JP2004233451A - 原稿搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の両面原稿の搬送効率を向上させる。
【解決手段】原稿搬送装置は、正逆転可能なローラR7,R8が読取窓204の下流に配置され、読取搬送部206からローラ対R7に搬送するかローラ対R8に搬送するかを切替える切替部212と、ローラ対R8で反転された原稿を読取搬送部206に搬送する搬送経路214と、ローラ対R7で反転された原稿をローラ対R8に搬送する搬送経路216とを備える。そして、ローラ対R8は、搬送経路216により搬送された先の原稿と、読取搬送部206から搬送された後の原稿との少なくとも一部を重ねて同一方向に搬送して先の原稿を排紙トレイ16に排紙した後、後の原稿の搬送方向を反転させる。ローラ対R8だけで、先の原稿の排紙トレイ16への排紙と、後の原稿の反転とを行うので、先の原稿と後の原稿を搬送する間隔を短くすることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】原稿搬送装置は、正逆転可能なローラR7,R8が読取窓204の下流に配置され、読取搬送部206からローラ対R7に搬送するかローラ対R8に搬送するかを切替える切替部212と、ローラ対R8で反転された原稿を読取搬送部206に搬送する搬送経路214と、ローラ対R7で反転された原稿をローラ対R8に搬送する搬送経路216とを備える。そして、ローラ対R8は、搬送経路216により搬送された先の原稿と、読取搬送部206から搬送された後の原稿との少なくとも一部を重ねて同一方向に搬送して先の原稿を排紙トレイ16に排紙した後、後の原稿の搬送方向を反転させる。ローラ対R8だけで、先の原稿の排紙トレイ16への排紙と、後の原稿の反転とを行うので、先の原稿と後の原稿を搬送する間隔を短くすることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿搬送装置に関し、特に、複写機またはスキャナ等に設置され、画像読取部に原稿を搬送し、読取られた原稿を排出する原稿搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機は、画像読取部に複数枚の原稿を自動的に供給し、読取った原稿を排出する原稿搬送装置を備えている。この原稿搬送装置は、表面と裏面の両面に画像を有する両面原稿を搬送する場合は、原稿の片方の面を画像読取部で読取可能に搬送した後、片方の面が読取られた原稿の他方の面を画像読取部で読取可能に搬送する。
【0003】
この両面原稿を搬送するための最も簡素な構成は、原稿の搬送方向を逆にする原稿反転部を画像読取部の搬送方向の下流側に1つ設け、原稿反転部で反転された原稿を画像読取部に同じ方向で供給するための搬送経路を設けたものである。
画像読取部に搬送された原稿は、片方の面が読取られた後、原稿反転部で搬送方向が反転されて搬送経路を経て画像読取部に供給されると、原稿の他方の面が画像読取部で読取り可能になる。その後、複数の原稿の頁順を合わせるために、他方の面が画像読取部で読取られた原稿は、原稿反転部で再び反転されて、搬送経路および画像読取部を経て原稿反転部に搬送され、原稿反転部から排紙される。
【0004】
このように原稿搬送装置では、両面原稿を搬送する場合には、原稿の裏面を画像読取部で読取可能とするために原稿を反転させる搬送と、複数の原稿の頁順を合わせて排紙するために原稿を反転させる搬送とが必要となる。
【0005】
従来の原稿搬送装置は、原稿を反転させて搬送するごとに画像読取部を通過させるため、画像読取部を3回通過させることになる。このため、原稿の搬送距離が長くなること、また、1つの原稿を排紙するまで次の原稿を搬送することができないことなどから搬送効率が悪いといった問題があった。
【0006】
搬送効率を向上させるために、原稿反転部で2枚の原稿を互いに逆方向に搬送する原稿搬送装置が、特開平8−123103号(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載の原稿搬送装置では、両面原稿の表面を読取った後、原稿の裏面を読み取るために原稿を反転する反転原稿搬入装置(原稿反転部)を有している。この反転原稿搬入装置は、頁順を合わせて排出トレイに排出するために、裏面が読取られた両面原稿を再度反転する。この原稿を再度反転する際に、表面が読取られた両面原稿を同時に反転する。このため、原稿が画像読取部を2回通過する搬送経路とすることができ、搬送経路を短くすることができる。また、搬送経路に2つの原稿を同時に供給するので、2つの両面原稿の原稿間隔を狭めて搬送することができ、搬送効率を向上させている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−123103号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の原稿搬送装置は、表面が読取られた原稿と表面および裏面が読取られた原稿とを、反転原稿搬入装置で互いに異なった方向に搬送している。このため、原稿の画像面が他方の原稿と擦り合わさって搬送されるので、スミアが発生するといった問題がある。特に、原稿の画像面が、鉛筆等で描かれた場合には、原稿の画像面にスミアが発生する場合が多い。
【0009】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、複数の両面原稿の搬送効率を向上させた原稿搬送装置を提供することである。
【0010】
この発明の他の目的は、両面原稿の画像面にスミアが発生するのを防止した原稿搬送装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、複数枚の両面原稿をセットできる給紙トレイと、原稿の片面を外部から読取り可能とする読取窓を有する読取搬送部と、原稿を給紙トレイから読取搬送部に給紙する給紙部と、原稿が排紙される排紙トレイと、読取窓の下流に位置し正逆転可能なローラを含む第1の反転手段と、読取窓の下流に位置し正逆転可能なローラを含む第2の反転手段と、原稿を読取窓から第1の反転手段に搬送するか第2の反転手段に搬送するかを切替える切替手段と、第1の反転手段で反転された原稿を読取搬送部に搬送する第1の搬送経路と、第2の反転手段で反転された原稿を第1の反転手段に搬送する第2の搬送経路とを備え、第1の反転手段は、第2の搬送経路により搬送された先の原稿と、読取搬送部から搬送された後の原稿との少なくとも一部を重ねて同一方向に搬送し、先の原稿を排紙トレイに排紙した後、後の原稿の搬送方向を反転させる。
【0012】
この発明に従えば、第2の搬送経路により搬送された先の原稿と、読取搬送部から搬送された後の原稿との少なくとも一部を重ねて同一方向に搬送して先の原稿を排紙トレイに排紙した後、後の原稿の搬送方向を反転させる。第1の反転手段だけで、先の原稿の排紙トレイへの排紙と、後の原稿の反転とを行うので、先の原稿と後の原稿を搬送する間隔を短くすることができる。その結果、複数の両面原稿の搬送効率を向上させることが可能な原稿搬送装置を提供することができる。また、第1の反転手段では、先の原稿と後の原稿とを重ねて同一方向に搬送するため、重ねて搬送される先の原稿と後の原稿に画像面が擦れ合うのを防止することができる。その結果、両面原稿の画像面にスミアが発生するのを防止した原稿搬送装置を提供することができる。
【0013】
好ましくは、給紙トレイと排紙トレイとは、上下に配置され、第1の反転手段は、第2の反転手段よりも給紙トレイ側に配置される。
【0014】
この発明に従えば、給紙トレイと排紙トレイとが上下に配置され、第1の反転手段が、第2の反転手段よりも給紙トレイ側に配置されるので、原稿搬送装置が水平方向に大きくなることがなく小型化することができるとともに、切替手段、第1の搬送経路および第2の搬送経路の配置が容易となり原稿の搬送経路を短くすることができる。
【0015】
好ましくは、読取搬送部は、原稿の進入口に原稿の有無を検出するための第1のセンサーを含み、給紙部は、第1のセンサの出力が第1の搬送経路により搬送された先の原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて後の原稿の搬送を開始し、給紙部が搬送を開始する原稿の先端位置とセンサーとの間の距離L1と、切替手段と第2の反転手段との間の距離L2と、切替手段と第1の反転手段との間の距離L3と、第1の反転手段と第2の反転手段との間の距離L4とが、L2+L4<L1+L3の関係式を満たす位置に、先端位置、第1のセンサ、切替手段、第1の反転手段および第2の反転手段を配置した。
【0016】
この発明に従えば、給紙部は、第1のセンサーの出力が第1の搬送経路により搬送された先の原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて後の原稿の搬送を開始し、L2+L4<L1+L3の関係式を満たす位置に、先端位置、第1のセンサ、切替手段、第1の反転手段および第2の反転手段が配置される。このため、先の原稿が後の原稿より早く第1の反転手段に搬送される。その結果、先の原稿だけを確実に排紙トレイに排紙することができる。
【0017】
好ましくは、第1の反転手段は、ローラから第1の搬送路側に距離L5だけ離れた位置に原稿の有無を検出するための第2のセンサを含み、第1の反転手段は、第2のセンサの出力が原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じてローラを反転し、L5<(L1+L3)−(L2+L4)の関係式を満たす位置に第2のセンサを配置した。
【0018】
この発明に従えば、第1の反転手段は、ローラから第1の搬送路側に距離L5だけ離れた位置に配置された第2のセンサの出力が原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じてローラを反転し、L5<(L1+L3)−(L2+L4)の関係式を満たす位置に、第2のセンサを配置する。このため、排紙するための先の原稿を、反転するための後の原稿よりも距離L5を超える距離だけ先に第1の反転手段に搬送することができる。その結果、第1の反転手段により、先の原稿を排紙トレイに排紙するとともに、後の原稿を反転することができる。
【0019】
好ましくは、給紙部は、第1の搬送経路により搬送された先の原稿の全てが読取搬送部に進入してから所定の時間経過した後に、後の原稿を読取搬送部に搬送する。
【0020】
