JP2004225096A - 磁歪材料及び磁歪式トルクセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】クロム窒化物により磁歪特性を改善した磁歪材料及び磁歪式トルクセンサを提供する。
【解決手段】重量%でクロムを8%以上、30%以下含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させたことを特徴とする磁歪材料である。クロム窒化物は、クロムを含有する鉄系材料を窒化処理することにより生成することができる。クロム窒化物はCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)であることが好ましい。この磁歪材料により磁歪式トルクセンサのシャフトを形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】重量%でクロムを8%以上、30%以下含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させたことを特徴とする磁歪材料である。クロム窒化物は、クロムを含有する鉄系材料を窒化処理することにより生成することができる。クロム窒化物はCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)であることが好ましい。この磁歪材料により磁歪式トルクセンサのシャフトを形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁歪材料及び磁歪式トルクセンサに関する。本発明は、例えば、応力変化に伴い変化する透磁率等の物理的性質を感知する磁歪式トルクセンサのシャフトに使用することができる。
【0002】
【従来技術】
磁歪材料に関する従来技術について、磁歪式トルクセンサを例にとって説明する。図1(図1は実施例と共用)は磁歪式トルクセンサ1を示す。磁歪式トルクセンサ1は、図1に示すように、トルクを伝達する鉄系材料で形成されたシャフト2を備えている。シャフト2の外周面には、シェプロンパターンとも呼ばれる磁気異方性部21,22が軸長方向において所定の間隔を隔てて形成されている。一方の磁気異方性部21は、螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。隣設する溝30間は、螺旋状の山32とされている。他方の磁気異方性部22も同様に、逆方向に螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。検出部5は、シャフト2に入力されたトルクに基づいて発生した磁歪作用によって磁気異方性部21、22に生じた磁気特性の変化を検出することにより、トルクを検出する。磁歪式トルクセンサ1のシャフト2を構成する材料としては、磁気的特性に優れ、かつ、この磁気的特性が安定していることが望まれる。
【0003】
上記した事情を考慮し、従来、磁歪材料の強度的な安定を図ることによって、上記磁気的特性を安定しようとした技術が提案されている(特開平07−157825号公報(特許文献1)、特開平4−1542号公報(特許文献2)、特開2000−82854(特許文献3))。
【0004】
特許文献1によれば、機械構造用炭素鋼製のシャフトの外表面に、鉄ーアルミニウム系合金からなる磁歪薄膜を溶射することで積層させ、磁歪薄膜とシャフトとを一体化させる技術が開示されている。特許文献1によれば、磁歪薄膜を積層させた後に、空気または窒素ガス中で油冷することが記載されている。
【0005】
また、上記特許文献2によれば、材料成分に関する具体的な記載はないが、その製造方法に特徴があり、シャフト体に磁気異方性部を形成した後で、浸炭処理を行ない、ついでショットブラストを行なうことで、加工硬化によって磁気異方性部の強度を向上させるとともに、使用中に発生する残留オーステナイトが応力誘起変態するときに伴いヒステリシス特性の悪化防止を行なう技術が開示されている。
【0006】
さらに、上記特許文献3によれば、重量%でクロム12〜18%、炭素0.08〜0.6%含む鉄ークロム系成分組成を有する機械構造用炭素鋼を用い、当該炭素鋼を酸化防止雰囲気で熱処理することで低炭素マルテンサイトまたはフェライト組織中に微細な球状炭化物を析出させ、磁気特性に優れ且つ過負荷トルクに対する安定性に優れた磁歪材料およびその製造法に関する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平7−157825号公報
【特許文献2】特開平4−1542号公報
【特許文献3】特開2000−82854号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の磁歪材料に用いられる材料には次の問題がある。すなわち、特許文献1によれば、溶射により磁歪薄膜をシャフトの外表面に被覆しているため、被覆された磁歪材料の不均一性の不具合がある。更に使用条件が過酷な場合には、磁歪薄膜が剥がれたり、被覆された磁歪薄膜の不均一性に起因する磁歪特性の低下等がある。また特許文献1によれば、前述したようにシャフトに磁歪薄膜を被覆した後に、空気または窒素ガス中で加熱した後に油冷することが記載されている。更に磁歪薄膜を被覆したシャフトを空気または窒素ガス中で加熱するため、磁歪薄膜が酸化したり窒化したりし、これにより磁性薄膜が劣化し、ヒステリシスの増加とトルクの検出感度の低下がおこると記載されている。特許文献1によれば、この磁歪薄膜は鉄ーアルミニウム系合金であり、クロムの含有については言及されておらず、従って磁歪薄膜はクロムを含有されておらず、磁歪薄膜の内部にクロム窒化物が生成していないものと推察される。
【0009】
また、特許文献2によれば、熱処理およびショットピーニングによる加工硬化によって強度を向上させている。このため、シャフト全体の強度的、残留応力的な安定性は向上するが、その反面、透磁率等の磁気的特性が低下し易いため、感度が小さくなり、S/N比の低下が予想される。また特許文献2は窒化処理を行うものではない。
【0010】
さらに、特許文献3によれば、鉄ークロム系の成分組成を有する機械構造用炭素鋼を酸化防止雰囲気で熱処理することで低炭素マルテンサイトまたは、フェライト組織中に0.5〜2.0μmの球状炭化物を析出させ、磁気特性に優れ過負荷トルクに対する安定性に優れた磁歪材料およびその製造法が開示されているが、一般的には1μmを越える炭化物がシェブロンパターン面の表面に析出した場合には、疲労破壊の起点となり繰り返し強度は低下する。この対策としてショットピーニングによる加工硬化によって強度を改善する方法もあるが、上記と同じ理由でこれを行なうことで透磁率等の磁気的特性の低下、S/N比の低下が予想される。また特許文献3は窒化処理を行うものではない。
