JP2004234865A - カーボンナノチューブ配列材料とその製造方法、炭素繊維配列材料とその製造方法、及び電界放出表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボンナノチューブ8と磁性粒子9とバインダー10の混合物を基板1に塗布し、その混合物に磁場を印加し、カーボンナノチューブ8を基板1に対して垂直に配向する。そして機械研磨により混合物の表面を平坦化する。その後、化学的または物理的エッチングによって、磁性金属粒子9を取除き、カーボンナノチューブ8を選択的に残し、均一な高さのカーボンナノチューブの突出部を形成する。こうして、突出高さの均一性に優れた高密度のカーボンナノチューブ配列が得られる。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブなどの炭素繊維が配列されてなる配列材料とその製造方法、及び、その配列材料を用いた電界放出表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子を放出しやすい材料を用い、電界を印加することにより電子を放出させ、放出された電子を蛍光体に衝突させることによって発光させ、画像を表示する構成の表示装置が知られている。
このような表示装置として、例えば、カソード電極に電子放出材料を、アノード電極に蛍光体を塗布し、カソード電極とアノード電極との間に電圧を印加し、その電圧によって、量子力学的なトンネル効果でカソード電極上の電子放出材料から電子を放出し、放出された電子をアノード電極上の蛍光体に衝突させることによって発光させ、所定の画像を表示する、いわゆる電界放出表示素子(FED: Field Emission Display)がある。
【0003】
上記の電界放出表示素子における電子放出材料として、仕事関数が低く鋭い針状の材料が低印加電圧での電子放出に適しており、厚さが薄い電界放出表示素子の電子放出材料に利用される可能性がある。繊維状炭素は径が細く、鋭い先端の提供に適している。特に繊維状の炭素材料の中でもカーボンナノチューブには、その電子状態由来の著しく小さい仕事関数(負の電子親和力)を有するものがあり、上記の条件を満たす。また炭素はスパッタ率も小さいのでカソード電極として使用する時に陽イオン衝撃で滅失するおそれが小さく、さらに、サイズが極めて小さいので、効率よく電子を放出でき、究極の材料として期待されている。
【0004】
カーボンナノチューブは良好な電子放出特性を有するが、カソード電極上に形成された電子放出材料の内部で、個々のカーボンナノチューブが通常不規則的に分布し、カソード電極からアノード電極に向かって垂直に整列していない。この状態では、カーボンナノチューブは良好な電子放出の特性を示すことができない。
カーボンナノチューブの先端部を表面に向かって規則的に並ばせることができれば、電界を集中、増大させることで、同一の電圧で電子放出の量をより増大することができる。
【0005】
従来、特許文献1に示すように、一般的な炭素繊維を電界放出表示素子に用いる場合に、電子放出率を高めるために、炭素繊維に磁性材料をコーティングし、外部磁場によって炭素繊維をカソード電極に垂直に配列する方法が開示されている。
また、直径と長さはミクロンオーダーの一般的な炭素繊維を熱伝導材料に用いる場合に、熱伝導率を高めるために、特許文献2〜4に示すように、炭素繊維を結合剤(以降、バインダーと呼ぶ場合もある)で磁性微粒子と混合し、或は、特許文献5に示すように、炭素繊維に磁性材料をコーティングし、外部磁場によって炭素繊維を基板に垂直に配列する方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−285837号公報
【特許文献2】
特開2001−294676号公報
【特許文献3】
特開2001−315244号公報
【特許文献4】
特開2001−139833号公報
【特許文献5】
特開2000−191998号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カーボンナノチューブはそのサイズが上記の一般的な炭素繊維より数桁小さく、強度が低いので、処理する時に材料や制御に特別な配慮が必要であり、上記の方法をそのまま応用することはできないと予想される。
【0008】
また、大きな電子放出量を得て、高精細で明るい画像を表示するためには、カーボンナノチューブがアノード電極に向かって垂直に整列し、カーボンナノチューブの端部が高い密度で存在し、尚且つ、カーボンナノチューブの端部が一定の高さでカソード電極の表面に露出しなければならない。
しかし、リソグラフィーでは露光の分解能に制限されて、50本/μm2以上の密度に尖端を作製するのは困難で高価である。また、微細なカーボンナノチューブを基板上に置く方法によれば高い密度は期待できるが、カーボンナノチューブは基板上に横に置かれる状態で、尖端が基板面から突出した配位をとる割合は高くならない欠点があった。
