JP2004229082A - 表示装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】立体的な画像を表示可能な表示装置において、例えば観察者の位置の変化に応じて、観察者にとって適した立体的な画像を表示する。
【解決手段】表示装置(1)は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を視線上において重ねて表示するための複数の表示手段(11、12)と、複数の表示手段の夫々における複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を、一つの表示面に表示されている複数の画像と共に所定の倍率にて拡大又は縮小する表示処理手段(17)とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】表示装置(1)は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を視線上において重ねて表示するための複数の表示手段(11、12)と、複数の表示手段の夫々における複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を、一つの表示面に表示されている複数の画像と共に所定の倍率にて拡大又は縮小する表示処理手段(17)とを備える。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示手段が観察者の視線方向に相前後して配置された表示装置であって、夫々の表示手段に表示する画像を制御して立体視することを可能とする表示装置及び方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体的な画像を表示することが可能な装置として種々の形態の表示装置が提案され、或いは実用化がなされている。例えば、電気的に書き換え可能であり、立体的な画像を表示することが可能な表示装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡方式はカメラで物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶フィールド時に左目用の液晶シャッタを透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶フィールドに左目用の画像を同期して表示することで、観察者は、右目用、左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体的な画像を視覚するものである。
【0003】
又、観察者の視線上に相前後して複数の表示装置を配置し、それらに表示される画像を重ねて見ることによって、奥行方向には離散的であるが、立体的な画像として視覚される表示装置がある。又、その離散的な状態を改善するために、表示装置の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体的な画像を表示することが可能となるように改良された表示装置がある。例えば、複数のハーフミラーを用いて複数の表示装置からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−115812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示装置を有する表示装置では、観察者が移動することによって、立体的な画像を視覚することが困難或いは不可能であるという問題が生じることがある。例えば、複数の表示装置の夫々には、標準的な観察位置に仮想的に存在する観察者の視線の広がりに対して適切な大きさを有する画像が表示されている。このため、実際の観察者の観察位置或いは観察者が表示装置に対して移動することで、それらの画像の、特に周辺部にずれが生じ、相前後して配置された複数の表示装置の各々に表示されている画像を重ねて視覚することが困難或いは不可能であるという技術的な問題点を有している。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、例えば観察者が表示装置に対して前後に移動しても、或いは観察者から表示装置までの距離によらずに当該観察者が立体的な画像を視覚することを可能ならしめる表示装置及び方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に所定の倍率にて拡大又は縮小する表示処理手段とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために請求項16に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を算出する倍率算出工程と、前記算出された所定の倍率にて前記一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に拡大又は縮小する表示工程とを備える。
【0009】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0011】
本発明の表示装置に係る実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に所定の倍率にて拡大又は縮小する表示処理手段とを備える。
【0012】
本発明の表示装置に係る実施形態によれば、その動作時には、観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示手段によって、観察者の側から見て相前後する表示手段の夫々の表示面に対応して表示される表示対象物に係る複数の画像(即ち、立体表示用の画像)を重ねて表示すれば、立体表示或いは三次元表示を行うことが可能となる。即ち、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。ここに、本発明に係る「観察者の視線上において重ねて表示」とは、文字通り均一に重なる場合の他、観察者が立体的な画像を視覚しうる程度に表示される重なりの程度で足りる趣旨である。又、本発明に係る「表示対象物に係る複数の画像」とは、同一の表示対象物に係る複数の画像に限らず、例えばカーナビゲーションシステムの表示装置において、重ねて表示される道路画像と、進行方向等を示す矢印の画像のように、異なる表示対象物に係る複数の画像をも含んだ趣旨である。又、本発明に係る「表示面」とは表示手段の画面の一部又は全部を占める、例えば所定の画像を表示している領域をいう。この場合、表示手段の「画面」とは、表示面が存在しうる最大の範囲をいうものであり、例えば、観察者が通常視覚する表示画面をいう。
【0013】
例えば、輝度変調型の立体表示であれば、二つの表示手段(即ち、二つの表示面)で表示される表示対象物に係る複数の画像についての輝度の割振によって、二つの表示手段間におけるいずれかの奥行位置に画像が存在するように見える、連続的な立体表示が可能となる。或いは、画像部分が、二つの表示手段のいずれかに表示されている離散的な立体表示が可能となる。更に、三つ以上の表示手段間のいずれかの位置に画像が存在するように見える、連続的又は離散的な立体表示も可能となる。
【0014】
本発明の表示装置に係る実施形態では特に、例えばマイコン等を含んでなる表示処理手段によって、複数の表示手段の夫々の表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小して表示することが可能である。即ち、表示面に表示されている画像を拡大又は縮小して表示することが可能である。
【0015】
例えば、本実施形態の表示装置には、基準となる観察位置(例えば、表示装置の正面から所定距離の位置等)に存在する観察者にとって、立体的な画像を視覚可能なように立体表示用の画像が表示されている。即ち、予め観察者の視線の広がり等を考慮して立体表示用の画像は、夫々適切な大きさを有して表示されている。
【0016】
ここで、観察者が基準となる観察位置から、観察者の視線に沿って前方或いは後方に移動した場合、観察者は、予め表示されていた立体表示用の画像をその視線上において重ねて視覚することができなくなる。即ち、移動後の観察者の位置においては、基準となる観察位置に対して適切に表示されている立体表示用の画像のままでは、立体的な画像を視覚することは困難或いは不可能である。
【0017】
しかるに、この場合、表示処理手段が、立体表示用の画像の夫々が表示されている表示面を拡大又は縮小することが可能である。係る表示面の拡大又は縮小と共に、係る表示面に表示されている画像も拡大又は縮小されることとなる。係る表示面の拡大又は縮小は、移動後の観察者の視線上において立体表示用の画像が適切に重なるように行われることが好ましい。即ち、移動後の観察者の視線の広がり等を考慮して、所定の倍率にて表示面が拡大又は縮小されることが好ましい。従って、移動後の或いは基準となる観察位置に存在しない観察者の視線上においても、立体表示用の画像を適切に重ねて表示することが可能となる。
【0018】
以上の結果、本実施形態に係る表示装置は、表示処理手段の動作により、観察者が移動することによっても、或いは観察者の観察位置によらず、立体表示用の画像を観察者の視線上において適切に重ねて表示可能となる。即ち、観察者は、その移動の前後において或いはその観察位置によらずに、適切に重なった立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0019】
尚、表示処理手段による表示面の拡大又は縮小は、例えば観察者の位置を自動的に検出して、例えばマイコン等によって自動的に行ってもよい。或いは、例えばリモコン等による外部からの観察者の指示に基づいて行ってもよい。
【0020】
或いは、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段を観察者の視線方向に沿って物理的に移動させても、表示面の拡大又は縮小と同様の効果を得ることが可能である。
【0021】
加えて、観察者が視線と交差する方向に移動した場合には、表示面もそれに応じて視線と交差する方向へ移動可能なように構成してもよい。或いは、画像を視線と交差する方向へ移動可能なように構成してもよい。この場合も、観察者の視線上において立体表示用の画像が適切に重なるように表示面の移動が行われることが好ましい。
【0022】
更に、本実施形態において、立体表示方式或いは三次元表示方式として、輝度変調方式の他、任意の立体表示方式或いは三次元表示方式を採用しても、上述の如き効果を得ることが可能である。
【0023】
本発明の表示装置に係る実施形態の一の態様では、前記観察者の位置を検出する位置検出手段を更に備えており、前記表示処理手段は、前記所定の倍率として前記検出された位置に応じて定まる倍率にて拡大又は縮小する。
【0024】
この態様によれば、例えば観察者が移動した場合であっても、位置検出手段を備えているため、移動後の観察者の位置を検出することが可能である。そして、検出された観察者の位置と表示対象物に係る複数の画像の位置関係から、移動後の観察者の視線上において表示対象物に係る複数の画像が重ねて表示可能な複数の表示面の大きさが定まる。従って、表示処理手段は、検出された観察者の位置に応じて複数の表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小することが可能である。係る表示面の拡大又は縮小によって、移動後の観察者の視線上において、表示対象物に係る複数の画像が適切に重なるように、該画像を適宜拡大又は縮小することが可能となる。
【0025】
この場合、表示処理手段は、例えば、複数の表示手段のうち一の表示手段に係る表示面を基準として、複数の表示手段のうち他の表示手段に係る表示面を拡大又は縮小してもよい。或いは、複数の表示手段の夫々に係る表示面を適宜拡大又は縮小してもよい。或いは、複数の表示手段の夫々に係る表示面に表示されている画像が、観察者の視線上において重ねて表示されるように、夫々の表示面を拡大又は縮小可能であれば、いずれの表示面を拡大又は縮小してもよい。
【0026】
更に、表示処理手段は、例えば、検出された観察者の位置を示す情報等を変数とする予め設定された関数によって、表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を演算等により算出するように構成してもよい。但し、関数でなくても、例えば、予め設定されたテーブルにより、検出された観察者の位置から所定の倍率に変換するように構成してもよい。
【0027】
これにより、移動後の観察者にとって、表示対象物に係る複数の画像を視線上において重ねて表示することが可能となり、観察者が移動しても或いは観察者と表示装置との位置関係によらず、観察者は特に画像の調整等を意識することなく立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0028】
より、具体的には例えば、本発明の実施形態に係る表示装置を備えたカーナビゲーションシステムにおいて、シートをスライドさせることにより、ドライバー(即ち、観察者)と表示装置との位置関係に変化が生じることとなる。この場合、位置検出手段は、例えば、シートのスライド量等からドライバーの位置を検出し、表示処理手段は、検出された観察者の位置に応じて、カーナビゲーションシステムの表示装置を構成している複数の表示手段が夫々有する表示面の各々を拡大又は縮小することが可能である。この結果、複数の表示手段に表示される立体表示用の画像が観察者の視線上において適切に重ねて表示されることとなり、ドライバーは、立体的な画像を視覚することが可能となる。又、夫々のドライバーごとにシートの位置が異なることがある。その場合にも、ドライバーがシートの位置を調整すると同時に、表示処理手段は、シートの位置に応じて、カーナビゲーションシステムの表示装置を構成している複数の表示手段が夫々有する表示面の各々を拡大又は縮小することが可能である。これにより、ドライバーは、表示装置の調整等を意識することなく、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0029】
上述の如く観察者の位置を検出する位置検出手段を備えた表示装置の態様では、前記位置検出手段は、前記観察者の位置を検出するリモートセンサを含むように構成してもよい。
【0030】
このように構成すれば、例えば、赤外線センサ、温度センサ、レーダ、イメージセンサ等を含んでなるリモートセンサにより比較的容易に観察者の位置或いは観察者の方向を検出することが可能となる。但し、位置検出手段はリモートセンサに限られることなく、観察者の位置或いは方向を検出することが可能なセンサであればよい。
【0031】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記一つの表示面を前記観察者の所望の倍率にて拡大又は縮小させる指示を外部から入力可能な外部入力手段を更に備え、前記表示処理手段は、前記指示に基づいて、前記一つの表示面を拡大又は縮小する。
【0032】
観察者等は、例えば、観察者の主観に応じた立体感の調整を望む場合、即ち、表示対象物に係る複数の画像が観察者の主観に適した程度に重ねて表示されることを望む場合がある。係る場合、本実施形態によれば、例えばリモコン等を含んで構成される外部入力手段により、複数の表示手段の夫々における表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小させる指示を表示処理手段に与えることが可能となる。又、当該一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を示す旨の指示を与えてもよい。表示処理手段は、観察者の指示に基づいて表示面を所定の倍率にて拡大又は縮小することが可能となる。これにより、表示対象物に係る複数の画像は、当該観察者にとってより好適に重ねて表示されることが可能となる。即ち、観察者にとってより好適で立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0033】
尚、外部入力手段により与える「所望の倍率」は、具体的な倍率の値を与えるものであってもよいし、或いは実際に表示面内に表示されている画像を視覚しながら、所望の大きさになるまで、適宜拡大又は縮小させる指示するものであってもよい。
【0034】
更に、例えば、観察者が表示装置を初めて使用する際に、例えば上述のように立体感を調整する画面等を用いた初期調整画面により、当該観察者に適した画像の重なりの程度を外部入力により指示してもよい。
【0035】
外部入力手段として、例えば、マウス等のポインティングデバイスやリモコン、コントローラ、十字キー、ボタン、音声入力装置等の各種の入力装置から構成可能である。更に、表示装置の前方に配置されたタッチパネルによって入力されてもよい。
【0036】
尚、表示処理手段が表示面を拡大又は縮小する際に考慮するものとして、本実施形態に係る外部入力手段による指示に加えて、観察者の位置がある。この場合、優先して考慮する一つを予め定めておいてもよい。又、予め定めていなくとも、その都度観察者に優先するものを外部入力手段による指示により指定させてもよい。
【0037】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち一の表示手段の画面の大きさが、前記観察者の側から見て前記一の表示手段の後方に配置された他の表示手段の画面の大きさよりも小さい。
【0038】
