JP2004232459A - 硬岩地層への鋼矢板連続打設工法、及び該工法に用いる機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 慣用のダンザホールハンマー3´を備えた削孔軸2を接続した振動オーガ機1で単独削孔C1を形成し、次いで、削孔軸2と鋼矢板把持用チャック10とを交換して鋼矢板Pを振動打込みし、次いで、セクションガイド5を有するダンザホールハンマー3を備えた削孔軸2をチャック10と交換して振動オーガ機に接続し、ダンザホールハンマー3のセクションガイド5を既設鋼矢板PのセクションPEに係合案内して既削孔C1にラップ削孔C2を形成し、次いで、削孔軸2とチャック10とを交換して新設鋼矢板Pを既設鋼矢板PのセクションPEと係合して振動打込み、連続ラップ削孔C2の形成と削孔内への鋼矢板の打込みを、1台の振動オーガ機1によって繰返し施工する。
【選択図】図1
Description
そして、鋼矢板連続打込みで鋼矢板山留め壁を形成するためには、鋼矢板打込み用の削孔をラップ形態で連続形成する必要があり、例え硬岩地層にダンザホールハンマー削孔を隣接形態に連続形成しても、各削孔間に均斉なラップ削孔部を形成しない限り、現状の振動杭打機での鋼矢板の連続打込みは不可能である。
従って、硬岩地層の如き、ダンザホールハンマーで削孔する地層に対する山留め用連続壁造成は、現状では、親杭(H型鋼)と横矢板併用工法で実施されている。
即ち、硬岩地層への山留め用連続壁造成は、オーガスクリュー又は円筒体(図示せず)の先端にダンザホールハンマーを装着した削孔軸を用い、削孔軸から供給する強力な高圧空気(10.5kg/cm2)の作用により緩回転(10〜30rpm)するダンザホールハンマーに上下動を付与し、ハンマービットの強力な落下打撃力によって硬岩を叩き砕いて破砕削孔することにより、1〜2mの定間隔に独立削孔を形成する。
即ち、図12(A)に示す如く、オーガ先端部に配置したガイド装置を既打込み済鋼矢板の端部に当接案内し、オーガ基端部(原動機)でのリーダーによる案内と併せて図12(B)の如く、各削孔を均斉な隣接形態で連続形成し、鋼矢板を連続打設する構想を開示している。
特に、横矢板のH型鋼間への嵌合配置に際しては、掘削時の土砂の崩壊を防ぎながらの作業であるため、深さ1m前後の掘削排土と、掘削深さ(1m)に対応した横矢板の嵌め込み作業との反復繰返しで所定深度まで実施する作業となり、親杭列の背面側の非掘削地層の、親杭列の表面側の掘削排土側への地山崩壊等、災害、事故発生の危険を伴う難工事であると共に、工事の能率も悪い。
即ち、均斉な連続削孔であっても、各削孔相互がかなりの削孔ラップを有し、各鋼矢板セクション部の打込み部周辺領域が重複(ラップ)削孔で破砕軟質土化されていない限り、鋼矢板の連続打設は無理である。
また、「削孔ラップCw」は、図1、図10に示す如く、両側の削孔C1,C2相互の重なり合った部分であって、両側の各削孔形成時に2度削孔作用を受けた領域であり、「連続ラップ削孔C2」は、各削孔C1,C2が削孔ラップCwを保って連続した形態を意味し、断面形態で図10の如く、連続打設する各鋼矢板P全ての平板部PF、傾斜部PS、セクションPEを含む全てを削孔C1,C2内に収納する削孔形態である。
また、セクションガイド5は、鋼矢板セクションPEに係合して案内摺動出来れば良いものであり、鋼矢板のセクションPEの断面形状に適合係止出来る断面形状であれば良い。
また、1台の振動オーガ機1は、削孔軸2を接続して削孔機としたり、鋼矢板把持用の油圧チャック10を接続して振動杭打機と出来るものであるため、振動オーガ機1の出力軸14bは、削孔軸2、及びチャック10と、ピン取付け等の簡便な着脱機構で着脱自在に接続可能とする。
尚、ダンザホール削孔機(ダンザホールハンマー削孔機)は、通常、基端の作業機に取付けた、円筒軸本体先端にダンザホールハンマーを装着した専用機(図示せず)と、図11の如く、基端の削孔機にアースオーガスクリューを装着したオーガ削孔機の先端のスクリューヘッドをダンザホールハンマーに置換したダンザホール削孔機とがあるが、本願明細書中の「削孔軸2」は、ダンザホールハンマーを先端に装着したダンザホールハンマー削孔軸全てを含む意味である。
