JP2004231668A - 縮合ベンズアゼピン誘導体の新規製造法 - Google Patents

縮合ベンズアゼピン誘導体の新規製造法 Download PDF

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Abstract


【課題】 アルギニンバソプレシン拮抗作用を有する縮合ベンズアゼピン誘導体(I)の工業的な製造方法の確立
【解決手段】 縮合ベンズアゼピン誘導体(I)
【化1】
Figure 2004231668

の新規製造法。
【選択図】 なし

Description

本発明は,アルギニンバソプレシン拮抗薬として有用な新規芳香族複素環縮合ベンズアゼピン誘導体の新規製造法,並びに有用な新規合成中間体に関する。
アルギニンバゾプレシン(AVP)は,視床下部−下垂体系にて生合成・分泌される9個のアミノ酸からなるペプチドである。AVPは生体内において2種類の受容体(V1受容体及びV2受容体)を介し,様々な生理活性を示すことが知られている。それらのうち,代表的な作用として以下の2つが挙げられる。
(1)血管系においては,V1受容体を介してイノシトールリン脂質代謝系を亢進させ,平滑筋の収縮反応により昇圧作用を示す。
(2)腎集合管においては,V2受容体を介してcAMPを増加させ,水再吸収促進により抗利尿作用を示す。
上記の作用によりAVPは体液の恒常性維持に重要な役割を果たしている為,AVPの産生・分泌異常又はAVPに対する各種臓器の反応性の異常は,種々の疾患(心不全,低ナトリウム血症,腎疾患,高血圧浮腫等)の発症や悪化因子として関与していると考えられている。
こうした背景のもと,先に本発明者らは,アルギニンバソプレシン拮抗作用を有する新規化合物の合成について鋭意研究を行った結果,下式で示される新規な芳香族複素環縮合ベンズアゼピン誘導体が意外にも優れたアルギニンバソプレシン拮抗作用を有することを初めて知見し,特許出願した(特許文献1参照)。
Figure 2004231668
(上式中の各記号の意味については,特許文献1の記載を参照。)
国際出願公開第94/01183号パンフレット
アルギニンバソプレシン拮抗作用を有する上記縮合ベンズアゼピン誘導体の工業的な製造方法の確立が必要とされている。
本発明者等は,上記縮合ベンズアゼピン誘導体の別途製造法について更に研究を進めた結果,下記第1製法及び第2製法で示される新規製造法が上記縮合ベンズアゼピン誘導体の優れた製造法であること,及び各製法において中間体として用いられる下式(IV)及び(VI)で示される新規化合物が,上記縮合ベンズアゼピン誘導体を収率よく合成するための優れた中間体であることを知見して本発明を完成した。
本発明の製造法は,医薬品として有用性の高い目的化合物(I)又はその塩を収率良く製造し得る工業的な製造法として有用である。
また,本発明の新規中間体(IV),(VI),及び(VII)は,目的化合物(I)を,収率よく合成するための優れた合成中間体として有用である。
以下,本発明の製造法につき詳述する。
第1製法(アミド化A)
Figure 2004231668
(式中の各記号は下記の意味を有する。)
1,R2:同一又は異なって,水素原子,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基,低級アルコキシ基
3
a)水素原子,
b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;
アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;
で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたアミノ基;1−ピロリジ ニル基;ピペリジノ基;モノホリノ基;環窒素原子上で低級アルキル基で置換 されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基,1−ホモピ ペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジノ基;アミジノ基;水 酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基;カルボキシル基;低級 アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオキシ基;低級アルキル基,ハロ ゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ 基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニル基,イミ ダゾリル基,ピリジニル基,ピラジニル基,ピリミジニル基,ピリダジニル 基,ピラゾニル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾリル基,チアゾリ ル基若しくはオキサゾリル基
c)炭素数3〜8のシクロアルキル基
d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
e)グアニジノ基,アミジノ基
f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基
1,X2:一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基
4:水素原子,低級アルキル基又はアミノ基の保護基
環C:置換基を有していてもよいベンゼン環)
本製法は,式(III)で示される保護されていてもよい置換安息香酸又はその反応性誘導体と,式(IV)で示される保護されていてもよい含窒素芳香族5員環縮合ベンズアゼピン誘導体又はその塩とを,常法によりアミド化し,必要により保護基を除去することにより,目的化合物(I)を製造する方法である。
ここに,化合物(III)の反応性誘導体としては,そのメチルエステル,エチルエステル,イゾブチルエステル,tert−ブチルエステルなどの通常のエステル;酸クロライド,酸ブロマイドの如き酸ハライド;酸アジド;p−ニトロフェノールなどのフェノール系化合物や1−ヒドロキシスクシンイミド,1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのN−ヒドロキシルアミン系化合物等と反応させて得られる活性エステル;対称型酸無水物:アルキル炭酸ハライドなどのハロカルボン酸アルキルエステルやピバロイルハライドなどのハロカルボン酸アルキルエステルやピバロイルハライドなどと反応させて得られる有機酸系混合酸無水物,あるいは塩化ジフェニルホスホリル,N−メチルモルホリンと反応させて得られるリン酸系混合酸無水物等の混合酸無水物;が挙げられる。
また,化合物(III)を遊離酸で反応させるとき,あるいは活性エステルを単離せずに反応させるときなど,ジシクロヘキシルカルボジイミド,カルボニルジイミダゾール,ジフェニルホスホリルアジド,ジエチルホスホリルシアニドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩などの縮合剤を使用するのが好適である。