例えば、観察者の視線の先に、複数の表示手段のうち観察者の側から見て一の表示手段の後方(即ち、観察者から見て奥側或いは遠い方)に配置された他の表示手段の表示面が存在しないという状態が考えられる。係る状態は、例えば、観察者の視線の広がりが大きい場合、或いは一の表示手段の端部分に表示される画像を視覚する場合に特に顕著に示される。又、観察者の側から見てより後方に配置される表示手段には、より大きな画像が表示されるため、上述の如き状態は、より後方に配置された表示手段に対してより顕著に示される。従って、複数の表示手段の大きさが同一の場合には、観察者の視線の先には、本来配置されているべき表示手段が存在しないため、観察者は立体的な画像を視覚することができない場合がある。
【0039】
しかるに、本実施形態によれば、上述のような場合に、観察者の視線の広がり等を予め考慮しておき、他の表示手段の画面の大きさは、他の表示手段の前方(即ち、観察者から見て手前側或いは近い方)に配置される一の表示手段の画面の大きさよりも大きい。これにより、観察者が任意の方向から本実施形態に係る表示装置を視覚することとなっても、複数の表示手段が観察者の視線上に配置されているような状態を実現することが可能である。即ち、表示面は、画面の大きさまで拡大可能であるため、他の表示手段の表示面を、一の表示手段の表示面よりも大きい状態を実現可能となる。
【0040】
但し、一の表示手段の画面の大きさが、他の表示手段の画面の大きさよりも小さくなくとも、観察者は立体的な画像を相応に重ねて視覚することが可能である。この場合、例えば他の表示手段に係る表示面の大きさを固定し、一の表示手段に係る表示面を拡大又は縮小してもよい。
【0041】
或いは、予め一の表示手段の画面中、表示面となりうる領域を小さくしておいてもよい。即ち、表示面の最大の大きさを、画面の大きさよりも小さくしてもよい。これにより、他の表示手段の画面の大きさが仮に一の表示手段の画面と同一の大きさであったとしても上述の如き問題は生じることはない。即ち、一の表示手段と他の表示手段の夫々に、観察者の視線上で適切に重ねて表示可能な画像を表示することが可能となる。
【0042】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記表示処理手段は、前記複数の表示手段における表示面のうち、前記観察者の側から見て前記一つの表示面の前方に配置された他の表示面の大きさを固定し、前記一つの表示面を拡大又は縮小する。
【0043】
この態様によれば、表示処理手段が、複数の表示手段における表示面のうち少なくとも一つの表示面の前方(即ち、観察者の側から見て手前側或いは近い方)に配置された他の表示面を基準として、該一つの表示面を拡大又は縮小することによって、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において重ねて表示することが可能となる。これにより、拡大又は縮小する際の大きさに係る一つの基準を設けることで、比較的容易にして高精度で画像を重ねることができ、しかも表示処理手段の動作を簡略化することが可能となる。
【0044】
又、複数の表示手段のうち観察者に最も近い側に配置される表示手段に係る表示面(即ち、観察者が立体的な画像の正面として認識する画像を表示する表示面)を固定し、当該表示面を除く表示面を拡大又は縮小するようにしてもよい。これにより、表示処理手段が表示面を拡大又は縮小させていることを観察者に意識させることなく、表示面の拡大又は縮小が可能となる。即ち、より自然な状態で、観察者に立体的な画像を視覚させることが可能となる。
【0045】
上述の如く、一つの表示面の前方に配置された他の表示面の大きさを固定する表示装置の態様では、前記所定の倍率は、前記他の表示面に対する前記一つの表示面の倍率であって、前記観察者と前記他の表示面との距離をLとし、前記一つの表示面と前記他の表示面との距離をΔLとした場合に、(L+ΔL)/Lによって示されるように構成してもよい。
【0046】
このように構成すれば、予め定められた所定の倍率によって、比較的容易に少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小可能である。即ち、表示処理手段は、予め定められた所定の倍率を示す数式或いは関数によって、観察者の視線上で表示対象物に係る複数の画像を重ねて表示するための、夫々の表示面に係る適切な大きさを比較的容易に算出することが可能となる。
【0047】
この場合、一つの表示面の大きさと、他の表示面の大きさとの関係は、観察者及び他の表示面の距離(即ち、L)と、観察者及び一つの表示面の間の距離(即ち、L+ΔL)との関係に等しければ、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において重ねて表示可能である。従って、一つの表示面の大きさは、他の表示面の大きさの(L+ΔL)/L倍となっていることが好ましい。
【0048】
従って、表示処理手段は、少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小する場合には、他の表示面の(L+ΔL)/L倍となるように拡大又は縮小する。これにより、観察者は、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において適切に重ねて視覚可能となる。
【0049】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記表示処理手段は、前記観察者の側から見て前記一つの表示面の後方に配置された他の表示面の大きさを固定し、前記一つの表示面を拡大又は縮小する。
【0050】
この態様によれば、表示処理手段が、複数の表示手段における表示面のうち少なくとも一つの表示面の後方(即ち、観察者の側から見て奥側或いは遠い方)に配置された他の表示面を基準として、該一つの表示面を拡大又は縮小することによって、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において重ねて表示することが可能となる。これにより、拡大又は縮小する際の大きさに係る一つの基準を設けることで、比較的容易にして高精度で画像を重ねることができ、しかも表示処理手段の動作を簡略化することが可能となる。
【0051】
上述の如く、一つの表示面の後方に配置された他の表示面の大きさを固定する表示装置の態様では、前記所定の倍率は、前記他の表示面に対する前記一つの表示面の倍率であって、前記観察者と前記一つの表示面との距離をLとし、前記一つの表示面と前記他の表示面との距離をΔLとした場合に、L/(L+ΔL)によって示されるように構成してもよい。
【0052】
このように構成すれば、予め定められた所定の倍率によって、比較的容易に少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小可能である。即ち、表示処理手段は、予め定められた所定の倍率を示す数式或いは関数によって、観察者の視線上で表示対象物に係る複数の画像を重ねて表示するための、夫々の表示面に係る適切な大きさを比較的容易に算出することが可能となる。
【0053】
この場合、一つの表示面の大きさと、他の表示面の大きさとの関係は、観察者及び一つの表示面の距離(即ち、L)と、観察者及び他の表示面の間の距離(即ち、L+ΔL)との関係に等しければ、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において重ねて表示可能である。従って、一つの表示面の大きさは、他の表示面の大きさのL/(L+ΔL)倍となっていることが好ましい。
【0054】
従って、表示処理手段は、少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小する場合には、他の表示面のL/(L+ΔL)倍となるように拡大又は縮小する。これにより、観察者は、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において適切に重ねて視覚可能となる。
【0055】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記表示処理手段は、前記一つの表示面を拡大又は縮小して表示することに代えて又は加えて、前記一つの表示面に表示されている前記複数の画像のうち少なくとも一つの画像を所定の倍率にて拡大又は縮小する。
【0056】
この態様によれば、一つの表示面に表示されている表示対象物に係る複数の画像のうち少なくとも一つ画像を拡大又は縮小することで、表示面の拡大又は縮小と同様の効果を得ることが可能である。
【0057】
更に、表示面の拡大又は縮小と共に行うことで、観察者の視線上において、画像単位でより適切に重ねて表示することが可能となる。即ち、例えば観察者の視線の広がり或いは表示面の位置による視覚性(或いは、見え方)の相違を考慮して、より適切な表示対象物に係る複数の画像を表示することが可能となる。
【0058】
これにより、観察者は、その視線上において、より適切に重なった立体表示用の画像を視覚することが可能となる。即ち、更に好適な立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0059】
又、画像単位での拡大又は縮小に加えて、画像の表示位置の変更或いは画像変形等を行うような構成としてもよい。
【0060】
上述の如く複数の画像のうち少なくとも一つの画像を拡大又は縮小する表示装置の態様では、前記表示処理手段は、前記複数の表示手段に供給される画像信号に対して信号処理を施すことにより前記一つの画像を前記所定の倍率にて拡大又は縮小するように構成してもよい。
【0061】
このように構成すれば、表示処理手段は、表示手段に表示される画像の実体情報を含む画像信号に対して、例えば当該画像の表示面内での表示倍率を示す信号を書き換える等の信号処理を行う。これにより、表示対象物に係る複数の画像を複数の表示手段に表示する工程での一つの処理として、比較的容易に画像を拡大又は縮小することが可能となる。
【0062】
或いは、上述の如く画像の表示位置の変更或いは画像変形等を行う場合であっても、画像信号に含まれる表示位置を示す信号、或いは画像の形状を示す信号等を書き換えるような構成をとることが可能である。
【0063】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段は前記視線方向に沿って移動可能であって、前記表示処理手段は、前記表示面を拡大又は縮小することに加えて、前記一つの表示手段を前記視線方向に沿って移動させる。
【0064】
この態様によれば、表示処理手段は、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段を観察者の視線方向に沿って、例えば電気的或いは機械的な駆動源の動作(或いは、動作により発生する駆動力)により又は手動により物理的に移動可能なように構成されている。従って、当該表示手段に表示される画像を観察者の視線方向に沿って移動させることが可能となる。加えて、例えば電気的或いは機械的な駆動源を停止状態に保つことにより又はストッパ等により所望の位置に表示手段を固定可能に構成されている。
【0065】
このため、観察者と少なくとも一つの表示手段との距離を変化させることで、観察者に視覚される当該表示手段に表示されている画像の、観察者が視覚する大きさを拡大又は縮小することが可能となる。即ち、上述の如き表示面の拡大又は縮小と同様の効果を得ることが可能となる。従って、当該画像を含む表示対象物に係る複数の画像が観察者の視線上において重ねて表示されている状態を保持することが可能となる。
【0066】
尚、観察者が、例えばスイッチの切替等により、電気的或いは機械的な駆動源の動作を開始或いは停止させることで、表示手段を所望の位置へ移動させるように構成してもよい。更に、表示処理手段が、例えば観察者の位置に応じて或いは外部入力による指示に基づいて、動力源或いは駆動源の動作の開始或いは停止を制御してもよい。表示処理手段が制御することにより、表示対象物に係る複数の画像が観察者の視線上において重ねて表示されるように、自動的に表示手段を移動させることが可能となる。
【0067】
上述の電気的な駆動源は、例えば、モータ又は電磁式アクチュエータ等を含んで構成されていてもよい。又、上述の機械的な駆動源は、例えば、油圧装置を含んで構成されていてもよい。或いは、例えば、観察者による表示手段を視線に沿った方向に沿ってスライドさせる動作に伴う外力を利用することにより、複数の表示手段のうち少なくとも一つを手動で所望の位置へ移動させる構成であってもよい。
【0068】
又、表示処理手段が表示手段の最適或いは適切な移動先を示す情報を、例えば表示装置に表示することで、観察者が当該情報に基づいて表示手段を外力により移動させるように構成してもよい。
【0069】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち、少なくとも前記観察者の側から見て最も後方に配置された表示手段を除く表示手段は、半透明な表示デバイスからなる。
【0070】
この態様によれば、観察者の側から見て前方に配置された表示手段を通して、該前方に配置された表示手段の後方に配置された表示手段に表示された画像を視覚することが可能となり、観察者の視線上に直接、その表示手段を配置することが可能となる。
【0071】
上述の如く半透明の表示デバイスを含む表示装置の態様では、前記半透明の表示デバイスは、液晶表示デバイス又はエレクトロルミネッセンス表示デバイスであるように構成してもよい。
【0072】
このように構成すれば、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスといった、半透明のパネル状の表示手段を用いて、立体的な画像を表示することが可能となる。
【0073】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段は、ハーフミラーにより合成される少なくとも一つの表示手段を含む。
【0074】
この態様によれば、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段は観察者の視線上に直接配置されることはなく、ハーフミラーを介して画像が合成される。従って表示手段として光透過性を有しないものも用いることが可能となり、例えばブラウン管表示デバイス、プラズマ表示デバイス或いは電界電子放出表示デバイス等を利用することが可能となる。
【0075】
尚、ハーフミラーにより合成される表示手段は、当該表示手段が観察者の視線上において視覚される像面を、観察者の視線上に配置される表示手段とみなして、上述の実施の形態の各種態様を採用してもよい。
【0076】
本発明の表示方法に係る実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を算出する倍率算出工程と、前記算出された所定の倍率にて前記一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に拡大又は縮小する表示工程とを備える。
【0077】
本発明の表示方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の表示装置に係る実施形態の場合と同様に、複数の表示手段に対応して表示される立体表示用の画像が、観察者の視線上において重ねて表示されるように、複数の表示手段に係る表示面のうち少なくとも一つの表示面を所定の倍率にて拡大又は縮小することが可能である。所定の倍率は、倍率算出工程によって、例えばマイコン等により算出可能である。これにより、観察者が移動しても或いは観察者の位置によらず、当該観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0078】
尚、上述した本発明の表示装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の表示方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0079】
本発明の表示方法に係る実施形態の一の態様では、前記観察者の位置を検出する位置検出工程を更に備え、前記倍率算出工程は、前記検出された位置に応じて前記所定の倍率を算出する。
【0080】
この態様によれば、位置検出工程は、例えば、シートのスライド量からドライバーの位置を検出したり、リモートセンサ等により観察者の位置を検出することが可能であり、倍率算出工程は、検出された観察者の位置に応じて、複数の表示手段における表示部のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を算出可能である。従って、本実施形態に係る表示方法において、観察者を介在させることなく、表示面を拡大又は縮小することが可能となる。これにより、観察者は、観察者の移動に伴ってなされる調整等を意識することなく、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0081】
以上説明したように本発明の表示装置に係る実施形態によれば、複数の表示手段及び表示処理手段を備えている。また、本発明の表示方法に係る実施形態によれば、倍率算出工程及び表示工程を備えている。このため、複数の表示手段に係る表示面のうち少なくとも一つの表示面を所定の倍率にて拡大又は縮小することが可能となる。又、観察者の移動、外部入力等に基づき、観察者にとって適した画像となるように表示面を拡大又は縮小することが可能となる。この結果、観察者が移動することによっても或いは観察者の観察位置によらず、立体表示用の画像を観察者の視線上において適切に重ねて表示可能となる。また、本発明の実施形態によれば、動画或いは静止画にかかわらず、同様の効果、即ち、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0082】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0083】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の表示装置に係る実施例を説明する。
