JP2004227636A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な再生信号が得られ、クロスライトパワーマージンも広がる光磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の光磁気記録媒体10は、透光性の基板11、光干渉層12、磁壁移動層13、中間層14、記録層15、保護層16、放熱層17、情報を記録再生するための情報トラック18から構成される。情報トラック18上には放熱層17が形成されており、情報トラック18間には放熱層17が形成されていない。情報トラック18間に放熱層17が形成されていないため、情報トラック18を横切る方向へは情報トラック18に沿った方向よりも相対的に熱が伝導しにくくなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームを用いて情報の記録再生を行う光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
書き換え可能な高密度記録媒体として、半導体レーザーの熱エネルギーを用いて、磁性薄膜に磁区を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いて、この情報を読み出す光磁気記録媒体がある。また、近年この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に大容量の記録媒体とする要求が高まっている。
【0003】
光磁気記録媒体等の光ディスクの線記録密度は、再生光学系のレーザー波長および対物レンズの開口数に大きく依存する。すなわち、再生光学系のレーザー波長λと対物レンズの開口数NAが決まるとビームウェストの径が決まるため、信号再生時の空間周波数は2NA/λ程度が検出可能な限界となってしまう。
【0004】
したがって、従来の光ディスクで高密度化を実現するためには、再生光学系のレーザー波長を短くしたり、対物レンズの開口数NAを大きくする必要がある。しかしながら、レーザー波長や対物レンズの開口数の改善にも限度がある。このため、記録媒体の構成や読み取り方法を工夫し、記録密度を改善する技術が開発されている。
【0005】
例えば、記録マークの境界に存在する磁壁を温度勾配によって移動させ、この磁壁の移動を検出することによって高密度な記録信号を再生する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この方法によれば、記録媒体が磁壁が移動する温度に加熱された瞬間に低温部から高温部に向かっての磁壁の移動が起こり、この磁壁の移動を検出することによって高密度な記録信号を再生するので、光の回折限界に全く依存せずに信号が再生可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−290496号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1によると、磁壁の移動は、同一の情報トラック上で(トラック方向に)起こる現象であり、磁性層は情報トラック間で互いに分断(すなわち、磁気的に分離)されていることが望ましいとなっている。このような閉じていない磁区(分断された磁壁)を作成する方法として、上記特許文献1では、矩形の深溝基板を用いる方法と、溝部分をレーザーでアニール照射して磁気的に変質させる方法を提案しているが、矩形の深溝基板については、成形時の転写性に問題があり、また、アニール処理を行なった場合には、ディスク全面に行なうと処理に時間がかかり、媒体の量産性を考慮した場合、媒体のコストアップに繋がり問題である。
【0009】
一方、上記特許文献1にも磁性層は情報トラック間で互いに分断されていることが望ましいと記載されていることからわかるように、たとえ情報トラック間で磁性層が分断されていなくても、磁壁移動による情報の再生は可能であったが、情報トラック間で磁性層を分断した場合と比べて信号のSNが悪く、実用上問題であった。
【0010】
また、磁壁移動型の光磁気記録媒体に限らず、高密度の光磁気記録媒体及び磁気記録媒体において、トラック密度を向上させてゆくと、隣接トラック間のクロスライトやクロスイレースの問題となり、この問題を改善するためにもトラック間の分断は有効であった。しかし、トラック間の分断は前述のように量産性に問題があり、より簡便で量産性に優れた代替手段が求められていた。
【0011】
