JP2004229716A - 電動車椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】旋回時において転倒防止機能を備えた電動車椅子を提供するものである。
【解決手段】電動車椅子6の駆動輪2,3の回転速度を回転速度検出手段7が検出し、駆動輪2,3の回転速度の差に基づき舵角αを求め、該舵角αに基づき駆動輪2,3の安全な最大回転速度を求める。そして、高速走行中において旋回する場合、電動車椅子6の駆動輪2,3の回転速度を前記最大回転速度に減速する。
【選択図】 図1
【解決手段】電動車椅子6の駆動輪2,3の回転速度を回転速度検出手段7が検出し、駆動輪2,3の回転速度の差に基づき舵角αを求め、該舵角αに基づき駆動輪2,3の安全な最大回転速度を求める。そして、高速走行中において旋回する場合、電動車椅子6の駆動輪2,3の回転速度を前記最大回転速度に減速する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転倒防止機能を備えた電動車椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来技術による電動車椅子の側面を示す。電動車椅子100の正面から見た左右には、該電動車椅子100に着座した利用者の左右の両腕によって左右個別に回転操作されるハンドリム101、102が設けられる。該電動車椅子100の左右の駆動輪103,104は、電動モータ105,106を個別に備える。左右の駆動輪103,104の回転速度は、各ハンドリム101、102の回転操作量に応じて左右個別に制御される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、図7中実線で示すように、利用者が矢示A方向へ直進を希望する場合、利用者が図6に示す左右のハンドリム101,102を同一回転量だけ回転操作して、左右の駆動輪103,104の回転速度を同一にする。一方、利用者が、右旋回を希望する場合、左側のハンドリム101の回転操作量を右側のハンドリム102の回転操作量よりも大きくして、左側の駆動輪103の回転速度を右側の駆動輪104の回転速度よりも大きくする。これにより、電動車椅子100は図7中、一点鎖線で示すように右旋回する。次に、利用者が左旋回を希望する場合、上述の右旋回をする場合とは反対に、右側のハンドリム102の回転操作量を左側のハンドリム101の回転操作量よりも大きくして、右側の駆動輪104の回転速度を左側の駆動輪103の回転速度よりも大きくする。これにより、電動椅子は図7中、二点鎖線で示すように左旋回する。
【0004】
又、操舵装置としてジョイスティックを備えた電動車椅子も知られている。この種の電動車椅子においては、利用者がジョイスティックを操作した場合、該ジョイスティックからの信号に基づき電動車椅子を前進,後退,右旋回,左旋回できるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−60904号公報
【特許文献2】
特開平8−322110号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電動車椅子100はハンドリムやジョイスティックによる操舵装置により操作されるが、転倒防止手段を備えていないため、これらの操舵装置により高速走行中に急旋回した場合には、旋回時に転倒する危険があった。即ち、電動車椅子100の旋回時において、当該電動車椅子100には図7に示すように、旋回に基づく遠心力F1,F1´が作用するだけでなく、該電動車椅子100の直進走行を慣性によってそのまま持続させようとする慣性力F2も作用する。このため、電動車椅子100は、旋回時において前記遠心力F1,F1´と慣性力F2とを横側から受けることによってによってバランスを崩して転倒し易いという問題点があった。近年、特に、電動車椅子100は、8km/h〜9km/hの高速走行が可能であるため、前記慣性力F2が一層大きくなり、一層転倒し易いという問題があった。
【0007】
又、最近、実用化されている電動車椅子100のハンドリム101、102は駆動輪103,104に機械的には直結されず、駆動輪103,104に加わる負荷が利用者の腕に直接には伝わらない構造であるため、従来の電動車椅子100を利用する場合に比較して小さな腕力でハンドリム101、102を操作して駆動輪103,104の回転速度を制御できる。このため、容易に急旋回することができる反面、このような急旋回を高速走行中に実施した場合には、高速走行に基づく大きな慣性力F2が作用する上に、急旋回に基づく大きな遠心力F1も加わって電動車椅子100の転倒の危険性は一層高まっていた。従って、安全運転をするには習熟が必要であり、スピード条件によっては転倒しないよう操作するための高度なテクニックが必要である。更に、体重の重い利用者が電動車椅子100に着座して高速走行した場合には、電動車椅子100の旋回時に該電動車椅子100に作用する遠心力F1が一層大きくなるだけでなく、前記慣性力F2も大きくなるため、一層転倒し易く危険であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、旋回時における転倒を防止し、初心者でも安全に使用できる転倒防止手段を備えた電動車椅子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の電動車椅子は、各車輪の回転速度をそれぞれ検出し、該回転速度の差に基づき舵角を求め、旋回時における前記各車輪の回転速度を前記舵角に対応した最大回転速度以下にするよう制御する転倒防止手段を備えたものである。これにより、電動車椅子が高速走行中に旋回する場合でも、安全な走行速度に減速されて転倒が確実に防止される。
