JP2004231668A - 縮合ベンズアゼピン誘導体の新規製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)血管系においては,V1受容体を介してイノシトールリン脂質代謝系を亢進させ,平滑筋の収縮反応により昇圧作用を示す。
(2)腎集合管においては,V2受容体を介してcAMPを増加させ,水再吸収促進により抗利尿作用を示す。
上記の作用によりAVPは体液の恒常性維持に重要な役割を果たしている為,AVPの産生・分泌異常又はAVPに対する各種臓器の反応性の異常は,種々の疾患(心不全,低ナトリウム血症,腎疾患,高血圧浮腫等)の発症や悪化因子として関与していると考えられている。
こうした背景のもと,先に本発明者らは,アルギニンバソプレシン拮抗作用を有する新規化合物の合成について鋭意研究を行った結果,下式で示される新規な芳香族複素環縮合ベンズアゼピン誘導体が意外にも優れたアルギニンバソプレシン拮抗作用を有することを初めて知見し,特許出願した(特許文献1参照)。
また,本発明の新規中間体(IV),(VI),及び(VII)は,目的化合物(I)を,収率よく合成するための優れた合成中間体として有用である。
第1製法(アミド化A)
R1,R2:同一又は異なって,水素原子,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基,低級アルコキシ基
a)水素原子,
b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;
アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;
で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたアミノ基;1−ピロリジ ニル基;ピペリジノ基;モノホリノ基;環窒素原子上で低級アルキル基で置換 されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基,1−ホモピ ペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジノ基;アミジノ基;水 酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基;カルボキシル基;低級 アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオキシ基;低級アルキル基,ハロ ゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ 基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニル基,イミ ダゾリル基,ピリジニル基,ピラジニル基,ピリミジニル基,ピリダジニル 基,ピラゾニル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾリル基,チアゾリ ル基若しくはオキサゾリル基
d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
e)グアニジノ基,アミジノ基
f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基
X1,X2:一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基
R4:水素原子,低級アルキル基又はアミノ基の保護基
環C:置換基を有していてもよいベンゼン環)
ここに,化合物(III)の反応性誘導体としては,そのメチルエステル,エチルエステル,イゾブチルエステル,tert−ブチルエステルなどの通常のエステル;酸クロライド,酸ブロマイドの如き酸ハライド;酸アジド;p−ニトロフェノールなどのフェノール系化合物や1−ヒドロキシスクシンイミド,1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのN−ヒドロキシルアミン系化合物等と反応させて得られる活性エステル;対称型酸無水物:アルキル炭酸ハライドなどのハロカルボン酸アルキルエステルやピバロイルハライドなどのハロカルボン酸アルキルエステルやピバロイルハライドなどと反応させて得られる有機酸系混合酸無水物,あるいは塩化ジフェニルホスホリル,N−メチルモルホリンと反応させて得られるリン酸系混合酸無水物等の混合酸無水物;が挙げられる。
反応は使用する反応性誘導体や縮合剤などによっても異なるが,通常ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類,ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素類,エーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル類,酢酸エチル等のエステル類,アセトニトリル,N,N−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の反応に不活性な有機溶媒中,反応性誘導体によっては冷却下,冷却下乃至室温下,あるいは室温乃至加熱下に行われる。
特に,アセトニトリル,N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中,ピリジン,N,N−ジメチルアニリン等の塩基,又はピリジン塩酸塩等の塩の存在下に反応させるのが好適である。
