JP2004233529A - 帯電部材のクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機 - Google Patents
帯電部材のクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004233529A JP2004233529A JP2003020545A JP2003020545A JP2004233529A JP 2004233529 A JP2004233529 A JP 2004233529A JP 2003020545 A JP2003020545 A JP 2003020545A JP 2003020545 A JP2003020545 A JP 2003020545A JP 2004233529 A JP2004233529 A JP 2004233529A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- developer
- cleaning method
- cleaning
- image forming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cleaning In Electrography (AREA)
- Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)
Abstract
【課題】DC電圧にAC電圧を重畳する電界クリーニング方法に対し、残留した現像剤の除去を確実に行い、その後の画像形成動作において形成される画像の画質劣化を確実に回避する。
【解決手段】感光体31b上に残存する残留トナーを除去するためのクリーニング部材71に印加する電圧の絶対値を、付着している残留トナーとは逆極性で保持しながら、DC成分の電圧にAC成分を重畳しつつ、その印加波形を矩形波に設定する。また、印加電圧波形の最大電圧と最小電圧との電圧振幅を1500V/mm以下とし、その電圧波形の最大電圧を2000V以下とする。
【選択図】 図3
【解決手段】感光体31b上に残存する残留トナーを除去するためのクリーニング部材71に印加する電圧の絶対値を、付着している残留トナーとは逆極性で保持しながら、DC成分の電圧にAC成分を重畳しつつ、その印加波形を矩形波に設定する。また、印加電圧波形の最大電圧と最小電圧との電圧振幅を1500V/mm以下とし、その電圧波形の最大電圧を2000V以下とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ、レーザファクシミリ等に代表される画像形成機において、静電気等によって現像剤(例えばトナー)を付着させる部材(例えば感光体ドラム)から現像剤を除去するためのクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機に係る。特に、本発明は、クリーニング性能の向上を図るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成機における画像形成動作としては、先ず、パーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンと呼ぶ)等のホスト装置から送信された画像データに基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、感光体ドラム上で画像データを顕像化させる。その後、用紙搬送経路を搬送されてきた記録用紙の表面に感光体ドラムからトナー像を転写する。そして、この記録用紙を定着ローラに通過させ、この定着ローラによる加熱及び加圧によってトナー像を記録用紙上に定着させるようにしている。
【0003】
また、上記画像形成動作の1サイクルの終了後、次の画像形成動作に移る際、感光体ドラム上に残留トナーが存在していると画質劣化を招いてしまうため、この種の画像形成機には、画像形成動作の1サイクルの終了時に上記残留トナーを感光体ドラム上から除去するためのクリーニング装置が備えられている。
【0004】
このクリーニング装置におけるクリーニング手法として一般には、(1)メカニカルクリーニング法、(2)磁気クリーニング法、(3)電界クリーニング法が知られている。
【0005】
メカニカルクリーニング法は、ゴムブレード等の弾性部材を感光体ドラムの表面に押し付けることで、この感光体ドラムの表面に付着している現像剤をメカ的に取り除く手法である。この手法は、感光体、光誘起帯電の光電面、ダイレクトトーニング方式の制御電極等に対して適用可能である。
【0006】
例えば下記の特許文献1には、ポリウレタン製のブレードを使用したメカニカルクリーニング法においてゴム硬度等を特定した技術的思想が開示されている。
【0007】
また、磁気クリーニング法及び電界クリーニング法は感光体ドラムの表面に付着している現像剤を吸着除去するものであって、磁気クリーニング法は磁力によって上記吸着力を発生させており、電界クリーニング法は電界を用いて上記吸着力を発生させている。つまり、これら磁気クリーニング法及び電界クリーニング法は、感光体ドラムの表面に付着している現像剤の極性とは逆極性の磁力を利用して現像剤を吸着除去するようにしている。
【0008】
例えば下記の特許文献2には、感光体ドラムに対向配置され且つN極とS極とが同軸で交互に螺旋状に着磁された磁気ネジローラによって現像剤を吸着除去する技術的思想が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−320640号公報
【特許文献2】
特開2000−29364号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したこれまでのクリーニング手法では以下に述べる課題があった。
【0011】
先ず、メカニカルクリーニング法は、設計が容易であって、制御部に負担をかけることがないため、簡単な機構設計で実現することが可能であるが、クリーニングブレード(ゴム等の弾性材料で成るブレード)と感光体等との接触圧力の設定が困難であると共に、感光体や上記光電面に対しては、クリーニングブレードから作用する圧力による削れ現象が問題となっている。例えば、感光体においては、クリーニングブレードによる感光体表面の表面保護層の削れ(一般に「膜ベリ現象」と呼ばれている)が数μm〜10数μm/10000枚(印刷枚数)であるため、この「膜ベリ現象」を考慮した感光体の開発及び設計が必要となるばかりでなく、初期状態で設定した印字品質の経持変化を招いてしまうといった不具合がある。
【0012】
また、磁気クリーニング法及び電界(DC電圧)クリーニング法にあっては、現像剤の帯電量が一定であって且つその粒子径が一定であれば、与える磁界、電界を決定することが可能である。ところが、通常、現像剤の粒子径にはバラツキがあって、帯電した部材(感光体等)と現像剤との静電気的付着量は異なっており、一定の磁界や電界では現像剤が小粒子径であるほどクリーニング性能は低下してしまうことになる。
【0013】
また、電界クリーニング法において上記課題を解決するために、DC電圧に代えてAC電圧を印加する手法も考えられるが、AC成分には(+)極性、(−)極性の両成分があり、クリーニング性能は上記DC電圧を印加する場合に比べて低下してしまう結果となる。
【0014】
このような問題点を解決する手法として、DC電圧にAC電圧を重畳する電界クリーニング方法が提案されている。
【0015】
しかし、ACを重畳する際、従来ではサイン波を用いているのが一般的であるが、この方法では、電界の変化が局部的には微小であり、付着する現像剤を所定距離離れた位置に飛翔させることは困難であった。
【0016】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、DC電圧にAC電圧を重畳する電界クリーニング方法に対し、残留した現像剤の除去を確実に行い、その後の画像形成動作において形成される画像の画質劣化を確実に回避することができるクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明は、付着する現像剤を所定空間を介して除去(クリーニング)するための部材に印加する電圧の絶対値を、付着している現像剤の逆極性で保持しながら、DC成分の電圧にAC成分を重畳しつつ、その印加波形を矩形波とし、ACの周波数を付着現像剤の飽和帯電量と空間距離を基に算出し、更に印加サイクルを印加時間に対し分割した電圧印加を行うことによって、効率良い付着現像剤の除去動作(クリーニング)が行えるようにしている。
【0018】
−解決手段−
具体的には、所定電荷を帯びた帯電部材を備え、帯電した現像剤をこの帯電部材に付着させた後、この現像剤を記録媒体に転写するよう構成された画像形成機において、上記転写後に帯電部材に残留した現像剤を除去するためのクリーニング方法を前提とする。このクリーニング方法に対し、帯電部材に対向配置された現像剤回収部材に対して、現像剤の帯電極性とは逆極性の直流電圧に所定の交流電圧を重畳して成る複合電圧を印加することにより、帯電部材に残留した現像剤を現像剤回収部材に移動させて、帯電部材から現像剤を除去するようにしている。
【0019】
上記直流電圧に交流電圧を重畳して成る複合電圧として具体的には以下のものが掲げられる。つまり、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧及び最小電圧を、共に同一極性であって現像剤の帯電極性とは逆極性とするものである。
【0020】
これによれば、現像剤回収部材の極性を常に残留現像剤とは逆極性に保持することが可能となり、現像剤の除去性能を高く維持することできてクリーニング性能の向上を図ることができる。つまり、上述した従来のクリーニング手法のうちメカニカルクリーニング法では、帯電部材が、画像形成機の感光体であったり、ダイレクトトーニングの電極であったりすると、キズを発生し、感光体の感度低下(印字品位の低下)、電極膜の破損によるリーク等の問題を発生していた。また、従来の磁気クリーニング法や電界クリーニング法では、付着する現像剤の磁力が問題となり、一定のクリーニング性能が得られなかった(付着する現像剤の粒子径は一定ではなく、各々が有する磁力が異なっていることが原因である)。本解決手段によればこれらの不具合を解消でき、高いクリーニング性能を安定的に得ることが可能となる。
【0021】
更に具体的には、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧と最小電圧との電圧振幅を1500V/mm以下としている。尚、この電圧振幅の下限値としては例えば500V/mmである。
【0022】
また、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧を2000V以下としている。尚、この最大電圧の下限値としては例えば500Vである。
【0023】
更に、直流電圧に重畳する交流電圧の周波数を、30〜150Hzの範囲とし、好ましくは50〜100Hzの範囲としている。
【0024】
これらの特定事項により、直流電圧に交流電圧を重畳して得られる複合電圧を具体化することができ、本発明の実用性の向上を図ることができる。
【0025】
また、直流電圧に重畳する交流電圧の波形として具体化には以下のものが掲げられる。つまり、直流電圧に重畳する交流電圧の波形を矩形波とするものである。
【0026】
より具体的には、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加サイクルを数〜数十サイクルとする。例えば、3サイクル〜30サイクルの範囲で設定する。
