JP2004230992A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004230992A
JP2004230992A JP2003020339A JP2003020339A JP2004230992A JP 2004230992 A JP2004230992 A JP 2004230992A JP 2003020339 A JP2003020339 A JP 2003020339A JP 2003020339 A JP2003020339 A JP 2003020339A JP 2004230992 A JP2004230992 A JP 2004230992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
webbing
buckle
tongue plate
vehicle
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003020339A
Other languages
English (en)
Inventor
Tamio Harada
民夫 原田
Seiji Hori
誠司 堀
Masanori Oyabu
正則 大▲薮▼
Toshihito Miyagawa
稔人 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2003020339A priority Critical patent/JP2004230992A/ja
Publication of JP2004230992A publication Critical patent/JP2004230992A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

【課題】車両急減速時にフォースリミッタが作動した状態において、乗員の身体の拘束性が向上し、さらに、車両への設置が容易なシートベルト装置を得る。
【解決手段】シートベルト装置10では、車両16の急減速時等にプリテンショナー52がバックル32をプレート36の基端側へ引き込む。このため、乗員の身体はウエビング12により確実に拘束される。しかも、この引き込みの際に、プレート36がタングプレート32のウエビング巻き掛け部分46に係合しており、ウエビング12のタングプレート24に対する摺動が制限される。したがって、リトラクタ14のフォースリミッタが作動して、ウエビング12のショルダベルト11の部分が引き出されても、乗員の腰部はラップベルト13により確実に拘束される。また、バックル32にプリテンショナー52が連結される構成であるので、プリテンショナー52の車両16への設置が容易である。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両乗員の身体を連続ウエビングで拘束するシートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両は、例えば、衝突時等に乗員を保護するためにシートベルト装置を備えている。このようなシートベルト装置としては、連続ウエビングを用いて三点式シートベルト装置としたものがある。
【0003】
このシートベルト装置では、ウエビングは一端部がリトラクタに設けられた巻取軸に係止され、中間部がセンターピラー上部に固定されたスリップジョイントを通って、他端部がアンカープレートに係止されている。このウエビングのアンカープレートとスリップジョイントとの間における中間部にはタングプレートが配設されており、このタングプレートを座席の側方に配置されたバックルに係止させることにより、ウエビングがリトラクタから引き出されて装着状態となる。この状態では、ウエビングのスリップジョイントとタングプレート(バックル)との間における中間部(所謂「ショルダベルト」)が乗員の上体を拘束して、ウエビングのタングプレートとアンカープレートとの間における中間部(所謂「ラップベルト」)が乗員の腰部を拘束する。
【0004】
ところで、上記構成のシートベルト装置において、車両急減速状態等に、ウエビングに作用する張力により、ウエビングがリトラクタから僅かに引き出されてウエビングの拘束力が低下することがある。このため、リトラクタに設置された駆動源により、ウエビングをリトラクタ側に所定量引き込んでウエビングの拘束性を向上させる機構(所謂「プリテンショナ機構」)を備えたリトラクタがある。
【0005】
一方、ウエビングの拘束力が強すぎると、乗員の慣性エネルギーにより、乗員の上体がショルダベルトによって衝撃を受ける恐れが有る。このため、ショルダベルトに掛かる荷重が所定以上になると、リトラクタがウエビングの引き出しを所定量許容して、ウエビングのショルダベルト部分が所定量引き出されることにより、乗員の上体がショルダベルトから受ける衝撃を吸収して軽減する機構(所謂「フォースリミッタ機構」)を備えたリトラクタがある。
