JP2004225031A - 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜、半導体素子、半導体装置 - Google Patents

絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜、半導体素子、半導体装置 Download PDF

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Koji Ono
幸治 小野
Masahiro Tada
昌弘 多田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】機械強度と低比誘電率に優れた絶縁膜用材料と、これを含む絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜、半導体素子と半導体装置を提供する。
【解決手段】シリコンウエハ上に成膜して加熱硬化させて2種の膜厚の硬化膜を作成した際に、窒素ガス吸着法により測定した硬化膜1.0cmあたりの微細孔容積の差が0.001cm以下である絶縁膜を与える絶縁膜用材料であって、窒素ガス吸着法により測定した微細孔の大きさが、20nm以下である絶縁膜を与える絶縁膜用材料を用いる。これら絶縁膜材料を有機溶媒に溶解又は分散させてコーティングワニスとし、これをシリコンウェハ上に塗布・乾燥、加熱硬化させて絶縁膜を得、半導体素子、半導体装置を作製する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜、半導体素子、半導体装置に関するものである。更に詳しくは、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に好適な、絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜、半導体素子、半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体用の層間絶縁膜用材料としては、化学気相成長法などで形成した二酸化シリコンを用いた、無機絶縁膜材料が主に使用されているが、比誘電率が高く、また高い平坦性を必要とする多層配線構造の層間絶縁膜としての性能は、充分であるとは言えなかった。
【0003】
一方、有機絶縁膜は高い平坦性を有し、比誘電率も低い。この有機絶縁膜用材料としては、耐熱性、電気特性、機械特性などに優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられている。
しかしながら、さらに厳しい耐熱性、電気特性、機械特性、吸水性等の向上を要求されている先端分野では、このような要求全てを満足する材料は、未だ得られていないのが現状であり、優れた耐熱性を示すが、誘電率等の電気特性は十分ではなく、また、フッ素導入により、電気特性は向上するものの、耐熱性の低下を招くといった不具合が発生している。特に、半導体用層間絶縁膜として、有機材料を適用する場合、無機材料に匹敵する耐熱性、機械特性、吸水性が要求され、その上で、更なる低誘電率化が求められている。
【0004】
このような高性能化の要求に対して、有機絶縁膜中に微細孔を開けることにより、低密度化を図り、比誘電率を低減させる方法が検討されており、例えば、空隙形成成分と耐熱性樹脂とからなる組成物を用い、相分離構造を形成させた後、空隙形成成分の熱分解温度より高い温度、且つ、耐熱性樹脂のガラス転移温度より低い温度で、熱処理する方法で絶縁膜を形成する方法があった(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、単純に微細孔を空けただけでは、全ての微細孔が完全に独立なものにならず、多くの微細孔同士が連なってしまったり、独立の孔であっても、膜厚により、その大きさにバラツキが生じ、低い比誘電率が得られず、絶縁膜の機械強度が低下する問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特許第2531906号公報(第2−3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、機械強度が高く、かつ低比誘電率化を可能とする、絶縁膜用材料、これを含む絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜、半導体素子と半導体装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、機械強度向上と低比誘電率化の目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、異なる膜厚においても、微細孔の大きさが特定の範囲で形成可能な絶縁膜材料により、連なった微細孔を減らし、独立した微細孔を増やすことができ、機械強度および比誘電率に優れる絶縁膜が得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、微細孔を有する絶縁膜を形成可能な有機絶縁膜用材料であって、シリコンウエハ上に成膜して加熱硬化させて得られた2種の膜厚の絶縁膜において、窒素ガス吸着法により測定される、それぞれの微細孔容積が絶縁膜1.0cm当たり0.001cm以下の差を有し、且つ、微細孔の平均径が、20nm以下である絶縁膜を与える絶縁膜用材料、該絶縁膜材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒とを含む絶縁膜用コーティングワニス、これらを用いて製膜し、加熱処理して得られる絶縁膜、該絶縁膜を多層配線の層間絶縁膜として用いた半導体素子、及び、該半導体素子を用いた半導体装置である。
前記絶縁膜用材料において、好適には、有機絶縁膜用材料は、一般式(1)で表される構造を有する化合物を含み、更に好適には、有機絶縁膜用材料が、一般式(1)で表される構造を有する化合物と反応性オリゴマーとを反応させて得られる共重合体を成分として含むものである。また、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物が、一般式(1)におけるX及び/又はYとして、脂肪族性炭素−炭素三重結合を有する基を有するものが好ましく、更には、一般式(1)におけるX及び/又はYとして、ビフェニレン骨格を有する基を有するものが好ましい。
【化2】
Figure 2004225031
(式中、Xは少なくとも1種の4価の基を、Yは少なくとも1種の2価の基を示す。RおよびRは、それぞれ、水素原子または1価の有機基を示す。また、mは1以上1000以下の整数である。)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の絶縁膜用材料は、シリコンウエハ上に成膜して加熱硬化させて2種の膜厚の硬化膜を作成した際に、窒素ガス吸着法により測定した硬化膜1.0cmあたりの微細孔容積の差が0.001cm以下である絶縁膜を与える絶縁膜用材料であり、窒素ガス吸着法により測定した微細孔の大きさが、平均径で20nm以下である絶縁膜を与える絶縁膜用材料である。微細孔容積の差が前記範囲を越え、膜厚が厚くなると共に容積も大きくなるものは、連なった微細孔の容積が大きく、微細孔容積の差が前記範囲を越え、膜厚が厚くなると共に容積が小さくなるものは、微細孔が硬化膜中に不均一に広がっているため、低い比誘電率の絶縁膜が得られず、機械強度も低下する。
【0010】
