JP4001038B2 - 燃料タンク - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用の樹脂製の燃料タンクであって、特にタンク本体の開口部にて外部に突出する円筒形の取付筒部に、シール部材を介してポンプ支持部材が気密状態で固定されて開口部が気密封止される燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の樹脂製の燃料タンクは、例えば、特許文献1に示すように、壁に形成した開口に連なる筒状内周面を設けると共に、被取付部品(ポンプ支持部材)に筒状内周面と対向する筒状外周面を設け、さらに筒状内周面と筒状外周面との間にシール部材を装着したうえで、燃料タンク内に被取付部品を挿入することにより開口を気密状態で閉じている。しかし、この燃料タンクの場合、被取付部品を燃料タンク内に挿入する際に、筒状内周面と筒状外周面との間に装着されるシール部材が位置ずれしたり、外れたりするおそれがあり、シール構造として不安定である。また、この燃料タンクは、筒状内周面と筒状外周面との間に挟まれたシール部材による1箇所のみでシールが行われるものであり、気密シールの信頼性が必ずしも十分ではない。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−140718号公報(第2頁、図1−図3)
【0004】
これに対して、他の構造の燃料タンクとして、筒状のサブシール部とその一端にて径方向外方にわずかに突出する環状のメインシール部を有する耐ガソリン透過性の例えばNBR/PVC製の弾性体シール部材を用いたものが知られている。この弾性体シール部材が、サブシール部にて燃料タンクのタンク本体の開口部から外方に突出した取付筒部内に挿入されると共にメインシール部にて取付筒部の先端に載置される。つぎに、燃料タンク内に挿入されるポンプ支持部材が、その一端側の筒状の係合端部にて弾性体シール部材のサブシール部を取付筒部の内周面に押圧して密着させると共に係合端部の一端にて径方向外方にわずかに延びた鍔部がメインシール部に重ね合される。さらに、締付部材が、取付筒部の外周に嵌合されると共に鍔部に重ね合されて、弾性体シール部材のメインシール部を押圧した状態で取付筒部に固定される。これにより、樹脂製のタンク本体の開口部が気密状態で封止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記燃料タンクの場合、ポンプ支持部材の係合端部をタンク本体の取付筒部に圧入する際に、弾性体シール部材の特にメインシール部がポンプ支持部材の挿入の際の押圧力により引っ張られて無用な変形が生じ、取付筒部と係合端部との間にかみ込みが生じ易い。その結果、弾性体シール部材によるタンク本体の取付筒部とポンプ支持部材の係合端部の間のシール性能が低下して、ガソリン漏れが生じやすいという問題がある。また、タンク本体のブロー成形のバラツキや、経時変化によるタンク本体の変形等により、タンク本体とサブシール部との間に隙間が生じて、サブシール部によるタンク本体とポンプ支持部材間のシール性能が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、ポンプ支持部材を燃料タンクのタンク本体の開口部に圧入する際の弾性体シール部材のメインシール部の無用な変形を抑えて、弾性体シール部材のシール性能を確保できる燃料タンクを提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、タンク本体の成形のバラツキや、経時変化による変形等によるタンク本体とサブシール部との間のシール性能の低下を抑え、弾性体シール部材のシール性能を確保できる燃料タンクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、壁面に設けた開口部にて外部に突出する円筒形の取付筒部を有する樹脂製で中空箱状のタンク本体と、筒状のサブシール部とサブシール部の一端にて径方向外方に突出する環状のメインシール部とを一体で有し、サブシール部にて取付筒部内に挿入されると共にメインシール部にて取付筒部の先端部に載置された弾性体シール部材と、燃料ポンプを支持する基部の一端側に筒状の係合端部を有し、係合端部の開口が封止されると共に係合端部の一端側にて径方向外方に延びた鍔部を設けており、基部が取付筒部から挿入されてタンク本体内に配置され、係合端部の外周面にてサブシール部を取付筒部内周面に押圧すると共に鍔部がメインシール部に重ね合されたポンプ支持部材と、ポンプ支持部材に被せられて、取付筒部の外周