この発明に従えば、給紙部は、第1の搬送経路により搬送された先の原稿の全てが読取搬送部に進入してから所定の時間経過した後に、後の原稿を読取搬送部に搬送する。先の原稿と後の原稿とが搬送される際の間隔が所定の時間に応じた距離となる。このため、所定の時間を設定することにより、先の原稿と後の原稿とが第1の反転手段に搬送されるタイミングを設定することができる。その結果、先の原稿を後の原稿よりも先に第1の反転手段に搬送させることができ、先の原稿を排紙トレイに排紙するとともに、後の原稿を反転することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図中同一符号は、同一または相当する部材を示し、重複する説明は繰返さない。図1は、本発明の実施の形態における複写機の概略構成図である。
【0022】
複写機10は、原稿搬送装置12と、これに連結された画像形成装置100とを含む。画像形成装置100は、原稿面の画像を読み取り一旦メモリに記憶して、必要により各種の画像編集処理をしたのち、周知の電子写真方法によって用紙上に画像を形成し、排出部10aからコピー済み用紙を1枚ずつ排出する、いわゆるデジタル複写機と称されるものである。
【0023】
複写機10は、画像形成装置100の上部に原稿搬送装置12が搭載されている。この原稿搬送装置12は、給紙トレイ14上にセットされた1枚または複数枚の原稿を1枚ずつ搬送し、画像形成装置100が有するイメージリーダ部20によって画像を読込ませ、画像読み取り終了後に当該原稿を排紙トレイ16上に排出して積載するものであり、両面原稿の場合は、表面と裏面の双方の画像を複写機10が有するイメージリーダ部20を通過するように搬送した後、排紙トレイ16に排出する。これらの原稿搬送制御は、原稿搬送制御部120にて行なわれる。
【0024】
原稿搬送装置12または手置きなどにより図示しないプラテンガラス上にセットされた原稿は、画像形成装置100に内蔵されているイメージリーダ部20によってその画像が読み取られ、デジタルデータに変換されて制御部22のメモリに格納される。画像形成部24におけるコピー動作は、制御部22のメモリから画像データを読み出すことにより、表裏両面の画像へのコピー処理を加えて実行される。
【0025】
図2は、原稿搬送装置12の断面図である。図2を参照して、原稿搬送装置12は、原稿をセットする給紙トレイ14と、給紙トレイ14にセットされた原稿を給紙する給紙部202と、原稿の画像を画像形成装置100で読取可能な位置に搬送する読取搬送部206と、読み取られた原稿を反転する第1反転部208及び第2反転部210と、第1反転部208により反転された原稿を再び読取搬送部206へ導く搬送経路214と、読取られた原稿を第1反転部208へ搬送するか第2反転部210へ搬送するかを切り替える切替部212と、第2反転部210から第1反転部208へ原稿を導く搬送経路216と、処理の終った原稿を排出する排紙トレイ16とを含む。
【0026】
給紙部202は、給紙トレイ14に置かれた最上部の原稿を前に押し出す為のピックアップローラR1と、ピックアップローラR1によって押し出された原稿をさばいて1枚だけ給紙する給紙ローラ対R2と、給紙された原稿を搬送する搬送ローラ対R3と、搬送ローラ対R3のニップ部に原稿の先端があることを検出するためのセンサS4とを含む。ピックアップローラR1と給紙ローラ対R2と搬送ローラ対R3は、モータM1により駆動され、ローラ毎の図示しないクラッチを制御することでそれぞれ独立したタイミングで駆動できる構成となっている。
【0027】
また、センサS4は、センサS4が設置された位置の原稿の有無を検出する。
給紙ローラ対R2で搬送されてきた原稿がセンサS4で検出されると、原稿の先端が搬送ローラ対R3のニップ部で停止するように、モータM1が制御される。
センサS4と搬送ローラ対R3のニップ部との間の距離と、給紙ローラ対R2が原稿を搬送する速度とから、センサS4で原稿が検出されてから給紙ローラ対R2の回転を停止するまでの時間が定まる。これにより、原稿の先端を搬送ローラ対R3のニップ部で停止させることができる。
【0028】
読取搬送部206は、原稿の有無を検出するためのセンサS1と、画像形成装置100のイメージリーダ部20で原稿の一方の面を読取可能な位置に設けられた読取窓204と、原稿を一定速度で搬送する搬送ローラ対R4および搬送ローラ対R5とを含む。
【0029】
センサS1は、読取搬送部206に搬送されてきた原稿の進入口に設置され、原稿の有無を検出する。センサS1による原稿の検出により、原稿が読取搬送部206に進入したことが検出される。また、センサS1は、原稿の全てが読取搬送部206に進入したこと、換言すれば、搬送されてきた原稿の後端の位置がセンサS1にあることを検出する。すなわち、センサS1の出力が、原稿を検出している状態から検出しない状態に切替わったときに、原稿の全てが読取搬送部206に進入したこと(搬送されてきた原稿の後端がセンサS1の位置にあること)が検出される。後述するように、読取搬送部206には、原稿が給紙部202から搬送される場合と、搬送経路214から搬送される場合とがある。センサS1は、いずれの場合であっても、原稿が読取搬送部206に進入したこと、および、原稿の全てが読取搬送部206に進入したことを検出する。
【0030】
搬送ローラ対R4と搬送ローラ対R5は、読取窓の搬送方向前後にそれぞれ設けられ、モータM2により駆動される。また、モータM2は、後述する搬送経路214に位置する搬送ローラR6の駆動も同時に行なっている。
【0031】
切替部212は、ソレノイドSLによって駆動され、上下2方向に移動することにより原稿の搬送経路を切替える。ソレノイドSLをオンすることで下側に移動する。これにより、読取搬送部206から搬送された原稿の搬送経路は、切替部212から搬送経路214を経由して第1反転部208へ導く経路となる。また、ソレノイドSLをオフすると切替部212は上側に移動する。これにより、読取搬送部206から搬送された原稿の搬送経路は、切替部212から第2反転部210へ導く経路となる。
【0032】
第1反転部208は、ローラ対R8を有し、モータM3と図示しないクラッチにより駆動され、正逆転可能な構成となっている。第1反転部208の搬送経路214側に原稿を検知するセンサS2が設けられる。このセンサS2は、第1反転部208の搬送経路214側に配置されるので、搬送経路216から搬送された原稿と、第1反転部208から反転された原稿と、切替部212から搬送経路214を通って第1反転部208へ搬送された原稿とを検知できる。
【0033】
第2反転部210は、ローラ対R7を有し、モータM3と図示しないクラッチにより駆動され、正逆転可能な構成となっている。第2反転部210の搬送経路216側に原稿を検知するセンサS3が設けられる。このセンサS3は、第2反転部210の搬送経路216側に配置されるので、読取搬送部206から搬送された原稿と、第2反転部210から反転された原稿とを検知できる。
【0034】
搬送経路214は、弾性部材220を有し、第1反転部208から反転して搬送される原稿が搬送経路216へ後戻りするのを防止している。
【0035】
搬送経路216は、弾性部材222を有し、第2反転部210から反転して搬送された原稿が読取搬送部206へ搬送されるのを防止している。
【0036】
上述したセンサS1〜S4、モータM1〜M3およびソレノイドSLは、原稿搬送制御部120により制御される。図3は、原稿搬送制御部120の入出力を示すブロック図である。図3を参照して、原稿搬送制御部120は、センサS1,S2,S3,S4、モータM1,M2,M3およびソレノイドSLと接続される。原稿搬送制御部120には、センサS1〜S4が出力する信号が入力されるため、原稿搬送制御部120では原稿の位置を把握することができる。また、このセンサS1〜S4により検出された原稿の位置に基づいて、モータM1〜M3の駆動制御およびソレノイドのオンオフの切替制御を実行する。
【0037】
また、原稿搬送制御部120は、上述した画像形成装置100の制御部22と接続するための入出力部を有する。この入出力部を介して制御部22と通信が可能となっている。たとえば、原稿搬送制御部120から制御部22に対して、原稿が読取窓204を通過するタイミングが送信される。制御部22では、原稿搬送制御部120から受信するタイミングに基づき、イメージリーダ部20を駆動して、原稿の画像面が読取られる。
【0038】
この原稿搬送制御部120によるモータM1〜M4の駆動制御およびソレノイドの切替制御について、以下説明する。
【0039】
まず、1枚の両面原稿の表面と裏面を順に読取窓204に搬送する場合を説明する。給紙トレイ14にセットされた原稿は、ピックアップローラR1を回転することで上側の原稿を押し出し、給紙ローラ対R2によってさばかれて搬送ローラ対R3によって読取搬送部206に搬送される。読取搬送部206に進入した原稿の先端がセンサS1により検知されると、モータM2が駆動し、搬送ローラ対R4とR5とR6が同じ一定の速度で回転を開始するとともにソレノイドSLをオンし、切替部212を下側へ移動させる。原稿は搬送ローラ対R4により一定の速度で読取窓204を搬送される。原稿が読取窓204と通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿の表面が読取られる。さらに、原稿は搬送ローラ対R5により搬送されるが、切替部212が下側へ移動しているため、第1反転部208へ導かれる。
【0040】
次に、第1反転部208へ搬送された原稿の先端がセンサS2によって検知されると、モータM3が駆動されて第1反転部208のローラ対R8が回転を開始する。そして、センサS2が原稿の後端を検知すると、ローラ対R8を逆回転する。これにより、原稿の搬送方向が反転される。
【0041】
第1反転部208により反転された原稿は、マイラーからなる弾性部材220によって搬送経路216への搬入を防止されつつ搬送経路214へ導かれ、搬送ローラ対R6によって読取搬送部206へ搬送される。読取搬送部206に進入した原稿の先端がセンサS1によって検知されると、ソレノイドSLをオフし、切替部212を上側へ移動する。原稿は読取搬送部206の搬送ローラ対R4により一定の速度で読取窓204に搬送される。原稿が読取窓204と通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿の裏面が読取られる。原稿はさらに、搬送ローラ対R5により一定の速度で搬送されるが、切替部212が上側に移動しているため、第2反転部に導かれる。
【0042】
原稿の先端がセンサS3によって検知されるとモータM3によってローラ対R7が回転を開始し、搬送された原稿を引き込む。原稿の後端がセンサS3によって検知されるとローラ対R7が逆回転し、原稿を反転させる。原稿は、マイラーからなる弾性部材222によって読取搬送部206への後戻りを防止されつつ搬送経路216へ導かれる。搬送経路216へ導かれた原稿の先端がセンサS2によって検知されると、ローラ対R8の回転を開始する。原稿は、第1反転部208により引き込まれ、排紙トレイ16へ排出される。その際、原稿の後端がセンサS2により検知されると、モータM1とモータM2の駆動を止め、原稿の後端がセンサS2によって検知されてから所定の時間後にモータM3の駆動を止める。