【0010】
請求項2に記載の電動車椅子においては、請求項1に記載の電動車椅子の転倒防止手段が、舵角に応じて各車輪の最大回転速度を求める速度―舵角対応テーブルを備えたものである。これにより、各車輪の安全な最大回転速度は速度―舵角対応テーブルから即座に読み出すことができることから、舵角に対する各車輪の最大回転速度を演算しない分、応答性が良い。
【0011】
請求項3に記載の電動車椅子においては、請求項2に記載の電動車椅子の速度―舵角対応テーブルが荷重に応じて補正されるものである。これにより、電動車椅子の旋回時における走行速度、即ち各車輪の回転速度は、前記に加えて利用者の体重や荷物などの荷重に応じて安全な最大回転速度以下に制御されるため、旋回時における電動車椅子の転倒が一層防止できる。
【0012】
請求項4に記載の電動車椅子においては、旋回時における遠心力を検出し、旋回時における各車輪の回転速度を前記遠心力に対応した最大回転速度以下にするよう制御する転倒防止手段を備えたものである。このように、電動車椅子に加わる遠心力を直接求めることにより当該遠心力から安全な最大回転速度を直ちに求めることができる。その結果、電動車椅子が高速走行中に旋回する場合、安全な走行速度に減速されて確実に転倒が防止される。
【0013】
請求項5に記載の電動車椅子においては、請求項4に記載の電動車椅子の転倒防止手段が、遠心力に基づき各車輪の最大回転速度を求める速度−遠心力対応テーブルを備えたものである。これにより、遠心力の強弱に対応する最大回転速度をテーブルから即座に求めることができることから、遠心力に対する各車輪の最大回転速度を演算しない分、応答性が良い。
【0014】
請求項6に記載の電動車椅子においては、請求項5に記載の電動車椅子の速度−遠心力対応テーブルが、荷重によって補正されるものである。これにより、利用者の体重に応じて最大回転速度が制御されるため、電動車椅子の転倒が一層防止できる。
【0015】
【実施の形態】
図1乃至図4は本発明の第1実施形態を示す。本実施形態の転倒防止手段1は、電動車椅子の旋回時において駆動輪2,3の電動モータ4,5を制御して駆動輪2,3の回転速度を制御することにより、電動車椅子6の旋回時において該電動車椅子6を転倒させようとする力を小さくして電動車椅子6の転倒を防止するものである。即ち、電動車椅子6が高速走行中に旋回する場合において、該電動車椅子6の走行速度が安全な走行速度以上のときには、安全な走行速度に減速するものである。
【0016】
転倒防止手段1は、回転速度検出手段7と舵角検出手段8と最大回転速度算出手段9と電動モータ制御手段10とを備える。
【0017】
前記回転速度検出手段7は、左右の駆動輪2,3の回転速度を個別に検出する速度センサ11,12からの速度信号T1,T2に基づき左右の駆動輪2,3の回転速度を個別に検出する。前記舵角検出手段8は、前記回転速度検出手段7から出力された左右の駆動輪2,3の回転速度の差を求めると共に、両回転速度の差に基づき、電動車椅子6の旋回時における舵角を検出する。前記最大回転速度算出手段9は、電動車椅子6の旋回時における該電動車椅子6の転倒を防止すべく前記舵角に基づき該電動車椅子6に許容される駆動輪2,3の安全な最大回転速度を算出する。前記電動モータ制御手段10は、電動車椅子6の旋回時において電動車椅子6の駆動輪2,3の実際の回転速度が、前記最大回転速度算出手段9によって算出された最大回転速度よりも大きな場合に電動モータ4,5を制御して駆動輪2,3の回転速度を前記最大回転速度に制限する。
【0018】
前記回転速度検出手段7,舵角検出手段8,最大回転速度算出手段9,電動モータ制御手段10は、マイクロコンピュータ等の制御手段によって構成され、記憶手段(図示せず)に別途記憶されたプログラムに基づき上記の所定の動作を実行するよう制御される。
【0019】
前記舵角検出手段8の動作を図2に基づき説明する。図中、Aは電動車椅子6の直進方向を示し、Bは該直進方向Aと直交する方向を示し、αは左右の駆動輪2,3の駆動軸Mと方向Bとのなす角度、即ち、電動車椅子6の舵角を示す。ここで、仮に、左右の駆動輪2,3の回転速度が同じであるとする。この場合、図中実線で示すように、前記駆動軸Mは方向Bに一致するため、舵角αはゼロである。次に、左側の駆動輪2にブレーキをかけると共に、右側の駆動輪3の回転速度を左側の駆動輪2の回転速度よりも大きくしたとする。この場合、電動車椅子6は図中、一点鎖線で示すように、左に旋回する。そして、この場合の舵角αは左右の駆動輪2,3の回転速度の差に一義的に対応する。即ち、前記舵角検出手段8は、回転速度検出手段7で検出した左右の駆動輪2,3の回転速度の差に基づき前記舵角αを検出できる。