【0084】
(第1実施例)
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施例に係る表示装置の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の第1実施例に係る表示装置の構成を示すブロック図であり、図2は、第1実施例に係る画像表示部の他の構成について示した光学系の図式的な断面図である。
【0085】
図1に示すように表示装置1は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、観察者の指示を与える外部入力部40と、表示装置1の全体制御を行う制御部17とを備えて構成されている。
【0086】
前画面11及び後画面12は、表示装置1の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11は前方に配置され、後画面12は後方に配置されている。前画面11は、後方にある後画面12の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスが用いられる。又、後方に配置される後画面12は、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス或いは電界電子放出表示デバイスであってもよい。
【0087】
これら前画面11及び後画面12の夫々は、画像を表示する領域である表示面を有している。係る表示面の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11及び後画面12の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。
【0088】
尚、表示面は、前画面11或いは後画面12の少なくとも一部の領域を、立体表示用の画像を表示する領域として占めている。或いは、前画面11及び後画面12の全部の領域を占めていてもよい。
【0089】
又、図1に示すように、後画面12の大きさは、前画面11の大きさよりも大きいことが好ましい。但し、後画面12の大きさが、前画面11の大きさよりも大きくなくとも、本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることは可能である。
【0090】
尚、前画面11として液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いる他に、光透過性のないブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス或いは電界電子放出表示デバイスを用いる構成を採ることも可能である。即ち、図2に示すように、前画面11を後画面12に対して視線Lを遮らないように配置し、観察者の視線上にハーフミラー18を設け、このハーフミラー18の角度を前画面11に表示される画像が後画面12に表示される画像に重なるように定めることで、光透過性のない表示装置を画像表示部に導入することが可能となる。
【0091】
再び図1において、画像発生部14は、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生し、記憶している。又、外部から入力される画像、例えばパソコン等で作成された画像を所定の記録エリアに記録しておき、必要に応じて読み出すようにしても良い。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面11及び後画面12の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ、色相、表示形態、画像変形或いは画像を表示する領域たる表示面の大きさ等についても個別に制御可能である。又、これらの制御は、制御部17の指示によっても行われる。
【0092】
第一駆動部15及び第二駆動部16は、前画面11及び後画面12を夫々表示駆動するためのものであり、画像発生部14で形成された前画面11又は後画面12用の画像信号に基づいて表示駆動する。制御部17の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0093】
本実施例では特に、外部入力部40は、例えばリモコン、コントローラ或いはパネルスイッチ等を含んで構成されている。外部入力部40は、前画面11或いは後画面12の表示面の大きさを拡大又は縮小する旨の観察者の指示を制御部17に与えることが可能である。或いは、前画面11の表示面に表示されている画像或いは後画面12の表示面に表示されている画像の大きさを拡大又は縮小する旨の観察者の指示を制御部17に与えることが可能である。外部入力部40は、予め定められた矢印ボタン操作やダイヤル操作等により、このような「指示」を示す操作信号を、無線又は有線により、制御部17に備えられた受信部や入力インタフェースに向けて送信するように構成されている。
【0094】
本発明に係る「表示処理手段」の一例たる制御部17は、例えばマイコン等から構成されており、表示装置1の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。加えて、外部入力部40からの指示を画像発生部14に出力する。
【0095】
次に、図3から図7を参照して、第1実施例に係る表示装置1の動作原理について説明する。ここに、図3は、第1実施例に係る表示装置と観察者との関係を概念的に示した模式図であり、図4は、図3の状態から観察者が移動した様子を概念的に示した模式図であり、図5は、後画面12の表示面の拡大後の様子を示す模式図であり、図6は、後画面12の表示面の大きさを拡大する具体例を概念的に示した模式図であり、図7は、後画面12の表示面に表示されている画像を拡大する具体例を概念的に示した模式図である。
【0096】
図3に示すように、観察者の視線上に相前後して前画面11及び後画面12が配置されている。前画面11は表示面11dを有し、後画面12は表示面12dを有しており、それらは観察者の視線上で重なるような大きさで調整されている。即ち、観察者は、表示面11dに表示されている画像11pと、表示面12dに表示されている画像12pとを、観察者の視線上において適切に重ねて視覚することが可能である。
【0097】
又、後画面12は、外部入力部40による観察者の指示に応じて、表示面12dの大きさを適宜拡大又は縮小することが可能に構成されている。尚、前画面11も、外部入力部40による観察者の指示に応じて、表示面11dの大きさを適宜拡大又は縮小することが可能に構成されていてもよい。
【0098】
図4に示すように、観察者が表示装置1に対して近づいたとする。この場合、観察者と、画像11p(即ち、表示面11d)及び12p(即ち、表示面12d)の夫々との間の距離が変化することになる。従って、観察者から見た前画面11及び後画面12の夫々に表示されている画像の大きさが変化することになる。このため、移動後の観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に表示されている画像を、視線上において適切に重ねて視覚することができなくなる。
【0099】
そこで、観察者は、リモコン等からなる外部入力部40により、例えば、表示面12dを所望の倍率で拡大する旨の指示を制御部17へ送る。制御部17は、観察者からの指示により、画像表示部14に表示面12dを拡大する旨の制御信号を出力する。係る制御信号を受け取った画像表示部14は、後画面12に関する画像信号のうち、表示面12dの大きさを示す画像信号を書き換えて、第二駆動部16に画像信号を出力する。第二駆動部16は、受け取った信号に基づいて、後画面12を表示駆動する。
【0100】
これにより、図5に示すように、移動後の観察者の視線上において、表示面11d及び表示面12dが重ねて視覚可能となる。即ち、表示面の拡大共に表示面に表示されている画像も拡大しているため、画像11p及び画像12pを視線上にて再び重ねて視覚することが可能となる。従って、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0101】
尚、上述のように、表示面11d(或いは、前画面11)を基準として表示面12d(或いは、後画面12)を拡大する旨の指示でなくとも、表示面12dを基準として表示面11dを縮小する旨の指示であってもよい。或いは、表示面11d及び表示面12dの双方を拡大或いは縮小する旨の指示であってもよい。
【0102】
ここで、表示面12dを拡大する様子を説明する。
【0103】
図6に示すように、図6中鎖線で示す表示面12d−1には、何れも図6中鎖線で示す画像12pa−1及び画像12pb−1が表示されている。ここで、表示面12d−1を所定の倍率で拡大することで、拡大後の表示面12d−2が得られたとする。表示面12d−1の拡大と共に、画像12pa−1及び画像12pb−1も同時に所定の倍率で拡大され、夫々画像12pa−2及び画像12pb−2となる。
【0104】
或いは、表示面12dを拡大しなくとも、図7に示すように、表示面12dに表示されている画像12pを拡大しても、表示面12dを拡大するのと同様の結果を得ることが可能である。
【0105】
図7に示すように、表示面12dには、画像12pa−1及び画像12pb−1が表示されている。ここで、外部入力部40により、画像12pa−1を所定の倍率で拡大し、且つ画像12pb−1を所定の倍率で拡大する旨の指示を制御部17に送る。これにより、夫々の画像が拡大される。即ち、拡大後の画像12pa−2及び画像12pb−2が得られ、図6に示す拡大後の状態と同一の結果が得られる。
【0106】
いずれによっても、第1実施例によれば、表示面11d及び12d(或いは、画像11p及び12p)を、観察者の所望の倍率にて拡大することが可能である。従って、観察者は、自分の位置に応じて、好ましくはリモコン操作によって立体画像を見ながら、立体感が的確に得られるように表示面11d及び表示面12d少なくとも一方を拡大又は縮小することが可能となる。
【0107】
(第2実施例)
図8を参照して本発明の第2実施例に係る表示装置の基本構成について説明する。本実施例は、観察者の位置に変化が生じた場合において、移動後の観察者の位置を検出して、その検出された位置に応じて自動的に後画面12の表示面12dを拡大又は縮小するものである。ここに、図8は、本発明の第2実施例に係る表示装置2の構成を示すブロック図である。尚、図8において、上述した第1実施例と同様の構成要素には、同様の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0108】
図8に示すように、表示装置2は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、観察者の位置を検出する位置検出部31と、表示装置2の全体制御を行う制御部17aとを備えて構成されている。
【0109】
第2実施例に係る表示装置2では特に、位置検出部31は、例えばリモートセンサ等を含んでおり、観察者の位置を検出する。加えて、検出した観察者の位置を制御部17aに出力する。観察者と表示装置2との位置関係が変化した場合や観察者が表示装置2の観察を開始する場合は、位置関係が変化した後の観察者の位置を検出し、検出した位置を制御部17aに出力する。尚、位置検出部31は、例えば、表示装置2が、カーナビゲーションの表示装置の場合には、リモートセンサ等に代えて、シートの位置を検出する装置から構成されてもよい。この場合には、シートの移動位置から観察者の位置を検出することで、同種の作用効果が得られる。
【0110】
本発明に係る「表示処理手段」の一例たる制御部17aは、表示装置2の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。又、位置検出部31の動作も制御する。
【0111】
本実施例では特に、制御部17aは、倍率算出部170を備えている。倍率算出部170は、位置検出部31より入力される観察者の位置に基づいて、例えば、観察者の位置を変数とする予め定められた関数により、観察者の視線上で前画面11及び後画面12に表示される立体表示用の画像が重ねて表示されるように、表示面11d或いは表示面12dを、拡大或いは縮小するための所定の倍率を算出する。加えて、算出された所定の倍率にて表示面11d或いは表示面12dを拡大或いは縮小させる旨の制御信号Sdを画像発生部14に出力する。
【0112】
尚、第1実施例と同様に、表示面を拡大又は縮小することなく、表示面に表示されている画像を拡大又は縮小する場合であっても、倍率算出部170は夫々の画像の倍率を算出可能に構成されている。
【0113】
次に、図9を参照して、第2実施例に係る表示装置2の動作原理について説明する。ここに、図9は、第2実施例に係る表示装置2と観察者との位置関係を示す模式図である。尚、図9においては、表示面11d及び表示面12dのみを抜き出して、他の構成要素を省略して説明する。
【0114】
図9に示すように、表示面11d及び表示面12dは、間隔Δxを隔てて観察者の視線上に相前後して配置されている。又、観察者は、表示面11dから(即ち、表示装置2から)距離xを隔てて存在している。ここで、表示面11dの大きさと表示面12dの大きさとの関係は、表示面11d及び観察者の距離と、表示面12d及び観察者の距離との関係と同様の関係にあれば、観察者から見て表示面11d及び表示面12dを視線上において重ねて表示可能である。即ち、表示面11dの大きさをS1、表示面12dの大きさをS2とすると、xとS1との比が、x+ΔxとS2との比と同一となればよい。このため、x:S1=x+Δx:S2の関係が成立する。従って、前画面11d及び後画面12dの関係は、S2=((x+Δx)/x)×S1となる。即ち、表示面12dの大きさS2は、表示面11dの大きさS1の(x+Δx)/x倍となっていれば、係る表示面11d及び表示面12dに表示されている画像を、観察者の視線上で重ねて表示することが可能となる。或いは、言い換えれば、表示面11dの大きさS1が、表示面12dの大きさS2のx/(x+Δx)倍となっていればよい。
【0115】
従って、倍率算出部170は、上述の数式に基づき、移動後の観察者に適切な画像を表示可能なように、表示面11d及び12dの倍率を算出可能である。
【0116】
例えば、観察者が表示装置から1.0mの位置に存在しており、前画面11及び後画面12の間隔が0.12mであったとする。ここで、観察者が、0.2mだけ表示装置から遠ざかったとする。この場合、位置検出部31は、移動後の観察者の位置を検出し、1.2mであることを認識する。検出した距離は、制御部17aに出力され、倍率算出部170が所定の倍率を算出する。ここで、表示面11dを固定して、表示面12dを拡大又は縮小するとする。倍率算出部170は、上述の数式に基づき、所定の倍率として、(1.2+0.12)/1.2=1.1倍を算出する。即ち、表示面12dは、表示面11dの1.1倍の大きさを有していれば、移動後の観察者の視線上において表示面11d及び表示面12dを重ねて表示可能となる。倍率算出部170は、該算出した倍率を含む制御信号Sdを画像表示部14に出力し、適切な大きさの表示面12dを表示出力する。
【0117】
尚、表示面12d(即ち、後画面12)を基準として表示面11d(即ち、前画面11)を拡大又は縮小してもよい。或いは、表示面11d及び表示面12dの双方を夫々拡大又は縮小してもよい。この場合は、夫々拡大又は縮小した後の表示面11d及び表示面12dが、上述の数式(即ち、S2=((x+Δx)/x)×S1)を満たすように、夫々を拡大又は縮小すればよい。
【0118】
尚、第1実施例と同様に、画像単位で拡大又は縮小してもよい。
【0119】
以上の結果、第2実施例によれば、観察者が表示装置2に対して視線に沿った方向に移動しても、或いは観察者と表示装置2との位置関係(即ち、例えば観察者と表示装置2との距離関係)によらずに、表示面11d及び表示面12dのうち少なくとも一つを拡大又は縮小することで、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。しかも、位置検出部31により検出された観察者の位置に応じて、表示面11d或いは表示面12dを拡大又は縮小することで、自動的に画像を移動させることが可能となる。
【0120】
尚、第2実施例において、位置検出部31及び倍率算出部170による表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小に加えて、第1実施例の如く外部入力部40による拡大又は縮小する旨の指示により、表示面11d或いは表示面12dを拡大又は縮小するように構成してもよい。
【0121】
(第3実施例)
図10を参照して、本発明の第3実施例に係る表示装置の基本構成及び動作原理について説明する。本実施例は、観察者の位置に変化が生じた場合に、移動後の観察者の位置を検出して、その検出された位置に応じて自動的に後画面12の表示面12dを拡大又は縮小し、これに加えて前画面11および後画面12を観察者の視線方向に沿って自動的に移動させるものである。ここに、図10は、本発明の第3実施例に係る表示装置3の構成を示すブロック図である。尚、図10において、上述した第1及び第2実施例と同様の構成要素には、同様の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0122】