また、円筒セクションガイド8は、削孔軸2の外周に遊嵌して削孔軸2の上下挿通動を許容するものであるため、ダンザホールハンマーを装着した軸本体がオーガスクリューの場合は、円筒セクションガイド8の高さは、ガタツキを抑制するためスクリュー1ピッチ以上の高さとする必要があり、削孔軸本体が円筒軸の場合は、円筒セクションガイド8の円筒高さは自在に選定出来る。
従って、大型のリーダー式ダンザホール削孔機のみならず、小型のリーダーレスダンザホール削孔機によっても、硬岩地層GHへの所定の均斉な連続ラップ削孔が可能となり、鋼矢板のスムーズな連続打設が可能となり、山留め用の鋼矢板連続壁造成が、安全、且つ、画期的高能率の下に実施出来る。
この場合、セクションガイド片80にネジ孔(図示せず)を配置してネジボルトを螺入し、ボルト先端を鋼矢板セクションPEに当接押圧すれば、セクションガイド片80の鋼矢板セクションPEへの止着は可能である。
この場合、二分割型の円筒輪体82は、連結ピンP8での挿入、抜去による閉止開放操作が有利であり、また、図8に示す如く、円筒輪体82に二分割型の内輪体83を付設形態で併用すれば、削孔軸2の径の変化にも、或いは、摺動摩損にも、内輪体83の取換えで対処出来、有利となる。
この場合、ダンザホールハンマー削孔軸2は、ダンザホールハンマー3のセクションガイド5と、削孔軸継ぎ足し位置のアダプター9のセクションガイド94とを鋼矢板Pで案内するため、長尺の削孔軸2に於ける撓みが抑制出来、撓み偏位の少ないスムーズな削孔作用を奏する。
この場合、円筒セクションガイド8は、必要に応じて併用すれば良く、円筒セクションガイド8を使用しての削孔中であれば、削孔軸2の継ぎ足し時は円筒セクションガイド8を外し、セクションガイド付アダプター9が地中に進入した段階で、必要に応じて円筒セクションガイド8を再配置すれば良い。
図10の如く、鋼矢板Pは、断面形状が平板部PFと、両側の傾斜板部PSとの台形であって、両側の傾斜板部PSの先端が屈曲して係合溝PGを備えたセクションPEを有したものであり、鋼矢板の連続壁は、平板部PFが鋼矢板噛合中心線O−O位置から交互に右側、左側に突出した形態にセクションPEの係合で接続するものである。
従って、「右用セクションガイド」とは、中心線O−Oから右側に突出する鋼矢板P用の削孔C2の形成時に、セクションPEに係合させるセクションガイドを意味するものである。
そして、この場合、セクションガイド5が右用と左用とを備えているため、右側突出鋼矢板用の削孔時も、左側突出鋼矢板用の削孔時も、セクションガイド片5a,5bの使い分けにより、且つ、ダンザホールハンマー中心点Ocの偏位配置により、図10の如く、消費動力の少ない、小さな削孔径(ハンマービット径)の下に、左右交互に突出する各鋼矢板Pの全体の収容可能な連続ラップ削孔C2列の形成が可能となり、鋼矢板Pの連続打設に必要な最少径の連続ラップ削孔C2列の合理的な形成が可能となる。
この場合、振動オーガ機1の降下に伴って地中を降下するダンザホールハンマー3のセクションガイド5、及びアダプター9のセクションガイド片94は、既削孔C1,C2内での案内降下と出来、削孔軸2へ付設突出したための削孔抵抗が無視出来る程度に抑制出来る。
しかも、ハンマービット6は、鋼矢板セクションPEに非接触の状態の下で、必要、且つ十分な削孔ラップCw領域が形成出来る。
尚、「中間削孔C2」とは、図10の如く、連続ラップ削孔C1,C2群のうち、削孔列の最初の削孔C1及びコーナー部削孔C1以外の全ての削孔C2を意味する。
また、最初の削孔C1及びコーナー部の削孔C1は、鋼矢板連続壁の位置決め機能が要求されるものであり、削孔列の基準となる削孔C1を中間削孔C2より大径としたために、最初の鋼矢板Pを施工進行方向Fの後方にずらして削孔C1内に打込むことにより、ハンマービット6の鋼矢板セクションPEの接触の危険なく、隣接削孔C2を十分な削孔ラップCw保持の下に形成出来る。