【0043】
次に、複数枚の両面原稿を搬送する制御について説明する。本実施の形態における原稿搬送装置12では、原稿の搬送経路に同時に2枚の原稿を搬送することが可能である。1枚目の両面原稿と2枚目の両面原稿とを搬送するときの制御は、2枚目の両面原稿と3枚目の両面原稿とを搬送するときの制御と同様である。
したがって、複数枚の両面原稿を搬送するときの制御は、2枚の両面原稿を搬送するときの制御の繰り返しとなるため、ここでは、1枚目の両面原稿と2枚目の両面原稿とを搬送する制御について説明する。また、以下の説明では、説明を簡単にするため1枚目の両面原稿を原稿P1とし、2枚目の両面原稿を原稿P2として説明する。
【0044】
図4は、本実施の形態における原稿搬送装置12で2枚の両面原稿を順に搬送するときの制御を説明するための図である。図4では、原稿搬送装置12の主要部分と、これに対する原稿の位置を模式的に示している。
【0045】
図4(A)は、原稿P1と原稿P2とを給紙トレイにセットした状態を示す。
この状態で、コピー開始指示を検出すると、原稿P1は、ピックアップローラR1により給紙され、給紙ローラ対R2と搬送ローラ対R3によって読取搬送部206に搬送される(図4(B))。読取搬送部206に進入した原稿P1の先端がセンサS1により検知されると、モータM2が駆動し、搬送ローラ対R4とR5とR6が同じ一定の速度で回転を開始すると共にソレノイドSLをオンし、切替部212が下側へ移動する。原稿P1は搬送ローラ対R4とR5により一定の速度で読取窓204を搬送される。原稿が読取窓204と通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿P1の表面が読取られる。
【0046】
その後、原稿P1は、切替部212が下側に移動しているので、第1反転部208へ搬送される(図4(C))。第1反転部208へ搬送される原稿P1の先端がセンサS2によって検知されると、モータM3が駆動されて第1反転部208のローラ対R8が回転を開始し、原稿P1をローラ対R8により引き込む。センサS2が原稿P1の後端を検知すると、ローラ対R8を逆回転させて、原稿P1の搬送方向を反転させ、搬送経路214に向かわせる(図4(D))。搬送経路214へ搬送された原稿P1は搬送ローラ対R6によって読取搬送部206へ搬送される。
【0047】
読取搬送部206に進入した原稿P1の先端がセンサS1によって検知されると、ソレノイドSLをオフし、切替部212を上側へ移動する。これと同時に、原稿P2をピックアップローラR1により給紙する。そして、原稿P2の先端がセンサS4により検出されると、その検出から上述した所定時間経過後にピックアップローラR1と給紙ローラ対R2を停止させる。これにより、原稿P2の先端が、ローラR3のニップ部にある位置で原稿P2が停止する(図4(E))。
【0048】
一方、原稿P1は読取搬送部206の搬送ローラ対R4とR5によって一定速度で搬送されて読取搬送部206を通過する。原稿P1が読取窓204を通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿P1の裏面が読取られる。原稿P1の後端がセンサS1により検知されると、モータM1の駆動を開始する(図4(F))。これにより、給紙ローラ対R2と搬送ローラ対R3を回転し、原稿P2の搬送を開始する。原稿P2の先端がセンサS1により検知されると、所定時間後にソレノイドSLがオンし、切替部212が下側に移動する。ソレノイドSLをオンにするタイミングは、原稿P1の後端が切替部212を通過した後であり、かつ、原稿P2が搬送ローラ対R5に達する前である。この条件を満たす所定時間が予め設定される。
【0049】
一方、原稿P1は、ソレノイドSLがオンとなる前に切替部212を通過する。切替部212が上側に移動しているので、原稿P1は、第2反転部210へ搬送される(図4(F))。原稿P1の先端がセンサS3によって検知されるとモータM3によってローラ対R7が回転を開始し、搬送された原稿P1を引き込む(図4(G))。この時、原稿P2は、原稿P1に引き続いて読取搬送部206に進入し、読取窓204を通過する。このように、先の原稿P1と後の原稿P2が搬送される間隔を短く保つことで、搬送時間を短かくすることができ、搬送効率が向上する。原稿P2が読取窓204を通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿P2の表面が読取られる。
【0050】
原稿P1の後端がセンサS3によって検知されるとローラ対R7が逆回転し、原稿P1を反転させて搬送経路216へ導く。同時に、原稿P2の先端は搬送ローラ対R5により搬送されるが、上述したように切替部212が下側に移動しているため、第1反転部208へ誘導される(図4(H))。
【0051】
搬送経路216へ導かれた原稿P1の先端がセンサS2によって検知されると、ローラ対R8の回転を開始し、ローラ対R8により引き込まれる。原稿P1の先端がローラ対R8に到達するのに少し遅れて原稿P2もローラ対R8に到達し、原稿P1とともに引き込まれる(図4(I))。
【0052】
そして、原稿P1は、第1反転部208により引き込まれ排紙トレイ16へ排出される(図4(J))。原稿P2の後端がセンサS2により検知されると、ローラ対R8が逆回転を開始し、原稿P2は弾性部材220の案内により搬送経路214へ搬送される。その後は、原稿P1と同様に裏面を読み取るために読取搬送部206を通過し、第2反転部210から搬送経路216を経由して第1反転部208へ搬送されて排出される。
【0053】
本実施の形態における原稿搬送装置12では、給紙部202の給紙ローラ対R2,R3、搬送経路214の搬送ローラ対R6、読取搬送部206の搬送ローラ対R4,R5、第1反転部208のローラ対R8および第2反転部210のローラ対R7で原稿を搬送する速さを一定としている。このため、後の原稿P2が先の原稿P1よりも少し遅れてローラ対R8に達するように、搬送経路長が設定されている。これについて詳細に説明する。
【0054】
原稿搬送装置12は、表面が読取られた原稿P1が裏面を読取るために読取搬送部206に進入し、センサS1で原稿P1の後端が検知されたときに、既に原稿P2の先端が搬送ローラ対R3のニップ部に位置決めされている(図4(F))。そして、センサS1で原稿P1の後端が検知されたときに原稿P2の搬送が開始される。
【0055】
搬送ローラ対R3のニップ部からセンサS1までの距離をL1とし、搬送ローラ対R5からセンサS3までの距離L2と、搬送ローラ対R5からセンサS2までの距離をL3とし、センサS3からセンサS2までの距離L4とし、センサS1から搬送ローラ対R5までの距離をL0とする。
【0056】
原稿P1が読取搬送部206に全て進入した状態、すなわち原稿P1の後端E1がセンサS1の位置にある状態から、原稿P1を第1反転部208に搬送する場合に、原稿P1の後端E1がセンサS1からセンサS3に到達するまでに移動する距離LP1aは、式(1)で表される。
【0057】
LP1a=L0+L2 … (1)
次に、原稿P1の後端E1がセンサS3の位置にある状態から、原稿P1を第2反転部210で反転させた後、搬送経路216を経由して第1反転部208に搬送する場合に、原稿P1の後端E1がセンサS3からセンサS2に到達するまでに移動する距離はL4である。なお、原稿P1は第2反転部210で搬送方向が反転されるので、原稿P1の後端E1は他端よりも搬送方向側に位置することとなる。ここでいう原稿P1の後端E1とは、原稿P1が反転される直前にセンサS3に位置する端部をいい、上述した後端E1はすべて同じである。
【0058】
したがって、原稿P1の後端E1がセンサS1で検出される位置にある状態から、原稿P1を第2反転部210経由で第1反転部208に搬送する間に、原稿P1の後端E1が移動する距離LP1は、LP1=LP1a+L4で表される。式(1)を用いて整理すると、次式(2)となる。
【0059】
LP1=L0+L2+L4 (2)
次に、原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置する状態から原稿P2が第1反転部208に搬送される場合に、原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置からセンサS3に到達するまでに移動する距離LP2は、次式(3)で表される。
【0060】
LP2=L0+L1+L3 … (3)
原稿P1の後端E1の方が原稿P2の先端E2よりも先にセンサS2に到達させるためには、LP1<LP2の条件が必要である。
【0061】
式(2)と式(3)を用いて整理すると次式(4)が成立する。
L2+L4<L1+L3 … (4)
なお、式(4)から明らかなように、距離L2を切替部212から第2反転部210との間の距離とし、距離L3を切替部212から第1反転部208までの距離とし、距離L4を第2反転部210から第1反転部208までの距離とすることもできる。
【0062】
また、本実施の形態における原稿搬送装置12では、図4(I)で示したタイミングの後、原稿P2が第1反転部208により反転されるタイミングを、センサS2により原稿P2の後端が検知されたときとしている。このため、原稿P2の後端がセンサS2により検知されたときに、原稿P1の後端(上述した後端E1と反対側の端部)が第1反転部208のローラ対R8を通過してしまっている必要がある。換言すれば、原稿P1の後端E1と、原稿P2の先端E2との間の距離が、センサS2と第1反転部208のローラ対R8との間の距離よりも長くなる必要がある。
【0063】
上述した式(2)は、原稿P1の後端E1がセンサS1からセンサS2まで移動する距離LP1を示し、式(3)は、原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部からセンサS2に移動する距離L2を示した。したがって、原稿P1の後端E1と原稿P2の先端E2との間の距離Lは、LP2−LP1となる。これを、式(2)および式(3)を用いて整理すると次式(5)で表される。
【0064】
L=(L1+L3)−(L2+L4) … (5)
センサS2から第1反転部208のローラ対R8までの距離をL5とすると、先の原稿P1だけを排紙するためには、L5<Lの関係が成立する必要がある。
これを式(5)を用いて整理すると次式(6)で表される。