【0027】
また、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加動作を、1回のクリーニングタイミングにおいてサイクルを複数回に分割して実行する。
【0028】
更に、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加OFFタイミングでは、矩形波の最大電圧印加中に現像剤回収部材への印加電圧をOFFする。
【0029】
また、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加OFFタイミングでは、矩形波の最大電圧の印加がOFFされて最小電圧に移行するタイミングで現像剤回収部材への印加電圧をOFFする。
【0030】
このように、重畳するAC電圧の波形を矩形波とすることによって瞬間時の電位変動を印加電圧に対し極大にし、残留現像剤が付着している帯電部材から剥離し易くし、現像剤回収部材に飛翔する速度を速くすることが可能となり、クリーニング性能の向上、現像剤の機内飛散を防止できる。また、印加する矩形波の周波数を最適化することにより上記効果を確実に得ることが可能となる。更に矩形波の印加サイクルを所定時間の間で分割することで、一度に多量の残留現像剤が飛翔してしまうことがなくなり、クリーニング効率の向上、機内飛散の低減が図れる。
【0031】
上述したクリーニング方法の用途としては、帯電部材が画像形成機の静電潜像担持体であって、この静電潜像担持体上に残留した現像剤を除去する場合、帯電部材が光誘起帯電方式によって帯電する光電部材であって、この光電部材上に残留した現像剤を除去する場合、帯電部材がダイレクトトーニング方式によって帯電する制御電極部材であって、この制御電極部材上に残留した現像剤を除去する場合が掲げられる。
【0032】
更に、上記各解決手段のうち何れか一つのクリーニング方法によって画像形成機の帯電部材に残留した現像剤を除去するよう構成されているクリーニング装置も本発明の技術的思想の範疇である。
【0033】
また、このクリーニング装置を備え、帯電した現像剤を帯電部材に付着させた後、この現像剤を記録媒体に転写するよう構成された画像形成機も本発明の技術的思想の範疇である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態は、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を備えた複合機に本発明を適用した場合について説明する。
【0035】
−複合機の全体構成の説明−
図1は本形態に係る画像形成機としての複合機1の内部構成の概略を示している。この図1のように、本複合機1は、スキャナ部2、画像形成部としてのプリント部3及び原稿自動給紙部4を備えている。以下、各部について説明する。
【0036】
<スキャナ部2の説明>
スキャナ部2は、透明なガラス等で成る原稿台41上に載置された原稿の画像や原稿自動給紙部4により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って画像データを作成する部分である。このスキャナ部2は、露光光源21、複数の反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子(CCD:Charge Coupled Device)26を備えている。
【0037】
上記露光光源21は、原稿自動給紙部4の原稿台41上に載置された原稿や原稿自動給紙部4を搬送される原稿に対して光を照射するものである。各反射鏡22,23,24は、図1に破線で光路を示すように、原稿からの反射光を一旦図中左方向に反射させた後、下方に反射させ、その後、結像レンズ25に向かうように図中右方向に反射させるようになっている。
【0038】
原稿の画像読取動作として、上記原稿台41上に原稿が載置された場合(「シート固定方式」として使用する場合)には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置と仮想線で示す位置との間を原稿台41に沿って水平方向に走査して、原稿全体の画像を読み取ることになる。一方、原稿自動給紙部4を搬送される原稿を読み取る場合(「シート移動方式」として使用する場合)には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置に固定され、後述する原稿自動給紙部4の原稿読取部42を原稿が通過する際にその画像を読み取ることになる。尚、この原稿読取部42は、後述するプラテンガラス42a、原稿押え板42b、露光光源21、反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子26により構成されている。
【0039】
上記各反射鏡22,23,24で反射されて結像レンズ25を通過した光は光電変換素子26に導かれ、この光電変換素子26において反射光が電気信号(原稿画像データ)に変換されるようになっている。
【0040】
<プリント部3の説明>
プリント部3は、画像形成系31と用紙搬送系32とを備えている。
【0041】
画像形成系31は、レーザスキャニングユニット31a及びドラム型の帯電部材としての感光体31bを備えている。レーザスキャニングユニット31aは、上記光電変換素子26において変換された原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射するものである。感光体31bは、図1中に矢印で示す方向に回転し、レーザスキャニングユニット31aからのレーザ光が照射されることによってその表面に静電潜像が形成されるようになっている。
【0042】
また、感光体31bの外周囲には、上記レーザスキャニングユニット31aの他に、現像装置31c、転写ローラ31d、図示しないクリーニング装置(このクリーニング装置の詳細については図3以降の図面を用いて後述する)、除電器31e、帯電ローラ31fが周方向に亘って順に配設されている。現像装置31cは、感光体31bの表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像に現像するものである。転写ローラ31dは、感光体31bの表面に形成されたトナー像を記録媒体としての画像形成用紙5に転写するものである。クリーニング装置は、トナー転写後において感光体31bの表面に残留したトナーを除去するようになっている。除電器31eは、感光体31bの表面の残留電荷を除去するものである。帯電ローラ31fは、静電潜像が形成される前の感光体31bの表面を所定の電位に帯電させるようになっている。
【0043】
このため、画像形成用紙5に画像を形成する際には、帯電ローラ31fによって感光体31bの表面が所定の電位に帯電され、レーザスキャニングユニット31aが原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射する。その後、現像装置31cが感光体31bの表面にトナーによる可視像を現像し、転写ローラ31dによって、トナー像が画像形成用紙5に転写される。更に、その後、感光体31bの表面に残留したトナーはクリーニング装置によって除去されると共に、感光体31bの表面の残留電荷が除電器31eによって除去される。これにより、画像形成用紙5への画像形成動作(印刷動作)の1サイクルが終了する。このサイクルが繰り返されることにより、複数枚の画像形成用紙5,5,…に対して連続的に画像形成を行うことができるようになっている。
【0044】
一方、用紙搬送系32は、用紙収容部としての用紙カセット33や用紙トレイ34に収容された画像形成用紙5,5,…を1枚ずつ搬送して上記画像形成系31による画像形成を行わせると共に、画像形成された画像形成用紙5を用紙排出部としての排紙トレイ35へ排出するものである。
【0045】
この用紙搬送系32は、主搬送路36と反転搬送路37とを備えている。主搬送路36は、一端が分岐されて用紙カセット33及び用紙トレイ34の排出側にそれぞれ対向していると共に他端が排紙トレイ35に対向している。反転搬送路37は、一端が転写ローラ31dの配設位置よりも上流側(図中下側)で主搬送路36に繋がっていると共に、他端が転写ローラ31dの配設位置よりも下流側(図中上側)で主搬送路36に繋がっている。
【0046】
主搬送路36の上流端(用紙カセット33や用紙トレイ34の排出側に対向する部分)には断面が半円状のピックアップローラ36a,36aが配設されている。このピックアップローラ36a,36aの直下流側には給紙ローラ36b,36bが配設されている。このピックアップローラ36a及び給紙ローラ36bの回転により、用紙カセット33または用紙トレイ34に収容されている画像形成用紙5,5,…を1枚ずつ間欠的に主搬送路36に給紙できるようになっている。
【0047】
この主搬送路36における転写ローラ31dの配設位置よりも上流側には、画像形成用紙5の通過を検知するためのレジスト検知スイッチ36c及びレジストローラ36d,36dがそれぞれ配設されている。このレジストローラ36d,36dは、感光体31b表面のトナー像と画像形成用紙5との位置合わせを行いながら画像形成用紙5を搬送するものである。主搬送路36における転写ローラ31dの配設位置よりも下流側には、画像形成用紙5に転写されたトナー像を加熱により定着させるための一対の定着ローラ36e,36e及び画像形成用紙5が定着ローラ36e,36eを通過したことを検知するための定着検知スイッチ36fがそれぞれ配設されている。主搬送路36の下流端には、画像形成用紙5を排紙トレイ35に排紙するための一対の排紙ローラ36g,36g及び画像形成用紙5の排紙を検知するための排紙検知スイッチ36hがそれぞれ配設されている。
【0048】
主搬送路36に対する反転搬送路37の上流端の接続位置には分岐爪38が配設されている。この分岐爪38は、図1に実線で示す第1位置と仮想線で示す第2位置との間で水平軸回りに回動自在となっている。この分岐爪38が第1位置にあるときには画像形成用紙5が排紙トレイ35へ排紙され、第2位置にあるときには画像形成用紙5が反転搬送路37へ供給されるようになっている。反転搬送路37の複数箇所には搬送ローラ37a,37a,…が配設されており、画像形成用紙5が反転搬送路37に供給された場合(所謂スイッチバック搬送により画像形成用紙5が反転搬送路37に供給された場合)には、これら搬送ローラ37a,37a,…によって画像形成用紙5が搬送され、レジストローラ36dの上流側で画像形成用紙5が反転されて再び転写ローラ31dに向かって主搬送路36を搬送されるようになっている。つまり、画像形成用紙5の裏面に対して画像形成が行えるようになっている。
【0049】
<原稿自動給紙部4の説明>
次に、原稿自動給紙部4について説明する。この原稿自動給紙部4は、所謂自動両面原稿搬送装置として構成されている。図2は、本原稿自動給紙部4及びその周辺部分を示す概略図である。この原稿自動給紙部4は、シート移動式として使用可能であって、原稿載置部としての原稿トレイ43、中間トレイ44、原稿排出部としての原稿排紙トレイ45及び各トレイ43,44,45間で原稿を搬送する原稿搬送系46を備えている。
【0050】
上記原稿搬送系46は、原稿トレイ43に載置された原稿6,6,…を、原稿読取部42を経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ搬送するための主搬送路47と、中間トレイ44上の原稿6を主搬送路47に供給するための副搬送路48とを備えている。