【0006】
しかしながら、この連続ウエビングを用いた三点式シートベルト装置においては、ウエビングのショルダベルト部分が所定量引き出されると、ショルダベルトに連続しているラップベルトもつられて緩む恐れが有り、拘束性に影響する可能性があった。
【0007】
このため、車両急減速状態等に、ウエビングのタングプレートに対する摺動を制限する機構を備えるタングプレートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されているタングプレートでは、タングプレートに移動可能に保持された板状の部材が、バックル装置に設置されたアクチュエーターによって駆動され、タングプレートに巻き掛けられたウエビングに係合する。これにより、上記フォースリミッタ機構が作動して、ウエビングのショルダベルト部分が引き出された状態においても、ウエビングのタングプレートに対する摺動が制限されているため、乗員の腰部はラップベルトにより確実に拘束される。
【0008】
しかしながら、上記構成によりウエビングの拘束性と衝撃吸収性を両立させるためには、リトラクタにフォースリミッタ機構及びウエビングを引き込むための駆動源(上記プリテンショナ機構等)を設置して、さらに、バックル装置にもウエビングの摺動を制限するための駆動源(上記アクチュエーター等)を設置する必要が有る。このため、リトラクタやバックル装置のコストが増加するという問題が有り、また、リトラクタやバックル装置が大型化して、車両への設置が困難になるといった問題もある。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−152019号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮して、車両急減速状態等に、リトラクタに装備されたフォースリミッタが作動した状態において、乗員の上体がショルダベルトから受ける衝撃が吸収されて軽減され、しかも、乗員の腰部はラップベルトによって確実に拘束されて乗員の身体の拘束性が向上し、さらに且つ、簡単な構造で低コストとなり車両への設置が容易なシートベルト装置を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明に係るシートベルト装置は、一端がフォースリミッタを有するリトラクタの巻取軸に巻き取られ、他端がアンカープレートに係止され、中間部がタングプレートに摺動可能に巻き掛けられたウエビングと、前記タングプレートが係合されるバックルと、前記バックルを車両の座席の側方に保持すると共に、前記車両の急減速による所定の加速度を検知すると前記ウエビングと共に前記バックルを所定量引き込み、且つ、前記ウエビングの前記タングプレートに対する前記摺動を制限する引込摺動制限手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載のシートベルト装置では、乗員が車両の座席に座りシートベルトを装着する際には、タングプレートが車両の座席の側方に保持されたバックルの方向に引っ張られると、タングプレートに巻き掛けられたウエビングがリトラクタから引き出される。そして、タングプレートがバックルに係合されることでバックルに支持され、乗員はウエビングを装着した状態となる。この装着状態では、乗員の上体側のウエビングがショルダベルトとされ、乗員の腰部側のウエビングがラップベルトとされる。
【0013】
この装着状態では、車両急減速状態等において、リトラクタのロック機構が作動すると、乗員の身体に慣性力が作用すると共にウエビングに高荷重が作用する。このとき、リトラクタからウエビングが僅かに引き出されてウエビングの拘束力が低下する場合が有る。
【0014】
この場合には、引込摺動制限手段が、車両急減速による所定の加速度を検知して、ウエビングと共にバックルを所定量引き込む。これにより、ウエビングが乗員の身体に密着して乗員の身体はウエビングにより確実に拘束される。
【0015】
一方で、ショルダベルトに掛かる荷重が所定値以上になった場合には、リトラクタのフォースリミッタが作動して、リトラクタからウエビングが所定量引き出され、乗員の上体がショルダベルトから受ける衝撃が吸収されて軽減される。
【0016】
ここで、引込摺動制限手段は、上記ウエビングの引き込みの際に、ウエビングのタングプレートに対する摺動を制限している。したがって、上記フォースリミッタによりショルダベルトが引き出されても、ラップベルトが弛むことは阻止され、乗員の腰部はラップベルトにより確実に拘束される。
【0017】
しかも、リトラクタやバックルとは別体とされた引込摺動制限手段が、ウエビングを引き込んでウエビングの拘束性を向上させ、且つ、ウエビングのタングプレートに対する摺動を制限するので、構造が簡単で低コストとなり、車両への設置が容易となる。
【0018】