【0065】
L5<(L1+L3)−(L2+L4) … (6)
距離L5が短いほど先の原稿P1と後の原稿P2との間の距離を短くして搬送することができるので、後の原稿P2の搬送を早期に開始できる。このため搬送効率を向上させることができる。しかしながら、距離L5を短くしすぎると、先の原稿P1を排出した時に後の原稿P2も同時に排出される恐れがあるため、後の原稿P2が先の原稿P1と同時に排出されない程度の距離を確保する必要がある。
【0066】
原稿P2を第1反転部208で反転するタイミングの別の方法として、原稿P2の後端がセンサS2により検知されたタイミングでタイマをセットし、セットしたタイマがタイムアップした時に第1反転部208で原稿P2を反転することもできる。但し、この場合は、原稿P1の全てが第1反転部208のローラ対R8を通過しており、かつ、原稿P2の一部が第1反転部208のローラ対R8を通過していないタイミングとなるようにタイマ値を設定する必要がある。
【0067】
図5は、本実施の形態における原稿搬送装置12の第1反転部208の詳細な構成を示す断面図である。図5を参照して、第1反転部208は、マイラーからなる弾性部材224を有している。弾性部材224は、図面上方の端部(上端)が図面の下方の端部(下端)よりも排紙トレイ16の側に傾いて、下端が第1反転部208に支持されている。弾性部材224の上端は、自由端となっている。
このため、ローラ対R8により排紙トレイ16側に搬送される原稿が、弾性部材224の上端を排紙トレイ16側に押すと、弾性部材224の上端が排紙トレイ16側に弾性変形するので、通路が開かれ原稿が搬送される。しかし、一度弾性部材224を抜けた原稿が戻ろうとした時に弾性部材224の上端が排紙トレイ16と反対側への弾性変形が規制されるので、通路が開かず、原稿が戻ることがない。このように第1反転部208を構成したので、図4(I)に示したように、原稿P1と原稿P2とを2枚重ねて搬送したときに、原稿P1のみ排出し、ローラ対R8を反転して原稿P2を逆側に搬送した時に、つられて原稿P1が再び第1反転部208に後戻りするのを防止でき、確実に2枚の原稿を分離できる。
【0068】
次に、第1反転部208の変形例について説明する。図6は、変形された第1反転部208を含む原稿搬送装置12の断面図である。図6を参照して、変形された第1反転部208は、上ローラR2081と下ローラR2082とを含む。
上ローラR2081と下ローラの双方が、モータM3により駆動される。また、上ローラR2081はモータM3から正転(原稿を排出する方向)と逆転の駆動が伝わる構成となっており、下ローラR2082は正転のみの駆動が伝わる構成となっている。なお、変形された第1反転部208は、図5に示したような弾性部材224を取り付ける必要はない。
【0069】
また、下ローラR2082にはトルクリミッタが設けられている。このトルクリミッタは、上ローラR2081の回転に伴って働く。すなわち、下ローラR2082は、原稿が2枚重なって排出方向に移動している時には排出方向に回転(正転)する。原稿が1枚排出されて、上ローラR2081が反転して搬送経路214側へ残りの1枚の原稿が移動を始めると、上ローラR2081からかかる力と摩擦力との関係により、下ローラR2082に逆転方向に力が働く。この逆転方向に働く力に伴ってトルクリミッタが働き下ローラR2082が逆回転する。
これにより、排出した原稿の1枚が再び逆戻りしようとしても、2枚の原稿の摩擦力は小さいので、トルクリミッタの働きがなくなり下ローラR2082は再び排出側へ回転しだす。このため、排紙した原稿を逆戻りさせることなく、2枚の原稿を分離し、1枚のみを排出することが可能となる。なお、トルクリミッタについては、既に複写装置の給紙装置に使用されている技術であり、当業者に周知なのでここでは説明を繰返さない。
【0070】
なお、上述した原稿搬送装置12では、搬送ローラ対R3のニップ部、切替部212、第1反転部208、第2反転部210、センサS1の配置が、式(4)が成立する関係となるように配置することとした。これに代えて、センサS1で原稿P1の後端E1が検出されてから、所定の時間経過後に原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置する原稿P2の搬送を開始するようにしてもよい。この所定の時間は、原稿P1の後端E1と原稿P2の先端E2との間の距離Lを定める時間である。この距離Lは、上述した式(5)で表される。原稿P1と原稿P2それぞれを搬送する速さが同じなので、距離を時間で表すこともできる。したがって、上述した式(5)から、原稿P2の搬送を開始するための所定の時間Tは、距離L2に対応する切替部212から第2反転部210に搬送する時間T2と、距離L3に対応する切替部212から第1反転部208に搬送する時間T3と、距離L4に対応する第2反転部210から第1反転部208に搬送する時間T4とを用いて、次式(7)で表される。
【0071】
T=(T1+T3)−(T2+T4) … (7)
この時間Tを用いて、センサS1で原稿P1の後端E1が検出されてから、時間T経過後に、先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置する原稿P2の搬送を開始すれば、原稿P1と原稿P2とを第1反転部208に原稿P1を原稿P2よりもわずかに早く到達させることができる。
【0072】
また、この時間Tを用いれば、搬送ローラ対R3のニップ部、切替部212、第1反転部、第2反転部210、センサS1の配置が、式(4)が成立する関係となるように配置する必要はないので、設計を容易にすることができる。
【0073】
さらに、この所定時間Tを原稿搬送制御部120のメモリに記憶するようにしておき、ユーザの入力など外部からの入力によりこの所定時間Tを変更することがきるようにしてもよい。これにより、第1反転部208で原稿P1と原稿P2とが重なる量を自由に調整できる。
【0074】
以上説明したように本実施の形態における原稿搬送装置12は、第1反転部208は、先の原稿P1と、読取搬送部から搬送された後の原稿P2とを重ねて同一方向に搬送して先の原稿P1を排紙トレイ16に排紙した後、後の原稿P2の搬送方向を反転させる。第1反転部208による先の原稿P1の排紙トレイへの排紙と、後の原稿P2の反転とを1つの第1反転部208で行うので、先の原稿P1と後の原稿P2を搬送する間隔を短くすることができる。
【0075】
また、第1反転部208は、先の原稿P1と後の原稿P2とを重ねて同一方向に搬送するため、重ねて搬送される先の原稿P1と後の原稿P2に画像面が擦れ合うのを防止することができる。このため、両面原稿の画像面にスミアが発生するのを防止できる。
【0076】
さらに、給紙トレイと排紙トレイとが上下に配置され、第1反転部208が、第2反転部210よりも給紙トレイ側に配置されるので、原稿搬送装置が水平方向に大きくなることがなく小型化することができるとともに、原稿の搬送経路を短くすることができる。
【0077】
さらに、給紙部202は、センサーS1の出力が搬送経路214により搬送された先の原稿P1を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて後の原稿P2の搬送を開始し、式(4)を満たす位置に、搬送ローラ対R3のニップ部、センサS1、切替部212、第1反転部208および第2反転部210が配置される。このため、先の原稿P1が後の原稿P2より先に第1反転部208に搬送されるので、先の原稿P1だけを確実に排紙トレイに排紙することができる。
【0078】
さらに、第1反転部208は、ローラ対R8から搬送経路214側に距離L5だけ離れた位置に配置されたセンサS2の出力が原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じてローラ対R8を反転し、(7)式を満たす位置にセンサS2を配置した。このため、排紙するための先の原稿P1を、反転するための後の原稿P2よりも距離L5を超える距離だけ先に第1反転部208に搬送することができる。このため、第1反転部208により、先の原稿P1を排紙トレイ16に排紙するとともに、後の原稿P2を反転することができる。
【0079】
さらに、給紙部202は、先の原稿P1の全てが読取搬送部206に進入してから所定の時間T経過した後に、後の原稿P2を読取搬送部206に搬送する。
先の原稿P1と後の原稿P2とが搬送される際の間隔が所定の時間Tに応じた距離となる。このため、所定の時間Tを設定することにより、先の原稿P1と後の原稿P2とが第1反転部208に搬送されるタイミングを設定することができる。したがって、先の原稿P1を後の原稿P2よりも先に第1反転部208に搬送させることができ、先の原稿P1を排紙トレイに排紙するとともに、後の原稿P2を反転することができる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における複写機の概略構成を示す断面図である。
【図2】原稿搬送装置の断面図である。
【図3】原稿搬送制御部120の入出力を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態における原稿搬送装置で2枚の両面原稿を順に搬送するときの制御を説明するための図である。
【図5】本実施の形態における原稿搬送装置の第1反転部の詳細な構成を示す断面図である。
【図6】変形された第1反転部を含む原稿搬送装置の断面図である。
【符号の説明】
10a 排出部、10 複写機、12 原稿搬送装置、14 給紙トレイ、16 排紙トレイ、20 イメージリーダ部、22 制御部、24 画像形成部、100 画像形成装置、120 原稿搬送制御部、202 給紙部、204 読取窓、206 読取搬送部、208 第1反転部、210 第2反転部、212切替部、214 搬送経路、216 搬送経路、220,222,224 弾性部材、M1,M2,M3 モータ、P1,P2 原稿、R1 ピックアップローラ、R2 給紙ローラ対、R3,R4,R5,R6 搬送ローラ対、R7,R8 ローラ対、S1,S2,S3,S4 センサ、SL ソレノイド、R2081 上ローラ、R2082 下ローラ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿搬送装置に関し、特に、複写機またはスキャナ等に設置され、画像読取部に原稿を搬送し、読取られた原稿を排出する原稿搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機は、画像読取部に複数枚の原稿を自動的に供給し、読取った原稿を排出する原稿搬送装置を備えている。この原稿搬送装置は、表面と裏面の両面に画像を有する両面原稿を搬送する場合は、原稿の片方の面を画像読取部で読取可能に搬送した後、片方の面が読取られた原稿の他方の面を画像読取部で読取可能に搬送する。