本発明の目的は、従来技術の問題点を解決し超高密度の磁壁移動型の光磁気記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点は、少なくとも磁壁移動層、中間層、記録層が積層された光磁気記録媒体であって、再生用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布によって記録層から磁壁移動層に転写された記録マーク境界の磁壁を移動させることにより情報を再生する超解像再生可能な光磁気記録媒体であり、情報トラック部には放熱層が形成されており、情報トラック間には実質的に放熱層が形成されていないことを特徴とする光磁気記録媒体によって解決される。
【0013】
本発明の光磁気記録媒体では、情報トラック間には実質的に放熱層または記録層が形成されていない構成をとることにより、トラックに沿った方向よりもトラック横断方向への熱伝導が相対的に断熱的となるため、記録用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布の等温線形状がトラックに垂直な直線により近づき、光磁気記録媒体上に形成される磁壁形状がトラックに垂直な直線に近づくとともに、再生用光ビームが形成する等温線形状もトラックに垂直な直線により近づくため、再生用光ビームによる加熱によって磁壁の移動を可能とする温度の等温線が光磁気記録媒体上に記録されている磁壁に接してから、前記磁壁を包括するまでの距離が短くなり、この結果、立ち上がり、立ち下りが急峻な良質の再生信号が得られる。
【0014】
さらに、再生用光ビームによって発生する熱エネルギーがトラック横断方向に伝導することが抑制され、記録密度向上のためにトラックピッチを狭くしてもクロスライト及びクロスイレースの発生を抑制できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(発明の第1の実施の形態)
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本発明の光磁気記録媒体の一例を示す図である。11は透光性の基板、12は光干渉層、13は磁壁移動層、14は中間層、15は記録層、16は保護層、17は放熱層、18は情報を記録再生するための情報トラックである。情報トラック上には放熱層が形成されており、情報トラック間には放熱層が形成されていない。図1に示す光磁気記録媒体10では、情報トラック間に放熱層が形成されていないため、情報トラックを横切る方向へは情報トラックに沿った方向よりも相対的に熱が伝導しにくくなる。
【0017】
図1に示した光磁気記録媒体10を以下のようにして作成した。
【0018】
直流マグネトロンスパッタリング装置に、BドープしたSi、及びGd、Tb、Fe、Coの各ターゲットを取り付け、トラッキング用の案内溝の形成されたディスク状のポリカーボネイト基板を基板ホルダーに固定した後、1×10−5Pa以下の高真空になるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排気した。基板としてはランドグルーブ記録用の案内溝が形成された基板を用いた。案内溝の形状は、情報トラックとなるランド部およびグルーブ部の幅が0.5μm、ランド部とグルーブ部の境界となるテーパー部分の幅が0.03μm、情報トラックのピッチが0.53μm、溝の深さが60nm、テーパー部の傾斜角度が60度である。真空排気をしたままArガスとN2ガスを0.3Paとなるまでチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、光干渉層としてSiN層を30nm成膜した。引き続き、真空排気をしたままArガスを0.3Paとなるまでチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、磁壁移動層としてGdFeCo層を25nm、中間層としてTbFe層を5nm、記録層としてTbFeCo層を40nm順次成膜した。続いて、光干渉層の成膜時と同様の条件で、保護層としてSiN層を20nm成膜した。次に、真空排気をしたままArガスを0.3Paとなるまでチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、放熱層となるAlを30nm成膜した。
【0019】
磁壁移動層、中間層、記録層の各磁性層は、Gd、Tb、Fe、Coの各ターゲットに直流パワーを印加して成膜した。各磁性層の組成は、全て補償組成近傍になるように調整し、キュリー温度は、磁壁移動層が230℃、中間層が120℃、記録層が270℃程度となるように設定した。放熱層の膜厚は薄すぎると効果が薄れ、厚すぎると情報の記録に過大なレーザーパワーが必要となるため、最適な厚さをシミュレーションで調べたところ10から50nmが好適であったため、本実施の形態では30nmとした。
