JP2004225850A - ブレーキホース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内層ゴム1上に、補強繊維層2、中間ゴム層3、外部補強繊維層4および外層ゴム5を順に形成したブレーキホースにおいて、補強繊維層2を、50〜400回/mの撚りを与えたポリエチレン−2,6−ナフタレート糸を使用して構成する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキホースに関し、特に、内層ゴム上にポリエチレン−2,6−ナフタレートによる補強繊維層を有し、かつ、内圧付加状態での耐屈曲疲労性、および耐膨張性に優れた性能を有するブレーキホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のブレーキシステムにおいて、シャーシとホイールキャリパ間に液圧を伝達するために配管されるブレーキホースは、重要保安部品に指定されていることからも明らかなように、車の安全性を確保するうえにおいて極めて重要な存在となる。
【0003】
図1は、ブレーキホースの一般的な構成を示したもので、1は内部にブレーキ液を充填される内層ゴム、2は内層ゴム1上に編組形式で形成された補強繊維層、3は補強繊維層2上に形成された中間ゴム層、4は中間ゴム層3上に形成された編組形式の外部補強繊維層、5は最外周に形成された外層ゴムを示す。
【0004】
以上の構成を有するブレーキホースは、過酷な環境下で使用される関係上、その要求特性は多岐にわたり、かつ、厳しいものがあるが、なかでも、振動や屈曲等に対する耐疲労性、液圧伝達を鋭敏にするための耐膨張性、およびブレーキ液に対する耐食性の3特性を特に重要な特性として挙げることができる。
これらの特性は、いずれも、補強繊維層2の特質による影響を大きく受け、外部補強繊維層4は、これを補足する存在となる。
【0005】
内層ゴム1直上の補強繊維層2の構成材としては、一般に、ポリビニルアルコール、レーヨンあるいはポリエチレンテレフタレートを材質とした繊維が使用され、これらのうち前2者は、優れた耐疲労性と耐膨張性を与え得る材料として知られており、一方、後者は、ブレーキ液に対する優れた耐食性を保持する材料として知られている。
【0006】
しかし、これらの繊維を補強繊維層2に適用したブレーキホースによると、発揚できる性能には偏りがあり、ポリビニルアルコールおよびレーヨン繊維の場合には、耐食性において不満足な特性を示す一方、ポリエチレンテレフタレート繊維の場合には、耐膨張性において不充分な特性を示すようになる。
【0007】
近年、これらの繊維に代わり、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維を補強繊維層2に使用したブレーキホースが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このホースによれば、上記した3特性のすべてにおいて優れた性能を備えるとされ、次世代用のブレーキホースとして高い評価を受けている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−82640号公報(第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ポリエチレン−2、6−ナフタレート繊維を使用した従来のブレーキホースによると、この繊維を使用した補強繊維層2に対する技術的な解明がいまだ不充分のため、補強層2の仕様によっては、内圧が付加した状態で繰り返し屈曲が作用したときの耐疲労性、および耐膨張性に充分な性能を確保できないことがある。
【0010】
従って、本発明の目的は、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維による補強繊維層を内層ゴム上に形成したホース構成において、内圧付加状態での耐屈曲疲労性、および耐膨張性の両特性に優れた性能を示すブレーキホースを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に補強繊維層を形成し、前記補強繊維層上に所定の層を形成したブレーキホースにおいて、
前記補強繊維層は、50〜400回/mの撚りを与えられたポリエチレン−2,6−ナフタレート糸より構成されることを特徴とするブレーキホースを提供するものである。
【0012】
本発明において、補強繊維層を構成するポリエチレン−2,6−ナフタレート糸に、特に、50〜400回/mの範囲で撚りを与える理由は、撚りが50回/m未満の糸を使用すると、内圧付加状態での耐屈曲疲労性に充分な結果が得られず、一方、撚りが400回/mを超えた糸を使用すると、耐膨張特性に充分な結果が得られないためであり、これらの数値限定の意義については、後述する実施の形態において実証される。
【0013】
この補強繊維層の上に形成される所定の層としては、順に形成される中間ゴム層、外部補強繊維層および外層ゴムによつて構成することが好ましく、その場合、外部補強繊維層の構成材としては、ポリエチレン−2、6−ナフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維あるいはレーヨン繊維が好ましい。
【0014】
