JP2004225956A - 擬装材用布帛及び擬装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光線、近赤外線だけでなく遠赤外線領域においても優れた擬装効果を有し、しかも該擬装効果が長時間持続可能な擬装材用布帛及び擬装材を提供すること。
【解決手段】少なくとも可視光線および近赤外線領域における擬装効果を有する擬装材用布帛であって、吸水性物質を3重量%以上含んでなることを特徴とする擬装材用布帛。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光線、近赤外線領域だけでなく、遠赤外線領域においても優れた擬装効果を有する擬装材用布帛及び擬装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、防衛技術の分野において、双眼鏡、近赤外線画像装置など可視光線、近赤外線を利用した探知方式が採用されてきた。特に、近年では遠赤外線を利用した探知方式も採用されている。
【0003】
かかる遠赤外線による探知方式は、従来方式と異なり、探知・偵察対象物自らが発する遠赤外線(一般には熱線と称されている)を探知するものであり、日中、夜間を問わず、探知が可能である。また、遠赤外線が長波長であるため、霧や煙等にも影響されにくく、人体や軍事対象物の探知・偵察方式として極めて好ましい手段であると言われている。
【0004】
探知・偵察技術とそれを隠蔽する擬装(カモフラージュということもある)技術とは関連があり、新しい探知・偵察手段に対してはそれを擬装する新しい手段が求められている。
【0005】
このため、可視光線、近赤外線を利用した探知方式で発見されないだけでなく、遠赤外線画像装置でも発見されない擬装手段が要望されている。
【0006】
そして、かかる要望にこたえるため、遠赤外線領域において擬装効果を有する擬装材としては、フィルムに金属薄層を積層し、かつ部分的に遠赤外線熱放射率を異ならせた擬装材(例えば、特許文献1参照)や、可視光線、近赤外線領域において擬装効果を有するシートと、遠赤外線の直進透過率を低減させたシートを一体化させることにより、可視光線、近赤外線、遠赤外線領域において擬装効果を有する擬装材(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【0007】
しかるに、前者の金属薄層を積層した擬装材においては、擬装材の表面に金属薄層の光沢があり、可視光線領域での擬装性の点で満足とは言えなかった。
【0008】
他方、後者のシートを一体化させた擬装材においては、擬装材で熱源を覆った直後については遠赤外線に対する擬装効果は得られるものの、時間の経過に伴い、遠赤外線の直進透過率を低減させたシートが熱源の遠赤外線を吸収して温度上昇し、さらに、その熱が外側のシートに伝導し、その結果、該外側のシートから熱線(遠赤外線)が放射され、遠赤外線画像装置で探知されてしまうという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特公平5−39785号公報
【特許文献2】
特許第2558349号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の問題を解消するためになされたものであり、本発明の目的は、可視光線や近赤外線だけでなく遠赤外線領域においても優れた擬装効果を有し、しかも該擬装効果が長時間持続可能な擬装材用布帛及び擬装材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも可視光線および近赤外線領域における擬装効果を有する擬装材用布帛に吸水性物質を含ませることにより、該布帛が湿潤した際、布帛の内側から人体等の熱を受けても、吸収した水分の蒸散効果により布帛の表面温度が低く維持され、その結果、可視光線、近赤外線だけでなく、遠赤外線領域においても優れた擬装効果が得られること、さらには、該擬装効果が長時間持続することを見出した。そして、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0012】
かくして、本発明によれば、「少なくとも可視光線および近赤外線領域における擬装効果を有する擬装材用布帛であって、吸水性物質を3重量%以上含んでなることを特徴とする擬装材用布帛」が提供される。
【0013】
その際、前記の吸水性物質が吸水性樹脂として布帛に付着していてもよいし、該吸水性物質が吸水性繊維として布帛に含まれていてもよい。
【0014】
かかる吸水性物質としては、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、ポリアクリル酸金属塩、澱粉とアクリル酸とのグラフト重合体にアクリル酸ナトリウム塩を一部共重合させたもの、これらのポリアクリル酸系共重合体とカルボン酸ナトリウム塩を混合させたものの群より選択される少なくとも1種からなるものや、感温点20〜40℃の感温性吸水性ポリマーからなるものが好適に例示される。
【0015】
また、本発明の擬装材用布帛において、構成繊維としてアラミド繊維が30重量%以上含まれることが、防炎性の点で好ましい。
【0016】
上記の擬装材用布帛は、単独で用いて擬装材としてもよいし、他の布帛、例えば、保温性を有する布帛やアルミ箔を貼り付けて熱放射率を低減させた布帛などと組み合わせて擬装材としてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の擬装用布帛は、少なくとも可視光線および近赤外線領域における擬装効果を有するものである。可視光線および近遠赤外線領域における擬装効果を布帛に付与する方法としては、従来から知られている各種の方法が使用可能である。
