JP3668533B2 - メカニカル型管端防蝕継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管端防蝕継手、特に管端をメカニカル方式で防蝕することのできる継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
主に給水管路などに用いられるメカニカル型の管端防蝕継手の中で、当該継手に差し込まれた管の端部を内面側と外面側の2箇所でシールして管端を管内通路や外部と遮断するようになっている従来のメカニカル型管端防蝕継手が、たとえば特開平7−139667号公報に記載されている。
【0003】
図5に、上記公報に記載されているメカニカル型管端防蝕継手の要部を断面で示してある。このものは、ソケット型の継手本体81にブッシュ82の筒状基部83をねじ込んである。ブッシュ82は、上記筒状基部83の外端に筒部84が延出されており、その筒部84にシール材85と抜止めリング86とが保持されている。また、ブッシュ82には、合成樹脂製の管端コア87が備わっている。この管端コア87は、ブッシュ82の筒状基部83の内面に接合された鍔部87aとこの鍔部87aから延び出た筒体87bとを一体に備えている。そして、管端コア87の筒体87bとブッシュ82の筒部84との間に差し込まれた管100の端部の内面被覆層110に上記筒体87bが接触してその接触箇所がシールされ、その管100の外面に上記シール材85が接触して管100とブッシュ82の筒部84との間がシールされている。また、抜止めリング86が管100の外面に係合して管100を抜止めしている。
【0004】
このようなメカニカル型管端防蝕継手において、管100は、その端部が管端コア87の筒体87bとブッシュ82の筒部84との間に差し込まれ、それに伴ってシール材85が管100の外面とブッシュ82の筒部84の内面とに密着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5で説明した従来のメカニカル型管端防蝕継手において、管端120すなわち管壁130の端部が、管端コア87の筒体87bとブッシュ82の筒部84との間を通して差し込まれる。このため、管端120が管端コア87の鍔部87aに衝合することがある。
【0006】
しかしながら、管端コア87が合成樹脂で成形されているのに対し、管端120は合成樹脂と比べて格段に硬い金属面であるので、その衝合時の衝撃が大きいと、管端コア87の鍔部87aが傷付いたり歪んだりし、その影響で管100の端部の内面被覆層110と管端コア87の筒体87bとの接触状態が不良になったりするおそれがある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、管を差し込んだときに管端が合成樹脂で作られている管端コアの鍔部に衝突することのないメカニカル型管端防蝕継手を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のメカニカル型管端防蝕継手は、筒状の継手本体と、筒体の端部に設けられた鍔部が上記継手本体に固着されて上記筒体が上記継手本体と同心状に配備される合成樹脂製の管端コアと、上記継手本体に内嵌合されて上記管端コアの筒体を取り囲む筒状基部の外端に上記継手本体の端部から突出される筒部が設けられたブッシュと、このブッシュにねじ合わされる押輪と、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁と上記ブッシュの筒部との間をシールする外面側シール手段と、ブッシュの筒状基部と管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁と上記管端コアの筒体との間をシールする内面側シール手段と、押輪に形成された外窄まりテーパ面で囲まれた空間に配備される抜止めリングと、を備えるメカニカル型管端防蝕継手において、ブッシュの筒状基部に、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に突出される突起が設けられ、この突起が、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁の端部に衝合可能になっている、というものである。
【0009】
請求項2に係る発明のメカニカル型管端防蝕継手は、上記した押輪を省略し、その代わりに、抜止めリングをブッシュに形成された外窄まりテーパ面で囲まれた空間に配備したものである。
【0010】
請求項1や請求項2に係る発明のメカニカル型管端防蝕継手によると、管を差し込んだときに、管端がブッシュの筒状基部に設けられた突起に衝突することはあっても、管端が合成樹脂で作られた管端コアの鍔部に衝突することはない。
【0011】
ところで、管端が管端コアの鍔部に直接に衝突しないようにするための対策としては、ブッシュの筒状基部に突起を設ける代わりに、管端コアの鍔部の外側にシール材を重ね合わせ、そのシール部材に管端が衝突するようにすることも可能である。しかしながら、そのように構成すると、シール部材が余分に必要になって部品点数が増え、また、管端がシール部材に衝突したときの影響が管端コアの鍔部や筒体に及ぶようになるので、管端コアの鍔部が傷付いたり歪んだりすることを防ぐ上では好ましくない。この点で、請求項1や請求項2に係る発明のメカニカル型管端防蝕継手では、上記突起がブッシュに一体に備わっているので部品点数が増えることはなく、また、その突起に管端が衝突したときの衝撃の影響が管端コアの鍔部や筒体に及ぶこともない。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、請求項1に係る発明の実施形態の一例であるメカニカル型管端防蝕継手の要部を断面で示してある。