【0011】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、表層部に生成させたクロム窒化物により、感度、リニアリティ性等の磁歪特性を改善することができる磁歪材料及び磁歪式トルクセンサを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、磁歪材料及び磁歪式トルクセンサについて長年にわたり開発を進めている。そして磁歪材料の表層部にクロム窒化物を生成させれば、感度、リニアリティ性等の磁歪特性を改善できる磁歪材料及び磁歪式トルクセンサが得られることを知見し、試験で確認し、本発明を開発した。
【0013】
磁歪材料の表層部に生成されるクロム窒化物は、磁歪特性、特に、計測時におけるリニアリティ性を改善(ヒステリシスを小さく)するために有効である。磁歪材料の表層部にクロム窒化物が生成されることで、磁歪特性が良くなる理由としては明確ではないが、おそらく、クロム窒化物による磁壁のピンニング(固着)効果、もしくは、クロム窒化物自体が持つ磁気的特性に由来しているものと推察される。
【0014】
特許文献1には、前述したごとく、シャフトに磁歪薄膜を積層させた後に、空気または窒素ガス雰囲気で加熱すると、磁歪薄膜が窒化し、ヒステリシスの増加が生じる不具合、トルクの検出感度の低下が生じる不具合が記載されている。しかし本発明のように窒化によりクロム窒化物を生成すれば、磁歪特性が改善される。
【0015】
即ち、本発明に係る磁歪材料は、重量%でクロムを8%以上、30%以下含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る磁歪式トルクセンサは、螺旋状をなすように並走する複数の溝を有する磁気異方性部を外周面に備えたシャフトと、シャフトに入力されたトルクに基づいて発生した磁歪作用によって磁気異方性部に生じた磁気特性の変化を検出することによりトルクを検出する検出部とを有する磁歪式トルクセンサにおいて、シャフトのうち少なくとも磁気異方性部は、重量%でクロムを8%以上、30%以下を含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させて形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る磁歪材料は、重量%でクロムを8%以上,30%以下含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させている。クロム窒化物としては、一般的には、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)とすることができる。この場合、磁歪材料としての鉄系材料に窒化処理を行ない、表層部にクロム窒化物を生成させることができる。窒化処理としては液体窒化処理、ガス窒化処理等を例示することができる。液体窒化処理としては、塩浴を用いた軟窒化処理(タフトライド)、液体加圧窒化処理が例示される。軟窒化処理(タフトライド)としては、シアン系塩基等を有する塩浴に鉄系材料を浸漬させつつ、鉄系材料の変態点(A1変態点)以下の温度(例えば500〜680℃程度)に加熱し、窒素等を鉄系材料の表層部に拡散させることにより行い得る。液体加圧窒化としては、シアン系塩基等を有する塩浴にアンモニアガスを供給して行う方法である。ガス窒化としては、アンモニアガス雰囲気に鉄系材料を加熱保持することにより行うことができる。ガス窒化としては窒化容器内を加圧してガス窒化を行うガス加圧窒化法としても良い。あるいは、グロー放電により窒素ガスをイオン化させるイオン窒化法で行っても良い。窒化処理の時間としては窒化処理の種類によっても相違するものの、例えば10分〜100時間とすることができる。
【0018】
本発明に係る磁歪材料としては、磁歪式トルクセンサに用いられるシャフトが挙げられる。あるいは、磁歪式モータ等の磁歪式アクチュエータに用いられる磁歪材料、磁歪センサに用いられる磁歪材料が挙げられる。
【0019】
本発明に係る磁歪材料となる鉄系材料としては、窒化により、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物をその表層部に生成させることができる。この場合、計測時におけるリニアリティを大幅に改善し易い。更に、クロムの添加により鉄系材料自体の耐食性も向上するため、自動車等の車両のような過酷な環境下での使用も可能となる。窒化とは一般的には窒素成分を磁歪材料の表層部に浸透させることを意味する。
【0020】
表層部におけるクロム含有量が過剰に少ない場合は、磁歪材料の表層部に生成されるCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物が充分に得られないおそれがある。従って、磁歪材料となる鉄系材料中のクロム含有量としては、重量%で、9%以上、10%以上とすることができ、11%以上、13%以上とすることができる。
【0021】
また炭素量及びクロム量が一般的に過剰に多くなると、クロム炭化物の析出が多くなり、充分な磁気特性が得られにくくなるおそれがあり、また、強度が低下するおそれがある。故に磁歪材料となる鉄系材料におけるクロム含有量としては、重量%で30%以下とする。この場合、クロム含有量としては、重量%で25%以下または20%以下とすることができる。本発明においては磁歪材料における表層部に生成されるクロム窒化物を積極的に使用しようとするものであり、磁歪材料となる鉄系材料の表層部よりも内部におけるクロム量を減らした形態を採用することができる。この場合、クロム含有量を低めに抑えた鉄系材料の表層部にクロムを拡散浸透させることにより表層部のクロム含有量を8〜30%に増加させた後に、表層部に対して窒化処理を行うことにしても良い。
【0022】
磁歪材料となる鉄系材料に含有される炭素含有量が増加すると、一般的には、鉄系材料の強度は向上する傾向にある。しかし、炭素含有量の増加は磁気特性の感度低下につながるため、炭素含有量が多すぎることは好ましくない。従って、本発明に係る磁歪材料となる鉄系材料としては、重量%で、C:1.0%以下とすることができる。殊に、0.7%以下、0.4%以下であることが望ましく、0.2%以下とすることができる。この場合、鉄系材料は鋼材(炭素鋼、ステンレス鋼を含む)であり、重量%で、C:0.4%以下、0.02%以上、Cr:8%以上を含む形態を採用することができる。一方、鉄系材料の炭素含有量が低減されると、磁気特性は良好となり、表層部の表面硬度は窒化により向上できるが、表層部よりも内部の硬さが上がりにくいため、十分な強度が得られにくくなる。したがって、磁歪材料の強度が要請される場合には、炭素の含有量としては重量で0.015%以上、0.02%以上が好ましく、更に0.05%以上が好ましい。故に、磁歪式トルクセンサに使用されるシャフト等の磁歪材料に使用される場合には、磁歪材料は、重量%で、C:0.4%以下、Cr:8%以上を含む鋼材で、軟窒化等の窒化を行なうことで、表層部にCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物を生成させたものとすることができる。
【0023】