に嵌合されると共に鍔部に重ね合されてメインシール部を押圧した状態で取付筒部に取り付けられた環状の締付部材とを備えた燃料タンクにおいて、弾性体シール部材は、サブシール部の内周面及び外周面側にてそれぞれ内外方に向けて突出した少なくとも一対の突出部を設け、メインシール部近傍位置に設けたサブシール部の外周面側の突出部の長さが、内周面側の突出部の長さより長くされ、サブシール部は、メインシール部近傍位置に設けた突出部取付位置を挟んだ先端側の厚さがメインシール部側の厚さより薄くされており、取付筒部とポンプ支持部材の係合端部間に挟まれた状態においてサブシール部の厚さがメインシール部の厚さと略同一にされたことにある。
【0008】
上記のように構成した請求項1の発明においては、弾性体シール部材のサブシール部にて、ポンプ支持部材の係合端部の外周面に押圧されて取付筒部に押し付けられることにより、取付筒部とポンプ支持部材の係合端部間がシールされる。また、メインシール部にて、締付部材によって取付筒部に押圧されることにより、ポンプ支持部材の鍔部とタンク本体の取付筒部間がシールされる。そして、サブシール部の内周面及び外周面側にてそれぞれ内外方に向けて突出した少なくとも一対の突出部を設けたことにより、燃料タンクのタンク本体の成形のバラツキにより大きめに形成されたり、あるいは経時変化によるタンク本体の変形等があっても、タンク本体の取付筒部とサブシール部との間に生じた隙間を、外周面側の突出部によりカバーすることができ、この部分でのシール性能が確保される。また、内周面側の突出部により、ポンプ支持部材側とのシール性が確保される
【0009】
さらに、取付筒部とポンプ支持部材の係合端部との間に挟まれた状態のサブシール部の厚さがメインシール部の厚さと略同一にされたことにより、弾性体シール部材が装着された取付筒部にポンプ支持部材を挿入する際に、ポンプ支持部材のサブシール部に対する引っ掛かりが少なくされてスムーズな挿入が可能になる。そのため、ポンプ支持部材の係合端部とタンク本体の取付筒部間でのサブシール部のかみ込みの発生が防止され、弾性体シール部材によるシール性能が確保される。
【0010】
また、サブシール部の外周面側の突出部の長さが、内周面側の突出部の長さより長くされたことにより、弾性体シール部材が装着された取付筒部にポンプ支持部材を挿入する際に、ポンプ支持部材は、長さの短い径方向内側の突出部にほとんど拘束されること無く、スムーズに挿入される。そのため、ポンプ支持部材の押圧力により弾性シール部材が引っ張られ難くされるため、弾性体シール部材の不要な変形が抑えられる。また、タンク本体の成形のバラツキにより大きめに形成されたり、あるいは経時変化によるタンク本体の変形等により、タンク本体の取付筒部とサブシール部との間に生じた隙間については、径方向外方に延びた長さの長い突出部によりカバーすることができ、サブシール部によるシール性能が確保される。さらに、サブシール部は、メインシール部近傍位置に設けた突出部取付位置を挟んだ先端側の厚さがメインシール部側の厚さより薄くされているため、取付筒部とポンプ支持部材の間に挟まれた状態で、サブシール部の内周面側及び外周面側の突出部が厚さの薄い中心部分に重ね合されることにより、全体としてサブシール部の厚さがメインシール部の厚さと略同一にされる
【0011】
また、上記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の燃料タンクにおいて、弾性体シール部材の少なくともメインシール部内に、周方向に沿ってメインシール部の外周縁の厚さ方向の中間位置から軸心方向にその内周縁近傍位置まで延びた平坦な環状の補強部材が埋設されたことにある。このように、弾性体シール部材の少なくともメインシール部に埋設された環状の補強部材により、この部分が変形し難いように補強されている。そのため、上記請求項1の発明の作用効果に加えて、弾性体シール部材が装着された取付筒部に、ポンプ支持部材を挿入する際に、ポンプ支持部材の押圧力によって弾性シール部材のメインシール部が引っ張られるが、メインシール部は補強部材により強化されているため、その変形が抑えられる。そのため、メインシール部のポンプ支持部材とタンク本体の取付筒部間でのかみ込みの発生が防止され、メインシール部によるシール性能が確保される。
【0012】
