JP2004225767A - 流体圧式の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体圧で駆動されるアクチュエータの制御に必要な動作位置の検出手段が付けられない場合やその故障に対処できるようにする。
【解決手段】アクチュエータ10の内部の作動圧を検出する手段20と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段(ECUのメモリ)と、作動圧の検出信号と作動圧の設定特性と動作位置の検出信号とから故障状態の判定を行う手段(S1〜S3,S5およびS6,S8)と、この判定結果から動作位置の検出手段が故障のときはそのバックアップ手段として作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータ10の動作位置を割り出す手段(S7)と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】アクチュエータ10の内部の作動圧を検出する手段20と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段(ECUのメモリ)と、作動圧の検出信号と作動圧の設定特性と動作位置の検出信号とから故障状態の判定を行う手段(S1〜S3,S5およびS6,S8)と、この判定結果から動作位置の検出手段が故障のときはそのバックアップ手段として作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータ10の動作位置を割り出す手段(S7)と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体圧式の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ウインチの制御装置において、ウインチドラムを駆動する油圧モータの駆動油圧を検知する油圧センサを設け、その検知値を制御部へフィードバックして油圧モータの無理な回転を防止するようにしたものが開示される(特許文献1、参照)。液位監視装置であるが、監視液体の圧力を圧力伝達部材を介して中間媒体に伝え、その中間媒体の圧力を受けて動く受圧体の変位をセンサにより検出して監視液体の液面位置を検知するようにしたものが開示される(特許文献2、参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−226184号公報
【特許文献2】
特開2002−214019号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
流体圧式の駆動装置においては、エアシリンダなどのアクチュエータが用いられ、その制御に必要な動作位置を検出するため、アクチュエータの可動部に被検出体を設定する一方、被検出体に対する動作位置の検出手段として有接点または無接点のポジションスイッチが配置される。ポジションスイッチは、アクチュエータの可動部に設定の被検出体が所定位置に来ると、電気的な検出信号(ON信号またはOFF信号)を出力するが、アクチュエータの使用環境によっては、このようなポジションスイッチが外付けしえない場合も考えられる。また、ポジションスイッチが故障すると、アクチュエータの正常な動作が得られなくなってしまう。
【0005】
この発明は、このような課題の解決に有効な手段の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、流体圧で駆動されるアクチュエータと、その動作位置を検出する手段と、動作位置の検出信号に基づいてアクチュエータの作動を制御する手段と、を備える流体圧式の駆動装置において、アクチュエータの内部の作動圧を検出する手段と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段と、作動圧の検出信号と作動圧の設定特性と動作位置の検出信号とから故障状態の判定を行う手段と、この判定結果から動作位置の検出手段が故障のときはそのバックアップ手段として作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータの動作位置を割り出す手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明に係る流体圧式の駆動装置において、故障状態の判定手段は、アクチュエータの作動開始から所定時間内に要求位置への到達が動作位置の検出信号から得られない場合、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、動作位置の検出手段の故障を判定することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第1の発明に係る流体圧式の駆動装置において、故障状態の判定手段は、アクチュエータの作動開始から所定時間内に要求位置への到達が動作位置の検出信号から得られない場合、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、動作位置の検出手段の故障を判定する一方、