反応は使用する反応性誘導体や縮合剤などによっても異なるが,通常ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類,ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素類,エーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル類,酢酸エチル等のエステル類,アセトニトリル,N,N−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の反応に不活性な有機溶媒中,反応性誘導体によっては冷却下,冷却下乃至室温下,あるいは室温乃至加熱下に行われる。
尚,反応に際して,化合物(III)を過剰に用いたり,N−メチルモルホリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,N,N−ジメチルアニリン,ピリジン,4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン,ピコリン,ルチジンなどの塩基の存在下に反応させるのが,反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また,ピリジン塩酸塩,ピリジン p−トルエンスルホン酸塩,N,N−ジメチルアニリン塩酸塩等の弱塩基と強酸からなる塩を用いてもよい。この場合,ベンゼン環に縮合した含窒素芳香族5員環と強酸が塩を形成し,遊離の弱塩基が触媒となる。ピリジンは溶媒とすることもできる。
特に,アセトニトリル,N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中,ピリジン,N,N−ジメチルアニリン等の塩基,又はピリジン塩酸塩等の塩の存在下に反応させるのが好適である。
本反応においては,他にメルカプト基や反応性のアミノ基,カルボキシ基,ヒドロキシ基などが存在しない方好ましいが,保護基を導入して反応させた後保護基を除去することによって目的物とすることができる。
保護基の脱離は,保護基の種類によって異なる。
例えばアミノ基の保護基が置換又は未置換のベンジルオキシカルボニル基などである場合には接触還元が好適であり,場合によっては臭化水素酸/酢酸,臭化水素酸/トリフルオロ酢酸,フッ化水素酸などによる酸処理が用いられる。tert−ブトキシカルボニル基などの他のウレタン型保護基は臭化水素酸/酢酸,トリフルオロ酢酸,塩酸,塩酸/酢酸,塩酸/ジオキサンなどによる酸処理が有利である。
また,アミノ基の保護基がアミノ窒素と一体となって形成するフタルイミド基のときはヒドラジン,メチルヒドラジン,エチルヒドラジンなどのヒドラジン類,アンモニアやメチルアミン,エチルアミン,プロピルアミンなどの一級アミンで処理することによりフタロイル基を脱離させて一級アミノ基とすることができる。
また,カルボキシ基の保護基が,メチル基,エチル基であるときは,ケン化により,ベンジル基や各種置換ベンジル基は接触還元やケン化により,tert−ブチル基は上記と同様の酸処理により,トリメチルシリル基は水と接触させることにより,それぞれ容易に除去される。
メルカプト基や水酸基の保護基は,大方,ナトリウム/液体アンモニア処理やフッ化水素処理により除去できる他,保護基の種類によっては(例えばO−ベンジル,O−ベンジルオキシカルボニル,S−p−ニトロベンジル)接触還元を適用して,また,アシル系の保護基であるときは酸又はアルカリの存在下加水分解することにより除去することができる。
これらの処理は,常法によって行うことが可能である。
原料化合物(IV)は,後述する環化反応などにより製造することが可能であるが,新規化合物であることが確認されており,この化合物(IV)が目的化合物(I)を合成するための優れた中間体であることは,本発明により初めて知見された。
なお,化合物(IV)が,ベンズアゼピン環の窒素原子に保護基を有する下式(IV''')で示される化合物である場合は保護基を除去し,化合物(IV'')とした後,本製造法の中間体として用いる。
Figure 2004231668
(式中,R1及びR3は前記の意味を有し,Ra'は保護基を意味する。)
また,原料化合物(IV)のうち,目的化合物(I)を製造する上で特に有利な化合物は下式(IV’)で示される化合物である。
Figure 2004231668
(式中,R1は前記の意味を,R3'は水素原子,炭素数3〜8のシクロアルキル基,又は保護されたアミノ基もしくはフェニル基で置換されていてもよい低級アルキル基を意味する。なお,式中
Figure 2004231668
で示される部分は,前記X1,X2のうち一方が式=N−で示される基であり,他方が−NH−で示される基である場合を意味する。以下同様。)
更に式(IV’)中で示される化合物中,好ましいのは下式で示される化合物(1−a)である。
Figure 2004231668
一方,原料化合物(III)のうち,目的化合物を製造する上で特に有利な化合物は,下式(III’)で示される化合物又はその反応性誘導体である。
Figure 2004231668
第2製法(アミド化B)
Figure 2004231668
(式中,R1,R2,R3,X1,X2及び環Cは前記の意味を有する。)
本製法は,保護基を有していてもよいカルボン酸(V)又はその反応性誘導体と,保護基を有していてもよいアミン(VI)又はその塩とを,常法によりアミド化し,必要により保護基を除去することにより,目的化合物(I)を製造する方法である。
反応性誘導体の種類,反応条件,保護基の脱離等は,第1製法と同様であり,同様に実施できる。
なお,原料化合物(VI)は,ニトロ基を有する下式(VII)で示される化合物を還元することにより容易に入手できる。
Figure 2004231668
(上式中,R1,R2,R3,X1及びX2は前記の意味を有する。)
化合物(VII)は,前記のアミド化,あるいは後述する環化等により製造可能である。化合物(VI)及び(VII)は新規化合物であることが確認されており,これらの化合物(VI)及び(VII)が目的化合物(I)を合成するための優れた中間体であることは,本発明により初めて知見された。
また,原料化合物(VI)及び(VII)のうち,目的化合物(I)を製造する上で特に有利な化合物は下式(VI’)及び(VII’)で示される化合物である。
Figure 2004231668
(式中,R1,R2及びR3'は前記の意味を有する。)
更に式(VI’)及び(VII’)中で示される化合物中,好ましいのは下式で示される化合物(2−a)及び(3−a)である。
Figure 2004231668
(原料化合物の製造法)
本発明の製造法により製造される化合物(I)の原料化合物(前記の式(IV),(VI)及び(III)で示される化合物)は,夫々下記に示される方法により製造できる。
(1)化合物(IV)の製造法
Figure 2004231668
(式中R1,R3,Ra,X1及びX2は前記の意味を有し,Y1
2,Y3とY4の一方はオキソ基(=O)を,他方はハロゲン原子及び水素
Figure 2004231668
を,Zは式=NH,=O又は=Sで示された基を意味する)
イミダゾール環,オキサゾール環又はチアゾール環が縮合した化合物(IV)は,環窒素原子上に保護基(具体的には,アセチル基,ベンゾイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,ベンジルオキシカルボニル基等のアルキル若しくはアラルキルオキシカルボニル基;メタンスルホニル基,ベンジルスルホニル基,トルエンスルホニル基等のアルキル,アラルキル又はアリールスルホニル基等)を有するハロケトン(VIII)に,式(IX)で示される対応するアミジン類,グアニジン類,アミド類,ウレア類,チオアミド類,チオウレア類を反応させ,必要により保護基を除去することにより,製造できる。