このように、請求項1記載のシートベルト装置では、車両急減速状態等に、リトラクタに装備されたフォースリミッタが作動した状態において、乗員の上体がショルダベルトから受ける衝撃が吸収されて軽減され、しかも、乗員の腰部はラップベルトによって確実に拘束されて乗員の身体の拘束性が向上し、さらに且つ、簡単な構造で低コストとなり、車両への設置が容易である。
【0019】
請求項2記載の発明に係るシートベルト装置は、請求項1記載のシートベルト装置において、前記引込摺動制限手段は、前記バックルに連結され、前記所定の加速度検知時に前記バックルを所定量引き込む引込駆動源と、前記バックルを長手方向に沿って相対移動可能に保持し、前記バックルが引き込まれた際に前記タングプレートの前記ウエビングの巻き掛け部分に係合する帯状のプレートと、を備えることを特徴としている。
【0020】
なお、請求項2記載の引込駆動源とは、連結された物を所定量引き込むことができる装置であり、例えば、所謂「プリテンショナー機構」を適用できる。
【0021】
請求項2記載のシートベルト装置では、車両の座席の側方において、バックルは帯状のプレートに長手方向に沿って相対移動可能に保持されている。また、このバックルには引込駆動源が連結されている。
【0022】
ここで、車両が急減速すると、引込駆動源が車両急減速による所定の加速度を検知してウエビングと共にバックルを所定量引き込む。これにより、ウエビングが乗員の身体に密着して乗員の身体はウエビングにより確実に拘束される。
【0023】
しかも、バックルが引込駆動源により引き込まれた際に、プレートがタングプレートのウエビング巻き掛け部分に係合している。これにより、ウエビングのタングプレートに対する摺動が制限される。したがって、リトラクタのフォースリミッタが作動して、ウエビングのショルダベルト部分が引き出されても、ラップベルトが弛むことは阻止され、乗員の腰部はラップベルトにより確実に拘束される。
【0024】
このように、請求項2記載のシートベルト装置では、バックルを保持するプレートがウエビングのタングプレートに対する摺動を制限するので、部品点数を低減することができる。
【0025】
また、1つの引込駆動源により、ウエビングの引き込みによる拘束性の向上と、ウエビングのタングプレートに対する摺動の制限とが行えるため、構成が簡単になり低コストとなる。
【0026】
そして、バックルに引込駆動源が連結される構成であるので、引込駆動源をバックルやリトラクタとは離間して設置することが可能であり、引込駆動源の車両への設置が容易である。
【0027】
請求項3記載の発明に係るシートベルト装置は、請求項1記載のシートベルト装置において、前記引込摺動制限手段は、一端部が前記車両の座席の側方に固定され、他端部に前記バックルが係止された撓み性を有する帯状の可撓性部材と、板状に形成され、前記タングプレートに巻き掛けられた前記ウエビングの巻き掛け前後の部分に対向して各先端部が配置され、各中間部に設けられた支軸を支点として各基端部が互いに離間移動可能とされると共に、前記各基端部の離間移動に対応して前記各先端部が互いに接近移動可能とされ、前記各先端部の接近移動により前記ウエビングの前記巻き掛け前後の部分を前記各先端部が挟持して保持する一対のクリップ部材と、前記一対のクリップ部材の間に配置され、前記一対のクリップ部材の前記各基端部に係合することで前記各基端部を離間移動させると共に前記一対のクリップ部材と連結状態となる移動部材と、前記移動部材に連結され、前記所定の加速度検知時に前記移動部材を前記各基端部へ係合させると共に所定量引き込む引込駆動源と、を備えることを特徴としている。
【0028】
なお、請求項3記載の引込駆動源とは、連結された物を所定量引き込むことができる装置であり、例えば、所謂「プリテンショナー機構」を適用できる。
【0029】
請求項3記載のシートベルト装置では、車両が急減速すると、引込駆動源が車両急減速による所定の加速度を検知して、一対のクリップ部材の間に配置された移動部材を引き込み、一対のクリップ部材の各基端部に係合させる。これにより、一対のクリップ部材の各基端部が、各中間部に設けられた支軸を支点として互いに離間移動する。そして、タングプレートに巻き掛けられたウエビングの巻き掛け前後の部分に対向して配置された一対のクリップ部材の各先端部が、各基端部の離間移動に対応して互いに接近移動することでウエビングの巻き掛け前後の部分を挟持して保持する。これにより、ウエビングのタングプレートに対する摺動が制限される。
【0030】
しかも、この状態では、移動部材と一対のクリップ部材とが連結状態となる。このため、移動部材が引込駆動源により所定量引き込まれると、一対のクリップ部材は前記ウエビング保持状態のままで移動部材を介して引き込まれて移動し、この一対のクリップ部材の移動に伴ってバックル及びタングプレートと共にウエビングが移動する。これにより、ウエビングが乗員の身体に密着して乗員の身体はウエビングにより確実に拘束される。
【0031】