【0051】
主搬送路47の上流端(原稿トレイ43の排出側に対向する部分)には原稿ピックアップローラ47a及び捌きローラ47bが配設されている。捌きローラ47bの下側には捌き板47cが配設されており、原稿ピックアップローラ47aの回転に伴って原稿トレイ43上の原稿6,6,…のうちの1枚がこの捌きローラ47bと捌き板47cとの間を通過して主搬送路47に給紙されるようになっている。主搬送路47と副搬送路48との合流部分(図中A部分)には原稿6の通過を検知するための原稿入紙センサ47dが配設されている。更に、この原稿入紙センサ47dの配設位置よりも下流側にはPSローラ47e,47eが配設されている。このPSローラ47e,47eは、原稿6の先端とスキャナ部2の画像読取タイミングとを調整して原稿6を原稿読取部42に供給するものである。つまり、このPSローラ47e,47eは原稿6が供給された状態でその原稿6の搬送を一旦停止し、上記タイミングを調整して原稿6を原稿読取部42に供給するようになっている。
【0052】
原稿読取部42は、プラテンガラス42aと原稿押え板42bとを備え、PSローラ47e,47eから供給された原稿6がプラテンガラス42aと原稿押え板42bとの間を通過する際に、上記露光光源21からの光がプラテンガラス42aを通過して原稿6に照射されるようになっている。この際、上記スキャナ部2による原稿画像データの取得が行われる。上記原稿押え板42bの背面(上面)にはコイルスプリング42cによる付勢力が付与されている。これにより、原稿押え板42bがプラテンガラス42aに対して所定の押圧力をもって接触しており、原稿6が原稿読取部42を通過する際にプラテンガラス42aから浮き上がることを阻止している。
【0053】
プラテンガラス42aの下流側には、搬送ローラ47f及び原稿排紙ローラ47gが備えられている。プラテンガラス42a上を通過した原稿6が搬送ローラ47f及び原稿排紙ローラ47gを経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ排紙される構成となっている。尚、上記各ローラ47e,47f,47gのうち図2中で回転方向に矢印を付したものが駆動ローラであって、それに接触するローラが従動ローラとなっている。
【0054】
原稿排紙ローラ47gと中間トレイ44との間には中間トレイ揺動板44aが配設されている。この中間トレイ揺動板44aは、中間トレイ44側の端部が揺動中心とされて、図2に実線で示すポジション1と仮想線で示すポジション2との間で揺動可能となっている。中間トレイ揺動板44aがポジション1にある場合には原稿排紙ローラ47g,47gから排紙された原稿6は原稿排紙トレイ45へ回収される。一方、中間トレイ揺動板44aがポジション2にある場合には原稿排紙ローラ47g,47gから排紙された原稿6は中間トレイ44へ排出されるようになっている。この中間トレイ44への排紙時には、図2に仮想線で示すように、原稿6の端縁(図中の右端縁)が原稿排紙ローラ47g,47g間に挟持された状態となっており、この状態から原稿排紙ローラ47gが逆回転することによって原稿6が副搬送路48に供給され、この副搬送路48を経て再び主搬送路47に送り出されるようになっている。この原稿排紙ローラ47gの逆回転動作は、主搬送路47への原稿6の送り出しと画像読取タイミングとを調整して行われる。これにより、原稿6の裏面の画像が原稿読取部42によって読み取られるようになっている。
【0055】
また、主搬送路47の上流端(原稿トレイ43における図2中の右端近傍位置)には、原稿トレイ43上に原稿6が存在するか否かを検知するための原稿検知センサ4Aが設けられている。また、主搬送路47の下流端近傍位置であって、副搬送路48との分岐部分(図中B部分)付近には、この主搬送路47を搬送される原稿6の先端(搬送方向の下流側端縁)が通過したことを検知可能な原稿先端検知センサ4Bが設けられている。
【0056】
−複合機の動作説明−
以上の如く構成された複合機1の動作として、先ず、本複合機1が、プリンタとして機能する場合には、パーソナルコンピュータ等のホスト装置から送信された印刷データ(イメージデータやテキストデータ)を受信し、この受信した印刷データ(プリントデータ)を図示しないバッファ(メモリ)に一旦格納していく。このバッファへのプリントデータの格納と共に、バッファからのプリントデータの読み出しを順次行って、この読み出したプリントデータに基づき、上述したプリント部3の画像形成動作により画像形成用紙5に画像形成が行われる。
【0057】
また、本複合機1がスキャナとして機能する場合には、上記スキャナ部2によって読み取った原稿のスキャン画像データをバッファに一旦格納していく。このバッファへのスキャン画像データの格納と共に、バッファからホスト装置へのスキャン画像データの送信を順次行って、このホスト装置のディスプレイ等に画像表示する。
【0058】
更に、本複合機1が複写機として機能する場合には、上記スキャナ機能によって読み取った原稿画像データに基づきプリント部3の画像形成動作によって画像形成用紙5に画像形成が行われることになる。
【0059】
−クリーニング装置の説明−
次に、本形態の特徴とする部分であるクリーニング装置(感光体31bの表面に残留したトナーを除去するための装置)及びクリーニング方法について説明する。尚、ここでは感光体31b上の残留トナーの除去(クリーニング)について説明するが、本発明の要旨を利用すれば、画像形成機の感光体31b以外の部位にも応用可能である。例えば光誘起帯電方式の現像槽における光電面のクリーニング、ダイレクトトーニング方式の制御電極のクリーニング等にも適用することができる。
【0060】
図3は、感光体31b及びクリーニング装置7を模式的に示す図である。この図では、感光体31bが図中時計回り方向に回転し、画像形成用紙5が水平搬送される場合について示している。また、図1に示したものと同じ部材については同じ符号を付している。
【0061】
この図3では、転写工程終了後の感光体31bに近接した位置にローラ形状の現像剤回収部材としてのクリーニング部材71が配置されていて、そのクリーニング部材71には後述の条件で電圧が印加されている。具体的には、このクリーニング部材71には直流電源DC及び交流電源ACが直列状態で接続されており、これによって直流電圧に交流電圧を重畳することで得られる複合電圧がクリーニング部材71に印加されるようになっている。
【0062】
尚、クリーニング部材71の長さ寸法(図3における紙面に直交する方向の寸法)は感光体31bの長さ寸法に略一致しており、この感光体31bの全体に亘って残留トナーを除去することが可能な構成となっている。
【0063】
感光体31b上の残留トナー(現像剤)をクリーニング部材71に向けて飛翔させてクリーニングすると、感光体31bは、次工程の帯電工程に進み、次印刷に寄与することとなる。クリーニング動作によって感光体31bから除去された残留トナーは、クリーニング部材71の回転によって、感光体31bとは異なる方向(図中の左側)で、クリーニング部材71に当接するブレード(清掃部材)72で回収され、これによってクリーニング部材71は常に新鮮な(表面が清浄された)状態で感光体31b上の残留トナーのクリーニングが可能な状態に保たれる。尚、図3における73は廃トナー回収容器であり、74は廃トナーを図3における紙面に直交する方向に搬送するためのトナー搬送スクリューである。
【0064】
また、感光体31bとクリーニング部材71の空間距離(図中における寸法X)は、感光体31bへの帯電工程での印加電圧および感光体31bの感光層の破壊電圧とクリーニング電位の関係によって設定されるが、通常は1mm未満で、0.2〜0.5mmの範囲に設定されることが望ましい。
【0065】
<クリーニング用電位>
次に、クリーニング部材71の電位について詳細に説明する。
【0066】
(印加する電圧の種類)
帯電した残留トナーの極性とは逆極性の電圧をクリーニング部材71に印加する必要がある。図3に示す本形態のものでは、残留トナーの帯電極性は(−)極性であるため、クリーニング部材71には(+)極性の電圧が与えられることになる。
【0067】
この時、単純にDC電圧のみを印加すると、印加するスタート時には0Vとの電位ギャップが生じてトナーが良好に飛翔することとなるが、継続して電圧印加を行ったときは、感光体31bの表面電位(本実施例では概ね−800V)とトナーの飽和帯電量(20〜30μC/g)の関係で感光体31bに吸着されている残留トナーを引き剥がすクリーニング電位が必要となり、本実施例の場合は少なくとも+800V以上の高い電圧印加が必要となってしまう。このような感光体31bの帯電極性と逆極性で強い電圧をクリーニング部材71に印加すると、感光体31bの(+)極性メモリ(印字では地肌カブリの発生)が招来し、印字品位の低下、若しくは感光体の感光層の破壊を招来する事となる。
【0068】
この点に鑑み、本実施形態では以下のプロセスによってクリーニング部材71に与えるべき電圧を設定し、印加するクリーニング電圧を低くしながら効率の良いクリーニング性能が得られるようにしている。
【0069】
(ACの重畳方法)
通常上記のような問題が発生する時は、DC成分の印加に対しAC電圧を重畳する手法が現像方式のジャンピング現像等で多く採用されている。本形態においても、低電位で、効率良くクリーニングするためにはDC+ACの検討を行い以下の結果を得た。
【0070】
図4にはDCにACを重畳した時の電圧の極性を示している。図4(a)は単純にAC電圧のみを印加した状態であり印加時の極性は(+)極性、(−)極性が同一レベルで発生している。このとき、感光体31b上のトナーは、図5(a)に示すように(この図5は感光体31bとクリーニング部材71のと間における残留トナーの飛翔状態を模式的に示している)、感光体31bとクリーニング部材71の間を往復飛翔するに過ぎず、感光体31bのクリーニングは殆ど行われず次工程の帯電部に残留トナーが搬送され、帯電不良、印字不良を招来してしまう。
【0071】
次に、図4(b)はDCにACを重畳した電圧を印加した状態であり、印加時の極性は(+)極性、(−)極性が発生しており、図4(a)に比較し(−)極性での印加が少なくなっている。この時、感光体31b上のトナーは図5(b)に示すように、感光体31bとクリーニング部材71の間を往復飛翔し、粒子径の大きいトナー(一般的に単位表面積当りの電荷量は小さい)は飛翔しつつクリーニング部材71に吸着されるが、粒子径の小さいトナー(一般的に単位表面積当りの電荷量は大きい)は感光体31bの表面電位に吸着されることとなり、感光体31bのクリーニングにムラが発生してしまう。
【0072】
そして、図4(c)はDCにACを重畳した電圧を印加した状態であり、印加時の極性は(+)極性だけが発生しており、(−)極性の印加をなくした状態である。この時、感光体31b上のトナーは図5(c)に示すように、トナーの粒子径の大小に関係なく、感光体31b上のトナーは感光体31bとクリーニング部材71の間を往復飛翔しながらクリーニング部材71に吸着される。この時、粒子径の小さいトナーの方がクリーニング部材71への到達時間が長くなる事は上記説明から判断される。
【0073】
以上の結果から、本形態では、上記図4(c)に示すようにDCにACを重畳した電圧をクリーニング部材71に印加し、且つ印加時の極性として(+)極性だけが発生するように設定する。尚、ACの波形形状の設定については後述する。
【0074】
(ACの波形)
上記AC重畳における印加するACの波形について説明する。
【0075】