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致しないときは、動作位置の検出手段および作動圧の検出手段以外に因る故障の可能性が高いと判定する手段と、その判定結果を表示する手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、流体圧で駆動されるアクチュエータと、その内部の作動圧を検出する手段と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段と、作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータの動作位置を割り出す手段と、この動作位置に基づいてアクチュエータの作動を制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
第1の発明においては、動作位置の検出手段が正常な場合、アクチュエータは、その検出信号に基づく制御により、正常な動作を行うことになる。動作位置の検出手段が故障すると、そのバックアップ手段により、作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいて、アクチュエータの動作位置が割り出されるのである。この信号(動作位置の検出信号に代わるバックアップ信号)に基づいて、アクチュエータは、正常な動作に制御される。故障状態については、アクチュエータの動作に伴って監視され、作動圧の検出信号と作動圧の設定特性と動作位置の検出信号とから判定される。この判定結果から、動作位置の検出手段が故障のときにバックアップが働くことになり、流体圧式の駆動装置に対する、高い信頼性が得られるのである。
【0011】
第2の発明においては、簡単な処理により、動作位置の検出手段の故障を適確に判定できる。
【0012】
第3の発明においては、簡単な処理により、動作位置の検出手段の故障ばかりでなく、動作位置の検出手段および作動圧の検出手段以外に因る故障の可能性が高い状態も判定しえるである。その判定結果は表示され、故障の修理についても、能率よく容易に処理できるようになる。
【0013】
第4の発明においては、動作位置の検出手段に依るのでなく、作用圧の検出手段に基づく制御により、アクチュエータを正常に動作させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1において、10は単動型のエアシリンダ(流体圧で駆動されるアクチュエータ)であり、シリンダ11の内部に作動圧室12がピストン13により画成される。作動圧室12は、圧力容器16(エアリザーバ)に配管接続され、その配管途中に電磁弁17が介装される。ピストン13は、シリンダ11の一端から外部へ突き出るピストンロッド14に結合され、ピストンロッド14の突出部に負荷(図示せず)が連結される。15はリターンスプリングである。
【0015】
電磁弁17は、ソレノイドへの通電のON−OFFにより、作動圧室側(Aポート)に圧力容器側(Tポート)と大気開放側(Eポート)を選択的に接続する。エアシリンダ11は、圧力容器16から電磁弁17を介して圧力(圧縮空気)が作動圧室12へ供給されると、リターンスプリング15の圧縮しつつピストン13が摺動する(ピストンロッド14の突出部が伸張する)一方、作動圧室12の圧力が電磁弁17を介して大気開放されると、リターンスプリング15によりピストン13が作動圧室12の収縮方向へ押し戻される(ピストンロッド14の突出部が縮小する)のである。
【0016】
エアシリンダ10の作動(電磁弁17のソレノイドへの通電)を制御するのが電子制御ユニットECU(コントローラ)であり、その制御に必要な検出手段としてエアシリンダ10の動作位置(ピストン13のストローク位置)を検出するポジションスイッチ19(ポジションセンサ)が設けられる。エアシリンダ10のピストンロッド14の突出部にポジションスイッチ19の被検出体18が設定され、ポジションスイッチ19は、被検出体18が所定位置に来ると、電気的な検出信号(ON信号またはOFF信号)を出力する。ポジションスイッチ19の故障をバックアップするため、作動圧室12の圧力を検出する圧力センサ20が備えられる。
【0017】
電子制御ユニットECUにおいては、エアシリンダ10の正常操作に伴う作動圧室12の圧力(作動圧)特性が予めメモリに設定される。図示しないが、ポジションスイッチ19の検出信号と作動圧の設定特性と圧力センサ20の検出信号とから故障状態の判定を行う手段と、この判定結果からポジションスイッチ19が故障のときは作動圧の設定特性から圧力センサ20の検出信号に基づいてエアシリンダ10の動作位置を割り出す手段と、が設けられる。
【0018】
故障状態の判定手段は、エアシリンダ10の伸作動の開始から所定時間が経過するまでの間にポジションスイッチ19のON信号(またはOFF信号)が得られない場合、圧力センサ20の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、ポジションスイッチ19の故障を判定する一方、同じく圧力センサ20の検出信号が作動圧の設定特性と合致と合致しないときは、圧力センサ20とポジションスイッチ19との両方が同時に故障を起こす確率は極く低いと考えられるため、ポジションスイッチ19および圧力センサ20以外に因る故障の可能性が高いと判定するのである。