内層ゴム、中間ゴム層および外層ゴムの構成材としては、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴムあるいはクロロスルホン化ポリエチレンゴム等が使用され、これらの中より各層の要求特性に合う材質がそれぞれ選択される。
【0015】
なお、所定の層として、上述した構成以外の構成を採用することは可能であり、たとえば、上述の構成において、外部補強繊維層と中間ゴム層を省略したり、あるいは、逆に、他の層を新たに追加するなど、様々な形態とすることが可能である。
【0016】
また、ホースの特性を損なわないかぎり、内層ゴム上の補強繊維層を構成するポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維内に、他の繊維を混入することは可能であり、さらに、このような混紡形式は、外部補強繊維層に対しても適用可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるブレーキホースの実施の形態を説明する。
ます、図1により、その基本構成を示す。
【0018】
表1は、以上の構成に基づく実施例および比較例の要点と、その特性試験の実施結果をまとめたものである。なお、表1において、耐屈曲疲労性は、100℃下で試料ブレーキホースに0〜100kgf/cm2のインパルス内圧を加えて繰り返し屈曲させたときの、ホース破裂時の屈曲回数を示し、また、体積膨張量は、JIS D2601に基づいて105kgf/cm2の内圧を加えたときの、自由長1フィート(305mm)における内容積の変化量を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
表1によれば、実施例1〜4が耐屈曲疲労性と体積膨張量の両特性において優れた性能を示しているのに比べ、比較例1が耐屈曲疲労性、比較例2が体積膨張量においてそれぞれ不充分な結果を示している。これは、比較例1が、補強繊維層2を構成するポリエチレン−2,6−ナフタレート糸の撚り数を30回/mと低く設定していること、一方、比較例2が糸の撚り数を600回/mと過剰に設定していることによる。
【0021】
実施例1〜4と比較例1および2を対比するとき、実施例1〜4の優位性は明らかであり、従って、表1は、補強繊維層2をポリエチレン−2,6−ナフタレートで構成したブレーキホースにおいて、糸の撚りを50〜400回/mに設定することの技術的な意義を、明確に示しているものといえる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のブレーキホースによれば、内層ゴム上に形成される補強繊維層を50〜400回/mの撚りを与えたポリエチレン−2,6−ナフタレート糸によって構成するため、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維使用時における内圧付加状態での耐屈曲疲労性、および耐膨張性上の問題を効果的に解決することができ、従って、実用性の高いブレーキホースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキホースの一般的構成を示す説明図。
【符号の説明】
1 内層ゴム
2 補強繊維層
3 中間ゴム層
4 外部補強繊維層
5 外層ゴム
Claims (3)
- ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に補強繊維層を形成し、前記補強繊維層上に所定の層を形成したブレーキホースにおいて、
前記補強繊維層は、50〜400回/mの撚りを与えられたポリエチレン−2,6−ナフタレート糸より構成されることを特徴とするブレーキホース。 - 前記所定の層は、前記補強繊維層上に順に形成された中間ゴム層、外部補強繊維層および外層ゴムより構成されることを特徴とする請求項1項記載のブレーキホース。
- 前記外部補強繊維層は、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維より選択される繊維材より構成されることを特徴とする請求項2項記載のブレーキホース。
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JP2003016578A JP2004225850A (ja) | 2003-01-24 | 2003-01-24 | ブレーキホース |
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KR101096960B1 (ko) * | 2009-03-06 | 2011-12-20 | 엘에스엠트론 주식회사 | 브레이크 호스 |
KR101102209B1 (ko) * | 2009-03-06 | 2012-01-05 | 엘에스엠트론 주식회사 | 브레이크 호스 |
JP2019196816A (ja) * | 2018-05-10 | 2019-11-14 | 横浜ゴム株式会社 | 高圧ホースおよびその製造方法 |
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2003
- 2003-01-24 JP JP2003016578A patent/JP2004225850A/ja active Pending
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