また、磁歪式トルクセンサ等に求められる性能として、ヒステリシスが小さいこと以外に、感度がよいことが望まれることが多い。磁歪材料の表層部に、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物の他に、鉄窒化物および鉄複窒化物の少なくとも一方を生成させれば、磁歪材料の感度が一層良好となる。鉄窒化物および鉄複窒化物は窒化処理により生成することができる。一般的に、鉄を窒化すると鉄窒化物および鉄複窒化物になるが、鉄自体に比べ、鉄窒化物および鉄複窒化物は感度がよくなる。また、クロム窒化物に比べ、鉄窒化物および鉄複窒化物は生成エネルギーが小さく生成されやすいので、鉄窒化物および鉄複窒化物のうちの少なくとも一方がマトリクス中にクロム窒化物と共に微細に分布すると、感度が良くリニアリティー性に一層優れる磁歪材料が得られる。従って、磁歪材料としては、重量%でC:0.4%以下、Cr:8%以上を含む鋼材で、表層部にCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物と、鉄窒化物および鉄複窒化物のうちの少なくとも一方を生成させた形態を採用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を具体的に適用した実施例について図1を参照して説明する。図1は磁歪式トルクセンサ1を示す。磁歪式トルクセンサ1は、図1に示すように、トルクを伝達する横断面円形状をなす鉄系のシャフト2を備えている。シャフト2の外周面には、第1磁気異方性部21(軸長:L1)が所定の間隔を隔てて形成されている。他方の第2磁気異方性部22(軸長:L2)が形成されている。第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22は、シャフト2の軸長方向において所定の間隔を隔てて直列に形成されている。
【0025】
図1に模式的に示すように、一方の第1磁気異方性部21は、螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。隣り合う溝30間は、螺旋状をなすように均等間隔で並走する山32とされている。他方の第2磁気異方性部22も同様に、螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。第1磁気異方性部21を構成する複数の溝30の螺旋方向と、第2磁気異方性部22を構成する複数の溝30の螺旋方向とは、シャフト2の中心線P1に対して約45度傾斜していると共に、互いに逆方向とされている。隣設する溝32間は、螺旋状の山32とされている。
【0026】
検出部5は、シャフト2に入力されたトルクに基づいて発生した磁歪作用によって磁気異方性部21、22に生じた磁気特性の変化を検出することにより、トルクを検出するものである。検出部5は、第1検出部51と、第2検出部54と、これらを保持するリング状のボビン59とを備えている。第1検出部51は、シャフト2の第1磁気異方性部21に隙間を介して非接触状態で対面するようにボビン59の第1コイル溝59aに配置されており、励磁電流が流れる第1励磁コイル52と、第1磁気異方性部21側の誘導電圧を検出する第1検出コイル53とを備えている。第2検出部54は、シャフト2の第2磁気異方性部22に隙間を介して非接触状態で対面するようにボビン59の第2コイル溝59cに配置されており、励磁電流が流れる第2励磁コイル56と、第2磁気異方性部22側の誘導電圧を検出する第2検出コイル57とを備えている。
【0027】
第1励磁コイル52及び第2励磁コイル56に励磁電流が流れると、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22に磁場が印可される。第1検出部51の信号はリード線を介して回路基板に入力されると共に、第2検出部54の信号はリード線を介して回路基板に入力される。
【0028】
図1に示すように、シャフト2のうち第1磁気異方性部21に対して軸長方向の外側の部分は、リング状の第1軸受2xにより回転可能に保持されている。軸のうち第2磁気異方性部22に対して軸長方向の外側の部分は、リング状の第2軸受2yにより回転可能に保持されている。上記した検出部5はリング状のヨーク60に保持されている。ハウジング65はリング形状であり、ヨーク60を介してボビン、第1軸受2x及び第2軸受2yを保持している。ヨーク60の材料としては、低炭素鋼、電磁ステンレス、パーマロイ、ソフトフェライト等が使用されている。
【0029】
使用の際には、シャフト2にトルクが入力されると、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22のうちの一方の山32部分には引張変形が生じて磁気特性が変化すると共に、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22のうちの他方の山32には圧縮方向の変形して磁気特性が変化する。この結果、第1検出コイル53及び第2検出コイル57のうち、引張変形する側を検出するコイルではインピーダンスが増加し、圧縮変形する側を検出するコイルではインピーダンスが減少する。これにより第1検出部51の第1検出コイル53の出力電圧と第2検出部55の第2検出コイル57の出力電圧とに基づいて、シャフト2に入力されるトルクの大きさを検出することができる。このように、磁歪式トルクセンサ1のシャフト2を構成する材料としては、磁気的特性に優れ、かつこの磁気的特性が安定していることが望まれる。
【0030】
上記した磁歪式トルクセンサ1のシャフト2の第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22は、転造成形または切削加工により形成することができる。図2はシャフト2を転造する代表的な形態を例示する。図2に示すように、上記した第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22を成形する型部をもつ転造成形型80A,80Bを矢印M方向に相対移動させることにより、鉄系材料の丸棒素材の外周部に転造成形を施すことにより、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22を形成することができる。転造成形は冷間転造でも、温間転造でも、熱間転造でも良い。
【0031】
上記したように第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22をもつシャフト2に対して窒化処理を行ない、シャフト2の全面を窒化させた。窒化処理としては、塩浴を用いた軟窒化処理法(タフトライド,処理温度:580℃プラスマイナス10℃)とした。
【0032】