本発明において、硬化膜1.0cmあたりの微細孔容積、及び、微細孔の大きさの測定には、窒素ガス吸着量測定装置を用いることができる。この方法では、微細孔容積は、微細孔が窒素分子により充填されていると仮定して、窒素の蒸気圧が窒素の飽和蒸気圧に等しい時の、吸着ガス量から換算される。また、微細孔の大きさは、細孔分布解析法の一種であるBJH(Brrett、Joyner、Halenda)法を用いて測定されるが、微細孔は全て円筒型であると仮定して微細孔容積の分布を測定するので、その微細孔容積を微細孔の大きさの対数で微分した曲線におけるピークから微細孔の大きさが測定される。これらの測定に用いるサンプルは、シリコンウエハ上に、絶縁膜用材料により製膜し、加熱硬化して、微細孔が形成された絶縁膜を、約25mmx5mmの短冊状に切り出したものを用いる。このサンプルを薄膜サンプル用セルに入れて測定を行う。
【0011】
本発明に用いる絶縁膜用材料は、ポリイミド、ポリフェニルキノキサリン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾールなどの前駆体または樹脂を含み、微細孔を有する絶縁膜を作製することができるものであり、中でも、一般式(1)で表される構造を有する化合物を含むものが好ましい。より好ましい絶縁膜用材料としては、一般式(1)で表される構造を有する化合物と反応性オリゴマーとを反応させて得られる共重合体を成分として含むものが挙げられるが、該共重合体中のオリゴマーユニットを熱分解させて揮散させることにより、堅固な樹脂膜中に微細孔を形成させて、高耐熱性と低収縮及び低比誘電率を両立された多孔質絶縁膜を得ることが出来る。また、より好ましい絶縁膜用材料としては、一般式(1)における、X及び/又はYとして、脂肪族性炭素−炭素三重結合を有する基を有するものであり、該脂肪族性炭素−炭素三重結合が架橋反応によって、樹脂構造を3次元化させた堅固な樹脂骨格を得ることができる。更に好ましくは、一般式(1)における、X及び/又はYとして、ビフェニレン骨格を有する基を有するものが挙げられ、ビフェニレン骨格が、脂肪族性炭素−炭素三重結合や反応性オリゴマーとの反応を高じるために、一般式(1)のX及び/又はY中にビフェニレン構造を導入して共重合させることも効果的である。
【0012】
本発明の絶縁膜用材料に用いる一般式(1)で表される構造を有する化合物は、式(2)で表される化合物の少なくとも1種と、式(3)で表される化合物の少なくとも1種とを用いて、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により得ることが出来る。一般式(1)におけるmは、1以上1000以下の整数であり、好ましくは5以上100以下である。ここで、mは1であっても、成膜は可能で、樹脂膜の機械強度も十分であるが、5未満であると成膜性が低下し、樹脂膜の機械強度が低下する傾向がある。また、1000を越えると分子量が大きくなりすぎて、溶剤に溶けにくくなったり、溶解しても粘調なワニスとなり、実用的でなくなる恐れがあり、100以下が好適である。
【0013】
【化3】
Figure 2004225031
(式中、Xは少なくとも1種の4価の基を、RおよびRは、それぞれ、水素原子または1価の有機基を示す。)
【0014】
【化4】
Figure 2004225031
(式中、Yは少なくとも1種の2価の基を示す。)
【0015】
本発明で用いる、式(2)で表される化合物としては、2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェニル)フルオレン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシフェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)−3−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)−3−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス((2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−フェニル)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス((2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニル)−フェニル)−フルオレン、及びこれらの誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0016】
本発明で用いる、式(3)で表される化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ジカルボキシシクロプロパン、2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)ベンゼンの構造異性体、5−フェノキシイソフタル酸、2−フェノキシテレフタル酸、2−フェノキシテレフタル酸、5−フェニルイソフタル酸、2−フェニルテレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
また、これら式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物には、脂肪族性炭素−炭素三重結合ユニットを有するものが含まれていることが好適である。脂肪族性炭素−炭素三重結合ユニットとしては、エチニル、フェニルエチニル、アルキルエチニル、及び内部アセチレン等が挙げられる。従来から用いられてきた、脂肪族性炭素−炭素三重結合ユニットを有さない、非架橋性のビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを、低収縮性や耐熱性に影響しない程度に組み合わせて用いることも可能である。
【0018】
本発明で用いる、脂肪族性炭素−炭素三重結合を有する基を含む式(2)で表される化合物としては、1−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−2−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エチン、1−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−2−(3−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)エチン、1−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−2−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エチン、1−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−2−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エチン、1−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−2−(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)エチン、1−(3−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(3−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)エチン、1−(3−