JP2004232183A - 織物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイナスイオン効果、抗菌性または吸放湿性能を有し、微毛感のある独特な風合いを有する織物を提供する。
【解決手段】マイナスイオンを発生するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生する織物。抗菌性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、静菌活性値が1.5以上である織物。吸放湿性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、該セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上かつ吸放湿率差(ΔMR)が8.5%以上である織物。
【選択図】図3
【解決手段】マイナスイオンを発生するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生する織物。抗菌性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、静菌活性値が1.5以上である織物。吸放湿性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、該セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上かつ吸放湿率差(ΔMR)が8.5%以上である織物。
【選択図】図3
Description
本発明は、マイナスイオンを発生するセルロース系繊維、または抗菌性を有するセルロース系繊維、または吸放湿性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維とを含んでなる織物およびその製造方法に関する。
近年、地球温暖化や酸性雨などの環境問題が大きく取り上げられている。その中で、特に都会における日常生活では、排気ガス等により空気中のプラスイオンが増加、マイナスイオンが減少した結果、我々の体に対しては酸化腐敗、体内異常ならびに老化等の悪影響や、環境に対しても悪影響が生じていると言われている。今、我々の体や環境、植物、水までが弱酸性化しており、不足しているマイナスイオンを作り出し、弱酸性状態の人体や環境等を中性状態やアルカリ性状態に還元していくのがマイナスイオン効果である。マイナスイオンは自然界で水分の多い森林や滝壺、海岸線などに多く発生し、人々の心を安らげる癒し効果を発揮している。このようなマイナスイオンを発生するものにトルマリン鉱石や竹炭などが見出されているが、トルマリン鉱石などは、別名電気石と呼ばれ永久自発電気分極をしている物質で、外部からの応力でマイナスイオンを発生する。例えば、微粒子化したトルマリンを有機繊維に固着もしくは含有させたエレクトレット繊維が提案されている(特許文献1参照)。しかし、元来、トルマリン自体が発するマイナスイオンは微弱であり、また微粒子化したものを繊維への付着させる場合、付着量が3〜4%と微量なため、マイナスイオン効果はそれほど期待できないという問題があった。
一方、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維は、一般に高結晶で剛性が強く、単に布帛にしたときは、ガサガサして一般に着心地はさほど良くないものである。また、ナイロン6等のポリアミド繊維は、ヤング率がポリエステ繊維に比べて小さくので剛性が弱く、染色性が良いものの、一般にツルツルした風合いで外衣には不向きであり、パンティストッキングやインナーウエア用途で主に展開されている。従って、ポリエステル繊維とポリアミド繊維を単純に混用した布帛は、ガサガサ、ツルツルした風合いとなるので、婦人服等に代表される高級衣服には適さないという問題があった。
かかる問題に対し、ポリエステル繊維では単繊維繊度を細くし、ソフトな風合いを作る試みや、染色加工においてアルカリ減量加工によるソフト化を図る方法が考えられるが、いずれも満足できる風合い改善には至っていない。
また、ポリアミド繊維をベンジルアルコールで収縮させて風合い改善することは知られており、これとポリエステル繊維の混繊糸や複合糸が考えられる。例えば、高密度織物の製造方法としてベンジルアルコールを処理した後、或いは前に、カレンダー加工を施すことが記載されているが(特許文献2〜4参照)、カレンダー加工は加熱・加圧処理であるため、最終的に得られる織物の風合いがパリパリになる傾向がある。
さらにまた、フィブリル原糸を使い、単繊維繊度1デニール以下という極細のポリアミド繊維とポリエステル繊維によって、染色性を高めることが記載されている(特許文献5参照)。しかしながら、ポリアミドは、上述したように元来ヤング率が低いので、単繊維繊度が1デニール以下では風合いがソフトになり過ぎて、張り、腰が無いタラタラとしたものになり、外衣には不向きのものになってしまう。
このように、従来の技術では、ポリエステル繊維とポリアミド繊維を混用した織物において、婦人服に代表される高級衣服に適するソフトな風合いを持ちながら、マイナスイオンを安定的に発生することのできる織物は得られていない。