【0019】
図2は、電子制御ユニットECUの処理内容を具体的に説明するフローチャートであり、S1においては、電磁弁17のソレノイドへの通電をONすることにより、エアシリンダ10(アクチュエータ)を伸作動させる。S2においては、エアシリンダ10の伸作動(電磁弁17への通電の0N)の開始からタイマにより経過時間がカウントされ、そのカウント値が所定時間に達すとS3へ進む。S3においては、ポジションスイッチ19がON信号(またはOFF信号)の出力状態かどうかを判定する。S3の判定がyesのときは、S4へ進む一方、S3の判定がnoのときは、S5へ飛ぶ。S4においては、ポジションスイッチ19の出力によりエアシリンダ10の動作位置を確定する。
【0020】
S5においては、圧力センサ20の検出信号が作動圧の設定特性に合致するかどうかを判定する。S5の判定がyesのときは、S6へ進む一方、S5の判定がnoのときは、S8へ飛ぶ。S6においては、ポジションスイッチ19の故障を判定すると共に以後は圧力センサ20の検出信号に基づいてエアシリンダ10の動作位置を確定する。つまり、作動圧の設定特性から圧力センサ20の検出信号に基づいて割り出される動作位置により、エアシリンダ10の作動を制御するのである。S8においては、ポジションスイッチ19および圧力センサ20以外に拠る故障(配管系の失陥など)の可能性が高いと判定するのである。
【0021】
このような構成により、ポジションスイッチ19が正常な場合、エアシリンダ10は、ポジションスイッチ19の検出信号に基づいて制御され、正常な動作を行うことになる。ポジションスイッチ19が故障の場合、バックアップ手段により、作動圧の設定特性から圧力センサ20の検出信号に基づいて、エアシリンダ10の動作位置が割り出され、ポジションスイッチ19の検出信号に代わる、この割り出し信号(バックアップ信号)に基づく制御により、エアシリンダ10の正常な動作が補償されるのである。
【0022】
故障状態については、エアシリンダ10の動作に伴って監視され、圧力センサ20の検出信号と作動圧の設定特性とポジションスイッチ19の検出信号とから判定される。この判定結果から、ポジションスイッチ19が故障のときは、既述のようなバックアップ機能が働くことになり、流体圧式の駆動装置に対する、高い信頼性が得られるのである。なお、故障状態の判定結果に係る表示手段を設けると、故障の修復作業についても、その表示内容(ポジションスイッチ19の故障またはポジションスイッチ19および圧力センサ20以外に因る故障の可能性が高いことを表示する)に基づいて、能率よく容易に処理できるようになる。
【0023】
このような駆動装置の構成および制御については、車両の自動変速装置において、常時噛み合い式の変速機(トランスミッション)のギヤシフト機構を駆動するギヤシフトアクチュエータへの適用も可能であり、図1および図2のような制御系によると、トランスミッションのシフト位置センサを構成する複数のポジションスイッチの故障に対する、バックアップ機能が有効に確保され、変速制御の信頼性を大いに高められる。
【0024】
図1および図2において、圧力センサ20の検出信号に基づいて作動圧の設定特性(ECUのメモリに設定される)からエアシリンダ10の動作位置を割り出す手段は、ポジションスイッチ19の故障をバックアップする機能を果たすものであるが、ポジションスイッチ19を設けず、それ自体を動作位置の検出手段として機能させることも考えられる。その場合、エアシリンダ10は、圧力センサ20の検出信号に応じて作動圧の設定特性から割り出される動作位置に基づいて制御される。このような圧力センサ20の検出信号に基づく制御により、ポジションスイッチ19が外付けられない場合においても、エアシリンダ10の正常な動作を確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表す構成の概要図である。
【図2】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 エアシリンダ
12 作動圧室
13 ピストン
17 電磁弁
18 被検出体
19 ポジションスイッチ
20 圧力センサ
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体圧式の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ウインチの制御装置において、ウインチドラムを駆動する油圧モータの駆動油圧を検知する油圧センサを設け、その検知値を制御部へフィードバックして油圧モータの無理な回転を防止するようにしたものが開示される(特許文献1、参照)。液位監視装置であるが、監視液体の圧力を圧力伝達部材を介して中間媒体に伝え、その中間媒体の圧力を受けて動く受圧体の変位をセンサにより検出して監視液体の液面位置を検知するようにしたものが開示される(特許文献2、参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−226184号公報
【特許文献2】
特開2002−214019号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