この結果、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22をもつシャフト2の表層部に、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物が生成される。シャフト2の第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22以外の部位の表層部にも、当該クロム窒化物が生成される。これにより磁歪特性を改善したシャフト2を提供することができ、ひいては磁歪式トルクセンサを提供することができる。殊に、感度またはリニアリティ性等の磁歪特性を良好に維持することができるシャフト2を提供することができ、ひいては磁歪式トルクセンサを提供することができる。
【0033】
更にシャフト2の表層部(第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22を含む)に、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物の他に、鉄窒化物および鉄複窒化物の少なくとも一方が生成するため、感度が一層良好となる。
【0034】
(試験例)
試験例について説明を加える。表1に示す種々の鉄系材料(鋼材)を用い、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22をもつシャフト2を形成した。その後、シャフト2に対して窒化処理を行なった。窒化処理としては、塩浴を用いた軟窒化処理法(タフトライド,処理温度:580℃プラスマイナス10℃)とした。このシャフト2について特性評価を行なった。評価結果を表2に示す。
<評価条件>
励磁電圧:3Vrms
励磁周波数:50kHz
負荷トルク:±5kgm
シャフト径:φ25,パターン溝数:30,溝幅:5mm
励磁コイル:28ターン 検出コイル:74ターン
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
表1に示すように、実施例1はステンレス鋼(SUS420J2相当材)であり、重量%で、クロム含有量は12.00〜14.00%であり、炭素含有量が0.26〜0.40%であった。実施例2はステンレス鋼(SUS410相当材)であり、重量%で、クロム含有量は11.50〜13.50%であり、炭素含有量が0.15%以下であった。比較例1はクロムモリブデン鋼(SCM415相当材)であり、重量%で、クロム含有量は少なく0.90〜1.20%であり、炭素含有量が0.13〜0.18%であった。比較例2に係るクロムモリブデン鋼(SCM435)であり、重量%で、クロム含有量は少なく0.90〜1.20%であり、炭素含有量が0.33〜0.38%であった。比較例3は炭素鋼(S10C)であり、重量%で、クロム含有量は少なく0.20%以下であり、炭素含有量が0.08〜0.13%であった。なお、比較例1,比較例2によれば、モリブデンは重量%で0.15〜0.30%含まれている。実施例1、実施例2、比較例1〜比較例3によれば、シリコンは重量%で0.35%以下である。
【0038】
試験結果としては、実施例1、実施例2によれば、窒化処理を施す前に比較して、感度,ヒステリシスが改善されていた。なお感度は高い方が良好であり、ヒステリシスは小さい方が良好である。センサとして用いるときにはヒステリシスは10%以下が好ましい。
【0039】
即ち、実施例1によれば、感度が0.496mV/kgfm(≒0.0506mV/Nm)であり、ヒステリシスが1.0%であり、良好であった。ここで1mV/kgfm=0.102mV/Nmとしている。実施例2によれば、感度が0.913mV/kgfm(≒0.0931mV/Nm)であり、ヒステリシスが1.2%であり、良好であった。
【0040】
これに対して比較例1によれば、感度が0.102mV/kgfm(≒0.0104mV/Nm)であり、ヒステリシスが93%であった。比較例2によれば、感度が0.077mV/kgfm(≒0.0078mV/Nm)であり、ヒステリシスが18%であった。比較例3によれば、感度が0.407mV/kgfm(≒0.0415mV/Nm)であり、ヒステリシスが29%であった。
【0041】
なお、図5に示すように、定格トルクをシャフトに負荷させたときにおける電圧変化量を感度とした。また、図6に示すように、無負荷状態(ゼロ点)から定格トルクをシャフトに負荷させた後、トルクをゼロに戻したとき、出力電圧にオフセット量xが生じる。ヒステリシスとしては、ヒステリシス=(オフセット量x/定格トルク時の出力電圧)で求めた。
【0042】
図3は、窒化によりクロム窒化物を表層部に生成させた後のシャフト2(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示す。図4は、クロム窒化物を表層部に生成させる前のシャフト2(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示す。図3,図4の横軸は負荷トルクを示し、縦軸はセンサ出力を示す。図4に示すように窒化前ではヒステリシスが認められた。これに対して図3に示すようにクロム窒化物を表層部に生成させた後には、ヒステリシスがかなり減少しており、リニアリティ性に優れる磁歪材料が得られた。
【0043】
(その他)
上記した実施例によれば、磁歪材料として、トルクを検出する磁歪式トルクセンサに適用しているが、物理量としてはトルクに限られるものではなく、他の物理量を検出するセンサに適用することもでき、更には磁歪式トルクセンサに限らず、磁歪式アクチュエータに適用することもできる。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。発明の実施の形態、実施例、各表に記載の語句または数値は一部であっても、請求項に記載できるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、クロム窒化物により、感度またはリニアリティ性等の磁歪特性を改善した磁歪材料及び磁歪式トルクセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁歪式トルクセンサの構成図である。
【図2】シャフトを転造する形態を模式的に示す構成図である。
【図3】窒化後のシャフト(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示すグラフである。
【図4】窒化前のシャフト(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示すグラフである。
【図5】感度の定義を示すグラフである。
【図6】ヒステリシスの定義を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、1は磁歪式トルクセンサ、2はシャフト、21、22は磁気異方性部、30は溝、5は検出部、51は第1検出部、52は第2検出部を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は磁歪材料及び磁歪式トルクセンサに関する。本発明は、例えば、応力変化に伴い変化する透磁率等の物理的性質を感知する磁歪式トルクセンサのシャフトに使用することができる。
【0002】
