JP2004231640A - 高純度テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】4CBAを、水素で還元処理してパラトルイル酸とする還元工程において使用される還元触媒の寿命をより長くすることを目的とする。
【解決手段】高純度テレフタル酸を製造する方法において、還元工程において、水添反応器に供給される溶解液中の4−カルボキシベンズアルデヒドの量と、水添反応器に供給される水素の量との比が、水素/4−カルボキシベンズアルデヒド=2〜10(モル比)であり、かつ、還元工程で処理される粗テレフタル酸の処理量と、水添反応器内の還元触媒の量との比が、テレフタル酸の処理量(t/h)/還元触媒量(t)=400〜5000(1/h)とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、高純度テレフタル酸の製造方法に関する。
パラキシレンの酸化によって得られる粗テレフタル酸中には、通常、4−カルボキシベンズアルデヒド(以下、「4CBA」と略する。)をはじめとする各種の不純物が比較的多量に含まれており、従来から、これを精製してポリエステルの原料として用いている。このような粗テレフタル酸の精製方法としては、粗テレフタル酸を水に溶解させる溶解工程を行い、次に、この溶解工程で得られる溶解液中の上記4CBAを、水素で還元処理してパラトルイル酸とする還元工程を行い、次いで、テレフタル酸とパラトルイル酸との水に対する溶解性の差を利用して晶析する晶析工程を行って、分離・精製する方法が行われている。
ところで、この還元工程において、副反応として4CBAが安息香酸となる脱炭酸反応が生じる。この副反応においては、副生成物として一酸化炭素が生じる。この一酸化炭素は、この還元工程において使用される還元触媒の触媒毒として働くため、結果として、この還元触媒の劣化を進行させ、活性を低下させることとなる。
そこで、この発明は、4CBAを、水素で還元処理してパラトルイル酸とする還元工程において使用される還元触媒の劣化を抑え、活性を維持することを目的とする。
この発明は、パラキシレンを酸化して、4CBAを不純物として含有する粗テレフタル酸を製造し、次に、これを水系媒体に溶解させる溶解工程を行い、次いで、還元触媒を充填した水添反応器に、上記溶解工程で得られた溶解液及び水素を連続的に供給して、上記溶解液中の4CBAを還元する還元工程を行い、そして、この還元工程で得られた還元処理液を少なくとも2槽の晶析槽を直列に連結した晶析槽群に送って、各晶析槽で段階的に放圧冷却することによって、テレフタル酸を晶析させる晶析工程を行う高純度テレフタル酸を製造する方法において、上記還元工程において、上記水添反応器に供給される上記溶解液中の4CBAの量と、上記水添反応器に供給される上記水素の量との比を、水素/4CBA=2〜10(モル比)とし、かつ、上記還元工程で処理される粗テレフタル酸の処理量と、上記水添反応器内の還元触媒の量との比を、テレフタル酸の処理量(t/h)/還元触媒量(t)=400〜5000(1/h)とすることにより、上記課題を解決したものである。
上記の還元工程において触媒量及び水素供給量を上記範囲とすることによって、水添反応器に供給される4CBAの量と、水添反応器内で生成する一酸化炭素の量比を、好ましくは、一酸化炭素/4CBA=0.01〜0.12(モル比)とすることができる。
また、一酸化炭素の量を所定範囲内とすることで、還元工程で使用される還元触媒の寿命を延ばすことができる。
この発明によると、最初の晶析槽からのガス中の一酸化炭素量を所定範囲内とするので、還元反応で使用される還元触媒の劣化を抑え、活性を維持することができる。
また、最初の晶析槽からのガス中の一酸化炭素量を所定範囲内とすると、還元工程で生じる副反応を抑制することとなるので、より純度の高い精製テレフタル酸をより高収率で製造することができる。
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる、高純度テレフタル酸は、図1に示す工程を経て製造される。まず、パラキシレンを酸化工程で酸化して製造された、4−カルボキシベンズアルデヒド(4CBA)を不純物として含有する粗テレフタル酸Aを原料として用いる。この粗テレフタル酸A中には、4CBAが1000〜5000ppm含まれる。