【0020】
最後に、真空排気したままイオンガンを用いてArイオンビームを照射し、情報トラック間のテーパー部分で前記放熱層が完全に除去されるまでエッチングを行った。このとき情報トラック部では反射膜が約20nm残存していた。
【0021】
この光磁気ディスクを真空装置から取り出した後、紫外線硬化樹脂からなる保護コート層を形成し、本実施の形態の光磁気記録媒体を完成した。
【0022】
こうして作成した光磁気記録媒体を、図4に示す光磁気ディスク記録再生装置に乗せ、パルス磁界変調記録方法を用いて0.15μmの繰り返しパターンを記録した。41は光磁気信号を記録再生するための光ピックアップ、42は光磁気ディスク10を回転するためのスピンドルモータ、43は記録磁界を印加するための磁気ヘッドである。記録再生に用いた光ビームの波長は650nm、対物レンズのNAは0.6、光パルスのデューティは50%、記録パワーは7.5mW、記録線速度は3m/sである。この記録したマークを、同じく図4の光磁気ディスク記録再生装置で、3m/sの線速度、再生パワー2.2mWで再生したところ、再生信号のマーク幅ジッタは8%(0.15μmのマーク幅に対する比率)と良好な値が得られた。
【0023】
次に、本実施の形態の光磁気記録媒体のクロスライトパワーマージンを以下のように調べた。まず、ランド部の情報トラックに図4に示す光磁気ディスク記録再生装置を用いて0.15μmの繰り返しパターンを記録し、続いて両隣のグルーブ部の情報トラックに0.2μmの繰り返しパターンを記録した。光パルスのデューティは50%、記録パワーはランドとグルーブで同じパワーとした。このように3トラック記録を行った後、ランドに記録した0.15μmの繰り返しパターンを再生して、再生信号のマーク幅ジッタを測った。記録パワーを順次変えてこれを繰り返した。この結果を図5に実線で示す。次にランドとグルーブを入れ替えて上記と同様の測定を行った。この結果を図5に破線でしめす。これらの結果から、図5に両矢印で示すようにクロスライトパワーマージンを求めた。クロスパワーライトマージンは±12%であり、十分実用になる値であった。
【0024】
(比較例1)
放熱層を20nmの厚さに成膜して、イオンガンを用いたエッチングを行わない他は、第1の実施の形態と同様にして比較例1の光磁気記録媒体を作成した。
【0025】
こうして作成した光磁気記録媒体を、図4に示す光磁気ディスク記録再生装置に乗せ、第1の実施の形態と同様にして0.15μmの繰り返しパターンを記録再生したところ、再生信号のマーク幅ジッタは11%で、第1の実施の形態よりも悪かった。
【0026】
次に、第1の実施の形態と同様にして比較例1の光磁気記録媒体のクロスライトパワーマージンを調べた。この結果を図6に示す。比較例1のクロスパワーライトマージンは±7%であり、実用には不十分な値であった。
【0027】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の光磁気記録媒体の第2の実施の形態を示す図である。21は透光性の基板、22は光干渉層、23は磁壁移動層、24は中間層、25は記録層、26は保護層、27は放熱層、28は情報を記録再生するための情報トラックである。本実施の形態の光磁気記録媒体はグルーブ記録用の媒体であり、溝の形状は、情報トラックとなるグルーブ部の幅が0.40μm、ランド部の幅が0.13μm、情報トラックのピッチが0.53μm、溝の深さが60nm、テーパー部の傾斜角度が略45度である。情報トラック上には放熱層が形成されており、情報トラック間には放熱層が形成されていない。本実施の形態の光磁気記録媒体は、上記に示した溝形状の基板を用いた他は、第1の実施の形態と同様にして作成した。
【0028】
こうして作成した光磁気記録媒体を、図4に示す光磁気ディスク記録再生装置に乗せ、パルス磁界変調記録方法を用いて0.15μmの繰り返しパターンを記録した。本実施の形態の光磁気記録媒体は、グルーブのピッチが0.53μmと狭いため、トラックサーボにサンプルサーボ方式を利用したが、それ以外は第1の実施の形態と同様にして信号の記録を行った。この記録したマークを、同じく図4の光磁気ディスク記録再生装置で、3m/sの線速度、再生パワー2.2mWで再生したところ、再生信号のマーク幅ジッタは8%(0.15μmのマーク幅に対する比率)と良好な値が得られた。
【0029】
次に、第1の実施の形態と同様にして本実施の形態の光磁気記録媒体のクロスライトパワーマージンを調べた。クロスパワーライトマージンは±14%であり、十分実用になる値であった。
【0030】
(第3の実施の形態)