【0013】
このメカニカル型管端防蝕継手において、継手本体1は鋳物で筒状に作られている。この継手本体1は、その端部に平行ねじでなる雌ねじ11を備え、かつ上記雌ねじ11の形成箇所を除く内面と外面とにエポキシ樹脂などの合成樹脂でなる被覆層12,13が形成されている。
【0014】
管端コア2は、外周面に雄ねじ21が備わった鍔部22から筒体23が同心状に突出された形になっており、図2に詳細に示したように、筒体23の先端部の外周に、膨出部24とこの膨出部24の外側の背高のシール片25とが共に環状に形成されており、膨出部24とシール片25との間に形成された環状凹部26にゴム輪27が保持されている。このような管端コア2は合成樹脂で成形されており、上記シール片25は柔軟性を持っている。この管端コア2は、鍔部22の雄ねじ21を接着剤を塗布した継手本体1の雌ねじ11に所定位置までねじ込んである。これにより、管端コア2の筒体23が継手本体1と同心状に配備され、また、鍔部22の雄ねじ21と継手本体1の雌ねじ11の間に跨がるように雄ねじ21のねじ込みに伴って雌ねじ11からはみ出した接着剤3が盛り上がる。そして、雄ねじ21と雌ねじ11との間が、雌ねじ11からはみ出した接着剤3と雄ねじ21と雌ねじ11との間に残った接着剤によってシールされる。
【0015】
ブッシュ4は、雄ねじ41を有する筒状基部42と、この筒状基部42の外端に突出された径大な筒部43とを一体に備えており、筒部43には雄ねじ44が設けられていると共に、その筒部の内周面が環状に凹入してシール材収容部47となされている。また、筒状基部42に突起45が内向き環状に突出されている。そして、筒状基部42の雄ねじ41が接着剤を塗布した継手本体1の雌ねじ11にねじ込まれて、筒部43の段付状の基端面46が継手本体1の端面14に密着し、筒部43が継手本体1の端部から突出される。こうして継手本体1に取り付けられたブッシュ4においては、その突起45が、当該ブッシュ4の筒状基部42と管端コア2の筒体23との間の隙間Sに突出される。また、雄ねじ41と雌ねじ11との間が接着剤によりシールされる。なお、筒部43の段付状の基端面46と継手本体1の端面14とを接着剤で接合することによりその箇所をシールしておくことも可能である。
【0016】
押輪5は、中央部に管挿通孔51を備えた袋ナット状に形成されており、その筒状の外周壁52の内周面に雌ねじ53が形成され、また、内鍔部54の内周面が外窄まりテーパ面55となっている。この押輪5は、外周壁52の雌ねじ53をブッシュ4の雄ねじ44にねじ込むことによってブッシュ4に取り付けられる。その際、ブッシュ4のシール材収容部47にはガスケットなどの弾性を備えたシール材61が収容保持され、そのシール材6と押輪5の内鍔部54の内面との間に環状のリテーナ62が挾み込まれ、さらに、上記外窄まりテーパ面55で囲まれた空間には欠円状(C字状)の抜止めリング63が保持される。
【0017】
ここで、ブッシュ4の突起45はその内周直径が後述する管100の外周直径よりも小さくなっており、また、管端コア2の筒体23の外周直径は管100の内周直径よりも小さい。
【0018】
図1において、管100は内面被覆鋼管である。すなわち、管100の内面に被覆層110としての塩化ビニル樹脂層やポリエチレンの粉体塗装層が形成されている。
【0019】
上記構成のメカニカル型管端防蝕継手においては、図1のように押輪5の管挿通孔51とブッシュ4とを通して管100を差し込んだ場合、管端120がブッシュ4の突起45に衝合することはあっても、管端コア2の鍔部22に衝突することはない。管100を差し込むときには、抜止めリング63がその弾性に抗して少し拡径して管100に外嵌され、シール材61がシール材収容部47内で径方向に圧縮されて管100の外周面に密着する。また、管端コア2の環状シール片25が管100の内面被覆層110と擦れてそれに引きずられ、図1や図3のようにそのシール片25がゴム輪27の外周に覆い被さり、ゴム輪27により弾性的にバックアップされた状態でシール片25が管100の内面被覆層110に密着する。図3の矢符Aは管100の差込方向を表している。また、管100を差し込んだ後、押輪5を締め付けることにより、押輪5の内鍔部54により押されたリテーナ62がシール材61を軸方向に圧縮するので、シール材61が径方向に膨出しようとして管100の外周面に強く密着する。管100が引抜き方向に動いたときには、その管100と共に抜止めリング63が動いて外窄まりテーパ面55に当り、このテーパ面55により抜止めリング63が縮径方向の力を受けて縮径し、管100に喰い込んで管100を抜止めする。
【0020】
上記のように、管100を差し込んだときには、管端120がブッシュ4の突起45に衝合することはあっても、管端120が合成樹脂製の管端コア2の鍔部22に衝突することはない。そして、ブッシュ4と管端コア2の筒体23との間に差し込まれた管100の内面被覆層120とブッシュ4との間は、リテーナ62により軸方向に押されたシール材61でシールされ、また、内面被覆層110と管端コア2の筒体23との間は、管端コア2のシール片25が管100の内面被覆層110に密着することによりシールされる。したがって、請求項1や請求項2の発明における外面側シール手段には上記シール材61が相当し、内面側シール手段には環状の上記シール片25とそれを弾性的にバックアップしているゴム輪27とが相当する。
【0021】