【従来技術】
磁歪材料に関する従来技術について、磁歪式トルクセンサを例にとって説明する。図1(図1は実施例と共用)は磁歪式トルクセンサ1を示す。磁歪式トルクセンサ1は、図1に示すように、トルクを伝達する鉄系材料で形成されたシャフト2を備えている。シャフト2の外周面には、シェプロンパターンとも呼ばれる磁気異方性部21,22が軸長方向において所定の間隔を隔てて形成されている。一方の磁気異方性部21は、螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。隣設する溝30間は、螺旋状の山32とされている。他方の磁気異方性部22も同様に、逆方向に螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。検出部5は、シャフト2に入力されたトルクに基づいて発生した磁歪作用によって磁気異方性部21、22に生じた磁気特性の変化を検出することにより、トルクを検出する。磁歪式トルクセンサ1のシャフト2を構成する材料としては、磁気的特性に優れ、かつ、この磁気的特性が安定していることが望まれる。
【0003】
上記した事情を考慮し、従来、磁歪材料の強度的な安定を図ることによって、上記磁気的特性を安定しようとした技術が提案されている(特開平07−157825号公報(特許文献1)、特開平4−1542号公報(特許文献2)、特開2000−82854(特許文献3))。
【0004】
特許文献1によれば、機械構造用炭素鋼製のシャフトの外表面に、鉄ーアルミニウム系合金からなる磁歪薄膜を溶射することで積層させ、磁歪薄膜とシャフトとを一体化させる技術が開示されている。特許文献1によれば、磁歪薄膜を積層させた後に、空気または窒素ガス中で油冷することが記載されている。
【0005】
また、上記特許文献2によれば、材料成分に関する具体的な記載はないが、その製造方法に特徴があり、シャフト体に磁気異方性部を形成した後で、浸炭処理を行ない、ついでショットブラストを行なうことで、加工硬化によって磁気異方性部の強度を向上させるとともに、使用中に発生する残留オーステナイトが応力誘起変態するときに伴いヒステリシス特性の悪化防止を行なう技術が開示されている。
【0006】
さらに、上記特許文献3によれば、重量%でクロム12〜18%、炭素0.08〜0.6%含む鉄ークロム系成分組成を有する機械構造用炭素鋼を用い、当該炭素鋼を酸化防止雰囲気で熱処理することで低炭素マルテンサイトまたはフェライト組織中に微細な球状炭化物を析出させ、磁気特性に優れ且つ過負荷トルクに対する安定性に優れた磁歪材料およびその製造法に関する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平7−157825号公報
【特許文献2】特開平4−1542号公報
【特許文献3】特開2000−82854号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の磁歪材料に用いられる材料には次の問題がある。すなわち、特許文献1によれば、溶射により磁歪薄膜をシャフトの外表面に被覆しているため、被覆された磁歪材料の不均一性の不具合がある。更に使用条件が過酷な場合には、磁歪薄膜が剥がれたり、被覆された磁歪薄膜の不均一性に起因する磁歪特性の低下等がある。また特許文献1によれば、前述したようにシャフトに磁歪薄膜を被覆した後に、空気または窒素ガス中で加熱した後に油冷することが記載されている。更に磁歪薄膜を被覆したシャフトを空気または窒素ガス中で加熱するため、磁歪薄膜が酸化したり窒化したりし、これにより磁性薄膜が劣化し、ヒステリシスの増加とトルクの検出感度の低下がおこると記載されている。特許文献1によれば、この磁歪薄膜は鉄ーアルミニウム系合金であり、クロムの含有については言及されておらず、従って磁歪薄膜はクロムを含有されておらず、磁歪薄膜の内部にクロム窒化物が生成していないものと推察される。
【0009】
また、特許文献2によれば、熱処理およびショットピーニングによる加工硬化によって強度を向上させている。このため、シャフト全体の強度的、残留応力的な安定性は向上するが、その反面、透磁率等の磁気的特性が低下し易いため、感度が小さくなり、S/N比の低下が予想される。また特許文献2は窒化処理を行うものではない。
【0010】
さらに、特許文献3によれば、鉄ークロム系の成分組成を有する機械構造用炭素鋼を酸化防止雰囲気で熱処理することで低炭素マルテンサイトまたは、フェライト組織中に0.5〜2.0μmの球状炭化物を析出させ、磁気特性に優れ過負荷トルクに対する安定性に優れた磁歪材料およびその製造法が開示されているが、一般的には1μmを越える炭化物がシェブロンパターン面の表面に析出した場合には、疲労破壊の起点となり繰り返し強度は低下する。この対策としてショットピーニングによる加工硬化によって強度を改善する方法もあるが、上記と同じ理由でこれを行なうことで透磁率等の磁気的特性の低下、S/N比の低下が予想される。また特許文献3は窒化処理を行うものではない。
【0011】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、表層部に生成させたクロム窒化物により、感度、リニアリティ性等の磁歪特性を改善することができる磁歪材料及び磁歪式トルクセンサを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、磁歪材料及び磁歪式トルクセンサについて長年にわたり開発を進めている。そして磁歪材料の表層部にクロム窒化物を生成させれば、感度、リニアリティ性等の磁歪特性を改善できる磁歪材料及び磁歪式トルクセンサが得られることを知見し、試験で確認し、本発明を開発した。
【0013】
磁歪材料の表層部に生成されるクロム窒化物は、磁歪特性、特に、計測時におけるリニアリティ性を改善(ヒステリシスを小さく)するために有効である。磁歪材料の表層部にクロム窒化物が生成されることで、磁歪特性が良くなる理由としては明確ではないが、おそらく、クロム窒化物による磁壁のピンニング(固着)効果、もしくは、クロム窒化物自体が持つ磁気的特性に由来しているものと推察される。
【0014】
特許文献1には、前述したごとく、シャフトに磁歪薄膜を積層させた後に、空気または窒素ガス雰囲気で加熱すると、磁歪薄膜が窒化し、ヒステリシスの増加が生じる不具合、トルクの検出感度の低下が生じる不具合が記載されている。しかし本発明のように窒化によりクロム窒化物を生成すれば、磁歪特性が改善される。
【0015】
