JP2004232579A - 燃料タンクのシール構造 - Google Patents

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Hiroaki Kaneko
博明 金子
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Abstract

【課題】組み付け作業性が良好な燃料タンクのシール構造を提供するものである。
【解決手段】開口1を備えたタンク2と、開口1をふさぐ取付部材3と、開口1の周囲と取付部材3との間に設けられるリング状のシール部材であるパッキン4とを備えた燃料タンクのシール構造において、タンク2内に向けて延長形成された第1の筒部5を開口1に設け、第1の筒部5より小径の第2の筒部10を取付部材3に設け、第1の筒部5と第2の筒部10との間に位置する第3の筒部17をパッキン4に設けたものである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンクの開口に取り付けられる取付部材のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に使用される燃料タンクには、燃料の液面を検出する液面検出ユニットや燃料ポンプユニット等の部品が取り付けられている。このような部品を取付部材を介して、燃料タンクに取り付ける際のシール構造としては、例えば、燃料タンクの開口の周囲にシール部材であるリング状のパッキンを設け、前記液面検出ユニット等が取り付けられる板状の取付部材で前記パッキンを圧縮しつつ、前記開口を覆ってボルトなどの固定部材によって固定され、前記パッキンが前記燃料タンクと前記取付部材との間をシールして、燃料の漏れを防止するものが知られている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−28732号公報(図7、図8)
【特許文献2】
特開平9−58280号公報(図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料タンクのシール構造では、シール性を確保するために、多数のボルトやナットなどの固定部材を用いてパッキンを圧縮していた。また、このパッキンの圧縮する量を管理するために、ボルトやナットなどの締め付けトルクを管理するなど、組み付け作業が煩わしかった。
【0005】
そこで、本発明は、この点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、組み付け作業性が良好な燃料タンクのシール構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、開口を備えたタンクと、前記開口をふさぐ取付部材と、前記開口の周囲と前記取付部材との間に設けられるリング状のシール部材とを備えた燃料タンクのシール構造において、前記タンク内に向けて延長形成された第1の筒部を前記開口に設け、前記第1の筒部より小径の第2の筒部を前記取付部材に設け、前記第1の筒部と第2の筒部との間に位置する第3の筒部を前記シール部材に設けたものである。
【0007】
また、前記第2の筒部を前記取付部材にリングプロジェクション溶接によって固定したものである。
【0008】
また、前記第2の筒部を前記取付部材に炉中ろう付けによって固定したものである。
【0009】
また、前記第2の筒部に鍔部を設けるとともに、この鍔部から前記第2の筒部方向に伸びる突出部を複数設け、前記シール部材に前記突出部が挿入される溝を設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料タンクのシール構造は、開口1を備えたタンク2と、開口1をふさぐ取付部材3と、開口1の周囲と取付部材3との間に設けられるリング状のシール部材であるパッキン4とを備えた燃料タンクのシール構造において、タンク2内に向けて延長形成された第1の筒部5を開口1に設け、第1の筒部5より小径の第2の筒部10を取付部材3に設け、第1の筒部5と第2の筒部10との間に位置する第3の筒部17をパッキン4に設けたものである。このように構成したことにより、組み付け作業性が良好な燃料タンクのシール構造を提供することができる。
【0011】
また、第2の筒部10を取付部材3にリングプロジェクション溶接によって固定したものである。このように構成したことにより、組み付け作業性が良好な燃料タンクのシール構造を提供することができる。また、シール性の良好な燃料タンクのシール構造を提供することができる。
【0012】