本反応では,対応するチオアミド若しくはチオウレア,アミジン若しくはグアニジン,又はカルボン酸アミド若しくはウレア誘導体が酸との間で塩を形成している場合がある。また,反応を促進するために,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム等の無機塩基若しくは弱酸と強塩基との塩,又はピリジン,ジイソプロピルエチルアミン,1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノン−5−エン等の有機塩基の存在下に行うことがある。反応に用いる溶媒としては,ジロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒,メチルアルコール,エチルアルコール,イゾプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒,エーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエーテル系溶媒,アセトニトリル,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の反応に不活性な溶媒が好ましく,反応温度は,室温乃至溶媒の還流温度において行うのが好ましい。
また,反応は,場合によっては加圧下若しくはアルゴン等の不活性ガス中で行われる。
尚,この反応において,アミジン,グアニジン類を用いた場合にもオキサゾール類が生成することがある。この場合,アンモニア気流中,炭酸アンモニウム,酢酸アンモニウム,ホルムアミド類添加等の条件下に反応を行うとイミダゾール類を主生成物として与えることができる。特に過剰のアミジン,グアニジン類及び過剰の炭酸カリウム存在下にクロロホルムを溶媒として加熱還流下に反応させることが好ましい。
この反応に用いられる原料化合物(VIII)は,下記反応式で示されるように,ハロゲン化剤を作用させることにより製造できる。
Figure 2004231668
(式中,R1,Ra,Y1,Y2,Y3及びY4は前記の意味を有し,Y5とY6
Figure 2004231668
を意味する。)
ハロゲン化の工程で用いられるハロゲン化剤としては,飽和環状ケトンのハロゲン化に用いられるハロゲン化剤であればいずれでもよいが,臭化銅(II),塩化銅(II)などのハロゲン化銅(II)等の金属試薬,ジオキサンジプロミド,フェニルトリメチルアンモニウムトリプロミド,ピリジニウムヒドロプロミドペルブロミド,ピロリドンヒドロトリブロミドなどのピリジン,α−ピロリドン,4級アンモニウム,ジオキサン等の過臭化物等が好適に用いられるが,塩素,臭素などのハロゲン単体や塩化水素,臭化水素酸等のハロゲン化水素酸を用いることもできる。
金属試薬や,過臭化物を用いる反応は,通常化合物(X)とこのハロゲン化剤とをジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶媒,エーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエーテル系溶媒,メチルアルコール,エチルアルアルコールなどのアルコール系溶媒,ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒,酢酸,酢酸エチルなどの反応に不活性な有機溶媒又は水又はこれらの混合溶媒中,必要により少量のハロゲン化水素など触媒の存在下で,室温乃至加熱下に実施するのが有利である。
また,ハロゲン化剤としてハロゲン単体を,ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン化炭素,若しくは,エチレングリコール若しくは酢酸等の反応に不活性な溶媒中において,化合物(X)に作用させることもできる。好適には臭素を用いて室温下クロロホルム中で実施できる。
または,ハロゲン化剤としてハロゲン化水素酸を用い,その酸性溶液中若しくは水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性溶液中において化合物(X)に作用させることにより得ることもできる。このときの反応温度は−30℃乃至使用する溶媒の還流温度で行うのが好ましい。
(2)化合物(VI)の製造法
Figure 2004231668
(式中,R1,R2,R3,R5,X1,X2,Y1,Y2,Y3及びY4は前記の意味を有する。)
化合物(VI)は,式(IV)で示される化合物と,式(XI)で示される化合物とをアミド化し,化合物(VII)を得た後,還元するか,又は化合物(XII)と化合物(IX)とを反応させる環化反応により,化合物(VII)を得た後,還元することにより得ることができる。
上記アミド化は,前記第1製法に記載の方法と同様にして行うことが可能であり,又,環化反応は,前記(1)(化合物(IV)の製造法)に記載の方法を適用することができる。
また,上記還元反応は,例えば1)適当な溶媒中接触還元触媒を用いて還元するか又は2)適当な不活性溶媒中,金属もしくは金属塩と酸又は金属若しくはアルカリ金属水酸化物,硫化物,アンモニウム塩等との混合物等を還元剤として用いて還元することにより行なわれる。
1)の還元触媒を用いる場合,使用される溶媒としては,例えば水,酢酸,メタノール,エタノール,イソプロパノール等のアルコール類,ヘキサン,シクロヘキサン等の炭化水素類,ジオキサン,テトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類,酢酸エチル,酢酸メチル等のエステル類,N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。使用される接触還元触媒としては,例えばパラジウム,パラジウム−黒,パラジウム−炭素,白金,酸化白金,亜クロム酸銅,ラネーニッケル等が挙げられる。触媒は,出発原料に対して一般に0.02〜1倍量程度用いるのがよい。反応温度は,通常−20〜150℃付近,好ましくは0〜100℃付近,水素圧は通常1〜10気圧とするのがよく,該反応は一般に0.5〜10時間程度で終了する。また該反応には塩酸等の酸を添加してもよい。
また2)の方法を用いる場合,鉄,亜鉛,錫もしくは塩化第一錫と塩酸,硫酸等の鉱酸,又は鉄,硫酸第一鉄,亜鉛もしくは錫と水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物,硫化アンモニウム等の硫化物,アンモニア水,塩化アンモニウム等のアンモニウム塩との混合物が還元剤として用いられる。使用される不活性溶媒としては,例えば水,酢酸,メタノール,エタノール,ジオキサン等を例示できる。上記還元反応の条件としては,用いられる還元剤によって適宜選択すればよく,例えば塩化第一錫と塩酸とを還元剤として用いる場合,有利には0℃〜室温付近,0.5〜10時間程度反応を行なうのがよい。還元剤は,原料化合物に対して少なくとも等モル量,通常は等モル〜5倍モル量用いられる。
(3)化合物(III)の製造法
Figure 2004231668
(式中,R2及び環Cは前記の意味を有する。)
p−置換安息香酸である化合物(III)は,対応するカルボン酸(V)又はその反応性誘導体と,対応する保護基を有していてもよいp−アミノ安息香酸(XIV)とを第1製法と同様にアミド化することにより製造できる。