【0009】
特許文献1と特許文献5に示すように、炭素繊維に磁性材料をコーティングし、特に、特許文献2〜4に示すように、炭素繊維をバインダーで磁性粒子と混合し、そして外部磁場を印加し、炭素繊維を基板に対して垂直に配列する方法は、とくに直径1μm以上の比較的太い炭素繊維の垂直配列には有効であるが、炭素繊維が基板に対して垂直に配向される際に僅かに基板表面に露出するが、その露出の高さが低く、しかも、炭素繊維の露出度合を制御できず、高さは均一ではなく、露出の均一性が悪い。それによって、炭素繊維の電界放出量が低い問題があった。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、カーボンナノチューブが基板に対して垂直に配列し、均一の高さで基板に露出する材料と、有効にカーボンナノチューブを基板に対して垂直に配列させ、均一の高さで基板に露出させる方法とを提供することにある。
本発明の第2の目的は、炭素繊維が基板に対して垂直に配列しかつ均一の高さで基板に露出する材料と、有効に炭素繊維を基板に対して垂直に配列させかつ均一の高さで基板に露出させる方法とを提供することにある。
本発明の第3の目的は、以上の材料を用いた電子放出表示素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、本発明のカーボンナノチューブ配列材料の製造方法は、カーボンナノチューブと、磁性粒子と、結合剤との混合物を基板の表面に塗布する第1の工程と、前記塗布された混合物に磁場を印加し、前記カーボンナノチューブを、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向させる第2の工程とを有する。
また、前記カーボンナノチューブを均一の高さで露出させるように、前記カーボンナノチューブが配向された前記混合物の表面を処理する第3の工程を有する。
【0012】
前記第3の工程は、前記混合物の表面を平坦化する第4の工程と、前記平坦化された混合物の表面に、前記カーボンナノチューブを選択的に残し、前記カーボンナノチューブ以外のものを除去し、前記カーボンナノチューブを均一の高さで露出させる第5の工程とを有する。
前記第4の工程において、前記混合物の表面に、少なくとも、機械的研磨を施し、前記第5の工程において、前記平坦化された混合物の表面に、少なくとも、化学的エッチング又は物理的エッチングを施す。
【0013】
前記第2の工程において、前記磁性粒子は前記印加された磁場により配向され、前記カーボンナノチューブが前記配向された磁性粒子に作用され、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向される。
【0014】
本発明の第2の観点によれば、本発明のカーボンナノチューブ配列材料は、基板表面に塗布されたカーボンナノチューブと、磁性粒子と、結合剤との混合物において、前記カーボンナノチューブが前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向されている。
好適には、前記磁性粒子は印加された磁場により配向され、前記カーボンナノチューブが前記配向された磁性粒子に作用され、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向される。
又、好適に、前記カーボンナノチューブを均一の高さで露出させるように、少なくとも、前記混合物の表面を平坦化する処理と、前記カーボンナノチューブのみを選択的に残存させる処理とが施される。
【0015】
本発明の第3の観点によれば、本発明の電界放出表示素子は、対向するカソード電極及びアノード電極と、前記カソード電極に向かう前記アノード電極の一面に形成された蛍光膜と、前記カソード電極に形成され、印加された電界により前記蛍光膜に向けて電子を放出する電子放射部とを有し、前記電子放射部はカーボンナノチューブを含み、前記カーボンナノチューブは前記カソード電極の表面に対してほぼ垂直に配向されている。
また、前記配向されたカーボンナノチューブは、均一の高さで前記カソード電極の表面に露出する。
【0016】
本発明の第4の観点によれば、本発明の炭素繊維配列材料の製造方法は、炭素繊維と、磁性粒子と、結合剤との混合物を基板の表面に塗布する第1の工程と、前記塗布された混合物に磁場を印加し、前記炭素繊維を、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向させる第2の工程と、前記炭素繊維を均一の高さで露出させるように、前記炭素繊維が配向された前記混合物の表面を処理する第3の工程とを有する。
【0017】
本発明の第5の観点によれば、本発明の炭素繊維配列材料は、基板表面に塗布された炭素繊維と、磁性粒子と、結合剤との混合物において、前記炭素繊維が前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向され、前記炭素繊維は均一の高さで露出する。