特公平6−104926号公報
特開昭59−15538号公報
特開昭60−246852号公報
特開昭61−34276号公報
特開平2−84591号公報
本発明は、従来になかった高いマイナスイオン効果、抗菌性、吸放湿性能を有し、さらに微毛感のある独特な風合いを有する織物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は次の構成を有する。
すなわち、本発明の一態様は、マイナスイオンを発生するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生することを特徴とする織物である。
また、本発明の他の一態様は、抗菌性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、静菌活性値が1.5以上であることを特徴とする織物である。
さらにまた、本発明の他の一態様は、吸放湿性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、該セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上かつ吸放湿率差(ΔMR)が8.5%以上であることを特徴とする織物である。
さらにまた他の本発明の一態様は、セルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなる織物を、80℃〜125℃に加熱しながらベンジルアルコール溶液で処理し、次いで90℃〜140℃の温度で染色し、少なくとも15%以上収縮させて仕上げることを特徴とする織物の製造方法である。
本発明によれば、従来になかった高いマイナスイオン効果、抗菌性、吸放湿性能を有し、さらに微毛感のある独特な風合いを有する織物を提供できる。
本発明で用いるセルロース系繊維は、フィラメント糸もしくはスパン糸の形態を有するものである。このセルロース系繊維は、マイナスイオン、抗菌性または吸放湿性を充分に得るために、織物の全重量のうち少なくとも10重量%以上含まれていることが好ましい。20重量%以上であることはより好ましく、30重量%以上であることはさらに好ましい。
本発明のセルロース系繊維含有織編物の一態様は、織編物から1000個/cc以上のマイナスイオンを発生するものである。
ここで織編物が発生するイオンは、測定装置内に3枚の平行に並べられたプレート(平行平板形)の間にイオンを含む空気を流入させることにより、イオンの測定を行うことができる。外側のプレートと中央のプレートとの間隔はそれぞれ4mmであり、分極電解は1000V/mとする。測定原理としては、外側の2枚のプレートは分極電位(+または−)を有し、中央のプレートは線形の検出プレートであり、中央のプレートを任意の電位に帯電させ、空気を流入させた後、任意時間経過後の電位差によって生じた単位体積あたりのイオン個数で表す。この原理はエーベルトイオンカウンターに属するものであり、形態としては上記平行平板形以外に、同軸同筒形でもよい。測定装置としては、この他に、この原理を応用したゲルディエン型でもよい。
なお、本発明でいうマイナスイオンの発生量は、次のような測定方法によって測定される。
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000
(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、
測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、
サンプルサイズ30cm×20cm
本発明のセルロース系繊維含有織編物の他の態様は、抗菌性を有するセルロース系繊維を含む織編物であって、JIS L 1902法による抗菌性試験によって静菌活性値を測定したとき、静菌活性値が1.5以上を有するものである。
静菌活性値が1.8以上であることは好ましく、2.2以上であることがより好ましい。
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000
(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、
測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、
サンプルサイズ30cm×20cm
本発明のセルロース系繊維含有織編物の他の態様は、抗菌性を有するセルロース系繊維を含む織編物であって、JIS L 1902法による抗菌性試験によって静菌活性値を測定したとき、静菌活性値が1.5以上を有するものである。
静菌活性値が1.8以上であることは好ましく、2.2以上であることがより好ましい。
本発明のセルロース系繊維含有織編物のさらに他の態様は、吸放湿性を有するセルロース系繊維を含む織編物であって、セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上、次に述べる吸放湿率差(ΔMR)が8.5%以上のもの、好ましくは9%以上のものである。セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率は20%以上であることが好ましい。