図10に示すように、表示装置3は、前画面11aと、前画面11aの後方に配置された後画面12aと、前画面11a及び後画面12aに表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11aに表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12aに表示する第二駆動部16と、観察者の位置を検出する位置検出部31と、表示装置3の全体制御を行う制御部17bとを備えて構成されている。
【0123】
前画面11a及び後画面12aは、表示装置3の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11aは前方に配置され、後画面12aは後方に配置されている。前画面11aは、後方にある後画面12aの画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスが用いられる。又、後方に配置される後画面12aは、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス或いは電界電子放出デバイスであってもよい。
【0124】
これら前画面11a及び後画面12aの夫々は、画像を表示する領域である表示面を有している。係る表示面の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11a及び後画面12aの間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。
【0125】
尚、表示面は、前画面11a或いは後画面12aの少なくとも一部の領域を、立体表示用の画像を表示する領域として占めている。或いは、前画面11及び後画面12の全部の領域を占めていてもよい。
【0126】
又、図10に示すように、後画面12aの大きさは、前画面11aの大きさよりも大きいことが好ましい。但し、後画面12aの大きさが、前画面11aの大きさよりも大きくなくとも、本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることは可能である。或いは、後画面12aの表示面の大きさが、前画面11aの表示面の大きさよりも大きくてもよい。但し、後画面12aの表示面の大きさが、前画面11aの表示面の大きさよりも大きくなくともよい。
【0127】
本実施例では特に、前画面11a及び後画面12aは観察者の視線に対して前方或いは後方に移動可能であり、その間隔を広げ或いは狭めることが可能である。尚、その具体的な構成については、後述する(図11参照)。
【0128】
本発明に係る「表示処理手段」の一例たる制御部17bは、表示装置3の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11a及び後画面12aの表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。加えて、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作並びに位置検出部31の動作も制御する。又、第2実施例と同様に、制御部17bは、倍率算出部170を備えている。
【0129】
本実施例では特に、制御部17bは間隔算出部171を備えている。間隔算出部171は、位置検出部31より入力される観察者の位置に基づいて、例えば、観察者の位置を変数とする予め定められた関数により、前画面11a及び後画面12aに表示される立体表示用の画像が重なるような前画面11a及び後画面12aの間隔(即ち、表示面11d及び表示面12dの間隔)を算出する。この場合、倍率算出部170と信号を相互に入出力し、表示面の拡大又は縮小との関係を考慮して、前画面11a及び後画面12aの適切な間隔を算出する。尚、その動作の詳細については後述する(図12参照)。そして、算出した間隔にて前画面11a及び後画面12aが配置されるように、夫々の画面を視線方向に対して移動させるための制御信号Smdを前画面11a或いは後画面12aに出力し、例えば後述のモータ等を制御する(図11参照)。
【0130】
続いて、図11を参照して、第3実施例に係る前画面11a及び後画面12aの移動に係る構成を示す。ここに、図11(a)は、前画面11a及び後画面12aの移動に係る部分の基本構成を示す概略的斜視図であり、図11(b)は、後画面12aを前画面11aに近づける例を概念的に示す模式図であり、図11(c)は、後画面12aを前画面11aから遠ざける例を概念的に示す模式図である。
【0131】
図11(a)の概略斜視図に示すように、第3実施例に係る表示装置3の前画面11a及び後画面12aは観察者の視線に対して前方或いは後方に移動可能である。より具体的には、モータ211a、ギアベルト212a、モータ211b及びギアベルト212bを備えている。間隔算出部171は、モータ211a及びモータ211bの動作を制御するマイコン等を含んでなり、例えば上述の如く算出した前画面11a及び後画面12aの間隔より、例えば前画面11aの前後方向の移動量を算出可能に構成されている。或いは、後画面12aの前後方向の移動量を算出可能に構成されている。該算出した移動量をモータ動作量(即ち、回転量或いは印加電流)に変換し、前画面11a及び後画面12aに制御信号Smdを出力し、モータ211a及びモータ211bを動作させる。間隔算出部171は、本実施例のように複数のモータに共通の制御部として設けてもよいし、各モータそれぞれに一つの間隔算出部171を設けてもよい。即ち、制御部17b中に、複数の間隔算出部171を備える構成であってもよい。各モータに対しモータ211a及びギアベルト212aは、前画面11aを観察者の側から見て前後方向に移動させる。モータ211b及びギアベルト212bは、後画面12aを観察者の側から見て前後方向に移動させる。
【0132】
具体的には、間隔算出部171は、例えば、位置検出部31により検出された観察者の位置に基づいて、後に詳述するように例えば前画面11aの移動量を算出する。該算出した移動後の前画面11aの位置に基づいて、モータ211aの回転量を算出する。そして、例えば、回転量に応じた電流を流す旨の制御信号Smdを前画面11aに出力することによりモータ211aを制御し、その回転軸を回転させる。その回転はギアベルト212aにより、前後方向の移動力に変換される。ギアベルト212aは、前画面11aに固定されており、ギアベルト212aの移動と共に前画面11aも前後方向に移動する。
【0133】
これにより、モータ211aを動作させることにより前画面11aを前後方向に移動させ且つモータ211aを動作させずに回転軸を固定することにより所望の位置に固定可能に構成することが可能となる。尚、後画面12aにおいても同様の動作が可能である。従って、前画面11a及び後画面12aの間隔を調整することが可能となる。
【0134】
尚、上述のような構成に限られず、前画面11a或いは後画面12aを前後方向に移動させる構成であれば、他の構成をとってもよい。更に、モータ以外にも、油圧装置、電磁式アクチュエータ等の機械的駆動装置或いは電気的駆動装置によって、前画面11a及び後画面12aのうち少なくとも一方の位置を前後方向に物理的に移動させ且つ所望の位置に固定可能に構成されていてもよい。或いは、手動により前画面11aや後画面12aの前後方向の移動を実行可能なように構成されてもよい。例えば、前画面11a及び後画面12aを前後方向に移動可能に保持するレール或いはガイド、レール上の所望の位置にこれらを固定するストッパ等から構成してもよい。
【0135】
更に、前画面11a或いは後画面12aの移動及び固定は、例えば、観察者によるリモコンやパネルスイッチ等からなる外部入力部40による指示に従って行われてもよい。
【0136】
続いて、図11(b)に示すように、例えば、前画面11a及び後画面12aの間隔を狭くする場合、間隔算出部171は、後画面12aを観察者の側から見て前方に或いはこれに加えて又は代えて前画面11aを観察者の側から見て後方に移動させるような、前画面11a或いは後画面12aの移動量を算出する。該算出した移動量に基づき、モータ等を動作させることで前画面11a或いは後画面12aを移動させる。
【0137】
逆に、図11(c)に示すように、観察者が前画面11a及び後画面12aの間隔を広くする場合、間隔算出部171は、後画面12aを観察者の側から見て後方に或いはこれに加えて又は代えて前画面11aを観察者の側から見て前方に移動させるような、前画面11a或いは後画面12aの移動量を算出する。該算出した移動量に基づき、モータ等を動作させることで前画面11a或いは後画面12aを移動させる。
【0138】
これにより、前画面11a及び後画面12aを所望の間隔に調整可能となる。
【0139】
次に、図12を参照して、第3実施例に係る表示装置3の動作原理について説明する。ここに、図12は、本実施例に係る表示装置3と観察者との位置関係を概念的に示す模式図である。
【0140】
図12に示すように、表示面11d及び表示面12dは、間隔Δxを隔てて観察者の視線上に相前後して配置されている。又、観察者は、表示面11dから(即ち、表示装置2から)距離xを隔てて存在している。ここで、第2実施例において説明したように、表示面12dの大きさは、表示面11dの大きさの(x+Δx)/x倍となっていれば、係る表示面11d及び表示面12dに表示されている画像を、観察者の視線上で重ねて表示することが可能となる。
【0141】
ここで、後画面12aの大きさ上の制約により、表示面12dを拡大可能な上限が定められていたとする。この場合、本来観察者の視線上において重ねて表示可能な大きさを有する表示面12dを実現できない場合が発生しうる。この場合、上述の数式(x+Δx)/xにおいて、Δxを変化させることで、後画面12aの制約に係る不都合を解消可能である。具体的に、以下に説明する。
【0142】
例えば、後画面12aが前画面11aの1.2倍の大きさしか有しておらず、観察者が前画面11aから(即ち、表示装置3から)4.0mの位置に存在しており、前画面11及び後画面12aが0.6mの距離を隔てて配置されており、且つ前画面11aの画面全体を表示面11dが占めていた(即ち、表示面11dは前画面11aの大きさと同一の大きさを有していた)とする。この場合、表示面12dは、表示面11dの1.2倍の大きさまでしか拡大できない。即ち、(x+Δx)/xによって示される倍率の上限は1.2となる。現時点では、表示面12dは、表示面11dの(4+0.6)/4=1.15倍となっており、後画面12aの大きさによる制約を満たしている。よって、この場合、観察者は、表示面11d及び表示面12dを視線上において重ねて視覚可能である。
【0143】
ここで、観察者が2.0m前方に移動したとする。即ち、表示装置3からの距離が2.0mになったとする。この場合の、表示面12dは、表示面11dの(2.0+0.6)/2=1.3倍となっていなければならない。しかしながら、後画面12aは前画面11aの1.2倍の大きさしか有していないため、表示面12dを表示面11dの1.3倍に拡大することは困難或いは不可能である。この場合、表示面11dを縮小することが一つの対応策として考えられる。しかしながら、観察者に視覚される表示面たる表示面11dを縮小すると、観察者が視覚する立体的な画像の大きさも同時に縮小することになる。このため、観察者に表示面の調整を意識させることのなく画像を表示させることを考慮すると好ましくない。
【0144】
従って、この場合、前画面11a及び後画面12aの間隔Δxを調整することが好ましい。この場合、制御部17b及び倍率算出部170により、表示面12dの大きさが表示面11dの大きさの1.2倍になるように、表示面12dを拡大しているものとする。従って、上述の数式より(2+Δx)/2=1.2という等式が成り立つ。従って、Δx=0.4mが算出される。係る間隔の算出は、間隔算出部171により行われる。そして、間隔算出部171は、算出した間隔に基づき、上述の如くモータの動作量を算出し、前画面11a及び後画面12aの間隔が0.4mとなるように前画面11a及び後画面12aのうち少なくとも一方に制御信号Smdを出力し、前画面11a及び後画面12aのうち少なくとも一方を移動させる。
【0145】
以上の結果、第3実施例によれば、観察者が表示装置3に対して視線に沿った方向に移動しても、或いは観察者と表示装置3との位置関係(即ち、例えば観察者と表示装置3との距離関係)によらずに、表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小に加えて、前画面11a及び後画面12aの間隔を変化させることで、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。しかも、位置検出部31により検出された観察者の位置に応じて、自動的に、表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小、並びに前画面11a及び後画面12aの間隔を調整することが可能となる。
【0146】
尚、第3実施例においても、位置検出部31を省略して、第1実施例の如く、外部入力部40を構成するリモコン操作やパネルスイッチ操作によって、制御部17bを介して表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小、並びに前画面11a及び後画面12aの間隔を調整するように構成してもよい。
【0147】
尚、第1、第2及び第3実施例においては、2つの画面11及び12(即ち、2つの表示手段)について説明したが、3つ以上の画面を有する表示装置であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0148】
本発明は、上述した実施形態或いは実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置に係る第1実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の表示装置に係る第1実施例の表示部の他の構成について示す概略的断面図である。
【図3】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理を概念的に示す模式図である。
【図4】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理を概念的に示す模式図である。
【図5】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理を概念的に示す模式図である。
【図6】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理に係る一の具体例を図式的に示す模式図である。
【図7】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理に係る他の具体例を図式的に示す模式図である。
【図8】本発明の表示装置に係る第2実施例の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の表示装置に係る第2実施例の動作原理を図式的に示す模式図である。
【図10】本発明の表示装置に係る第3実施例の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の表示装置に係る第3実施例における、前画面及び後画面の移動に係る動作原理を図式的に示す模式図である。
【図12】本発明の表示装置に係る第3実施例の動作原理を図式的に示す模式図である。
【符号の説明】
1、2、3・・・表示装置
11、11a・・・前画面
11d・・・表示面
11p・・・画像
12、12a・・・後画面
12d・・・表示面
12p・・・画像
14・・・画像発生部
15・・・第一駆動部
16・・・第二駆動部
17、17a、17b・・・制御部
18・・・ハーフミラー
31・・・位置検出部
40・・・外部入力部
170・・・倍率算出部
171・・・間隔算出部
211a、211b・・・モータ
212a、212b・・・ベルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示手段が観察者の視線方向に相前後して配置された表示装置であって、夫々の表示手段に表示する画像を制御して立体視することを可能とする表示装置及び方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体的な画像を表示することが可能な装置として種々の形態の表示装置が提案され、或いは実用化がなされている。例えば、電気的に書き換え可能であり、立体的な画像を表示することが可能な表示装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡方式はカメラで物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶フィールド時に左目用の液晶シャッタを透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶フィールドに左目用の画像を同期して表示することで、観察者は、右目用、左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体的な画像を視覚するものである。
【0003】