【0018】
本発明の第6の観点によれば、本発明の電界放出表示素子は、対向するカソード電極及びアノード電極と、前記カソード電極に向かう前記アノード電極の一面に形成された蛍光膜と、前記カソード電極に形成され、印加された電界により前記蛍光膜に向けて電子を放出する電子放射部とを有し、前記電子放射部は炭素繊維を含み、前記炭素繊維は前記カソード電極の表面に対してほぼ垂直に配向され、前記配向された炭素繊維は均一の高さで前記カソード電極の表面に露出する。
【0019】
本発明のカーボンナノチューブ配列材料、または、炭素繊維配列材料の製造方法によれば、カーボンナノチューブ又は炭素繊維と磁性粒子を結合剤で混合し、その混合物を基板面に塗布した後に外部から磁場を印加し、磁場によって配向された磁性粒子から受ける力によってカーボンナノチューブ又は炭素繊維の配向を達成する。
そして、カーボンナノチューブ又は炭素繊維が垂直に配向された混合物の表面を処理し、垂直に整列されたカーボンナノチューブ又は炭素繊維を均一な高さで混合物の表面に露出させる。
例えば、機械的研磨で混合物の表面を平坦化させ、また、化学的エッチング、または、物理的エッチングで、混合物の表面を選択的に処理し、カーボンナノチューブ又は炭素繊維のみを残し、カーボンナノチューブ又は炭素繊維を一定の高さで均一に露出させる。
【0020】
カーボンナノチューブ又は炭素繊維を基板に対して垂直に配向させるには、磁気異方性の大きい磁性粒子を用い、磁場で磁性粒子を配向させることによってカーボンナノチューブ又は炭素繊維を配向させる効果は顕著である。
磁気異方性の大きい磁性粒子とカーボンナノチューブ又は炭素繊維を結合剤で混合して磁場を印加する場合は、磁性材料を炭素繊維に付着(又はコーティング)する場合より、大きなトルクを得られ、より基板の法線方向に近い方向にカーボンナノチューブ又は炭素繊維を配列することができる。カーボンナノチューブの場合には、その直径は、シングルウォール・カーボンナノチューブでは約 1nm、マルチウォール・カーボンナノチューブでは数十nmの範囲にあるが、典型的な場合として10nmを想定すると、この直径のナノチューブを“コーティング”の形態で包むことのできる粒子の径は、大きくても2nmないし3nm未満である。このような微細な磁性粒子の磁化ベクトルは熱揺らぎの影響で一定の方向に止まらず、時々刻々異なった方向を向く超常磁性という性質を示す。このため、磁化ベクトルが粒子に固定された強磁性粒子を用いる場合に比較して、有効に外部磁場からトルクを受けることがない。
太い炭素繊維(たとえば直径1μm)の場合は、磁性粒子が40nmの大きさを持つものであっても、それで表面を“コーティング”の状態に被覆・被着することが可能である。この大きさの磁性粒子(たとえば、鉄、コバルトなど)は超常磁性にはならないから、この場合には外部磁場によって有効にトルクを与えることができる。
以上に述べたように、とくに直径が小さいカーボンナノチューブを利用しようとする場合には、特許文献1および特許文献5に開示された「炭素繊維に磁性材料を“コーティング”」して用いる方法は効果的ではなくなることに留意しなければならない。
【0021】
以上の方法を用い、カーボンナノチューブ又は炭素繊維は基板に対してほぼ垂直に配向され、かつ、均一な高さで基板表面に露出するカーボンナノチューブ配列材料又は炭素繊維配列材料を形成することができる。
【0022】
また、以上のカーボンナノチューブ配列材料又は炭素繊維配列材料を電子放出材料としてカソード電極に形成し、電界放出表示素子を形成できる。
なお、本明細書において、「配向」とは、非対称形状を有する物体が、その形状を特徴付ける軸の方向を空間の特定方向に平行に近く揃えた配置をとること、またはほぼ相似な複数の非対称形状物体が相互に、形状を特徴づける軸を平行に近く揃えた配置をとることをいう。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカーボンナノチューブ配列材料、炭素繊維配列材料とその製造方法、及び電界放出表示素子の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
第1の実施形態
本実施形態において、カーボンナノチューブを基板面の法線に近い向きに配向させ、カーボンナノチューブの端部を均一な高さで露出させ、電界放射電子源のカソード材料に適した配列材料及びその製造方法を説明する。
ここで、主にサイズが極めて小さいカーボンナノチューブを用いて説明する。多くの場合に、その説明は一般のサイズの大きい炭素繊維にも適用できる。
カーボンナノチューブと強い磁気異方性を有する磁性体微粒子の両方を結合剤(バインダー)で流動性のある混合物を作製し、これを基板に塗布した後に外部から磁場を印加し、磁場によって磁性微粒子を配向させ、配向させられる磁性微粒子から直接の接触または結合剤を介した接触により受ける力によってカーボンナノチューブの配向を達成する。