【0020】
前記最大回転速度算出手段9は、図3に示す速度−舵角対応テーブルによって構成できる。前記速度−舵角対応テーブルにおいて横軸は舵角αを示し、縦軸は駆動輪2,3の最大回転速度βを示す。該速度−舵角対応テーブルによって、舵角αに対応した最大回転速度βを算出できる。該速度−舵角対応テーブルは、舵角αが増加するに従い、該舵角αに対応する最大回転速度βを低下させるように構成される。即ち、前記速度−舵角対応テーブルは電動車椅子6が急旋回する程、最大回転速度βを低下させるように構成される。
【0021】
前記電動モータ制御手段10は電動車椅子6の旋回時において前記駆動輪2,3の実際の回転速度と、前記舵角αに基づき求められた最大回転速度βとを比較し、駆動輪2,3の実際の回転速度が最大回転速度βよりも大きな場合に、電動モータ4,5を制御して駆動輪2,3の回転速度を当該最大回転速度βにまで減速させる。これにより、電動車椅子6が急旋回する場合には、両駆動輪2,3の回転速度を減速することにより、急旋回時における電動車椅子6に作用する慣性力F2(図2に示す)を小さくするのはもちろんのこと、遠心力F1(図2に示す)を小さくすることで電動車椅子6の転倒を防止できる。
【0022】
又、前記最大回転速度算出手段9は、重量センサ13からの信号に基づき前記テーブルを補正する補正手段14を備える。前記重量センサ13は電動車椅子6の座席に設けられて、該座席に着座する利用者の体重などの荷重を検出するものである。
【0023】
即ち、利用者の体重が重い場合には、補正手段14は速度−舵角対応テーブルを図3中、一点鎖線で示すように左側へ変移するよう補正する。これにより、速度−舵角対応テーブルが実線で示される場合に比較して、同じ舵角α1であっても算出される最大回転速度β1は補正前のテーブルに基づき算出された最大回転速度β2よりも小さい。即ち、利用者の体重が重い場合には、旋回時に大きな遠心力F1(図2に示す)と慣性力F2(図2に示す)が発生するため、最大回転速度βを小さくし遠心力F1(図2に示す)及び慣性力F2(図2に示す)を小さくすることにより、電動車椅子6の転倒を防止する。一方、利用者の体重が軽い場合には、速度−舵角対応テーブルを図3中、二点鎖線で示すように右側へ変移するように補正する。これにより、速度−舵角対応テーブルが実線で示される場合に比較して、同じ舵角α2であっても算出される最大回転速度β3は補正前のテーブルに基づき算出された最大回転速度β4よりも大きくなる。即ち、利用者の体重が軽い場合には、旋回時に発生する遠心力F1(図2に示す)と慣性力F2(図2に示す)は小さいため、最大回転速度βを若干大きくしても、電動車椅子6が転倒をすることはない。上記補正は、数段階の補正であっても無段階の補正であっても良いが、補正する段数はより細かく設定した方が、荷重(体重)に対する転倒防止能力が向上する。
【0024】
尚、前記回転速度検出手段7は、速度センサ11,12の出力に基づき駆動輪2,3の実際の回転速度を検出するようにしたが、ハンドリム101,102を有した電動車椅子6にあってはハンドリム101,102から出力される回転操作信号T3,T4に基づき左右の駆動輪2,3の回転速度を個別に算出しても良い。
【0025】
次に、動作について説明する。利用者が電動車椅子6に着座し、図2に示すように、高速走行中に通路に沿って左旋回しようとしたとする。この場合、電動車椅子6には、電動車椅子6の左旋回に基づく遠心力F1と、電動車椅子6の直進走行を慣性によってそのまま持続させようとする慣性力F2が加わるため、電動車椅子6は旋回時に遠心力F1と慣性力F2とを横側から受けることによって横倒し易い。
【0026】
しかし、本実施形態においては、以下のようにして電動車椅子6の転倒を防止する。先ず、図4に示すように、ステップS1において重量センサ13によって電動車椅子6に着座した利用者の体重や荷物などの荷重を検出する。次に、ステップS2において前記荷重によって、速度−舵角対応テーブルを補正する。これにより、前記荷重に対応した適正な最大回転速度βを速度−舵角対応テーブルによって算出できる。
【0027】
次に、ステップS3において回転速度検出手段7が左側の駆動輪2の回転速度V1を検出する。次に、ステップS4において回転速度検出手段7が右側の駆動輪3の回転速度V2を検出する。次に、ステップS5において舵角検出手段8が、左右の駆動輪2,3の実際の回転速度V1,V2に基づき両回転速度V1,V2の差を求めると共に、ステップS6において当該差に基づき舵角αを求める。次に、ステップS7において最大回転速度算出手段9が前記舵角αに対応した最大回転速度βを算出する。
【0028】