上記各製法により得られた反応生成物は遊離化合物,その塩,水和物あるいは各種の溶媒和物として単離され,精製される。塩は通常の造塩反応に付すことにより製造できる。
単離,精製は,抽出,濃縮,留去,結晶化,濾過,再結晶,各種クロマトグラフィー等通常の化学操作を適用して行なわれる。
なお,本発明の製造法により製造し得る目的化合物(I)並びに本発明の新規中間体(IV),(VI)及び(VII)にはラセミ法,光学活性体,ジアステレオマー等の異性体が単独であるいは混合物として存在する場合がある。ラセミ化合物は適当な原料化合物を用いることにより,あるいは一般的なセラミ分割法により〔例えば,一般的な光学活性酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導き,光学分割する方法。〕立体か化学的に純粋な異性体に導くことができる。また,ジアステレオマーの混合物は常法,例えば分別結晶化またはクロマトグラフィー等により分離できる。
以下,上記の本発明の製造法により製造し得る目的化合物(I)について詳細に説明する。
式(I)で示される目的化合物の環Cが示す置換基を有していもよいベンゼン環のベンゼン環上の置換基は,当該技術分野でベンゼン環上の置換基として通常用いられている置換基であることができる。環Cのベンゼン環は1〜5個(好ましくは1〜3個)の置換基を有することができる。また,環Cのベンゼン環の置換基はo(オルト)位にあることが好ましい。それらの置換基としては,例えば,置換若しくは非置換のアルキル基,アルケニル基若しくはアルキニル基,置換若しくは非置換のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基,置換若しくは非置換のアリール基,置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和の複素環基,更にはハロゲン原子,水酸基,アルコキシ基,置換されたアルコキシ基,アルケニルオキシ基,アルキニルオキシ基,シクロアルキルオキシ基,シクロアルケニルオキシ基,アリールオキシ基,アラルキルオキシ基,アラルケニルオキシ基若しくはアラルキニルオキシ基,メルカプト基,アルキルチオ基,アルケニルチオ基,アルキニルチオ基,シクロアルキルチオ基,シクロアルケニルチオ基,アリールチオ基,アラルキルチオ基,アラルケニルチオ基若しくはアラルキニルチオ基,アルコキシカルボニル基,アルケニルオキシカルボニル基,アルキニルオキシカルボニル基,シクロアルキルオキシカルボニル基,シクロアルケニルオキシカルボニル基,アリールオキシカルボニル基,アラルキルオキシカルボニル基,アラルケニルオキシカルボニル基若しくはアラルキニルオキシカルボニル基,アルキルアミノカルボニル基,脂肪族若しくは芳香族アシル基若しくはアシルオキシ基,カルバモイル基,カルボキシル基,スルホン基,オキソ基,チオキソ基,シアノ基,ニトロ基,アミノ基,モノ若しくはジ置換されているアミノ基,グアニジノ基,アミジノ基,置換若しくは非置換のイミノ基を挙げることができる。ベンゼン環の置換基としては,更に置換若しくは非置換で場合によりヘテロ原子(例えば,窒素原子,酸素原子及び/又は硫黄原子1〜3個)を含み,ベンゼン環の隣接する2個の炭素原子に結合してベンゼン環と縮合環を形成する2価の基,例えば,低級アルキレン基,低級アルケニレン基,低級アルキニレン基若しくは低級アルキレンジオキシ基を挙げることができる。
前記ベンゼン環上の置換基である「置換されたアルキル基」,「置換されたアルケニル基」,「置換されたアルキニル基」の置換基としては,例えば,シクロアルキル基,シクロアルケニル基,置換若しくは非置換のアリール基,置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和の複素環基,ハロゲン原子,水酸基,アルコキシ基,アルケニルオキシ基,アルキニルオキシ基,シクロアルキルオキシ基,シクロアルケニルオキシ基,アリールオキシ基,アラルキルオキシ基,アラルケニルオキシ基若しくはアラルキニルオキシ基,メルカプト基,アルキルチオ基,アルケニルチオ基,アルキニルチオ基,シクロアルキルチオ基,シクロアルケニルチオ基,アリールチオ基,アラルキルチオ基,アラルケニルチオ基若しくはアラルキニルチオ基,アルコキシカルボニル基,アルケニルオキシカルボニル基,アルキニルオキシカルボニル基,シクロアルキルオキシカルボニル基,シクロアルケニルオキシカルボニル基,アリールオキシカルボニル基,アラルキルオキカルボニル基,アラルケニルオキシカルボニル基若しくはアラルキニルオキシカルボニル基,アルキルアミノカルボニル基,脂肪族若しくは芳香族アシル基若しくはアシルオキシ基,カルボキシル基,スルホン基,オキソ基,チオキソ基,カルバモイル基,シアノ基,ニトロ基,アミノ基,モノ若しくはジ置換されているアミノ基,保護されたアミノ基,グアニジノ基,アミジノ基,置換若しくは非置換のイミノ基等を挙げることができる。
前記,「置換されたアルコキシ基」の置換基としては,ハロゲン原子,シアノ基,水酸基,カルボキシル基,低級アルコキシカルボニル基,低級アルカノイル基,低級アルカノイルオキシ基,カルバモイル基,低級アルキルアミノカルボニル基,フタルイミド基等が挙げられる。
「置換されたシクロアルキル若しくはシクロアルケニル基」の置換基としては,低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,低級アルコキシ基,低級アルカノイル基,低級アルカノイルオキシ基,低級アルコキシカルボニル基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基,カルボキシル基,カルバモイル基等が挙げられる。
「置換されたアリール基」の置換基としては,低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基,カルボキシル基等が挙げられる。
「置換された飽和若しくは不飽和の複素環基」としては,含窒素複素環が好ましく,更に好ましく含窒素芳香族5〜6員環(さらに好ましくは,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾリル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基)および含窒素飽和4〜7員環(さらに好ましくは,ピロリジニル基,ピペリジル基,モルホリニル基,ピペラジニル基,イミダゾリジニル基,ホモピペラジニル基,ピラゾリジニル基)である。置換基としては低級アルキル基,シクロアルキル基,フェニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基,カルボキシル基等が挙げられる。
「モノ若しくはジ置換されているアミノ基」の置換基としては,低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,低級アルカノイル基等が挙げられ,これらの基はさらに以下の基等で置換されていてもよい。
アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基
「置換イミノ基」の置換基としては,アルキル基,アリール基,アラルキル基等が挙げられる。
前述した環Cのベンゼン環上の置換基の内,
a)ハロゲン原子若しくは水酸基で置換されてもよい低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基,