保護基の脱離は,保護基の種類によって異なる。
例えばアミノ基の保護基が置換又は未置換のベンジルオキシカルボニル基などである場合には接触還元が好適であり,場合によっては臭化水素酸/酢酸,臭化水素酸/トリフルオロ酢酸,フッ化水素酸などによる酸処理が用いられる。tert−ブトキシカルボニル基などの他のウレタン型保護基は臭化水素酸/酢酸,トリフルオロ酢酸,塩酸,塩酸/酢酸,塩酸/ジオキサンなどによる酸処理が有利である。
また,アミノ基の保護基がアミノ窒素と一体となって形成するフタルイミド基のときはヒドラジン,メチルヒドラジン,エチルヒドラジンなどのヒドラジン類,アンモニアやメチルアミン,エチルアミン,プロピルアミンなどの一級アミンで処理することによりフタロイル基を脱離させて一級アミノ基とすることができる。
メルカプト基や水酸基の保護基は,大方,ナトリウム/液体アンモニア処理やフッ化水素処理により除去できる他,保護基の種類によっては(例えばO−ベンジル,O−ベンジルオキシカルボニル,S−p−ニトロベンジル)接触還元を適用して,また,アシル系の保護基であるときは酸又はアルカリの存在下加水分解することにより除去することができる。
これらの処理は,常法によって行うことが可能である。
原料化合物(IV)は,後述する環化反応などにより製造することが可能であるが,新規化合物であることが確認されており,この化合物(IV)が目的化合物(I)を合成するための優れた中間体であることは,本発明により初めて知見された。
なお,化合物(IV)が,ベンズアゼピン環の窒素原子に保護基を有する下式(IV''')で示される化合物である場合は保護基を除去し,化合物(IV'')とした後,本製造法の中間体として用いる。
本製法は,保護基を有していてもよいカルボン酸(V)又はその反応性誘導体と,保護基を有していてもよいアミン(VI)又はその塩とを,常法によりアミド化し,必要により保護基を除去することにより,目的化合物(I)を製造する方法である。
反応性誘導体の種類,反応条件,保護基の脱離等は,第1製法と同様であり,同様に実施できる。
なお,原料化合物(VI)は,ニトロ基を有する下式(VII)で示される化合物を還元することにより容易に入手できる。
化合物(VII)は,前記のアミド化,あるいは後述する環化等により製造可能である。化合物(VI)及び(VII)は新規化合物であることが確認されており,これらの化合物(VI)及び(VII)が目的化合物(I)を合成するための優れた中間体であることは,本発明により初めて知見された。
本発明の製造法により製造される化合物(I)の原料化合物(前記の式(IV),(VI)及び(III)で示される化合物)は,夫々下記に示される方法により製造できる。
Y2,Y3とY4の一方はオキソ基(=O)を,他方はハロゲン原子及び水素
を,Zは式=NH,=O又は=Sで示された基を意味する)
イミダゾール環,オキサゾール環又はチアゾール環が縮合した化合物(IV)は,環窒素原子上に保護基(具体的には,アセチル基,ベンゾイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,ベンジルオキシカルボニル基等のアルキル若しくはアラルキルオキシカルボニル基;メタンスルホニル基,ベンジルスルホニル基,トルエンスルホニル基等のアルキル,アラルキル又はアリールスルホニル基等)を有するハロケトン(VIII)に,式(IX)で示される対応するアミジン類,グアニジン類,アミド類,ウレア類,チオアミド類,チオウレア類を反応させ,必要により保護基を除去することにより,製造できる。
また,反応は,場合によっては加圧下若しくはアルゴン等の不活性ガス中で行われる。
尚,この反応において,アミジン,グアニジン類を用いた場合にもオキサゾール類が生成することがある。この場合,アンモニア気流中,炭酸アンモニウム,酢酸アンモニウム,ホルムアミド類添加等の条件下に反応を行うとイミダゾール類を主生成物として与えることができる。特に過剰のアミジン,グアニジン類及び過剰の炭酸カリウム存在下にクロロホルムを溶媒として加熱還流下に反応させることが好ましい。
この反応に用いられる原料化合物(VIII)は,下記反応式で示されるように,ハロゲン化剤を作用させることにより製造できる。
を意味する。)
ハロゲン化の工程で用いられるハロゲン化剤としては,飽和環状ケトンのハロゲン化に用いられるハロゲン化剤であればいずれでもよいが,臭化銅(II),塩化銅(II)などのハロゲン化銅(II)等の金属試薬,ジオキサンジプロミド,フェニルトリメチルアンモニウムトリプロミド,ピリジニウムヒドロプロミドペルブロミド,ピロリドンヒドロトリブロミドなどのピリジン,α−ピロリドン,4級アンモニウム,ジオキサン等の過臭化物等が好適に用いられるが,塩素,臭素などのハロゲン単体や塩化水素,臭化水素酸等のハロゲン化水素酸を用いることもできる。
または,ハロゲン化剤としてハロゲン化水素酸を用い,その酸性溶液中若しくは水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性溶液中において化合物(X)に作用させることにより得ることもできる。このときの反応温度は−30℃乃至使用する溶媒の還流温度で行うのが好ましい。
化合物(VI)は,式(IV)で示される化合物と,式(XI)で示される化合物とをアミド化し,化合物(VII)を得た後,還元するか,又は化合物(XII)と化合物(IX)とを反応させる環化反応により,化合物(VII)を得た後,還元することにより得ることができる。