図4に、請求項2に係る発明の実施形態の一例であるメカニカル型管端防蝕継手の要部を断面で示してある。このメカニカル型管端防蝕継手は、図1で説明した押輪5を省略し、その代わりに、抜止めリング63をブッシュ4に形成された外窄まりテーパ面49で囲まれた空間に配備したものである。具体的には、ブッシュ4の筒部43を長くし、その外端部の内周面を外窄まりテーパ面49とすると共に、その外窄まりテーパ面49とシール材収容部47との間に環状突出部48を形成してある。そして、シール材収容部47にシール材61を収容保持させ、外窄まりテーパ面49で囲まれた空間に抜止めリング63を保持させてある。その他の構成は図1〜図3で説明したところと同様であるので、同一部分に同一符号を付して詳細な構造説明を省略する。
【0022】
このメカニカル型管端防蝕継手に管100を差し込むと、抜止めリング63がその弾性に抗して少し拡径して管100に外嵌し、シール材61がシール材収容部47内で径方向に圧縮されて管100の外周面に密着する。また、管端コア2の環状シール片25がゴム輪27により弾性的にバックアップされた状態で管100の内面被覆層110に密着する。管100が引抜き方向に動いたときには、その管100と共に抜止めリング63が動いて外窄まりテーパ面49に当り、このテーパ面49により抜止めリング63が縮径方向の力を受けて縮径し、管100に喰い込んで管100を抜止めする。
【0023】
上記のように、管100を差し込んだときには、管端120がブッシュ4の突起45に衝合するので、管端120が合成樹脂製の管端コア2の鍔部22に衝突することはない。その他の作用は、図1〜図3で説明したところと同様である。
【0024】
以上説明した2つの実施形態において、ブッシュ4や押輪5は、黒心可鍛鋳鉄(FCMB)、球状黒鉛鋳鉄(FCD)、青銅鋳物(BC−6)あるいは合成樹脂射出成形体などで作ることができる。また、上記した2つの実施形態において、突起45は環状である必要は必ずしもない。すなわち、この突起は、ブッシュ4の筒状基部42の周方向の1箇所または複数箇所に突設された突起であってもよい。
【0025】
【発明の効果】
請求項1や請求項2に係る発明のメカニカル型管端防蝕継手によると、管を差し込んだときに、管端がブッシュの筒状基部に設けられた突起に衝突するようになって、合成樹脂で作られた管端コアの鍔部に衝突することがなくなるので、管端コアの鍔部が傷付いたり、その傷付きの影響で管の端部の内面側でのシールが不良になるようなおそれがなくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の実施形態の一例であるメカニカル型管端防蝕継手の要部を示す断面図である。
【図2】内面側シール手段を示す拡大断面図である。
【図3】内面側シール手段の作用を示す拡大断面図である。
【図4】請求項2に係る発明の実施形態の一例であるメカニカル型管端防蝕継手の要部を示す断面図である。
【図5】従来のメカニカル型管端防蝕継手の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 継手本体
2 管端コア
4 ブッシュ
22 鍔部
23 筒体
25 シール片(内面側シール手段)
42 筒状基部
43 筒部
45 突起
49,55 外窄まりテーパ面
61 シール材(外面側シール手段)
62 リテーナ(外面側シール手段)
63 抜止めリング
120 管端
130 管壁
Claims (2)
- 筒状の継手本体と、筒体の端部に設けられた鍔部が上記継手本体に固着されて上記筒体が上記継手本体と同心状に配備される合成樹脂製の管端コアと、上記継手本体に内嵌合されて上記管端コアの筒体を取り囲む筒状基部の外端に上記継手本体の端部から突出される筒部が設けられたブッシュと、このブッシュにねじ合わされる押輪と、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁と上記ブッシュの筒部との間をシールする外面側シール手段と、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁と上記管端コアの筒体との間をシールする内面側シール手段と、押輪に形成された外窄まりテーパ面で囲まれた空間に配備される抜止めリングと、を備えるメカニカル型管端防蝕継手において、
ブッシュの筒状基部に、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に突出される突起が設けられ、この突起が、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁の端部に衝合可能になっていることを特徴とするメカニカル型管端防蝕継手。 - 筒状の継手本体と、筒体の端部に設けられた鍔部が上記継手本体に固着されて上記筒体が上記継手本体と同心状に配備される合成樹脂製の管端コアと、上記継手本体に内嵌合されて上記管端コアの筒体を取り囲む筒状基部の外端に上記継手本体の端部から突出される筒部が設けられたブッシュと、このブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁と上記ブッシュの筒部との間をシールする外面側シール手段と、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁と上記管端コアの筒体との間をシールする内面側シール手段と、ブッシュに形成された外窄まりテーパ面で囲まれた空間に配備される抜止めリングと、を備えるメカニカル型管端防蝕継手において、
ブッシュの筒状基部に、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に突出される突起が設けられ、この突起が、ブッシュと管端コアの筒体との間の隙間に差し込まれた管壁の端部に衝合可能になっていることを特徴とするメカニカル型管端防蝕継手。
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