通常AC重畳のときは代表的なサイン波の印加を行うが、本発明では図6に示すようにサイン波、三角波、矩形波について検証を行った。図6に示す各波形は、何れも印加極性として(+)極性だけが発生するように設定したものである。
【0076】
サイン波(図6(a))は、瞬時、瞬時の電位変化がなだらかで、感光体31b上に付着する残留トナーを感光体31bから剥離・飛翔させるには電位変化が少なく不適当(クリーニング不良が発生する)であることが判明した。また、三角波(図6(b))はサイン波に比較すると若干良好であるが、上記サイン波と同様の理由から部分的なクリーニング不良を招来することが判明した。
【0077】
そして、矩形波(図6(c))については、上記両波形に比較し、数段良好なクリーニングが行われることが判明した。この理由は、矩形波の場合、電位の変移点で急激に電位変動が生じ、感光体31b上に吸着する残存トナーをクリーニング部材71側に剥離・飛翔させることとなるためと判断される。
【0078】
以上の結果から、本形態では、上記図6(c)に示すように重畳するACの波形としては矩形波に設定した。つまり、DCにACを重畳して構成される電圧の波形を矩形波とし、且つ印加時の極性として(+)極性だけが発生するように設定した。
【0079】
(矩形波の印加周波数と印加サイクル)
以下に矩形波の印加とその周波数について記載する。
【0080】
上記のジャンピング現像方式等では、重畳するACの周波数として一般に数100Hz〜数1000Hzとした現像方式を採用している。この理由は、ジャンピング現像では、現像スリーブ上のトナーを感光体31bの現像領域(現像ニップ部)でトナークラウド状態とすると共に、トナークラウドとなったトナーを感光体31bの表面電位(画像情報)に応じて感光体31bへの付着と、現像スリーブへの変換を行うものであり、一定の現像濃度を得るために高周波のACを重畳しトナーの動きを活発化させるためである。
【0081】
しかし、本発明のクリーニング方法にACを重畳する場合には、感光体31b上の残存トナーを一義的にクリーニング部材71に飛翔させれば良く、上記ジャンピング現像のように高周波のACは不要である。すなわち、印加時間に対し、クリーニングされるトナーが吸着される周波数が必要であり、その周波数において、残存トナーがクリーニング部材71に飛翔する事が不可欠である。表1に周波数によるクリーニング性能の相違を明確にするために用いた平行平板での検討結果を示す。
【0082】
この表1における検討条件は、一方の平行平板に飽和帯電量のトナーを0.5mg均一散布し、平板に模擬電圧(−800V)を印加し、対抗平板との空隙距離を0.5mmに設定し、対抗平板には表1の周波数の矩形波で印加電圧の最大電圧は+1500V、最小電圧は+250Vを2秒印加した。
【0083】
【表1】
この結果より、低周波数では、同一電界を印加しても、残存トナーを対抗平板まで飛翔させるに至る電界は発生しないが、大凡、30Hzを超える位から残存トナーをクリーニング可能である事が判明した。また、周波数が150Hzを超えると残存トナーは平行平板からは剥離するが、矩形波のPeak−Peakの間で空隙の間を飛翔し続け、後述の矩形波のOFFタイミングで平行平板に戻る時と、対抗電極にクリーニングされる時とが生じる。また、上記空間で反復飛翔を行っている時に、トナーは完全球体ではない為、飛翔方向が変化し、両平行平板から離脱するトナーが発生する。尚、上記矩形波の周波数として、表1の「クリーニング性能」を考慮すれば、好ましくは50〜100Hzの範囲に設定する。
【0084】
更に、最大電圧と最小電圧の決定は、矩形波の印加中に印加極性が変化しない事と、印加電圧が高すぎた時に発生する気中放電を未然に解決する最大電圧を設定した。具体的には、電圧波形の最大電圧と最小電圧との電圧振幅を1500V/mm以下とし、電圧波形の最大電圧を2000V以下とする。これらの値を超えてしまうと、印加極性の変化や気中放電の発生が懸念されることになる。
【0085】
また、通常クリーニングの印加サイクルは、クリーニングするべき部材(本発明では感光体、光電面、制御電極等々)が固定式である場合と、回転式である場合とでは異なり、本実施形態の感光体31b上の残留トナークリーニング時は感光体31bが回転を始めてから連続した印加が必要であるが、本実施形態に説明しない光誘起帯電の光電面やダイレクトトーニング方式の制御電極等の移動しない部材のクリーニングは上記矩形波の印加サイクルを数サイクル〜10数サイクルとするべきである。すなわち、大量のクリーニングするべきトナーを一度に飛翔させるとトナー同士が衝突する事によってトナーの帯電極性、帯電量の変化が生じることを防止する事と、衝突によってトナーの飛翔方向(クリーニング部材へ向かう方向)が変移し装置の機内飛散等の不具合を解消する為、クリーニングサイクルを分割印加する方がクリーニング効率の向上が図れる。
【0086】
(矩形波のOFFタイミング)
上記対照部材(感光体31b)が固定式の矩形波を印加する残存トナーのクリーニングにおいては、印加した電圧をOFFするタイミングが重要である。すなわち、矩形波のPeak−Peak間でトナーが対照部材に付着する時と、クリーニング部材71に付着するときがある。従って、矩形波の印加OFFタイミングはクリーニング部材71に付着した後にOFFする必要がある。
【0087】
具体的には、矩形波の最大電圧印加中にクリーニング部材71への印加電圧をOFFしたり、矩形波の最大電圧の印加がOFFされて最小電圧に移行するタイミングでクリーニング部材71への印加電圧をOFFする。
【0088】
以上の説明では、本発明要旨を感光体31b上に残存する残留トナーのクリーニング手法として説明したが、本発明のクリーニング電圧を用いることによって残留トナーのクリーニングが容易にでき、更に装置への機内飛散の解消、並びにクリーニング機構の簡素化が可能となる。
【0089】
−その他の実施形態−
上記実施形態では、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を備えた複合機に本発明を適用した場合について説明した。本発明は、これに限らず各機能のうちの少なくとも一つの機能を備えた画像形成機やその他の画像形成機に対して適用することも可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、帯電部材に残留した現像剤を除去するに際し、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧及び最小電圧を、共に同一極性であって現像剤の帯電極性とは逆極性とすることで、現像剤回収部材の極性を常に残留現像剤とは逆極性に保持することを可能とし、現像剤の除去性能を高く維持してクリーニング性能の向上を図ることができる。
【0091】
また、重畳するAC電圧の波形を矩形波とすることによって瞬間時の電位変動を印加電圧に対し極大にし、残留現像剤が付着している帯電部材から剥離し易くし、現像剤回収部材に飛翔する速度を速くすることが可能となり、クリーニング性能の向上、現像剤の機内飛散を防止できる。更に、印加する矩形波の周波数を最適化することにより上記効果を確実に得ることが可能となる。加えて、矩形波の印加サイクルを所定時間の間で分割することで、一度に多量の残留現像剤が飛翔してしまうことがなくなり、クリーニング効率の向上、機内飛散の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複合機の内部構成の概略を示す図である。
【図2】原稿自動給紙部及びその周辺部分を示す概略図である。
【図3】感光体及びクリーニング装置を模式的に示す図である。
【図4】クリーニング部材に印加する電圧波形を示す図である。
【図5】図4に示す各波形の電圧を印加した際のトナーの飛翔状態を模式的に示す図である。
【図6】重畳するAC波形をサイン波、三角波、矩形波とした場合の複合電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1 複合機(画像形成機)
31b 感光体(帯電部材)
5 画像形成用紙(記録媒体)
7 クリーニング装置
71 クリーニング部材(現像剤回収部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ、レーザファクシミリ等に代表される画像形成機において、静電気等によって現像剤(例えばトナー)を付着させる部材(例えば感光体ドラム)から現像剤を除去するためのクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機に係る。特に、本発明は、クリーニング性能の向上を図るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成機における画像形成動作としては、先ず、パーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンと呼ぶ)等のホスト装置から送信された画像データに基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、感光体ドラム上で画像データを顕像化させる。その後、用紙搬送経路を搬送されてきた記録用紙の表面に感光体ドラムからトナー像を転写する。そして、この記録用紙を定着ローラに通過させ、この定着ローラによる加熱及び加圧によってトナー像を記録用紙上に定着させるようにしている。
【0003】
また、上記画像形成動作の1サイクルの終了後、次の画像形成動作に移る際、感光体ドラム上に残留トナーが存在していると画質劣化を招いてしまうため、この種の画像形成機には、画像形成動作の1サイクルの終了時に上記残留トナーを感光体ドラム上から除去するためのクリーニング装置が備えられている。
【0004】
このクリーニング装置におけるクリーニング手法として一般には、(1)メカニカルクリーニング法、(2)磁気クリーニング法、(3)電界クリーニング法が知られている。
【0005】
メカニカルクリーニング法は、ゴムブレード等の弾性部材を感光体ドラムの表面に押し付けることで、この感光体ドラムの表面に付着している現像剤をメカ的に取り除く手法である。この手法は、感光体、光誘起帯電の光電面、ダイレクトトーニング方式の制御電極等に対して適用可能である。
【0006】
例えば下記の特許文献1には、ポリウレタン製のブレードを使用したメカニカルクリーニング法においてゴム硬度等を特定した技術的思想が開示されている。
【0007】
また、磁気クリーニング法及び電界クリーニング法は感光体ドラムの表面に付着している現像剤を吸着除去するものであって、磁気クリーニング法は磁力によって上記吸着力を発生させており、電界クリーニング法は電界を用いて上記吸着力を発生させている。つまり、これら磁気クリーニング法及び電界クリーニング法は、感光体ドラムの表面に付着している現像剤の極性とは逆極性の磁力を利用して現像剤を吸着除去するようにしている。
【0008】
例えば下記の特許文献2には、感光体ドラムに対向配置され且つN極とS極とが同軸で交互に螺旋状に着磁された磁気ネジローラによって現像剤を吸着除去する技術的思想が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−320640号公報
【特許文献2】
特開2000−29364号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したこれまでのクリーニング手法では以下に述べる課題があった。
【0011】