なお、バックルが係止されている可撓性部材は撓み性を有しているため、上記引き込みの際に、ウエビングを含む上記構成部材の移動が、可撓性部材により阻害されることはない。
【0032】
ここで、リトラクタのフォースリミッタが作動して、ウエビングのショルダベルト部分が引き出されても、一対のクリップ部材によりウエビングのタングプレートに対する摺動が制限されているため、ラップベルトが弛むことは阻止され、乗員の腰部はラップベルトにより確実に拘束される。
【0033】
このように、請求項3記載のシートベルト装置では、1つの引込駆動源により、ウエビングの引き込みによる拘束性の向上と、ウエビングのタングプレートに対する摺動の制限とが行えるため、構成が簡単になり低コストとなる。
【0034】
また、移動部材に引込駆動源が連結される構成であるので、引込駆動源をバックルやリトラクタとは離間して設置することが可能であり、引込駆動源の車両への設置が容易である。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1には、第1の実施の形態に係るシートベルト装置10の構成が正面図により示されている。
【0036】
シートベルト装置10は、乗員拘束用のウエビング12を備えている。ウエビング12の一端部は、フォースリミッタ(図示省略)を有するリトラクタ14の巻取軸(図示省略)に係止されている。リトラクタ14は車両16のセンターピラー18の下端部近傍に固定配置されており、巻取軸はぜんまいばね(図示省略)の付勢力によって常時ウエビング12の巻取回転方向に付勢されている。
【0037】
このウエビング12は、中間部がセンターピラー18の上部に設けられたスリップジョイント20に挿通されて折り返されると共に、他端部がセンターピラー18の下端部近傍に固定配置されたアンカープレート22に固定されている。また、ウエビング12のスリップジョイント20とアンカプレート22との間における中間部は、タングプレート24の挿通孔26(図2参照)に挿通されて摺動可能に巻き掛けられている。
【0038】
タングプレート24は、図3(A)に示す如く、挿通孔26が形成された中間部がクランク状に折れ曲がっている。また、このタングプレート24は、先端側に形成された係合部28が車両用シート30を挟んでアンカープレート22とは反対側の側部に配設されたバックル32に係合することで、バックル32に支持されるようになっている。
【0039】
図3(A)に示す如く、バックル32には、貫通孔34が設けられている。貫通孔34は、タングプレート24の係合部28が係合する方向に、バックル32を貫通した矩形断面形状の孔である。貫通孔34には、帯状のプレート36が挿入されており、バックル32はプレート36の長手方向に沿って相対移動可能とされている。また、通常時においては、バックル32はプレート36の先端側に配置されている(図3(A)図示状態)。このプレート36は基端部が車両用シート30のシートクッション38にボルト40とナット42により固定されており、バックル32がプレート36の基端部側に移動すると、図3(B)に示す如く、プレート36の先端部44がタングプレート24のウエビング12の巻き掛け部分46に係合するようになっている。
【0040】
また、バックル32の一端部(図3(A)において右下端部)にはワイヤー48の先端部が係止されている。ワイヤー48の中間部は、バックル32の下方の車両16床下に配設されたプーリー50に巻き掛けられており、ワイヤー48の基端部は、同様にバックル32の下方の車両16床下に固定配置されたプリテンショナー52に係止されている。プリテンショナー52は、車両16の急減速による所定の加速度を検知した際に作動する引込駆動源であり、ワイヤー48をプリテンショナー52の方向に所定量引き込むことができる。
【0041】
次に、本第1の実施の形態の作用について説明する。
【0042】
上記構成のシートベルト装置10では、乗員が車両用シート30に座りシートベルトを装着する際には、タングプレート24が車両用シート30の側方に保持されたバックル32の方向に引っ張られると、タングプレート24に巻き掛けられたウエビング12がリトラクタ14から引き出される。そして、タングプレート24がバックル32に係合されることでバックル32に支持され、乗員はウエビング12を装着した状態となる。この装着状態では、ウエビング12のスリップジョイント20とタングプレート24(バックル32)との間における中間部が乗員の上体を拘束するショルダベルト11とされ、ウエビング12のタングプレート24とアンカプレート22との間における中間部が乗員の腰部を拘束するラップベルト13とされる(図2図示状態)。
【0043】
この装着状態では、車両16の急減速状態等において、リトラクタ14のロック機構が作動すると、乗員の身体に慣性力が作用すると共にウエビング12に高荷重が作用する。このとき、リトラクタ14からウエビング12が僅かに引き出されてウエビング12の拘束力が低下する場合が有る。