また、カーボンナノチューブの配向を達成した後に、上記の混合物を硬化させ、その表面に機械的研磨と、化学的または物理的エッチングとを施して、カーボンナノチューブを基板表面に均一の高さで露出させる。
【0024】
塗布型磁気記録媒体の分野では、磁性粒子を含む流動性の塗料を基板に塗布した後、外部から磁場を印加して磁性粒子の配向を揃える技術が確立されている。超伝導磁石で発生した強磁場を用いた配向法のほか、粒子を細かく振動させるような変動磁場を与えるのが効果的な場合もある。
本実施形態において、対象となるカーボンナノチューブは1nm以上の太さで数nmから10nm以上の長さを持っている。
このようなカーボンナノチューブを、例えば、高密度記録用針状磁性微粒子(直径10〜20nm、長さ20〜40nm)と一緒にバインダーに混合し、基板に塗布した場合に、カーボンナノチューブの長手方向が磁性粉の長軸方向と揃う傾向がある。したがって、外部磁場により磁性微粒子の磁化容易軸を基板法線方向に近付くように配列させると、例えば、棒状の磁性微粒子の長軸方向を基板法線方向に近付くように配向させると、磁性微粒子に引きずられ、カーボンナノチューブ集団の平均的な長軸方向も基板法線方向に近付くように向きを変え、配列される。
カーボンナノチューブが小さくて細いので、磁性粒子からトルクを与え、配向させる過程で壊さないように、それよりサイズがやや大きい磁性粒子を沿わせるようにする。このことは、炭素繊維一般ではなくカーボンナノチューブを用いる場合に特有の留意点である。たとえば、特許文献2(特開2001−294676)の[図1]に開示されたように、磁場印加によって数珠玉状の磁性粒子の連なりを形成して繊維長軸の方向を特定範囲に規制する方法は、ナノチューブに対しては効果的ではない。その理由は以下の通りである。初期状態では塗布膜中にランダムに分布した個別の磁性粒子が磁場印加によって数珠状連鎖を形成する過程には、個別磁性粒子相互の位置関係の変化が含まれる。2個の磁性粒子にまたがって存在するナノチューブ(これは、ナノチューブの長さが磁性粒子寸法より大きいときに生じる状況であるが)は、両側の粒子が相互に位置を変えるとき、それぞれの粒子から一般に異なる方向への力を受け、分断されてしまう。このような分断を避けるためには、磁性粒子寸法は、最終的に利用したいナノチューブ寸法よりも大きく選ぶことが推奨される。
しかしながら、磁性粒子形状が等方的(極端な場合には球状)であれば、これ1個に伴われている、その直径よりも短いナノチューブに対して、長軸を特定の方向へと束縛する作用は比較的小さくなる。したがって、磁性粒子の形状は非対称ないし異方的であることが望ましい。特に、磁性粒子の長軸長さLの短軸長さSに対する比が、L/S = 1,1.5,2 の三通りの試料について後述の方法による蛍光強度の評価を行なった結果、L/S=2 の場合に、他の二例の3倍以上の強度が得られた。したがって、L/S > 1.75 の範囲が好適であると判断した。
【0025】
以上の原理によるカーボンナノチューブを配向する方法において、塗布法と磁場処理に適合すれば、基板の素材などに何ら限定はない。用いるバインダーは、固有の粘弾性や界面物性に合わせて選択される。
用いる磁性粒子は、先述の形状の異方性に加えて、磁気異方性も強いものが好ましい。例えば、γ−Fe2O3などの針状磁性粒子のような形状磁気異方性を有するものや、また、バリウムフエライト等のような結晶磁気異方性を有するものが好ましい。具体的に、γ−Fe2O3、Fe3O4などの鉄の酸化物、Coを含有する鉄の酸化物、バリウムフエライト、Fe、Co、Niなどの金属、及びそれらを含む金属合金などが挙げられる。
なお、磁性粒子の種類は特定の形状に限定されるものでなく、強い磁気異方性を有し、外部磁場からその磁性粒子を粘性バインダー中で回転させるに十分なトルクを受けられるものであり、かつ自身の回転に伴い粘性バインダーを動かして、カーボンナノチューブに配向させるのに十分な力を与えることができれば、針状、棒状、さらに、板状など非等方形状の磁性粒子を用いることができる。
【0026】
一例として、厚さ0.8mm、直径200mmのシリコンウェハ上に、Ti下地20nmとAu膜100nmをスパッタリングで形成して基板として用い、塩化ビニル系MR−110をバインダーとして用い、針状磁性粉である鉄系の磁性粉を用いる。磁性粒子の寸法は、例えば、直径10〜20nm、長さ20〜40nmであり、重量あたりの磁化は200emu/gである。
また、作製されたカーボンナノチューブ配列材料を電界放出表示素子のカソード電極に用いる場合に、カーボンナノチューブへ低抵抗に電子を供給する経路を形成するために、カーボンナノチューブ、磁性粒子、及びバインダーの混合物に、例えば、さらに白金微粒子を混合する。
【0027】
