限電圧を10Vとした過充電試験をおこない、充電開始から電圧が4.8Vに到達するまでの時間を評価した。充電開始から電圧が4.8Vに到達するまでの時間が短ければ短いほど、リチウム二次電池の過充電状態での安全性が改良されているといえる。その理由を以下に説明する。
【0107】
リチウム二次電池が過充電状態にあるとは、正極活物質から必要以上にリチウムイオンが放出され続ける状態にあることを意味する。そして、この状態においては、リチウムイオンが正極活物質から抜ければ抜けるほどリチウム二次電池は危険な状態となる。本発明のリチウム二次電池においては、化合物Aが過充電状態において酸化され副次反応を起こして正極活物質表面で被膜を形成し、この被膜がリチウムイオンの正極活物質からの放出を抑制して過充電の進行を停止させ、リチウム二次電池が安全な状態となる。
【0108】
そして、正極活物質表面に被膜が形成されたか否かは、リチウム二次電池の正負極間の電圧値から見積もることができる。つまり、被膜が形成されるとリチウム二次電池の抵抗値が上昇することとなる。一方、リチウム二次電池に流れ込む充電電流は、1C又は3Cで一定である。従って、過充電状態での被膜形成によりリチウム二次電池の抵抗値が上がれば、当然、リチウム二次電池の正負極間の電圧値が上昇する。
【0109】
このため、充電開始から4.8Vに到達する時間が短い場合は、正極活物質表面での被膜形成が迅速に行われ、リチウム二次電池が早い段階で安全な状態となることを意味する。一方で、充電開始から4.8Vに到達する時間が長ければ長い程、正極活物質からリチウムイオンが放出され続ける状態が続くこととなるので、リチウム二次電池が危険な状態に近づいていくことになる。
【0110】
表−8中の化合物Aの種類、化合物Bの種類、化合物Aの含有量、及び化合物Bの含有量を表−9に示す通りにして作製した電池の過充電試験の結果を表−9に示す。
【0111】
【表9】
Figure 2004234948
実施例6〜8及び実施例9〜11の結果から、化合物BとしてPhE(ベンゼン環構造2つ)を含有させることにより、化合物AであるDBF(ベンゼン環構造2つ)の含有量を増加させることができるようになり、化合物Aの増量と共に1C及び3C過充電試験における4.8V到達時間を短くすることができる。
【0112】
一方、比較例1の結果から、化合物Aを用いない場合には、1C及び3C過充電試験における4.8V到達時間が長くなり、正極活物質からリチウムイオンが引く抜かれ続けることによってリチウム二次電池が危険な状態に近づいていくことが分かる。
また、比較例2、3の結果から、DBF及びPhEを化合物Aとして含有させれば、含有させない場合(比較例1)と比較して、1C及び3C過充電試験における4.8V到達時間が幾分短くなる。しかし、これら化合物Aは、電解液中での溶解度が低く電解液中での含有量が制限される。このため、リチウム二次電池の過充電時の安全性改良効果は不十分となる。
【0113】
さらに、実施例12の結果と比較例4の結果との比較から、化合物BとしてPhE(ベンゼン環構造2つ)を用いることにより、化合物AであるBPh(ベンゼン環構造2つ)の電解液に対する溶解度を上げることができるようになり、その結果、過充電時の安全性が良好となることがわかる。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、リチウム二次電池の過充電時又は高温保存時の安全性を向上させる添加剤である化合物A(例えば、ビフェニル、テルフェニル、ジベンゾフラン)と類似構造を有する化合物Bとを併用することにより、化合物Aの電解液中への溶解度を上げることができるようになるので、リチウム二次電池の安全性が飛躍的に向上するようになる。

Claims (5)

  1. リチウム二次電池用の電解液であって、
    該電解液が、分子内に炭化水素環又は複素環の少なくとも一方の環構造を2個以上有する化合物Aと、前記環構造の数が化合物Aの有する数以下である化合物Bとを含有し、
    該電解液における、(化合物Bの含有量)/(化合物Aの含有量)が0.7以上であることを特徴とする電解液。
  2. 化合物Bの融点が50℃以下である請求項1に記載の電解液。
  3. 化合物A及び化合物Bにおける前記環構造が、ベンゼン環構造である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 化合物Aが下記一般式(1)で表され、化合物Bが下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)で表される請求項1乃至3のいずれかに記載の電解液。
    Figure 2004234948
    (nは0又は1であり、
    n=0のときは、a1及びa2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基である。
    n=1のときは、X1は、周期表第6族元素、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、及び置換されていてもよい脂鎖式炭化水素基のいずれかであり、a1及びa2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基であり、a1とa2とは互いに結合して環を構成してもよい。)
    Figure 2004234948
    (b1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基を表し、b2はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基を表し、b3は、水素原子又はハロゲン原子を表す。)
    Figure 2004234948
    (Y1は、周期表第6族元素又は置換されていてもよい脂鎖式炭化水素基を表し、c1及びc2はそれぞれ独立に置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表し、互いに結合して環を構成してもよい。)
  5. 正極、負極及び電解質を有するリチウム二次電池であって、請求項1乃至4のいずれかに記載の電解液を電解質に含有することを特徴とするリチウム二次電池。
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