この粗テレフタル酸Aを混合槽11で水系媒体Bに懸濁して粗テレフタル酸のスラリーCとする。次に、この粗テレフタル酸スラリーCを混合槽11で所定圧力まで加圧し、第1熱交換器12で加温することにより、上記粗テレフタル酸Aを完全に上記水系媒体Bに溶解させて溶解液Dを得る溶解工程を行う。
次いで、還元触媒を充填した水添反応器13に、上記溶解液D及び水素を連続的に供給して、上記溶解液中の4CBAを還元してパラトルイル酸を得る還元工程を行う。そして、この還元工程で得られた還元処理液Eを、少なくとも2槽の晶析槽14を直列に連結した晶析槽群に送って、テレフタル酸を晶析させる晶析工程を行う。このとき、パラトルイル酸の水系媒体への溶解性は、テレフタル酸の水系媒体への溶解性より高いのでこの晶析工程において、大部分のパラトルイル酸を溶解させた状態でテレフタル酸が析出され、テレフタル酸スラリーを得ることができる。得られたテレフタル酸スラリーFは、固液分離機15に導入して固液分離工程にかけ、高純度テレフタル酸Gからなる固形分と、分離母液Hとに分離させる。そして、この高純度テレフタル酸Gは、乾燥して製品として出荷される。
上記還元触媒としては、カルボキシル基の還元能力を有さず、アルデヒド基の還元能力を有する触媒であれば特に限定されない。例として、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、コバルト、ニッケル等の周期律表の8〜10族に属する金属等があげられる。また、この触媒は不均一触媒系であるので、反応効率の面から、活性炭のような担体に担持させた方が好ましい。
上記還元触媒として、上記担体に担持させたものを用いる場合、上記金属成分の担持量は、圧力、温度、流速等の条件によってもかわるが、0.2〜10重量%がよく、0.3〜1重量%が好ましい。0.2重量%より少ないと、十分な還元反応を行いにくくなる傾向にある。一方、10重量%を超えると、後述する副反応を生じる割合が大きくなる傾向にある。
上記水系媒体とは、上記の粗テレフタル酸を用いて高純度テレフタル酸を製造する際に使用される媒体をいい、具体的には、水を意味する。
上記晶析工程での晶析は、上記還元処理液Eの圧力又は前段の晶析槽14の圧力より低い圧力条件に設定した晶析槽14に上記還元処理液Eを導入し、ここで放圧させると共に、これに伴って冷却させる(以下、この放圧及び冷却の操作を「放圧冷却」と略称する。)方法である。これにより、テレフタル酸が晶析される。このとき、晶析槽群は、少なくとも2以上の晶析槽14から構成されており、各晶析槽14で段階的に放圧冷却することにより、析出されるテレフタル酸の粒径分布をコントロールしたり、パラトルイル酸が共晶するのを抑制したりすることができる。
例えば、上記晶析槽群の最初の晶析槽14aに導入される上記還元処理液Eは、5.5〜9.8MPa、270〜300℃であり、上記晶析槽14aに導入されて、230〜260℃に放圧冷却される。このときの操作圧力は、この温度における飽和蒸気圧であり、具体的には、2.8〜4.7MPaとなる。
この晶析工程において、放圧冷却を行うと、還元処理液E又は前の晶析槽14でテレフタル酸が晶析したスラリーIの水系媒体の一部が気化し、蒸気ガスSが発生する。この蒸気ガスSは、第2熱交換器16に送られて熱交換がされ、排ガスTと凝縮液Uに分けられる。
ところで、上記還元反応工程は、上記の通り、4CBAの還元によるパラトルイル酸の生成を主反応とするが、これ以外に、4CBAを脱炭酸することにより安息香酸及び一酸化炭素が生成する反応が副反応として生じる。この副反応で生成する一酸化炭素は、上記水添反応器13中の還元触媒の触媒毒となり、触媒寿命の低下をもたらす。この触媒寿命の低下を抑制するために、水添反応器13に供給される4CBAと水添反応器内で生成する一酸化炭素の量比を、一酸化炭素/4CBA=0.01〜0.12(モル比)とすることが良く、更には、0.03〜0.1(モル比)とするのが良い。