従って、セクションガイド5を備えたダンザホールハンマー振動オーガ機1による連続ラップ削孔C2は直線部のみの連続削孔となり、セクションガイド5の鋼矢板セクションPEとの係合離脱作業が容易となり、且つ削孔ラップCwの設定も容易となり、削孔動力の小さな中間削孔C2での連続ラップ削孔が正確に実施出来、作業コストも低減出来る。
また、駆動系統は、オーガ本体の駆動モータ(油圧モータ)M11の油圧回路のポートの他に、別のポートを増設して振動部13用の作動回路を形成すれば良い。
尚、出力軸14bの着脱機構部P14は、削孔軸2の上端部及びチャック10の上端部を着脱自在に確保出来れば良く、典型的には、従来のリーダーレスオーガ機での削孔軸着脱機構同様のピン取付け機構である。
また、振動オーガ機1の出力軸14bに、鋼矢板把持用チャック10を取付けて振動杭打機として使用する際にも、オーガ本体の駆動系統の操作によってチャック10が回転自在であるため、チャック10で把持した新設鋼矢板Pの、既設鋼矢板PへのセクションPE同士の係合作業がチャック10の回動調整によって極めて容易となる。
尚、セクションガイド5の断面形状は、鋼矢板セクションPEと係合して案内摺動出来れば良く、図9(C)の如く、ホルダー44の両側に右用セクションガイド片5aと左用セクションガイド片5bを備えた形態が好ましい。
また、小径部32は、慣用のダンザホールハンマー3´のダンザホール本体30(シリンダー、ハンマー)の駆動に干渉しない形態で、且つ、ケース31の下部に形成するのが好ましい。
また、ケース31は、ハンマー駆動用の高圧空気の排気流にさらされるため、スリーブの外表面は図9(A)の如く、ケース31表面と面一とするのが好ましい。
スリーブガイド41及び内スリーブ42のケース小径部32への配置は、ケース31を大径部のケース上部31u,ケース下部31dと、小径部32の分割形態とし、小径部32にスリーブガイド41及び内スリーブ42を配置後、ケースの大径部31u,31dと小径部32とを溶接等で一体化しても良く、或いは、図6の如く、予め小径部32を備えたケース31を形成しておき、円筒二分割タイプのスリーブガイド41及び内スリーブ42をケース小径部32上に配置しても良い。
そして、セクションガイド5を保持する外スリーブ43a,43bは内スリーブ42に対して着脱自在であるため、損耗が激しいセクションガイド5の交換取換えに有利であり、しかも、外スリーブ43a,43bを、セクションガイド5を具備しない外スリーブに交換することにより、図5(C)の如く、セクションガイド5を保持しない通常のダンザホールハンマー3´として使用することも可能となり、高価なダンザホールハンマー3の稼動率、及び、メンテナンス性が向上する。
従って、嵌合部a42及びb43の存在により、外スリーブ43a,43bの内スリーブ42への位置決めが容易となって、セクションガイド5を備えたダンザホールハンマー3の組立、及びメンテナンスが容易となり、しかも、各嵌合部a42,b43の応力負担によって、締着ボルトへの剪断応力負荷が軽減出来、ボルト締着手段の耐久性が増大する。
この場合、固定片44Cが円弧内面を備えているため、スリーブ4外周への固着は、溶接手段でもネジ止め手段でも適宜位置で強固に実施出来る。
しかも、セクションガイド5が鋼矢板セクションPEの左右に対応出来るため、ダンザホールハンマー3の鋼矢板Pによる案内制御が正確に実施出来、図10に示す如く、削孔動力が小さくても削孔出来る小径のラップ削孔C2によって、鋼矢板連続打設に必要なラップ削孔列が合理的に形成出来る。
また、中央仕切板80wの突出部80eの突出形態は、図8の如く、セクションガイド片80の上端レベルから上方に突出させても、上下に突出させても良く、鋼矢板セクションPEへの当接押圧用のボルトS用のボルト穴h80が配置出来れば良い。
そして、円筒セクションガイド8の削孔軸2による摩損を受ける内周部を取換え可能な内輪体83とすることにより、セクションガイド片80を備えた高価な円筒輪体82の長期耐用が可能となり、円筒セクションガイド8の稼動面、コスト面での合理化が達成出来る。