ΔMR(%)=MR2−MR1
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気中下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気中下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
ΔMRは、MR2とMR1の値を差し引いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動したときに、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適であると言える。一般に、ポリエステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で4%、ウールで6%と言われている。
本発明でいうセルロース系繊維は、竹を原料として作られたものが好ましい。竹を原料として作られたセルロース系繊維は、マイナスイオンを発生させるだけでなく、吸湿性が高く、抗菌性も有することから、衣料用繊維として最も適している。竹の原産地は、アジアを中心に世界各国に広がっているが、特に中国産の竹がマイナスイオン発生、吸放湿性、抗菌性の各特性値に優れた繊維が得られるので好ましく使用される。
かかる繊維は、竹を一般の再生セルロース系繊維と同様な処理手段により、フィラメント糸やスパン糸を製造することができる。例えばビスコース法の場合、竹をアルカリ及び二流化炭素と反応させ、アルカリデンサートとして苛性ソーダに溶解して紡糸し、セルロースを凝固・再生することにより製造する。他の製法としては、銅アンモニア法、直接溶解法や、アセテートなどの半合成繊維としても製造することができる。
次に、本発明で用いるポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維について、その複合形態は特に限定されるものではないが、ポリエステル成分とポリアミド成分が溶融紡糸時に複合された分割型複合繊維が、糸中に均一な状態で混用できるので好ましい。そのような複合形態としては、芯成分にポリアミドが中心から放射状に延びる複数の葉部を有するものとし、その葉部の周囲に楔形断面のポリエステルが接合するように配置されたものが好ましい(図1参照)。この場合、芯成分のポリアミドは先端が鋭角な星形断面(6〜12個の葉部)とし、その周囲の楔形断面部分にポリエステルを6〜12個接合した複合形態が、後述するベンジルアルコール処理での分割後に、ポリアミドの星形断面によるソフトながら適度な張り、腰を有する風合いと、ポリエステルが有するポリアミドとは異なる光学特性から、ビロード状の上品な艶と色合いが発揮できるので、特に好ましい。図2には、その一例として、芯成分として星形断面のポリアミドを配し、その周囲の楔の部分に8個のポリエステルを接合した複合形態の分割型複合繊維の例を示す。図3には、このような分割型複合繊維にベンジルアルコール処理を行い、次いで染色し、各成分が分割される様子を表した一例を示す。
この分割型複合繊維を分割した後の単繊維繊度は、微毛感のあるソフトな風合いを得る観点から、ポリアミド系繊維は0.8〜1.5デシテックスであること、ポリエステル系繊維は0.1〜0.5デシテックスであることが好ましい。
なお、かかる分割型複合繊維を後述するベンジルアルコール処理と染色でポリエステルとポリアミド成分が分割する割合(分割率)は、この経糸または緯糸に用いられた分割型複合繊維の糸断面を電子顕微鏡で1000倍に拡大し、分割状態を観察して求める。すなわち、織物を構成する経糸または緯糸に含まれる複合繊維のうち、分割した繊維の数の割合を分割率とする。ここで、分割した繊維とは、ポリエステルとポリアミドとの間に少なくとも1つの空隙(隙間)が認められた繊維をいう。一方、分割していない繊維とは、接合したポリマー成分の間に全く空隙(隙間)が見られないものをいう。分割率が60%以上であると、本発明の効果がよく発揮できるので好ましい。
ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の他の混用形態としては、ポリエステルとポリアミドを別々に製糸したのち、圧空などを用いて交絡させて混繊する混繊加工糸が、両繊維の単繊維繊度を種々の範囲に変えることができるので、好ましい方法である。混繊糸の芯糸としてポリアミド系繊維を配置することにより、ベンジルアルコール処理でポリアミド系繊維を収縮させ、織物を高密度化でき、織物表面に微毛感を付与できるので特に好ましい。具体的には、エアー交絡混繊糸、タスラン加工糸が採用できる。
本発明の織物は、マイナスイオンを発生するセルロース系繊維、抗菌性を有するセルロース系繊維または特定の吸放湿性を有するセルロース系繊維を含む糸を経糸にして、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含む糸を緯糸にして交織して得ることができる。また、それと逆に、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含む糸を経糸にして、前記セルロース系繊維を緯糸にしてもよい。製織方法は通常の方法を使用することができ、織機にはフライシャットル式、エアージェット式、ウォータージェット式、レピア式、スルザー式の何れの方式の織機を使用してもよいが、効率的な製織を行えることからエアージェット式、ウォータージェット式、レピア式、スルザー式が好ましい。織物組織は特に限定されないが、発明の効果を大きく得る観点からは、平織、ツイル、繻子織り、二重織、リップストップ組織が好ましい。