【0044】
この場合には、プリテンショナー52が車両16の急減速による所定の加速度を検知してワイヤー48をプリテンショナー52の方向に所定量引き込む。そして、ワイヤー48の先端部が係止されたバックル32が、プレート36の基端側(図3(B)の矢印Xの側)へ引き込まれる。このため、バックル32に係合されたタングプレート24に巻き掛けられたウエビング12も、プレート36の基端部側へ引き込まれる。これにより、ウエビング12が乗員の身体に密着して乗員の身体はウエビング12により確実に拘束される。
【0045】
しかも、バックル32がプリテンショナー52により引き込まれた際に、プレート36の先端部44がタングプレート32のウエビング巻き掛け部分46に係合している(図3(B)図示状態)。これにより、ウエビング12の巻き掛け部分46が、タングプレート24の挿通孔26とプレート36の先端部44との間に挟まれ、ウエビング12のタングプレート24に対する摺動が制限される。したがって、リトラクタ14のフォースリミッタが作動して、ウエビング12のショルダベルト11の部分が引き出されても、ラップベルト13が弛むことは阻止され、乗員の腰部はラップベルト13により確実に拘束される。
【0046】
このように、上記構成のシートベルト装置10では、車両16の急減速状態等に、リトラクタ14に装備されたフォースリミッタが作動した状態において、乗員の上体がショルダベルト11から受ける衝撃が吸収されて軽減され、しかも、乗員の腰部はラップベルト13によって確実に拘束されて乗員の身体の拘束性が向上する。
【0047】
また、バックル32を保持するプレート36がウエビング12のタングプレート24に対する摺動を制限するので、部品点数を低減することができる。
【0048】
そして、1つのプリテンショナー52により、ウエビング12の引き込みによる拘束性の向上と、ウエビング12のタングプレート24に対する摺動の制限とが行えるため、構成が簡単になり低コストとなる。
【0049】
さらに、バックル32にプリテンショナー52がワイヤー48を介して連結される構成であるので、プリテンショナー52をバックル32やリトラクタ14とは離間して設置することが可能であり、プリテンショナー52の車両16への設置が容易である。
【0050】
なお、上記実施の形態においては、引込駆動源とされるプリテンショナー52が車両16の床下に固定配置されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、引込駆動源は車両用シート30のシートクッション38の下面に設けられてもよい。
【0051】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品には前記第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
(第2の実施の形態)
図4には、第2の実施の形態に係るシートベルト装置100の構成部材とされるバックル102を含む周辺の構成が正面図により示されている。
【0052】
シートベルト装置100は、前述した第1の実施の形態に係るシートベルト装置10と基本的に同一の構成であるが、バックル102は、撓み性を有する帯状の部材である可撓性部材104の先端部に係止されている。可撓性部材104は、基端部106がシートクッション38のセンタピラー18とは反対側の側面にボルト40及びナット42により固定されている(シートベルト装置10のプレートの基端部が固定された位置と同じ位置に固定されている。)。
【0053】
また、バックル102には、タングプレート108が係合可能とされている。このタングプレート108には略中央部において挿通孔110が形成されており、ウエビング12が摺動可能に巻き掛けられている。
【0054】
図5(A)に示す如く、バックル102の厚さ方向両側には、一対の板状のクリップ部材112が設けられている。一対のクリップ部材112の各先端部114は、互いに対向する方向にL字状に折り曲げられており、タングプレート108に巻き掛けられたウエビング12の巻き掛け前後の部分116に対向して配置されている。すなわち、先端部114の一方(図5(A)では右側)はショルダベルト11に対向しており、先端部114の他方(図5(B)では左側)はラップベルト13に対向している。
【0055】
一対のクリップ部材112の各中間部には、それぞれ支軸118が設けられている。支軸118は、一対のクリップ部材112の各厚さ方向中央部において、一対のクリップ部材112をそれぞれ幅方向に貫通した孔に挿通されており、一対のクリップ部材112は支軸118を境にして対向する方向に僅かに折り曲がっている。また、支軸118の両端部は、矩形断面形状の筒であるケース120の対向する内壁122にそれぞれ係止されている(図4参照)。このケース120によって、バックル102、可撓性部材104の先端部及び一対のクリップ部材112の各中間部から各基端部124にかけての部分は覆われている。