尚、スリーブガイド91は、二分割形態の半円筒をロッド片90上に溶接固着しても、一体型円筒をロッド片90上に嵌合して固定しても良く、スリーブ92を摺動回転自在に保持出来、フランジf91でスリーブ92の上下動が規制出来れば良い。
しかも、損耗の激しいセクションガイド片94の着脱取換えも簡便であり、アダプター9のメンテナンス、即ち、ダンザホールハンマー削孔軸2のメンテナンスも合理化出来る。
この場合、ホルダー固定片93Cが円弧内面を備えているため、スリーブ92外周面への溶接、又はボルト等による固着が確実、且つ、容易に実施出来る。
また、セクションガイド片94a,94bは、損耗が激しくて取換える必要があるが、平板状の保持片93Pへのボルト着脱となるため着脱作業が容易であり、必要に応じた上下位置調整すら可能となる。
図4(A)は、振動オーガ機1の全体正面図であり、図4(B)は分解正面図である。
振動オーガ機1は、図4(A)に示す如く、油圧モータM11の下部に、第1減速機11a、第2減速機11b、基本軸受11cの直結した減速機付きモータを、ケース1Cで保護したオーガ本体11と、スイベル部14との間に、振動部13を介装固着したものであり、図2(A)の如く、オーガ本体11上部を取付ピンP1で基礎機械(リーダーレスオーガ機)のブラケットに吊下げ、図3の如く、スイベル部14下端の出力軸14bに、ダンザホールハンマー装着削孔軸2と、鋼矢板把持用チャック10とを着脱機構部P14で交換接続可能とする。
また、振動部13は、偏芯体を対向配置して同調ギアを介して回動し、上下振動を発生させるバイブロであり、振動部13の上部の取付部C13と、強力軸受12の上面外周の角4ヶ所の取付部C12とをボルトナット締着する。
また、強力軸受12の下端の出力軸12bと、スイベル部14の出力軸受14aとをボルトナットEで連結する。
また、オーガケース1Cとオーガ本体11との取付けは、取付部A1と、取付部A11とをボルトナット締着する。
以上の如く、強力軸受12と振動部13との好適な組込みにより、図4(A)に示す振動オーガ機1が得られる。
本発明のダンザホールハンマー3(図5)は、一般的な市販のダンザホール本体30と、外側のケース(ダンザホール)31を備えたものであって、下部にハンマービット6を有し、油圧オーガのスイベル部を通った高圧エアーが、上部のオスジョイント部Jmからオーガスクリュー内部を通って供給され、ダンザホール本体30内のシリンダー(図示せず)を駆動してハンマービット6に上下動を生起し、岩石を叩き砕くものであり、内部構造、及び打撃破砕作用は、図11(C)に示す慣用のダンザホールハンマー3´と同じである。
図6(A)に示す如く、ケース31として、外径508mm、厚さ16mmの市販の鋼管を所望長に切断して、ケース上部31uとケース下部31dを用意し、別途用意した外径355.6mm、厚さ15mmのケース小径部32用の鋼管とを溶接接合して、ケース上部31u(標準長:1500mm)と、小径部32(標準長:500mm)と、ケース下部31d(標準長:300mm)から成るケース31を準備する。
次いで、肉厚28mmで、内面には内スリーブ42の嵌合凸部a42に対応した嵌合凹部b43を有する円筒二分割形態の外スリーブ43aと、43bとを、内スリーブ42上に、嵌合凹部b43を嵌合凸部a42に嵌着してボルト穴h43とボルト穴h42とを介してボルト締着する。
次いで、ケース小径部32上に回動自在、且つ、上下動不能にスリーブ4を配置したケース31を、慣用(市販)のダンザホールハンマー(図11(C))のケースと置換して取付ピンP3でダンザホール本体30と止着し、本発明ダンザホールハンマーとする。
尚、ホルダー44のスリーブ4への固定は、図6の溶接一体化に代えて、固定片44Cの外スリーブ43表面へのボルト締着でも良く、この場合、ケース31外面に突出するホルダー44、及びセクションガイド片5a,5bは、使用時での止着となるため、ダンザホールハンマー3の保守、管理が合理化出来る。
円筒セクションガイド8は、図1(B)の如く、ダンザホールハンマー削孔軸2の削孔作業中に、地面GLに載置して削孔軸2を地面位置で案内するものであり、図8(A)に示す如く、円筒の内径D8が削孔軸2の外径D2(図1)より若干(標準:10mm)大きくする。