b)ハロゲン原子,シアノ基,水酸基,カルボキシル基,低級アルコキシカルボニル基,低級アルカノイル基,低級アルカノイルオキシ基,カルバモイル基,低級アルキルアミノカルボニル基若しくフタルイミド基で置換されていてもよい低級アルコキシ基;水酸基;メルカプト基;低級アルキルチオ基
c)ハロゲン原子;シアノ基
d)カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイル基;低級アルカノイルオキシ基;カルバモイル基;低級アルキルアミノカルボニル基
e)アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;低級アルカノイルオキシ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
f)シクロアルキル基,
g)低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニル基,
h)低級アルキル基,シクロアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよいイミダゾリル基,トリアゾリル基,テトラゾリル基,ピロリル基,ピリジル基,ピラジニル基若しくはピリミジニル基が好ましく,さらに好ましくは,低級アルキル基;低級アルコキシ基;水酸基;ハロゲン原子;シクロアルキル基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニル基;低級アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基,トリアゾリル基,テトラゾリル基若しくはピロリル基であり,最も好ましくは,非置換若しくは低級アルキル基で置換されたフェニル基である。
本明細書中の一般式の定義において特に断らない限り,「低級」なる用語は,炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐状の炭素鎖を意味する。
「アルキル基」としては直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられ,好ましくは低級アルキル基である。「低級アルキル基」は炭素数が1〜6個のアルキル基であり例えば,メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,tert−ペンチル基,1−メチルブチル基,2−メチルブチル基,1,2−ジメチルプロピル基,ヘキシル基,イソヘキシル基,1−メチルペンチル基,2−メチルペンチル基,3−メチルペンチル基,1,1−ジメチルブチル基,1,2−ジメチルブチル基,2,2−ジメチルブチル基,1,3−ジメチルブチル基,2,3−ジメチルブチル基,3,3−ジメチルブチル基,1−エチルブチル基,2−エチルブチル基,1,1,2−トリメチルプロピル基,1,2,2−トリメチルプロピル基,1−エチル−1−メチルプロピル基,1−エチル−2−メチルプロピル基を挙げることができる。特には,メチル基及びエチル基が好ましい。
「アルケニル基」としては直鎖若しくは分岐状のアルケニル基が挙げられ,好ましくは低級アルケニル基である。「低級アルケニル基」は炭素数が2〜6個のアルケニル基であり,具体的にはビニル基,アリル基,1−プロペニル基,イソプロペニル基,1−ブテニル基,2−ブテニル基,3−ブテニル基,2−メチル−1−プロペニル基,2−メチルアリル基,1−メチル−1−プロペニル基,1−メチルアリル基,1,1−ジメチルビニル基,1−ペンテニル基,2−ペンテニル基,3−ペンテニル基,4−ペンテニル基,3−メチル−1−ブテニル基,3−メチル−2−ブテニル基,3−メチル−3−ブテニル基,2−メチル−1−ブテニル基,2−メチル−2−ブテニル基,2−メチル−3−ブテニル基,1−メチル−1−ブテニル基,1−メチル−2−ブテニル基,1−メチル−3−ブテニル基,1,1−ジメチルアリル基,1,2−ジメチル−1−プロペニル基,1,2−ジメチル−2−プロペニル基,1−エチル−1−プロペニル基,1−エチル−2−プロペニル基,1−ヘキセニル基,2−ヘキセニル基,3−ヘキセニル基,4−ヘキセニル基,5−ヘキセニル基,1,1−ジメチル−1−ブテニル基,1,1−ジメチル−2−ブテニル基,1,1−ジメチル−3−ブテニル基,3,3−ジメチル−1−ブテニル基,1−メチル−1−ペンテニル基,1−メチル−2−ペンテニル基,1−メチル−3−ペンテニル基,1−メチル−4−ペンテニル基,4−メチル−1−ペンテニル基,4−メチル−2−ペンテニル基,4−メチル−3−ペンテニル基等を挙げることができる。
「アルキニル基」としては直鎖若しくは分岐状のアルキニル基が挙げられ,好ましくは低級アルキニル基である。「低級アルキニル基」は,炭素数が2〜6個の直鎖又は分岐状のアルキニル基であって,エチニル基,1−プロピニル基,2−プロピニル基,1−ブチニル基,2−ブチニル基,3−ブチニル基,1−メチル−2−プロピニル基,1−ペンチニル基,2−ペンチニル基,3−ペンチニル基,4−ペンチニル基,3−メチル−1−ブチニル基,2−メチル−3−ブチニル基,1−メチル−2−ブチニル基,1−メチル−3−ブチニル基,1,1−ジメチル−2−プロピニル基,1−ヘキシニル基,2−ヘキシニル基,3−ヘキシニル基,4−ヘキシニル基,5−ヘキシニル基等を例示することができる。
「シクロアルキル基」又は「シクロアルケニル基」は,好ましくは炭素数3〜8個のシクロアルキル基又はシクロアルケニル基であり,例えば,シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基,シクロオクチル基,シクロプロペニル基,シクロブテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基,シクロヘブテニル基,シクロオクテニル基等であり,シクロヘキシル基又はシクロヘキセニル基がそれぞれ好ましい。
「アリール基」は,好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり,例えば,フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基,アントリル基,フェナントリル基等であり,フェニル基及びナフチル基が好ましく,特にフェニル基が好ましい。
「アルコキシ基」としては,直鎖又は分岐状のアルコキシ基が挙げられ,好ましくは低級アルコキシ基である。
「低級アルコキシ基」は,好ましくはアルキル部分に前記低級アルキル基を有する低級アルコキシ基であり,例えば,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロキシ基,ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ基,tert−ブトキシ基,ペンチルオキシ(アミルオキシ)基,イソペンチルオキシ基,tert−ペンチルオキシ基,ネオペンチルオキシ基,2−メチルブトキシ基,1,2−ジメチルプロポキシ基,1−エチルプロポキシ基,ヘキシルオキシ基等であり,中でもメトキシ基及びイソプロキシ基,特にメトキシ基が好ましい。
「アルカノイル基」としては直鎖若しくは分岐状のアルカノイル基が挙げられ,好ましくは低級アルカノイル基である。「低級アルカノイル基」は飽和脂肪族カルボン酸から誘導された炭素数1〜6個の低級アシル基であり,例えば,ホルミル基,アセチル基,プロピオニル基,ブチリル基,イソブチリル基,バレリル基,イソバレリル基,ピバロイル基又はヘキサノイル基等が好適である。