また、上記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項2に記載の燃料タンクにおいて、補強部材が金網板製であることにある。このように、補強部材が金網板製であることにより、金網の隙間に弾性体が食い込むアンカー効果が得られ、補強部材と弾性体シール部材との一体性が高められる。その結果、弾性体シール部材から補強部材が外れるといった不具合が確実に防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、参考例1である自動車用の樹脂製の燃料タンク10の全体を一部破断正面図により示し、図2は、燃料タンクの要部を一部破断正面図により示し、図3から図5は、弾性体シール部材を一部破断正面図、一部破断平面図及び拡大断面図により示したものである。
【0014】
燃料タンク10は、図1及び図2に示すように、上壁11aに設けた開口部12にて外部(上方)に突出する円筒形の取付筒部13を有する樹脂製のタンク本体11を備えている。筒状のサブシール部22とサブシール部の一端にて径方向外方に突出する環状のメインシール部23を有する弾性体シール部材21が、サブシール部22にて取付筒部13内に挿入されると共にメインシール部23にて取付筒部13の先端に載置される。さらに、燃料ポンプ31を支持する基部33の一端側(図示上端側)に筒状の係合端部34を設け、係合端部34の開口が封止されると共に係合端部34の一端(図示上端)にて径方向外方に延びた鍔部36を設けたポンプ支持部材32が、取付筒部13からタンク本体11内に挿入されて、係合端部34の外周面にてサブシール部22を取付筒部13の内周面に押圧すると共に鍔部36がメインシール部23に重ね合されている。ポンプ支持部材32に、環状の締付部材17が被せられて、取付筒部13の外周に嵌合されると共に鍔部36に重ね合されてメインシール部23を押圧した状態で取付筒部13に取り付けられている。そして、弾性体シール部材21のメインシール部23内には、金網板製の環状の補強部材26が埋設されている。
【0015】
タンク本体11は、図1に示すように、略直方体で中空の箱形状であり、その上壁11aに円形の開口部12を有し、開口部12の全周縁において上壁11aに対して垂直に外方に突出した円筒形の取付筒部13を設けている。取付筒部13は、先端側が軸心方向にわずかに伸びた平坦なフランジ状の取付端部14になっており、外周面には螺旋状にねじ部15が形成されている。タンク本体11は、樹脂材料を用いてブロー成形により一体形成されるが、そのため、製造ロット等によって、取付筒部13の寸法形状にばらつきが生じやすい。
【0016】
弾性体シール部材21は、図3から図5に示すように、筒状のサブシール部22と、その軸方向一端(図示上端)の周方向全周にて径方向外方に突出する環状のメインシール部23とを一体で有している。弾性体シール部材21は、耐ガソリン透過性のゴム材料である、例えばNBR・PVC等が用いられている。サブシール部22は、軸方向中間位置にてその内周面及び外周面からそれぞれ周方向全周において軸方向他端側(図示下端)に向けて鋭角に傾斜して突出した軸線位置での断面形状が楔状である一対の環状の第1突出部24を有している。さらに、サブシール部22は、軸方向他端側にて、周方向全周において内外周面から軸方向他端に向けて鋭角に傾斜すると共に径方向中間で枝分かれして突出した均一な肉厚の一対の第2突出部25を有している。そして、サブシール部22は、図6に示すように、ポンプ支持部材32の係合端部34によって取付筒部13に押圧された状態での肉厚がメインシール部23の肉厚と略同一になるようにされている。
【0017】
メインシール部23は、上下両平面の外周縁から径方向わずかに内側位置にて、わずかに突出すると共に周方向全周に延びた円環状のシール突起23aを有している。さらに、メインシール部23には、外周縁の厚さ方向の中間位置から軸心方向にその内周縁近傍まで延びた金網板製で平坦な円環板である補強部材26が埋設されている。弾性体シール部材21は、サブシール部22にて取付筒部13内にその内壁面にほぼ密着した状態で挿嵌されると共にメインシール部23にて取付筒部13の上端の取付端部14に載置される。
【0018】
ポンプ支持部材32は、図1及び図7に示すように、樹脂製の半円弧状で長尺の基部33と、基部33の軸方向一端(図示上端)にて同軸状に一体で取り付けられた円筒状で基部33の外周からわずかに膨出した係合端部34とを設けており、基部33の内壁には燃料ポンプ31が固定されている。さらに、係合端部34の上端開口には円板状の蓋板35が取付けられて開口が塞がれており、蓋板35の外周縁は、周方向全周に沿って係合端部34の外周面から外方にわずかに突出した環状の鍔部36になっている。蓋板35には、燃料ポンプ31の燃料吐出口から延びた吐出パイプ37が板面を貫通して取り付けられており、またエンジン側からの余剰燃料を戻す必要がある場合は、タンク本体11内に還流する戻しパイプ38が板面を貫通して取り付けられる。ポンプ支持部材32は、取付筒部13からタンク本体11内に挿入されて、係合端部34にて弾性体シール部材21のサブシール部22を取付筒部13に押圧し、鍔部36をメインシール部23に重ねることにより取付筒部13に設置され、基部33及び基部33に取り付けられた燃料ポンプ31がタンク本体11内に配置される。
