JP2004228366A - リードフレームの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、幅寸法の大きいリードフレームにおける幅方向の反り変形を有効に矯正することの可能なリードフレームの製造装置を提供することにある。
【解決手段】本発明に関わるリードフレームの製造装置は、複数個の凹溝を押圧面に設けた上型と、前記凹溝に噛合する複数個の突起を押圧面に設けた下型とを備え、前記上型と前記下型とによってリードフレームを挟持押圧して、前記リードフレームの反り変形を矯正するよう構成されたリードフレームの製造装置であって、前記下型において前記リードフレームの幅方向の中央領域に設けられた前記突起の高さ寸法を、前記リードフレームの幅方向の端部領域に設けられた前記突起の高さ寸法より大きく設定している。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に関わるリードフレームの製造装置は、複数個の凹溝を押圧面に設けた上型と、前記凹溝に噛合する複数個の突起を押圧面に設けた下型とを備え、前記上型と前記下型とによってリードフレームを挟持押圧して、前記リードフレームの反り変形を矯正するよう構成されたリードフレームの製造装置であって、前記下型において前記リードフレームの幅方向の中央領域に設けられた前記突起の高さ寸法を、前記リードフレームの幅方向の端部領域に設けられた前記突起の高さ寸法より大きく設定している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リードフレームの製造装置に関わるものであり、詳しくはリードフレームにおける幅方向の反り変形を矯正するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子部品の構成要素であるリードフレームは、プレス機によって帯状の薄板材料を打抜き加工して形成されており、このため上記リードフレームには、打抜き加工時の応力により幅方向の反り変形が発生することとなる。
【0003】
上述したリードフレームの反り変形を矯正する技術としては、多数の凹溝を設けた上型と、各凹溝に噛合する多数の凸部を設けた下型とを具備し、これら上型と下型との間でリードフレームを挟持押圧することにより、いわゆる「クロスボー矯正」を実施してリードフレームの反り変形を修正する装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭62−42252号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで、昨今では材料歩留りの向上を目的として、リードフレームの多列化が進められ、リードフレームにおける幅寸法が大きくなる傾向にある。
【0005】
また、上記リードフレームにおける幅方向の反り変形は、リードフレームの幅方向における中央領域で最も大きく、さらにリードフレームの幅寸法が大きくなるに従って、中央領域での反り量(変形量)も大きくなる傾向にある。
【0006】
しかしながら、幅寸法の大きいリードフレーム、言い換えれば中央領域の反り量(変形量)が大きいリードフレームを、上述した従来の装置を用いて矯正しようとしても、上記装置においては下型に設けた多数の凸部が均一の高さに形成されているため、リードフレームの幅方向における中央領域での矯正が十分に為されず、もってリードフレームの反り変形に対する十分な矯正効果が得られないという問題があった。
【0007】
上記問題を解決するために、リードフレームにおける反り変形の矯正効果を向上させるべく、装置の下型における全ての凸部の高さを大きく(高く)形成する対応も考えられるが、この場合にはリードフレームの幅方向における端部領域での矯正効果が強過ぎ、リードフレームの寸法仕様に悪影響を及ぼしてしまう不都合があった。
【0008】
本発明の目的は上記実状に鑑みて、幅寸法の大きいリードフレームにおける幅方向の反り変形を有効に矯正することの可能なリードフレームの製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わるリードフレームの製造装置は、複数個の凹溝を押圧面に設けた上型と、前記凹溝に噛合する複数個の突起を押圧面に設けた下型とを備え、前記上型と前記下型とによってリードフレームを挟持押圧して、前記リードフレームの反り変形を矯正するよう構成されたリードフレームの製造装置であって、前記下型において前記リードフレームの幅方向の中央領域に設けられた前記突起の高さ寸法を、前記リードフレームの幅方向の端部領域に設けられた前記突起の高さ寸法より大きく設定したことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な構成を詳細に説明する。