図8(A)は、円筒セクションガイド8の嵌着閉止形態の平面図であり、図8(B)は分解平面図であり、図8(C)は開放状態平面図であり、図8(D)は円筒輪体82の分解斜視図である。
図8(B)の如く、円筒セクションガイド8は、セクションガイド片80を備えた平板形態の固定板81の両側端に、連結ピンP8で回動自在にピン係止した、両側の半円筒形態の円筒輪体82(外輪体)と、各外輪体82の内周部に配置する半円筒形態の内輪体83で構成する。
セクションガイド片80は、図8(B)の如く、中央に仕切板80wを前方に突出し、両側に係合溝8Gを備えた形態で、且つ、仕切板80wが円筒輪体82から上下に突出部80eを30mm突出した形態に一体化鋳造し、仕切板80wの突出部80eにボルト穴h80を付与し、固定板81の外表面に溶接一体化する。
そして、固定板81の両側縁中央部の円筒片tu1と、各円筒輪体82の内端部上下の円筒片tu2とを連結ピンP8で挿通係止し、固定板81を中心として開閉可能な円筒輪体82を構成する。
そして、一種の円筒輪体82に対して、数種の異なる曲率半径の内輪体83を用意しておき、削孔軸2の外径の変化に対応して異なる内径サイズに取換え配置したり、内周面の摩損によって取換えるものであるから、オーガスクリュー2を摩耗させない軟鋼管で製作する。
図7(A)は、削孔軸用アダプター9の分解斜視図であり、図7(B)は組立状態斜視図であり、図7(C)はアダプターの完成状態斜視図である。
図7(C)から明らかなとおり、本発明アダプター9のロッド片90は、慣用の削孔軸アダプター(図示せず)同様に、ロッド片90の上端にオスジョイント部Jmを、下端にメスジョイント部Jfを備えた継ぎ足しジョイントであり、ロッド片90の外周に、上下にフランジf91を備えた半割りのスリーブガイド91a,91bを嵌合してロッド片90に溶接一体化し、スリーブガイド91上に半割りスリーブ92a,92bを嵌合して、図7(B)に示す如く、溶接線Lmでスリーブ92a,92b相互を一体化筒体として、スリーブガイド91上で摺動回転可能、且つ、フランジf91で上下動不能なスリーブ92を形成し、円弧内面を備えた固定片93Cと、ボルト孔h93を縦設した板状の保持片93Pとから成るホルダー93を、スリーブ92に溶接、又はネジにより固着する。
この場合、ホルダー93に止着したセクションガイド片94a,94bの係合溝94Gが鋼矢板セクションPEに係合した状態で、ダンザホールハンマー外周が鋼矢板セクションPEに接触しないよう、ホルダー93の側方突出寸法を決定する。
硬岩地層GHに対する鋼矢板連続打設工法は、図2の如く、作業機として振動オーガ機1を装着したリーダーレス基礎機械により実施する。
最初の単独削孔C1の形成は、図2(A)に示す如く、慣用のオーガスクリューのスクリューヘッドに代えて、慣用の、且つ、大径のダンザホールハンマー3´を配置した削孔軸2を、振動オーガ機1の出力軸14bに着脱機構部P14でピン接続し、慣用のダンザホールハンマー削孔により所定深度まで形成する。
単独削孔C1に続くラップ削孔C2の形成は、図10に示す如く、既設鋼矢板が対応削孔内で施工進行方向Fの後方にずらして打込んであり、ダンザホールハンマー3のセクションガイド5を係合するためのセクションPEも削孔C1の奥深い位置であるため、セクションガイド5は既削孔C1内での案内となり、十分な削孔ラップCwを保って削孔するため、セクションガイド5を突出させたための削孔抵抗は抑制出来る。
円筒セクションガイド8を配置してのラップ削孔C2形成作用は、削孔軸2が、先端のダンザホールハンマー3のセクションガイド5と、地面位置での円筒セクションガイド8との案内となるため、硬岩地層GH中への打撃削孔作業も、横ぶれが抑制出来てスムーズに遂行出来る。
アダプター9も、図7(C)の如く、右用と左用のセクションガイド片94a,94bを備えているため、ダンザホールハンマー3のセクションガイド5と同様に、セクションガイド片94a,94bを使い分けて既設鋼矢板PのセクションPEに係合して、アダプター9を、上部のオスジョイント部Jmと下部のメスジョイント部Jfとにより、地中削孔軸2と、継ぎ足し削孔軸2とを接続し、ラップ削孔作業を再閉継続する。