図3は本発明の光磁気記録媒体の第3の実施の形態を示す図である。31は透光性の基板、32は光干渉層、33は磁壁移動層、34は中間層、35は記録層、36は保護層、38は情報を記録再生するための情報トラックである。本実施の形態の光磁気記録媒体はランドグルーブ記録用の媒体であり、溝の形状は、情報トラックとなるランド部およびグルーブ部の幅が0.43μm、ランド部とグルーブ部の境界となるテーパー部分の幅が0.1μm、情報トラックのピッチが0.53μm、溝の深さが170nm、テーパー部の傾斜角度が略60度である。
【0031】
第1の実施の形態と同様にして光干渉層としてSiN層を30nm、磁壁移動層としてGdFeCo層を25nm、中間層としてTbFe層を5nm、記録層としてTbFeCo層を55nm順次成膜した。続いて、真空排気したままイオンガンを用いてArイオンビームを照射し、情報トラック間のテーパー部分で記録層がほぼ除去されるまでエッチングを行った。このとき情報トラック部では記録層が約40nm残存していた。次に光干渉層の成膜時と同様の条件で、保護層としてSiN層を50nm成膜した。
【0032】
この光磁気ディスクを真空装置から取り出した後、紫外線硬化樹脂からなる保護コート層を形成し、本実施の形態の光磁気記録媒体を完成した。
【0033】
こうして作成した光磁気記録媒体を、図4に示す光磁気ディスク記録再生装置に乗せ、パルス磁界変調記録方法を用いてランド部の情報トラックにに0.15μmの繰り返しパターンを記録した。この記録したマークを、同じく図4の光磁気ディスク記録再生装置で、3m/sの線速度で再生したところ、再生信号のマーク幅ジッタは9%(0.15μmのマーク幅に対する比率)と良好な値が得られた。グルーブ部の情報トラックでも同様にしてジッタを調べたところ、こちらも9%と良好な値であった。
【0034】
次に、第1の実施の形態と同様にして本実施の形態の光磁気記録媒体のクロスライトパワーマージンを調べた。クロスパワーライトマージンは±16%であり、良好であった。
【0035】
(第4の実施の形態)
図7は本発明の光磁気記録媒体の第4の実施の形態を示す図である。41は透光性の基板、42は光干渉層、43は磁壁移動層、44は中間層、45は記録層、46は保護層、47は放熱層、48は情報を記録再生するための情報トラックである。本実施の形態の光磁気記録媒体はランドグルーブ記録用の媒体であり、溝の形状は第1の実施の形態と同じである。
【0036】
第1の実施の形態と同様にして光干渉層としてSiN層を30nm、磁壁移動層としてGdFeCo層を25nm、中間層としてTbFe層を5nm、記録層としてTbFeCo層を40nm、保護層としてSiN層を20nm、放熱層となるAlを20nm成膜した。続いて、エッチング制御層としてカーボンを2nm成膜した。エッチング制御層は放熱層または記録層よりもエッチング速度の遅い材料で形成すればよいが、カーボンが特に好適である。
【0037】
続いて、真空排気したままイオンガンを用いてArイオンビームを照射し、情報トラック間のテーパー部分で放熱層がほぼ除去されるまでエッチングを行った。このとき情報トラック部ではエッチング制御層として成膜したカーボンがほぼ除去され、厚さ20nmの放熱層が露出した状態になっていた。
【0038】
この光磁気ディスクを真空装置から取り出した後、紫外線硬化樹脂からなる保護コート層を形成し、本実施の形態の光磁気記録媒体を完成した。
【0039】
こうして作成した光磁気記録媒体を、図4に示す光磁気ディスク記録再生装置に乗せ、パルス磁界変調記録方法を用いてランド部の情報トラックに0.15μmの繰り返しパターンを記録した。この記録したマークを、同じく図4の光磁気ディスク記録再生装置で、3m/sの線速度で再生したところ、再生信号のマーク幅ジッタは8%(0.15μmのマーク幅に対する比率)と良好な値が得られた。グルーブ部の情報トラックでも同様にしてジッタを調べたところ、こちらも8%と良好な値であった。
【0040】
次に、第1の実施の形態と同様にして本実施の形態の光磁気記録媒体のクロスライトパワーマージンを調べた。クロスパワーライトマージンは±13%であり、第1の実施の形態よりも少し良好であった。
【0041】
本実施の形態の光磁気記録媒体は、エッチング制御層を利用して製造することにより、情報トラックにおいて第1の実施の形態の光磁気記録媒体よりも好適な形状で放熱層が形成されている。
【0042】
以上、本発明の4つの実施の形態が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内特定の説明と図に限定されるのではなく、本特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0043】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0044】