【0018】
例えば、布帛に対して、可視光線および/又は近赤外線領域の分光反射率が天然自然界の植物、土、雪などに近似するように、無地あるいは迷彩状模様に着色されたものや、かかる擬装用布帛に導電糸を織編みこんでレーダー波に対する擬装効果を付加したもの、さらには布帛に着色樹脂シートを貼り付けたものなどが例示される。
【0019】
次に、本発明の擬装用布帛において吸水性物質が布帛の重量に対して3重量%以上(好ましくは、4〜20重量%)含まれる必要がある。ここで、吸水性物質の含有量が3重量%未満では、吸水性物質に吸収された水分による蒸散効果が十分には得られず、布帛の温度を低く維持することが困難となる。その結果、遠赤外線領域での長時間にわたる擬装効果が得られず好ましくない。
【0020】
なお、本発明でいう吸水性物質とは、生理食塩水に対して平衡状態で自重の5倍以上の吸水性を有する物質のことである。
【0021】
かかる吸水性物質の形態は特に限定されず、例えば、吸水性樹脂として布帛に付着していてもよいし、吸水性繊維として布帛を構成するものであってもよい。その際、吸水性物質の布帛に対する重量%は、前者の場合では(吸水性樹脂の重量)/(吸水性樹脂を付着させる前の布帛重量)×100、他方、後者の場合では(吸水性繊維の重量)/(吸水性繊維を含む布帛重量)×100で計算するものとする。
【0022】
前記の吸水性物質の種類としては、自重の5倍以上の吸水性を有する物質であれば特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸金属塩、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリメタアクリル酸及びその共重合体、ポリビニルアルコール及びその共重合体、ポリアクリルアミド及びその共重合体などが例示される。なかでも、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、ポリアクリル酸金属塩、澱粉とアクリル酸とのグラフト重合体にアクリル酸ナトリウム塩を一部共重合させたもの、これらのポリアクリル酸系共重合体とカルボン酸ナトリウム塩を混合させたものは、常温下で自重の数十倍から数百倍の水分を吸収可能であり、かつ吸水後長時間放置すると徐放水する特性を有するものであり特に好ましい。これらの吸水性物質を含む布帛を湿潤させると、布帛内側から人体等によって加温されても、吸収された水分の蒸散効果により布帛表面の温度を低く維持できるため、長時間に渡って遠赤外線領域での擬装効果が得られることになる。
【0023】
前記の吸水性物質としては、感温点20〜40℃(好ましくは30〜38℃、特に好ましくは34〜37℃)の感温性吸水性ポリマーも好適に使用される。ここで、感温性吸水性ポリマーとは、感温点以下の温度では水分を吸収するが、感温点より高い温度では水分をほとんど吸収せず、感温点以下で吸収した水分を外部に放出する特性を有するポリマーである。
【0024】
かかる感温性吸水性ポリマーとしては、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルピロリジン、アクリロイルピペリジン、N−エチルアクリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド類モノマーから選択されるモノマーを主成分とし、(メタ)アクリル酸、またはそのアルカリ金属塩、または、必要に応じて他のビニルモノマーを共重合させることにより感温性ポリマーを得た後、該感温性ポリマーを架橋させることにより得られる。
【0025】
その際、感温性吸水性ポリマーの感温点は、使用するモノマーの種類、組成比によってコントロールできる。例えば、N−イソプロピルアクリルアミドを単独で重合、架橋してなる感温性吸水ポリマーは32℃前後に感温点を有する。かかるN−イソプロピルアクリルアミドに他のモノマーを共重合させることにより、感温点を変えることも可能である。
【0026】
ここで、前記の感温点が20℃よりも低いと、かかる擬装材用布帛を用いて擬装材となした後、該擬装材を人が着用した際、体温等の熱により擬装材の温度が感温点よりも高くなり吸水性が低下する恐れがあり、また、夏場の高気温環境下においても吸水性が低下する恐れがある。逆に、該感温点が40℃よりも高いと、擬装材を着用後水分を外部に放出させるためには強制加熱が必要となることもあり好ましくない。
【0027】
さらに前記の吸水性物質として、例えば、セルロース系短繊維をオーバーマイヤー型染色機に充填した後、苛性ソーダなどのアルカリ金属イオン、水、イソプロピルアルコール(界面活性剤)などからなる反応溶媒を用いることにより、モノクロル酢酸によって、該繊維のカルボキシル化を促進し、均一良質な吸水性短繊維としてもよい。
【0028】
本発明の擬装材用布帛において、布帛の形態としては、特に限定されず、公知の集合体である織編物や不織布が使用される。なかでも、複合擬装材の形態安定性及び耐久性の点で、織物が好ましく例示される。かかる織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織、2/2サージ、またはこれらの変化組織などが好ましく用いられる。
【0029】