そして、ステップS8において電動車椅子6の駆動輪2,3の実際の回転速度V1,V2が、最大回転速度算出手段9によって求められた最大回転速度βよりも大きいとする。この場合、電動モータ制御手段10はステップS9において回転速度の大きな方の駆動輪3、即ち、右側の駆動輪3の実際の回転速度V2を最大回転速度βに減速すると共に、電動モータ制御手段10は左側の駆動輪2の回転速度V1を前記右側の駆動輪3の回転速度V2の減速量と同量(V2−β)だけ減速する。この時の駆動輪2の回転速度V1は、舵角αを維持した状態での最大回転速度になっている。これにより、左側の駆動輪2と右側の駆動輪3の回転速度の差(V2−V1)は維持され、即ち、舵角αは維持されたまま駆動輪2,3の回転速度V1,V2は安全な速度に減速される。このため、電動車椅子6は転倒することなく、曲がった通路に沿って安全に旋回できる。尚、ステップS8において駆動輪2,3の実際の回転速度V1,V2が最大回転速度βよりも小さい場合には、該駆動輪2,3の回転速度V1,V2は減速されない。
【0029】
尚、ステップS1,S2はステップS7の後に配置しても良い。又、ステップS1,S2を省略しても良いが、省略しない方がより安全性を向上できる。又、以上の実施形態においては、最大回転速度算出手段9は速度−舵角対応テーブルによって構成し、該速度−舵角対応テーブルによって舵角αに対応した最大回転速度βを求めたが、当該最大回転速度βは舵角αに一義的に対応するため、最大回転速度βは舵角αに基づき計算によって算出するようにしても良い。更に、このように、舵角αに基づき計算によって求めた最大回転速度βを、重量センサ13によって検出される荷重によって補正するようにしても良い。又、前記実施形態においては、左右の駆動輪2,3の回転速度の差に基づき舵角αを求めたが、電動車椅子6の横方向へ作用する遠心力を検出する加速度センサを電動車椅子6に設け、該加速度センサの出力によって該舵角αを求めることもできる。該加速度センサはジャイロによって構成できる。即ち、電動車椅子6が急旋回する程、つまり、旋回時において舵角αが大きくなる程、前記遠心力が大きくなるものであって、舵角αと遠心力とは一義的に対応する。このため、前記遠心力を検出することにより、当該遠心力に対応した安全な最大回転速度βを設定できる。従って、速度―遠心力対応テーブルを予め作成しておくことにより、遠心力に対応した安全な最大回転速度βを即座に算出できる。
【0030】
次に、図5は第2実施形態を示す。本実施形態においては、操舵装置としてハンドリムの代わりに、ジョイスティック21を用いた場合を示す。第1実施形態においては、回転速度検出手段7と舵角検出手段8を設けることにより、電動車椅子6の旋回時における舵角αを求め、当該舵角αに基づき駆動輪2,3の最大回転速度βを算出したが、この第2実施形態においては電動車椅子6を右旋回又は左旋回させるべく操作したジョイスティック21の操作棒22の傾きに基づき舵角αを求め、当該舵角αに基づき駆動輪2,3の安全な最大回転速度βを算出することもできる。又、このように操舵装置としてジョイスティック21を用いた場合であっても、第1実施形態と同様に、回転速度検出手段7と舵角検出手段8を設けることにより、駆動輪2,3の実際の回転速度に基づき、電動車椅子6の旋回時における舵角αを求め、当該舵角αに基づき駆動輪2,3の安全な最大回転速度βを求めても良い。又、上記実施形態で説明した電動車椅子6は、前輪を駆動する型式のものに基づき説明したが、後輪を駆動する型式のものに対しても同様な考え方を適用できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電動車椅子の旋回時に該電動車椅子の走行速度を安全な走行速度以下に減速する転倒防止手段を設けたので、該電動車椅子は旋回時における転倒を防止することができ、初心者にも安全に使用できる。又、転倒防止手段に速度−舵角対応テーブルを備え、該速度−舵角対応テーブルによって電動車椅子の旋回時における車輪の安全な最大回転速度を求めるようにすれば、当該最大回転速度を即座に求めることができる。更に、前記最大回転速度を電動車椅子に着座した利用者の体重や荷物などの荷重によって増減させるよう制御すれば、体重の重軽に対応する適正な制御が可能となり、旋回時における電動車椅子の転倒防止を一層確実なものとすることができ、1台で子供から大人、男女の区別なく普遍的な幅広い利用が可能となる。又、前記舵角を電動車椅子の横方向に作用する遠心力に基づき直接求めるようにすれば、電動車椅子の旋回時における安全な走行速度を当該遠心力に基づき即座に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態における駆動輪の動作を説明する説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態に用いるテーブルを示す。
【図4】本発明の第1実施形態のフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態のブロック図である。
【図6】従来技術による電動車椅子の側面図である。
【図7】従来技術による電動車椅子の駆動輪の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 転倒防止手段
2,3 駆動輪
7 回転速度検出手段
8 舵角検出手段
9 最大回転速度算出手段
13 重量センサ