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エチン、1−(3−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)エチン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルエチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルエチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−3,6−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,3,6,7−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,4,5,7−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−3,4,5,6−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−1−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−3−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−4−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−3,6−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−4,5−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2,3,6,7−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2,4,5,7−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−3,4,5,6−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−1−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−3−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−4−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−3,6−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−4,5−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2,3,6,7−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2,4,5,7−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−3,4,5,6−テトラ−フェニルエチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1−エチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−3−エチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−エチニルフルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−3,6−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,3,6,7−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,4,5,7−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−3,4,5,6−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−1−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−3−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−4−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2,7−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−3,6−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−4,5−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2,3,6,7−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−2,4,5,7−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニル−フェニル)−3,4,5,6−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−1−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−3−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−4−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2,7−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−3,6−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−4,5−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2,3,6,7−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−2,4,5,7−テトラ−エチニル−フルオレン)、9,9−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)−3,4,5,6−テトラ−エチニル−フルオレン)、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−2,2’−ジフェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジフェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−エチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−エチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−エチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−2,2’−ジエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジフェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジフェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−2,2’−ジフェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジフェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−エチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−エチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−エチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジエチニル−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジエチニル−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−2,2’−ジエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジエチニル−ビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−2,2’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−2,2’−ジエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジエチニル−ジフェニルスルホン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−2−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−2−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−2−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−2−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0019】
本発明で用いる、脂肪族性炭素−炭素三重結合ユニットを有する式(3)で表される化合物としては、3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタル酸、2−エチニルイソフタル酸、4−エチニルイソフタル酸、5−エチニルイソフタル酸、2−エチニルテレフタル酸、3−エチニルテレフタル酸、5−エチニル−テレフタル酸、2−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−エチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−エチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−エチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−エチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−エチニル−フェニル)−テレフタル酸、3−フェニルエチニルフタル酸、4−フェニルエチニルフタル酸、2−フェニルエチニルイソフタル酸、4−フェニルエチニルイソフタル酸、5−フェニルエチニルイソフタル酸、2−フェニルエチニルテレフタル酸、3−フェニルエチニルテレフタル酸、2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニルフタル酸、4−ビフェニルエチニルフタル酸、2−ビフェニルエチニルイソフタル酸、4−ビフェニルエチニルイソフタル酸、5−ビフェニルエチニルイソフタル酸、2−ビフェニルエチニルテレフタル酸、3−ビフェニルエチニルテレフタル酸、5−ビフェニルエチニル−テレフタル酸、2−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジビフェニルエチニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジビフェニルエチニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジビフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジビフェニルエチニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−ビフェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−ビフェニルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ビフェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−ビフェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ビフェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ビフェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−ビフェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ビフェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−フェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−フェニルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、3−ヘキシニルフタル酸、4−へキシニルフタル酸、2−へキシニルイソフタル酸、4−へキシニルイソフタル酸、5−へキシニルイソフタル酸、2−へキシニルテレフタル酸、3−へキシニルテレフタル酸、2−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、1−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、8−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジへキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジへキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジヘキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジへキシニル−2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、5,5’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、6,6’−ジへキシニル−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジへキシニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジへキシニル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−へキシニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−ヘキシニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ヘキシニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェニル)−テレフタル酸、4,4’−トランジカルボン酸、3,4’−トランジカルボン酸、3,3’−トランジカルボン酸、2,4’−トランジカルボン酸、2,3’−トランジカルボン酸、2,2’−トランジカルボン酸、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0020】