かかる布帛に、例えば、吸水性樹脂を布帛に付着させたり、または吸水性繊維として布帛を構成することにより、本発明の擬装材用布帛が得られる。
【0030】
そして、該布帛を形成する繊維材料は、吸水性物質を吸水性樹脂として布帛に付着させる場合、該布帛を形成する繊維材料は特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸に代表されるポリエステル繊維、メタ型又はパラ型アラミド繊維、炭素繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維などの合成繊維やレーヨン繊維、さらには綿などの天然繊維が例示される。なかでも、防炎性の点でレーヨンや綿などに難燃加工を施したものやアラミド繊維などが好適に例示される。特に、前記の布帛にアラミド繊維が30重量%以上(より好ましく40重量%以上)含まれていることがより好ましい。
【0031】
他方、吸水性物質を吸水性繊維として用いて布帛を構成する場合、かかる吸水性繊維単独で布帛を構成してもよいし、吸水繊維と他の繊維を用いて布帛を構成してもよい。その際、他の繊維としては特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸に代表されるポリエステル繊維、メタ型又はパラ型アラミド繊維、炭素繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維などの合成繊維やレーヨン繊維、さらには綿などの天然繊維が例示される。なかでも、防炎性の点でレーヨンや綿などに難燃加工を施したものやアラミド繊維などが好適に例示される。特に、前記の布帛にアラミド繊維が30重量%以上(より好ましく40重量%以上)含まれていることがより好ましい。
【0032】
その際、繊維の形態としては短繊維であっても長繊維であってもよい。さらには、吸水性繊維と他の繊維とを複合させた複合糸、空気加工糸、仮撚加工糸、撚糸であってもよい。
【0033】
本発明の擬装材用布帛を製造する方法としては、(a)前記の吸水性物質からなる吸水性繊維を少なくとも用いて布帛を構成した後、該布帛に対して可視光線および/又は近赤外線領域の分光反射率が天然自然界の植物、土、雪などに近似するように無地あるいは迷彩状模様に着色する方法や、(b)吸水性繊維を用いて又は用いずに布帛を構成した後、(a)と同様に可視光線および/又は近赤外線領域における擬装効果を有するよう着色したのち、該布帛に常法の含浸法等で前記の吸水性物質からなる吸水性樹脂を付着させる方法などがあげられる。その際、染色加工、起毛加工、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
【0034】
かくして得られた擬装材用布帛は吸水性物質を含んでいるため、湿潤すると、布帛の内側から人体等の熱を受けても吸収した水分の蒸散効果により布帛の表面温度が低く維持され、その結果、可視光線や近赤外線だけでなく、遠赤外線領域においても優れた擬装効果が得られる。しかも該擬装効果が長時間持続する。
【0035】
かかる擬装材用布帛は、単独で用いて擬装材としてもよいし、他の布帛、例えば、保温性を有する布帛や、アルミ箔を貼り付けて熱放射率を低減させた布帛などと組み合わせて擬装材としてもよい。
【0036】
なお、本発明の擬装材用布帛において、布帛を形成する繊維の繊度は、擬装材の用途に応じて適宜選定される。例えば、人が着用する場合は風合いの点で単糸繊度1〜5dtexの範囲が適当である。
【0037】
【実施例】
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<遠赤外線領域における擬装効果>8〜12μmの遠赤外線波長を検出する遠赤外線画像装置「IR−20」(日本アビオニクス株式会社製)を用いて遠赤外線領域における擬装効果を評価した。得られた擬装材に200ccの水を霧吹きで吸水させたのち、被験者が該擬装材(衣服)を着用し、樹木を背景に直立安静の姿整を維持(15℃の環境下、1時間)した。その後、被験者から50m離れた位置で、前記の遠赤外線画像装置で擬装性を評価した。判定は、得られた画像を肉眼で判定し、背景と被験者とのコントラストが全く認められず、識別ができない場合を◎、コントラストが弱く、識別が困難な場合を○、コントラストが強く、識別が可能な場合を×とした。
【0038】
また、擬装維持時間については、遠赤外線画像装置にてコントラストが強くなったと判断されるまでの時間を擬装維持時間とした。
<可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果>公知の可視、近赤外線写真を用い、これ以外は、遠赤外線領域における擬装効果の評価と同様にして可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果を評価した。判定は、得られた画像を肉眼で判定し、背景と被験者とのコントラストが全く認められず、識別ができない場合を◎、コントラストが弱く、識別が困難な場合を○、コントラストが強く、識別が可能な場合を×とした。
【0039】
[実施例1]
メタ型アラミド繊維38重量%、パラ型アラミド繊維4重量%、公知の難燃加工を施したレーヨン58重量%を紡績した50番双糸を、経糸と緯糸に用いて2/2サージ織物を製織した。そして、該織物に、可視光線、近遠赤外線領域における公知の擬装(着色処理)を施した。
【0040】
