JP2004223834A - インクジェット記録用媒体及びその製造方法 - Google Patents

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喜芳 遠藤
Tomohiko Sakai
智彦 坂井
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Masako Kikuchi
雅子 菊地
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Abstract

【課題】様々な光沢度で、ひび割れが少なく、且つインク吸収容量が充分に得られるインクジェット記録用媒体と、優れた生産性で製造できるインクジェット記録用媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層以上の無機顔料微粒子を含有するインク受理層と光沢制御層を順次積層してなるインクジェット記録用媒体において、表面光沢が75°で40%以上、70%以下のインク受理層の上に光沢制御層が積層され、光沢制御層の表面光沢が75°で15〜80%であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録用媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録用媒体に付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有しており、近年急速に普及してきている。一方、写真等の高画質印刷、いわゆるフォトライクの記録用媒体にも用いられており、記録用媒体としてインク吸収量が多く、記録用媒体上に異物、クラック(ひびわれ)等の故障が無いことが要求されている。一方、光沢については、利用者の好みによるところが多く、平滑で光沢が高いものから、マット調の光沢が比較的低いものまで多岐にわたり、さまざまな光沢度の記録用媒体が望まれている。フォトライク記録用媒体は高価であり、今後益々低価格化が要求されている。
【0003】
これらの問題を解決するために、従来から多くの技術が提案されており、例えば、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同10−81064号、同10−119423号、同10−175365号、同10−193776号、同10−203006号、同10−217601号、同11−20300号、同11−20306号、同11−34481号の各公報には、気相法シリカを用いることが開示されている。この気相法シリカは1次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢が得られ、微粒子同士が3次元の網目構造をとるため高い吸収性(高空隙)を得られる特徴がある。しかし、高空隙率のため膜の強度が弱く、クラック(ひび割れ)をおこしやすく、また、気相法シリカを水性媒体中に分散すると急激に増粘を引き起こし、高濃度で分散できず生産性が低く、更に気相法シリカ自身が高価であるという欠点を有する。
【0004】
気相法シリカに対して湿式法で製造されたゲル法シリカ、沈降法シリカ等(以下湿式法シリカと称す)は安価であり、コストメリットはあるが、光沢が出しにくい欠点を有する。これに対し、高い光沢性を得るためにインク受理層を2層以上にし、上層に光沢制御層を設け、更に加熱鏡面処理やカレンダー処理を行うことを提案(例えば、特許文献1、2参照。)しているが、製造工程が複雑になり逆に高価になってしまう。またインク吸収性を劣化させる。
【0005】
一方、マット調の比較的低い光沢を得るために、支持体に凹凸加工を施したり、数μm〜数十μmのマット剤を含有させたりする方法が取られるが、これらも製造工程が複雑になる欠点を有する。
【0006】
シリカの平均粒径を規定した技術が開示されて(例えば、特許文献3〜7参照。)いるが、いずれも平均粒径を小さくすると光沢は得られるがインク吸収性が劣化する。低い光沢を得ることについては言及していない。
【0007】
また、アルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が、特開昭62−174183号、特開平2−276670号、同5−32037号、同6−199034号の各公報に開示されている。光沢性は良好であるが、インク吸収性が不十分で且つ高価である。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−91240号公報 (特許請求の範囲、段落番号
0016、段落番号0028)
【0009】
【特許文献2】
特開2002−211113号公報 (段落番号0041〜0042、段落番号0057〜0059)
【0010】
【特許文献3】
特開平9−286165号公報 (段落番号0010)
【0011】
【特許文献4】
特開平10−86509号公報 (段落番号0007)
【0012】
【特許文献5】
特開平10−175367号公報 (段落番号0006)
【0013】
【特許文献6】
特開平10−181190号公報 (段落番号0011)
【0014】
【特許文献7】