また、第2の筒部10を取付部材3に炉中ろう付けによって固定したものである。このように構成したことにより、組み付け作業性が良好な燃料タンクのシール構造を提供することができる。また、シール性の良好な燃料タンクのシール構造を提供することができる。
【0013】
また、第2の筒部10に鍔部11を設けるとともに、この鍔部11から第2の筒部10方向に伸びる突出部である爪部14を複数設け、パッキン4に爪部14が挿入される溝21を設けたものである。このように構成したことにより、組み付け作業性が良好な燃料タンクのシール構造を提供することができる。
【0014】
【実施例】
図1から図4は本発明の第1実施例を示すもので、以下、本発明を例えば車両用の燃料タンクに適用した場合について説明する。
【0015】
本実施例の燃料タンクのシール構造は、合成樹脂からなり、その一部に開口1を備えたタンク2と、この開口1をふさぐ取付部材3と、開口1の周囲と取付部材3との間に設けられるシール部材であるパッキン4とを備えている。
【0016】
タンク2の開口1は円形の孔であり、この開口1にはタンク2内に向けて延長形成された第1の筒部5が設けられている。この第1の筒部5は円筒形である。なお、本実施例では、第1の筒部5は、開口1からタンク2内に一段凹んだ凹部6を介して設けられている。また、開口1の周囲には、3本のピン7が設けられている。このピン7は、取付部材3をタンク2に取り付ける時に用いるものである。
【0017】
取付部材3は金属製である。また、取付部材3は円形の板状体である。この取付部材3は、その中央が一段隆起した隆起部8を備えている。また、この取付部材3には、二股の位置決め部材9が設けられており、この位置決め部材9は前述したピン7の一つに合致するものである。
【0018】
また、この取付部材3には、第1の筒部5より小径の第2の筒部10が設けられている。この第2の筒部10は、第1の筒部5の内側に位置している。この第2の筒部10は金属製であり、取付部材3とは別体である。第2の筒部10は、その上端から外周方向に伸びる鍔部11を備えており、この鍔部11を取付部材3に溶接することによって、第2の筒部10は取付部材3に固定されている。この溶接方法としては、取付部材3に対向する鍔部11の上面12に切れ目のないリング状の突起13を形成し、この突起13を取付部材3に当てて溶接するリングプロジェクション溶接がある。この溶接方法を採用することによって、少なくとも突起13部分で必ず取付部材3と第2の筒部10とが密着しているので、取付部材3と第2の筒部10との間からの燃料漏れを防ぐことができる。なお、本実施例では、第2の筒部10の鍔部11に突起13を形成したが、鍔部11に形成せず代わりに取付部材3に形成したものでも良い。
【0019】
また、第2の筒部10の鍔部11には、その外周に第2の筒部10方向に折り返して形成された突出部である爪部14が設けられている。この爪部14は2つ設けられている。この爪部14はパッキン4を第2の筒部10に固定するために用いるものである。
【0020】
また、この取付部材3のタンク2内側には、図示しない液面検出ユニットなどを支持するステー15が設けられている。このステー15も金属製で、取付部材3に溶接によって固定されている。また、取付部材3の隆起部8には、前記液面検出ユニットからの電気信号を外部に出力する端子16が設けられている。この端子16は、タンク2等に比べて高い位置に設けられているため、仮にタンク2が水をかぶったとしても、水が端子16とその近傍にとどまることがなく、端子16やその近傍の取付部材3の腐食などを防止することができる。
【0021】
パッキン4は、ゴムなどの弾性部材からなり、タンク2と取付部材3との間に位置するリング状の鍔部18の内周側に、第1の筒部5と第2の筒部10との間に位置する第3の筒部17が設けられている。この第3の筒部17も円筒形であり、この第3の筒部17が第1の筒部5と第2の筒部10との間で圧縮されて、シール性を確保している。さらに、鍔部18がタンク2と取付部材3との間でもパッキン4が圧縮されてシール性を確保している。
【0022】
また、本実施例のタンク2は、取付部材3やパッキン4などがタンク2から突出するのを抑えるために、凹部5が設けられている。この凹部5と取付部材3やパッキン4などの隙間に水などが浸入して腐食しないように、パッキン4の鍔部18の外周に壁部19が設けられている。この壁部19は、パッキン4と連結部20によって一体に形成されている。この連結部20を除いた部分には、円弧状に湾曲し貫通した底のない溝21が形成されている。この溝21に、第2の筒部10の爪部14が挿入される。凹部6内に取付部材3やパッキン4を収納した際に、爪部14がタンク2と接触することにより、取付部材3とタンク2の高さを規定するものである。
【0023】