図1(D)の如く、アダプター9も地中深く進入した段階で、必要に応じて、再度円筒セクションガイド8を再配置してラップ削孔C2を形成する。
次いで、図3(D)の如く、ラップ削孔C2へ打込む新設鋼矢板Pをチャック10で吊下げて、チャック10、即ち、出力軸14bを、調整回動しながら、新設鋼矢板PのセクションPE下端を、既設鋼矢板Pの地面GLから突出したセクションPE上端に係合し、振動部13の作動によって新設鋼矢板Pを、図10(A)の如く、単独削孔C1内の既設鋼矢板に連続形態に打設する。
以上、図10(A)の如く、最初の単独削孔C1内に直線状に連続する、ダンザホールハンマー3のラップ削孔C2形成と、ラップ削孔C2内への鋼矢板Pの振動打込みは、反復実施する。
勿論、円筒セクションガイド8のセクションガイド片80、及び削孔軸用アダプター9のセクションガイド片94の左右選択適用は、ダンザホールハンマーのセクションガイド5と整合させる。
尚、削孔動力消費の低減合理化を無視すれば、最初の削孔C1も連続ラップ削孔C2も同一削孔径で実施することが可能である。
従って、本実施例のダンザホールハンマー3は、外スリーブの置換によって、セクションガイド付きのラップ削孔用ダンザホールハンマー3にも、ラップ削孔の不能な通常の単独削孔用ダンザホールハンマー3´にも、自在に使い分けることが出来、機械設備費の合理化が可能であると共に、メンテナンスの合理化も可能となる。
図8に示す円筒セクションガイド8にあっては、円筒輪体82と内輪体83との舌片82aと舌片83aを、上縁部と下縁部に設けることも可能であり、固定板81の突出部80eのボルト穴h80に代えて、セクションガイド片80の側面にボルト穴(図示せず)を開けて、ボルトSをセクションガイド片80の外側面から鋼矢板セクションPEに螺入押圧しても初期の目的は達成出来る。
また、セクションガイド片80と鋼矢板セクションPEとのボルト止着手段をセクションガイド片80の上方と下方との2点止着とすれば、円筒セクションガイド8の保持がより確実となる。
2 削孔軸(ダンザホールハンマー削孔軸)
3,3´ ダンザホールハンマー
4 スリーブ
5 セクションガイド
5a 右用セクションガイド片(セクションガイド片)
5b 左用セクションガイド片(セクションガイド片)
5G,8G,94G 係合溝
6 ハンマービット
7 アダプター
8 円筒セクションガイド
9 セクションガイド付アダプター(アダプター、継手)
10 チャック(油圧チャック)
11 オーガ本体(減速機付モータ、油圧オーガ)
11a 第1減速機(減速機)
11b 第2減速機(減速機)
11c 基本軸受
11d スプライン出力軸(出力軸)
12 強力軸受(軸受)
12a 出力軸受(軸受)
12b 出力軸
13 振動部(バイブロ)
14 スイベル部
14a 出力軸受
14b 出力軸(振動オーガ出力軸)
30 ダンザホール本体(ダンザホールハンマー本体)
31 ケース
31u ケース上部
31d ケース下部
32 小径部(ケース小径部)
41,41a,41b,91,91a,91b スリーブガイド
42,42a,42b 内スリーブ
43,43a,43b 外スリーブ
44,93 ホルダー
44C,93C 固定片
44P,93P 保持片
80 セクションガイド片
80e 突出部
80w 仕切板
81 固定板
82 円筒輪体(外輪体)
82a,83a 舌片
83 内輪体
90 ロッド片
91,91a,91b スリーブガイド
92,92a,92b スリーブ
94,94a,94b セクションガイド片
a42 嵌合凸部(嵌合部)
A1,A11,B11,B12,C12,C13,D12,D13 取付部
a42 嵌合凸部(嵌合部)
b43 嵌合凹部(嵌合部)
GL 地面
Jm オスジョイント部(ジョイント部)
Jf メスジョイント部(ジョイント部)
Lm 溶接線(溶接)
hj ジョイントピン孔
f41,f91 フランジ
h5,h42,h43,h44,h80,h82,h83,h93,h94 ボルト穴
C1 最初の削孔(コーナー部削孔、削孔)