【0019】
締付部材17は、図2に示すように、樹脂製薄肉の環状部材であり、円筒状の筒部18と、その一端(図示上端)にて径方向内方に延びた円環状のフランジ部19とを一体で有している。筒部18は、軸方向長さが上記取付筒部13の軸方向長さとほぼ同一であり、その内周面に取付筒部13の外周面に設けたねじ部15に螺合する雌ねじ部18aを有している。フランジ部19は、中心の円形穴19aの内径が、ポンプ支持部材32の係合端部34の外径よりわずかに小さくなっている。締付部材17は、弾性体シール部材21及びポンプ支持部材32が取付けられたタンク本体11の取付筒部13のねじ部15に雌ねじ部18aを螺着させることにより、取付筒部13に固定される。これにより、ポンプ支持部材32の鍔部36を介してメインシール部23が取付筒部13先端の取付端部14に押し付けられ、その結果、メインシール部23による取付筒部13とポンプ支持部材32間のシール性能が確保されるようになっている。
【0020】
上記参考例1においては、弾性体シール部材21のサブシール部22にて、ポンプ支持部材32の係合端部34の外周面に押圧されてタンク本体11の取付筒部13に押し付けられることにより、取付筒部13とポンプ支持部材32の係合端部34間がシールされる。また、メインシール部23にて、締付部材17によって取付筒部13に押圧されることにより、ポンプ支持部材32の鍔部36とタンク本体11の取付筒部13間がシールされる。そして、弾性体シール部材21のメインシール部23内には、金網板製の補強部材26が埋設されており、この部分が変形し難いように補強されている。
【0021】
そのため、弾性体シール部材21が装着された取付筒部13に、ポンプ支持部材32を挿入する際に、ポンプ支持部材32の押圧力によって弾性体シール部材21のメインシール部23が引っ張られるが、メインシール部23は補強部材26により強化されているため、その無用な変形が抑えられる。そのため、メインシール部23のポンプ支持部材32とタンク本体11の取付筒部13間でのかみ込みの発生が防止され、メインシール部23によるシール性能が確保される。その結果、参考例1においては、ポンプ支持部材32とタンク本体11間からのガソリンの透過が確実に抑えられる。さらに、補強部材26が金網板製であることにより、ゴム弾性体が金網の隙間に食い込むアンカー効果が得られ、補強部材26と弾性体シール部材21との一体性が高められる。その結果、弾性体シール部材21から補強部材26が外れるといった不具合が確実に防止される。
【0022】
つぎに、上記参考例1の変形例1について説明する。
変形例1においては、図8に示すように、弾性体シール部材41は、筒状のサブシール部42が、軸方向中間部に突出部を設けず、その軸方向他端(図示下端)にて径方向内外方に広がると共に軸方向に延びた軸線位置での断面形状が略逆U字状をなす一対の突出部43,44を設けたものである。また、突出部43,44は、その内外周面のそれぞれ外方向に膨らんだ円弧形状にされている。メインシール部45については、上記参考例1に示したものと同様に補強部材46が埋設されている。
【0023】
変形例1によれば、タンク本体11の成形のバラツキにより大きめに形成されたり、あるいは経時変化によるタンク本体11の変形等があっても、外側の突出部43によってタンク本体11の取付筒部13とサブシール部42との間に生じた隙間がカバーされ、この部分でのシール性能が確保される。さらに、突出部43の外周面が円弧状にされていることにより、取付筒部13との接触が確実に得られ、サブシール部42によるシール性能が一層確実に発揮される。また、弾性体シール部材41が装着された取付筒部13にポンプ支持部材32を挿入する際に、内側の突出部44が径方向外方に容易に変形可能になっているため、ポンプ支持部材32のサブシール部42に対する引っ掛かりが少なくスムーズに挿入される。そのため、補強部材46を設けた効果に加えて、ポンプ支持部材32の係合端部34とタンク本体11の取付筒部13間でのメインシール部45のかみ込みの発生がより確実に防止され、弾性体シール部材41によるシール性能が確保される。
【0024】
つぎに、上記参考例1の変形例2について説明する。