特開平10−181191号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであって、その目的は様々な光沢度で、ひび割れが少なく、且つインク吸収容量が充分に得られるインクジェット記録用媒体と、優れた生産性で製造できるインクジェット記録用媒体の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0017】
1)支持体上に少なくとも1層以上の無機顔料微粒子を含有するインク受理層と光沢制御層を順次積層してなるインクジェット記録用媒体において、表面光沢が75°で40%以上、70%以下のインク受理層の上に光沢制御層が積層され、光沢制御層の表面光沢が75°で15〜80%であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
【0018】
2)前記表面光沢がインク受理層及び光沢制御層中の無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子数で制御されており、前記インク受理層中の無機顔料微粒子が少なくともシリカを含み、且つシリカ微粒子の平均粒径(y(nm))とシリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数(x)の前記関係式(1)の値(z)が100より大きく500より小さいことを特徴とする前記1)に記載のインクジェット記録用媒体。
【0019】
3)前記表面光沢がインク受理層及び光沢制御層中の無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子数で制御されており、前記光沢制御層中の無機顔料微粒子は少なくともシリカを含み、且つシリカ微粒子の平均粒径(y(nm))とシリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数(x)の前記関係式(1)の値(z)が80より大きく1000より小さいことを特徴とする前記1)または2)に記載のインクジェット記録用媒体。
【0020】
4)前記インク受理層中に含有するシリカ微粒子が湿式法で作られたシリカであることを特徴とする前記1)〜3)のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
【0021】
5)支持体上に少なくとも1層以上の無機顔料微粒子を含有するインク受理層と光沢制御層を順次積層してなるインクジェット記録用媒体の製造方法において、表面光沢が75°で40%以上、70%以下のインク受理層とその上に表面光沢が75°で15〜80%の光沢制御層を同時重層塗布することを特徴とするインクジェット記録用媒体の製造方法。
【0022】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット記録用媒体は、支持体に近い方からインク受理層と光沢制御層を積層するものであり、75°測定で40%以上、70%以下の光沢度を有するインク受理層を用いることで、光沢度の異なる光沢制御層を同時に積層しても、インク吸収性、ひび割れ耐性に優れたインクジェット記録用媒体を生産性に優れた形で提供できるものである。
【0023】
本発明のインク受理層及び光沢制御層の光沢は、無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子数で制御されており、この手段により光沢度として本発明のように広い範囲のものは、かつてない。
【0024】
また、平均粒径に着眼したものは過去にあるが、高光沢を目指したもので、平均粒径を小さくする手段が取られているが、この場合、インク吸収性が劣化する。低い光沢を目指す場合、平均粒径を大きくすればよいのであるが、ひび割れを誘発し、平均粒径のみでは制御できない。高光沢を目指す場合、インク吸収性が、低光沢を目指す場合、ひび割れが大きな課題となる。
【0025】
そこでわれわれは鋭意検討した結果、支持体上に少なくとも2層を設け、支持体に近い方(以後、インク受理層と称す)には、インク吸収能とひび割れ耐性を優先させた層を形成し、支持体から遠い方(以後、光沢制御層と称す)には、光沢機能を優先させた層を形成し、様々な光沢を得るために、光沢制御層の無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子数を制御し、インク受理層については、光沢度に関係なく共通とすることで上記課題を解決できることがわかった。
【0026】
光沢を制御する場合、平均粒径のみでは難しく、われわれは粗大粒子数(10μm以上)を加えた形でより確実に制御できることがわかった。例えば、平均粒径が同じでも粗大粒子が多いと、光沢は低下する。粗大粒子が多くても平均粒径が小さければ光沢は高くなる。つまり、平均粒径と粗大粒子のバランスで、光沢は制御できることを見出した。
【0027】
その他の光沢の制御としてカレンダー処理等があるが、処理装置が必要であったり、インク吸収性を劣化させるなどの点で好ましくない。
【0028】
インク受理層の詳細について説明する。インク受理層単独で塗布した場合の表面光沢度が40%(75°測定)以上、70%以下が好ましい、更に好ましくは45%以上、65%以下である。これより低い光沢であると、光沢制御層として光沢度の高い層(実際には無機顔料微粒子を小さくする)を塗布した際に、光沢度の低下を招き、高い光沢が得られない。また、ひび割れが増加する。