上記アミド化は,前記第1製法に記載の方法と同様にして行うことが可能であり,又,環化反応は,前記(1)(化合物(IV)の製造法)に記載の方法を適用することができる。
また,上記還元反応は,例えば1)適当な溶媒中接触還元触媒を用いて還元するか又は2)適当な不活性溶媒中,金属もしくは金属塩と酸又は金属若しくはアルカリ金属水酸化物,硫化物,アンモニウム塩等との混合物等を還元剤として用いて還元することにより行なわれる。
p−置換安息香酸である化合物(III)は,対応するカルボン酸(V)又はその反応性誘導体と,対応する保護基を有していてもよいp−アミノ安息香酸(XIV)とを第1製法と同様にアミド化することにより製造できる。
上記各製法により得られた反応生成物は遊離化合物,その塩,水和物あるいは各種の溶媒和物として単離され,精製される。塩は通常の造塩反応に付すことにより製造できる。
単離,精製は,抽出,濃縮,留去,結晶化,濾過,再結晶,各種クロマトグラフィー等通常の化学操作を適用して行なわれる。
以下,上記の本発明の製造法により製造し得る目的化合物(I)について詳細に説明する。
「置換されたシクロアルキル若しくはシクロアルケニル基」の置換基としては,低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,低級アルコキシ基,低級アルカノイル基,低級アルカノイルオキシ基,低級アルコキシカルボニル基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基,カルボキシル基,カルバモイル基等が挙げられる。
「置換された飽和若しくは不飽和の複素環基」としては,含窒素複素環が好ましく,更に好ましく含窒素芳香族5〜6員環(さらに好ましくは,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾリル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基)および含窒素飽和4〜7員環(さらに好ましくは,ピロリジニル基,ピペリジル基,モルホリニル基,ピペラジニル基,イミダゾリジニル基,ホモピペラジニル基,ピラゾリジニル基)である。置換基としては低級アルキル基,シクロアルキル基,フェニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基,カルボキシル基等が挙げられる。
「モノ若しくはジ置換されているアミノ基」の置換基としては,低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,低級アルカノイル基等が挙げられ,これらの基はさらに以下の基等で置換されていてもよい。
「置換イミノ基」の置換基としては,アルキル基,アリール基,アラルキル基等が挙げられる。
a)ハロゲン原子若しくは水酸基で置換されてもよい低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基,
b)ハロゲン原子,シアノ基,水酸基,カルボキシル基,低級アルコキシカルボニル基,低級アルカノイル基,低級アルカノイルオキシ基,カルバモイル基,低級アルキルアミノカルボニル基若しくフタルイミド基で置換されていてもよい低級アルコキシ基;水酸基;メルカプト基;低級アルキルチオ基
c)ハロゲン原子;シアノ基
d)カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイル基;低級アルカノイルオキシ基;カルバモイル基;低級アルキルアミノカルボニル基
e)アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;低級アルカノイルオキシ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
g)低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニル基,
h)低級アルキル基,シクロアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよいイミダゾリル基,トリアゾリル基,テトラゾリル基,ピロリル基,ピリジル基,ピラジニル基若しくはピリミジニル基が好ましく,さらに好ましくは,低級アルキル基;低級アルコキシ基;水酸基;ハロゲン原子;シクロアルキル基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基,ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニル基;低級アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基,トリアゾリル基,テトラゾリル基若しくはピロリル基であり,最も好ましくは,非置換若しくは低級アルキル基で置換されたフェニル基である。
「アルキル基」としては直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられ,好ましくは低級アルキル基である。「低級アルキル基」は炭素数が1〜6個のアルキル基であり例えば,メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,tert−ペンチル基,1−メチルブチル基,2−メチルブチル基,1,2−ジメチルプロピル基,ヘキシル基,イソヘキシル基,1−メチルペンチル基,2−メチルペンチル基,3−メチルペンチル基,1,1−ジメチルブチル基,1,2−ジメチルブチル基,2,2−ジメチルブチル基,1,3−ジメチルブチル基,2,3−ジメチルブチル基,3,3−ジメチルブチル基,1−エチルブチル基,2−エチルブチル基,1,1,2−トリメチルプロピル基,1,2,2−トリメチルプロピル基,1−エチル−1−メチルプロピル基,1−エチル−2−メチルプロピル基を挙げることができる。特には,メチル基及びエチル基が好ましい。