本発明の実施態様は、少なくとも磁壁移動層、中間層、記録層が積層された光磁気記録媒体であって、再生用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布によって記録層から磁壁移動層に転写された記録マーク境界の磁壁を移動させることにより情報を再生する超解像再生可能な光磁気記録媒体であり、情報トラック部には放熱層が形成されており、情報トラック間には実質的に放熱層が形成されていない光磁気記録媒体である。
【0045】
また、本発明の実施態様は、ランド・アンド・グルーブ記録方式で利用する光磁気記録媒体であって、光磁気記録媒体のランド部及びグルーブ部が情報トラックとして利用され、ランド部及びグルーブ部には放熱層が形成されており、ランド部とグルーブ部の間のテーパー部には実質的に放熱層が形成されていない光磁気記録媒体である。
【0046】
また、本発明の実施態様は、グルーブ記録方式で利用する光磁気記録媒体であって、光磁気記録媒体のグルーブ部が情報トラックとして利用され、グルーブ部には放熱層が形成されており、隣接するグルーブ部間のランド部には実質的に放熱層が形成されていない光磁気記録媒体である。
【0047】
本実施態様によれば、本発明の光磁気記録媒体は、情報トラック間には実質的に放熱層が形成されていない構成をとることにより、トラックに沿った方向よりもトラック横断方向への熱伝導が相対的に断熱的となるため、記録用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布の等温線形状がトラックに垂直な直線により近づき、光磁気記録媒体上に形成される磁壁形状がトラックに垂直な直線に近づくとともに、再生用光ビームが形成する等温線形状もトラックに垂直な直線により近づくため、再生用光ビームによる加熱によって磁壁の移動を可能とする温度の等温線が光磁気記録媒体上に記録されている磁壁に接してから、磁壁を包括するまでの距離が短くなり、この結果、立ち上がり、立ち下りが急峻な良質の再生信号が得られる。
【0048】
さらに、再生用光ビームによって発生する熱エネルギーがトラック横断方向に伝導することが抑制され、記録密度向上のためにトラックピッチを狭くしてもクロスライト及びクロスイレースの発生を抑制でき、クロスライトパワーマージンも広がる。
【0049】
また、本発明の光磁気記録媒体においては、情報トラック部の放熱層の膜厚は10nm以上50nm以下であることが好ましい。
【0050】
本発明の実施態様は、少なくとも磁壁移動層、中間層、記録層が積層された光磁気記録媒体であって、再生用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布によって記録層から磁壁移動層に転写された記録マーク境界の磁壁を移動させることにより情報を再生する超解像再生可能な光磁気記録媒体であり、情報トラック間には実質的に記録層が形成されていない光磁気記録媒体である。
【0051】
また、本発明の実施態様は、ランド・アンド・グルーブ記録方式で利用する光磁気記録媒体であって、光磁気記録媒体のランド部及びグルーブ部が情報トラックとして利用され、ランド部とグルーブ部の間のテーパー部には実質的に記録層が形成されていない光磁気記録媒体である。
【0052】
また、本発明の実施態様は、グルーブ記録方式で利用する光磁気記録媒体であって、光磁気記録媒体のグルーブ部が情報トラックとして利用され、隣接するグルーブ部間のランド部には実質的に記録層が形成されていない光磁気記録媒体である。
【0053】
本実施態様によれば、本発明の光磁気記録媒体は、情報トラック間には実質的に記録層が形成されていない構成をとることにより、トラックに沿った方向よりもトラック横断方向への熱伝導が相対的に断熱的となるため、記録用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布の等温線形状がトラックに垂直な直線により近づき、光磁気記録媒体上に形成される磁壁形状がトラックに垂直な直線に近づくとともに、再生用光ビームが形成する等温線形状もトラックに垂直な直線により近づくため、再生用光ビームによる加熱によって磁壁の移動を可能とする温度の等温線が光磁気記録媒体上に記録されている磁壁に接してから、磁壁を包括するまでの距離が短くなり、この結果、立ち上がり、立ち下りが急峻な良質の再生信号が得られる。
【0054】
さらに、再生用光ビームによって発生する熱エネルギーがトラック横断方向に伝導することが抑制され、記録密度向上のためにトラックピッチを狭くしてもクロスライト及びクロスイレースの発生を抑制でき、クロスライトパワーマージンも広がる。