次に、そのようにして得られた生機を精練・乾燥した後、ベンジルアルコール溶液で加熱しながら収縮処理する。この処理により、織物のポリアミド系繊維またはポリアミド成分が収縮する。分割複合繊維は、この処理で収縮と同時にポリエステルとポリアミドの分割が起こる。具体的な処理条件は、ベンジルアルコール溶液濃度を3〜50%、処理温度を80〜125℃とし、10〜60分の範囲で処理することにより、収縮と分割を達成することができる。処理方式としては、均一な収縮が可能で、加工の効率がよいという点から、液流染色機、パディング/連続処理方式が好ましい。このベンジルアルコール処理の後は、通常の中間セット等の乾熱処理を行い、通常に染色工程に供する。但し、織物の収縮は、ベンジルアルコール処理のみだけでなく、染色工程でも更に織物を収縮できることから、さらに収縮をさせたい場合は、織物の揉み効果が大きい液流染色機を用いて90〜140℃の温度範囲で反応染料、直接染料、分散染料または酸性染料を用いて染色することが好ましい。織物の収縮は、ベンジルアルコール処理と染色工程で合計15〜50%の範囲に織物の経糸または緯糸の一方を収縮させることが本発明の効果を大きく発揮できるので好ましい。
染色後は、通常の方法により柔軟、吸水、静電、撥水等の仕上げ加工を施した後、仕上げセットをして仕上げる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
実施例中での品質評価は次の方法に従った。
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、サンプルサイズ30cm×20cm
評価結果:測定時間10秒後のイオンの平均発生量(個/cc)を測定する。本発明においては、マイナスイオンの発生量をマイナスイオンの発生数としてカウントするものとし、プラスイオンが発生した場合であっても、差し引きされるものではない。
[吸放湿性(ΔMR)]
ΔMR(%)=MR2−MR1
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
<評価方法>
実施例中での品質評価は次の方法に従った。
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、サンプルサイズ30cm×20cm
評価結果:測定時間10秒後のイオンの平均発生量(個/cc)を測定する。本発明においては、マイナスイオンの発生量をマイナスイオンの発生数としてカウントするものとし、プラスイオンが発生した場合であっても、差し引きされるものではない。
[吸放湿性(ΔMR)]
ΔMR(%)=MR2−MR1
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
ΔMRは、MR2からMR1の値を差し引いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動した時に、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適であると言える。一般に、ポリエステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で4%、ウールで6%と言われている。
[抗菌性]
評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
[抗菌性]
評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を静菌活性値とした。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。
[ソフト感風合い]
風合いを10人の風合い判定者で官能判定し、次のとおりの4段階で評価した。
[ソフト感風合い]
風合いを10人の風合い判定者で官能判定し、次のとおりの4段階で評価した。
◎:ソフトで膨らみがあり、極めて良好
○:良好
△:ソフトで膨らみがなく、やや不良
×:不良
[分割型複合繊維の分割率]
染色仕上げをした織物について、経糸または緯糸を織物から取り出して分割型複合繊維の断面を電子顕微鏡で1000倍に拡大し、分割状態を観察した。経糸または緯糸に含まれる複合繊維のうち、分割した複合繊維の数の割合を分割率とする。ここで、分割した繊維とは、ポリエステルとポリアミドとの間に少なくとも1つの空隙(隙間)が認められた繊維をいう。一方、分割していない繊維とは、接合したポリマー成分の間に全く空隙(隙間)が見られないものをいう。
○:良好
△:ソフトで膨らみがなく、やや不良
×:不良
[分割型複合繊維の分割率]