図1は、本発明に関わるリードフレームの製造装置の一実施例を示しており、この製造装置1は、銅系あるいは鉄系材料から成る帯状薄板Wを、上型2と下型3との間において矢印F方向へ順次送り込むことにより、リードパターンが連続して形成されたリードフレームを製造する順送り金型装置であって、帯板薄板Wからリードパターンを順次打抜き形成するためのリードパターン形成部1Aと、上記形成部1Aで形成されたリードフレーム100(図2参照)の反り変形を矯正するための矯正部1Bとを備えている。
【0011】
図2は、上記製造装置1のリードパターン形成部1Aにおいて形成されたリードフレーム100を示しており、このリードフレーム100は、個々の電子部品の構成要素と成るリードパターン10、10…が、帯状薄板Wの長手方向(図中の左右方向)に沿って一列に形成されている。
【0012】
また、上記リードフレーム100における個々のリードバターン10は、1つのパッド11と、多数のインナーリード12およびアウターリード13とを有しており、上記パッド11はサポートバー14を介して一対のサイドレール15、15に支持され、またインナーリード12およびアウターリード13は、ダムバー16および連結枠17を介して互いに連結されるとともに、一対のサイドレール15、15に支持されている。
【0013】
図1および図3に示すように、上記製造装置(順送り金型装置)1における矯正部1Bは、相対向して配置された上型であるパンチ4と下型であるダイ5とを具備しており、上記パンチ4における押圧面(ダイ5と対向する下面)には、図3に示す如く、リードフレーム100の幅方向(図中の左右方向)に沿って、複数個の凹溝4G、4G…が所定の間隔で配列形成されている。
【0014】
一方、上記ダイ5における押圧面(パンチ4と対向する上面)には、図3に示す如く、リードフレーム100の幅方向(図中の左右方向)に沿って、複数個の凸部(突起)5P、5P…が所定の間隔で配列形成されている。
【0015】
ここで、上記ダイ5における個々の凸部5P、5P…は、製造装置1の稼動によってパンチ4とダイ5とが閉じた際、上記パンチ4における個々の凹溝4G、4G…と互いに噛み合う態様でレイアウトされている。
【0016】
また、図3および図4に示す如く、上記ダイ5における凸部5P、5P…のうち、リードフレーム100の幅方向における中央領域Acに設けられた凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcが、端部領域Asに設けられた凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsより大きく設定されている。
【0017】
なお、本実施例における「中央領域」とは、リードフレーム100の全幅に対する中央部分における30%前後の範囲を指しており、また「端部領域」とは、リードフレーム100の全幅に対する上記「中央領域Ac」以外の範囲を指している。
【0018】
ここで、本実施例においては、中央領域Acに設けられた凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcが25〜30μm に設定されており、パンチ4とダイ5とが閉じた際に凹溝4Gへ挿入される噛込量hcが15〜20μm と成っている。
【0019】
一方、端部領域Asに設けられた凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsは20μm に設定されており、パンチ4とダイ5とが閉じた際に凹溝4Gへ挿入される噛込量hsが10μm となっている。
【0020】
すなわち、凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcを、凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsよりも高くすることによって、パンチ4とダイ5とが閉じた際に、中央領域Acに設けられた凸部5P(5Pc)の噛込量が、端部領域Asに設けられた凸部5P(5Ps)の噛込量よりも大きくなるよう構成されている。
【0021】
また、図5(a)、(b)に示す如く、矯正部1Bにおけるダイ5に設けられた複数個の凸部5P、5P…は、矯正部1Bに搬入されて所定位置セットされたリードパターン10の、ダムバー16および連結枠17と対応する位置に形成されている。
【0022】
上述した構成の製造装置1において、リードパターン形成部1Aで打抜き形成されたリードフレーム100は、図6(a)に示す如く矯正部1Bに搬入され、リードパターン10(図5参照)がパンチ4およびダイ5に対する所定位置にセットされる。
【0023】
次いで、図6(b)に示す如く矯正部1Bのパンチ4を下降させ、上記パンチ4とダイ5とを閉じてリードフレーム100を挟持押圧することで、上記リードフレーム100は、パンチ4における凹溝4G、4G…とダイ5における凸部5P、5P…との間に噛込まれ、これによって幅方向における反り変形の矯正(クロスボー矯正)が行われる。