【0003】
この両面原稿を搬送するための最も簡素な構成は、原稿の搬送方向を逆にする原稿反転部を画像読取部の搬送方向の下流側に1つ設け、原稿反転部で反転された原稿を画像読取部に同じ方向で供給するための搬送経路を設けたものである。
画像読取部に搬送された原稿は、片方の面が読取られた後、原稿反転部で搬送方向が反転されて搬送経路を経て画像読取部に供給されると、原稿の他方の面が画像読取部で読取り可能になる。その後、複数の原稿の頁順を合わせるために、他方の面が画像読取部で読取られた原稿は、原稿反転部で再び反転されて、搬送経路および画像読取部を経て原稿反転部に搬送され、原稿反転部から排紙される。
【0004】
このように原稿搬送装置では、両面原稿を搬送する場合には、原稿の裏面を画像読取部で読取可能とするために原稿を反転させる搬送と、複数の原稿の頁順を合わせて排紙するために原稿を反転させる搬送とが必要となる。
【0005】
従来の原稿搬送装置は、原稿を反転させて搬送するごとに画像読取部を通過させるため、画像読取部を3回通過させることになる。このため、原稿の搬送距離が長くなること、また、1つの原稿を排紙するまで次の原稿を搬送することができないことなどから搬送効率が悪いといった問題があった。
【0006】
搬送効率を向上させるために、原稿反転部で2枚の原稿を互いに逆方向に搬送する原稿搬送装置が、特開平8−123103号(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載の原稿搬送装置では、両面原稿の表面を読取った後、原稿の裏面を読み取るために原稿を反転する反転原稿搬入装置(原稿反転部)を有している。この反転原稿搬入装置は、頁順を合わせて排出トレイに排出するために、裏面が読取られた両面原稿を再度反転する。この原稿を再度反転する際に、表面が読取られた両面原稿を同時に反転する。このため、原稿が画像読取部を2回通過する搬送経路とすることができ、搬送経路を短くすることができる。また、搬送経路に2つの原稿を同時に供給するので、2つの両面原稿の原稿間隔を狭めて搬送することができ、搬送効率を向上させている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−123103号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の原稿搬送装置は、表面が読取られた原稿と表面および裏面が読取られた原稿とを、反転原稿搬入装置で互いに異なった方向に搬送している。このため、原稿の画像面が他方の原稿と擦り合わさって搬送されるので、スミアが発生するといった問題がある。特に、原稿の画像面が、鉛筆等で描かれた場合には、原稿の画像面にスミアが発生する場合が多い。
【0009】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、複数の両面原稿の搬送効率を向上させた原稿搬送装置を提供することである。
【0010】
この発明の他の目的は、両面原稿の画像面にスミアが発生するのを防止した原稿搬送装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、複数枚の両面原稿をセットできる給紙トレイと、原稿の片面を外部から読取り可能とする読取窓を有する読取搬送部と、原稿を給紙トレイから読取搬送部に給紙する給紙部と、原稿が排紙される排紙トレイと、読取窓の下流に位置し正逆転可能なローラを含む第1の反転手段と、読取窓の下流に位置し正逆転可能なローラを含む第2の反転手段と、原稿を読取窓から第1の反転手段に搬送するか第2の反転手段に搬送するかを切替える切替手段と、第1の反転手段で反転された原稿を読取搬送部に搬送する第1の搬送経路と、第2の反転手段で反転された原稿を第1の反転手段に搬送する第2の搬送経路とを備え、第1の反転手段は、第2の搬送経路により搬送された先の原稿と、読取搬送部から搬送された後の原稿との少なくとも一部を重ねて同一方向に搬送し、先の原稿を排紙トレイに排紙した後、後の原稿の搬送方向を反転させる。
【0012】
この発明に従えば、第2の搬送経路により搬送された先の原稿と、読取搬送部から搬送された後の原稿との少なくとも一部を重ねて同一方向に搬送して先の原稿を排紙トレイに排紙した後、後の原稿の搬送方向を反転させる。第1の反転手段だけで、先の原稿の排紙トレイへの排紙と、後の原稿の反転とを行うので、先の原稿と後の原稿を搬送する間隔を短くすることができる。その結果、複数の両面原稿の搬送効率を向上させることが可能な原稿搬送装置を提供することができる。また、第1の反転手段では、先の原稿と後の原稿とを重ねて同一方向に搬送するため、重ねて搬送される先の原稿と後の原稿に画像面が擦れ合うのを防止することができる。その結果、両面原稿の画像面にスミアが発生するのを防止した原稿搬送装置を提供することができる。
【0013】
好ましくは、給紙トレイと排紙トレイとは、上下に配置され、第1の反転手段は、第2の反転手段よりも給紙トレイ側に配置される。
【0014】
この発明に従えば、給紙トレイと排紙トレイとが上下に配置され、第1の反転手段が、第2の反転手段よりも給紙トレイ側に配置されるので、原稿搬送装置が水平方向に大きくなることがなく小型化することができるとともに、切替手段、第1の搬送経路および第2の搬送経路の配置が容易となり原稿の搬送経路を短くすることができる。
【0015】
好ましくは、読取搬送部は、原稿の進入口に原稿の有無を検出するための第1のセンサーを含み、給紙部は、第1のセンサの出力が第1の搬送経路により搬送された先の原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて後の原稿の搬送を開始し、給紙部が搬送を開始する原稿の先端位置とセンサーとの間の距離L1と、切替手段と第2の反転手段との間の距離L2と、切替手段と第1の反転手段との間の距離L3と、第1の反転手段と第2の反転手段との間の距離L4とが、L2+L4<L1+L3の関係式を満たす位置に、先端位置、第1のセンサ、切替手段、第1の反転手段および第2の反転手段を配置した。
【0016】
この発明に従えば、給紙部は、第1のセンサーの出力が第1の搬送経路により搬送された先の原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて後の原稿の搬送を開始し、L2+L4<L1+L3の関係式を満たす位置に、先端位置、第1のセンサ、切替手段、第1の反転手段および第2の反転手段が配置される。このため、先の原稿が後の原稿より早く第1の反転手段に搬送される。その結果、先の原稿だけを確実に排紙トレイに排紙することができる。
【0017】
好ましくは、第1の反転手段は、ローラから第1の搬送路側に距離L5だけ離れた位置に原稿の有無を検出するための第2のセンサを含み、第1の反転手段は、第2のセンサの出力が原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じてローラを反転し、L5<(L1+L3)−(L2+L4)の関係式を満たす位置に第2のセンサを配置した。
【0018】
この発明に従えば、第1の反転手段は、ローラから第1の搬送路側に距離L5だけ離れた位置に配置された第2のセンサの出力が原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じてローラを反転し、L5<(L1+L3)−(L2+L4)の関係式を満たす位置に、第2のセンサを配置する。このため、排紙するための先の原稿を、反転するための後の原稿よりも距離L5を超える距離だけ先に第1の反転手段に搬送することができる。その結果、第1の反転手段により、先の原稿を排紙トレイに排紙するとともに、後の原稿を反転することができる。
【0019】
好ましくは、給紙部は、第1の搬送経路により搬送された先の原稿の全てが読取搬送部に進入してから所定の時間経過した後に、後の原稿を読取搬送部に搬送する。
【0020】
この発明に従えば、給紙部は、第1の搬送経路により搬送された先の原稿の全てが読取搬送部に進入してから所定の時間経過した後に、後の原稿を読取搬送部に搬送する。先の原稿と後の原稿とが搬送される際の間隔が所定の時間に応じた距離となる。このため、所定の時間を設定することにより、先の原稿と後の原稿とが第1の反転手段に搬送されるタイミングを設定することができる。その結果、先の原稿を後の原稿よりも先に第1の反転手段に搬送させることができ、先の原稿を排紙トレイに排紙するとともに、後の原稿を反転することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図中同一符号は、同一または相当する部材を示し、重複する説明は繰返さない。図1は、本発明の実施の形態における複写機の概略構成図である。
【0022】
複写機10は、原稿搬送装置12と、これに連結された画像形成装置100とを含む。画像形成装置100は、原稿面の画像を読み取り一旦メモリに記憶して、必要により各種の画像編集処理をしたのち、周知の電子写真方法によって用紙上に画像を形成し、排出部10aからコピー済み用紙を1枚ずつ排出する、いわゆるデジタル複写機と称されるものである。
【0023】
複写機10は、画像形成装置100の上部に原稿搬送装置12が搭載されている。この原稿搬送装置12は、給紙トレイ14上にセットされた1枚または複数枚の原稿を1枚ずつ搬送し、画像形成装置100が有するイメージリーダ部20によって画像を読込ませ、画像読み取り終了後に当該原稿を排紙トレイ16上に排出して積載するものであり、両面原稿の場合は、表面と裏面の双方の画像を複写機10が有するイメージリーダ部20を通過するように搬送した後、排紙トレイ16に排出する。これらの原稿搬送制御は、原稿搬送制御部120にて行なわれる。
【0024】
原稿搬送装置12または手置きなどにより図示しないプラテンガラス上にセットされた原稿は、画像形成装置100に内蔵されているイメージリーダ部20によってその画像が読み取られ、デジタルデータに変換されて制御部22のメモリに格納される。画像形成部24におけるコピー動作は、制御部22のメモリから画像データを読み出すことにより、表裏両面の画像へのコピー処理を加えて実行される。
【0025】
図2は、原稿搬送装置12の断面図である。図2を参照して、原稿搬送装置12は、原稿をセットする給紙トレイ14と、給紙トレイ14にセットされた原稿を給紙する給紙部202と、原稿の画像を画像形成装置100で読取可能な位置に搬送する読取搬送部206と、読み取られた原稿を反転する第1反転部208及び第2反転部210と、第1反転部208により反転された原稿を再び読取搬送部206へ導く搬送経路214と、読取られた原稿を第1反転部208へ搬送するか第2反転部210へ搬送するかを切り替える切替部212と、第2反転部210から第1反転部208へ原稿を導く搬送経路216と、処理の終った原稿を排出する排紙トレイ16とを含む。