先ず、メカニカルクリーニング法は、設計が容易であって、制御部に負担をかけることがないため、簡単な機構設計で実現することが可能であるが、クリーニングブレード(ゴム等の弾性材料で成るブレード)と感光体等との接触圧力の設定が困難であると共に、感光体や上記光電面に対しては、クリーニングブレードから作用する圧力による削れ現象が問題となっている。例えば、感光体においては、クリーニングブレードによる感光体表面の表面保護層の削れ(一般に「膜ベリ現象」と呼ばれている)が数μm〜10数μm/10000枚(印刷枚数)であるため、この「膜ベリ現象」を考慮した感光体の開発及び設計が必要となるばかりでなく、初期状態で設定した印字品質の経持変化を招いてしまうといった不具合がある。
【0012】
また、磁気クリーニング法及び電界(DC電圧)クリーニング法にあっては、現像剤の帯電量が一定であって且つその粒子径が一定であれば、与える磁界、電界を決定することが可能である。ところが、通常、現像剤の粒子径にはバラツキがあって、帯電した部材(感光体等)と現像剤との静電気的付着量は異なっており、一定の磁界や電界では現像剤が小粒子径であるほどクリーニング性能は低下してしまうことになる。
【0013】
また、電界クリーニング法において上記課題を解決するために、DC電圧に代えてAC電圧を印加する手法も考えられるが、AC成分には(+)極性、(−)極性の両成分があり、クリーニング性能は上記DC電圧を印加する場合に比べて低下してしまう結果となる。
【0014】
このような問題点を解決する手法として、DC電圧にAC電圧を重畳する電界クリーニング方法が提案されている。
【0015】
しかし、ACを重畳する際、従来ではサイン波を用いているのが一般的であるが、この方法では、電界の変化が局部的には微小であり、付着する現像剤を所定距離離れた位置に飛翔させることは困難であった。
【0016】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、DC電圧にAC電圧を重畳する電界クリーニング方法に対し、残留した現像剤の除去を確実に行い、その後の画像形成動作において形成される画像の画質劣化を確実に回避することができるクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明は、付着する現像剤を所定空間を介して除去(クリーニング)するための部材に印加する電圧の絶対値を、付着している現像剤の逆極性で保持しながら、DC成分の電圧にAC成分を重畳しつつ、その印加波形を矩形波とし、ACの周波数を付着現像剤の飽和帯電量と空間距離を基に算出し、更に印加サイクルを印加時間に対し分割した電圧印加を行うことによって、効率良い付着現像剤の除去動作(クリーニング)が行えるようにしている。
【0018】
−解決手段−
具体的には、所定電荷を帯びた帯電部材を備え、帯電した現像剤をこの帯電部材に付着させた後、この現像剤を記録媒体に転写するよう構成された画像形成機において、上記転写後に帯電部材に残留した現像剤を除去するためのクリーニング方法を前提とする。このクリーニング方法に対し、帯電部材に対向配置された現像剤回収部材に対して、現像剤の帯電極性とは逆極性の直流電圧に所定の交流電圧を重畳して成る複合電圧を印加することにより、帯電部材に残留した現像剤を現像剤回収部材に移動させて、帯電部材から現像剤を除去するようにしている。
【0019】
上記直流電圧に交流電圧を重畳して成る複合電圧として具体的には以下のものが掲げられる。つまり、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧及び最小電圧を、共に同一極性であって現像剤の帯電極性とは逆極性とするものである。
【0020】
これによれば、現像剤回収部材の極性を常に残留現像剤とは逆極性に保持することが可能となり、現像剤の除去性能を高く維持することできてクリーニング性能の向上を図ることができる。つまり、上述した従来のクリーニング手法のうちメカニカルクリーニング法では、帯電部材が、画像形成機の感光体であったり、ダイレクトトーニングの電極であったりすると、キズを発生し、感光体の感度低下(印字品位の低下)、電極膜の破損によるリーク等の問題を発生していた。また、従来の磁気クリーニング法や電界クリーニング法では、付着する現像剤の磁力が問題となり、一定のクリーニング性能が得られなかった(付着する現像剤の粒子径は一定ではなく、各々が有する磁力が異なっていることが原因である)。本解決手段によればこれらの不具合を解消でき、高いクリーニング性能を安定的に得ることが可能となる。
【0021】
更に具体的には、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧と最小電圧との電圧振幅を1500V/mm以下としている。尚、この電圧振幅の下限値としては例えば500V/mmである。
【0022】
また、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧を2000V以下としている。尚、この最大電圧の下限値としては例えば500Vである。
【0023】
更に、直流電圧に重畳する交流電圧の周波数を、30〜150Hzの範囲とし、好ましくは50〜100Hzの範囲としている。
【0024】
これらの特定事項により、直流電圧に交流電圧を重畳して得られる複合電圧を具体化することができ、本発明の実用性の向上を図ることができる。
【0025】
また、直流電圧に重畳する交流電圧の波形として具体化には以下のものが掲げられる。つまり、直流電圧に重畳する交流電圧の波形を矩形波とするものである。
【0026】
より具体的には、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加サイクルを数〜数十サイクルとする。例えば、3サイクル〜30サイクルの範囲で設定する。
【0027】
また、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加動作を、1回のクリーニングタイミングにおいてサイクルを複数回に分割して実行する。
【0028】
更に、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加OFFタイミングでは、矩形波の最大電圧印加中に現像剤回収部材への印加電圧をOFFする。
【0029】
また、直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加OFFタイミングでは、矩形波の最大電圧の印加がOFFされて最小電圧に移行するタイミングで現像剤回収部材への印加電圧をOFFする。
【0030】
このように、重畳するAC電圧の波形を矩形波とすることによって瞬間時の電位変動を印加電圧に対し極大にし、残留現像剤が付着している帯電部材から剥離し易くし、現像剤回収部材に飛翔する速度を速くすることが可能となり、クリーニング性能の向上、現像剤の機内飛散を防止できる。また、印加する矩形波の周波数を最適化することにより上記効果を確実に得ることが可能となる。更に矩形波の印加サイクルを所定時間の間で分割することで、一度に多量の残留現像剤が飛翔してしまうことがなくなり、クリーニング効率の向上、機内飛散の低減が図れる。
【0031】
上述したクリーニング方法の用途としては、帯電部材が画像形成機の静電潜像担持体であって、この静電潜像担持体上に残留した現像剤を除去する場合、帯電部材が光誘起帯電方式によって帯電する光電部材であって、この光電部材上に残留した現像剤を除去する場合、帯電部材がダイレクトトーニング方式によって帯電する制御電極部材であって、この制御電極部材上に残留した現像剤を除去する場合が掲げられる。
【0032】
更に、上記各解決手段のうち何れか一つのクリーニング方法によって画像形成機の帯電部材に残留した現像剤を除去するよう構成されているクリーニング装置も本発明の技術的思想の範疇である。
【0033】
また、このクリーニング装置を備え、帯電した現像剤を帯電部材に付着させた後、この現像剤を記録媒体に転写するよう構成された画像形成機も本発明の技術的思想の範疇である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態は、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を備えた複合機に本発明を適用した場合について説明する。
【0035】
−複合機の全体構成の説明−
図1は本形態に係る画像形成機としての複合機1の内部構成の概略を示している。この図1のように、本複合機1は、スキャナ部2、画像形成部としてのプリント部3及び原稿自動給紙部4を備えている。以下、各部について説明する。
【0036】
<スキャナ部2の説明>
スキャナ部2は、透明なガラス等で成る原稿台41上に載置された原稿の画像や原稿自動給紙部4により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って画像データを作成する部分である。このスキャナ部2は、露光光源21、複数の反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子(CCD:Charge Coupled Device)26を備えている。
【0037】
上記露光光源21は、原稿自動給紙部4の原稿台41上に載置された原稿や原稿自動給紙部4を搬送される原稿に対して光を照射するものである。各反射鏡22,23,24は、図1に破線で光路を示すように、原稿からの反射光を一旦図中左方向に反射させた後、下方に反射させ、その後、結像レンズ25に向かうように図中右方向に反射させるようになっている。
【0038】
原稿の画像読取動作として、上記原稿台41上に原稿が載置された場合(「シート固定方式」として使用する場合)には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置と仮想線で示す位置との間を原稿台41に沿って水平方向に走査して、原稿全体の画像を読み取ることになる。一方、原稿自動給紙部4を搬送される原稿を読み取る場合(「シート移動方式」として使用する場合)には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置に固定され、後述する原稿自動給紙部4の原稿読取部42を原稿が通過する際にその画像を読み取ることになる。尚、この原稿読取部42は、後述するプラテンガラス42a、原稿押え板42b、露光光源21、反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子26により構成されている。
【0039】
上記各反射鏡22,23,24で反射されて結像レンズ25を通過した光は光電変換素子26に導かれ、この光電変換素子26において反射光が電気信号(原稿画像データ)に変換されるようになっている。
【0040】
<プリント部3の説明>
プリント部3は、画像形成系31と用紙搬送系32とを備えている。
【0041】
画像形成系31は、レーザスキャニングユニット31a及びドラム型の帯電部材としての感光体31bを備えている。レーザスキャニングユニット31aは、上記光電変換素子26において変換された原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射するものである。感光体31bは、図1中に矢印で示す方向に回転し、レーザスキャニングユニット31aからのレーザ光が照射されることによってその表面に静電潜像が形成されるようになっている。
【0042】