【0029】
無機顔料微粒子を大きくし、1層で光沢度の低いものを作る場合、ひび割れが劣化する。2層以上にすることで、インク受理層のひび割れ耐性をよくし、光沢制御層に1層ではひび割れる層を持ってきても、ひび割れが抑制されることがわかり、本発明に至っている。
【0030】
インク受理層に用いられる無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子の関係は、関係式(1)の値(z)が100より大きく500より小さいことが好ましい。値(z)が100より小さいと吸収が劣化し、500より大きいとひび割れが増加する。
【0031】
ここで、平均粒径はmalvern社製、光子相関法ゼータサイザー1000HSで測定した値である。粗大粒子数は、Pacific Scientific社製、HIAC/ROYCO Model 8000A Particle Counterで測定した値である。粗大粒子数の測定は、無機顔料微粒子分散液を希釈して無機顔料微粒子の質量濃度で0.25%の液を作り、前記測定器で前記0.25%液10ml中の粗大粒子を測定し、無機顔料微粒子1g当たりの粗大粒子数に換算した値である。測定レンジは2〜100μmレンジで測定し、10μm以上の粒子数を粗大粒子数とした。
【0032】
次に光沢制御層について説明する。光沢制御層中の無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子数の関係は、関係式(1)の値(z)が80より大きく1000より小さいことが好ましい。これにより75°測定での光沢度として、15〜80%の範囲を制御することができる。値(z)の値を小さくすると、光沢は高くなり、大きくすると光沢は低くなる。光沢度が15%より小さいとザラザラ感が目立ち、逆に80%より大きいと表面が光りすぎ、好ましくない。
【0033】
前記光沢制御層中の無機顔料微粒子の平均粒径及び粗大粒子も、前記インク受理層中の無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子と同じ測定方法で測定した。
【0034】
前記インク受理層と光沢制御層の比率は、無機顔料質量付量比で1:1〜10:1の範囲が好ましい。
【0035】
本発明で無機顔料微粒子として好ましく使用できるシリカについて詳細に説明する。シリカ粒子はその製造方法によって気相法シリカと湿式法シリカに大別でき、更に湿式法シリカはゲル法で製造されたシリカ(以下、ゲル法シリカと称す)と沈降法で製造されたシリカ(以下、沈降法シリカと称す)に細分化される。気相法シリカは、四塩化珪素を酸素と水素で燃焼して作られる、平均1次粒径が5〜50nmの球状無水シリカである。気相法シリカは、比較的光沢が出しやすく、空隙を形成しやすい反面、見かけ比重が小さく、球状粒子が網目状に凝集しやすいため、高濃度で水分散するのが困難であるのに加え、分散液の経時安定性が低く、塗膜にしたときにクラック(ひび割れ)が発生しやすい欠点を有している。
【0036】
これに対し、ゲル法シリカは、例えば、高純度珪砂を原料としたケイ酸ソーダと硫酸を混合しケイ酸ゾルを生成する。ケイ酸ゾルは次第に重合し、1次粒子を形成し、更に三次元的に凝集体を形成し、ゲル化する。このシリカを気流粉砕等の一般的な方法で粉砕して微粉化する。即ち、ゲル法では、酸性サイドで反応重合させ、ゲル状になるまで静置し、水洗して乾燥しゲル法シリカを得る。沈降法シリカは、アルカリサイドで反応重合させ、そのまま、沈降させ乾燥して得ることができる。これら湿式法シリカは1次粒子内に内部細孔を持つため、粒子内にもインク吸収できる利点がある。更に、粒子に含有する水分が気相法に比べて多いため、水性媒体中に分散しやすく高濃度の分散物が得られる利点がある。
【0037】
また、湿式法シリカは高濃度で分散できるため、塗布する際の塗布液中の含水量も少なくでき、乾燥に有利であり、結果として塗布速度も上げられる利点がある。更に、乾燥時の膜の収縮率も少なく、膜にかかる応力が少なくなり、クラック(ひび割れ)等の塗布故障が低減できる。
【0038】
本発明では、インク受理層及び光沢制御層に含有されるシリカ微粒子の平均粒径と粗大粒子の関係式の値を満足すれば、気相法、湿式法どちらでも用いることが可能であり、また気相法、湿式法に係わらず2種以上のシリカ微粒子で関係式を満足できれば、それも用いることができるが、更に1種のシリカを2種以上の異なる平均粒径、(粗大粒子)に粉砕分散したシリカ微粒子も関係式を満足すれば、混合して用いることができる。特にインク受理層にはひび割れ耐性を要求されるため、湿式法シリカが好ましい。これら湿式法シリカはトクヤマ(株)、日本シリカ工業(株)等より市販されている。
【0039】
更に、湿式法シリカは粉砕分散して微粒子として用いるため、粉砕分散効率の点で粉砕分散前の平均粒径として2.5μm以下であることが好ましい。
【0040】
一方、気相法シリカは日本アエロジル(株)、トクヤマ(株)等より市販されている。
【0041】
シリカ微粒子の平均粒径としては、20nm以上500nm以下の範囲が好ましく、この平均粒径の中で粗大粒子を制御することが好ましい。
【0042】