【0026】
給紙部202は、給紙トレイ14に置かれた最上部の原稿を前に押し出す為のピックアップローラR1と、ピックアップローラR1によって押し出された原稿をさばいて1枚だけ給紙する給紙ローラ対R2と、給紙された原稿を搬送する搬送ローラ対R3と、搬送ローラ対R3のニップ部に原稿の先端があることを検出するためのセンサS4とを含む。ピックアップローラR1と給紙ローラ対R2と搬送ローラ対R3は、モータM1により駆動され、ローラ毎の図示しないクラッチを制御することでそれぞれ独立したタイミングで駆動できる構成となっている。
【0027】
また、センサS4は、センサS4が設置された位置の原稿の有無を検出する。
給紙ローラ対R2で搬送されてきた原稿がセンサS4で検出されると、原稿の先端が搬送ローラ対R3のニップ部で停止するように、モータM1が制御される。
センサS4と搬送ローラ対R3のニップ部との間の距離と、給紙ローラ対R2が原稿を搬送する速度とから、センサS4で原稿が検出されてから給紙ローラ対R2の回転を停止するまでの時間が定まる。これにより、原稿の先端を搬送ローラ対R3のニップ部で停止させることができる。
【0028】
読取搬送部206は、原稿の有無を検出するためのセンサS1と、画像形成装置100のイメージリーダ部20で原稿の一方の面を読取可能な位置に設けられた読取窓204と、原稿を一定速度で搬送する搬送ローラ対R4および搬送ローラ対R5とを含む。
【0029】
センサS1は、読取搬送部206に搬送されてきた原稿の進入口に設置され、原稿の有無を検出する。センサS1による原稿の検出により、原稿が読取搬送部206に進入したことが検出される。また、センサS1は、原稿の全てが読取搬送部206に進入したこと、換言すれば、搬送されてきた原稿の後端の位置がセンサS1にあることを検出する。すなわち、センサS1の出力が、原稿を検出している状態から検出しない状態に切替わったときに、原稿の全てが読取搬送部206に進入したこと(搬送されてきた原稿の後端がセンサS1の位置にあること)が検出される。後述するように、読取搬送部206には、原稿が給紙部202から搬送される場合と、搬送経路214から搬送される場合とがある。センサS1は、いずれの場合であっても、原稿が読取搬送部206に進入したこと、および、原稿の全てが読取搬送部206に進入したことを検出する。
【0030】
搬送ローラ対R4と搬送ローラ対R5は、読取窓の搬送方向前後にそれぞれ設けられ、モータM2により駆動される。また、モータM2は、後述する搬送経路214に位置する搬送ローラR6の駆動も同時に行なっている。
【0031】
切替部212は、ソレノイドSLによって駆動され、上下2方向に移動することにより原稿の搬送経路を切替える。ソレノイドSLをオンすることで下側に移動する。これにより、読取搬送部206から搬送された原稿の搬送経路は、切替部212から搬送経路214を経由して第1反転部208へ導く経路となる。また、ソレノイドSLをオフすると切替部212は上側に移動する。これにより、読取搬送部206から搬送された原稿の搬送経路は、切替部212から第2反転部210へ導く経路となる。
【0032】
第1反転部208は、ローラ対R8を有し、モータM3と図示しないクラッチにより駆動され、正逆転可能な構成となっている。第1反転部208の搬送経路214側に原稿を検知するセンサS2が設けられる。このセンサS2は、第1反転部208の搬送経路214側に配置されるので、搬送経路216から搬送された原稿と、第1反転部208から反転された原稿と、切替部212から搬送経路214を通って第1反転部208へ搬送された原稿とを検知できる。
【0033】
第2反転部210は、ローラ対R7を有し、モータM3と図示しないクラッチにより駆動され、正逆転可能な構成となっている。第2反転部210の搬送経路216側に原稿を検知するセンサS3が設けられる。このセンサS3は、第2反転部210の搬送経路216側に配置されるので、読取搬送部206から搬送された原稿と、第2反転部210から反転された原稿とを検知できる。
【0034】
搬送経路214は、弾性部材220を有し、第1反転部208から反転して搬送される原稿が搬送経路216へ後戻りするのを防止している。
【0035】
搬送経路216は、弾性部材222を有し、第2反転部210から反転して搬送された原稿が読取搬送部206へ搬送されるのを防止している。
【0036】
上述したセンサS1〜S4、モータM1〜M3およびソレノイドSLは、原稿搬送制御部120により制御される。図3は、原稿搬送制御部120の入出力を示すブロック図である。図3を参照して、原稿搬送制御部120は、センサS1,S2,S3,S4、モータM1,M2,M3およびソレノイドSLと接続される。原稿搬送制御部120には、センサS1〜S4が出力する信号が入力されるため、原稿搬送制御部120では原稿の位置を把握することができる。また、このセンサS1〜S4により検出された原稿の位置に基づいて、モータM1〜M3の駆動制御およびソレノイドのオンオフの切替制御を実行する。
【0037】
また、原稿搬送制御部120は、上述した画像形成装置100の制御部22と接続するための入出力部を有する。この入出力部を介して制御部22と通信が可能となっている。たとえば、原稿搬送制御部120から制御部22に対して、原稿が読取窓204を通過するタイミングが送信される。制御部22では、原稿搬送制御部120から受信するタイミングに基づき、イメージリーダ部20を駆動して、原稿の画像面が読取られる。
【0038】
この原稿搬送制御部120によるモータM1〜M4の駆動制御およびソレノイドの切替制御について、以下説明する。
【0039】
まず、1枚の両面原稿の表面と裏面を順に読取窓204に搬送する場合を説明する。給紙トレイ14にセットされた原稿は、ピックアップローラR1を回転することで上側の原稿を押し出し、給紙ローラ対R2によってさばかれて搬送ローラ対R3によって読取搬送部206に搬送される。読取搬送部206に進入した原稿の先端がセンサS1により検知されると、モータM2が駆動し、搬送ローラ対R4とR5とR6が同じ一定の速度で回転を開始するとともにソレノイドSLをオンし、切替部212を下側へ移動させる。原稿は搬送ローラ対R4により一定の速度で読取窓204を搬送される。原稿が読取窓204と通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿の表面が読取られる。さらに、原稿は搬送ローラ対R5により搬送されるが、切替部212が下側へ移動しているため、第1反転部208へ導かれる。
【0040】
次に、第1反転部208へ搬送された原稿の先端がセンサS2によって検知されると、モータM3が駆動されて第1反転部208のローラ対R8が回転を開始する。そして、センサS2が原稿の後端を検知すると、ローラ対R8を逆回転する。これにより、原稿の搬送方向が反転される。
【0041】
第1反転部208により反転された原稿は、マイラーからなる弾性部材220によって搬送経路216への搬入を防止されつつ搬送経路214へ導かれ、搬送ローラ対R6によって読取搬送部206へ搬送される。読取搬送部206に進入した原稿の先端がセンサS1によって検知されると、ソレノイドSLをオフし、切替部212を上側へ移動する。原稿は読取搬送部206の搬送ローラ対R4により一定の速度で読取窓204に搬送される。原稿が読取窓204と通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿の裏面が読取られる。原稿はさらに、搬送ローラ対R5により一定の速度で搬送されるが、切替部212が上側に移動しているため、第2反転部に導かれる。
【0042】
原稿の先端がセンサS3によって検知されるとモータM3によってローラ対R7が回転を開始し、搬送された原稿を引き込む。原稿の後端がセンサS3によって検知されるとローラ対R7が逆回転し、原稿を反転させる。原稿は、マイラーからなる弾性部材222によって読取搬送部206への後戻りを防止されつつ搬送経路216へ導かれる。搬送経路216へ導かれた原稿の先端がセンサS2によって検知されると、ローラ対R8の回転を開始する。原稿は、第1反転部208により引き込まれ、排紙トレイ16へ排出される。その際、原稿の後端がセンサS2により検知されると、モータM1とモータM2の駆動を止め、原稿の後端がセンサS2によって検知されてから所定の時間後にモータM3の駆動を止める。
【0043】
次に、複数枚の両面原稿を搬送する制御について説明する。本実施の形態における原稿搬送装置12では、原稿の搬送経路に同時に2枚の原稿を搬送することが可能である。1枚目の両面原稿と2枚目の両面原稿とを搬送するときの制御は、2枚目の両面原稿と3枚目の両面原稿とを搬送するときの制御と同様である。
したがって、複数枚の両面原稿を搬送するときの制御は、2枚の両面原稿を搬送するときの制御の繰り返しとなるため、ここでは、1枚目の両面原稿と2枚目の両面原稿とを搬送する制御について説明する。また、以下の説明では、説明を簡単にするため1枚目の両面原稿を原稿P1とし、2枚目の両面原稿を原稿P2として説明する。
【0044】
図4は、本実施の形態における原稿搬送装置12で2枚の両面原稿を順に搬送するときの制御を説明するための図である。図4では、原稿搬送装置12の主要部分と、これに対する原稿の位置を模式的に示している。
【0045】
図4(A)は、原稿P1と原稿P2とを給紙トレイにセットした状態を示す。
この状態で、コピー開始指示を検出すると、原稿P1は、ピックアップローラR1により給紙され、給紙ローラ対R2と搬送ローラ対R3によって読取搬送部206に搬送される(図4(B))。読取搬送部206に進入した原稿P1の先端がセンサS1により検知されると、モータM2が駆動し、搬送ローラ対R4とR5とR6が同じ一定の速度で回転を開始すると共にソレノイドSLをオンし、切替部212が下側へ移動する。原稿P1は搬送ローラ対R4とR5により一定の速度で読取窓204を搬送される。原稿が読取窓204と通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿P1の表面が読取られる。
【0046】