また、感光体31bの外周囲には、上記レーザスキャニングユニット31aの他に、現像装置31c、転写ローラ31d、図示しないクリーニング装置(このクリーニング装置の詳細については図3以降の図面を用いて後述する)、除電器31e、帯電ローラ31fが周方向に亘って順に配設されている。現像装置31cは、感光体31bの表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像に現像するものである。転写ローラ31dは、感光体31bの表面に形成されたトナー像を記録媒体としての画像形成用紙5に転写するものである。クリーニング装置は、トナー転写後において感光体31bの表面に残留したトナーを除去するようになっている。除電器31eは、感光体31bの表面の残留電荷を除去するものである。帯電ローラ31fは、静電潜像が形成される前の感光体31bの表面を所定の電位に帯電させるようになっている。
【0043】
このため、画像形成用紙5に画像を形成する際には、帯電ローラ31fによって感光体31bの表面が所定の電位に帯電され、レーザスキャニングユニット31aが原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射する。その後、現像装置31cが感光体31bの表面にトナーによる可視像を現像し、転写ローラ31dによって、トナー像が画像形成用紙5に転写される。更に、その後、感光体31bの表面に残留したトナーはクリーニング装置によって除去されると共に、感光体31bの表面の残留電荷が除電器31eによって除去される。これにより、画像形成用紙5への画像形成動作(印刷動作)の1サイクルが終了する。このサイクルが繰り返されることにより、複数枚の画像形成用紙5,5,…に対して連続的に画像形成を行うことができるようになっている。
【0044】
一方、用紙搬送系32は、用紙収容部としての用紙カセット33や用紙トレイ34に収容された画像形成用紙5,5,…を1枚ずつ搬送して上記画像形成系31による画像形成を行わせると共に、画像形成された画像形成用紙5を用紙排出部としての排紙トレイ35へ排出するものである。
【0045】
この用紙搬送系32は、主搬送路36と反転搬送路37とを備えている。主搬送路36は、一端が分岐されて用紙カセット33及び用紙トレイ34の排出側にそれぞれ対向していると共に他端が排紙トレイ35に対向している。反転搬送路37は、一端が転写ローラ31dの配設位置よりも上流側(図中下側)で主搬送路36に繋がっていると共に、他端が転写ローラ31dの配設位置よりも下流側(図中上側)で主搬送路36に繋がっている。
【0046】
主搬送路36の上流端(用紙カセット33や用紙トレイ34の排出側に対向する部分)には断面が半円状のピックアップローラ36a,36aが配設されている。このピックアップローラ36a,36aの直下流側には給紙ローラ36b,36bが配設されている。このピックアップローラ36a及び給紙ローラ36bの回転により、用紙カセット33または用紙トレイ34に収容されている画像形成用紙5,5,…を1枚ずつ間欠的に主搬送路36に給紙できるようになっている。
【0047】
この主搬送路36における転写ローラ31dの配設位置よりも上流側には、画像形成用紙5の通過を検知するためのレジスト検知スイッチ36c及びレジストローラ36d,36dがそれぞれ配設されている。このレジストローラ36d,36dは、感光体31b表面のトナー像と画像形成用紙5との位置合わせを行いながら画像形成用紙5を搬送するものである。主搬送路36における転写ローラ31dの配設位置よりも下流側には、画像形成用紙5に転写されたトナー像を加熱により定着させるための一対の定着ローラ36e,36e及び画像形成用紙5が定着ローラ36e,36eを通過したことを検知するための定着検知スイッチ36fがそれぞれ配設されている。主搬送路36の下流端には、画像形成用紙5を排紙トレイ35に排紙するための一対の排紙ローラ36g,36g及び画像形成用紙5の排紙を検知するための排紙検知スイッチ36hがそれぞれ配設されている。
【0048】
主搬送路36に対する反転搬送路37の上流端の接続位置には分岐爪38が配設されている。この分岐爪38は、図1に実線で示す第1位置と仮想線で示す第2位置との間で水平軸回りに回動自在となっている。この分岐爪38が第1位置にあるときには画像形成用紙5が排紙トレイ35へ排紙され、第2位置にあるときには画像形成用紙5が反転搬送路37へ供給されるようになっている。反転搬送路37の複数箇所には搬送ローラ37a,37a,…が配設されており、画像形成用紙5が反転搬送路37に供給された場合(所謂スイッチバック搬送により画像形成用紙5が反転搬送路37に供給された場合)には、これら搬送ローラ37a,37a,…によって画像形成用紙5が搬送され、レジストローラ36dの上流側で画像形成用紙5が反転されて再び転写ローラ31dに向かって主搬送路36を搬送されるようになっている。つまり、画像形成用紙5の裏面に対して画像形成が行えるようになっている。
【0049】
<原稿自動給紙部4の説明>
次に、原稿自動給紙部4について説明する。この原稿自動給紙部4は、所謂自動両面原稿搬送装置として構成されている。図2は、本原稿自動給紙部4及びその周辺部分を示す概略図である。この原稿自動給紙部4は、シート移動式として使用可能であって、原稿載置部としての原稿トレイ43、中間トレイ44、原稿排出部としての原稿排紙トレイ45及び各トレイ43,44,45間で原稿を搬送する原稿搬送系46を備えている。
【0050】
上記原稿搬送系46は、原稿トレイ43に載置された原稿6,6,…を、原稿読取部42を経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ搬送するための主搬送路47と、中間トレイ44上の原稿6を主搬送路47に供給するための副搬送路48とを備えている。
【0051】
主搬送路47の上流端(原稿トレイ43の排出側に対向する部分)には原稿ピックアップローラ47a及び捌きローラ47bが配設されている。捌きローラ47bの下側には捌き板47cが配設されており、原稿ピックアップローラ47aの回転に伴って原稿トレイ43上の原稿6,6,…のうちの1枚がこの捌きローラ47bと捌き板47cとの間を通過して主搬送路47に給紙されるようになっている。主搬送路47と副搬送路48との合流部分(図中A部分)には原稿6の通過を検知するための原稿入紙センサ47dが配設されている。更に、この原稿入紙センサ47dの配設位置よりも下流側にはPSローラ47e,47eが配設されている。このPSローラ47e,47eは、原稿6の先端とスキャナ部2の画像読取タイミングとを調整して原稿6を原稿読取部42に供給するものである。つまり、このPSローラ47e,47eは原稿6が供給された状態でその原稿6の搬送を一旦停止し、上記タイミングを調整して原稿6を原稿読取部42に供給するようになっている。
【0052】
原稿読取部42は、プラテンガラス42aと原稿押え板42bとを備え、PSローラ47e,47eから供給された原稿6がプラテンガラス42aと原稿押え板42bとの間を通過する際に、上記露光光源21からの光がプラテンガラス42aを通過して原稿6に照射されるようになっている。この際、上記スキャナ部2による原稿画像データの取得が行われる。上記原稿押え板42bの背面(上面)にはコイルスプリング42cによる付勢力が付与されている。これにより、原稿押え板42bがプラテンガラス42aに対して所定の押圧力をもって接触しており、原稿6が原稿読取部42を通過する際にプラテンガラス42aから浮き上がることを阻止している。
【0053】
プラテンガラス42aの下流側には、搬送ローラ47f及び原稿排紙ローラ47gが備えられている。プラテンガラス42a上を通過した原稿6が搬送ローラ47f及び原稿排紙ローラ47gを経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ排紙される構成となっている。尚、上記各ローラ47e,47f,47gのうち図2中で回転方向に矢印を付したものが駆動ローラであって、それに接触するローラが従動ローラとなっている。
【0054】
原稿排紙ローラ47gと中間トレイ44との間には中間トレイ揺動板44aが配設されている。この中間トレイ揺動板44aは、中間トレイ44側の端部が揺動中心とされて、図2に実線で示すポジション1と仮想線で示すポジション2との間で揺動可能となっている。中間トレイ揺動板44aがポジション1にある場合には原稿排紙ローラ47g,47gから排紙された原稿6は原稿排紙トレイ45へ回収される。一方、中間トレイ揺動板44aがポジション2にある場合には原稿排紙ローラ47g,47gから排紙された原稿6は中間トレイ44へ排出されるようになっている。この中間トレイ44への排紙時には、図2に仮想線で示すように、原稿6の端縁(図中の右端縁)が原稿排紙ローラ47g,47g間に挟持された状態となっており、この状態から原稿排紙ローラ47gが逆回転することによって原稿6が副搬送路48に供給され、この副搬送路48を経て再び主搬送路47に送り出されるようになっている。この原稿排紙ローラ47gの逆回転動作は、主搬送路47への原稿6の送り出しと画像読取タイミングとを調整して行われる。これにより、原稿6の裏面の画像が原稿読取部42によって読み取られるようになっている。
【0055】
また、主搬送路47の上流端(原稿トレイ43における図2中の右端近傍位置)には、原稿トレイ43上に原稿6が存在するか否かを検知するための原稿検知センサ4Aが設けられている。また、主搬送路47の下流端近傍位置であって、副搬送路48との分岐部分(図中B部分)付近には、この主搬送路47を搬送される原稿6の先端(搬送方向の下流側端縁)が通過したことを検知可能な原稿先端検知センサ4Bが設けられている。
【0056】
−複合機の動作説明−
以上の如く構成された複合機1の動作として、先ず、本複合機1が、プリンタとして機能する場合には、パーソナルコンピュータ等のホスト装置から送信された印刷データ(イメージデータやテキストデータ)を受信し、この受信した印刷データ(プリントデータ)を図示しないバッファ(メモリ)に一旦格納していく。このバッファへのプリントデータの格納と共に、バッファからのプリントデータの読み出しを順次行って、この読み出したプリントデータに基づき、上述したプリント部3の画像形成動作により画像形成用紙5に画像形成が行われる。
【0057】
また、本複合機1がスキャナとして機能する場合には、上記スキャナ部2によって読み取った原稿のスキャン画像データをバッファに一旦格納していく。このバッファへのスキャン画像データの格納と共に、バッファからホスト装置へのスキャン画像データの送信を順次行って、このホスト装置のディスプレイ等に画像表示する。
【0058】
更に、本複合機1が複写機として機能する場合には、上記スキャナ機能によって読み取った原稿画像データに基づきプリント部3の画像形成動作によって画像形成用紙5に画像形成が行われることになる。
【0059】
−クリーニング装置の説明−
次に、本形態の特徴とする部分であるクリーニング装置(感光体31bの表面に残留したトナーを除去するための装置)及びクリーニング方法について説明する。尚、ここでは感光体31b上の残留トナーの除去(クリーニング)について説明するが、本発明の要旨を利用すれば、画像形成機の感光体31b以外の部位にも応用可能である。例えば光誘起帯電方式の現像槽における光電面のクリーニング、ダイレクトトーニング方式の制御電極のクリーニング等にも適用することができる。
【0060】
図3は、感光体31b及びクリーニング装置7を模式的に示す図である。この図では、感光体31bが図中時計回り方向に回転し、画像形成用紙5が水平搬送される場合について示している。また、図1に示したものと同じ部材については同じ符号を付している。
【0061】