以上の材料を用いて塗料を調製する。具体的に、バインダーに磁性粉との混合物の平均飽和磁束密度が0.8Tになるまで磁性粉を加え、その後、磁性粉と等重量の炭素材料と白金を添加する。例えば、平均粒径8nmの白金微粒子を用いる。
そして、テープやシート上に磁性粒子を塗布する周知の方法を用いて塗料を基板に塗布する。塗布厚みは、例えば、スピンコーティング法で0.01mmにする。
【0028】
基板に塗布されたカーボンナノチューブと磁性粒子とバインダーを含む塗料の膜が乾燥しておらず流動可能な状態の時に磁場を印加し、磁性粒子とカーボンナノチューブを基板に垂直方向に配向する。
例えば、図1に示す装置を用い、基板に塗布されたカーボンナノチューブと磁性粒子とバインダーの混合物に磁場を印加する。
図1に示す装置は、カーボンナノチューブと磁性粒子とバインダーとの混合物を塗布した基板1、直流磁場を印加する2つの磁極2,3、対向する変動磁場を発生するコイル4とコイル5、基板1を走行させるローラー6を有する。
なお、図1において、磁極2,3、及びコイル4,5の中心部の断面が示され、また、コイル4,5は1組となる。
【0029】
磁極2と3は、両磁極の間にバインダーに混合された磁性粒子とカーボンナノチューブを一緒に配向させるのに必要な強度の磁場を発生する。例えば、15kOe(1.2x106A/m)以上の磁場を発生する。その強磁場は基板1の表面に塗布されたカーボンナノチューブ混合物に印加し、例えば針状の磁性粒子の磁気異方性により磁性粒子を磁場方向に沿って配向させる。配向された磁性粒子に引き摺られて、カーボンナノチューブが基板1の表面から立ち上がり、カーボンナノチューブの配向が得られる。
【0030】
コイル4,5は、例えば、ソレノイドからなり、交流の励起電流によりコイルの内部において、図1に示すx軸と平行する交流磁場を発生する。また、励起電流の方向を互いに反対にすることにより、コイル4とコイル5は対向する磁場を発生する。
また、図1に示すように、基板1のカーボンナノチューブと磁性粒子を塗布された表面は、コイル4,5の中心付近に位置するので、コイル4,5は、基板1の表面近傍でx方向とその逆方向に周期的に交互に変化する、いわゆる変動磁場を発生し、磁性粒子とカーボンナノチューブを微小に振動させ、有効に配向させる。
【0031】
ローラー6は、カーボンナノチューブ混合物を塗布した基板1を水平に保持しながら一定の速度で走行させ、コイル4,5の内部において、磁極2,3の間を通過させ、強い直流磁場と変動磁場による配向処理を行なう。
【0032】
図1の装置を用いて次のように磁場印加を行なう。
例えば、直流磁場を印加する磁極2,3の間に、基板1の位置で16.5kOe(1.3x106A/m)の磁場を発生させ、変動磁場を発生するコイル4,5は、振幅100Oe(8000A/m)、周波数30Hzの交流磁場を発生させる。
カーボンナノチューブと磁性粒子の混合物を塗布した基板1はローラー6によって水平に保持され、50cm/分の速度で、例えば図1に矢印で示すようにx方向に走行され、磁極2,3の間を通過される。
【0033】
磁極2,3の間の強磁場は基板1の表面に塗布されたカーボンナノチューブ混合物に印加し、例えば針状の磁性粒子を磁場方向に沿って配向させる。カーボンナノチューブは、配向された磁性粒子に引き摺られ、基板1の表面から立ち上がり、配向される。
コイル4,5が対向する変動磁場を発生し、磁性粒子とカーボンナノチューブを微小に振動させ有効に配向させる。
【0034】
基板1が完全に通り抜けた後に、基板1を水平面内で180°回転して向きを変え、再度磁極2,3の間を通過させる。このように向きを交互に変えながら、例えば、基板1を8回磁極2,3の間を通して処理を行なう。
なお、適切な磁場の方向、磁場分布、強さ、時間変動の組合せや繰り返し方法はこれに限定されるものではない。
【0035】
電界放射用カソード電極は、電子放出が発生する尖端に電気力線が集中し強い電場が生じるように、先端が基板から突出した形状をしていることが望ましい。
次に、配向されたカーボンナノチューブを基板から突出させる加工過程を説明する。
図2は、前述の磁場印加操作によってカーボンナノチューブの配向を整えた試料の断面構造を模式的に示している。図2に示すように、基板1上のバインダー10において、基板1に対して角度を持った方向にカーボンナノチューブ8と磁性粒子9とが配置している。
【0036】
前述の配向形成過程では、流動性を示したバインダー10を、まずカーボンナノチューブの配向を固定するのに必要な分だけ硬化させる。バインダー10が溶媒型であれば、溶媒を蒸発させる。重合型であれば、光や熱などで適切なエネルギーを与えて硬化を進める。また、バインダー10は有機材料に限らず、ゾル−ゲル法により硬化する無機媒質であってもよい。
【0037】