その後、原稿P1は、切替部212が下側に移動しているので、第1反転部208へ搬送される(図4(C))。第1反転部208へ搬送される原稿P1の先端がセンサS2によって検知されると、モータM3が駆動されて第1反転部208のローラ対R8が回転を開始し、原稿P1をローラ対R8により引き込む。センサS2が原稿P1の後端を検知すると、ローラ対R8を逆回転させて、原稿P1の搬送方向を反転させ、搬送経路214に向かわせる(図4(D))。搬送経路214へ搬送された原稿P1は搬送ローラ対R6によって読取搬送部206へ搬送される。
【0047】
読取搬送部206に進入した原稿P1の先端がセンサS1によって検知されると、ソレノイドSLをオフし、切替部212を上側へ移動する。これと同時に、原稿P2をピックアップローラR1により給紙する。そして、原稿P2の先端がセンサS4により検出されると、その検出から上述した所定時間経過後にピックアップローラR1と給紙ローラ対R2を停止させる。これにより、原稿P2の先端が、ローラR3のニップ部にある位置で原稿P2が停止する(図4(E))。
【0048】
一方、原稿P1は読取搬送部206の搬送ローラ対R4とR5によって一定速度で搬送されて読取搬送部206を通過する。原稿P1が読取窓204を通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿P1の裏面が読取られる。原稿P1の後端がセンサS1により検知されると、モータM1の駆動を開始する(図4(F))。これにより、給紙ローラ対R2と搬送ローラ対R3を回転し、原稿P2の搬送を開始する。原稿P2の先端がセンサS1により検知されると、所定時間後にソレノイドSLがオンし、切替部212が下側に移動する。ソレノイドSLをオンにするタイミングは、原稿P1の後端が切替部212を通過した後であり、かつ、原稿P2が搬送ローラ対R5に達する前である。この条件を満たす所定時間が予め設定される。
【0049】
一方、原稿P1は、ソレノイドSLがオンとなる前に切替部212を通過する。切替部212が上側に移動しているので、原稿P1は、第2反転部210へ搬送される(図4(F))。原稿P1の先端がセンサS3によって検知されるとモータM3によってローラ対R7が回転を開始し、搬送された原稿P1を引き込む(図4(G))。この時、原稿P2は、原稿P1に引き続いて読取搬送部206に進入し、読取窓204を通過する。このように、先の原稿P1と後の原稿P2が搬送される間隔を短く保つことで、搬送時間を短かくすることができ、搬送効率が向上する。原稿P2が読取窓204を通過する間に、画像形成装置100のイメージリーダ部20により原稿P2の表面が読取られる。
【0050】
原稿P1の後端がセンサS3によって検知されるとローラ対R7が逆回転し、原稿P1を反転させて搬送経路216へ導く。同時に、原稿P2の先端は搬送ローラ対R5により搬送されるが、上述したように切替部212が下側に移動しているため、第1反転部208へ誘導される(図4(H))。
【0051】
搬送経路216へ導かれた原稿P1の先端がセンサS2によって検知されると、ローラ対R8の回転を開始し、ローラ対R8により引き込まれる。原稿P1の先端がローラ対R8に到達するのに少し遅れて原稿P2もローラ対R8に到達し、原稿P1とともに引き込まれる(図4(I))。
【0052】
そして、原稿P1は、第1反転部208により引き込まれ排紙トレイ16へ排出される(図4(J))。原稿P2の後端がセンサS2により検知されると、ローラ対R8が逆回転を開始し、原稿P2は弾性部材220の案内により搬送経路214へ搬送される。その後は、原稿P1と同様に裏面を読み取るために読取搬送部206を通過し、第2反転部210から搬送経路216を経由して第1反転部208へ搬送されて排出される。
【0053】
本実施の形態における原稿搬送装置12では、給紙部202の給紙ローラ対R2,R3、搬送経路214の搬送ローラ対R6、読取搬送部206の搬送ローラ対R4,R5、第1反転部208のローラ対R8および第2反転部210のローラ対R7で原稿を搬送する速さを一定としている。このため、後の原稿P2が先の原稿P1よりも少し遅れてローラ対R8に達するように、搬送経路長が設定されている。これについて詳細に説明する。
【0054】
原稿搬送装置12は、表面が読取られた原稿P1が裏面を読取るために読取搬送部206に進入し、センサS1で原稿P1の後端が検知されたときに、既に原稿P2の先端が搬送ローラ対R3のニップ部に位置決めされている(図4(F))。そして、センサS1で原稿P1の後端が検知されたときに原稿P2の搬送が開始される。
【0055】
搬送ローラ対R3のニップ部からセンサS1までの距離をL1とし、搬送ローラ対R5からセンサS3までの距離L2と、搬送ローラ対R5からセンサS2までの距離をL3とし、センサS3からセンサS2までの距離L4とし、センサS1から搬送ローラ対R5までの距離をL0とする。
【0056】
原稿P1が読取搬送部206に全て進入した状態、すなわち原稿P1の後端E1がセンサS1の位置にある状態から、原稿P1を第1反転部208に搬送する場合に、原稿P1の後端E1がセンサS1からセンサS3に到達するまでに移動する距離LP1aは、式(1)で表される。
【0057】
LP1a=L0+L2 … (1)
次に、原稿P1の後端E1がセンサS3の位置にある状態から、原稿P1を第2反転部210で反転させた後、搬送経路216を経由して第1反転部208に搬送する場合に、原稿P1の後端E1がセンサS3からセンサS2に到達するまでに移動する距離はL4である。なお、原稿P1は第2反転部210で搬送方向が反転されるので、原稿P1の後端E1は他端よりも搬送方向側に位置することとなる。ここでいう原稿P1の後端E1とは、原稿P1が反転される直前にセンサS3に位置する端部をいい、上述した後端E1はすべて同じである。
【0058】
したがって、原稿P1の後端E1がセンサS1で検出される位置にある状態から、原稿P1を第2反転部210経由で第1反転部208に搬送する間に、原稿P1の後端E1が移動する距離LP1は、LP1=LP1a+L4で表される。式(1)を用いて整理すると、次式(2)となる。
【0059】
LP1=L0+L2+L4 (2)
次に、原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置する状態から原稿P2が第1反転部208に搬送される場合に、原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置からセンサS3に到達するまでに移動する距離LP2は、次式(3)で表される。
【0060】
LP2=L0+L1+L3 … (3)
原稿P1の後端E1の方が原稿P2の先端E2よりも先にセンサS2に到達させるためには、LP1<LP2の条件が必要である。
【0061】
式(2)と式(3)を用いて整理すると次式(4)が成立する。
L2+L4<L1+L3 … (4)
なお、式(4)から明らかなように、距離L2を切替部212から第2反転部210との間の距離とし、距離L3を切替部212から第1反転部208までの距離とし、距離L4を第2反転部210から第1反転部208までの距離とすることもできる。
【0062】
また、本実施の形態における原稿搬送装置12では、図4(I)で示したタイミングの後、原稿P2が第1反転部208により反転されるタイミングを、センサS2により原稿P2の後端が検知されたときとしている。このため、原稿P2の後端がセンサS2により検知されたときに、原稿P1の後端(上述した後端E1と反対側の端部)が第1反転部208のローラ対R8を通過してしまっている必要がある。換言すれば、原稿P1の後端E1と、原稿P2の先端E2との間の距離が、センサS2と第1反転部208のローラ対R8との間の距離よりも長くなる必要がある。
【0063】
上述した式(2)は、原稿P1の後端E1がセンサS1からセンサS2まで移動する距離LP1を示し、式(3)は、原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部からセンサS2に移動する距離L2を示した。したがって、原稿P1の後端E1と原稿P2の先端E2との間の距離Lは、LP2−LP1となる。これを、式(2)および式(3)を用いて整理すると次式(5)で表される。
【0064】
L=(L1+L3)−(L2+L4) … (5)
センサS2から第1反転部208のローラ対R8までの距離をL5とすると、先の原稿P1だけを排紙するためには、L5<Lの関係が成立する必要がある。
これを式(5)を用いて整理すると次式(6)で表される。
【0065】
L5<(L1+L3)−(L2+L4) … (6)
距離L5が短いほど先の原稿P1と後の原稿P2との間の距離を短くして搬送することができるので、後の原稿P2の搬送を早期に開始できる。このため搬送効率を向上させることができる。しかしながら、距離L5を短くしすぎると、先の原稿P1を排出した時に後の原稿P2も同時に排出される恐れがあるため、後の原稿P2が先の原稿P1と同時に排出されない程度の距離を確保する必要がある。
【0066】
原稿P2を第1反転部208で反転するタイミングの別の方法として、原稿P2の後端がセンサS2により検知されたタイミングでタイマをセットし、セットしたタイマがタイムアップした時に第1反転部208で原稿P2を反転することもできる。但し、この場合は、原稿P1の全てが第1反転部208のローラ対R8を通過しており、かつ、原稿P2の一部が第1反転部208のローラ対R8を通過していないタイミングとなるようにタイマ値を設定する必要がある。
【0067】
図5は、本実施の形態における原稿搬送装置12の第1反転部208の詳細な構成を示す断面図である。図5を参照して、第1反転部208は、マイラーからなる弾性部材224を有している。弾性部材224は、図面上方の端部(上端)が図面の下方の端部(下端)よりも排紙トレイ16の側に傾いて、下端が第1反転部208に支持されている。弾性部材224の上端は、自由端となっている。
このため、ローラ対R8により排紙トレイ16側に搬送される原稿が、弾性部材224の上端を排紙トレイ16側に押すと、弾性部材224の上端が排紙トレイ16側に弾性変形するので、通路が開かれ原稿が搬送される。しかし、一度弾性部材224を抜けた原稿が戻ろうとした時に弾性部材224の上端が排紙トレイ16と反対側への弾性変形が規制されるので、通路が開かず、原稿が戻ることがない。このように第1反転部208を構成したので、図4(I)に示したように、原稿P1と原稿P2とを2枚重ねて搬送したときに、原稿P1のみ排出し、ローラ対R8を反転して原稿P2を逆側に搬送した時に、つられて原稿P1が再び第1反転部208に後戻りするのを防止でき、確実に2枚の原稿を分離できる。
【0068】
次に、第1反転部208の変形例について説明する。図6は、変形された第1反転部208を含む原稿搬送装置12の断面図である。図6を参照して、変形された第1反転部208は、上ローラR2081と下ローラR2082とを含む。