「アルカノイルオキシ基」は好ましくは前記の低級アルカノイル基をアルカノイル部分として含む基であり,例えば,アセトキシ基やプロピオニルオキシ基が挙げられる。
「アルカノイルアミノ基」は好ましくは前記の低級アルカノイル基をアルカノイル部分として含む基であり,例えば,アセタミド基やプロピオニルアミノ基が挙げられる。
「ハロゲン原子」としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子が挙げられる。
「モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基」は,前記低級アルキル基の具体的な基でモノ又はジ置換されたアミノ基を意味し,具体的には例えばメチルアミノ基,エチルアミノ基,プロピルアミノ基,イソプロピルアミノ基,ブチルアミノ基,イソブチルアミノ基,sec−ブチルアミノ基,tert−ブチルアミノ基,ペンチル(アミル)アミノ基,イソペンチルアミノ基,ネオペンチルアミノ基,tert−ペンチルアミノ基,ヘキシルアミノ基などのモノ低級アルキルアミノ基やジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,ジプロピルアミノ基,ジイソプロピルアミノ基,ジブチルアミノ基,ジイソブチルアミノ基,エチルメチルアミノ基,メチルプロピルアミノ基などの対称型若しくは非対称型のジ低級アルキルアミノ基が挙げられる。
「アラルキル基」,「アラルケニル基」又は「アラルキニル基」は,好ましくは上記のアリール部分(特にはフェニル基又はナフチル基)と低級アルキル,低級アルケニル又は低級アルキニル部分とからなるアラルキル基,アラルケニル基又はアラルキニル基である。
「アルケニルオキシ基」,「アルキニルオキシ基」,「シクロアルキルオキシ基」,「シクロアルケニルオキシ基」,「アリールオキシ基」,「アラルキルオキシ基」,「アラルケニルオキシ基」若しくは「アラルキニルオキシ基」,更に「アルキルチオ基」,「アルケニルチオ基」,「アルキルニルチオ基」,「シクロアルキルチオ基」,「シクロアルケニルチオ基」,「アリールチオ基」,「アラルキルチオ基」,「アラルケニルチオ基」若しくは「アラルキニルチオ基」は,好ましくはアルケニルオキシ基で例示すればアルケニル部分に前記の低級アルケニル基を有する低級アルケニルオキシ基等炭化水素基部分に低級炭化水素鎖を有するそれぞれの基である。
「アルコキシカルボニル基」は,好ましくはアルキル部分に前記低級アルキル基を有する低級アルコキシカルボニル基であり,例えば,メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,プロポキシカルボニル基,イソプロポキシカルボニル基,ブトキシカルボニル基,イソブトキシカルボニル基,sec−ブトキシカルボニル基,tert−ブトキシカルボニル基,ペンチルオキシカルボニル基,イソペンチルオキシカルボニル基,ネオペンチルオキシカルボニル基,tert−ペンチルオキシカルボニル基,ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数1〜6個の直鎖又は分岐状のアルコールと,カルボニル基とでエステル形成された基を挙げることができる。
同様に,「アルケニルオキシカルボニル基」,「アルキニルオキシカルボニル基」,「シクロアルキルオキシカルボニル基」,「シクロアルケニルオキシカルボニル基」,「アリールオキシカルボニル基」,「アラルキルオキシカルボニル基」,「アラルケニルオキシカルボニル基」「アラルキニルオキシカルボニル基」若しくは「アルキルアミノカルボニル」も,好ましくはそれぞれ,例えばアルケニル部分に前記の低級アルケニル基を有する低級アルケニルオキシカルボニル基等である。
「脂肪族アシル基」は,好ましくは飽和若しくは不飽和の低級脂肪酸から誘導された低級アシル基であり,例えば前記の低級アルカノイル基が好適である。「芳香族アシル基」としては,例えば,ベンゾイル基,トルオイル基,サリチル基,ナフトイル基又はフタロイル基を挙げることができる。又,「アシルオキシ基」は,前記の低級アルカノイル基又は芳香族アシル基をアシル部分として含む基であり,例えば,アセトキシ基やホベンゾイルオキシ基等が好適である。
「保護されたアミノ基」としては,脂肪族または芳香族アシル基,カルバモイル基,カルバミド基,フタロイル基等で保護されたアミノ基が挙げられ,同様に「アミノ基の保護基」の保護基も脂肪族または芳香族アシル基,カルバモイル基,カルバミド基,フタロイル基等が挙げられる。
本発明の製造法により製造し得る目的化合物(I)並びに本発明の新規中間体(IV),(VI),及び(VII)の塩としては,無機酸若しくは有機酸との酸付加塩,あるいは無機若しくは有機塩基との塩であり,製薬学的に許容しうる塩が好ましい。これらの塩としては,具体的には塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸若しくはリン酸等の鉱酸,又は,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,フマル酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,クエン酸,メタンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸等の有機酸,又はアスパラギン酸若しくはグルタミン酸などの酸性アミノ酸との酸付加塩,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム,アルミニウムなど無機塩基,メチルアミン,エルチアミン,エタノールアミンなどの有機塩基,リジン,オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩等を挙げることができる。更に,4級アンモニウム塩であることもできる。4級アンモニウム塩は,具体的には低級アルキルハライド,低級アルキルトリフラート,低級アルキルトシラートまたはベンジルハライド等との反応で得られる塩であり,好ましくはメチルヨードまたはベンジルクロリド等との塩である。
また,本発明の製造法により製造される目的化合物(I)並びに本発明新規中間体(IV),(VI),及び(VII)には,不斉炭素原子に基づく光学異性体や二重結合やシクロヘキサン環に基づく幾何異性体が存在することがある。本発明はこれら幾何異性体,光学異性体など各種異性体の混合物及び分離されたものを包含する。また,本発明の製造法により製造される目的化合物(I)並びに本発明新規中間体(IV),(VI),及び(VII)の化合物には,水和物,各種溶媒和物,互変異性体,結晶多形等が存在する場合もあり,上記化合物はそれらをすべて包含するものである。
また,本発明新規中間体(IV),(VI),及び(VII)が中間体化合物又は本発明反応に関与しない部位にアミノ基,カルボニル基,ヒドロキシ基,メルカプト基を有する場合には,適当な保護基,すなわち容易にアミノ基,カルボニル基,ヒドロキシ基,メルカプト基に転化可能な官能基に置き換えておくことがその後の製造工程上好ましい場合がある。このような保護基としては,例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著,「Protective Groups in Organic Synthesis」,第2版に記載の保護基を挙げることができ,これらを反応条件に応じて適宜用いることができる。そのほか,例えば容易にカルボニル基に転化可能な官能基としては,例えばヒドロキシメチレン基(CH−OH)を挙げることができ,このような官能基もカルボニル基の保護基として使用することができる。本発明新規中間体(IV),(VI),及び(VII)には,これらの保護基に置き換えられた化合物をも包含される。