染色仕上げをした織物について、経糸または緯糸を織物から取り出して分割型複合繊維の断面を電子顕微鏡で1000倍に拡大し、分割状態を観察した。経糸または緯糸に含まれる複合繊維のうち、分割した複合繊維の数の割合を分割率とする。ここで、分割した繊維とは、ポリエステルとポリアミドとの間に少なくとも1つの空隙(隙間)が認められた繊維をいう。一方、分割していない繊維とは、接合したポリマー成分の間に全く空隙(隙間)が見られないものをいう。
5カ所の繊維断面について分割率を求め、その平均値を表1に示した。
[加工収縮率]
織物に製織した生機に対し、ベンジルアルコール処理および染色工程を経て仕上げられた織物の収縮率を加工収縮率と定義して、織物の幅および長さ方向の収縮率を下記式で算出した。
[加工収縮率]
織物に製織した生機に対し、ベンジルアルコール処理および染色工程を経て仕上げられた織物の収縮率を加工収縮率と定義して、織物の幅および長さ方向の収縮率を下記式で算出した。
幅収縮率(%)=100×{生機幅(cm)−仕上げ品の幅(cm)}/生機幅(cm)
長さ収縮率(%)=100×{生機長さ(m)−仕上げ品の長さ(m)}/生機長さ(m)
実施例1
中国産の竹を原料とするセルロース系繊維(単繊維繊度1.1デシテックス、繊維長51mm)を用い、通常の長紡紡績工程によって、40番手の紡績糸を得た。
長さ収縮率(%)=100×{生機長さ(m)−仕上げ品の長さ(m)}/生機長さ(m)
実施例1
中国産の竹を原料とするセルロース系繊維(単繊維繊度1.1デシテックス、繊維長51mm)を用い、通常の長紡紡績工程によって、40番手の紡績糸を得た。
一方、分割型複合繊維として、繊維断面が図2に示すような複合形態とし、芯成分には酸化チタン0.2重量%含有する極限粘度0.65のナイロン6を用い、鞘成分にはポリエチレンテレフタレートを用い、芯成分が8葉の星型断面で、鞘成分には8個の楔を芯成分に接合させたものを用意した。この分割型複合繊維におけるナイロン6とポリエチレンテレフタレートの重量割合は、30:70とした。この繊維は、紡糸速度1400m/分で溶融紡糸し、3.8倍の延伸を行うことにより得た。こうして得られた分割型複合繊維の延伸糸は、56デシテックス、18フィラメントのマルチフィラメント糸であり、強度4.8g/デシテックス、伸度26%であった。
セルロース系繊維の紡績糸を単糸使いで経糸に用い、分割型複合繊維のマルチフィラメント糸を緯糸に用いて、経糸密度125本/インチ、緯密度120本/インチ、平織の織物を得た。その生機は幅162cm、長さは55mであった。
得られた生機を精練、乾燥し、引き続き、液流染色機で10%ベンジルアルコール溶液で100℃×20分で処理した。これを織物の幅方向、長さ方向へ緊張を極力かけないで乾燥した後、通常の染色、仕上げ加工を施した。分割型複合繊維のマルチフィラメント糸が分割した後の単繊維繊度は、ナイロン6が1.2デシテックス、ポリエチレンテレフタレートが0.24デシテックスであった。
仕上がり品の加工収縮率は、幅収縮率が34.6%、長さ収縮率が13.6%であった。仕上げ品の性量は、幅106cm、長さ47.5m、経密度191本/インチ、緯密度139本/インチであった。
実施例2
ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維を次のようにして用意した。
ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維を次のようにして用意した。
ポリエステル系繊維
ポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸し、次いで3.9倍の延伸を行い、33デシテックス−48フィラメントのマルチフィラメント糸(単繊維繊度0.69デシテックス)を得た。この糸の強度は5.2g/デシテックス、伸度は29%であった。
ポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸し、次いで3.9倍の延伸を行い、33デシテックス−48フィラメントのマルチフィラメント糸(単繊維繊度0.69デシテックス)を得た。この糸の強度は5.2g/デシテックス、伸度は29%であった。
ポリアミド繊維
酸化チタンを0.2重量%含有する極限粘度0.66のナイロン6を紡糸速度3000m/分で溶融紡糸を行い、延伸倍率1.69倍、延伸速度820m/分で延伸を行い、56デシテックス−60フィラメントのマルチフィラメント糸(単繊維繊度0.93デシテックス)を得た。この糸の強度は5.1g/デシテックス、伸度は36%であった。
酸化チタンを0.2重量%含有する極限粘度0.66のナイロン6を紡糸速度3000m/分で溶融紡糸を行い、延伸倍率1.69倍、延伸速度820m/分で延伸を行い、56デシテックス−60フィラメントのマルチフィラメント糸(単繊維繊度0.93デシテックス)を得た。この糸の強度は5.1g/デシテックス、伸度は36%であった。
得られたポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸とナイロン6マルチフィラメント糸を用いて次のように混繊加工を実施した。