なお、これらの化合物におけるベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていてもよい。上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
【0021】
本発明で用いる、ビフェニレン骨格を有する式(2)で表される化合物の例としては、
1,5−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシビフェニレン、1,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシビフェニレン、1,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシビフェニレン、1,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシビフェニレン、1,7−ジアミノ−2,8−ジヒドロキシビフェニレン、1,8−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシビフェニレン、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシビフェニレン、2,5−ジアミノ−1,6−ジヒドロキシビフェニレン、2,6−ジアミノ−1,5−ジヒドロキシビフェニレン、2,6−ジアミノ−1,7−ジヒドロキシビフェニレン、2,7−ジアミノ−1,6−ジヒドロキシビフェニレン、2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシビフェニレン、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0022】
本発明で用いる、ビフェニレン骨格を有する式(3)で表される化合物の例としては、1,2−ビフェニレンジカルボン酸、1,3−ビフェニレンジカルボン酸、1,4−ビフェニレンジカルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸、1,6−ビフェニレンジカルボン酸、1,7−ビフェニレンジカルボン酸、1,8−ビフェニレンジカルボン酸、2,3−ビフェニレンジカルボン酸、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。得られる塗膜の性能から、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸が特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0023】
本発明において、一般式(1)で表される構造を有する化合物と反応性オリゴマーとを反応させて得られる共重合体におけるオリゴマーユニットは、式(2)で表される化合物や式(3)で表される化合物と反応可能な官能基を有する反応性オリゴマーを、予め、式(2)で表される化合物や式(3)で表される化合物と反応させておくことで、あるいは式(1)で表される構造を有する化合物と反応させることにより導入される。例えば、該反応性オリゴマーは、その構造中に、カルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシル基を持ち、式(1)で表される構造を有する化合物、(2)で表される化合物や式(3)で表される化合物のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基と反応して導入される。そして、該オリゴマーユニットは、式(1)の構造を有する化合物及びその硬化物の熱分解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化するオリゴマーユニットでなければならない。
【0024】
反応性オリゴマーについて、具体的に例示すると、主骨格としてはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン−オキシエチレン共重合体、ポリオキシメチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリテトラヒドロフラン等のポリオキシアルキレンや、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
官能基としては、側鎖もしくは主鎖の片末端または両末端に導入したものを用いることができる。工業的に入手が容易であるのは、主鎖の末端を修飾した反応性オリゴマーである。より具体的には、4−アミノ安息香酸エステル化末端スチレンオリゴマー、4−アミノ安息香酸エステル化末端ポリ(プロピレングリコール)オリゴマー、両ヒドロキシ末端ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)などが挙げられる。
【0026】
反応性オリゴマーとしては、数平均分子量が100〜40,000の範囲のものが好ましい。より好ましくは、数平均分子量が100〜20,000であり、更に好ましくは、100〜10,000の範囲のものである。分子量が100未満であると、分解・気化した後の空隙が小さく潰れやすいため、比誘電率の低減を発現させることができにくい。また、分子量が40,000を越えると、空隙が大きくなりすぎて絶縁膜の機械特性が極端に低下し、実用に供すことができなくなるといった問題が発生する。
【0027】
本発明において、式(1)で表される構造を有する化合物中の前記反応性オリゴマーユニットの導入量は、5〜70重量%が好ましい。より好ましくは5〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜40重量%である。この導入量が、5重量%未満であると絶縁膜中の空隙率が小さく、比誘電率を低減させることが不十分であり、また、70重量%を越えると膜中の空隙率が大きくなり、膜の機械強度が極端に低下したり、空隙が連続し不均一となり、比誘電率が場所により異なる等の問題が発生することがある。従って、反応性オリゴマーユニットの導入量が、上記範囲になるように、調整することが好ましい。
【0028】
本発明において、一般式(1)で表される化合物の製造方法の例としては、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応などの方法を用いることができる。例えば、酸クロリド法では、使用する式(3)で表される化合物の酸クロリドは、まず、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒存在下で、式(3)で表される化合物と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし130℃程度の温度で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。