【0056】
クリップ部材112の各基端部124は、先端部114と同様に互いに対向する方向にL字状に折り曲げられており、支軸118を支点として互いに離間移動可能とされている。この各基端部124の離間移動に対応して、一対のクリップ部材112の各先端部114は、互いに接近移動するようになっている。そして、この各先端部114の接近移動により、各先端部114は、それぞれショルダベルト11とラップベルト13とに係合して、タングプレート108に巻き掛けられたウエビング12の巻き掛け前後の部分116を挟持するようになっている。
【0057】
一対のクリップ部材112の基端側において、一対のクリップ部材112の間には円筒状の移動部材126が設けられている。この移動部材126は、可撓性部材104の先端側に形成された矩形状の孔である孔127の孔内にある。そして、移動部材126の筒内には、ワイヤー128が挿通されると共に輪状に巻き掛けられており、ワイヤー128の先端部がワイヤー128の移動部材126巻き掛け前の部分に係止されている。ワイヤー128の中間部はプーリー50に巻き掛けられており、ワイヤー128の基端部はプリテンショナー52に係止されている。
【0058】
この移動部材126は、一対のクリップ部材112の各基端部124の方向に移動可能とされており、移動部材126が各基端部124のL字状の折り曲げ部分に係合すると、移動部材126と一対のクリップ部材112とが連結する構成とされている。また、移動部材126がクリップ部材112の各基端部124に係合すると、一対のクリップ部材112の各基端部124は互いに離間移動するようになっている。
【0059】
次に、本第2の実施の形態の作用について説明する。
【0060】
上記構成のシートベルト装置100では、車両16が急減速すると、プリテンショナー52が車両16の急減速による所定の加速度を検知して、ワイヤー128を引き込む。このため、ワイヤー128が巻き掛けられた移動部材126も、図5(B)における矢印Yの方向に引き込まれて移動し、一対のクリップ部材112の各基端部124に係合する。これにより、一対のクリップ部材112の各基端部124が、各中間部に設けられた支軸118を支点として互いに離間移動する。そして、タングプレート108に巻き掛けられたウエビング12の巻き掛け前後の部分116に対向して配置された一対のクリップ部材112の各先端部114が、各基端部124の離間移動に対応して互いに接近移動(図5(B)における矢印Zの方向に移動)することで、ウエビング12の巻き掛け前後の部分116を挟持して保持する。これにより、ウエビング12のタングプレート108に対する摺動が制限される。
【0061】
しかも、この状態では、移動部材126が一対のクリップ部材112の各基端部124のL字状に折り曲げられた部分に引っ掛かっており、移動部材126と一対のクリップ部材112が連結した状態となっている(図5(B)図示状態)。このため、移動部材126がワイヤー128を介してプリテンショナー52により所定量引き込まれると、一対のクリップ部材112はウエビング12を保持した状態のままで、移動部材126を介して引き込まれて移動する(図5(B)の矢印Yの方向に移動する。)。そして、この一対のクリップ部材112の移動に伴って、タングプレート108及びバックル102と共に、ウエビング12が移動する(図5(B)図示状態)。これにより、ウエビング12が乗員の身体に密着して乗員の身体はウエビング12により確実に拘束される。
【0062】
なお、バックル102が係止された可撓性部材104は撓み性を有しており、図5(B)に示すように撓むので、上記引き込みの際に、ウエビング12、バックル102、タングプレート108、一対のクリップ部材112及び移動部材126の矢印Y方向への移動が、可撓性部材104により阻害されることはない。
【0063】
ここで、リトラクタ14のフォースリミッタが作動して、ウエビングのショルダベルト11の部分が引き出されても、一対のクリップ部材112によりウエビング12のタングプレート108に対する摺動が制限されているため、ラップベルト13が弛むことは阻止され、乗員の腰部はラップベルト13により確実に拘束される。
【0064】
このように、上記構成のシートベルト装置10では、車両16の急減速状態等に、リトラクタ14に装備されたフォースリミッタが作動した状態において、乗員の上体がショルダベルト11から受ける衝撃が吸収されて軽減され、しかも、乗員の腰部はラップベルト13によって確実に拘束されて乗員の身体の拘束性が向上する。
【0065】
また、1つのプリテンショナー52により、ウエビング12の引き込みによる拘束性の向上と、ウエビング12のタングプレート24に対する摺動の制限とが行えるため、構成が簡単になり低コストとなる。
【0066】