【0024】
ここで、リードフレーム100における幅方向の中央領域Ac(図3参照)、すなわちリードフレーム100の幅方向において反り変形が最も大きくなる領域に設けられた凸部5P(5Pc)の高さ寸法を、端部領域As(図3参照)に設けられた凸部5P(5Ps)の高さ寸法よりも大きく設定したことで、上記リードフレーム100の幅方向における中央領域での矯正が十分に為されることとなる。
【0025】
また、リードフレーム100における幅方向の端部領域As(図3参照)に設けられた5P(5Ps)が、上記リードフレーム100における幅方向の中央領域Ac(図3参照)に設けられた凸部5P(5Pc)よりも低くなることで、上記リードフレーム100の幅方向における端部領域Asでの矯正が適度に為され、もってリードフレーム100の寸法仕様に悪影響を及ぼすことがない。
【0026】
このように、上述した構成の製造装置1によれば、幅寸法の大きいリードフレーム100における幅方向の反り変形を、極めて容易かつ有効に矯正することが可能となる。
【0027】
ところで、実施例の如きDIP(デュアル・インライン・パッケージ)タイプのリードフレームにおいては、加工の過程で応力が集中して突っ張ることでダムバーが湾曲してリードフレームの製品寸法に悪影響を及ぼすことがあるため、従来からダムバーの中央部にノッチによる叩きを入れることで上記ダムバーの延ばし調整を実施しているが、上述した構成の製造装置1によれば、中央領域Acにおける凸部5P(5Pc)の高さを、端部領域Asにおける凸部5P(5Ps)の高さよりも大きくしたことで、リードフレームにおける反り変形の矯正と同時に上述したダムバーの延ばし調整が実施されることとなる。
【0028】
なお、上述した実施例においては、リードフレーム100の幅方向の中央領域を、リードフレーム100の全幅に対する中央部分における30%前後の範囲としているが、製品(リードフレーム)の種類、形状、寸法等の諸条件に基づいて、「中央領域」の実質的な範囲を適宜に設定し得ることは言うまでもない。
【0029】
また、ダイ5の中央領域Acにおける凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcや噛込量hc、あるいは端部領域Asにおける凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsや噛込量hs等の具体的な数値も、実施例に限定されるものではなく、製品(リードフレーム)の種類、形状、寸法等の諸条件に基づいて、適宜に設定し得ることは言うまでもない。
【0030】
図7は、本発明に関わる製造装置の他の実施例(図示せず)において製造されるリードフレーム200を示しており、このリードフレーム200は、個々の電子部品の構成要素と成るリードパターン20、20…が、帯状薄板Wにおける長手方向(図中の左右方向)に沿って、帯状薄板Wの幅方向(図中の上下方向)に2列に並んで形成されている。
【0031】
上記リードフレーム200を製造するための製造装置(図示せず)は、図1に示した製造装置1と同様、リードフレーム200の形状に対応したリードパターン形成部と矯正部とを備え、この矯正部には、リードフレーム200の2列のリードパターン20に対応して、上述した製造装置1における一対のパンチ4とダイ5とが、リードフレーム200の幅方向に併設されることとなる。
【0032】
上述した構成の製造装置においても、図1〜図6に示した製造装置1と同様、幅寸法の大きいリードフレーム200における幅方向の反り変形を、極めて容易かつ有効に矯正することが可能となる。
【0033】
なお、上述した実施例においては、帯状薄板Wに対して1列、あるいは2列に亘ってリードパターンを配列したリードフレームを製造する装置を例示しているが、3列以上のリードパターンを配列して成るリードフレームを製造する装置においても、本発明を有効に適用し得ることは勿論である。
【0034】
また、上述した実施例では、DIP(デュアル・インライン・パッケージ)タイプのリードフレームを製造する装置を例示しているが、例えばSIP(シングル・インライン・パッケージ)タイプ等、様々なタイプのリードフレームを製造する装置においても、本発明を有効に適用し得ることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上、詳述した如く、本発明に関わるリードフレームの製造装置は、複数個の凹溝を押圧面に設けた上型と、前記凹溝に噛合する複数個の突起を押圧面に設けた下型とを備え、前記上型と前記下型とによってリードフレームを挟持押圧して、前記リードフレームの反り変形を矯正するよう構成されたリードフレームの製造装置であって、前記下型において前記リードフレームの幅方向の中央領域に設けられた前記突起の高さ寸法を、前記リードフレームの幅方向の端部領域に設けられた前記突起の高さ寸法より大きく設定したことを特徴としている。