又、観察者の視線上に相前後して複数の表示装置を配置し、それらに表示される画像を重ねて見ることによって、奥行方向には離散的であるが、立体的な画像として視覚される表示装置がある。又、その離散的な状態を改善するために、表示装置の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体的な画像を表示することが可能となるように改良された表示装置がある。例えば、複数のハーフミラーを用いて複数の表示装置からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−115812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示装置を有する表示装置では、観察者が移動することによって、立体的な画像を視覚することが困難或いは不可能であるという問題が生じることがある。例えば、複数の表示装置の夫々には、標準的な観察位置に仮想的に存在する観察者の視線の広がりに対して適切な大きさを有する画像が表示されている。このため、実際の観察者の観察位置或いは観察者が表示装置に対して移動することで、それらの画像の、特に周辺部にずれが生じ、相前後して配置された複数の表示装置の各々に表示されている画像を重ねて視覚することが困難或いは不可能であるという技術的な問題点を有している。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、例えば観察者が表示装置に対して前後に移動しても、或いは観察者から表示装置までの距離によらずに当該観察者が立体的な画像を視覚することを可能ならしめる表示装置及び方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に所定の倍率にて拡大又は縮小する表示処理手段とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために請求項16に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を算出する倍率算出工程と、前記算出された所定の倍率にて前記一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に拡大又は縮小する表示工程とを備える。
【0009】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0011】
本発明の表示装置に係る実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に所定の倍率にて拡大又は縮小する表示処理手段とを備える。
【0012】
本発明の表示装置に係る実施形態によれば、その動作時には、観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示手段によって、観察者の側から見て相前後する表示手段の夫々の表示面に対応して表示される表示対象物に係る複数の画像(即ち、立体表示用の画像)を重ねて表示すれば、立体表示或いは三次元表示を行うことが可能となる。即ち、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。ここに、本発明に係る「観察者の視線上において重ねて表示」とは、文字通り均一に重なる場合の他、観察者が立体的な画像を視覚しうる程度に表示される重なりの程度で足りる趣旨である。又、本発明に係る「表示対象物に係る複数の画像」とは、同一の表示対象物に係る複数の画像に限らず、例えばカーナビゲーションシステムの表示装置において、重ねて表示される道路画像と、進行方向等を示す矢印の画像のように、異なる表示対象物に係る複数の画像をも含んだ趣旨である。又、本発明に係る「表示面」とは表示手段の画面の一部又は全部を占める、例えば所定の画像を表示している領域をいう。この場合、表示手段の「画面」とは、表示面が存在しうる最大の範囲をいうものであり、例えば、観察者が通常視覚する表示画面をいう。
【0013】
例えば、輝度変調型の立体表示であれば、二つの表示手段(即ち、二つの表示面)で表示される表示対象物に係る複数の画像についての輝度の割振によって、二つの表示手段間におけるいずれかの奥行位置に画像が存在するように見える、連続的な立体表示が可能となる。或いは、画像部分が、二つの表示手段のいずれかに表示されている離散的な立体表示が可能となる。更に、三つ以上の表示手段間のいずれかの位置に画像が存在するように見える、連続的又は離散的な立体表示も可能となる。
【0014】
本発明の表示装置に係る実施形態では特に、例えばマイコン等を含んでなる表示処理手段によって、複数の表示手段の夫々の表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小して表示することが可能である。即ち、表示面に表示されている画像を拡大又は縮小して表示することが可能である。
【0015】
例えば、本実施形態の表示装置には、基準となる観察位置(例えば、表示装置の正面から所定距離の位置等)に存在する観察者にとって、立体的な画像を視覚可能なように立体表示用の画像が表示されている。即ち、予め観察者の視線の広がり等を考慮して立体表示用の画像は、夫々適切な大きさを有して表示されている。
【0016】
ここで、観察者が基準となる観察位置から、観察者の視線に沿って前方或いは後方に移動した場合、観察者は、予め表示されていた立体表示用の画像をその視線上において重ねて視覚することができなくなる。即ち、移動後の観察者の位置においては、基準となる観察位置に対して適切に表示されている立体表示用の画像のままでは、立体的な画像を視覚することは困難或いは不可能である。
【0017】
しかるに、この場合、表示処理手段が、立体表示用の画像の夫々が表示されている表示面を拡大又は縮小することが可能である。係る表示面の拡大又は縮小と共に、係る表示面に表示されている画像も拡大又は縮小されることとなる。係る表示面の拡大又は縮小は、移動後の観察者の視線上において立体表示用の画像が適切に重なるように行われることが好ましい。即ち、移動後の観察者の視線の広がり等を考慮して、所定の倍率にて表示面が拡大又は縮小されることが好ましい。従って、移動後の或いは基準となる観察位置に存在しない観察者の視線上においても、立体表示用の画像を適切に重ねて表示することが可能となる。
【0018】
以上の結果、本実施形態に係る表示装置は、表示処理手段の動作により、観察者が移動することによっても、或いは観察者の観察位置によらず、立体表示用の画像を観察者の視線上において適切に重ねて表示可能となる。即ち、観察者は、その移動の前後において或いはその観察位置によらずに、適切に重なった立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0019】
尚、表示処理手段による表示面の拡大又は縮小は、例えば観察者の位置を自動的に検出して、例えばマイコン等によって自動的に行ってもよい。或いは、例えばリモコン等による外部からの観察者の指示に基づいて行ってもよい。
【0020】
或いは、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段を観察者の視線方向に沿って物理的に移動させても、表示面の拡大又は縮小と同様の効果を得ることが可能である。
【0021】
加えて、観察者が視線と交差する方向に移動した場合には、表示面もそれに応じて視線と交差する方向へ移動可能なように構成してもよい。或いは、画像を視線と交差する方向へ移動可能なように構成してもよい。この場合も、観察者の視線上において立体表示用の画像が適切に重なるように表示面の移動が行われることが好ましい。
【0022】
更に、本実施形態において、立体表示方式或いは三次元表示方式として、輝度変調方式の他、任意の立体表示方式或いは三次元表示方式を採用しても、上述の如き効果を得ることが可能である。
【0023】
本発明の表示装置に係る実施形態の一の態様では、前記観察者の位置を検出する位置検出手段を更に備えており、前記表示処理手段は、前記所定の倍率として前記検出された位置に応じて定まる倍率にて拡大又は縮小する。
【0024】
この態様によれば、例えば観察者が移動した場合であっても、位置検出手段を備えているため、移動後の観察者の位置を検出することが可能である。そして、検出された観察者の位置と表示対象物に係る複数の画像の位置関係から、移動後の観察者の視線上において表示対象物に係る複数の画像が重ねて表示可能な複数の表示面の大きさが定まる。従って、表示処理手段は、検出された観察者の位置に応じて複数の表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小することが可能である。係る表示面の拡大又は縮小によって、移動後の観察者の視線上において、表示対象物に係る複数の画像が適切に重なるように、該画像を適宜拡大又は縮小することが可能となる。
【0025】
この場合、表示処理手段は、例えば、複数の表示手段のうち一の表示手段に係る表示面を基準として、複数の表示手段のうち他の表示手段に係る表示面を拡大又は縮小してもよい。或いは、複数の表示手段の夫々に係る表示面を適宜拡大又は縮小してもよい。或いは、複数の表示手段の夫々に係る表示面に表示されている画像が、観察者の視線上において重ねて表示されるように、夫々の表示面を拡大又は縮小可能であれば、いずれの表示面を拡大又は縮小してもよい。
【0026】
更に、表示処理手段は、例えば、検出された観察者の位置を示す情報等を変数とする予め設定された関数によって、表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を演算等により算出するように構成してもよい。但し、関数でなくても、例えば、予め設定されたテーブルにより、検出された観察者の位置から所定の倍率に変換するように構成してもよい。
【0027】
これにより、移動後の観察者にとって、表示対象物に係る複数の画像を視線上において重ねて表示することが可能となり、観察者が移動しても或いは観察者と表示装置との位置関係によらず、観察者は特に画像の調整等を意識することなく立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0028】
より、具体的には例えば、本発明の実施形態に係る表示装置を備えたカーナビゲーションシステムにおいて、シートをスライドさせることにより、ドライバー(即ち、観察者)と表示装置との位置関係に変化が生じることとなる。この場合、位置検出手段は、例えば、シートのスライド量等からドライバーの位置を検出し、表示処理手段は、検出された観察者の位置に応じて、カーナビゲーションシステムの表示装置を構成している複数の表示手段が夫々有する表示面の各々を拡大又は縮小することが可能である。この結果、複数の表示手段に表示される立体表示用の画像が観察者の視線上において適切に重ねて表示されることとなり、ドライバーは、立体的な画像を視覚することが可能となる。又、夫々のドライバーごとにシートの位置が異なることがある。その場合にも、ドライバーがシートの位置を調整すると同時に、表示処理手段は、シートの位置に応じて、カーナビゲーションシステムの表示装置を構成している複数の表示手段が夫々有する表示面の各々を拡大又は縮小することが可能である。これにより、ドライバーは、表示装置の調整等を意識することなく、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0029】
上述の如く観察者の位置を検出する位置検出手段を備えた表示装置の態様では、前記位置検出手段は、前記観察者の位置を検出するリモートセンサを含むように構成してもよい。
【0030】
このように構成すれば、例えば、赤外線センサ、温度センサ、レーダ、イメージセンサ等を含んでなるリモートセンサにより比較的容易に観察者の位置或いは観察者の方向を検出することが可能となる。但し、位置検出手段はリモートセンサに限られることなく、観察者の位置或いは方向を検出することが可能なセンサであればよい。
【0031】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記一つの表示面を前記観察者の所望の倍率にて拡大又は縮小させる指示を外部から入力可能な外部入力手段を更に備え、前記表示処理手段は、前記指示に基づいて、前記一つの表示面を拡大又は縮小する。
【0032】
観察者等は、例えば、観察者の主観に応じた立体感の調整を望む場合、即ち、表示対象物に係る複数の画像が観察者の主観に適した程度に重ねて表示されることを望む場合がある。係る場合、本実施形態によれば、例えばリモコン等を含んで構成される外部入力手段により、複数の表示手段の夫々における表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小させる指示を表示処理手段に与えることが可能となる。又、当該一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を示す旨の指示を与えてもよい。表示処理手段は、観察者の指示に基づいて表示面を所定の倍率にて拡大又は縮小することが可能となる。これにより、表示対象物に係る複数の画像は、当該観察者にとってより好適に重ねて表示されることが可能となる。即ち、観察者にとってより好適で立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0033】
尚、外部入力手段により与える「所望の倍率」は、具体的な倍率の値を与えるものであってもよいし、或いは実際に表示面内に表示されている画像を視覚しながら、所望の大きさになるまで、適宜拡大又は縮小させる指示するものであってもよい。
【0034】
更に、例えば、観察者が表示装置を初めて使用する際に、例えば上述のように立体感を調整する画面等を用いた初期調整画面により、当該観察者に適した画像の重なりの程度を外部入力により指示してもよい。
【0035】
外部入力手段として、例えば、マウス等のポインティングデバイスやリモコン、コントローラ、十字キー、ボタン、音声入力装置等の各種の入力装置から構成可能である。更に、表示装置の前方に配置されたタッチパネルによって入力されてもよい。
【0036】
尚、表示処理手段が表示面を拡大又は縮小する際に考慮するものとして、本実施形態に係る外部入力手段による指示に加えて、観察者の位置がある。この場合、優先して考慮する一つを予め定めておいてもよい。又、予め定めていなくとも、その都度観察者に優先するものを外部入力手段による指示により指定させてもよい。
【0037】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち一の表示手段の画面の大きさが、前記観察者の側から見て前記一の表示手段の後方に配置された他の表示手段の画面の大きさよりも小さい。
【0038】
例えば、観察者の視線の先に、複数の表示手段のうち観察者の側から見て一の表示手段の後方(即ち、観察者から見て奥側或いは遠い方)に配置された他の表示手段の表示面が存在しないという状態が考えられる。係る状態は、例えば、観察者の視線の広がりが大きい場合、或いは一の表示手段の端部分に表示される画像を視覚する場合に特に顕著に示される。又、観察者の側から見てより後方に配置される表示手段には、より大きな画像が表示されるため、上述の如き状態は、より後方に配置された表示手段に対してより顕著に示される。従って、複数の表示手段の大きさが同一の場合には、観察者の視線の先には、本来配置されているべき表示手段が存在しないため、観察者は立体的な画像を視覚することができない場合がある。
【0039】
しかるに、本実施形態によれば、上述のような場合に、観察者の視線の広がり等を予め考慮しておき、他の表示手段の画面の大きさは、他の表示手段の前方(即ち、観察者から見て手前側或いは近い方)に配置される一の表示手段の画面の大きさよりも大きい。これにより、観察者が任意の方向から本実施形態に係る表示装置を視覚することとなっても、複数の表示手段が観察者の視線上に配置されているような状態を実現することが可能である。即ち、表示面は、画面の大きさまで拡大可能であるため、他の表示手段の表示面を、一の表示手段の表示面よりも大きい状態を実現可能となる。
【0040】
但し、一の表示手段の画面の大きさが、他の表示手段の画面の大きさよりも小さくなくとも、観察者は立体的な画像を相応に重ねて視覚することが可能である。この場合、例えば他の表示手段に係る表示面の大きさを固定し、一の表示手段に係る表示面を拡大又は縮小してもよい。
【0041】
或いは、予め一の表示手段の画面中、表示面となりうる領域を小さくしておいてもよい。即ち、表示面の最大の大きさを、画面の大きさよりも小さくしてもよい。これにより、他の表示手段の画面の大きさが仮に一の表示手段の画面と同一の大きさであったとしても上述の如き問題は生じることはない。即ち、一の表示手段と他の表示手段の夫々に、観察者の視線上で適切に重ねて表示可能な画像を表示することが可能となる。
【0042】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記表示処理手段は、前記複数の表示手段における表示面のうち、前記観察者の側から見て前記一つの表示面の前方に配置された他の表示面の大きさを固定し、前記一つの表示面を拡大又は縮小する。
【0043】
この態様によれば、表示処理手段が、複数の表示手段における表示面のうち少なくとも一つの表示面の前方(即ち、観察者の側から見て手前側或いは近い方)に配置された他の表示面を基準として、該一つの表示面を拡大又は縮小することによって、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において重ねて表示することが可能となる。これにより、拡大又は縮小する際の大きさに係る一つの基準を設けることで、比較的容易にして高精度で画像を重ねることができ、しかも表示処理手段の動作を簡略化することが可能となる。
【0044】
又、複数の表示手段のうち観察者に最も近い側に配置される表示手段に係る表示面(即ち、観察者が立体的な画像の正面として認識する画像を表示する表示面)を固定し、当該表示面を除く表示面を拡大又は縮小するようにしてもよい。これにより、表示処理手段が表示面を拡大又は縮小させていることを観察者に意識させることなく、表示面の拡大又は縮小が可能となる。即ち、より自然な状態で、観察者に立体的な画像を視覚させることが可能となる。
【0045】