即ち、本発明に係る磁歪材料は、重量%でクロムを8%以上、30%以下含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る磁歪式トルクセンサは、螺旋状をなすように並走する複数の溝を有する磁気異方性部を外周面に備えたシャフトと、シャフトに入力されたトルクに基づいて発生した磁歪作用によって磁気異方性部に生じた磁気特性の変化を検出することによりトルクを検出する検出部とを有する磁歪式トルクセンサにおいて、シャフトのうち少なくとも磁気異方性部は、重量%でクロムを8%以上、30%以下を含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させて形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る磁歪材料は、重量%でクロムを8%以上,30%以下含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させている。クロム窒化物としては、一般的には、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)とすることができる。この場合、磁歪材料としての鉄系材料に窒化処理を行ない、表層部にクロム窒化物を生成させることができる。窒化処理としては液体窒化処理、ガス窒化処理等を例示することができる。液体窒化処理としては、塩浴を用いた軟窒化処理(タフトライド)、液体加圧窒化処理が例示される。軟窒化処理(タフトライド)としては、シアン系塩基等を有する塩浴に鉄系材料を浸漬させつつ、鉄系材料の変態点(A1変態点)以下の温度(例えば500〜680℃程度)に加熱し、窒素等を鉄系材料の表層部に拡散させることにより行い得る。液体加圧窒化としては、シアン系塩基等を有する塩浴にアンモニアガスを供給して行う方法である。ガス窒化としては、アンモニアガス雰囲気に鉄系材料を加熱保持することにより行うことができる。ガス窒化としては窒化容器内を加圧してガス窒化を行うガス加圧窒化法としても良い。あるいは、グロー放電により窒素ガスをイオン化させるイオン窒化法で行っても良い。窒化処理の時間としては窒化処理の種類によっても相違するものの、例えば10分〜100時間とすることができる。
【0018】
本発明に係る磁歪材料としては、磁歪式トルクセンサに用いられるシャフトが挙げられる。あるいは、磁歪式モータ等の磁歪式アクチュエータに用いられる磁歪材料、磁歪センサに用いられる磁歪材料が挙げられる。
【0019】
本発明に係る磁歪材料となる鉄系材料としては、窒化により、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物をその表層部に生成させることができる。この場合、計測時におけるリニアリティを大幅に改善し易い。更に、クロムの添加により鉄系材料自体の耐食性も向上するため、自動車等の車両のような過酷な環境下での使用も可能となる。窒化とは一般的には窒素成分を磁歪材料の表層部に浸透させることを意味する。
【0020】
表層部におけるクロム含有量が過剰に少ない場合は、磁歪材料の表層部に生成されるCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物が充分に得られないおそれがある。従って、磁歪材料となる鉄系材料中のクロム含有量としては、重量%で、9%以上、10%以上とすることができ、11%以上、13%以上とすることができる。
【0021】
また炭素量及びクロム量が一般的に過剰に多くなると、クロム炭化物の析出が多くなり、充分な磁気特性が得られにくくなるおそれがあり、また、強度が低下するおそれがある。故に磁歪材料となる鉄系材料におけるクロム含有量としては、重量%で30%以下とする。この場合、クロム含有量としては、重量%で25%以下または20%以下とすることができる。本発明においては磁歪材料における表層部に生成されるクロム窒化物を積極的に使用しようとするものであり、磁歪材料となる鉄系材料の表層部よりも内部におけるクロム量を減らした形態を採用することができる。この場合、クロム含有量を低めに抑えた鉄系材料の表層部にクロムを拡散浸透させることにより表層部のクロム含有量を8〜30%に増加させた後に、表層部に対して窒化処理を行うことにしても良い。
【0022】
磁歪材料となる鉄系材料に含有される炭素含有量が増加すると、一般的には、鉄系材料の強度は向上する傾向にある。しかし、炭素含有量の増加は磁気特性の感度低下につながるため、炭素含有量が多すぎることは好ましくない。従って、本発明に係る磁歪材料となる鉄系材料としては、重量%で、C:1.0%以下とすることができる。殊に、0.7%以下、0.4%以下であることが望ましく、0.2%以下とすることができる。この場合、鉄系材料は鋼材(炭素鋼、ステンレス鋼を含む)であり、重量%で、C:0.4%以下、0.02%以上、Cr:8%以上を含む形態を採用することができる。一方、鉄系材料の炭素含有量が低減されると、磁気特性は良好となり、表層部の表面硬度は窒化により向上できるが、表層部よりも内部の硬さが上がりにくいため、十分な強度が得られにくくなる。したがって、磁歪材料の強度が要請される場合には、炭素の含有量としては重量で0.015%以上、0.02%以上が好ましく、更に0.05%以上が好ましい。故に、磁歪式トルクセンサに使用されるシャフト等の磁歪材料に使用される場合には、磁歪材料は、重量%で、C:0.4%以下、Cr:8%以上を含む鋼材で、軟窒化等の窒化を行なうことで、表層部にCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物を生成させたものとすることができる。
【0023】
また、磁歪式トルクセンサ等に求められる性能として、ヒステリシスが小さいこと以外に、感度がよいことが望まれることが多い。磁歪材料の表層部に、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物の他に、鉄窒化物および鉄複窒化物の少なくとも一方を生成させれば、磁歪材料の感度が一層良好となる。鉄窒化物および鉄複窒化物は窒化処理により生成することができる。一般的に、鉄を窒化すると鉄窒化物および鉄複窒化物になるが、鉄自体に比べ、鉄窒化物および鉄複窒化物は感度がよくなる。また、クロム窒化物に比べ、鉄窒化物および鉄複窒化物は生成エネルギーが小さく生成されやすいので、鉄窒化物および鉄複窒化物のうちの少なくとも一方がマトリクス中にクロム窒化物と共に微細に分布すると、感度が良くリニアリティー性に一層優れる磁歪材料が得られる。従って、磁歪材料としては、重量%でC:0.4%以下、Cr:8%以上を含む鋼材で、表層部にCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物と、鉄窒化物および鉄複窒化物のうちの少なくとも一方を生成させた形態を採用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を具体的に適用した実施例について図1を参照して説明する。図1は磁歪式トルクセンサ1を示す。磁歪式トルクセンサ1は、図1に示すように、トルクを伝達する横断面円形状をなす鉄系のシャフト2を備えている。シャフト2の外周面には、第1磁気異方性部21(軸長:L1)が所定の間隔を隔てて形成されている。他方の第2磁気異方性部22(軸長:L2)が形成されている。第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22は、シャフト2の軸長方向において所定の間隔を隔てて直列に形成されている。