上記量比が0.01より小さいと、触媒量が不足する状態となって、4CBAを完全に還元することが困難となり、また、0.1より大きいと、触媒寿命の低下が進行し、例えば6か月から1年未満程度で触媒を交換することが必要となる。
なお、水添反応器内で生成する一酸化炭素の量は、[(最初の晶析槽から発生するガスの流量)×(そのガス中の一酸化炭素濃度)]から求めることができる。
また、上記還元処理液Eが晶析工程の最初に送られる晶析槽14aにおいて、放圧冷却することによって生じる水系媒体を主成分とする蒸気ガスS1中の一酸化炭素及び水素の含有比は、一酸化炭素/(一酸化炭素+水素)で0.00003〜0.03(モル比)とすることがよく、0.00005〜0.01とするのが好ましい。この値は、簡便的に、上記蒸気ガスS1を第2熱交換器16で水分を凝縮させた残りの排ガスT1中の一酸化炭素及び水素の含有比を用いてもよい。この排ガスT1中には、水分がかなり除去されているので、分析をより行いやすいからである。
上記含有比が、0.00003より小さいと、上記水添反応器13に供給される水素ガスが過剰となりすぎ、上記テレフタル酸のベンゼン環の水素化が生じる副反応が生じる傾向にある。一方、0.03より大きいと、一酸化炭素の触媒毒により、上記水添反応器13中の還元触媒の劣化が生じ、触媒寿命が低下しやすい。
上記の水添反応器13に供給される4CBAと水添反応器で生成する一酸化炭素の量比や、蒸気ガスS1(又は排ガスT1)中の一酸化炭素及び水素の含有比を上記範囲にする方法としては、上記水添反応器13に供給される水素ガスの量を調整する方法、上記還元工程で処理される粗テレフタル酸Aの処理量を調整する方法等があげられる。これらの中でも、上記水添反応器13に供給される水素ガスの量を調整する方法、及び上記還元工程で処理される粗テレフタル酸Aの処理量と触媒量との比を調整する方法を組み合わせて、上記の水添反応器13に供給される4CBAと水添反応器で生成する一酸化炭素の量比や、蒸気ガスS1(又は排ガスT1)中の一酸化炭素及び水素の含有比を上記範囲にするように調整するのが好ましい。
上記の水添反応器13に供給される水素ガスの量を調整する方法とは、上記還元工程において、上記水添反応器に供給される上記溶解液中の4CBAの量と、上記水添反応器13に供給される上記水素の量との比を調整することをいい、具体的には、モル比で、水素/4CBA=2〜10がよく、2〜7が好ましい。この比が2より小さいと、副反応として、4CBAの脱炭酸反応が生じやすくなる。このため、この反応で生じた一酸化炭素の触媒毒により、上記水添反応器13中の還元触媒の劣化が生じ、触媒寿命が低下しやすい。一方、上記の比が10より大きいと、上記水添反応器13に供給される水素ガスが過剰となりすぎ、上記テレフタル酸のベンゼン環の水素化が生じる副反応が生じる傾向にある。
また、上記還元工程で処理される粗テレフタル酸Aの処理量を調整する方法とは、上記還元工程で処理される粗テレフタル酸Aの処理量(処理速度)と、上記水添反応器内の還元触媒の量、すなわち、還元触媒中の金属成分の量との比を調整することをいい、具体的には、粗テレフタル酸Aの処理量(t/h)/還元触媒量(t)=400〜5000(1/h)がよく、1000〜3000(1/h)が好ましい。400(1/h)より小さいと、粗テレフタル酸Aの処理効率が低下する。一方、5000(1/h)より大きいと、十分な還元処理を施せなくなる場合がある。
(実施例1)
図1に示すプロセスを用いて、実施例を行った。具体的には、混合槽11に4CBAを3000ppm含有する粗テレフタル酸18ton/h及び水を入れて、30重量%の粗テレフタル酸スラリーCを製造し、これを圧力8.9MPaに昇圧し、多管式熱交換器12により、285℃まで昇温して、テレフタル酸を溶解させた後、このテレフタル酸水溶液Dを水添反応器13に供給した。この水添反応器13は、塔径1260mm、高さ10mであり、還元触媒として、活性炭に0.5重量%担持させたパラジウムを用い、触媒の充填量を6tonとした。この水添反応器13で、同時に水素を供給して、上記テレフタル酸水溶液Dを還元処理し、得られた還元処理液Eを次工程の晶析工程で最終温度155℃まで晶析した。ここで、この晶析工程では、5段の晶析槽14を用いて、段階的に放圧冷却した。晶析で得られたスラリーは、固液分離機15で結晶と分離母液Hに分離し、結晶は乾燥した後、高純度テレフタル酸Gとして回収した。