14 補正手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、転倒防止機能を備えた電動車椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来技術による電動車椅子の側面を示す。電動車椅子100の正面から見た左右には、該電動車椅子100に着座した利用者の左右の両腕によって左右個別に回転操作されるハンドリム101、102が設けられる。該電動車椅子100の左右の駆動輪103,104は、電動モータ105,106を個別に備える。左右の駆動輪103,104の回転速度は、各ハンドリム101、102の回転操作量に応じて左右個別に制御される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、図7中実線で示すように、利用者が矢示A方向へ直進を希望する場合、利用者が図6に示す左右のハンドリム101,102を同一回転量だけ回転操作して、左右の駆動輪103,104の回転速度を同一にする。一方、利用者が、右旋回を希望する場合、左側のハンドリム101の回転操作量を右側のハンドリム102の回転操作量よりも大きくして、左側の駆動輪103の回転速度を右側の駆動輪104の回転速度よりも大きくする。これにより、電動車椅子100は図7中、一点鎖線で示すように右旋回する。次に、利用者が左旋回を希望する場合、上述の右旋回をする場合とは反対に、右側のハンドリム102の回転操作量を左側のハンドリム101の回転操作量よりも大きくして、右側の駆動輪104の回転速度を左側の駆動輪103の回転速度よりも大きくする。これにより、電動椅子は図7中、二点鎖線で示すように左旋回する。
【0004】
又、操舵装置としてジョイスティックを備えた電動車椅子も知られている。この種の電動車椅子においては、利用者がジョイスティックを操作した場合、該ジョイスティックからの信号に基づき電動車椅子を前進,後退,右旋回,左旋回できるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−60904号公報
【特許文献2】
特開平8−322110号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電動車椅子100はハンドリムやジョイスティックによる操舵装置により操作されるが、転倒防止手段を備えていないため、これらの操舵装置により高速走行中に急旋回した場合には、旋回時に転倒する危険があった。即ち、電動車椅子100の旋回時において、当該電動車椅子100には図7に示すように、旋回に基づく遠心力F1,F1´が作用するだけでなく、該電動車椅子100の直進走行を慣性によってそのまま持続させようとする慣性力F2も作用する。このため、電動車椅子100は、旋回時において前記遠心力F1,F1´と慣性力F2とを横側から受けることによってによってバランスを崩して転倒し易いという問題点があった。近年、特に、電動車椅子100は、8km/h〜9km/hの高速走行が可能であるため、前記慣性力F2が一層大きくなり、一層転倒し易いという問題があった。
【0007】
又、最近、実用化されている電動車椅子100のハンドリム101、102は駆動輪103,104に機械的には直結されず、駆動輪103,104に加わる負荷が利用者の腕に直接には伝わらない構造であるため、従来の電動車椅子100を利用する場合に比較して小さな腕力でハンドリム101、102を操作して駆動輪103,104の回転速度を制御できる。このため、容易に急旋回することができる反面、このような急旋回を高速走行中に実施した場合には、高速走行に基づく大きな慣性力F2が作用する上に、急旋回に基づく大きな遠心力F1も加わって電動車椅子100の転倒の危険性は一層高まっていた。従って、安全運転をするには習熟が必要であり、スピード条件によっては転倒しないよう操作するための高度なテクニックが必要である。更に、体重の重い利用者が電動車椅子100に着座して高速走行した場合には、電動車椅子100の旋回時に該電動車椅子100に作用する遠心力F1が一層大きくなるだけでなく、前記慣性力F2も大きくなるため、一層転倒し易く危険であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、旋回時における転倒を防止し、初心者でも安全に使用できる転倒防止手段を備えた電動車椅子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の電動車椅子は、各車輪の回転速度をそれぞれ検出し、該回転速度の差に基づき舵角を求め、旋回時における前記各車輪の回転速度を前記舵角に対応した最大回転速度以下にするよう制御する転倒防止手段を備えたものである。これにより、電動車椅子が高速走行中に旋回する場合でも、安全な走行速度に減速されて転倒が確実に防止される。
【0010】
請求項2に記載の電動車椅子においては、請求項1に記載の電動車椅子の転倒防止手段が、舵角に応じて各車輪の最大回転速度を求める速度―舵角対応テーブルを備えたものである。これにより、各車輪の安全な最大回転速度は速度―舵角対応テーブルから即座に読み出すことができることから、舵角に対する各車輪の最大回転速度を演算しない分、応答性が良い。
【0011】
請求項3に記載の電動車椅子においては、請求項2に記載の電動車椅子の速度―舵角対応テーブルが荷重に応じて補正されるものである。これにより、電動車椅子の旋回時における走行速度、即ち各車輪の回転速度は、前記に加えて利用者の体重や荷物などの荷重に応じて安全な最大回転速度以下に制御されるため、旋回時における電動車椅子の転倒が一層防止できる。