【0025】
図1に模式的に示すように、一方の第1磁気異方性部21は、螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。隣り合う溝30間は、螺旋状をなすように均等間隔で並走する山32とされている。他方の第2磁気異方性部22も同様に、螺旋状をなすように均等間隔で並走する複数の溝30を有する。第1磁気異方性部21を構成する複数の溝30の螺旋方向と、第2磁気異方性部22を構成する複数の溝30の螺旋方向とは、シャフト2の中心線P1に対して約45度傾斜していると共に、互いに逆方向とされている。隣設する溝32間は、螺旋状の山32とされている。
【0026】
検出部5は、シャフト2に入力されたトルクに基づいて発生した磁歪作用によって磁気異方性部21、22に生じた磁気特性の変化を検出することにより、トルクを検出するものである。検出部5は、第1検出部51と、第2検出部54と、これらを保持するリング状のボビン59とを備えている。第1検出部51は、シャフト2の第1磁気異方性部21に隙間を介して非接触状態で対面するようにボビン59の第1コイル溝59aに配置されており、励磁電流が流れる第1励磁コイル52と、第1磁気異方性部21側の誘導電圧を検出する第1検出コイル53とを備えている。第2検出部54は、シャフト2の第2磁気異方性部22に隙間を介して非接触状態で対面するようにボビン59の第2コイル溝59cに配置されており、励磁電流が流れる第2励磁コイル56と、第2磁気異方性部22側の誘導電圧を検出する第2検出コイル57とを備えている。
【0027】
第1励磁コイル52及び第2励磁コイル56に励磁電流が流れると、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22に磁場が印可される。第1検出部51の信号はリード線を介して回路基板に入力されると共に、第2検出部54の信号はリード線を介して回路基板に入力される。
【0028】
図1に示すように、シャフト2のうち第1磁気異方性部21に対して軸長方向の外側の部分は、リング状の第1軸受2xにより回転可能に保持されている。軸のうち第2磁気異方性部22に対して軸長方向の外側の部分は、リング状の第2軸受2yにより回転可能に保持されている。上記した検出部5はリング状のヨーク60に保持されている。ハウジング65はリング形状であり、ヨーク60を介してボビン、第1軸受2x及び第2軸受2yを保持している。ヨーク60の材料としては、低炭素鋼、電磁ステンレス、パーマロイ、ソフトフェライト等が使用されている。
【0029】
使用の際には、シャフト2にトルクが入力されると、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22のうちの一方の山32部分には引張変形が生じて磁気特性が変化すると共に、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22のうちの他方の山32には圧縮方向の変形して磁気特性が変化する。この結果、第1検出コイル53及び第2検出コイル57のうち、引張変形する側を検出するコイルではインピーダンスが増加し、圧縮変形する側を検出するコイルではインピーダンスが減少する。これにより第1検出部51の第1検出コイル53の出力電圧と第2検出部55の第2検出コイル57の出力電圧とに基づいて、シャフト2に入力されるトルクの大きさを検出することができる。このように、磁歪式トルクセンサ1のシャフト2を構成する材料としては、磁気的特性に優れ、かつこの磁気的特性が安定していることが望まれる。
【0030】
上記した磁歪式トルクセンサ1のシャフト2の第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22は、転造成形または切削加工により形成することができる。図2はシャフト2を転造する代表的な形態を例示する。図2に示すように、上記した第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22を成形する型部をもつ転造成形型80A,80Bを矢印M方向に相対移動させることにより、鉄系材料の丸棒素材の外周部に転造成形を施すことにより、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22を形成することができる。転造成形は冷間転造でも、温間転造でも、熱間転造でも良い。
【0031】
上記したように第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22をもつシャフト2に対して窒化処理を行ない、シャフト2の全面を窒化させた。窒化処理としては、塩浴を用いた軟窒化処理法(タフトライド,処理温度:580℃プラスマイナス10℃)とした。
【0032】
この結果、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22をもつシャフト2の表層部に、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物が生成される。シャフト2の第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22以外の部位の表層部にも、当該クロム窒化物が生成される。これにより磁歪特性を改善したシャフト2を提供することができ、ひいては磁歪式トルクセンサを提供することができる。殊に、感度またはリニアリティ性等の磁歪特性を良好に維持することができるシャフト2を提供することができ、ひいては磁歪式トルクセンサを提供することができる。
【0033】
更にシャフト2の表層部(第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22を含む)に、Cr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)等のクロム窒化物の他に、鉄窒化物および鉄複窒化物の少なくとも一方が生成するため、感度が一層良好となる。
【0034】
(試験例)
試験例について説明を加える。表1に示す種々の鉄系材料(鋼材)を用い、第1磁気異方性部21及び第2磁気異方性部22をもつシャフト2を形成した。その後、シャフト2に対して窒化処理を行なった。窒化処理としては、塩浴を用いた軟窒化処理法(タフトライド,処理温度:580℃プラスマイナス10℃)とした。このシャフト2について特性評価を行なった。評価結果を表2に示す。
<評価条件>
励磁電圧:3Vrms
励磁周波数:50kHz
負荷トルク:±5kgm
シャフト径:φ25,パターン溝数:30,溝幅:5mm
励磁コイル:28ターン 検出コイル:74ターン
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