【0036】
上記構成によれば、リードフレームにおける幅方向の中央領域、すなわちリードフレームの幅方向において反り変形が最も大きくなる領域に設けられた突起の高さ寸法を、他の領域に設けられた突起の高さ寸法よりも大きく設定したことにより、上記リードフレームの幅方向における中央領域での矯正が十分に為されることとなる。
【0037】
また、上記構成によれば、リードフレームにおける幅方向の端部領域に設けられた突起が、上記リードフレームにおける幅方向の中央領域に設けられた突起よりも低くなることで、上記リードフレームの幅方向における端部領域での矯正が適度に為され、上記リードフレームの寸法仕様に悪影響を及ぼすことがない。
【0038】
このように、本発明に関わるリードフレームの製造装置によれば、幅寸法の大きいリードフレームにおける幅方向の反り変形を、極めて容易かつ有効に矯正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるリードフレームの製造装置の一実施例を示す概念的な全体側面図。
【図2】(a)および(b)は図1に示した製造装置によって製造されるリードフレームの平面図。
【図3】図1に示した製造装置おける矯正部の正面形状を表す図1中の III−III 線断面図。
【図4】(a)および(b)は図1に示した製造装置おける矯正部の要部拡大図。
【図5】(a)および(b)は図1に示した製造装置の矯正部における下型の平面図。
【図6】(a)および(b)は図1に示した製造装置おける矯正部の動作概念図。
【図7】本発明に関わる製造装置の他の実施例によって製造されるリードフレームの平面図。
【符号の説明】
1…製造装置(リードフレームの製造装置)、
1A…リードパターン形成部、
1B…矯正部、
4…パンチ(上型)、
4G…凹溝、
5…ダイ(下型)、
5P…凸部(突起)、
100、200…リードフレーム。
Ac…中央領域、
As…端部領域、
W…帯状薄板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リードフレームの製造装置に関わるものであり、詳しくはリードフレームにおける幅方向の反り変形を矯正するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子部品の構成要素であるリードフレームは、プレス機によって帯状の薄板材料を打抜き加工して形成されており、このため上記リードフレームには、打抜き加工時の応力により幅方向の反り変形が発生することとなる。
【0003】
上述したリードフレームの反り変形を矯正する技術としては、多数の凹溝を設けた上型と、各凹溝に噛合する多数の凸部を設けた下型とを具備し、これら上型と下型との間でリードフレームを挟持押圧することにより、いわゆる「クロスボー矯正」を実施してリードフレームの反り変形を修正する装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭62−42252号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで、昨今では材料歩留りの向上を目的として、リードフレームの多列化が進められ、リードフレームにおける幅寸法が大きくなる傾向にある。
【0005】
また、上記リードフレームにおける幅方向の反り変形は、リードフレームの幅方向における中央領域で最も大きく、さらにリードフレームの幅寸法が大きくなるに従って、中央領域での反り量(変形量)も大きくなる傾向にある。
【0006】
しかしながら、幅寸法の大きいリードフレーム、言い換えれば中央領域の反り量(変形量)が大きいリードフレームを、上述した従来の装置を用いて矯正しようとしても、上記装置においては下型に設けた多数の凸部が均一の高さに形成されているため、リードフレームの幅方向における中央領域での矯正が十分に為されず、もってリードフレームの反り変形に対する十分な矯正効果が得られないという問題があった。
【0007】
上記問題を解決するために、リードフレームにおける反り変形の矯正効果を向上させるべく、装置の下型における全ての凸部の高さを大きく(高く)形成する対応も考えられるが、この場合にはリードフレームの幅方向における端部領域での矯正効果が強過ぎ、リードフレームの寸法仕様に悪影響を及ぼしてしまう不都合があった。
【0008】