【0012】
請求項4に記載の電動車椅子においては、旋回時における遠心力を検出し、旋回時における各車輪の回転速度を前記遠心力に対応した最大回転速度以下にするよう制御する転倒防止手段を備えたものである。このように、電動車椅子に加わる遠心力を直接求めることにより当該遠心力から安全な最大回転速度を直ちに求めることができる。その結果、電動車椅子が高速走行中に旋回する場合、安全な走行速度に減速されて確実に転倒が防止される。
【0013】
請求項5に記載の電動車椅子においては、請求項4に記載の電動車椅子の転倒防止手段が、遠心力に基づき各車輪の最大回転速度を求める速度−遠心力対応テーブルを備えたものである。これにより、遠心力の強弱に対応する最大回転速度をテーブルから即座に求めることができることから、遠心力に対する各車輪の最大回転速度を演算しない分、応答性が良い。
【0014】
請求項6に記載の電動車椅子においては、請求項5に記載の電動車椅子の速度−遠心力対応テーブルが、荷重によって補正されるものである。これにより、利用者の体重に応じて最大回転速度が制御されるため、電動車椅子の転倒が一層防止できる。
【0015】
【実施の形態】
図1乃至図4は本発明の第1実施形態を示す。本実施形態の転倒防止手段1は、電動車椅子の旋回時において駆動輪2,3の電動モータ4,5を制御して駆動輪2,3の回転速度を制御することにより、電動車椅子6の旋回時において該電動車椅子6を転倒させようとする力を小さくして電動車椅子6の転倒を防止するものである。即ち、電動車椅子6が高速走行中に旋回する場合において、該電動車椅子6の走行速度が安全な走行速度以上のときには、安全な走行速度に減速するものである。
【0016】
転倒防止手段1は、回転速度検出手段7と舵角検出手段8と最大回転速度算出手段9と電動モータ制御手段10とを備える。
【0017】
前記回転速度検出手段7は、左右の駆動輪2,3の回転速度を個別に検出する速度センサ11,12からの速度信号T1,T2に基づき左右の駆動輪2,3の回転速度を個別に検出する。前記舵角検出手段8は、前記回転速度検出手段7から出力された左右の駆動輪2,3の回転速度の差を求めると共に、両回転速度の差に基づき、電動車椅子6の旋回時における舵角を検出する。前記最大回転速度算出手段9は、電動車椅子6の旋回時における該電動車椅子6の転倒を防止すべく前記舵角に基づき該電動車椅子6に許容される駆動輪2,3の安全な最大回転速度を算出する。前記電動モータ制御手段10は、電動車椅子6の旋回時において電動車椅子6の駆動輪2,3の実際の回転速度が、前記最大回転速度算出手段9によって算出された最大回転速度よりも大きな場合に電動モータ4,5を制御して駆動輪2,3の回転速度を前記最大回転速度に制限する。
【0018】
前記回転速度検出手段7,舵角検出手段8,最大回転速度算出手段9,電動モータ制御手段10は、マイクロコンピュータ等の制御手段によって構成され、記憶手段(図示せず)に別途記憶されたプログラムに基づき上記の所定の動作を実行するよう制御される。
【0019】
前記舵角検出手段8の動作を図2に基づき説明する。図中、Aは電動車椅子6の直進方向を示し、Bは該直進方向Aと直交する方向を示し、αは左右の駆動輪2,3の駆動軸Mと方向Bとのなす角度、即ち、電動車椅子6の舵角を示す。ここで、仮に、左右の駆動輪2,3の回転速度が同じであるとする。この場合、図中実線で示すように、前記駆動軸Mは方向Bに一致するため、舵角αはゼロである。次に、左側の駆動輪2にブレーキをかけると共に、右側の駆動輪3の回転速度を左側の駆動輪2の回転速度よりも大きくしたとする。この場合、電動車椅子6は図中、一点鎖線で示すように、左に旋回する。そして、この場合の舵角αは左右の駆動輪2,3の回転速度の差に一義的に対応する。即ち、前記舵角検出手段8は、回転速度検出手段7で検出した左右の駆動輪2,3の回転速度の差に基づき前記舵角αを検出できる。
【0020】
前記最大回転速度算出手段9は、図3に示す速度−舵角対応テーブルによって構成できる。前記速度−舵角対応テーブルにおいて横軸は舵角αを示し、縦軸は駆動輪2,3の最大回転速度βを示す。該速度−舵角対応テーブルによって、舵角αに対応した最大回転速度βを算出できる。該速度−舵角対応テーブルは、舵角αが増加するに従い、該舵角αに対応する最大回転速度βを低下させるように構成される。即ち、前記速度−舵角対応テーブルは電動車椅子6が急旋回する程、最大回転速度βを低下させるように構成される。
【0021】
前記電動モータ制御手段10は電動車椅子6の旋回時において前記駆動輪2,3の実際の回転速度と、前記舵角αに基づき求められた最大回転速度βとを比較し、駆動輪2,3の実際の回転速度が最大回転速度βよりも大きな場合に、電動モータ4,5を制御して駆動輪2,3の回転速度を当該最大回転速度βにまで減速させる。これにより、電動車椅子6が急旋回する場合には、両駆動輪2,3の回転速度を減速することにより、急旋回時における電動車椅子6に作用する慣性力F2(図2に示す)を小さくするのはもちろんのこと、遠心力F1(図2に示す)を小さくすることで電動車椅子6の転倒を防止できる。