上記晶析工程の第1晶析槽14aでは、250℃まで放圧冷却し、得られた水蒸気ガスS1は、第2熱交換器16で、凝縮成分のほとんどを凝縮した後、ガスT1を排出した。このガスT1のガス組成を測定し、一酸化炭素/(一酸化炭素+水素)=0.0015(一酸化炭素モル比)を維持するように、水添反応器への水素供給量をコントロールした。その結果、1年経過後でさえ、使用した還元触媒は、活性が低下することなく、高純度テレフタル酸を安定して製造することができた。
(比較例1)
水添反応器13への水素添加量を減少させ、第1晶析槽14aからの排出ガス組成を、一酸化炭素/(一酸化炭素+水素)=0.033(一酸化炭素モル比)とした以外は、実施例1と同様に行った。この結果、触媒は、3ヶ月以内に触媒の活性低下が見られた。
(実施例2)
図2に示すプロセスを用いて、水添反応を行った。具体的には計量槽21に4CBAを3000ppm含有する粗テレフタル酸A1.2kg/hr及び水Bを入れて20重量%の粗テレフタル酸スラリーCを製造し、これを圧力7.9MPaまで昇圧し、予熱器22により280℃まで昇温して、溶解塔23にてテレフタル酸を溶解させた後、このテレフタル酸水溶液D’を水添反応器24に供給した。この水添反応器24は塔径15mm、高さ1450mmであり、還元触媒として活性炭に0.5重量%担持させたパラジウムを用い、触媒の充填量を120gとした。この水添反応器24で、同時に水素を供給して、上記テレフタル酸水溶液を還元処理し、得られた還元処理液E’を処理量調節のため受け器25に一旦保持した後、第1晶析槽26で225℃まで冷却し、第2晶析槽27で150℃まで冷却して晶析した。晶析で得られたスラリーは、加圧分離器28で固液分離して結晶G’と分離母液H’に分離し、結晶G’は乾燥した後、高純度テレフタル酸として回収した。
上記還元工程において、上記水添反応器24に供給される上記溶解液中の4CBAの量と、上記水添反応器24に供給される上記水素の量との比が、水素/4CBA=6(モル比)であり、かつ、上記還元工程で処理される粗テレフタル酸の処理量と、上記水添反応器内の還元触媒の量との比が、粗テレフタル酸の処理量(kg/h)/還元触媒の量(kg)=11(1/h)となるように運転を行った。
この運転により、上記水添反応器にて生成する一酸化炭素の量は、上記溶解液中の水添反応器に供給される4CBAの量との比で、一酸化炭素/4CBA=0.07(モル比)だった。
(実施例3)
上記実施例2において、水添反応器24に供給される溶解液中の4CBAの量と、水添反応器24に供給される水素の量との比が、水素/4CBA=3(モル比)である以外は、同じ条件での運転を実施した。
この運転により、上記水添反応器にて生成する一酸化炭素の量は、上記溶解液中の水添反応器に供給される4CBAの量との比で、一酸化炭素/4CBA=0.09(モル比)だった。
(比較例2)
上記実施例2において、水添反応器24に供給される溶解液中の4CBAの量と、水添反応器24に供給される水素の量との比が、水素/4CBA=1(モル比)である以外は、同じ条件での運転を実施した。
この運転により、上記水添反応器にて生成する一酸化炭素の量は、上記溶解液中の水添反応器に供給される4CBAの量との比で、一酸化炭素/4CBA=0.15(モル比)となり、一酸化炭素の生成量が大幅に増加した。
(実施例4)
上記実施例3において、還元工程で処理される粗テレフタル酸の処理量と、水添反応器24内の還元触媒の量との比が、粗テレフタル酸の処理量(kg/h)/還元触媒の量(kg)=3(1/h)である以外は、同じ条件での運転を実施した。
この運転により、上記水添反応器24にて生成する一酸化炭素の量は、上記溶解液中の水添反応器に供給される4CBAの量との比で、一酸化炭素/4CBA=0.08(モル比)だった。
(比較例3)