この図3では、転写工程終了後の感光体31bに近接した位置にローラ形状の現像剤回収部材としてのクリーニング部材71が配置されていて、そのクリーニング部材71には後述の条件で電圧が印加されている。具体的には、このクリーニング部材71には直流電源DC及び交流電源ACが直列状態で接続されており、これによって直流電圧に交流電圧を重畳することで得られる複合電圧がクリーニング部材71に印加されるようになっている。
【0062】
尚、クリーニング部材71の長さ寸法(図3における紙面に直交する方向の寸法)は感光体31bの長さ寸法に略一致しており、この感光体31bの全体に亘って残留トナーを除去することが可能な構成となっている。
【0063】
感光体31b上の残留トナー(現像剤)をクリーニング部材71に向けて飛翔させてクリーニングすると、感光体31bは、次工程の帯電工程に進み、次印刷に寄与することとなる。クリーニング動作によって感光体31bから除去された残留トナーは、クリーニング部材71の回転によって、感光体31bとは異なる方向(図中の左側)で、クリーニング部材71に当接するブレード(清掃部材)72で回収され、これによってクリーニング部材71は常に新鮮な(表面が清浄された)状態で感光体31b上の残留トナーのクリーニングが可能な状態に保たれる。尚、図3における73は廃トナー回収容器であり、74は廃トナーを図3における紙面に直交する方向に搬送するためのトナー搬送スクリューである。
【0064】
また、感光体31bとクリーニング部材71の空間距離(図中における寸法X)は、感光体31bへの帯電工程での印加電圧および感光体31bの感光層の破壊電圧とクリーニング電位の関係によって設定されるが、通常は1mm未満で、0.2〜0.5mmの範囲に設定されることが望ましい。
【0065】
<クリーニング用電位>
次に、クリーニング部材71の電位について詳細に説明する。
【0066】
(印加する電圧の種類)
帯電した残留トナーの極性とは逆極性の電圧をクリーニング部材71に印加する必要がある。図3に示す本形態のものでは、残留トナーの帯電極性は(−)極性であるため、クリーニング部材71には(+)極性の電圧が与えられることになる。
【0067】
この時、単純にDC電圧のみを印加すると、印加するスタート時には0Vとの電位ギャップが生じてトナーが良好に飛翔することとなるが、継続して電圧印加を行ったときは、感光体31bの表面電位(本実施例では概ね−800V)とトナーの飽和帯電量(20〜30μC/g)の関係で感光体31bに吸着されている残留トナーを引き剥がすクリーニング電位が必要となり、本実施例の場合は少なくとも+800V以上の高い電圧印加が必要となってしまう。このような感光体31bの帯電極性と逆極性で強い電圧をクリーニング部材71に印加すると、感光体31bの(+)極性メモリ(印字では地肌カブリの発生)が招来し、印字品位の低下、若しくは感光体の感光層の破壊を招来する事となる。
【0068】
この点に鑑み、本実施形態では以下のプロセスによってクリーニング部材71に与えるべき電圧を設定し、印加するクリーニング電圧を低くしながら効率の良いクリーニング性能が得られるようにしている。
【0069】
(ACの重畳方法)
通常上記のような問題が発生する時は、DC成分の印加に対しAC電圧を重畳する手法が現像方式のジャンピング現像等で多く採用されている。本形態においても、低電位で、効率良くクリーニングするためにはDC+ACの検討を行い以下の結果を得た。
【0070】
図4にはDCにACを重畳した時の電圧の極性を示している。図4(a)は単純にAC電圧のみを印加した状態であり印加時の極性は(+)極性、(−)極性が同一レベルで発生している。このとき、感光体31b上のトナーは、図5(a)に示すように(この図5は感光体31bとクリーニング部材71のと間における残留トナーの飛翔状態を模式的に示している)、感光体31bとクリーニング部材71の間を往復飛翔するに過ぎず、感光体31bのクリーニングは殆ど行われず次工程の帯電部に残留トナーが搬送され、帯電不良、印字不良を招来してしまう。
【0071】
次に、図4(b)はDCにACを重畳した電圧を印加した状態であり、印加時の極性は(+)極性、(−)極性が発生しており、図4(a)に比較し(−)極性での印加が少なくなっている。この時、感光体31b上のトナーは図5(b)に示すように、感光体31bとクリーニング部材71の間を往復飛翔し、粒子径の大きいトナー(一般的に単位表面積当りの電荷量は小さい)は飛翔しつつクリーニング部材71に吸着されるが、粒子径の小さいトナー(一般的に単位表面積当りの電荷量は大きい)は感光体31bの表面電位に吸着されることとなり、感光体31bのクリーニングにムラが発生してしまう。
【0072】
そして、図4(c)はDCにACを重畳した電圧を印加した状態であり、印加時の極性は(+)極性だけが発生しており、(−)極性の印加をなくした状態である。この時、感光体31b上のトナーは図5(c)に示すように、トナーの粒子径の大小に関係なく、感光体31b上のトナーは感光体31bとクリーニング部材71の間を往復飛翔しながらクリーニング部材71に吸着される。この時、粒子径の小さいトナーの方がクリーニング部材71への到達時間が長くなる事は上記説明から判断される。
【0073】
以上の結果から、本形態では、上記図4(c)に示すようにDCにACを重畳した電圧をクリーニング部材71に印加し、且つ印加時の極性として(+)極性だけが発生するように設定する。尚、ACの波形形状の設定については後述する。
【0074】
(ACの波形)
上記AC重畳における印加するACの波形について説明する。
【0075】
通常AC重畳のときは代表的なサイン波の印加を行うが、本発明では図6に示すようにサイン波、三角波、矩形波について検証を行った。図6に示す各波形は、何れも印加極性として(+)極性だけが発生するように設定したものである。
【0076】
サイン波(図6(a))は、瞬時、瞬時の電位変化がなだらかで、感光体31b上に付着する残留トナーを感光体31bから剥離・飛翔させるには電位変化が少なく不適当(クリーニング不良が発生する)であることが判明した。また、三角波(図6(b))はサイン波に比較すると若干良好であるが、上記サイン波と同様の理由から部分的なクリーニング不良を招来することが判明した。
【0077】
そして、矩形波(図6(c))については、上記両波形に比較し、数段良好なクリーニングが行われることが判明した。この理由は、矩形波の場合、電位の変移点で急激に電位変動が生じ、感光体31b上に吸着する残存トナーをクリーニング部材71側に剥離・飛翔させることとなるためと判断される。
【0078】
以上の結果から、本形態では、上記図6(c)に示すように重畳するACの波形としては矩形波に設定した。つまり、DCにACを重畳して構成される電圧の波形を矩形波とし、且つ印加時の極性として(+)極性だけが発生するように設定した。
【0079】
(矩形波の印加周波数と印加サイクル)
以下に矩形波の印加とその周波数について記載する。
【0080】
上記のジャンピング現像方式等では、重畳するACの周波数として一般に数100Hz〜数1000Hzとした現像方式を採用している。この理由は、ジャンピング現像では、現像スリーブ上のトナーを感光体31bの現像領域(現像ニップ部)でトナークラウド状態とすると共に、トナークラウドとなったトナーを感光体31bの表面電位(画像情報)に応じて感光体31bへの付着と、現像スリーブへの変換を行うものであり、一定の現像濃度を得るために高周波のACを重畳しトナーの動きを活発化させるためである。
【0081】
しかし、本発明のクリーニング方法にACを重畳する場合には、感光体31b上の残存トナーを一義的にクリーニング部材71に飛翔させれば良く、上記ジャンピング現像のように高周波のACは不要である。すなわち、印加時間に対し、クリーニングされるトナーが吸着される周波数が必要であり、その周波数において、残存トナーがクリーニング部材71に飛翔する事が不可欠である。表1に周波数によるクリーニング性能の相違を明確にするために用いた平行平板での検討結果を示す。
【0082】
この表1における検討条件は、一方の平行平板に飽和帯電量のトナーを0.5mg均一散布し、平板に模擬電圧(−800V)を印加し、対抗平板との空隙距離を0.5mmに設定し、対抗平板には表1の周波数の矩形波で印加電圧の最大電圧は+1500V、最小電圧は+250Vを2秒印加した。
【0083】
【表1】
この結果より、低周波数では、同一電界を印加しても、残存トナーを対抗平板まで飛翔させるに至る電界は発生しないが、大凡、30Hzを超える位から残存トナーをクリーニング可能である事が判明した。また、周波数が150Hzを超えると残存トナーは平行平板からは剥離するが、矩形波のPeak−Peakの間で空隙の間を飛翔し続け、後述の矩形波のOFFタイミングで平行平板に戻る時と、対抗電極にクリーニングされる時とが生じる。また、上記空間で反復飛翔を行っている時に、トナーは完全球体ではない為、飛翔方向が変化し、両平行平板から離脱するトナーが発生する。尚、上記矩形波の周波数として、表1の「クリーニング性能」を考慮すれば、好ましくは50〜100Hzの範囲に設定する。
【0084】
更に、最大電圧と最小電圧の決定は、矩形波の印加中に印加極性が変化しない事と、印加電圧が高すぎた時に発生する気中放電を未然に解決する最大電圧を設定した。具体的には、電圧波形の最大電圧と最小電圧との電圧振幅を1500V/mm以下とし、電圧波形の最大電圧を2000V以下とする。これらの値を超えてしまうと、印加極性の変化や気中放電の発生が懸念されることになる。
【0085】
また、通常クリーニングの印加サイクルは、クリーニングするべき部材(本発明では感光体、光電面、制御電極等々)が固定式である場合と、回転式である場合とでは異なり、本実施形態の感光体31b上の残留トナークリーニング時は感光体31bが回転を始めてから連続した印加が必要であるが、本実施形態に説明しない光誘起帯電の光電面やダイレクトトーニング方式の制御電極等の移動しない部材のクリーニングは上記矩形波の印加サイクルを数サイクル〜10数サイクルとするべきである。すなわち、大量のクリーニングするべきトナーを一度に飛翔させるとトナー同士が衝突する事によってトナーの帯電極性、帯電量の変化が生じることを防止する事と、衝突によってトナーの飛翔方向(クリーニング部材へ向かう方向)が変移し装置の機内飛散等の不具合を解消する為、クリーニングサイクルを分割印加する方がクリーニング効率の向上が図れる。
【0086】
(矩形波のOFFタイミング)
上記対照部材(感光体31b)が固定式の矩形波を印加する残存トナーのクリーニングにおいては、印加した電圧をOFFするタイミングが重要である。すなわち、矩形波のPeak−Peak間でトナーが対照部材に付着する時と、クリーニング部材71に付着するときがある。従って、矩形波の印加OFFタイミングはクリーニング部材71に付着した後にOFFする必要がある。
【0087】
具体的には、矩形波の最大電圧印加中にクリーニング部材71への印加電圧をOFFしたり、矩形波の最大電圧の印加がOFFされて最小電圧に移行するタイミングでクリーニング部材71への印加電圧をOFFする。
【0088】
以上の説明では、本発明要旨を感光体31b上に残存する残留トナーのクリーニング手法として説明したが、本発明のクリーニング電圧を用いることによって残留トナーのクリーニングが容易にでき、更に装置への機内飛散の解消、並びにクリーニング機構の簡素化が可能となる。
【0089】
−その他の実施形態−