【0022】
又、前記最大回転速度算出手段9は、重量センサ13からの信号に基づき前記テーブルを補正する補正手段14を備える。前記重量センサ13は電動車椅子6の座席に設けられて、該座席に着座する利用者の体重などの荷重を検出するものである。
【0023】
即ち、利用者の体重が重い場合には、補正手段14は速度−舵角対応テーブルを図3中、一点鎖線で示すように左側へ変移するよう補正する。これにより、速度−舵角対応テーブルが実線で示される場合に比較して、同じ舵角α1であっても算出される最大回転速度β1は補正前のテーブルに基づき算出された最大回転速度β2よりも小さい。即ち、利用者の体重が重い場合には、旋回時に大きな遠心力F1(図2に示す)と慣性力F2(図2に示す)が発生するため、最大回転速度βを小さくし遠心力F1(図2に示す)及び慣性力F2(図2に示す)を小さくすることにより、電動車椅子6の転倒を防止する。一方、利用者の体重が軽い場合には、速度−舵角対応テーブルを図3中、二点鎖線で示すように右側へ変移するように補正する。これにより、速度−舵角対応テーブルが実線で示される場合に比較して、同じ舵角α2であっても算出される最大回転速度β3は補正前のテーブルに基づき算出された最大回転速度β4よりも大きくなる。即ち、利用者の体重が軽い場合には、旋回時に発生する遠心力F1(図2に示す)と慣性力F2(図2に示す)は小さいため、最大回転速度βを若干大きくしても、電動車椅子6が転倒をすることはない。上記補正は、数段階の補正であっても無段階の補正であっても良いが、補正する段数はより細かく設定した方が、荷重(体重)に対する転倒防止能力が向上する。
【0024】
尚、前記回転速度検出手段7は、速度センサ11,12の出力に基づき駆動輪2,3の実際の回転速度を検出するようにしたが、ハンドリム101,102を有した電動車椅子6にあってはハンドリム101,102から出力される回転操作信号T3,T4に基づき左右の駆動輪2,3の回転速度を個別に算出しても良い。
【0025】
次に、動作について説明する。利用者が電動車椅子6に着座し、図2に示すように、高速走行中に通路に沿って左旋回しようとしたとする。この場合、電動車椅子6には、電動車椅子6の左旋回に基づく遠心力F1と、電動車椅子6の直進走行を慣性によってそのまま持続させようとする慣性力F2が加わるため、電動車椅子6は旋回時に遠心力F1と慣性力F2とを横側から受けることによって横倒し易い。
【0026】
しかし、本実施形態においては、以下のようにして電動車椅子6の転倒を防止する。先ず、図4に示すように、ステップS1において重量センサ13によって電動車椅子6に着座した利用者の体重や荷物などの荷重を検出する。次に、ステップS2において前記荷重によって、速度−舵角対応テーブルを補正する。これにより、前記荷重に対応した適正な最大回転速度βを速度−舵角対応テーブルによって算出できる。
【0027】
次に、ステップS3において回転速度検出手段7が左側の駆動輪2の回転速度V1を検出する。次に、ステップS4において回転速度検出手段7が右側の駆動輪3の回転速度V2を検出する。次に、ステップS5において舵角検出手段8が、左右の駆動輪2,3の実際の回転速度V1,V2に基づき両回転速度V1,V2の差を求めると共に、ステップS6において当該差に基づき舵角αを求める。次に、ステップS7において最大回転速度算出手段9が前記舵角αに対応した最大回転速度βを算出する。
【0028】
そして、ステップS8において電動車椅子6の駆動輪2,3の実際の回転速度V1,V2が、最大回転速度算出手段9によって求められた最大回転速度βよりも大きいとする。この場合、電動モータ制御手段10はステップS9において回転速度の大きな方の駆動輪3、即ち、右側の駆動輪3の実際の回転速度V2を最大回転速度βに減速すると共に、電動モータ制御手段10は左側の駆動輪2の回転速度V1を前記右側の駆動輪3の回転速度V2の減速量と同量(V2−β)だけ減速する。この時の駆動輪2の回転速度V1は、舵角αを維持した状態での最大回転速度になっている。これにより、左側の駆動輪2と右側の駆動輪3の回転速度の差(V2−V1)は維持され、即ち、舵角αは維持されたまま駆動輪2,3の回転速度V1,V2は安全な速度に減速される。このため、電動車椅子6は転倒することなく、曲がった通路に沿って安全に旋回できる。尚、ステップS8において駆動輪2,3の実際の回転速度V1,V2が最大回転速度βよりも小さい場合には、該駆動輪2,3の回転速度V1,V2は減速されない。
【0029】