以下に実施例として,本発明の製造法による目的化合物の製造例を掲げ,具体的に説明する。
なお,目的化合物の原料化合物には新規なものも含まれており,それらの化合物の製造例についても参考例として説明する。
参考例1
Figure 2004231668
1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(4−メチルベンゼンスルホニル)−1−ベンズアゼピン−5−オン16gを240mlのクロロホルムに溶解し,室温にて臭素2.61mlを80mlのクロロホルムに溶解した溶液を滴下した。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し,無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣を480mlのクロロホルムに溶解した後,アセトアミジン塩酸塩24gおよび炭酸カリウム49gを加え,アルゴン気流下に20時間加熱還流した。反応液を冷却した後に水洗を施し,クロロホルム層を取り,これを無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留去した後に得られた残渣を160mlのエチルアルコールに溶解し,これに12.7mlの4N塩酸−酢酸エチル溶液を加え,氷冷した。析出した結晶を濾取し,乾燥して15.7gの(2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−6−(4−メチルベンゼンスルホニル)−イミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン塩酸塩を得た。
融点:>250℃
元素分析値(C191932S・HCl)
C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%)
計算値 58.53 5.17 10.78 8.22 9.09
実験値 58.30 5.36 10.54 8.17 9.04
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.34(3H,s),2.57(1H,s),
7.23(2H,d),7.3−7.5(計5H),
7.96(1H,d).
MASS(FAB):353(M++1)
参考例2
Figure 2004231668
2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−6−(4−メチルベンゼンスルホニル)−イミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン塩酸塩8.0gを40mlの濃硫酸に溶解した後に70℃の油浴中にて1時間加温した。反応液を160mlの氷水中に注ぎ,温度を20℃に保ちながら62gの水酸化ナトリウムを185mlの水に溶解した溶液を加えて塩基性にした。ここに250mlの酢酸エチルを加え,無機物を濾去した後に分液操作を行なった。酢酸エチル層を取った後に水層を150mlの酢酸エチルにて再度抽出をした。酢酸エチル層を含ませ,これを少量の飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣を酢酸エチルから結晶化を行ない,析出した結晶を濾取後,乾燥して3.0gの2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピンを得た。
融点:180−182℃
元素分析値(C12133
C(%) H(%) N(%)
計算値 72.34 6.56 21.09
実験値 72.25 6.63 20.96
1H−NMR(δppm in CDCl3,TMS内部標準):
2.39(3H,s),3.00(2H,t),
3.36(2H,t),4.30(1H,br),
6.69(1H,t),6.87(1H,q),
7.0(1H,m),7.8(1H,br.d).
MASS(FAB):200(M++1)
参考例3
Figure 2004231668
[その1]
2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン500mgを10mlのアセトニトリルに懸濁し,0.61mlのピリジンを加え,氷冷下に512mgのp−ニトロベンゾイルクロリドを加えた後に1時間加熱還流した。反応液を氷冷し結晶を濾取し,これを少量のアセトニトリルにて洗浄した。これを乾燥して,900mgの2−メチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン塩酸塩を得た。
[その2]
2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン500mgを10mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し,870mgのピリジン塩酸塩を加え,氷冷下に512mgのp−ニトロベンゾイルクロリドを加えた後に室温に戻し,3時間攪拌した。反応液を氷冷し結晶を濾取し,これを少量のN,N−ジメチルホルムアミドにて洗浄した。これを乾燥して,700mgの2−メチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン塩酸塩を得た。
融点:>250℃
元素分析値(C191643・HCl)
C(%) H(%) N(%) Cl(%)
計算値 59.30 4.45 14.56 9.21
実験値 58.94 4.56 14.52 9.17
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.71(3H,s),3.13(2H),4.97(1H),
6.94(1H,d),7.08(1H,t),
7.2−7.4(計3H),8.05(2H,d),
8.20(1H,d).
MASS(FAB):349(M++1)
参考例4
Figure 2004231668
2−メチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン塩酸塩1.70gを34mlのメチルアルコールに懸濁し,0.5mlのラネーニッケルを加え常圧にて水素添加を行なった。水素の吸収が終了した後に,反応液を濾過して濃縮した。得られた残渣に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし攪拌を行ない,析出した固体を濾取して定量的に6−(4−アミノベンゾイル)−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピンを得た。
融点:>250℃
元素分析値(C19184O・0.25H2O)
C(%) H(%) N(%)
計算値 70.68 5.78 17.35
実験値 70.77 5.79 17.40
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.32(3H,s),2.86(2H,m),
3.04(1H,m),4.97(1H,m),
6.23(2H,d),6.3−6.8(計3H),
6.87(1H,m),7.16(1H,m),
8.1(1H,br).