22はプッシュナットであり、ピン7に圧入状態で挿入され、取付部材3をタンク2に固定するものである。
【0024】
次に、本実施例の取付方法を説明する。まず、第2の筒部10を固定した取付部材3に、パッキン4を装着する。次に、パッキン4を装着した取付部材3を第1の筒部5を設けた開口1に、位置決め部材9をピン7に合わせて、爪部14がタンク2の凹部に当接するまで挿入する。また、この挿入によって、取付部材3と凹部5との隙間には、パッキン4の壁部19が入り込んで、凹部5内に水などの浸入を防止することができる。この挿入によって、パッキン4に設けた第3の筒部17が第1の筒部5と第2の筒部10間で圧縮された状態となり、シール性が確保される。そして、挿入が完了したら、プッシュナット22をピン7に挿入して固定して取り付けが完了する。
【0025】
このように構成することによって、従来のように、ボルトやナットなどの締め付けによるパッキン4の圧縮によってシール性を確保するのではなく、第1の筒部5と第2の筒部10との間隔によって、パッキン4が圧縮されるので、ボルトやナットなどの締め付けトルクを管理するなどの作業を必要とせず、挿入作業のみでシール性が確保されるので、作業性が向上する。さらに、取付部材3の固定にプッシュナット22を用いるので、ボルトやナットなどを回転させるなどの作業も不要となり、さらに作業性が向上する。
【0026】
なお、このピン7とプッシュナット22に替えて、ボルトとナットなどの固定手段でも良い。この場合でも、従来のように、ボルトやナットなどの締め付けトルクを管理するなどの作業を必要しないので、その分の作業性の向上が得られる。
【0027】
なお、シール性を向上させるために、第2の筒部10の筒状部分の外周に切れ目のないリング状の突起を設けると、さらに良好なシール性を得ることができる。
【0028】
また、前記実施例では、溝21は貫通したものであり、底がないものであったが、薄い底を設けた溝であってもよい。
【0029】
なお、第1実施例では、取付部材3と第2の筒部10との固定方法として、リングプロジェクション溶接法を用いたが、この溶接方法に限定されるものではなく、本発明の第2実施例として、炉中ろう付け法を用いて固定しても良い。この炉中ろう付け法は、取付部材3と第2の筒部10を適宜箇所、例えば、2カ所ほどをスポット溶接によって固定し、その後、取付部材3と第2の筒部10の接触部分を切れ目なく銅などで覆い、その後、この銅を炉で溶かして接続するものである。この接続でも、シール性の良い接続を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、初期の目的を達成することができ、組み付け作業性が良好な燃料タンクのシール構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の上面図である。
【図2】図1中A−A線の断面図である。
【図3】同実施例の第2の筒部の斜視図である。
【図4】同実施例のパッキンの斜視図である。
【符号の説明】
1 開口
2 タンク
3 取付部材
4 パッキン
5 第1の筒部
6 凹部
7 ピン
8 隆起部
9 位置決め部材
10 第2の筒部
11 鍔部
12 上面
13 突起
14 爪部(突出部)
15 ステー
16 端子
17 第3の筒部
18 鍔部
19 壁部
20 連結部
21 溝
22 プッシュナット

Claims (4)

  1. 開口を備えたタンクと、前記開口をふさぐ取付部材と、前記開口の周囲と前記取付部材との間に設けられるリング状のシール部材とを備えた燃料タンクのシール構造において、前記タンク内に向けて延長形成された第1の筒部を前記開口に設け、前記第1の筒部より小径の第2の筒部を前記取付部材に設け、前記第1の筒部と第2の筒部との間に位置する第3の筒部を前記シール部材に設けたことを特徴とする燃料タンクのシール構造。
  2. 前記第2の筒部を前記取付部材にリングプロジェクション溶接によって固定したことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクのシール構造。
  3. 前記第2の筒部を前記取付部材に炉中ろう付けによって固定したことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクのシール構造。
  4. 前記第2の筒部に鍔部を設けるとともに、この鍔部から前記第2の筒部方向に伸びる突出部を複数設け、前記シール部材に前記突出部が挿入される溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクのシール構造。
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