そして、移動部材126にプリテンショナー52がワイヤー128を介して連結される構成であるので、プリテンショナー52をバックル102やリトラクタ14とは離間して設置することが可能であり、プリテンショナー52の車両16への設置が容易である。
【0067】
なお、上記実施の形態においては、一対のクリップ部材112の両方が、支軸118を支点として移動される構成とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一対のクリップ部材の片側は固定され、他側のみが支軸を支点として移動されることで、各先端部が接近移動する構成とされてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシートベルト装置によれば、車両急減速状態等に、リトラクタに装備されたフォースリミッタが作動した状態において、乗員の上体がショルダベルトから受ける衝撃が吸収されて軽減され、しかも、乗員の腰部はラップベルトによって確実に拘束されて乗員の身体の拘束性が向上し、さらに且つ、簡単な構造で低コストとなり車両への設置が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシートベルト装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るシートベルト装置の構成部材であるバックルを含む周辺の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るシートベルト装置の構成部材である引込駆動源の作動前後の状態を示し、(A)は引込駆動源が作動する前の状態を示す側面図であり、(B)は引込駆動源によりウエビングと共にバックルが引き込まれてプレートがタングプレートのウエビングの巻き掛け部分に係合した状態を示す側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るシートベルト装置の構成部材であるバックルを含む周辺の構成を示す正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るシートベルト装置の構成部材である引込駆動源の作動前後の状態を示し、(A)は引込駆動源が作動する前の状態を示す側面図であり、(B)は引込駆動源の作動によりクリップ部材がウエビングを挟持すると共にウエビングがバックルと共に引き込まれた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 シートベルト装置
12 ウエビング
14 フォースリミッタを有するリトラクタ
16 車両
22 アンカープレート
24 タングプレート
30 車両用シート(座席)
32 バックル
36 プレート(引込摺動制限手段)
52 プリテンショナー(引込駆動源、引込摺動制限手段)
100 シートベルト装置
102 バックル
104 可撓性部材(引込摺動制限手段)
108 タングプレート
112 一対のクリップ部材(引込摺動制限手段)
114 各先端部
118 支軸
124 各基端部
126 移動部材(引込摺動制限手段)

Claims (3)

  1. 一端がフォースリミッタを有するリトラクタの巻取軸に巻き取られ、他端がアンカープレートに係止され、中間部がタングプレートに摺動可能に巻き掛けられたウエビングと、
    前記タングプレートが係合されるバックルと、
    前記バックルを車両の座席の側方に保持すると共に、前記車両の急減速による所定の加速度を検知すると前記ウエビングと共に前記バックルを所定量引き込み、且つ、前記ウエビングの前記タングプレートに対する前記摺動を制限する引込摺動制限手段と、
    を備えることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記引込摺動制限手段は、
    前記バックルに連結され、前記所定の加速度検知時に前記バックルを所定量引き込む引込駆動源と、
    前記バックルを長手方向に沿って相対移動可能に保持し、前記バックルが引き込まれた際に前記タングプレートの前記ウエビングの巻き掛け部分に係合する帯状のプレートと、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置。
  3. 前記引込摺動制限手段は、
    一端部が前記車両の座席の側方に固定され、他端部に前記バックルが係止された撓み性を有する帯状の可撓性部材と、
    板状に形成され、前記タングプレートに巻き掛けられた前記ウエビングの巻き掛け前後の部分に対向して各先端部が配置され、各中間部に設けられた支軸を支点として各基端部が互いに離間移動可能とされると共に、前記各基端部の離間移動に対応して前記各先端部が互いに接近移動可能とされ、前記各先端部の接近移動により前記ウエビングの前記巻き掛け前後の部分を前記各先端部が挟持して保持する一対のクリップ部材と、