次いで、該布帛(目付け250g/m)に公知の含浸法で、吸水性物質として生理食塩水に対して平衡状態で自重の150倍の吸水性能を有する吸水性ポリアクリル酸ナトリウム架橋体(株式会社日本触媒製、商品名:アクアリップCA)を10g/mの固着量で均一に固着させることにより、擬装材用布帛とした後、裁断、縫製して衣服(擬装材)を得た。
【0041】
そして、被験者に該衣服を着用してもらい、遠赤外線領域における擬装効果、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果を評価した。
【0042】
評価結果は、遠赤外線領域における擬装効果で◎、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果で◎であった。そして、かかる擬装効果は8時間経過後においても維持されており、擬装効果の維持時間は長いものであった。
【0043】
[実施例2]
実施例1において、吸水性物質として生理食塩水に対して平衡状態で自重の100倍の吸水性能を有する、感温性吸水性ポリマー(株式会社興人製、商品名:サーモゲル350)を使用すること以外が実施例1と同様にして、衣服(擬装材)を得た。
【0044】
そして、被験者に該衣服を着用してもらい、遠赤外線領域における擬装効果、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果を評価した。
【0045】
評価結果は、遠赤外線領域における擬装効果で◎、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果で◎であった。そして、かかる擬装効果の維持時間は6時間と長いものであった。
【0046】
[実施例3]
公知のポリアクリル酸ナトリウム塩を主成分とするポリマーを直接紡糸することにより得た吸水性繊維(生理食塩水に対して平衡状態で自重の80倍の吸水性能を有する)10重量%、メタ型アラミド繊維38重量%、パラ型アラミド繊維4重量%、公知の難燃加工を施したレーヨン48重量%を紡績した50番双糸を、経糸と緯糸に用いて2/2サージ織物を製織した後、そして、該織物に可視光線、近遠赤外線領域における公知の擬装(着色処理)を施すことにより、擬装材用布帛とした後、裁断、縫製して衣服(擬装材)を得た。
【0047】
そして、被験者に該衣服を着用してもらい、遠赤外線領域における擬装効果、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果を評価した。
【0048】
評価結果は、遠赤外線領域における擬装効果で◎、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果で◎であった。そして、かかる擬装効果は8時間経過後においても維持されており、擬装効果の維持時間は長いものであった。
【0049】
[比較例1]
メタ型アラミド繊維38重量%、パラ型アラミド繊維4重量%、公知の難燃加工を施したレーヨン58重量%を紡績した50番双糸を、経糸と緯糸に用いて2/2サージ織物を製織した後、そして、該織物に可視光線、近遠赤外線領域における公知の擬装(着色処理)を施すことにより、擬装材用布帛とした後、裁断、縫製して衣服(擬装材)を得た。
【0050】
そして、被験者に該衣服を着用してもらい、遠赤外線領域における擬装効果、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果を評価した。
【0051】
評価結果は、吸水直後においては、遠赤外線領域における擬装効果で◎、可視光線、近遠赤外線領域における擬装効果で◎であったが、かかる擬装効果は1時間しか維持されず、不満足なものであった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、可視光線、近赤外線だけでなく遠赤外線領域においても優れた擬装効果を有し、しかも該擬装効果が長時間持続可能な擬装材用布帛及び擬装材が提供される。かかる擬装材は、防衛技術の分野における人体や軍事対象物の擬装用シートなどとして極めて好適である。

Claims (7)

  1. 少なくとも可視光線および近赤外線領域における擬装効果を有する擬装材用布帛であって、吸水性物質を3重量%以上含んでなることを特徴とする擬装材用布帛。
  2. 吸水性物質が吸水性樹脂として布帛に付着してなる請求項1に記載の擬装材用布帛。
  3. 吸水性物質が吸水性繊維として布帛に含まれる請求項1に記載の擬装材用布帛。
  4. 吸水性物質が、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、ポリアクリル酸金属塩、澱粉とアクリル酸とのグラフト重合体にアクリル酸ナトリウム塩を一部共重合させたもの、これらのポリアクリル酸系共重合体とカルボン酸ナトリウム塩を混合させたものの群より選択される少なくとも1種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の擬装材用布帛。
  5. 吸水性物質が、感温点20〜40℃の感温性吸水性ポリマーからなる請求項1〜3のいずれかに記載の擬装材用布帛。
  6. 布帛を構成する繊維としてアラミド繊維が30重量%以上含まれる請求項1〜5のいずれかに記載の擬装材用布帛。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の擬装材用布帛を含んでなることを特徴とする擬装材。
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