芯糸としてナイロン6マルチフィラメント糸を用い、鞘糸としてポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を用いて、オーバーフィード率11%でタスラン加工を行った。得られた混繊加工糸は、92デシテックス−108フィラメントのループ混繊糸であり、加工糸の強度は4.6g/デシテックス、伸度は44%であり、やや膨らみ感のある加工糸であった。
実施例1で用いたのと同じセルロース系繊維の紡績糸を経糸に用い、上記で得られた混繊加工糸を緯糸に用い、織物に製織した。この織物の組織は2/1の綾組織で、織物の幅は182.0cm、織物の長さは60.0m、織物密度は、経密度180本/インチ、緯密度81本/インチの生機であった。
得られた生機を実施例1と同様に、加工・処理して仕上げた。
仕上り品の加工収縮率は幅収縮率28.0%、長さ収縮率15.0%であった。仕上げ品の性量は幅:131cm、長さ:51m、経密度250本/インチ、緯密度本95/インチであった。
比較例1
実施例1に使用した生機を用いて、ベンジルアルコール処理を適用しない以外は、実施例1と同様に染色して仕上げた。
実施例1に使用した生機を用いて、ベンジルアルコール処理を適用しない以外は、実施例1と同様に染色して仕上げた。
比較例2
天然セルロース系繊維である綿(単繊維繊度3.3デシテックス、繊維長51mm)を用い、通常の長紡紡績工程によって40番手の紡績糸を得た。
天然セルロース系繊維である綿(単繊維繊度3.3デシテックス、繊維長51mm)を用い、通常の長紡紡績工程によって40番手の紡績糸を得た。
この紡績糸を経糸に用い、それ以外は実施例1と同様に製織し、ベンジルアルコール処理を施し、次いで染色し、仕上げた。
1:芯成分(ポリアミド成分)
2:楔形断面部分(ポリエステル成分)
2:楔形断面部分(ポリエステル成分)
Claims (9)
- マイナスイオンを発生するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生することを特徴とする織物。
- 抗菌性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、静菌活性値が1.5以上であることを特徴とする織物。
- 吸放湿性を有するセルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなり、該セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上かつ吸放湿率差(ΔMR)が8.5%以上であることを特徴とする織物。
- 該セルロース系繊維の原料が竹であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の織物。
- 該セルロース系繊維を含む糸を経糸にして、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含む糸を緯糸にして交織されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の織物。
- 該セルロース系繊維を含む糸を緯糸にして、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含む糸を経糸にして交織されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の織物。
- 該ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維が分割型繊維であり、該分割型繊維は全体の60%以上が分割されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の織物。
- 該分割型繊維が芯成分にポリアミドが星形断面で1つ配置され、その周囲に楔形断面のポリエステルが配置されたことを特徴とする請求項7に記載の織物。
- セルロース系繊維、およびポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の複合繊維を含んでなる織物を、80℃〜125℃に加熱しながらベンジルアルコール溶液で処理し、次いで90℃〜140℃の温度で染色し、15〜50%収縮させて仕上げることを特徴とする織物の製造方法。
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Cited By (2)
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CN102154850A (zh) * | 2011-01-25 | 2011-08-17 | 上海德桑印染有限公司 | 印花浆料及全棉织物整理方法 |
CN116289171A (zh) * | 2023-03-06 | 2023-06-23 | 汕头市雪果制衣实业有限公司 | 一种棉纤维-负离子涤纶纤维复合的抗菌吸湿面料及其制备方法、应用 |
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2003
- 2003-12-25 JP JP2003429649A patent/JP2004232183A/ja not_active Withdrawn
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