尚、ステップS1,S2はステップS7の後に配置しても良い。又、ステップS1,S2を省略しても良いが、省略しない方がより安全性を向上できる。又、以上の実施形態においては、最大回転速度算出手段9は速度−舵角対応テーブルによって構成し、該速度−舵角対応テーブルによって舵角αに対応した最大回転速度βを求めたが、当該最大回転速度βは舵角αに一義的に対応するため、最大回転速度βは舵角αに基づき計算によって算出するようにしても良い。更に、このように、舵角αに基づき計算によって求めた最大回転速度βを、重量センサ13によって検出される荷重によって補正するようにしても良い。又、前記実施形態においては、左右の駆動輪2,3の回転速度の差に基づき舵角αを求めたが、電動車椅子6の横方向へ作用する遠心力を検出する加速度センサを電動車椅子6に設け、該加速度センサの出力によって該舵角αを求めることもできる。該加速度センサはジャイロによって構成できる。即ち、電動車椅子6が急旋回する程、つまり、旋回時において舵角αが大きくなる程、前記遠心力が大きくなるものであって、舵角αと遠心力とは一義的に対応する。このため、前記遠心力を検出することにより、当該遠心力に対応した安全な最大回転速度βを設定できる。従って、速度―遠心力対応テーブルを予め作成しておくことにより、遠心力に対応した安全な最大回転速度βを即座に算出できる。
【0030】
次に、図5は第2実施形態を示す。本実施形態においては、操舵装置としてハンドリムの代わりに、ジョイスティック21を用いた場合を示す。第1実施形態においては、回転速度検出手段7と舵角検出手段8を設けることにより、電動車椅子6の旋回時における舵角αを求め、当該舵角αに基づき駆動輪2,3の最大回転速度βを算出したが、この第2実施形態においては電動車椅子6を右旋回又は左旋回させるべく操作したジョイスティック21の操作棒22の傾きに基づき舵角αを求め、当該舵角αに基づき駆動輪2,3の安全な最大回転速度βを算出することもできる。又、このように操舵装置としてジョイスティック21を用いた場合であっても、第1実施形態と同様に、回転速度検出手段7と舵角検出手段8を設けることにより、駆動輪2,3の実際の回転速度に基づき、電動車椅子6の旋回時における舵角αを求め、当該舵角αに基づき駆動輪2,3の安全な最大回転速度βを求めても良い。又、上記実施形態で説明した電動車椅子6は、前輪を駆動する型式のものに基づき説明したが、後輪を駆動する型式のものに対しても同様な考え方を適用できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電動車椅子の旋回時に該電動車椅子の走行速度を安全な走行速度以下に減速する転倒防止手段を設けたので、該電動車椅子は旋回時における転倒を防止することができ、初心者にも安全に使用できる。又、転倒防止手段に速度−舵角対応テーブルを備え、該速度−舵角対応テーブルによって電動車椅子の旋回時における車輪の安全な最大回転速度を求めるようにすれば、当該最大回転速度を即座に求めることができる。更に、前記最大回転速度を電動車椅子に着座した利用者の体重や荷物などの荷重によって増減させるよう制御すれば、体重の重軽に対応する適正な制御が可能となり、旋回時における電動車椅子の転倒防止を一層確実なものとすることができ、1台で子供から大人、男女の区別なく普遍的な幅広い利用が可能となる。又、前記舵角を電動車椅子の横方向に作用する遠心力に基づき直接求めるようにすれば、電動車椅子の旋回時における安全な走行速度を当該遠心力に基づき即座に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態における駆動輪の動作を説明する説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態に用いるテーブルを示す。
【図4】本発明の第1実施形態のフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態のブロック図である。
【図6】従来技術による電動車椅子の側面図である。
【図7】従来技術による電動車椅子の駆動輪の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 転倒防止手段
2,3 駆動輪
7 回転速度検出手段
8 舵角検出手段
9 最大回転速度算出手段
13 重量センサ
14 補正手段
Claims (6)
- 電動で駆動される少なくとも左右1対の車輪を備えた電動車椅子において、
前記各車輪の回転速度をそれぞれ検出し、該回転速度の差に基づき舵角を求め、旋回時における前記各車輪の回転速度を前記舵角に対応した最大回転速度以下に制御する転倒防止手段を備えたことを特徴とする電動車椅子。 - 転倒防止手段は、舵角に基づき各車輪の最大回転速度を求める速度―舵角対応テーブルを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動車椅子。
- 速度―舵角対応テーブルは、荷重によって補正されることを特徴とする請求項2に記載の電動車椅子。
- 電動で駆動される少なくとも左右1対の車輪を備えた電動車椅子において、
旋回時における遠心力を検出し、旋回時における前記各車輪の回転速度を前記遠心力に対応した最大回転速度以下に制御する転倒防止手段を備えたことを特徴とする電動車椅子。 - 転倒防止手段は、遠心力に対応した最大回転速度を求める速度―遠心力対応テーブルを備えたことを特徴とする請求項4に記載の電動車椅子。
- 速度―遠心力対応テーブルは、荷重によって補正されることを特徴とする請求項5に記載の電動車椅子。
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2003
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