【0029】
このようにして製造した式(3)で表される化合物の酸クロリドと、前記他の式(3)で表される化合物を併用する場合は、同様にして得られる酸クロリドとを、式(2)で表される化合物と共に、通常、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、トリエチルアミン等の酸受容剤存在下に、室温ないし−30℃程度の温度で反応させて、一般式(1)で表される化合物を合成することができる。これに、更に、反応性オリゴマーを反応させて共重合体を得る場合は、上記で得られた一般式(1)で表される化合物の反応液に、予め、反応性オリゴマーをγ−ブチロラクトンなどに溶解したものを加えて反応させる。次いで、反応液を、水とイソプロピルアルコールの混合溶液などに加え、沈殿物を集め、乾燥することにより、一般式(1)で表される化合物と反応性オリゴマーとを反応させた共重合体を得ることができる。また、極性溶媒中、式(3)で表される化合物の酸クロライド、式(2)で表される化合物および反応性オリゴマーを、同時に反応させて、ランダムに共重合体を合成することも可能である。
【0030】
式(3)で表される化合物の酸クロリドと式(2)で表される化合物の仕込みモル比は、得られる重合物の分子量に大きく影響し、また、重合物の末端基構造を制御するのに重要である。すなわち、反応性オリゴマーと共重合反応させるには、重合物の末端をオリゴマーの反応性基と反応し得るようにしなければならない。例えば、式(3)で表される化合物の酸クロリド/式(2)で表される化合物のモル比を、1未満とすると、得られる一般式(1)で表される化合物の末端はアミノ基とヒドロキシル基を有し、カルボキシル基を有する反応性オリゴマーとの共重合が可能となる。また、式(3)で表される化合物の酸クロリド/式(2)で表される化合物のモル比を、1より大きくすると、得られる重合体の末端はカルボキシル基を有し、アミノ基またはヒドロキシル基を有する反応性オリゴマーとの共重合が可能となる。この場合、反応性オリゴマーの末端反応基は、求核性の強いアミノ基の方が、より好ましい。
【0031】
この際、反応性オリゴマーの末端水酸基をアミノ基に変換する例としては、水酸基末端反応性オリゴマーと4−ニトロ安息香酸クロリドを、通常、テトラヒドロフランなどの溶媒中において、ピリジン等の酸受容剤存在下で、室温ないし−30℃程度の温度で反応させることにより、4−ニトロ安息香酸エステル末端オリゴマーを得ることができる。その後、この末端オリゴマーをテトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、パラジウム炭素などの還元触媒存在下、水素ガス雰囲気下で反応させ、その反応液から触媒を取り除いた後、溶媒を濃縮して除去することにより、4−アミノ安息香酸エステル末端の反応性オリゴマーを得て、これをアミノ基末端反応性オリゴマーとして使用することができる。また、一般式(1)で表される化合物の主鎖構造中の水酸基に、カルボキシル基やイソシアネート基を持つ反応性オリゴマーと反応させてグラフト共重合体を合成し用いることも可能であるが、水酸基と反応する反応性オリゴマーであれば、特に、これらに限定されるものではない。
【0032】
本発明において絶縁膜用材料には、上記成分の他に、目的に応じて、各種添加剤を含有させることができる。各種添加剤としては、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルやイオウラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類などの触媒等が挙げられる。本発明の絶縁膜用材料は、これらの各成分を混合することにより得られるが、有機溶媒に溶解又は分散させてワニス状として用いると良い。
【0033】
また、本発明における一般式(1)で表される構造を有する化合物は、式(1)におけるR及びRが、水素原子である場合は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として、また、R及びRが、メタクリロイル基のような光架橋性基を有する基である場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0034】
本発明に用いる絶縁膜用材料は、適当な有機溶媒に溶解させるか又は均一に分散させて、コーティングワニスとして使用することが好ましい。具体的に例示すると、当該絶縁膜用材料を、有機溶媒に溶解又は均一に分散させ、適当な支持体、例えば、ガラス、繊維、金属、シリコンウエハ、セラミック基板等に塗布する。その塗布方法は、浸漬、スクリーン印刷、スプレー、回転塗布、ロールコーティングおよびスピンコーターなどの方法が挙げられ、塗布後に、加熱乾燥して、溶剤を揮発させ、タックフリーな塗膜とすることができる。その後、加熱処理して、樹脂架橋体に変換して用いるのが好ましい。また、ジカルボン酸成分、ビスアミノフェノール化合物成分、及び反応性オリゴマー成分を選択することにより、溶剤に可溶な樹脂として用いることもできる。
【0035】
本発明に用いる絶縁膜用材料を溶解又は分散させる有機溶媒としては、固形分を完全に溶解することの出来る溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0036】
コーティングワニスを調製する場合の溶媒使用量としては、絶縁膜用材料を完全に溶解し得る量であればよく、特に制限されず、その用途に応じて、適宜調整することができるが、一般的にはワニス中の溶媒含有量は、70〜95重量%程度が好ましい。
【0037】
本発明に用いる絶縁膜用材料は、上記のようにして得られた塗膜を、通常、80〜200℃の範囲の温度で溶媒を蒸発させ、200〜500℃程度の温度で加熱処理することにより、絶縁膜用材料中のポリアミドユニットが、環化縮合反応及び架橋反応を生じてポリベンゾオキサゾール樹脂となり、また、反応性オリゴマーとを反応させて得られる共重合体を含む絶縁膜用材料においては、該共重合体中の該オリゴマーユニットは、この際、熱分解して、分解物が気化・揮散し、ポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層に微細孔を形成させることにより、多孔質絶縁膜である絶縁膜を得ることができる。この際の熱履歴も微細孔を形成させるには重要である。
【0038】
本発明の微細孔を有してなる絶縁膜における、平均の微細孔の大きさは、絶縁膜の用途や膜の厚みにもよるが、半導体用層間絶縁膜等の用途においては、20nm以下であり、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下である。半導体用層間絶縁膜においては、孔径が20nmより大きいと、配線間に用いられた絶縁膜における空隙が不均一になり、電気特性が一定とならないことがある。また、膜の機械強度が低下し、接着性に悪影響が出る等の問題が発生する恐れがある。
【0039】
また、絶縁膜の空隙率としては、5〜70%が好ましく、より好ましくは5〜50%、さらに好ましくは5〜40%である。空隙率が5%より小さいと十分な比誘電率の低下が発現されないことがあり、70%よりも大きいと膜の機械強度が低下するおそれがある。
【0040】
本発明の絶縁膜の厚みとしては、その使用目的に応じて異なるが、通常0.1〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.1〜20μmの範囲である。
【0041】