C2 連続ラップ削孔(中間削孔、削孔)
Cw 削孔ラップ
JP2,JP3 取付ピン部
M11,M13 駆動モータ(油圧モータ、モータ)
P 鋼矢板
PE セクション
PF 平板部
PG 係合溝
PS 傾斜板部
P1,P3 取付ピン
P8 連結ピン
P14 着脱機構部(取付ピン部)
S ネジボルト(ボルト)
tu1,tu2,tu3,tu4 円筒片
Claims (17)
- 慣用のダンザホールハンマー(3´)を備えた削孔軸(2)を接続した振動オーガ機(1)によって単独削孔(C1)を形成し、次いで、鋼矢板把持用のチャック(10)を接続した振動オーガ機(1)によって、鋼矢板(P)を削孔(C1)内に振動打込みし、次いでセクションガイド(5)を有するダンザホールハンマー(3)を備えた削孔軸(2)を接続した振動オーガ機(1)により、ダンザホールハンマー(3)のセクションガイド(5)を既設鋼矢板(P)のセクション(PE)に係合して、ダンザホールハンマー(3)を鋼矢板のセクション(PE)での案内の下に所定深度まで打撃削孔して、既削孔(C1)に削孔ラップ(Cw)を有する連続ラップ削孔(C2)を形成し、削孔軸(2)の上昇抜去後、チャック(10)を接続した振動オーガ機(1)により、新設鋼矢板(P)のセクション(PE)を既設鋼矢板(P)のセクション(PE)に係合して連続ラップ削孔(C2)内に打込む、硬岩地層への鋼矢板連続打設工法。
- セクションガイド(5)を有するダンザホールハンマー(3)が地中に埋没した段階で、円筒セクションガイド(8)を、削孔軸(2)の外周に遊嵌して、地面(GL)に載置すると共に、既設鋼矢板(P)に止着し、ダンザホールハンマー(3)のセクションガイド(5)と、円筒セクションガイド(8)とで削孔軸(2)を案内削孔する、請求項1の鋼矢板打込み工法。
- 円筒セクションガイド(8)は、セクションガイド片(80)を備えた二分割開閉型の円筒輪体(82)であって、セクションガイド片(80)を既設鋼矢板のセクション(PE)に係合すると共に、削孔軸(2)外周に遊嵌閉止し、地面に載置した状態で、セクションガイド片(80)を鋼矢板セクション(PE)に止着して削孔軸(2)を案内する、請求項2の鋼矢板連続打設工法。
- 土中に進入した削孔軸(2)に次の削孔軸(2)を継ぎ足す際に、セクションガイド片(94)付アダプター(9)を用いて、セクションガイド片(94)を既設鋼矢板(P)のセクション(PE)と係合して削孔軸(2)相互を連結する、請求項1乃至3のいずれか1項の鋼矢板連続打設工法。
- ダンザホールハンマー(3)のセクションガイド(5)が、右用セクションガイド片(5a)と左用セクションガイド片(5b)とを備え、右用セクションガイド片(5a)の鋼矢板セクション(PE)への係合時には、ダンザホールハンマー中心点(Oc)を鋼矢板噛合中心線(O−O)から右側へ距離(d1)をずらし、左用セクションガイド片(5b)の鋼矢板セクション(PE)への係合時には、ダンザホールハンマー中心点(Oc)を鋼矢板噛合中心線(O−O)から左側へ距離(d1)をずらして削孔する、請求項1乃至4のいずれか1項の鋼矢板連続打設工法。
- 各鋼矢板(P)は、各対応削孔(C1,C2)に対して、進行方向(F)の後方にずらして各対応削孔(C1,C2)内に打込む、請求項1乃至5のいずれか1項の鋼矢板連続打設工法。
- 最初の削孔(C1)及びコーナー部削孔(C1)は、慣用のダンザホールハンマー(3´)を備えた削孔機(1)で、且つ、中間削孔(C2)より大径に削孔する、請求項1乃至6のいずれか1項の鋼矢板連続打設工法。
- オーガ本体(11)と、スイベル部(14)との間に、振動部(13)を介在固定した振動オーガ機(1)の出力軸(14b)に、着脱機構部(P14)を介してダンザホールハンマー削孔軸(2)、及び鋼矢板把持用チャック(10)を交換取付可能とし、オーガ本体(11)の駆動モータ(M11)と、振動部(13)の駆動モータ(M13)とは別個独立の駆動系統として、削孔作業機の機能と、振動杭打機の機能とを兼備した振動オーガ機(1)、を備えた、鋼矢板連続打設用の削孔杭打機。