上述の如く、一つの表示面の前方に配置された他の表示面の大きさを固定する表示装置の態様では、前記所定の倍率は、前記他の表示面に対する前記一つの表示面の倍率であって、前記観察者と前記他の表示面との距離をLとし、前記一つの表示面と前記他の表示面との距離をΔLとした場合に、(L+ΔL)/Lによって示されるように構成してもよい。
【0046】
このように構成すれば、予め定められた所定の倍率によって、比較的容易に少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小可能である。即ち、表示処理手段は、予め定められた所定の倍率を示す数式或いは関数によって、観察者の視線上で表示対象物に係る複数の画像を重ねて表示するための、夫々の表示面に係る適切な大きさを比較的容易に算出することが可能となる。
【0047】
この場合、一つの表示面の大きさと、他の表示面の大きさとの関係は、観察者及び他の表示面の距離(即ち、L)と、観察者及び一つの表示面の間の距離(即ち、L+ΔL)との関係に等しければ、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において重ねて表示可能である。従って、一つの表示面の大きさは、他の表示面の大きさの(L+ΔL)/L倍となっていることが好ましい。
【0048】
従って、表示処理手段は、少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小する場合には、他の表示面の(L+ΔL)/L倍となるように拡大又は縮小する。これにより、観察者は、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において適切に重ねて視覚可能となる。
【0049】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記表示処理手段は、前記観察者の側から見て前記一つの表示面の後方に配置された他の表示面の大きさを固定し、前記一つの表示面を拡大又は縮小する。
【0050】
この態様によれば、表示処理手段が、複数の表示手段における表示面のうち少なくとも一つの表示面の後方(即ち、観察者の側から見て奥側或いは遠い方)に配置された他の表示面を基準として、該一つの表示面を拡大又は縮小することによって、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において重ねて表示することが可能となる。これにより、拡大又は縮小する際の大きさに係る一つの基準を設けることで、比較的容易にして高精度で画像を重ねることができ、しかも表示処理手段の動作を簡略化することが可能となる。
【0051】
上述の如く、一つの表示面の後方に配置された他の表示面の大きさを固定する表示装置の態様では、前記所定の倍率は、前記他の表示面に対する前記一つの表示面の倍率であって、前記観察者と前記一つの表示面との距離をLとし、前記一つの表示面と前記他の表示面との距離をΔLとした場合に、L/(L+ΔL)によって示されるように構成してもよい。
【0052】
このように構成すれば、予め定められた所定の倍率によって、比較的容易に少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小可能である。即ち、表示処理手段は、予め定められた所定の倍率を示す数式或いは関数によって、観察者の視線上で表示対象物に係る複数の画像を重ねて表示するための、夫々の表示面に係る適切な大きさを比較的容易に算出することが可能となる。
【0053】
この場合、一つの表示面の大きさと、他の表示面の大きさとの関係は、観察者及び一つの表示面の距離(即ち、L)と、観察者及び他の表示面の間の距離(即ち、L+ΔL)との関係に等しければ、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において重ねて表示可能である。従って、一つの表示面の大きさは、他の表示面の大きさのL/(L+ΔL)倍となっていることが好ましい。
【0054】
従って、表示処理手段は、少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小する場合には、他の表示面のL/(L+ΔL)倍となるように拡大又は縮小する。これにより、観察者は、一つの表示面と他の表示面とを、視線上において適切に重ねて視覚可能となる。
【0055】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記表示処理手段は、前記一つの表示面を拡大又は縮小して表示することに代えて又は加えて、前記一つの表示面に表示されている前記複数の画像のうち少なくとも一つの画像を所定の倍率にて拡大又は縮小する。
【0056】
この態様によれば、一つの表示面に表示されている表示対象物に係る複数の画像のうち少なくとも一つ画像を拡大又は縮小することで、表示面の拡大又は縮小と同様の効果を得ることが可能である。
【0057】
更に、表示面の拡大又は縮小と共に行うことで、観察者の視線上において、画像単位でより適切に重ねて表示することが可能となる。即ち、例えば観察者の視線の広がり或いは表示面の位置による視覚性(或いは、見え方)の相違を考慮して、より適切な表示対象物に係る複数の画像を表示することが可能となる。
【0058】
これにより、観察者は、その視線上において、より適切に重なった立体表示用の画像を視覚することが可能となる。即ち、更に好適な立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0059】
又、画像単位での拡大又は縮小に加えて、画像の表示位置の変更或いは画像変形等を行うような構成としてもよい。
【0060】
上述の如く複数の画像のうち少なくとも一つの画像を拡大又は縮小する表示装置の態様では、前記表示処理手段は、前記複数の表示手段に供給される画像信号に対して信号処理を施すことにより前記一つの画像を前記所定の倍率にて拡大又は縮小するように構成してもよい。
【0061】
このように構成すれば、表示処理手段は、表示手段に表示される画像の実体情報を含む画像信号に対して、例えば当該画像の表示面内での表示倍率を示す信号を書き換える等の信号処理を行う。これにより、表示対象物に係る複数の画像を複数の表示手段に表示する工程での一つの処理として、比較的容易に画像を拡大又は縮小することが可能となる。
【0062】
或いは、上述の如く画像の表示位置の変更或いは画像変形等を行う場合であっても、画像信号に含まれる表示位置を示す信号、或いは画像の形状を示す信号等を書き換えるような構成をとることが可能である。
【0063】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段は前記視線方向に沿って移動可能であって、前記表示処理手段は、前記表示面を拡大又は縮小することに加えて、前記一つの表示手段を前記視線方向に沿って移動させる。
【0064】
この態様によれば、表示処理手段は、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段を観察者の視線方向に沿って、例えば電気的或いは機械的な駆動源の動作(或いは、動作により発生する駆動力)により又は手動により物理的に移動可能なように構成されている。従って、当該表示手段に表示される画像を観察者の視線方向に沿って移動させることが可能となる。加えて、例えば電気的或いは機械的な駆動源を停止状態に保つことにより又はストッパ等により所望の位置に表示手段を固定可能に構成されている。
【0065】
このため、観察者と少なくとも一つの表示手段との距離を変化させることで、観察者に視覚される当該表示手段に表示されている画像の、観察者が視覚する大きさを拡大又は縮小することが可能となる。即ち、上述の如き表示面の拡大又は縮小と同様の効果を得ることが可能となる。従って、当該画像を含む表示対象物に係る複数の画像が観察者の視線上において重ねて表示されている状態を保持することが可能となる。
【0066】
尚、観察者が、例えばスイッチの切替等により、電気的或いは機械的な駆動源の動作を開始或いは停止させることで、表示手段を所望の位置へ移動させるように構成してもよい。更に、表示処理手段が、例えば観察者の位置に応じて或いは外部入力による指示に基づいて、動力源或いは駆動源の動作の開始或いは停止を制御してもよい。表示処理手段が制御することにより、表示対象物に係る複数の画像が観察者の視線上において重ねて表示されるように、自動的に表示手段を移動させることが可能となる。
【0067】
上述の電気的な駆動源は、例えば、モータ又は電磁式アクチュエータ等を含んで構成されていてもよい。又、上述の機械的な駆動源は、例えば、油圧装置を含んで構成されていてもよい。或いは、例えば、観察者による表示手段を視線に沿った方向に沿ってスライドさせる動作に伴う外力を利用することにより、複数の表示手段のうち少なくとも一つを手動で所望の位置へ移動させる構成であってもよい。
【0068】
又、表示処理手段が表示手段の最適或いは適切な移動先を示す情報を、例えば表示装置に表示することで、観察者が当該情報に基づいて表示手段を外力により移動させるように構成してもよい。
【0069】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち、少なくとも前記観察者の側から見て最も後方に配置された表示手段を除く表示手段は、半透明な表示デバイスからなる。
【0070】
この態様によれば、観察者の側から見て前方に配置された表示手段を通して、該前方に配置された表示手段の後方に配置された表示手段に表示された画像を視覚することが可能となり、観察者の視線上に直接、その表示手段を配置することが可能となる。
【0071】
上述の如く半透明の表示デバイスを含む表示装置の態様では、前記半透明の表示デバイスは、液晶表示デバイス又はエレクトロルミネッセンス表示デバイスであるように構成してもよい。
【0072】
このように構成すれば、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスといった、半透明のパネル状の表示手段を用いて、立体的な画像を表示することが可能となる。
【0073】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段は、ハーフミラーにより合成される少なくとも一つの表示手段を含む。
【0074】
この態様によれば、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段は観察者の視線上に直接配置されることはなく、ハーフミラーを介して画像が合成される。従って表示手段として光透過性を有しないものも用いることが可能となり、例えばブラウン管表示デバイス、プラズマ表示デバイス或いは電界電子放出表示デバイス等を利用することが可能となる。
【0075】
尚、ハーフミラーにより合成される表示手段は、当該表示手段が観察者の視線上において視覚される像面を、観察者の視線上に配置される表示手段とみなして、上述の実施の形態の各種態様を採用してもよい。
【0076】
本発明の表示方法に係る実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を算出する倍率算出工程と、前記算出された所定の倍率にて前記一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に拡大又は縮小する表示工程とを備える。
【0077】
本発明の表示方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の表示装置に係る実施形態の場合と同様に、複数の表示手段に対応して表示される立体表示用の画像が、観察者の視線上において重ねて表示されるように、複数の表示手段に係る表示面のうち少なくとも一つの表示面を所定の倍率にて拡大又は縮小することが可能である。所定の倍率は、倍率算出工程によって、例えばマイコン等により算出可能である。これにより、観察者が移動しても或いは観察者の位置によらず、当該観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0078】
尚、上述した本発明の表示装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の表示方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0079】
本発明の表示方法に係る実施形態の一の態様では、前記観察者の位置を検出する位置検出工程を更に備え、前記倍率算出工程は、前記検出された位置に応じて前記所定の倍率を算出する。
【0080】
この態様によれば、位置検出工程は、例えば、シートのスライド量からドライバーの位置を検出したり、リモートセンサ等により観察者の位置を検出することが可能であり、倍率算出工程は、検出された観察者の位置に応じて、複数の表示手段における表示部のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を算出可能である。従って、本実施形態に係る表示方法において、観察者を介在させることなく、表示面を拡大又は縮小することが可能となる。これにより、観察者は、観察者の移動に伴ってなされる調整等を意識することなく、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0081】
以上説明したように本発明の表示装置に係る実施形態によれば、複数の表示手段及び表示処理手段を備えている。また、本発明の表示方法に係る実施形態によれば、倍率算出工程及び表示工程を備えている。このため、複数の表示手段に係る表示面のうち少なくとも一つの表示面を所定の倍率にて拡大又は縮小することが可能となる。又、観察者の移動、外部入力等に基づき、観察者にとって適した画像となるように表示面を拡大又は縮小することが可能となる。この結果、観察者が移動することによっても或いは観察者の観察位置によらず、立体表示用の画像を観察者の視線上において適切に重ねて表示可能となる。また、本発明の実施形態によれば、動画或いは静止画にかかわらず、同様の効果、即ち、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0082】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0083】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の表示装置に係る実施例を説明する。
【0084】
(第1実施例)
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施例に係る表示装置の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の第1実施例に係る表示装置の構成を示すブロック図であり、図2は、第1実施例に係る画像表示部の他の構成について示した光学系の図式的な断面図である。
【0085】
図1に示すように表示装置1は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、観察者の指示を与える外部入力部40と、表示装置1の全体制御を行う制御部17とを備えて構成されている。
【0086】
前画面11及び後画面12は、表示装置1の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11は前方に配置され、後画面12は後方に配置されている。前画面11は、後方にある後画面12の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスが用いられる。又、後方に配置される後画面12は、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス或いは電界電子放出表示デバイスであってもよい。
【0087】
これら前画面11及び後画面12の夫々は、画像を表示する領域である表示面を有している。係る表示面の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11及び後画面12の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。
【0088】
尚、表示面は、前画面11或いは後画面12の少なくとも一部の領域を、立体表示用の画像を表示する領域として占めている。或いは、前画面11及び後画面12の全部の領域を占めていてもよい。
【0089】
又、図1に示すように、後画面12の大きさは、前画面11の大きさよりも大きいことが好ましい。但し、後画面12の大きさが、前画面11の大きさよりも大きくなくとも、本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることは可能である。
【0090】
尚、前画面11として液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いる他に、光透過性のないブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス或いは電界電子放出表示デバイスを用いる構成を採ることも可能である。即ち、図2に示すように、前画面11を後画面12に対して視線Lを遮らないように配置し、観察者の視線上にハーフミラー18を設け、このハーフミラー18の角度を前画面11に表示される画像が後画面12に表示される画像に重なるように定めることで、光透過性のない表示装置を画像表示部に導入することが可能となる。
【0091】