「シクロアルキル基」又は「シクロアルケニル基」は,好ましくは炭素数3〜8個のシクロアルキル基又はシクロアルケニル基であり,例えば,シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基,シクロオクチル基,シクロプロペニル基,シクロブテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基,シクロヘブテニル基,シクロオクテニル基等であり,シクロヘキシル基又はシクロヘキセニル基がそれぞれ好ましい。
「アルコキシ基」としては,直鎖又は分岐状のアルコキシ基が挙げられ,好ましくは低級アルコキシ基である。
「低級アルコキシ基」は,好ましくはアルキル部分に前記低級アルキル基を有する低級アルコキシ基であり,例えば,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロキシ基,ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ基,tert−ブトキシ基,ペンチルオキシ(アミルオキシ)基,イソペンチルオキシ基,tert−ペンチルオキシ基,ネオペンチルオキシ基,2−メチルブトキシ基,1,2−ジメチルプロポキシ基,1−エチルプロポキシ基,ヘキシルオキシ基等であり,中でもメトキシ基及びイソプロキシ基,特にメトキシ基が好ましい。
「アルカノイルオキシ基」は好ましくは前記の低級アルカノイル基をアルカノイル部分として含む基であり,例えば,アセトキシ基やプロピオニルオキシ基が挙げられる。
「アルカノイルアミノ基」は好ましくは前記の低級アルカノイル基をアルカノイル部分として含む基であり,例えば,アセタミド基やプロピオニルアミノ基が挙げられる。
「ハロゲン原子」としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子が挙げられる。
「アルケニルオキシ基」,「アルキニルオキシ基」,「シクロアルキルオキシ基」,「シクロアルケニルオキシ基」,「アリールオキシ基」,「アラルキルオキシ基」,「アラルケニルオキシ基」若しくは「アラルキニルオキシ基」,更に「アルキルチオ基」,「アルケニルチオ基」,「アルキルニルチオ基」,「シクロアルキルチオ基」,「シクロアルケニルチオ基」,「アリールチオ基」,「アラルキルチオ基」,「アラルケニルチオ基」若しくは「アラルキニルチオ基」は,好ましくはアルケニルオキシ基で例示すればアルケニル部分に前記の低級アルケニル基を有する低級アルケニルオキシ基等炭化水素基部分に低級炭化水素鎖を有するそれぞれの基である。
同様に,「アルケニルオキシカルボニル基」,「アルキニルオキシカルボニル基」,「シクロアルキルオキシカルボニル基」,「シクロアルケニルオキシカルボニル基」,「アリールオキシカルボニル基」,「アラルキルオキシカルボニル基」,「アラルケニルオキシカルボニル基」「アラルキニルオキシカルボニル基」若しくは「アルキルアミノカルボニル」も,好ましくはそれぞれ,例えばアルケニル部分に前記の低級アルケニル基を有する低級アルケニルオキシカルボニル基等である。
「保護されたアミノ基」としては,脂肪族または芳香族アシル基,カルバモイル基,カルバミド基,フタロイル基等で保護されたアミノ基が挙げられ,同様に「アミノ基の保護基」の保護基も脂肪族または芳香族アシル基,カルバモイル基,カルバミド基,フタロイル基等が挙げられる。
また,本発明新規中間体(IV),(VI),及び(VII)が中間体化合物又は本発明反応に関与しない部位にアミノ基,カルボニル基,ヒドロキシ基,メルカプト基を有する場合には,適当な保護基,すなわち容易にアミノ基,カルボニル基,ヒドロキシ基,メルカプト基に転化可能な官能基に置き換えておくことがその後の製造工程上好ましい場合がある。このような保護基としては,例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著,「Protective Groups in Organic Synthesis」,第2版に記載の保護基を挙げることができ,これらを反応条件に応じて適宜用いることができる。そのほか,例えば容易にカルボニル基に転化可能な官能基としては,例えばヒドロキシメチレン基(CH−OH)を挙げることができ,このような官能基もカルボニル基の保護基として使用することができる。本発明新規中間体(IV),(VI),及び(VII)には,これらの保護基に置き換えられた化合物をも包含される。
なお,目的化合物の原料化合物には新規なものも含まれており,それらの化合物の製造例についても参考例として説明する。
参考例1
融点:>250℃
元素分析値(C19H19N3O2S・HCl)
C(%) H(%) N(%) S(%) Cl(%)
計算値 58.53 5.17 10.78 8.22 9.09
実験値 58.30 5.36 10.54 8.17 9.04
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.34(3H,s),2.57(1H,s),
7.23(2H,d),7.3−7.5(計5H),
7.96(1H,d).