本発明の絶縁膜用材料、コーティングワニス及び絶縁膜は、半導体用層間絶縁膜や保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の形成に用いることができる。特に、近年の高集積化された半導体素子は、線幅が微細であり、且つ、多層構造を有するために、均質微細で発生応力の小さな素材が用いられ、更に、電気信号の遅延を防止して高速作動させるために、低誘電率の素材が用いられており、本発明の絶縁膜は好適である。
【0042】
本発明の絶縁膜を、半導体装置に用いる半導体素子の多層配線用層間絶縁膜に用いる場合の例としては、まず、接着性を向上させる場合、接着性コーティング剤を半導体基板上に、塗布して、塗膜を形成する。塗布の方法としては、スピンナーによる回転塗布、スプレーコーターによる噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等の方法が挙げられる。その後、有機溶剤の沸点以上の温度でプリベークして有機溶剤を蒸発乾燥させることにより、接着性コーティング膜を形成する。次に、前記接着性コーティング膜の上に、本発明の絶縁膜用材料の溶液を、前記同様の方法により、積層するように塗布して、塗膜を形成する。次いで、塗膜を前記の条件でプリベークして有機溶剤を蒸発乾燥し、更に、加熱処理することにより、微細孔を有する樹脂膜とし、層間絶縁膜を形成して半導体素子を得ることができる。同様にして、樹脂膜を形成して表面保護膜とすることもできる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で作製したコーティング用ワニス及びフィルムについて、特性評価のため、下記の方法により膜厚、比誘電率、耐熱性、ガラス転移温度、吸水率、微細孔容積、及び孔径を測定した。評価結果は、まとめて表1に示した。
【0044】
(1)膜厚
n&kアナライザー(n&kテクノロジー社製)を用いて、シリコンウエハ上の膜厚を測定した。
【0045】
(2)比誘電率
JIS−K6911に準拠し、周波数100kHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて測定を行った。
【0046】
(3)耐熱性
セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA6200を用いて、窒素ガス200mL/分フロー下、昇温速度10℃/分の条件により、重量減少5%の際の温度を測定した。
【0047】
(4)ガラス転移温度(Tg)
セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100を用いて、窒素ガス300mL/分フロー下、測定周波数1Hz、昇温速度3℃/分の条件で、引張りモードで測定し、損失正接(tanδ)のピークトップ温度をガラス転移温度とした。
【0048】
(5)吸水率
5cm角、厚み10μmの試験フィルムを、23℃の純水に24時間浸漬した後の、重量変化率を算出した。
【0049】
(6)微細孔容積及び孔径
ユアサアイオニクス社製窒素ガス吸着量測定装置を用いて、硬化膜の微細孔容積及び孔径を測定した。
【0050】
(7)弾性率
エリオニクス社製の超微小硬度計ENT−1100を用い、最大荷重10mg、負荷速度1mg/secで測定を行った。
【0051】
「実施例1−1」
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン24.5g(0.095mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン330mLに溶解し、この溶液に5−エチニルイソフタル酸ジクロリド22.7g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を添加し、次いで、γ−ブチロラクトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40.0g(0.01mol、数平均分子量4000)を溶解した溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて、20℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応液をろ過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去し、ろ過した液を、イオン交換水6.6Lとイソプロパノール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、共重合体75.2gを得た。得られた共重合体の分子量を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量22,800、分子量分布2.10であった。H−NMRにより測定した反応性オリゴマー成分の導入率は39重量%であった。
【0052】
得られた共重合体5.00gを、N−メチル−2−ピロリドン20.00gに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィルターでろ過して、ワニスを得た。このワニスにおいて、室温で35日間、析出物は見られなかった。このワニスを、スピンコーターを用いて、アルミニウムを蒸着したシリコンウエハ上に塗布した。この際、熱処理後の膜厚が約0.5μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後、120℃のホットプレート上で240秒間乾燥した後、窒素を流入して、酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、300℃で60分間加熱することで、末端をオリゴマーと反応させたポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。さらに、この皮膜を400℃で60分間加熱して、オリゴマーユニットを分解し、細孔を有するポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。得た皮膜の膜厚を測定したところ、0.51μmだった。また、皮膜上にアルミニウムを蒸着して、パターニングを行い、所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエハ側のアルミニウムと、この電極による容量を測定し、測定後に皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により膜厚を測定することにより、周波数1MHzにおける比誘電率を算出したところ、2.0であった。また、この皮膜について窒素ガス吸着法により、微細孔容積及び孔径を測定したところ、それぞれ0.0032cm/g及び10nm以下であった。耐熱性、Tg、吸水率も併せて第1表にまとめた。
【0053】
「実施例1−2」
実施例1−1において、熱処理後の膜厚が約1.0μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は同様にして実験を行った。
【0054】
「実施例2−1」
実施例1−1において、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド22.7g(0.1mol)の替わりに、2,7−ビフェニレンジカルボン酸ジクロリド27.7g(0.1mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約0.3μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0055】