変形例2においては、図9に示すように、弾性体シール部材21に埋設された補強部材27が、平坦な環状部28に加えて、その径方向内端にて直角に曲げられてサブシール部22側に延びた垂直筒部29を設け、軸線位置での断面が略L字形状としたことにある。このように、補強部材27が、環状部28に加えて垂直筒部29を設けたことにより、補強部材27による弾性体シール部材21の補強がさらに高められ、その無用な変形がさらに確実に抑えられる。
【0025】
つぎに、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態においては、図10に示すように、弾性体シール部材51は、筒状のサブシール部52とその軸方向一端(図示上端)にて径方向外方に突出する環状のメインシール部53とを一体で有している。サブシール部52は、その軸方向一端近傍位置にてその内外周面から周方向全周において軸方向他端側(図示下端)に向けて鋭角に傾斜した環状の第1内突出部54及び第1外突出部55を有している。第1内突出部54は、軸線位置での断面形状が楔状になっており、突出長さが非常に短くされている。第1外突出部55は、サブシール部の下端近傍まで突出しており、突出長さが第1内突出部54に比べて非常に長くなっている。さらに、サブシール部52は、軸方向他端側にて、周方向全周において内外周面から軸方向他端に向けて鋭角に傾斜すると共に径方向中間で枝分かれして突出した均等な肉厚の一対の第2突出部56を有している。
【0026】
サブシール部52は、第1内及び外突出部54,55取付位置を挟んだ先端側の厚さが、メインシール部53側の厚さより薄くされている。これにより、取付筒部13とポンプ支持部材32の間に挟まれた状態で、サブシール部52の第1内及び外突出部54,55が厚さの薄い中心部分に重ね合されることにより、全体としてサブシール部52の厚さがメインシール部53の厚さと略同一にされる。一方、メインシール部53は、上下両平面の外周縁から径方向わずかに内側位置にて、わずかに突出すると共に周方向全周に延びた円環状のシール突起を有し、さらに、軸心側内端の角部53bが滑らかな円弧状に切り欠かれて凸曲面状にされている。
【0027】
上記のように構成した実施形態においては、取付筒部13とポンプ支持部材32の係合端部34の間に挟まれた状態のサブシール部52の厚さがメインシール部53の厚さと略同一にされたことにより、弾性体シール部材51が装着された取付筒部13にポンプ支持部材32を挿入する際に、ポンプ支持部材32のサブシール部52に対する引っ掛かりが無くスムーズに挿入される。その結果、ポンプ支持部材32の係合端部34とタンク本体11の取付筒部13間でのサブシール部52のかみ込みの発生が防止され、サブシール部52によるシール性能が確保される。
【0028】
また、メインシール部53の軸心側内端の角部53bが凸曲面状に切り欠かれていることにより、弾性体シール部材51が装着された取付筒部13に、ポンプ支持部材32の係合端部34を挿入する際に、曲面状の角部53bによってポンプ支持部材32のメインシール部53に対する引っ掛かりが抑えられる。そのため、ポンプ支持部材32の押圧力によってメインシール部53が引っ張られ難くされ、メインシール部53の無用な変形が抑えられる。その結果、本実施形態においては、ポンプ支持部材32の係合端部34とタンク本体11の取付筒部13間でのメインシール部53のかみ込みの発生が防止され、メインシール部53によるシール性能が確保される。
【0029】
さらに、本実施形態においては、サブシール部52の第1内突出部54の長さが非常に短くされていることにより、弾性体シール部材51が装着された取付筒部13にポンプ支持部材32を挿入する際に、ポンプ支持部材32は、長さの短い第1内突出部54にほとんど拘束されることなくスムーズに挿入される。そのため、ポンプ支持部材32の押圧力によりサブシール部52が引っ張られ難くされるため、サブシール部52の無用な変形が抑えられる。また、タンク本体11が成形のバラツキにより大きめに形成されたり、あるいは経時変化によるタンク本体11の変形等により、タンク本体11の取付筒部13とサブシール部52との間に生じた隙間については、径方向外方に延びた長さの長い第1外突出部55によりカバーすることができる。その結果、サブシール部52によるシール性能がさらに良好に確保される。
【0030】