MASS(FAB):353(M++1)
参考例2
融点:180−182℃
元素分析値(C12H13N3)
C(%) H(%) N(%)
計算値 72.34 6.56 21.09
実験値 72.25 6.63 20.96
1H−NMR(δppm in CDCl3,TMS内部標準):
2.39(3H,s),3.00(2H,t),
3.36(2H,t),4.30(1H,br),
6.69(1H,t),6.87(1H,q),
7.0(1H,m),7.8(1H,br.d).
MASS(FAB):200(M++1)
参考例3
2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン500mgを10mlのアセトニトリルに懸濁し,0.61mlのピリジンを加え,氷冷下に512mgのp−ニトロベンゾイルクロリドを加えた後に1時間加熱還流した。反応液を氷冷し結晶を濾取し,これを少量のアセトニトリルにて洗浄した。これを乾燥して,900mgの2−メチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン塩酸塩を得た。
2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン500mgを10mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し,870mgのピリジン塩酸塩を加え,氷冷下に512mgのp−ニトロベンゾイルクロリドを加えた後に室温に戻し,3時間攪拌した。反応液を氷冷し結晶を濾取し,これを少量のN,N−ジメチルホルムアミドにて洗浄した。これを乾燥して,700mgの2−メチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン塩酸塩を得た。
融点:>250℃
元素分析値(C19H16N4O3・HCl)
C(%) H(%) N(%) Cl(%)
計算値 59.30 4.45 14.56 9.21
実験値 58.94 4.56 14.52 9.17
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.71(3H,s),3.13(2H),4.97(1H),
6.94(1H,d),7.08(1H,t),
7.2−7.4(計3H),8.05(2H,d),
8.20(1H,d).
MASS(FAB):349(M++1)
参考例4
融点:>250℃
元素分析値(C19H18N4O・0.25H2O)
C(%) H(%) N(%)
計算値 70.68 5.78 17.35
実験値 70.77 5.79 17.40
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.32(3H,s),2.86(2H,m),
3.04(1H,m),4.97(1H,m),
6.23(2H,d),6.3−6.8(計3H),
6.87(1H,m),7.16(1H,m),
8.1(1H,br).
MASS(FAB):319(M++1)
参考例5
’H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
7.28〜7.61(9H),7.66(2H,d),
7.86(2H,d),10.57(1H,s)
MS(EI):317(M+)
実施例1
融点:>250℃
元素分析値(C32H26N4O2・HCl・0.75H2O)
C(%) H(%) N(%) Cl(%)
計算値 70.07 5.24 10.21 6.46
実験値 70.01 5.33 10.00 6.23
1H−NMR(δppm in DMSO−d6,TMS内部標準):
2.68(3H,s),2.98(1H,t),
3.12(2H,m),4.99(1H,m),
6.8−7.0(計3H),7.13(1H,t),
7.2−7.6(計12H),8.11(1H,d),
10.30(1H,s),14.7(計2H).