本発明の目的は上記実状に鑑みて、幅寸法の大きいリードフレームにおける幅方向の反り変形を有効に矯正することの可能なリードフレームの製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わるリードフレームの製造装置は、複数個の凹溝を押圧面に設けた上型と、前記凹溝に噛合する複数個の突起を押圧面に設けた下型とを備え、前記上型と前記下型とによってリードフレームを挟持押圧して、前記リードフレームの反り変形を矯正するよう構成されたリードフレームの製造装置であって、前記下型において前記リードフレームの幅方向の中央領域に設けられた前記突起の高さ寸法を、前記リードフレームの幅方向の端部領域に設けられた前記突起の高さ寸法より大きく設定したことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な構成を詳細に説明する。
図1は、本発明に関わるリードフレームの製造装置の一実施例を示しており、この製造装置1は、銅系あるいは鉄系材料から成る帯状薄板Wを、上型2と下型3との間において矢印F方向へ順次送り込むことにより、リードパターンが連続して形成されたリードフレームを製造する順送り金型装置であって、帯板薄板Wからリードパターンを順次打抜き形成するためのリードパターン形成部1Aと、上記形成部1Aで形成されたリードフレーム100(図2参照)の反り変形を矯正するための矯正部1Bとを備えている。
【0011】
図2は、上記製造装置1のリードパターン形成部1Aにおいて形成されたリードフレーム100を示しており、このリードフレーム100は、個々の電子部品の構成要素と成るリードパターン10、10…が、帯状薄板Wの長手方向(図中の左右方向)に沿って一列に形成されている。
【0012】
また、上記リードフレーム100における個々のリードバターン10は、1つのパッド11と、多数のインナーリード12およびアウターリード13とを有しており、上記パッド11はサポートバー14を介して一対のサイドレール15、15に支持され、またインナーリード12およびアウターリード13は、ダムバー16および連結枠17を介して互いに連結されるとともに、一対のサイドレール15、15に支持されている。
【0013】
図1および図3に示すように、上記製造装置(順送り金型装置)1における矯正部1Bは、相対向して配置された上型であるパンチ4と下型であるダイ5とを具備しており、上記パンチ4における押圧面(ダイ5と対向する下面)には、図3に示す如く、リードフレーム100の幅方向(図中の左右方向)に沿って、複数個の凹溝4G、4G…が所定の間隔で配列形成されている。
【0014】
一方、上記ダイ5における押圧面(パンチ4と対向する上面)には、図3に示す如く、リードフレーム100の幅方向(図中の左右方向)に沿って、複数個の凸部(突起)5P、5P…が所定の間隔で配列形成されている。
【0015】
ここで、上記ダイ5における個々の凸部5P、5P…は、製造装置1の稼動によってパンチ4とダイ5とが閉じた際、上記パンチ4における個々の凹溝4G、4G…と互いに噛み合う態様でレイアウトされている。
【0016】
また、図3および図4に示す如く、上記ダイ5における凸部5P、5P…のうち、リードフレーム100の幅方向における中央領域Acに設けられた凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcが、端部領域Asに設けられた凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsより大きく設定されている。
【0017】
なお、本実施例における「中央領域」とは、リードフレーム100の全幅に対する中央部分における30%前後の範囲を指しており、また「端部領域」とは、リードフレーム100の全幅に対する上記「中央領域Ac」以外の範囲を指している。
【0018】
ここで、本実施例においては、中央領域Acに設けられた凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcが25〜30μm に設定されており、パンチ4とダイ5とが閉じた際に凹溝4Gへ挿入される噛込量hcが15〜20μm と成っている。
【0019】
一方、端部領域Asに設けられた凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsは20μm に設定されており、パンチ4とダイ5とが閉じた際に凹溝4Gへ挿入される噛込量hsが10μm となっている。
【0020】
すなわち、凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcを、凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsよりも高くすることによって、パンチ4とダイ5とが閉じた際に、中央領域Acに設けられた凸部5P(5Pc)の噛込量が、端部領域Asに設けられた凸部5P(5Ps)の噛込量よりも大きくなるよう構成されている。
【0021】