流体圧式の駆動装置においては、エアシリンダなどのアクチュエータが用いられ、その制御に必要な動作位置を検出するため、アクチュエータの可動部に被検出体を設定する一方、被検出体に対する動作位置の検出手段として有接点または無接点のポジションスイッチが配置される。ポジションスイッチは、アクチュエータの可動部に設定の被検出体が所定位置に来ると、電気的な検出信号(ON信号またはOFF信号)を出力するが、アクチュエータの使用環境によっては、このようなポジションスイッチが外付けしえない場合も考えられる。また、ポジションスイッチが故障すると、アクチュエータの正常な動作が得られなくなってしまう。
【0005】
この発明は、このような課題の解決に有効な手段の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、流体圧で駆動されるアクチュエータと、その動作位置を検出する手段と、動作位置の検出信号に基づいてアクチュエータの作動を制御する手段と、を備える流体圧式の駆動装置において、アクチュエータの内部の作動圧を検出する手段と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段と、作動圧の検出信号と作動圧の設定特性と動作位置の検出信号とから故障状態の判定を行う手段と、この判定結果から動作位置の検出手段が故障のときはそのバックアップ手段として作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータの動作位置を割り出す手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明に係る流体圧式の駆動装置において、故障状態の判定手段は、アクチュエータの作動開始から所定時間内に要求位置への到達が動作位置の検出信号から得られない場合、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、動作位置の検出手段の故障を判定することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第1の発明に係る流体圧式の駆動装置において、故障状態の判定手段は、アクチュエータの作動開始から所定時間内に要求位置への到達が動作位置の検出信号から得られない場合、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、動作位置の検出手段の故障を判定する一方、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致しないときは、動作位置の検出手段および作動圧の検出手段以外に因る故障の可能性が高いと判定する手段と、その判定結果を表示する手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、流体圧で駆動されるアクチュエータと、その内部の作動圧を検出する手段と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段と、作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータの動作位置を割り出す手段と、この動作位置に基づいてアクチュエータの作動を制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
第1の発明においては、動作位置の検出手段が正常な場合、アクチュエータは、その検出信号に基づく制御により、正常な動作を行うことになる。動作位置の検出手段が故障すると、そのバックアップ手段により、作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいて、アクチュエータの動作位置が割り出されるのである。この信号(動作位置の検出信号に代わるバックアップ信号)に基づいて、アクチュエータは、正常な動作に制御される。故障状態については、アクチュエータの動作に伴って監視され、作動圧の検出信号と作動圧の設定特性と動作位置の検出信号とから判定される。この判定結果から、動作位置の検出手段が故障のときにバックアップが働くことになり、流体圧式の駆動装置に対する、高い信頼性が得られるのである。
【0011】
第2の発明においては、簡単な処理により、動作位置の検出手段の故障を適確に判定できる。
【0012】
第3の発明においては、簡単な処理により、動作位置の検出手段の故障ばかりでなく、動作位置の検出手段および作動圧の検出手段以外に因る故障の可能性が高い状態も判定しえるである。その判定結果は表示され、故障の修理についても、能率よく容易に処理できるようになる。
【0013】
第4の発明においては、動作位置の検出手段に依るのでなく、作用圧の検出手段に基づく制御により、アクチュエータを正常に動作させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1において、10は単動型のエアシリンダ(流体圧で駆動されるアクチュエータ)であり、シリンダ11の内部に作動圧室12がピストン13により画成される。作動圧室12は、圧力容器16(エアリザーバ)に配管接続され、その配管途中に電磁弁17が介装される。ピストン13は、シリンダ11の一端から外部へ突き出るピストンロッド14に結合され、ピストンロッド14の突出部に負荷(図示せず)が連結される。15はリターンスプリングである。