再び図1において、画像発生部14は、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生し、記憶している。又、外部から入力される画像、例えばパソコン等で作成された画像を所定の記録エリアに記録しておき、必要に応じて読み出すようにしても良い。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面11及び後画面12の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ、色相、表示形態、画像変形或いは画像を表示する領域たる表示面の大きさ等についても個別に制御可能である。又、これらの制御は、制御部17の指示によっても行われる。
【0092】
第一駆動部15及び第二駆動部16は、前画面11及び後画面12を夫々表示駆動するためのものであり、画像発生部14で形成された前画面11又は後画面12用の画像信号に基づいて表示駆動する。制御部17の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0093】
本実施例では特に、外部入力部40は、例えばリモコン、コントローラ或いはパネルスイッチ等を含んで構成されている。外部入力部40は、前画面11或いは後画面12の表示面の大きさを拡大又は縮小する旨の観察者の指示を制御部17に与えることが可能である。或いは、前画面11の表示面に表示されている画像或いは後画面12の表示面に表示されている画像の大きさを拡大又は縮小する旨の観察者の指示を制御部17に与えることが可能である。外部入力部40は、予め定められた矢印ボタン操作やダイヤル操作等により、このような「指示」を示す操作信号を、無線又は有線により、制御部17に備えられた受信部や入力インタフェースに向けて送信するように構成されている。
【0094】
本発明に係る「表示処理手段」の一例たる制御部17は、例えばマイコン等から構成されており、表示装置1の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。加えて、外部入力部40からの指示を画像発生部14に出力する。
【0095】
次に、図3から図7を参照して、第1実施例に係る表示装置1の動作原理について説明する。ここに、図3は、第1実施例に係る表示装置と観察者との関係を概念的に示した模式図であり、図4は、図3の状態から観察者が移動した様子を概念的に示した模式図であり、図5は、後画面12の表示面の拡大後の様子を示す模式図であり、図6は、後画面12の表示面の大きさを拡大する具体例を概念的に示した模式図であり、図7は、後画面12の表示面に表示されている画像を拡大する具体例を概念的に示した模式図である。
【0096】
図3に示すように、観察者の視線上に相前後して前画面11及び後画面12が配置されている。前画面11は表示面11dを有し、後画面12は表示面12dを有しており、それらは観察者の視線上で重なるような大きさで調整されている。即ち、観察者は、表示面11dに表示されている画像11pと、表示面12dに表示されている画像12pとを、観察者の視線上において適切に重ねて視覚することが可能である。
【0097】
又、後画面12は、外部入力部40による観察者の指示に応じて、表示面12dの大きさを適宜拡大又は縮小することが可能に構成されている。尚、前画面11も、外部入力部40による観察者の指示に応じて、表示面11dの大きさを適宜拡大又は縮小することが可能に構成されていてもよい。
【0098】
図4に示すように、観察者が表示装置1に対して近づいたとする。この場合、観察者と、画像11p(即ち、表示面11d)及び12p(即ち、表示面12d)の夫々との間の距離が変化することになる。従って、観察者から見た前画面11及び後画面12の夫々に表示されている画像の大きさが変化することになる。このため、移動後の観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に表示されている画像を、視線上において適切に重ねて視覚することができなくなる。
【0099】
そこで、観察者は、リモコン等からなる外部入力部40により、例えば、表示面12dを所望の倍率で拡大する旨の指示を制御部17へ送る。制御部17は、観察者からの指示により、画像表示部14に表示面12dを拡大する旨の制御信号を出力する。係る制御信号を受け取った画像表示部14は、後画面12に関する画像信号のうち、表示面12dの大きさを示す画像信号を書き換えて、第二駆動部16に画像信号を出力する。第二駆動部16は、受け取った信号に基づいて、後画面12を表示駆動する。
【0100】
これにより、図5に示すように、移動後の観察者の視線上において、表示面11d及び表示面12dが重ねて視覚可能となる。即ち、表示面の拡大共に表示面に表示されている画像も拡大しているため、画像11p及び画像12pを視線上にて再び重ねて視覚することが可能となる。従って、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0101】
尚、上述のように、表示面11d(或いは、前画面11)を基準として表示面12d(或いは、後画面12)を拡大する旨の指示でなくとも、表示面12dを基準として表示面11dを縮小する旨の指示であってもよい。或いは、表示面11d及び表示面12dの双方を拡大或いは縮小する旨の指示であってもよい。
【0102】
ここで、表示面12dを拡大する様子を説明する。
【0103】
図6に示すように、図6中鎖線で示す表示面12d−1には、何れも図6中鎖線で示す画像12pa−1及び画像12pb−1が表示されている。ここで、表示面12d−1を所定の倍率で拡大することで、拡大後の表示面12d−2が得られたとする。表示面12d−1の拡大と共に、画像12pa−1及び画像12pb−1も同時に所定の倍率で拡大され、夫々画像12pa−2及び画像12pb−2となる。
【0104】
或いは、表示面12dを拡大しなくとも、図7に示すように、表示面12dに表示されている画像12pを拡大しても、表示面12dを拡大するのと同様の結果を得ることが可能である。
【0105】
図7に示すように、表示面12dには、画像12pa−1及び画像12pb−1が表示されている。ここで、外部入力部40により、画像12pa−1を所定の倍率で拡大し、且つ画像12pb−1を所定の倍率で拡大する旨の指示を制御部17に送る。これにより、夫々の画像が拡大される。即ち、拡大後の画像12pa−2及び画像12pb−2が得られ、図6に示す拡大後の状態と同一の結果が得られる。
【0106】
いずれによっても、第1実施例によれば、表示面11d及び12d(或いは、画像11p及び12p)を、観察者の所望の倍率にて拡大することが可能である。従って、観察者は、自分の位置に応じて、好ましくはリモコン操作によって立体画像を見ながら、立体感が的確に得られるように表示面11d及び表示面12d少なくとも一方を拡大又は縮小することが可能となる。
【0107】
(第2実施例)
図8を参照して本発明の第2実施例に係る表示装置の基本構成について説明する。本実施例は、観察者の位置に変化が生じた場合において、移動後の観察者の位置を検出して、その検出された位置に応じて自動的に後画面12の表示面12dを拡大又は縮小するものである。ここに、図8は、本発明の第2実施例に係る表示装置2の構成を示すブロック図である。尚、図8において、上述した第1実施例と同様の構成要素には、同様の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0108】
図8に示すように、表示装置2は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、観察者の位置を検出する位置検出部31と、表示装置2の全体制御を行う制御部17aとを備えて構成されている。
【0109】
第2実施例に係る表示装置2では特に、位置検出部31は、例えばリモートセンサ等を含んでおり、観察者の位置を検出する。加えて、検出した観察者の位置を制御部17aに出力する。観察者と表示装置2との位置関係が変化した場合や観察者が表示装置2の観察を開始する場合は、位置関係が変化した後の観察者の位置を検出し、検出した位置を制御部17aに出力する。尚、位置検出部31は、例えば、表示装置2が、カーナビゲーションの表示装置の場合には、リモートセンサ等に代えて、シートの位置を検出する装置から構成されてもよい。この場合には、シートの移動位置から観察者の位置を検出することで、同種の作用効果が得られる。
【0110】
本発明に係る「表示処理手段」の一例たる制御部17aは、表示装置2の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。又、位置検出部31の動作も制御する。
【0111】
本実施例では特に、制御部17aは、倍率算出部170を備えている。倍率算出部170は、位置検出部31より入力される観察者の位置に基づいて、例えば、観察者の位置を変数とする予め定められた関数により、観察者の視線上で前画面11及び後画面12に表示される立体表示用の画像が重ねて表示されるように、表示面11d或いは表示面12dを、拡大或いは縮小するための所定の倍率を算出する。加えて、算出された所定の倍率にて表示面11d或いは表示面12dを拡大或いは縮小させる旨の制御信号Sdを画像発生部14に出力する。
【0112】
尚、第1実施例と同様に、表示面を拡大又は縮小することなく、表示面に表示されている画像を拡大又は縮小する場合であっても、倍率算出部170は夫々の画像の倍率を算出可能に構成されている。
【0113】
次に、図9を参照して、第2実施例に係る表示装置2の動作原理について説明する。ここに、図9は、第2実施例に係る表示装置2と観察者との位置関係を示す模式図である。尚、図9においては、表示面11d及び表示面12dのみを抜き出して、他の構成要素を省略して説明する。
【0114】
図9に示すように、表示面11d及び表示面12dは、間隔Δxを隔てて観察者の視線上に相前後して配置されている。又、観察者は、表示面11dから(即ち、表示装置2から)距離xを隔てて存在している。ここで、表示面11dの大きさと表示面12dの大きさとの関係は、表示面11d及び観察者の距離と、表示面12d及び観察者の距離との関係と同様の関係にあれば、観察者から見て表示面11d及び表示面12dを視線上において重ねて表示可能である。即ち、表示面11dの大きさをS1、表示面12dの大きさをS2とすると、xとS1との比が、x+ΔxとS2との比と同一となればよい。このため、x:S1=x+Δx:S2の関係が成立する。従って、前画面11d及び後画面12dの関係は、S2=((x+Δx)/x)×S1となる。即ち、表示面12dの大きさS2は、表示面11dの大きさS1の(x+Δx)/x倍となっていれば、係る表示面11d及び表示面12dに表示されている画像を、観察者の視線上で重ねて表示することが可能となる。或いは、言い換えれば、表示面11dの大きさS1が、表示面12dの大きさS2のx/(x+Δx)倍となっていればよい。
【0115】
従って、倍率算出部170は、上述の数式に基づき、移動後の観察者に適切な画像を表示可能なように、表示面11d及び12dの倍率を算出可能である。
【0116】
例えば、観察者が表示装置から1.0mの位置に存在しており、前画面11及び後画面12の間隔が0.12mであったとする。ここで、観察者が、0.2mだけ表示装置から遠ざかったとする。この場合、位置検出部31は、移動後の観察者の位置を検出し、1.2mであることを認識する。検出した距離は、制御部17aに出力され、倍率算出部170が所定の倍率を算出する。ここで、表示面11dを固定して、表示面12dを拡大又は縮小するとする。倍率算出部170は、上述の数式に基づき、所定の倍率として、(1.2+0.12)/1.2=1.1倍を算出する。即ち、表示面12dは、表示面11dの1.1倍の大きさを有していれば、移動後の観察者の視線上において表示面11d及び表示面12dを重ねて表示可能となる。倍率算出部170は、該算出した倍率を含む制御信号Sdを画像表示部14に出力し、適切な大きさの表示面12dを表示出力する。
【0117】
尚、表示面12d(即ち、後画面12)を基準として表示面11d(即ち、前画面11)を拡大又は縮小してもよい。或いは、表示面11d及び表示面12dの双方を夫々拡大又は縮小してもよい。この場合は、夫々拡大又は縮小した後の表示面11d及び表示面12dが、上述の数式(即ち、S2=((x+Δx)/x)×S1)を満たすように、夫々を拡大又は縮小すればよい。
【0118】
尚、第1実施例と同様に、画像単位で拡大又は縮小してもよい。
【0119】
以上の結果、第2実施例によれば、観察者が表示装置2に対して視線に沿った方向に移動しても、或いは観察者と表示装置2との位置関係(即ち、例えば観察者と表示装置2との距離関係)によらずに、表示面11d及び表示面12dのうち少なくとも一つを拡大又は縮小することで、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。しかも、位置検出部31により検出された観察者の位置に応じて、表示面11d或いは表示面12dを拡大又は縮小することで、自動的に画像を移動させることが可能となる。
【0120】
尚、第2実施例において、位置検出部31及び倍率算出部170による表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小に加えて、第1実施例の如く外部入力部40による拡大又は縮小する旨の指示により、表示面11d或いは表示面12dを拡大又は縮小するように構成してもよい。
【0121】
(第3実施例)
図10を参照して、本発明の第3実施例に係る表示装置の基本構成及び動作原理について説明する。本実施例は、観察者の位置に変化が生じた場合に、移動後の観察者の位置を検出して、その検出された位置に応じて自動的に後画面12の表示面12dを拡大又は縮小し、これに加えて前画面11および後画面12を観察者の視線方向に沿って自動的に移動させるものである。ここに、図10は、本発明の第3実施例に係る表示装置3の構成を示すブロック図である。尚、図10において、上述した第1及び第2実施例と同様の構成要素には、同様の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0122】
図10に示すように、表示装置3は、前画面11aと、前画面11aの後方に配置された後画面12aと、前画面11a及び後画面12aに表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11aに表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12aに表示する第二駆動部16と、観察者の位置を検出する位置検出部31と、表示装置3の全体制御を行う制御部17bとを備えて構成されている。
【0123】
前画面11a及び後画面12aは、表示装置3の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11aは前方に配置され、後画面12aは後方に配置されている。前画面11aは、後方にある後画面12aの画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスが用いられる。又、後方に配置される後画面12aは、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス或いは電界電子放出デバイスであってもよい。
【0124】
これら前画面11a及び後画面12aの夫々は、画像を表示する領域である表示面を有している。係る表示面の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11a及び後画面12aの間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。
【0125】
尚、表示面は、前画面11a或いは後画面12aの少なくとも一部の領域を、立体表示用の画像を表示する領域として占めている。或いは、前画面11及び後画面12の全部の領域を占めていてもよい。
【0126】
又、図10に示すように、後画面12aの大きさは、前画面11aの大きさよりも大きいことが好ましい。但し、後画面12aの大きさが、前画面11aの大きさよりも大きくなくとも、本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることは可能である。或いは、後画面12aの表示面の大きさが、前画面11aの表示面の大きさよりも大きくてもよい。但し、後画面12aの表示面の大きさが、前画面11aの表示面の大きさよりも大きくなくともよい。
【0127】
本実施例では特に、前画面11a及び後画面12aは観察者の視線に対して前方或いは後方に移動可能であり、その間隔を広げ或いは狭めることが可能である。尚、その具体的な構成については、後述する(図11参照)。
【0128】
本発明に係る「表示処理手段」の一例たる制御部17bは、表示装置3の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11a及び後画面12aの表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。加えて、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作並びに位置検出部31の動作も制御する。又、第2実施例と同様に、制御部17bは、倍率算出部170を備えている。
【0129】