硬化した試料表面は一般的に平滑ではなく、上記の工程に続いて、機械的研磨を行ない、試料表面を平坦化する。具体的に、例えば、アルミナ砥粒径を100nmから25nmまで逐次微細化させ、試料の厚さを0.01mmから0.005mmまで、公知の方法により研磨する。
図3は、平坦化された試料の断面構造を示す。
【0038】
図2において、基板1の表面に束縛されず、カーボンナノチューブ混合物が自由に動きやすい表面の側(図2において試料の上側)で、棒状微粒子であるカーボンナノチューブ8と磁性粒子9が基板1から立ち上がる度合が高い。この領域を利用するために、図3に示す機械研磨による平坦化工程において、研磨厚さを比較的薄くする方が有利である。
一方、例えば、バインダー10として溶剤系バインダーを用いる場合には、配向を揃える磁場印加操作をしている時間中に、溶剤の蒸発によって試料の表面側で硬化が先行し、ある程度深い部分での方が磁場方向への揃い方が良くなる。そのような場合には、表面研磨の厚さを大きくする方が有利である。
【0039】
試料の表面を平坦化した後に、化学的または物理的エッチングによってカーボンナノチューブを選択的に残し、カーボンナノチューブの突出部を形成する。
図4は、上記の処理をし、カーボンナノチューブの突出部を形成したあとの試料の断面構造を示す。
具体的に、上記の機械研磨による平坦化工程を行なった後に、例えば基板1を2%希硝酸に20秒間浸漬し、Fe、Coなどを主成分とする磁性金属粒子を酸洗浄によって溶解する。
【0040】
または、炭素のスパッタ率が低いので、イオン衝撃によってカーボンナノチューブ以外の部分を選択的にスパッタリングによって取り除くこともできる。
具体的に、例えば、以上の酸洗浄を行なった後に、300eVのAr+イオンを2x1016/m2の濃度でスパッタエッチングを施して、カーボンナノチューブ以外の磁性金属粒子などを取り除く。
図4に示すように、上記のように取り除かれた磁性粒子が占めていた部分には、穴11が形成される。
【0041】
こうして、カーボンナノチューブの突出構造が得られる。特に平坦化工程と組合わせた結果、突出高さの均一性に優れたカーボンナノチューブ集団が得られている。
このように作製されたカーボンナノチューブ配列材料の表面で、針状磁性粒子の数密度は通常650個/μm2であるため、また、1個の磁性粒子の周囲に約50個の配向されたカーボンナノチューブを伴っているので、結局3x104個/μm2の平均面密度をもつ炭素突起集団が達成することができる。
【0042】
以上のように作製したカーボンナノチューブ配列材料について、透過電子顕微鏡で試料の断面を観察し、カーボンナノチューブの配向状況を評価した。
評価した結果、基板法線方向から60°以内の方向に長手方向があるカーボンナノチューブの比率が40%以上であり、そのカーボンナノチューブ配列材料を電子放出源に用いる場合は、従来法に較べて電流密度が3倍以上増大した。
【0043】
本実施形態によれば、外部磁場による磁性微粒子の配列を利用して、カーボンナノチューブは基板に対してほぼ垂直に配向され、カーボンナノチューブの露出度合を制御でき、均一な高さで基板表面に露出され、高密度且つ均一に露出するカーボンナノチューブ配列を得ることができる。
以上の方法は、一般的な炭素繊維にも適用できる。
【0044】
第2の実施形態
本実施形態は、第1の実施形態で説明した方法で作製したカーボンナノチューブ配列材料をカソード電極の材料として用いた電界放出表示素子を説明する。
図5は、本実施形態に係る電界放出表示素子の概略構成を示す断面図である。
図5に示す電界放出表示素子は、第1の基板21、第2の基板22、第1の基板21に配置されるカソード電極23、第2の基板22に配置されるアノード電極24a,24b,24cを含む。
カソード電極23には電子放出部25が形成され、電子放出部25と対向するアノード電極24a,24b,24cの一面にはそれぞれ緑、青、赤の蛍光膜26a,26b,26cが配置される。
【0045】
カソード電極23とアノード電極24a,24b,24cとに所定の電圧パターンを印加すると、カソード電極23とアノード電極24a,24b,24cとに印加された電圧の差異によって電界が形成されて、電子放出部25から電子(点線矢印で図示)を放出し、放出された電子は蛍光膜26a,26b,26cに衝突して蛍光体を励起することによって所定の画像を表示する。
【0046】
電子放出部25は第1の実施形態の方法で作製されたカーボンナノチューブ配列材料からなり、即ち、電子放出部25の内部に、個々のカーボンナノチューブがアノード電極方向に向かって配列され、さらに、個々のカーボンナノチューブが電子放出部25の表面に一定の高さで均一に露出している。
第1の実施形態の方法で一般的な炭素繊維を用い作製した炭素繊維配列材料を電子放出部25に適用できる。
【0047】
電子放出部25を構成するカーボンナノチューブが配向された材料は、第1の実施形態の製造方法で製造される。