    前記一対のクリップ部材の間に配置され、前記一対のクリップ部材の前記各基端部に係合することで前記各基端部を離間移動させると共に前記一対のクリップ部材と連結状態となる移動部材と、
    前記移動部材に連結され、前記所定の加速度検知時に前記移動部材を前記各基端部へ係合させると共に所定量引き込む引込駆動源と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置。
JP2003020339A 2003-01-29 2003-01-29 シートベルト装置 Pending JP2004230992A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003020339A JP2004230992A (ja) 2003-01-29 2003-01-29 シートベルト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003020339A JP2004230992A (ja) 2003-01-29 2003-01-29 シートベルト装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004230992A true JP2004230992A (ja) 2004-08-19

Family

ID=32950000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003020339A Pending JP2004230992A (ja) 2003-01-29 2003-01-29 シートベルト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004230992A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017077815A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 トヨタ自動車株式会社 シートベルト装置
CN113511170A (zh) * 2020-04-10 2021-10-19 采埃孚汽车科技(上海)有限公司 通过汽车安全带增强司乘人员安全性的系统和方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017077815A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 トヨタ自動車株式会社 シートベルト装置
CN113511170A (zh) * 2020-04-10 2021-10-19 采埃孚汽车科技(上海)有限公司 通过汽车安全带增强司乘人员安全性的系统和方法
CN113511170B (zh) * 2020-04-10 2022-10-25 采埃孚汽车科技(上海)有限公司 通过汽车安全带增强司乘人员安全性的系统和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4621281B2 (ja) シートベルトプリテンショナー
US7118133B2 (en) Seat belt pretensioner
US7147251B2 (en) Seat belt pretensioner
AU2012251924B2 (en) Child seat
JP5182843B2 (ja) 車両用シート
JPH0798471B2 (ja) 乗員抑止装置付座席組立体
US8052170B2 (en) Locking height adjuster for a seat belt
JPH05112199A (ja) インフレータブルシートベルト装置
JP3454790B2 (ja) 多点プレテンショナ・システム
US20120175937A1 (en) Seat belt retractor and pretensioner
KR100616008B1 (ko) 차량의 시트벨트
JP2008507450A (ja) シートベルト用プリテンショナー
JP2004230992A (ja) シートベルト装置
JP2009096368A (ja) シートベルト装置
KR100839293B1 (ko) 3점 시트 벨트용 프리텐셔너
WO2002022406A1 (en) Safety belt system
JP2020075675A (ja) シートベルト装置
CN112203909B (zh) 安全带卷收器
JP2004230991A (ja) シートベルト装置
JP2007253732A (ja) シートベルト装置
JP3473301B2 (ja) 車両乗員の保護装置
JP2005239051A (ja) シートベルト装置
KR20050101982A (ko) 시트벨트 기구
KR200143428Y1 (ko) 자동차용 안전벨트의 설치구조
KR100747247B1 (ko) 시트벨트 어시스트 장치