本実施例では特に、制御部17bは間隔算出部171を備えている。間隔算出部171は、位置検出部31より入力される観察者の位置に基づいて、例えば、観察者の位置を変数とする予め定められた関数により、前画面11a及び後画面12aに表示される立体表示用の画像が重なるような前画面11a及び後画面12aの間隔(即ち、表示面11d及び表示面12dの間隔)を算出する。この場合、倍率算出部170と信号を相互に入出力し、表示面の拡大又は縮小との関係を考慮して、前画面11a及び後画面12aの適切な間隔を算出する。尚、その動作の詳細については後述する(図12参照)。そして、算出した間隔にて前画面11a及び後画面12aが配置されるように、夫々の画面を視線方向に対して移動させるための制御信号Smdを前画面11a或いは後画面12aに出力し、例えば後述のモータ等を制御する(図11参照)。
【0130】
続いて、図11を参照して、第3実施例に係る前画面11a及び後画面12aの移動に係る構成を示す。ここに、図11(a)は、前画面11a及び後画面12aの移動に係る部分の基本構成を示す概略的斜視図であり、図11(b)は、後画面12aを前画面11aに近づける例を概念的に示す模式図であり、図11(c)は、後画面12aを前画面11aから遠ざける例を概念的に示す模式図である。
【0131】
図11(a)の概略斜視図に示すように、第3実施例に係る表示装置3の前画面11a及び後画面12aは観察者の視線に対して前方或いは後方に移動可能である。より具体的には、モータ211a、ギアベルト212a、モータ211b及びギアベルト212bを備えている。間隔算出部171は、モータ211a及びモータ211bの動作を制御するマイコン等を含んでなり、例えば上述の如く算出した前画面11a及び後画面12aの間隔より、例えば前画面11aの前後方向の移動量を算出可能に構成されている。或いは、後画面12aの前後方向の移動量を算出可能に構成されている。該算出した移動量をモータ動作量(即ち、回転量或いは印加電流)に変換し、前画面11a及び後画面12aに制御信号Smdを出力し、モータ211a及びモータ211bを動作させる。間隔算出部171は、本実施例のように複数のモータに共通の制御部として設けてもよいし、各モータそれぞれに一つの間隔算出部171を設けてもよい。即ち、制御部17b中に、複数の間隔算出部171を備える構成であってもよい。各モータに対しモータ211a及びギアベルト212aは、前画面11aを観察者の側から見て前後方向に移動させる。モータ211b及びギアベルト212bは、後画面12aを観察者の側から見て前後方向に移動させる。
【0132】
具体的には、間隔算出部171は、例えば、位置検出部31により検出された観察者の位置に基づいて、後に詳述するように例えば前画面11aの移動量を算出する。該算出した移動後の前画面11aの位置に基づいて、モータ211aの回転量を算出する。そして、例えば、回転量に応じた電流を流す旨の制御信号Smdを前画面11aに出力することによりモータ211aを制御し、その回転軸を回転させる。その回転はギアベルト212aにより、前後方向の移動力に変換される。ギアベルト212aは、前画面11aに固定されており、ギアベルト212aの移動と共に前画面11aも前後方向に移動する。
【0133】
これにより、モータ211aを動作させることにより前画面11aを前後方向に移動させ且つモータ211aを動作させずに回転軸を固定することにより所望の位置に固定可能に構成することが可能となる。尚、後画面12aにおいても同様の動作が可能である。従って、前画面11a及び後画面12aの間隔を調整することが可能となる。
【0134】
尚、上述のような構成に限られず、前画面11a或いは後画面12aを前後方向に移動させる構成であれば、他の構成をとってもよい。更に、モータ以外にも、油圧装置、電磁式アクチュエータ等の機械的駆動装置或いは電気的駆動装置によって、前画面11a及び後画面12aのうち少なくとも一方の位置を前後方向に物理的に移動させ且つ所望の位置に固定可能に構成されていてもよい。或いは、手動により前画面11aや後画面12aの前後方向の移動を実行可能なように構成されてもよい。例えば、前画面11a及び後画面12aを前後方向に移動可能に保持するレール或いはガイド、レール上の所望の位置にこれらを固定するストッパ等から構成してもよい。
【0135】
更に、前画面11a或いは後画面12aの移動及び固定は、例えば、観察者によるリモコンやパネルスイッチ等からなる外部入力部40による指示に従って行われてもよい。
【0136】
続いて、図11(b)に示すように、例えば、前画面11a及び後画面12aの間隔を狭くする場合、間隔算出部171は、後画面12aを観察者の側から見て前方に或いはこれに加えて又は代えて前画面11aを観察者の側から見て後方に移動させるような、前画面11a或いは後画面12aの移動量を算出する。該算出した移動量に基づき、モータ等を動作させることで前画面11a或いは後画面12aを移動させる。
【0137】
逆に、図11(c)に示すように、観察者が前画面11a及び後画面12aの間隔を広くする場合、間隔算出部171は、後画面12aを観察者の側から見て後方に或いはこれに加えて又は代えて前画面11aを観察者の側から見て前方に移動させるような、前画面11a或いは後画面12aの移動量を算出する。該算出した移動量に基づき、モータ等を動作させることで前画面11a或いは後画面12aを移動させる。
【0138】
これにより、前画面11a及び後画面12aを所望の間隔に調整可能となる。
【0139】
次に、図12を参照して、第3実施例に係る表示装置3の動作原理について説明する。ここに、図12は、本実施例に係る表示装置3と観察者との位置関係を概念的に示す模式図である。
【0140】
図12に示すように、表示面11d及び表示面12dは、間隔Δxを隔てて観察者の視線上に相前後して配置されている。又、観察者は、表示面11dから(即ち、表示装置2から)距離xを隔てて存在している。ここで、第2実施例において説明したように、表示面12dの大きさは、表示面11dの大きさの(x+Δx)/x倍となっていれば、係る表示面11d及び表示面12dに表示されている画像を、観察者の視線上で重ねて表示することが可能となる。
【0141】
ここで、後画面12aの大きさ上の制約により、表示面12dを拡大可能な上限が定められていたとする。この場合、本来観察者の視線上において重ねて表示可能な大きさを有する表示面12dを実現できない場合が発生しうる。この場合、上述の数式(x+Δx)/xにおいて、Δxを変化させることで、後画面12aの制約に係る不都合を解消可能である。具体的に、以下に説明する。
【0142】
例えば、後画面12aが前画面11aの1.2倍の大きさしか有しておらず、観察者が前画面11aから(即ち、表示装置3から)4.0mの位置に存在しており、前画面11及び後画面12aが0.6mの距離を隔てて配置されており、且つ前画面11aの画面全体を表示面11dが占めていた(即ち、表示面11dは前画面11aの大きさと同一の大きさを有していた)とする。この場合、表示面12dは、表示面11dの1.2倍の大きさまでしか拡大できない。即ち、(x+Δx)/xによって示される倍率の上限は1.2となる。現時点では、表示面12dは、表示面11dの(4+0.6)/4=1.15倍となっており、後画面12aの大きさによる制約を満たしている。よって、この場合、観察者は、表示面11d及び表示面12dを視線上において重ねて視覚可能である。
【0143】
ここで、観察者が2.0m前方に移動したとする。即ち、表示装置3からの距離が2.0mになったとする。この場合の、表示面12dは、表示面11dの(2.0+0.6)/2=1.3倍となっていなければならない。しかしながら、後画面12aは前画面11aの1.2倍の大きさしか有していないため、表示面12dを表示面11dの1.3倍に拡大することは困難或いは不可能である。この場合、表示面11dを縮小することが一つの対応策として考えられる。しかしながら、観察者に視覚される表示面たる表示面11dを縮小すると、観察者が視覚する立体的な画像の大きさも同時に縮小することになる。このため、観察者に表示面の調整を意識させることのなく画像を表示させることを考慮すると好ましくない。
【0144】
従って、この場合、前画面11a及び後画面12aの間隔Δxを調整することが好ましい。この場合、制御部17b及び倍率算出部170により、表示面12dの大きさが表示面11dの大きさの1.2倍になるように、表示面12dを拡大しているものとする。従って、上述の数式より(2+Δx)/2=1.2という等式が成り立つ。従って、Δx=0.4mが算出される。係る間隔の算出は、間隔算出部171により行われる。そして、間隔算出部171は、算出した間隔に基づき、上述の如くモータの動作量を算出し、前画面11a及び後画面12aの間隔が0.4mとなるように前画面11a及び後画面12aのうち少なくとも一方に制御信号Smdを出力し、前画面11a及び後画面12aのうち少なくとも一方を移動させる。
【0145】
以上の結果、第3実施例によれば、観察者が表示装置3に対して視線に沿った方向に移動しても、或いは観察者と表示装置3との位置関係(即ち、例えば観察者と表示装置3との距離関係)によらずに、表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小に加えて、前画面11a及び後画面12aの間隔を変化させることで、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。しかも、位置検出部31により検出された観察者の位置に応じて、自動的に、表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小、並びに前画面11a及び後画面12aの間隔を調整することが可能となる。
【0146】
尚、第3実施例においても、位置検出部31を省略して、第1実施例の如く、外部入力部40を構成するリモコン操作やパネルスイッチ操作によって、制御部17bを介して表示面11d或いは表示面12dの拡大又は縮小、並びに前画面11a及び後画面12aの間隔を調整するように構成してもよい。
【0147】
尚、第1、第2及び第3実施例においては、2つの画面11及び12(即ち、2つの表示手段)について説明したが、3つ以上の画面を有する表示装置であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0148】
本発明は、上述した実施形態或いは実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置に係る第1実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の表示装置に係る第1実施例の表示部の他の構成について示す概略的断面図である。
【図3】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理を概念的に示す模式図である。
【図4】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理を概念的に示す模式図である。
【図5】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理を概念的に示す模式図である。
【図6】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理に係る一の具体例を図式的に示す模式図である。
【図7】本発明の表示装置に係る第1実施例の動作原理に係る他の具体例を図式的に示す模式図である。
【図8】本発明の表示装置に係る第2実施例の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の表示装置に係る第2実施例の動作原理を図式的に示す模式図である。
【図10】本発明の表示装置に係る第3実施例の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の表示装置に係る第3実施例における、前画面及び後画面の移動に係る動作原理を図式的に示す模式図である。
【図12】本発明の表示装置に係る第3実施例の動作原理を図式的に示す模式図である。
【符号の説明】
1、2、3・・・表示装置
11、11a・・・前画面
11d・・・表示面
11p・・・画像
12、12a・・・後画面
12d・・・表示面
12p・・・画像
14・・・画像発生部
15・・・第一駆動部
16・・・第二駆動部
17、17a、17b・・・制御部
18・・・ハーフミラー
31・・・位置検出部
40・・・外部入力部
170・・・倍率算出部
171・・・間隔算出部
211a、211b・・・モータ
212a、212b・・・ベルト
Claims (17)
- 観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段と、
前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に所定の倍率にて拡大又は縮小する表示処理手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記観察者の位置を検出する位置検出手段を更に備えており、
前記表示処理手段は、前記所定の倍率として前記検出された位置に応じて定まる倍率にて拡大又は縮小することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記位置検出手段は、前記観察者の位置を検出するリモートセンサを含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
- 前記一つの表示面を前記観察者の所望の倍率にて拡大又は縮小させる指示を外部から入力可能な外部入力手段を更に備え、
前記表示処理手段は、前記指示に基づいて、前記一つの表示面を拡大又は縮小することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記複数の表示手段のうち一の表示手段の画面の大きさが、前記観察者の側から見て前記一の表示手段の後方に配置された他の表示手段の画面の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記表示処理手段は、前記観察者の側から見て前記一つの表示面の前方に配置された他の表示面の大きさを固定し、前記一つの表示面を拡大又は縮小することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記所定の倍率は、前記他の表示面に対する前記一つの表示面の倍率であって、前記観察者と前記他の表示面との距離をLとし、前記一つの表示面と前記他の表示面との距離をΔLとした場合に、
(L+ΔL)/L ・・・ (1)
によって示されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。 - 前記表示処理手段は、前記観察者の側から見て前記一つの表示面の後方に配置された他の表示面の大きさを固定し、前記一つの表示面を拡大又は縮小することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記所定の倍率は、前記他の表示面に対する前記一つの表示面の倍率であって、前記観察者と前記一つの表示面との距離をLとし、前記一つの表示面と前記他の表示面との距離をΔLとした場合に、
L/(L+ΔL) ・・・ (2)
によって示されることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。 - 前記表示処理手段は、前記一つの表示面を拡大又は縮小して表示することに代えて又は加えて、前記一つの表示面に表示されている前記複数の画像のうち少なくとも一つの画像を所定の倍率にて拡大又は縮小することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記表示処理手段は、前記複数の表示手段に供給される画像信号に対して信号処理を施すことにより前記一つの画像を前記所定の倍率にて拡大又は縮小することを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段は前記視線方向に沿って移動可能であって、
前記表示処理手段は、前記表示面を拡大又は縮小することに加えて、前記一つの表示手段を前記視線方向に沿って移動させることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記複数の表示手段のうち、少なくとも前記観察者の側から見て最も後方に配置された表示手段を除く表示手段は、半透明な表示デバイスからなることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記半透明の表示デバイスは、液晶表示デバイス又はエレクトロルミネッセンス表示デバイスであることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
- 前記複数の表示手段は、ハーフミラーにより合成される少なくとも一つの表示手段を含むことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の表示装置。
- 観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示するための複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、
前記複数の表示手段の夫々における前記複数の画像を表示する領域である表示面のうち少なくとも一つの表示面を拡大又は縮小するための所定の倍率を算出する倍率算出工程と、
前記算出された所定の倍率にて前記一つの表示面を、該一つの表示面に表示されている前記複数の画像と共に拡大又は縮小する表示工程と
を備えたことを特徴とする表示方法。 - 前記観察者の位置を検出する位置検出工程を更に備え、
前記倍率算出工程は、前記検出された位置に応じて前記所定の倍率を算出することを特徴とする請求項16に記載の表示方法。
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