また、図5(a)、(b)に示す如く、矯正部1Bにおけるダイ5に設けられた複数個の凸部5P、5P…は、矯正部1Bに搬入されて所定位置セットされたリードパターン10の、ダムバー16および連結枠17と対応する位置に形成されている。
【0022】
上述した構成の製造装置1において、リードパターン形成部1Aで打抜き形成されたリードフレーム100は、図6(a)に示す如く矯正部1Bに搬入され、リードパターン10(図5参照)がパンチ4およびダイ5に対する所定位置にセットされる。
【0023】
次いで、図6(b)に示す如く矯正部1Bのパンチ4を下降させ、上記パンチ4とダイ5とを閉じてリードフレーム100を挟持押圧することで、上記リードフレーム100は、パンチ4における凹溝4G、4G…とダイ5における凸部5P、5P…との間に噛込まれ、これによって幅方向における反り変形の矯正(クロスボー矯正)が行われる。
【0024】
ここで、リードフレーム100における幅方向の中央領域Ac(図3参照)、すなわちリードフレーム100の幅方向において反り変形が最も大きくなる領域に設けられた凸部5P(5Pc)の高さ寸法を、端部領域As(図3参照)に設けられた凸部5P(5Ps)の高さ寸法よりも大きく設定したことで、上記リードフレーム100の幅方向における中央領域での矯正が十分に為されることとなる。
【0025】
また、リードフレーム100における幅方向の端部領域As(図3参照)に設けられた5P(5Ps)が、上記リードフレーム100における幅方向の中央領域Ac(図3参照)に設けられた凸部5P(5Pc)よりも低くなることで、上記リードフレーム100の幅方向における端部領域Asでの矯正が適度に為され、もってリードフレーム100の寸法仕様に悪影響を及ぼすことがない。
【0026】
このように、上述した構成の製造装置1によれば、幅寸法の大きいリードフレーム100における幅方向の反り変形を、極めて容易かつ有効に矯正することが可能となる。
【0027】
ところで、実施例の如きDIP(デュアル・インライン・パッケージ)タイプのリードフレームにおいては、加工の過程で応力が集中して突っ張ることでダムバーが湾曲してリードフレームの製品寸法に悪影響を及ぼすことがあるため、従来からダムバーの中央部にノッチによる叩きを入れることで上記ダムバーの延ばし調整を実施しているが、上述した構成の製造装置1によれば、中央領域Acにおける凸部5P(5Pc)の高さを、端部領域Asにおける凸部5P(5Ps)の高さよりも大きくしたことで、リードフレームにおける反り変形の矯正と同時に上述したダムバーの延ばし調整が実施されることとなる。
【0028】
なお、上述した実施例においては、リードフレーム100の幅方向の中央領域を、リードフレーム100の全幅に対する中央部分における30%前後の範囲としているが、製品(リードフレーム)の種類、形状、寸法等の諸条件に基づいて、「中央領域」の実質的な範囲を適宜に設定し得ることは言うまでもない。
【0029】
また、ダイ5の中央領域Acにおける凸部5P(5Pc)の高さ寸法Hcや噛込量hc、あるいは端部領域Asにおける凸部5P(5Ps)の高さ寸法Hsや噛込量hs等の具体的な数値も、実施例に限定されるものではなく、製品(リードフレーム)の種類、形状、寸法等の諸条件に基づいて、適宜に設定し得ることは言うまでもない。
【0030】
図7は、本発明に関わる製造装置の他の実施例(図示せず)において製造されるリードフレーム200を示しており、このリードフレーム200は、個々の電子部品の構成要素と成るリードパターン20、20…が、帯状薄板Wにおける長手方向(図中の左右方向)に沿って、帯状薄板Wの幅方向(図中の上下方向)に2列に並んで形成されている。
【0031】
上記リードフレーム200を製造するための製造装置(図示せず)は、図1に示した製造装置1と同様、リードフレーム200の形状に対応したリードパターン形成部と矯正部とを備え、この矯正部には、リードフレーム200の2列のリードパターン20に対応して、上述した製造装置1における一対のパンチ4とダイ5とが、リードフレーム200の幅方向に併設されることとなる。
【0032】
上述した構成の製造装置においても、図1〜図6に示した製造装置1と同様、幅寸法の大きいリードフレーム200における幅方向の反り変形を、極めて容易かつ有効に矯正することが可能となる。
【0033】
なお、上述した実施例においては、帯状薄板Wに対して1列、あるいは2列に亘ってリードパターンを配列したリードフレームを製造する装置を例示しているが、3列以上のリードパターンを配列して成るリードフレームを製造する装置においても、本発明を有効に適用し得ることは勿論である。
【0034】