【0015】
電磁弁17は、ソレノイドへの通電のON−OFFにより、作動圧室側(Aポート)に圧力容器側(Tポート)と大気開放側(Eポート)を選択的に接続する。エアシリンダ11は、圧力容器16から電磁弁17を介して圧力(圧縮空気)が作動圧室12へ供給されると、リターンスプリング15の圧縮しつつピストン13が摺動する(ピストンロッド14の突出部が伸張する)一方、作動圧室12の圧力が電磁弁17を介して大気開放されると、リターンスプリング15によりピストン13が作動圧室12の収縮方向へ押し戻される(ピストンロッド14の突出部が縮小する)のである。
【0016】
エアシリンダ10の作動(電磁弁17のソレノイドへの通電)を制御するのが電子制御ユニットECU(コントローラ)であり、その制御に必要な検出手段としてエアシリンダ10の動作位置(ピストン13のストローク位置)を検出するポジションスイッチ19(ポジションセンサ)が設けられる。エアシリンダ10のピストンロッド14の突出部にポジションスイッチ19の被検出体18が設定され、ポジションスイッチ19は、被検出体18が所定位置に来ると、電気的な検出信号(ON信号またはOFF信号)を出力する。ポジションスイッチ19の故障をバックアップするため、作動圧室12の圧力を検出する圧力センサ20が備えられる。
【0017】
電子制御ユニットECUにおいては、エアシリンダ10の正常操作に伴う作動圧室12の圧力(作動圧)特性が予めメモリに設定される。図示しないが、ポジションスイッチ19の検出信号と作動圧の設定特性と圧力センサ20の検出信号とから故障状態の判定を行う手段と、この判定結果からポジションスイッチ19が故障のときは作動圧の設定特性から圧力センサ20の検出信号に基づいてエアシリンダ10の動作位置を割り出す手段と、が設けられる。
【0018】
故障状態の判定手段は、エアシリンダ10の伸作動の開始から所定時間が経過するまでの間にポジションスイッチ19のON信号(またはOFF信号)が得られない場合、圧力センサ20の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、ポジションスイッチ19の故障を判定する一方、同じく圧力センサ20の検出信号が作動圧の設定特性と合致と合致しないときは、圧力センサ20とポジションスイッチ19との両方が同時に故障を起こす確率は極く低いと考えられるため、ポジションスイッチ19および圧力センサ20以外に因る故障の可能性が高いと判定するのである。
【0019】
図2は、電子制御ユニットECUの処理内容を具体的に説明するフローチャートであり、S1においては、電磁弁17のソレノイドへの通電をONすることにより、エアシリンダ10(アクチュエータ)を伸作動させる。S2においては、エアシリンダ10の伸作動(電磁弁17への通電の0N)の開始からタイマにより経過時間がカウントされ、そのカウント値が所定時間に達すとS3へ進む。S3においては、ポジションスイッチ19がON信号(またはOFF信号)の出力状態かどうかを判定する。S3の判定がyesのときは、S4へ進む一方、S3の判定がnoのときは、S5へ飛ぶ。S4においては、ポジションスイッチ19の出力によりエアシリンダ10の動作位置を確定する。
【0020】
S5においては、圧力センサ20の検出信号が作動圧の設定特性に合致するかどうかを判定する。S5の判定がyesのときは、S6へ進む一方、S5の判定がnoのときは、S8へ飛ぶ。S6においては、ポジションスイッチ19の故障を判定すると共に以後は圧力センサ20の検出信号に基づいてエアシリンダ10の動作位置を確定する。つまり、作動圧の設定特性から圧力センサ20の検出信号に基づいて割り出される動作位置により、エアシリンダ10の作動を制御するのである。S8においては、ポジションスイッチ19および圧力センサ20以外に拠る故障(配管系の失陥など)の可能性が高いと判定するのである。
【0021】
このような構成により、ポジションスイッチ19が正常な場合、エアシリンダ10は、ポジションスイッチ19の検出信号に基づいて制御され、正常な動作を行うことになる。ポジションスイッチ19が故障の場合、バックアップ手段により、作動圧の設定特性から圧力センサ20の検出信号に基づいて、エアシリンダ10の動作位置が割り出され、ポジションスイッチ19の検出信号に代わる、この割り出し信号(バックアップ信号)に基づく制御により、エアシリンダ10の正常な動作が補償されるのである。
【0022】
故障状態については、エアシリンダ10の動作に伴って監視され、圧力センサ20の検出信号と作動圧の設定特性とポジションスイッチ19の検出信号とから判定される。この判定結果から、ポジションスイッチ19が故障のときは、既述のようなバックアップ機能が働くことになり、流体圧式の駆動装置に対する、高い信頼性が得られるのである。なお、故障状態の判定結果に係る表示手段を設けると、故障の修復作業についても、その表示内容(ポジションスイッチ19の故障またはポジションスイッチ19および圧力センサ20以外に因る故障の可能性が高いことを表示する)に基づいて、能率よく容易に処理できるようになる。