上ローラR2081と下ローラの双方が、モータM3により駆動される。また、上ローラR2081はモータM3から正転(原稿を排出する方向)と逆転の駆動が伝わる構成となっており、下ローラR2082は正転のみの駆動が伝わる構成となっている。なお、変形された第1反転部208は、図5に示したような弾性部材224を取り付ける必要はない。
【0069】
また、下ローラR2082にはトルクリミッタが設けられている。このトルクリミッタは、上ローラR2081の回転に伴って働く。すなわち、下ローラR2082は、原稿が2枚重なって排出方向に移動している時には排出方向に回転(正転)する。原稿が1枚排出されて、上ローラR2081が反転して搬送経路214側へ残りの1枚の原稿が移動を始めると、上ローラR2081からかかる力と摩擦力との関係により、下ローラR2082に逆転方向に力が働く。この逆転方向に働く力に伴ってトルクリミッタが働き下ローラR2082が逆回転する。
これにより、排出した原稿の1枚が再び逆戻りしようとしても、2枚の原稿の摩擦力は小さいので、トルクリミッタの働きがなくなり下ローラR2082は再び排出側へ回転しだす。このため、排紙した原稿を逆戻りさせることなく、2枚の原稿を分離し、1枚のみを排出することが可能となる。なお、トルクリミッタについては、既に複写装置の給紙装置に使用されている技術であり、当業者に周知なのでここでは説明を繰返さない。
【0070】
なお、上述した原稿搬送装置12では、搬送ローラ対R3のニップ部、切替部212、第1反転部208、第2反転部210、センサS1の配置が、式(4)が成立する関係となるように配置することとした。これに代えて、センサS1で原稿P1の後端E1が検出されてから、所定の時間経過後に原稿P2の先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置する原稿P2の搬送を開始するようにしてもよい。この所定の時間は、原稿P1の後端E1と原稿P2の先端E2との間の距離Lを定める時間である。この距離Lは、上述した式(5)で表される。原稿P1と原稿P2それぞれを搬送する速さが同じなので、距離を時間で表すこともできる。したがって、上述した式(5)から、原稿P2の搬送を開始するための所定の時間Tは、距離L2に対応する切替部212から第2反転部210に搬送する時間T2と、距離L3に対応する切替部212から第1反転部208に搬送する時間T3と、距離L4に対応する第2反転部210から第1反転部208に搬送する時間T4とを用いて、次式(7)で表される。
【0071】
T=(T1+T3)−(T2+T4) … (7)
この時間Tを用いて、センサS1で原稿P1の後端E1が検出されてから、時間T経過後に、先端E2が搬送ローラ対R3のニップ部に位置する原稿P2の搬送を開始すれば、原稿P1と原稿P2とを第1反転部208に原稿P1を原稿P2よりもわずかに早く到達させることができる。
【0072】
また、この時間Tを用いれば、搬送ローラ対R3のニップ部、切替部212、第1反転部、第2反転部210、センサS1の配置が、式(4)が成立する関係となるように配置する必要はないので、設計を容易にすることができる。
【0073】
さらに、この所定時間Tを原稿搬送制御部120のメモリに記憶するようにしておき、ユーザの入力など外部からの入力によりこの所定時間Tを変更することがきるようにしてもよい。これにより、第1反転部208で原稿P1と原稿P2とが重なる量を自由に調整できる。
【0074】
以上説明したように本実施の形態における原稿搬送装置12は、第1反転部208は、先の原稿P1と、読取搬送部から搬送された後の原稿P2とを重ねて同一方向に搬送して先の原稿P1を排紙トレイ16に排紙した後、後の原稿P2の搬送方向を反転させる。第1反転部208による先の原稿P1の排紙トレイへの排紙と、後の原稿P2の反転とを1つの第1反転部208で行うので、先の原稿P1と後の原稿P2を搬送する間隔を短くすることができる。
【0075】
また、第1反転部208は、先の原稿P1と後の原稿P2とを重ねて同一方向に搬送するため、重ねて搬送される先の原稿P1と後の原稿P2に画像面が擦れ合うのを防止することができる。このため、両面原稿の画像面にスミアが発生するのを防止できる。
【0076】
さらに、給紙トレイと排紙トレイとが上下に配置され、第1反転部208が、第2反転部210よりも給紙トレイ側に配置されるので、原稿搬送装置が水平方向に大きくなることがなく小型化することができるとともに、原稿の搬送経路を短くすることができる。
【0077】
さらに、給紙部202は、センサーS1の出力が搬送経路214により搬送された先の原稿P1を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて後の原稿P2の搬送を開始し、式(4)を満たす位置に、搬送ローラ対R3のニップ部、センサS1、切替部212、第1反転部208および第2反転部210が配置される。このため、先の原稿P1が後の原稿P2より先に第1反転部208に搬送されるので、先の原稿P1だけを確実に排紙トレイに排紙することができる。
【0078】
さらに、第1反転部208は、ローラ対R8から搬送経路214側に距離L5だけ離れた位置に配置されたセンサS2の出力が原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じてローラ対R8を反転し、(7)式を満たす位置にセンサS2を配置した。このため、排紙するための先の原稿P1を、反転するための後の原稿P2よりも距離L5を超える距離だけ先に第1反転部208に搬送することができる。このため、第1反転部208により、先の原稿P1を排紙トレイ16に排紙するとともに、後の原稿P2を反転することができる。
【0079】
さらに、給紙部202は、先の原稿P1の全てが読取搬送部206に進入してから所定の時間T経過した後に、後の原稿P2を読取搬送部206に搬送する。
先の原稿P1と後の原稿P2とが搬送される際の間隔が所定の時間Tに応じた距離となる。このため、所定の時間Tを設定することにより、先の原稿P1と後の原稿P2とが第1反転部208に搬送されるタイミングを設定することができる。したがって、先の原稿P1を後の原稿P2よりも先に第1反転部208に搬送させることができ、先の原稿P1を排紙トレイに排紙するとともに、後の原稿P2を反転することができる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における複写機の概略構成を示す断面図である。
【図2】原稿搬送装置の断面図である。
【図3】原稿搬送制御部120の入出力を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態における原稿搬送装置で2枚の両面原稿を順に搬送するときの制御を説明するための図である。
【図5】本実施の形態における原稿搬送装置の第1反転部の詳細な構成を示す断面図である。
【図6】変形された第1反転部を含む原稿搬送装置の断面図である。
【符号の説明】
10a 排出部、10 複写機、12 原稿搬送装置、14 給紙トレイ、16 排紙トレイ、20 イメージリーダ部、22 制御部、24 画像形成部、100 画像形成装置、120 原稿搬送制御部、202 給紙部、204 読取窓、206 読取搬送部、208 第1反転部、210 第2反転部、212切替部、214 搬送経路、216 搬送経路、220,222,224 弾性部材、M1,M2,M3 モータ、P1,P2 原稿、R1 ピックアップローラ、R2 給紙ローラ対、R3,R4,R5,R6 搬送ローラ対、R7,R8 ローラ対、S1,S2,S3,S4 センサ、SL ソレノイド、R2081 上ローラ、R2082 下ローラ。
Claims (5)
- 複数枚の両面原稿をセットできる給紙トレイと、
原稿の片面を外部から読取り可能とする読取窓を有する読取搬送部と、
原稿を前記給紙トレイから前記読取搬送部に給紙する給紙部と、
原稿が排紙される排紙トレイと、
前記読取窓の下流に位置し正逆転可能なローラを含む第1の反転手段と、
前記読取窓の下流に位置し正逆転可能なローラを含む第2の反転手段と、
原稿を前記読取窓から前記第1の反転手段に搬送するか前記第2の反転手段に搬送するかを切替える切替手段と、
前記第1の反転手段で反転された原稿を前記読取搬送部に搬送する第1の搬送経路と、
前記第2の反転手段で反転された原稿を前記第1の反転手段に搬送する第2の搬送経路とを備え、
前記第1の反転手段は、前記第2の搬送経路により搬送された先の原稿と、前記読取搬送部から搬送された後の原稿との少なくとも一部を重ねて同一方向に搬送し、前記先の原稿を前記排紙トレイに排紙した後、前記後の原稿の搬送方向を反転させる、原稿搬送装置。 - 前記給紙トレイと前記排紙トレイとは、上下に配置され、
前記第1の反転手段は、前記第2の反転手段よりも前記給紙トレイ側に配置される、請求項1に記載の原稿搬送装置。 - 前記読取搬送部は、原稿の進入口に原稿の有無を検出するための第1のセンサーを含み、
前記給紙部は、前記第1のセンサの出力が前記第1の搬送経路により搬送された先の原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて後の原稿の搬送を開始し、
前記給紙部が搬送を開始する原稿の先端位置と前記センサーとの間の距離L1と、
前記切替手段と前記第2の反転手段との間の距離L2と、
前記切替手段と前記第1の反転手段との間の距離L3と、
前記第1の反転手段と前記第2の反転手段との間の距離L4とが、
L2+L4<L1+L3
の関係式を満たす位置に、前記先端位置、前記第1のセンサ、前記切替手段、前記第1の反転手段および前記第2の反転手段を配置した、請求項1に記載の原稿搬送装置。 - 前記第1の反転手段は、前記ローラから前記第1の搬送路側に距離L5だけ離れた位置に原稿の有無を検出するための第2のセンサを含み、前記第1の反転手段は、前記第2のセンサの出力が原稿を検出している状態から検出しない状態へ切替わったことに応じて前記ローラを反転し、
L5<(L1+L3)−(L2+L4)
の関係式を満たす位置に前記第2のセンサを配置した、請求項3に記載の原稿搬送装置。 - 前記給紙部は、前記第1の搬送経路により搬送された先の原稿の全てが前記読取搬送部に進入してから所定の時間経過した後に、後の原稿を前記読取搬送部に搬送する、請求項1に記載の原稿搬送装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-01-28 JP JP2003019161A patent/JP2004233451A/ja active Pending
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