特に、カーボンナノチューブが配向された材料を電界放出部25に用いる場合に、カーボンナノチューブの突出部に電子を供給できる必要がある。カーボンナノチューブやその破片自体電流を通すが、供給経路での電力消費を低減するためにはさらに抵抗を下げることが有効である。導電性の基板を使用することや、基板表面に導体配線膜を形成するほか、カーボンナノチューブのバインダーに導体微粒子を含ませるのも効果的である。
【0048】
例えば、このような低抵抗電子供給経路を形成するために、カーボンナノチューブ、磁性粒子、及びバインダーの混合物に、さらに白金(Pt)微粒子を混合する。例えば、平均粒径8nmの白金微粒子を用いる。
以上の材料を用い塗料を調製する時には、バインダーに磁性粉との混合物の平均飽和磁束密度が0.8Tになるまで磁性粉を加え、その後磁性粉と等重量の炭素材料と白金を添加する。
そして、テープやシート上に磁性粒子を塗布する周知の方法を用い塗料を基板に塗布する。
カーボンナノチューブを露出させる工程において、酸洗浄でFe系磁性粒子を溶かした後も、Pt粒子は溶けずに残り、カーボンナノチューブの突出部への低抵抗電子供給経路として働く。
【0049】
低抵抗化のもうひとつの方法は、図4に示す試料の表面状態で、その表面にAl、Ti、Cr、Cu、Agなどの金属薄膜を形成することである。表面のカーボンナノチューブの突出部が埋め込まれない程度の厚さに金属薄膜を堆積し、導体層を形成する。
その後、この導体層を介してカーボンナノチューブの突出部に短時間だけ高電圧を印加する。突出部の高電界によって突出部を覆う金属層の電界蒸発が起こる。電界蒸発によって金属を除去すれば、電子源に適したカーボンナノチューブの突出部が露出する。
【0050】
また、特に携帯型の画像表示装置の場合、その表示素子のカソード電極の材料として、高分子材料など、軽量で可撓性の基板上にカーボンナノチューブを配列、露出させて形成したものが適している。一例として、厚さ0.5mmのポリカーボネート基板を可撓性基板として用い、その上にカーボンナノチューブの配列突出構造を形成する。
【0051】
第1の実施形態と同じように、作製されたカーボンナノチューブ配列材料について、透過電子顕微鏡で試料の断面を観察し、カーボンナノチューブの配向状況を評価した結果、基板の法線方向から60°以内の方向に長手方向が配向されたカーボンナノチューブの比率が40%以上であり、良好な配向状況を得られた。
また、そのカーボンナノチューブ配列材料を電界放出表示素子のカソード電極に用いる場合の電流密度を測った。具体的に、0.5Pa以下の減圧下でカソード電極板に0.5mmの間隔で対向配置されたYAG系蛍光体塗布導電ガラスとの間に1〜120Vまでの電圧を掃印印加して、その間にSiフォトダイオードで得られた最大の発光強度の値で比較した。その結果、従来法に較べて電流密度が3倍以上増大した。
【0052】
本実施形態によれば、カーボンナノチューブを磁場で配向させ、一定の高さで均一に露出させて形成されたカーボンナノチューブなどの炭素繊維配列材料をカソード電極に用いた電子放出表示素子により、電子放出量を増大し、高精細で明るい画像を表示することが可能となる。
【0053】
以上、本発明を好ましい実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記に説明した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改変が可能である。
例えば、上記の実施形態で説明した使用可能な材料や、印加磁場などの製造条件は例示であり、本発明の効果を有すれば、それらを変更しても良い。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、外部磁場による磁性微粒子の配列を利用して、カーボンナノチューブ又は炭素繊維は基板に対してほぼ垂直に配向され、カーボンナノチューブ又は炭素繊維の露出度合を制御でき、均一な高さで基板表面に露出され、高密度且つ均一に露出するカーボンナノチューブ又は炭素繊維配列を得ることができる。
また、カーボンナノチューブ又は炭素繊維を磁場で配向させ、一定の高さで均一に露出させて形成されたカーボンナノチューブ又は炭素繊維配列材料をカソード電極に用いた電子放出表示素子により、電子放出量を増大し、高精細で明るい画像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態において、本発明の配列材料を製造する装置を示す模式図である。
【図2】図1の装置によりカーボンナノチューブが配向された試料の断面構造を模式的に示す断面図である。
【図3】図2に示すカーボンナノチューブが配向された試料について、カーボンナノチューブを基板に露出させる方法を示す断面図である。