- 上端のジョイント部(Jm)と下端のハンマービット(6)とを備えた削孔軸(2)先端に取付けるダンザホールハンマー(3)であって、ダンザホール本体(30)の外周のケース(31)に小径部(32)を形成し、小径部(32)外周にスリーブ(4)を上下動不能、且つ摺動回転可能に配置し、スリーブ(4)に、鋼矢板セクション(PE)と係合摺動するためのセクションガイド(5)を固定した、硬岩地層への鋼矢板連続打設工法に用いる連続ラップ削孔用ダンザホールハンマー。
- ケース小径部(32)には上下にフランジ(f41)を備えたスリーブガイド(41)を嵌合固定し、スリーブガイド(41)の上下フランジ(f41)間に内スリーブ(42)を遊嵌し、内スリーブ(42)上に断面半円形態の二分割外スリーブ(43a,43b)を着脱自在に嵌合止着した、請求項9のダンザホールハンマー。
- 内スリーブ(42)が外周面適所に嵌合部(a42)を備え、二分割外スリーブ(43a,43b)が内周面に、内スリーブ嵌合部(a42)に対応する嵌合部(b43)を備え、分割各外スリーブ(43a,43b)の嵌合部(b43)を内スリーブの嵌合部(a42)に嵌合した状態で、各外スリーブ(43a,43b)を内スリーブ(42)にボルト締着した、請求項10のダンザホールハンマー。
- セクションガイド(5)は、右用セクションガイド片(5a)と左用セクションガイド片(5b)とを、ホルダー(44)の平板形態の保持片(44P)に両側から着脱自在に止着し、ホルダー(44)の円弧内面を備えた固定片(44C)をスリーブ(4)外周に固着した、請求項9乃至11のいずれか1項に記載のダンザホールハンマー。
- 両側端に円筒片(tu1)を備えた平板形態の固定板(81)の外面に、中央の仕切板(80w)と、両側のセクションガイド片(80)とを、仕切板(80w)がボルト穴(h80)を有する突出部(80e)を備えた形態に配置し、両側端に円筒片(tu2,tu3,tu4)を備えた半円形態の2個の円筒輪体(82)を、それぞれ内端の円筒片(tu2)を固定板(81)側端の円筒片(tu1)とピン(P8)連結し、両円筒輪体(82)の外端の円筒片(tu3,tu4)相互を、各円筒輪体(82)が削孔軸(2)外周を円筒形態に遊嵌した状態で、ピン(P8)でピンロック可能とした、硬岩地層への鋼矢板連続打設工法に用いる円筒セクションガイド。
- 円筒輪体(82)が上下端適所で、水平に突出してボルト穴(h82)を有する舌片(82a)を備え、円筒輪体(82)より曲率半径が小で、且つ、上下端適所で水平に突出してボルト穴(h83)を有する舌片(83a)を備えた二分割形態の内輪体(83)を、円筒輪体(82)の内面に、舌片(83a)と舌片(82a)とのボルト締着により止着した、請求項13の円筒セクションガイド。
- 下端にジョイントピン孔(hj)及びメスジョイント部(Jf)を、上端にジョイントピン孔(hj)及びオスジョイント部(Jm)を備えたロッド片(90)の外周に、スリーブ(92)を回動自在、且つ、上下動不能に装着し、スリーブ(92)上にホルダー(93)を固着し、ホルダー(93)にセクションガイド片(94)を着脱自在に装着した、硬岩地層への鋼矢板連続打設工法に用いる削孔軸用アダプター。
- スリーブ(92)は、上端と下端にガイド用フランジ(f91)を備えてロッド片(90)上に固着した円筒状のスリーブガイド(91)上に、回動自在に、且つ、フランジ(f91)で上下動を規制して装着し、セクションガイド片(94)は、右用セクションガイド片(94a)と左用セクションガイド片(94b)をホルダー(93)の保持片(93P)に両側から着脱自在に止着した、請求項15の削孔軸用アダプター。
- ホルダー(93)が複数のボルト穴(h93)を上下に縦設した先端の平板状の保持片(93P)と、円弧内面を備えた固定片(93C)を有し、固定片(93C)をスリーブ(92)外周面に固着し、保持片(93P)のボルト穴(h93)を介してセクションガイド片(94a,94b)を着脱自在にボルト締着した、請求項15又は16の削孔軸用アダプター。
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