また、上述した実施例では、DIP(デュアル・インライン・パッケージ)タイプのリードフレームを製造する装置を例示しているが、例えばSIP(シングル・インライン・パッケージ)タイプ等、様々なタイプのリードフレームを製造する装置においても、本発明を有効に適用し得ることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上、詳述した如く、本発明に関わるリードフレームの製造装置は、複数個の凹溝を押圧面に設けた上型と、前記凹溝に噛合する複数個の突起を押圧面に設けた下型とを備え、前記上型と前記下型とによってリードフレームを挟持押圧して、前記リードフレームの反り変形を矯正するよう構成されたリードフレームの製造装置であって、前記下型において前記リードフレームの幅方向の中央領域に設けられた前記突起の高さ寸法を、前記リードフレームの幅方向の端部領域に設けられた前記突起の高さ寸法より大きく設定したことを特徴としている。
【0036】
上記構成によれば、リードフレームにおける幅方向の中央領域、すなわちリードフレームの幅方向において反り変形が最も大きくなる領域に設けられた突起の高さ寸法を、他の領域に設けられた突起の高さ寸法よりも大きく設定したことにより、上記リードフレームの幅方向における中央領域での矯正が十分に為されることとなる。
【0037】
また、上記構成によれば、リードフレームにおける幅方向の端部領域に設けられた突起が、上記リードフレームにおける幅方向の中央領域に設けられた突起よりも低くなることで、上記リードフレームの幅方向における端部領域での矯正が適度に為され、上記リードフレームの寸法仕様に悪影響を及ぼすことがない。
【0038】
このように、本発明に関わるリードフレームの製造装置によれば、幅寸法の大きいリードフレームにおける幅方向の反り変形を、極めて容易かつ有効に矯正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるリードフレームの製造装置の一実施例を示す概念的な全体側面図。
【図2】(a)および(b)は図1に示した製造装置によって製造されるリードフレームの平面図。
【図3】図1に示した製造装置おける矯正部の正面形状を表す図1中の III−III 線断面図。
【図4】(a)および(b)は図1に示した製造装置おける矯正部の要部拡大図。
【図5】(a)および(b)は図1に示した製造装置の矯正部における下型の平面図。
【図6】(a)および(b)は図1に示した製造装置おける矯正部の動作概念図。
【図7】本発明に関わる製造装置の他の実施例によって製造されるリードフレームの平面図。
【符号の説明】
1…製造装置(リードフレームの製造装置)、
1A…リードパターン形成部、
1B…矯正部、
4…パンチ(上型)、
4G…凹溝、
5…ダイ(下型)、
5P…凸部(突起)、
100、200…リードフレーム。
Ac…中央領域、
As…端部領域、
W…帯状薄板。
Claims (1)
- 複数個の凹溝を押圧面に設けた上型と、前記凹溝に噛合する複数個の突起を押圧面に設けた下型とを備え、前記上型と前記下型とによってリードフレームを挟持押圧して、前記リードフレームの反り変形を矯正するよう構成されたリードフレームの製造装置であって、
前記下型において前記リードフレームの幅方向の中央領域に設けられた前記突起の高さ寸法を、前記リードフレームの幅方向の端部領域に設けられた前記突起の高さ寸法より大きく設定したことを特徴とするリードフレームの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003014926A JP2004228366A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | リードフレームの製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003014926A JP2004228366A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | リードフレームの製造装置 |
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JP2004228366A true JP2004228366A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32902825
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004228366A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107983834A (zh) * | 2017-11-24 | 2018-05-04 | 中山复盛机电有限公司 | 冲压产品的总长修正方法 |
-
2003
- 2003-01-23 JP JP2003014926A patent/JP2004228366A/ja active Pending
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