【図4】図3に続き、カーボンナノチューブを基板に露出させる方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る電界放出表示素子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…磁極、3…磁極、4…コイル、5…コイル、6…ローラー、8…カーボンナノチューブ、9…磁性粒子、10…バインダー、11…穴、21、22…基板、23…カソード電極、24a、24b、24c…アノード電極、25…電子放出部、26a、26b、26c…蛍光膜。
Claims (15)
- カーボンナノチューブと、磁性粒子と、結合剤との混合物を基板の表面に塗布する第1の工程と、
前記塗布された混合物に磁場を印加し、前記カーボンナノチューブを、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向させる第2の工程と
を有する
カーボンナノチューブ配列材料の製造方法。 - 前記カーボンナノチューブを均一の高さで露出させるように、前記カーボンナノチューブが配向された前記混合物の表面を処理する第3の工程
を有する
請求項1に記載の炭素繊維配列材料の製造方法。 - 前記第3の工程は、
前記混合物の表面を平坦化する第4の工程と、
前記平坦化された混合物の表面に、前記カーボンナノチューブを選択的に残し、前記カーボンナノチューブ以外のものを除去し、前記カーボンナノチューブを均一の高さで露出させる第5の工程と
を有する
請求項2に記載のカーボンナノチューブ配列材料の製造方法。 - 前記第4の工程において、前記混合物の表面に、少なくとも、機械的研磨を施し、
前記第5の工程において、前記平坦化された混合物の表面に、少なくとも、化学的エッチング又は物理的エッチングを施す
請求項3に記載のカーボンナノチューブ配列材料の製造方法。 - 前記第2の工程において、前記磁性粒子は前記印加された磁場により配向され、前記カーボンナノチューブが前記配向された磁性粒子に作用され、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向される
請求項1に記載のカーボンナノチューブ配列材料の製造方法。 - 基板表面に塗布されたカーボンナノチューブと、磁性粒子と、結合剤との混合物において、前記カーボンナノチューブが前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向されている
カーボンナノチューブ配列材料。 - 前記磁性粒子は印加された磁場により配向され、前記カーボンナノチューブが前記配向された磁性粒子に作用され、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向される
請求項6に記載のカーボンナノチューブ配列材料。 - 前記カーボンナノチューブは均一の高さで前記混合物の表面に露出する
請求項6に記載のカーボンナノチューブ配列材料。 - 前記カーボンナノチューブを均一の高さで露出させるように、少なくとも、前記混合物の表面を平坦化する処理と、前記カーボンナノチューブのみを選択的に残存させる処理とが施される
請求項8に記載のカーボンナノチューブ配列材料。 - 対向するカソード電極及びアノード電極と、前記カソード電極に向かう前記アノード電極の一面に形成された蛍光膜と、前記カソード電極に形成され、印加された電界により前記蛍光膜に向けて電子を放出する電子放射部とを有し、
前記電子放射部はカーボンナノチューブを含み、
前記カーボンナノチューブは前記カソード電極の表面に対してほぼ垂直に配向されている
電界放出表示素子。 - 前記配向されたカーボンナノチューブは均一の高さで前記カソード電極の表面に露出する
請求項10に記載の電界放出表示素子。 - 前記カソード電極は、可撓性材料を含む
請求項10に記載の電界放出表示素子。 - 炭素繊維と、磁性粒子と、結合剤との混合物を基板の表面に塗布する第1の工程と、
前記塗布された混合物に磁場を印加し、前記炭素繊維を、前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向させる第2の工程と、
前記炭素繊維を均一の高さで露出させるように、前記炭素繊維が配向された前記混合物の表面を処理する第3の工程と
を有する
炭素繊維配列材料の製造方法。 - 基板表面に塗布された炭素繊維と、磁性粒子と、結合剤との混合物において、前記炭素繊維が前記基板の表面に対してほぼ垂直に配向され、前記炭素繊維は均一の高さで露出する
炭素繊維配列材料。 - 対向するカソード電極及びアノード電極と、前記カソード電極に向かう前記アノード電極の一面に形成された蛍光膜と、前記カソード電極に形成され、印加された電界により前記蛍光膜に向けて電子を放出する電子放射部とを有し、
前記電子放射部は炭素繊維を含み、
前記炭素繊維は前記カソード電極の表面に対してほぼ垂直に配向され、前記配向された炭素繊維は均一の高さで前記カソード電極の表面に露出する
電界放出表示素子。
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