なお、本実施形態においては、弾性体シール部材51は、取付筒部13とポンプ支持部材32の係合端部34との間に挟まれた状態のサブシール部52の厚さがメインシール部53の厚さと略同一にされていること、メインシール部53の軸心側内端の角部53bが凸曲面状に切り欠かれていること、及びサブシール部52の第1外突出部55の長さが第1内突出部54の長さより長くされていること、の3つの要件を具備しているが、これらのいずれか1つあるいは2つを備えたものであってもよい。それにより、弾性体シール部材のそれぞれの要件に伴う上記した効果が、燃料タンクにおいてそれぞれ得られる。
【0031】
つぎに、参考例2について説明する。
本参考例2においては、図11に示すように、弾性体シール部材61は、筒状のサブシール部62が、メインシール部63からわずかに突出したストレート部の軸方向他端(図示下端)にて径方向内外方に広がると共に軸方向下方に向けて延びた内突出部64及び外突出部65を一体で有している。内及び外突出部64,65は、軸線位置での断面形状がそれぞれ内側と外側に向けて膨らんだ凸円弧状になっている。内突出部64は、その長さが非常に短くされており、一方、外突出部65は、内突出部64に比べて長さが十分に長くされている。メインシール部63については、上記実施形態に示したものと同様の形態である。
【0032】
本参考例2によれば、弾性体シール部材61の内突出部64及び外突出部65により、上記弾性体シール部材51の第1内突出部54及び第1外突出部55と同様の作用効果が得られる。さらに、内突出部64及び外突出部65は、凸円弧形状になっているため、取付筒部13及びポンプ支持部材32の係合端部34との接触が確実に得られ、サブシール部62のシール効果がさらに良好に確保される。
【0033】
つぎに、上記実施形態の変形例1について説明する。
変形例1においては、図12に示すように、弾性体シール部材51のメインシール部53内に、金網板製の補強部材26が埋設されていることにある。これにより、変形例1においては、弾性体シール部材51について、上記実施形態に示したと同様の効果が得られると共に、補強部材26が埋設されていることにより、補強部材26による弾性体シール部材51の補強がさらに高められ、メインシール部53の無用な変形が防止され、メインシール部53によるシール効果がさらに良好に確保される。さらに、補強部材26が金網板製であることにより、ゴム弾性体が金網の隙間に食い込むアンカー効果が得られ、補強部材26と弾性体シール部材51との一体性が高められる。その結果、弾性体シール部材51から補強部材26が外れるといった不具合が確実に防止される。なお、本変形例1に係る補強部材26については、上記参考例2のメインシール部63に対しても同様に適用することができる。
【0034】
なお、上記実施形態及び変形例1においては、メインシール部53の角部53bは、凸曲面状にされているが、これに限らず、平面状、あるいは凹曲面状等種々の形状であってもよい。また、上記実施形態においては、ポンプ支持部材32は、半円弧形の基部33と筒状の係合端部34とを一体で有しているが、これに代えて、基部と係合端部とが全体として筒状であってもよく、さらに筒状の基部の底が底板で封鎖された容器であってもよい。
【0035】
なお、上記補強部材26,27については、いずれも円環状で一体にされているが、これに代えて、周方向で分離された複数の補強片をメインシール部の周方向に分散して配設することも可能である。その他、上記実施形態に示した燃料タンクについては一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することができる。
【0036】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、サブシール部の内周面及び外周面側に突出部を設けたことにより、タンク本体の成形のバラツキや経時変化によるタンク本体の変形等があっても、取付筒部とサブシール部との間に生じた隙間を、突出部によりカバーすることができ、この部分でのシール性能が確保される。さらに、取付筒部とポンプ支持部材の係合端部との間に挟まれた状態のサブシール部の厚さがメインシール部の厚さと略同一にされたことにより、取付筒部にポンプ支持部材を挿入する際に、ポンプ支持部材のサブシール部に対する引っ掛かりが少なくスムーズに挿入される。そのため、ポンプ支持部材の係合端部とタンク本体の取付筒部間でのサブシール部のかみ込みの発生が防止され、弾性体シール部材によるシール性能が確保される
【0037】
また、請求項1の発明によれば、弾性体シール部材が装着された取付筒部にポンプ支持部材を挿入する際に、ポンプ支持部材は、長さの短い径方向内側の突出部にほとんど拘束されること無く、スムーズに挿入されるため、弾性体シール部材の無用な変形が抑えられる。また、燃料タンクのタンク本体の成形のバラツキやタンク本体の変形等により、タンク本体の取付筒部とサブシール部との間に生じた隙間については、径方向外方に延びた長さの長い突出部によりカバーすることができ、サブシール部によるシール性能が確保される