MASS(FAB):319(M++1)
参考例5
Figure 2004231668
o−フェニル安息香酸3.0gを15mlの塩化メチレンに溶解し,冷却下に触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド及び1.98gの塩化チオニルを加えた。徐々に常温とし同温度で1時間攪拌後減圧下に溶媒を留去した。残渣にベンゼン15mlを加えて再度減圧下に濃縮した。得られた油状物をアセトン20mlに溶解し氷冷下にp−アミノ安息香酸2.08g,N,N−ジメチルアニリン2.02gを加え徐々に常温とした。同温度で1.5時間攪拌後反応液に水20mlを添加し析出物を濾取した。減圧下に乾燥し白色結晶性粉末の4−(ビフェニル−2−イルカルボキサミド)安息香酸4.52gを得た。
’H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
7.28〜7.61(9H),7.66(2H,d),
7.86(2H,d),10.57(1H,s)
MS(EI):317(M+
実施例1
Figure 2004231668
o−フェニル安息香酸373mgをジクロロメタン7.5mlに溶解し,−15℃,攪拌下に塩化オキザリル0.25mlおよび触媒量のジメチルホルムアミドを加え,2時間かけて室温に戻し,さらに2時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し,さらに3回ジクロロメタンにて共沸を施した。得られた残渣を5mlのアセトニトリルに溶解し,これを氷冷攪拌下に6−(4−アミノベンゾイル)−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン500mgおよびピリジン0.38mlのアセトニトリル10mlの懸濁液に滴下した。反応液を室温に戻し,ついで,30分間加熱還流を行なった。反応液を氷冷した後に0.2mlの4N塩酸−酢酸エチルを加えた後にさらに30分間攪拌した。固体を濾取し,これをアセトニトリルにて洗浄した。乾燥後に得られた固体700mgを14mlのエチルアルコールに懸濁し,30分間加熱還流した。懸濁液を室温に戻しこれを濾取して620mgの4’−[(2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン−6−イル)カルボニル]−2−フェニルベンズアニリド塩酸塩を得た。
融点:>250℃
元素分析値(C322642・HCl・0.75H2O)
C(%) H(%) N(%) Cl(%)
計算値 70.07 5.24 10.21 6.46
実験値 70.01 5.33 10.00 6.23
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.68(3H,s),2.98(1H,t),
3.12(2H,m),4.99(1H,m),
6.8−7.0(計3H),7.13(1H,t),
7.2−7.6(計12H),8.11(1H,d),
10.30(1H,s),14.7(計2H).
MASS(FAB):499(M++1)
実施例2
Figure 2004231668
4−(2−フェニルベンズアミド)安息香酸0.96g,乾燥テトラヒドロフラン9.6ml,N,N−ジメチルホルムアミド3滴の懸濁液に氷冷下塩化チオニル0.414gを加える。反応液を室温としてさらに1時間撹拌した後減圧下に溶媒を留去する。残渣にトルエン20mlを加えて再び減圧下に溶媒留去し得られた残渣を7.5mlの乾燥アセトニトリルに加熱溶解した後室温として酸クロリド溶液とする。
2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン0.5g,乾燥アセトニトリル15ml,ピリジン0.608mlの懸濁液に氷冷下,先に調製した酸クロリド溶液を加える。室温とした後約1時間加熱還流する。反応液を冷却した後4N塩酸−酢酸エチル0.3mlを加えて撹拌し析出固体を濾取,乾燥して粗製物1.18gを得た。
このものを10mlのエタノールに懸濁して30分加熱還流した後冷却,濾取乾燥して0.79gの4’−[(2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン−6−イル)カルボニル]−2−フェニルベンズアニリド塩酸塩を得た。
ここで得られたものの物性,各種スペクトルデータは実施例1で得られたものと一致した。
下表の原料化合物を用いて,実施例2と同様に対応する化合物(I)を合成できる。尚,下表の原料化合物は参考例1〜2と同様にして製造される。
Figure 2004231668
Figure 2004231668
下表の原料化合物を用いて,実施例1と同様に対応する化合物(I)を合成できる。尚,下表の原料化合物は参考例3〜4と同様にして製造される。
Figure 2004231668
Figure 2004231668

Claims (4)

  1. 一般式(V)
    Figure 2004231668
    (式中,環Cは置換基を有していてもよいベンゼン環を意味する。)
    で示される化合物又はその反応性誘導体と一般式(VI)
    Figure 2004231668
    (式中,R1,R2は同一又は異なって,水素原子,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基,又は低級アルコキシ基を意味し,
    3は,
    a)水素原子,
    b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
    アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;アミノ基,モノ若しくはジ 低級アルキルアミノ基で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたア ミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で 低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリ ジニル基,1−ホモピペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジ ノ基;アミジノ基;水酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基; カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオシキ基; 低級アルキル基;ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくは ジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていても よいフェニル基,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル 基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾ リル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基,
    c)炭素数3〜8のシクロアルキル基,
    d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
    e)グアニジノ基,アミジノ基
    又は
    f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基を意味し,X1,X2は,一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基(R4:水素原子,低級アルキル基又はアミノ基の保護基)を夫々意味する。)
    で示される化合物又はその塩とを反応させ,一般式(I)
    Figure 2004231668
    (式中,R1,R2,R3,X1,X2及び環Cは前記の意味を有する。)で示される化合物又はその塩を得ることを特徴とする縮合ベンズアゼピン誘導体の製造法。
  2. 下記一般式(VI)で示される化合物又はその塩。
    Figure 2004231668
    (式中,R1,R2は同一又は異なって,水素原子,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基,又は低級アルコキシ基を意味し,
    3は,
    a)水素原子,
    b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
    アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;アミノ基,モノ若しくはジ 低級アルキルアミノ基で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたア ミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で 低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリ ジニル基,1−ホモピペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジ ノ基;アミジノ基;水酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基; カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオシキ基; 低級アルキル基;ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくは ジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていても よいフェニル基,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル 基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾ リル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基,
    c)炭素数3〜8のシクロアルキル基,
    d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
    e)グアニジノ基,アミジノ基
    又は
    f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基を意味し,X1,X2は,一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基(R4:水素原子,低級アルキル基又はアミノ基の保護基)を夫々意味する。)
  3. 下式(VII)で示される化合物又はその塩。
    Figure 2004231668
    (式中,R1,R2は同一又は異なって,水素原子,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基,又は低級アルコキシ基を意味し,
    3は,
    a)水素原子,
    b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
    アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;アミノ基,モノ若しくはジ 低級アルキルアミノ基で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたア ミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で 低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリ ジニル基,1−ホモピペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジ ノ基;アミジノ基;水酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基; カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオシキ基; 低級アルキル基;ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくは ジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていても よいフェニル基,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル 基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾ リル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基,
    c)炭素数3〜8のシクロアルキル基,
    d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
    e)グアニジノ基,アミジノ基
    又は
    f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基を意味し,X1,X2は,一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基(R4:水素原子低級アルキル基又はアミノ基の保護基)を夫々意味する。)
  4. 1及びR2が水素原子であり,R3がメチル基であり,且つX1,X2が一方は式=N−で示される基であり,他方が−NH−で示される基である請求項2又は3記載の化合物。
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