【0055】
本発明の実施態様は、少なくとも磁壁移動層、中間層、記録層が積層された光磁気記録媒体であって、再生用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布によって記録層から磁壁移動層に転写された記録マーク境界の磁壁を移動させることにより情報を再生する超解像再生可能な光磁気記録媒体であり、情報トラック部には放熱層が形成されており、情報トラック間には実質的に放熱層が形成されていない光磁気記録媒体を製造する製造方法であって、放熱層を形成後エッチングにより少なくとも情報トラック間の放熱層を除去する、光磁気記録媒体の製造方法である。
【0056】
本実施態様によれば、本発明の光磁気記録媒体の製造方法は、少なくとも情報トラック間の放熱層をエッチングによって除去すればよいので、短い時間での処理が可能となり、量産性を損なうことなく作成できる。その結果、信号品位およびクロスライトパワーマージンの良好な光磁気記録媒体を、安価に製造することが可能となる。
【0057】
本発明の実施態様は、少なくとも磁壁移動層、中間層、記録層が積層された光磁気記録媒体であって、再生用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布によって記録層から磁壁移動層に転写された記録マーク境界の磁壁を移動させることにより情報を再生する超解像再生可能な光磁気記録媒体であり、情報トラック間には実質的に記録層が形成されていない光磁気記録媒体を製造する製造方法であって、記録層を形成後エッチングにより少なくとも情報トラック間の記録層を除去する、光磁気記録媒体の製造方法である。
【0058】
本実施態様によれば、本発明の光磁気記録媒体の製造方法は、少なくとも情報トラック間の記録層をエッチングによって除去すればよいので、短い時間での処理が可能となり、量産性を損なうことなく作成できる。その結果、信号品位およびクロスライトパワーマージンの良好な光磁気記録媒体を、安価に製造することが可能となる。
【0059】
また、上記エッチングはイオンビームエッチングあるいは逆スパッタエッチングで行うことが好ましい。
【0060】
また、エッチングを行うに先立って放熱層または記録層よりもエッチング速度の遅いエッチング制御層を形成し、その後エッチングを行うことが好ましい。
【0061】
また、上記エッチング制御層はカーボンから成ることが好ましい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光磁気記録媒体は、情報トラック間の部分に放熱層が無いため、情報トラックを横断する方向への熱伝導が抑制され、その結果、光ビーム照射時に記録および再生に好適な温度分布が情報トラック上に形成され、良好な再生信号が得られるという効果がある。さらに、クロスライトパワーマージンも広がるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の第2の実施の形態を示す図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の第3の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る光磁気ディスク記録再生装置の模式図である。
【図5】第1の実施の形態の光磁気記録媒体のクロスライトパワーマージンを説明するための図である。
【図6】比較例1の光磁気記録媒体のクロスライトパワーマージンを説明するための図である。
【図7】本発明の光磁気記録媒体の第4の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
10 光磁気記録媒体(光磁気ディスク)
11、21、31 透光性の基板
12、22、32 光干渉層
13、23、33 磁壁移動層
14、24、34 中間層
15、25、35 記録層
16、26、36 保護層
17、27 放熱層
18、28、38 情報トラック

Claims (1)

  1. 少なくとも磁壁移動層と、中間層と、記録層とが積層された光磁気記録媒体であって、再生用光ビームが光磁気記録媒体上に形成する温度分布によって記録層から磁壁移動層に転写された記録マーク境界の磁壁を移動させることにより情報を再生する超解像再生可能な光磁気記録媒体であり、情報トラック部には放熱層が形成されており、情報トラック間には実質的に放熱層が形成されていないことを特徴とする光磁気記録媒体。
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