上記実施形態では、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を備えた複合機に本発明を適用した場合について説明した。本発明は、これに限らず各機能のうちの少なくとも一つの機能を備えた画像形成機やその他の画像形成機に対して適用することも可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、帯電部材に残留した現像剤を除去するに際し、現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧及び最小電圧を、共に同一極性であって現像剤の帯電極性とは逆極性とすることで、現像剤回収部材の極性を常に残留現像剤とは逆極性に保持することを可能とし、現像剤の除去性能を高く維持してクリーニング性能の向上を図ることができる。
【0091】
また、重畳するAC電圧の波形を矩形波とすることによって瞬間時の電位変動を印加電圧に対し極大にし、残留現像剤が付着している帯電部材から剥離し易くし、現像剤回収部材に飛翔する速度を速くすることが可能となり、クリーニング性能の向上、現像剤の機内飛散を防止できる。更に、印加する矩形波の周波数を最適化することにより上記効果を確実に得ることが可能となる。加えて、矩形波の印加サイクルを所定時間の間で分割することで、一度に多量の残留現像剤が飛翔してしまうことがなくなり、クリーニング効率の向上、機内飛散の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複合機の内部構成の概略を示す図である。
【図2】原稿自動給紙部及びその周辺部分を示す概略図である。
【図3】感光体及びクリーニング装置を模式的に示す図である。
【図4】クリーニング部材に印加する電圧波形を示す図である。
【図5】図4に示す各波形の電圧を印加した際のトナーの飛翔状態を模式的に示す図である。
【図6】重畳するAC波形をサイン波、三角波、矩形波とした場合の複合電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1 複合機(画像形成機)
31b 感光体(帯電部材)
5 画像形成用紙(記録媒体)
7 クリーニング装置
71 クリーニング部材(現像剤回収部材)
Claims (15)
- 所定電荷を帯びた帯電部材を備え、帯電した現像剤をこの帯電部材に付着させた後、この現像剤を記録媒体に転写するよう構成された画像形成機において、上記転写後に帯電部材に残留した現像剤を除去するためのクリーニング方法であって、
上記帯電部材に対向配置された現像剤回収部材に対して、上記現像剤の帯電極性とは逆極性の直流電圧に所定の交流電圧を重畳して成る複合電圧を印加することにより、帯電部材に残留した現像剤を現像剤回収部材に移動させて、帯電部材から現像剤を除去することを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項1記載のクリーニング方法において、
現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧及び最小電圧を、共に同一極性であって現像剤の帯電極性とは逆極性とすることを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項1または2記載のクリーニング方法において、
現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧と最小電圧との電圧振幅を1500V/mm以下とすることを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項1,2または3記載のクリーニング方法において、
現像剤回収部材に対して印加する電圧波形の最大電圧を2000V以下とすることを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項1〜4のうち何れか一つに記載のクリーニング方法において、
直流電圧に重畳する交流電圧の周波数を、30〜150Hzの範囲とし、好ましくは50〜100Hzの範囲とすることを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項1〜5のうち何れか一つに記載のクリーニング方法において、
直流電圧に重畳する交流電圧の波形を矩形波とすることを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項6記載のクリーニング方法において、
直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加サイクルを数〜数十サイクルとすることを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項6または7記載のクリーニング方法において、
直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加動作を、1回のクリーニングタイミングにおいてサイクルを複数回に分割して実行することを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項6、7または8記載のクリーニング方法において、
直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加OFFタイミングでは、矩形波の最大電圧印加中に現像剤回収部材への印加電圧をOFFすることを特徴とするクリーニング方法。 - 請求項6、7または8記載のクリーニング方法において、
直流電圧に重畳する交流電圧の矩形波の印加OFFタイミングでは、矩形波の最大電圧の印加がOFFされて最小電圧に移行するタイミングで現像剤回収部材への印加電圧をOFFすることを特徴とするクリーニング方法。 - 帯電部材は、画像形成機の静電潜像担持体であって、
この静電潜像担持体上に残留した現像剤を、上記請求項1〜6、9、10のうち何れか一つに記載の方法によって除去することを特徴とするクリーニング方法。 - 帯電部材は、光誘起帯電方式によって帯電する光電部材であって、
この光電部材上に残留した現像剤を、上記請求項1〜10のうち何れか一つに記載の方法によって除去することを特徴とするクリーニング方法。 - 帯電部材は、ダイレクトトーニング方式によって帯電する制御電極部材であって、
この制御電極部材上に残留した現像剤を、上記請求項1〜10のうち何れか一つに記載の方法によって除去することを特徴とするクリーニング方法。 - 画像形成機の帯電部材に残留した現像剤を、上記請求項1〜10のうち何れか一つに記載のクリーニング方法によって除去するよう構成されていることを特徴とするクリーニング装置。
- 上記請求項14に記載のクリーニング装置を備え、帯電した現像剤を帯電部材に付着させた後、この現像剤を記録媒体に転写するよう構成されていることを特徴とする画像形成機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003020545A JP2004233529A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 帯電部材のクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003020545A JP2004233529A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 帯電部材のクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004233529A true JP2004233529A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32950155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003020545A Pending JP2004233529A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 帯電部材のクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004233529A (ja) |
-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020545A patent/JP2004233529A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2015011046A (ja) | 画像形成装置 | |
US7792473B2 (en) | Development apparatus and image forming apparatus | |
JPH05224541A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2001175142A (ja) | 感光体ベルトの非像形成表面から粒子を除去する装置 | |
JP2005157374A (ja) | 二重極性静電ブラシクリーナ | |
JP2004157216A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2007279449A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2006078853A (ja) | クリーニング装置及び画像形成装置 | |
JP2005257779A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2004233529A (ja) | 帯電部材のクリーニング方法及びクリーニング装置並びにこのクリーニング装置を備えた画像形成機 | |
JP5124546B2 (ja) | 画像形成装置のクリーニング装置及び画像形成装置 | |
JP3698285B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4334275B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2000155511A (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、中間転写装置、及び、転写方法 | |
JPH11202709A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH11249428A (ja) | 現像装置 | |
JPH1195493A (ja) | 画像複写装置 | |
JP2005114757A (ja) | 用紙剥離爪 | |
JP2005202115A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3783474B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2008281867A (ja) | 現像装置及び画像形成装置 | |
JP2003295629A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2006154332A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH07117889A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH11258919A (ja) | 画像形成装置 |