【0023】
このような駆動装置の構成および制御については、車両の自動変速装置において、常時噛み合い式の変速機(トランスミッション)のギヤシフト機構を駆動するギヤシフトアクチュエータへの適用も可能であり、図1および図2のような制御系によると、トランスミッションのシフト位置センサを構成する複数のポジションスイッチの故障に対する、バックアップ機能が有効に確保され、変速制御の信頼性を大いに高められる。
【0024】
図1および図2において、圧力センサ20の検出信号に基づいて作動圧の設定特性(ECUのメモリに設定される)からエアシリンダ10の動作位置を割り出す手段は、ポジションスイッチ19の故障をバックアップする機能を果たすものであるが、ポジションスイッチ19を設けず、それ自体を動作位置の検出手段として機能させることも考えられる。その場合、エアシリンダ10は、圧力センサ20の検出信号に応じて作動圧の設定特性から割り出される動作位置に基づいて制御される。このような圧力センサ20の検出信号に基づく制御により、ポジションスイッチ19が外付けられない場合においても、エアシリンダ10の正常な動作を確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表す構成の概要図である。
【図2】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 エアシリンダ
12 作動圧室
13 ピストン
17 電磁弁
18 被検出体
19 ポジションスイッチ
20 圧力センサ
Claims (4)
- 流体圧で駆動されるアクチュエータと、その動作位置を検出する手段と、動作位置の検出信号に基づいて要求位置へアクチュエータを作動させるべく制御する手段と、を備える流体圧式の駆動装置において、アクチュエータの内部の作動圧を検出する手段と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段と、作動圧の検出信号と作動圧の設定特性と動作位置の検出信号とから故障状態の判定を行う手段と、この判定結果から動作位置の検出手段が故障のときはそのバックアップ手段として作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータの動作位置を割り出す手段と、を備えることを特徴とする流体圧式の駆動装置。
- 故障状態の判定手段は、アクチュエータの作動開始から所定時間内に要求位置への到達が動作位置の検出信号から得られない場合、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、動作位置の検出手段の故障を判定することを特徴とする請求項1の記載に係る流体圧式の駆動装置。
- 故障状態の判定手段は、アクチュエータの作動開始から所定時間内に要求位置への到達が動作位置の検出信号から得られない場合、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致するときは、動作位置の検出手段の故障を判定する一方、作動圧の検出信号が作動圧の設定特性と合致しないときは、動作位置の検出手段および作動圧の検出手段以外に因る故障の可能性が高いと判定する手段と、その判定結果を表示する手段と、を備えることを特徴とする請求項1の記載に係る流体圧式の駆動装置。
- 流体圧で駆動されるアクチュエータと、その内部の作動圧を検出する手段と、アクチュエータの正常動作に伴う作動圧の特性を予め設定する手段と、作動圧の設定特性から作動圧の検出信号に基づいてアクチュエータの動作位置を割り出す手段と、動作位置に基づいてアクチュエータの作動を制御する手段と、を備えることを特徴とする流体圧式の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003012493A JP2004225767A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 流体圧式の駆動装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006329939A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Kyushu Electric Power Co Inc | 開閉器動作診断方法及び開閉器動作診断装置 |
JP2008177464A (ja) * | 2007-01-22 | 2008-07-31 | Ulvac Japan Ltd | デチャックモニター方法及び装置 |
DE112021002351T5 (de) | 2020-04-16 | 2023-01-26 | Fanuc Corporation | Steuervorrichtung für einen pneumatischen aktuator |
-
2003
- 2003-01-21 JP JP2003012493A patent/JP2004225767A/ja active Pending
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