【0038】
加えて、メインシール部が環状の補強部材によって補強されていることにより、取付筒部にポンプ支持部材を挿入する際にその変形が抑えられ、メインシール部によるシール性能がさらに良好に確保される(請求項2の発明の効果)。また、補強部材を金網板製とすることにより、補強部材と弾性体シール部材との一体性が高められ、弾性体シール部材から補強部材が外れるといった不具合が確実に防止される(請求項3の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1である燃料タンクを示す一部破断正面図である。
【図2】燃料タンクの要部であるポンプ支持部材の取り付け部分を示す一部破断正面図である。
【図3】弾性体シール部材を示す一部破断正面図である。
【図4】弾性体シール部材を示す一部破断平面図である。
【図5】弾性体シール部材の一部を示す拡大断面図である。
【図6】弾性体シール部材がポンプ支持部材と取付筒部に挟まれた状態の一部を示す部分断面図である。
【図7】ポンプ支持部材の要部を示す部分断面図である。
【図8】変形例1である弾性体シール部材の一部を示す部分断面図である。
【図9】変形例2である弾性体シール部材の一部を示す部分断面図である。
【図10】本発明の実施形態である弾性体シール部材の一部を示す部分断面図である。
【図11】参考例2である弾性体シール部材の一部を示す部分断面図である。
【図12】実施形態の変形例1である弾性体シール部材の一部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10…燃料タンク、11…タンク本体、12…開口部、13…取付筒部、14…取付端部、17…締付部材、21,41,51,61…弾性体シール部材、22,42,52,62…サブシール部、23,45,53,63…メインシール部、24…第1突出部、25…第2突出部、26,27,46…補強部材、31…燃料ポンプ、32…ポンプ支持部材、33…基部、34…係合端部、35…蓋板、36…鍔部、43,44…突出部、53b…角部、54…第1内突出部、55…第1外突出部、56…第2突出部、64…内突出部、65…外突出部。

Claims (3)

  1. 壁面に設けた開口部にて外部に突出する円筒形の取付筒部を有する樹脂製で中空箱状のタンク本体と、
    筒状のサブシール部と該サブシール部の一端にて径方向外方に突出する環状のメインシール部とを一体で有し、該サブシール部にて前記取付筒部内に挿入されると共に前記メインシール部にて該取付筒部の先端部に載置された弾性体シール部材と、
    燃料ポンプを支持する基部の一端側に筒状の係合端部を有し、該係合端部の開口が封止されると共に該係合端部の一端側にて径方向外方に延びた鍔部を設けており、前記基部が前記取付筒部から挿入されて前記タンク本体内に配置され、前記係合端部の外周面にて前記サブシール部を前記取付筒部内周面に押圧すると共に前記鍔部が前記メインシール部に重ね合されたポンプ支持部材と、
    該ポンプ支持部材に被せられて、前記取付筒部の外周に嵌合されると共に前記鍔部に重ね合されて前記メインシール部を押圧した状態で該取付筒部に取り付けられた環状の締付部材とを備えた燃料タンクにおいて、
    前記弾性体シール部材は、前記サブシール部の内周面及び外周面側にてそれぞれ内外方に向けて突出した少なくとも一対の突出部を設け、前記メインシール部近傍位置に設けた前記サブシール部の外周面側の突出部の長さが、内周面側の突出部の長さより長くされ、前記サブシール部は、前記メインシール部近傍位置に設けた前記突出部取付位置を挟んだ先端側の厚さが該メインシール部側の厚さより薄くされており、前記取付筒部と前記ポンプ支持部材の係合端部間に挟まれた状態において前記サブシール部の厚さが前記メインシール部の厚さと略同一にされたことを特徴とする燃料タンク。
  2. 前記弾性体シール部材の少なくとも前記メインシール部内に、周方向に沿って該メインシール部の外周縁の厚さ方向の中間位置から軸心方向にその内周縁近傍位置まで延びた平坦な環状の補強部材が埋設されたことを特徴とする前記請求項1に記載の燃料タンク。
  3. 前記補強部材が金網板製であることを特徴とする前記請求項2に記載の燃料タンク。
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