表1に示すように、実施例1はステンレス鋼(SUS420J2相当材)であり、重量%で、クロム含有量は12.00〜14.00%であり、炭素含有量が0.26〜0.40%であった。実施例2はステンレス鋼(SUS410相当材)であり、重量%で、クロム含有量は11.50〜13.50%であり、炭素含有量が0.15%以下であった。比較例1はクロムモリブデン鋼(SCM415相当材)であり、重量%で、クロム含有量は少なく0.90〜1.20%であり、炭素含有量が0.13〜0.18%であった。比較例2に係るクロムモリブデン鋼(SCM435)であり、重量%で、クロム含有量は少なく0.90〜1.20%であり、炭素含有量が0.33〜0.38%であった。比較例3は炭素鋼(S10C)であり、重量%で、クロム含有量は少なく0.20%以下であり、炭素含有量が0.08〜0.13%であった。なお、比較例1,比較例2によれば、モリブデンは重量%で0.15〜0.30%含まれている。実施例1、実施例2、比較例1〜比較例3によれば、シリコンは重量%で0.35%以下である。
【0038】
試験結果としては、実施例1、実施例2によれば、窒化処理を施す前に比較して、感度,ヒステリシスが改善されていた。なお感度は高い方が良好であり、ヒステリシスは小さい方が良好である。センサとして用いるときにはヒステリシスは10%以下が好ましい。
【0039】
即ち、実施例1によれば、感度が0.496mV/kgfm(≒0.0506mV/Nm)であり、ヒステリシスが1.0%であり、良好であった。ここで1mV/kgfm=0.102mV/Nmとしている。実施例2によれば、感度が0.913mV/kgfm(≒0.0931mV/Nm)であり、ヒステリシスが1.2%であり、良好であった。
【0040】
これに対して比較例1によれば、感度が0.102mV/kgfm(≒0.0104mV/Nm)であり、ヒステリシスが93%であった。比較例2によれば、感度が0.077mV/kgfm(≒0.0078mV/Nm)であり、ヒステリシスが18%であった。比較例3によれば、感度が0.407mV/kgfm(≒0.0415mV/Nm)であり、ヒステリシスが29%であった。
【0041】
なお、図5に示すように、定格トルクをシャフトに負荷させたときにおける電圧変化量を感度とした。また、図6に示すように、無負荷状態(ゼロ点)から定格トルクをシャフトに負荷させた後、トルクをゼロに戻したとき、出力電圧にオフセット量xが生じる。ヒステリシスとしては、ヒステリシス=(オフセット量x/定格トルク時の出力電圧)で求めた。
【0042】
図3は、窒化によりクロム窒化物を表層部に生成させた後のシャフト2(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示す。図4は、クロム窒化物を表層部に生成させる前のシャフト2(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示す。図3,図4の横軸は負荷トルクを示し、縦軸はセンサ出力を示す。図4に示すように窒化前ではヒステリシスが認められた。これに対して図3に示すようにクロム窒化物を表層部に生成させた後には、ヒステリシスがかなり減少しており、リニアリティ性に優れる磁歪材料が得られた。
【0043】
(その他)
上記した実施例によれば、磁歪材料として、トルクを検出する磁歪式トルクセンサに適用しているが、物理量としてはトルクに限られるものではなく、他の物理量を検出するセンサに適用することもでき、更には磁歪式トルクセンサに限らず、磁歪式アクチュエータに適用することもできる。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。発明の実施の形態、実施例、各表に記載の語句または数値は一部であっても、請求項に記載できるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、クロム窒化物により、感度またはリニアリティ性等の磁歪特性を改善した磁歪材料及び磁歪式トルクセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁歪式トルクセンサの構成図である。
【図2】シャフトを転造する形態を模式的に示す構成図である。
【図3】窒化後のシャフト(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示すグラフである。
【図4】窒化前のシャフト(ステンレス鋼,SUS420J2相当材)を搭載した磁歪式トルクセンサを用いたときにおける試験結果を示すグラフである。
【図5】感度の定義を示すグラフである。
【図6】ヒステリシスの定義を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、1は磁歪式トルクセンサ、2はシャフト、21、22は磁気異方性部、30は溝、5は検出部、51は第1検出部、52は第2検出部を示す。
Claims (7)
- 重量%でクロムを8%以上、30%以下含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させたことを特徴とする磁歪材料。
- 請求項1において、前記クロム窒化物は、クロムを含有する鉄系材料を窒化処理することにより生成されていることを特徴とする磁歪材料。
- 請求項1または請求項2のうちのいずれか一項において、前記クロム窒化物はCr(1−X )NX (x=0.3〜0.7)であることを特徴とする磁歪材料。
- 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記鉄系材料は重量%で炭素1.0%以下を含むことを特徴とする磁歪材料。
- 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、前記鉄系材料は鋼材であり、重量%で、炭素を0.4%以下、0.02%以上含むことを特徴とする磁歪材料。
- 請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項において、表層部に鉄窒化物および鉄複窒化物のうちの少なくとも一方が生成していることを特徴とする磁歪材料。
- 螺旋状をなすように並走する複数の溝を有する磁気異方性部を外周面に備えたシャフトと、前記シャフトに入力されたトルクに基づいて発生した磁歪作用によって磁気異方性部に生じた磁気特性の変化を検出することによりトルクを検出する検出部とを有する磁歪式トルクセンサにおいて、
前記シャフトのうち少なくとも磁気異方性部は、重量%でクロムを8%以上、30%以下を含有する鉄系材料の表層部にクロム窒化物を生成させて形成されていることを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
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- 2003-01-22 JP JP2003013695A patent/JP2004225096A/ja active Pending
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