上記実施例3において、還元工程で処理される粗テレフタル酸の処理量と、水添反応器24内の還元触媒の量との比が、粗テレフタル酸の処理量(kg/h)/還元触媒の量(kg)=1(1/h)である以外は、同じ条件での運転を実施した。
この運転により、上記水添反応器にて生成する一酸化炭素の量は、上記溶解液中の水添反応器に供給される4CBAの量との比で、一酸化炭素/4CBA=0.17(モル比)だった。
(参考例)
[ミクロボンベによる水添触媒活性テスト]
ミクロボンベに0.5重量%Pd/C水添触媒0.5g、純水60g、粗テレフタル酸(4CBA濃度3000ppm)15gを仕込み、所定の組成ガス(一酸化炭素0体積%と2.5体積%、50体積%の3種)を圧力0.6MPaまで張り込み、反応温度275℃で反応を開始した。15分反応後の精製テレフタル酸の4CBA濃度を測定し、4CBA消失速度を算出した。
4CBA消失速度(1/min)=ln(粗テレフタル酸中の4CBA濃度/精製テレフタル酸中の4CBA濃度)/15
その結果、一酸化炭素0体積%の組成ガスを使用したときの4CBA消失速度は、0.150(1/min)であり、一酸化炭素2.5体積%の組成ガスを使用したときの4CBA消失速度は、0.086(1/min)であり、一酸化炭素50体積%組成ガスを使用したときの4CBA消失速度は0.027(1/min)であった。
このモデル実験により、還元反応器中の一酸化炭素濃度が増加すると、触媒の活性が低下し、4CBAの消失速度が低下することがわかる。
従って、水素/4CBAの量比、及び、テレフタル酸の処理量(t/h)/還元触媒量(t)の比が本願発明の範囲に無い場合は、水添反応器内の一酸化炭素濃度が一定量以上に増加し、その結果、触媒の活性低下の度合いが早くなり、1年未満で触媒の交換が必要になると推定される。
この発明にかかる高純度テレフタル酸の製造工程の例を示すフロー図 この発明にかかる高純度テレフタル酸の製造工程の別の一例を示すフロー図
符号の説明
11 混合槽
12 第1熱交換器
13 水添反応器
14、14a 晶析槽
15 固液分離機
16 第2熱交換器
21 計量槽
22 予熱器
23 溶解塔
24 水添反応器
25 受け器
26 第1晶析槽
27 第2晶析槽
28 加圧分離器
A 粗テレフタル酸
B 水系媒体
C 粗テレフタル酸のスラリー
D 溶解液
D’ 水溶液
E 還元処理液
E’ 還元処理液
F テレフタル酸スラリー
G 高純度テレフタル酸
G’ 高純度テレフタル酸結晶
H 分離母液
H’ 分離母液
I スラリー
S、S1 蒸気ガス
T,T1 排ガス
U 凝縮液

Claims (2)

  1. パラキシレンを酸化して、4−カルボキシベンズアルデヒドを不純物として含有する粗テレフタル酸を製造し、次に、これを水系媒体に溶解させる溶解工程を行い、次いで、還元触媒を充填した水添反応器に、上記溶解工程で得られた溶解液及び水素を連続的に供給して、上記溶解液中の4−カルボキシベンズアルデヒドを還元する還元工程を行い、そして、この還元工程で得られた還元処理液を少なくとも2槽の晶析槽を直列に連結した晶析槽群に送って、各晶析槽で段階的に放圧冷却することによって、テレフタル酸を晶析させる晶析工程を行う高純度テレフタル酸を製造する方法において、
    上記還元工程において、上記水添反応器に供給される上記溶解液中の4−カルボキシベンズアルデヒドの量と、上記水添反応器に供給される上記水素の量との比が、水素/4−カルボキシベンズアルデヒド=2〜10(モル比)であり、かつ、上記還元工程で処理される粗テレフタル酸の処理量と、上記水添反応器内の還元触媒の量との比が、テレフタル酸の処理量(t/h)/還元触媒量(t)=400〜5000(1/h)である高純度テレフタル酸の製造方法。
  2. 上記水添反応器に上記溶解液中の4−カルボキシベンズアルデヒドの量と、上記水添反応器内で生成する一酸化炭素の量比が、一酸化炭素/4−カルボキシベンズアルデヒド=0.01〜0.12(モル比)である、請求項1に記載の高純度テレフタル酸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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