「実施例2−2」
実施例1−1において、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド22.7g(0.1mol)の替わりに、2,7−ビフェニレンジカルボン酸ジクロリド 27.7g(0.1mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約0.9μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0056】
「実施例3−1」
実施例1−1において、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン24.5g(0.095mol)の替わりに、2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシビフェニレン20.4g(0.095mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約0.3μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0057】
「実施例3−2」
実施例1−1において、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン24.5g(0.095mol)の替わりに、2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシビフェニレン20.4g(0.095mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約1.2μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0058】
「実施例4−1」
実施例1−1において、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン24.5g(0.095mol)の替わりに、1−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−2−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エチン22.8g(0.095mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約0.3μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0059】
「実施例4−2」
実施例1−1において、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン24.5g(0.095mol)の替わりに、1−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−2−(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エチン22.8g(0.095mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約1.2μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0060】
「比較例1−1」
実施例1−1において、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド22.7g(0.1mol)の替わりに、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.1mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約0.3μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0061】
「比較例1−2」
実施例1−1において、5−エチニルイソフタル酸ジクロリド22.7g(0.1mol)の替わりに、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.1mol)を用いたこと、かつ、熱処理後の膜厚が約1.0μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定したこと以外は、同様にして実験を行った。
【0062】
表1に実施例および比較例の結果をまとめた。本発明の絶縁膜である実施例1−1から4−2については、微細孔孔径が10nm以下であった。実施例1−1と1−2の微細孔容積の差が0.0005cm/cm、実施例2−1と2−2の微細孔容積の差が0.0002cm/cm、実施例3−1と3−2の微細孔容積の差が0.0001cm/cm、実施例4−1と4−2の微細孔容積の差が0.0002cm/cmであった。対して比較例1−1、1−2については、微細孔孔径が30nmであり、微細孔容積の差が0.0015cm/cmであった。
【0063】
【表1】
Figure 2004225031
【0064】
【発明の効果】
本発明の絶縁膜用材料及びコーティング用ワニスにより得られる絶縁膜は、高い機械強度と低比誘電率を有し、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に、好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 微細孔を有する絶縁膜を形成可能な有機絶縁膜用材料であって、シリコンウエハ上に成膜して加熱硬化させて得られた2種の膜厚の絶縁膜において、窒素ガス吸着法により測定される、それぞれの微細孔容積が絶縁膜1.0cm当たり0.001cm以下の差を有し、且つ、微細孔の平均径が、20nm以下である絶縁膜を与える絶縁膜用材料。
  2. 有機絶縁膜用材料が、一般式(1)で表される構造を有する化合物を含むものである請求項1記載の絶縁膜用材料。
    Figure 2004225031
    (式中、Xは少なくとも1種の4価の基を、Yは少なくとも1種の2価の基を示す。RおよびRは、それぞれ、水素原子または1価の有機基を示す。また、mは1以上1000以下の整数である。)
  3. 有機絶縁膜用材料が、一般式(1)で表される構造を有する化合物と反応性オリゴマーとを反応させて得られる共重合体を含むものである請求項1記載の絶縁膜用材料。
  4. 一般式(1)で表される構造を有する化合物が、一般式(1)におけるX及び/又はYとして、脂肪族性炭素−炭素三重結合を有する基を有するものである請求項2又は請求項3に記載の絶縁膜用材料。
  5. 一般式(1)で表される構造を有する化合物が、一般式(1)におけるX及び/又はYとして、ビフェニレン骨格を有する基を有するものである請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒とを含むことを特徴とする、絶縁膜用コーティングワニス。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の絶縁膜用材料、又は、請求項6記載の絶縁膜用コーティングワニスを用いて製膜し、加熱処理して得られる絶縁膜。
  8. 請求項7記載の絶縁膜を、多層配線の層間絶縁膜として有する半導体素子。
  9. 請求項8記載の半導体素子を用いた半導体装置。
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