MASS(FAB):499(M++1)
実施例2
2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン0.5g,乾燥アセトニトリル15ml,ピリジン0.608mlの懸濁液に氷冷下,先に調製した酸クロリド溶液を加える。室温とした後約1時間加熱還流する。反応液を冷却した後4N塩酸−酢酸エチル0.3mlを加えて撹拌し析出固体を濾取,乾燥して粗製物1.18gを得た。
このものを10mlのエタノールに懸濁して30分加熱還流した後冷却,濾取乾燥して0.79gの4’−[(2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−d][1]ベンズアゼピン−6−イル)カルボニル]−2−フェニルベンズアニリド塩酸塩を得た。
ここで得られたものの物性,各種スペクトルデータは実施例1で得られたものと一致した。
Claims (4)
- 一般式(V)
で示される化合物又はその反応性誘導体と一般式(VI)
R3は,
a)水素原子,
b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;アミノ基,モノ若しくはジ 低級アルキルアミノ基で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたア ミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で 低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリ ジニル基,1−ホモピペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジ ノ基;アミジノ基;水酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基; カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオシキ基; 低級アルキル基;ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくは ジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていても よいフェニル基,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル 基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾ リル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基,
c)炭素数3〜8のシクロアルキル基,
d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
e)グアニジノ基,アミジノ基
又は
f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基を意味し,X1,X2は,一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基(R4:水素原子,低級アルキル基又はアミノ基の保護基)を夫々意味する。)
で示される化合物又はその塩とを反応させ,一般式(I)
- 下記一般式(VI)で示される化合物又はその塩。
R3は,
a)水素原子,
b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;アミノ基,モノ若しくはジ 低級アルキルアミノ基で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたア ミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で 低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリ ジニル基,1−ホモピペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジ ノ基;アミジノ基;水酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基; カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオシキ基; 低級アルキル基;ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくは ジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていても よいフェニル基,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル 基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾ リル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基,
c)炭素数3〜8のシクロアルキル基,
d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
e)グアニジノ基,アミジノ基
又は
f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基を意味し,X1,X2は,一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基(R4:水素原子,低級アルキル基又はアミノ基の保護基)を夫々意味する。) - 下式(VII)で示される化合物又はその塩。
R3は,
a)水素原子,
b)未置換若しくは以下の基で置換された低級アルキル基,低級アルケニル基若しくは低級アルキニル基
アミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;アミノ基,モノ若しくはジ 低級アルキルアミノ基で置換された低級アルカノイルアミノ基;保護されたア ミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;環窒素原子上で 低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリ ジニル基,1−ホモピペラジニル基若しくは1−ピラゾリジニル基;グアニジ ノ基;アミジノ基;水酸基;低級アルコキシ基;シアノ基;カルバモイル基; カルボキシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アルカノイルオシキ基; 低級アルキル基;ハロゲン原子,低級アルコキシ基,アミノ基,モノ若しくは ジ低級アルキルアミノ基,水酸基若しくはカルボキシル基で置換されていても よいフェニル基,イミダゾリル基,ピリジル基,ピラジニル基,ピリミジニル 基,ピリダジニル基,ピラゾリル基,ピロリル基,テトラゾリル基,トリアゾ リル基,チアゾリル基若しくはオキサゾリル基,
c)炭素数3〜8のシクロアルキル基,
d)アミノ基;低級アルキル基,低級アルケニル基,低級アルキニル基若しくは低級アルカノイル基(これらの基はアミノ基;モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;又は環窒素原子上で低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基でさらに置換されていてもよい)でモノ若しくはジ置換されたアミノ基;1−ピロリジニル基;ピペリジノ基;モルホリノ基;低級アルキル基で置換されていてもよい1−ピペラジニル基,1−イミダゾリジニル基若しくは1−ホモピペラジニル基,
e)グアニジノ基,アミジノ基
又は
f)水酸基,低級アルコキシ基,メルカプト基,低級アルキルチオ基を意味し,X1,X2は,一方は式=N−で示される基,他方は式−NR4−,−O−又は−S−で示される基(R4:水素原子低級アルキル基又はアミノ基の保護基)を夫々意味する。) - R1及びR2が水素原子であり,R3がメチル基であり,且つX1,X2が一方は式=N−で示される基であり,他方が−NH−で示される基である請求項2又は3記載の化合物。
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