粉砕分散方法としては、特には限定されないが、予備分散工程と本分散工程を有し、予備分散工程で粉砕分散粒径として1000nm以下にすることが好ましい、これより大きいと本分散工程で多くの時間とエネルギーを要す。予備分散に用いる分散機としては、連続式が生産効率上好ましく、ローラミルタイプ、ニーダータイプ、ピンミキサータイプ、連続式攪拌型分散機が好ましい。必要に応じて複数の分散機を用いてもよい。
【0043】
本分散工程では、最終的な平均粒径を決定する工程であり、好ましく用いることのできる分散機として、高圧ホモジナイザー、湿式メディア型粉砕機(サンドミル、ボールミル)、連続式高速撹拌型分散機、超音波分散機等が挙げられる。中でもサンドミルが好ましく、高濃度の予備分散液を短時間で効率よく粉砕分散でき、粗大粒子数の制御に有効である。サンドミルに用いるメディアとしてはジルコニア製が好ましく、大きさは0.1〜1.0mmが好ましい。周速としては、5〜15m/secが好ましい。
【0044】
粉砕分散する際のシリカ濃度として、生産効率とハンドリング性を考え20%以上、50%以下が好ましく、更に好ましくは25%以上、40%以下である。
【0045】
粉砕分散されたシリカ微粒子は、粗大粒子数を制御する工程を有することが好ましい。方法としては、遠心分離による方法、フィルターによる方法等を用いることができる。遠心分離の方法としてクレテック社製、マイクロカット等が利用できる。フィルターとしては、日本ポール(株)製のプロファイル、アドバンテック東洋(株)製のTCPD等が挙げられる。
【0046】
前記処理工程を経た後、バインダーと混合し支持体上に塗布・乾燥されインク受理層が形成される。
【0047】
前記シリカ微粒子をバインダーと混合した後、フィルターで再度処理するのが好ましい。
【0048】
前記水性媒体としては、少なくともカチオン性ポリマーが含有されていることが好ましい。更に好ましくは硬膜剤も含有していることである。
【0049】
前記カチオン性ポリマーとして、好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体または他の共重合し得る1または2以上のモノマーとの共重合体である。
【0050】
第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの例としては、例えば、以下の例を挙げることができる。
【0051】
【化1】
Figure 2004223834
【0052】
【化2】
Figure 2004223834
【0053】
上記第4級アンモニウム塩基と共重合し得るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば、以下の具体例を挙げることができる。
【0054】
【化3】
Figure 2004223834
【0055】
特に、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノマーの比率は10モル%以上が好ましく、より好ましくは20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上である。第4級アンモニウム塩基を有するモノマーは単一でも2種類以上であってもよい。
【0056】
以下に本発明に用いることができるカチオン性ポリマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
【化4】
Figure 2004223834
【0058】
【化5】
Figure 2004223834
【0059】
【化6】
Figure 2004223834
【0060】
【化7】
Figure 2004223834
【0061】
上記第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーは、第4級アンモニウム塩基のために水溶性が一般に高い。共重合する第4級アンモニウム塩基を含まないモノマーの組成や比率によっては、水に充分に溶解しないことはあるが、水混和性有機溶媒と水との混合溶媒に溶解させることにより、溶解し得るものであれば本発明に使用できる。
【0062】
ここで、水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用量以下であることが好ましい。
【0063】
本発明に用いるカチオン性ポリマーは、数平均分子量が10万以下であることが好ましい。ここで、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求められたポリエチレングリコール値に換算した値である。
【0064】
数平均分子量が10万を越える場合には、カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性であるシリカ微粒子を含有する分散液に添加した際に凝集物の発生が激しく、またその後分散処理を施しても均一な分散液に成りにくく、粗大粒子が多数存在して均一な分散液になりにくい。このようなカチオン性ポリマーとシリカ微粒子を含有する複合微粒子分散液を使用してインクジェット記録用媒体を作製した場合、高い光沢性が得られにくい。特に、好ましい数平均分子量は5万以下である。また数平均分子量の下限はインクの耐水性の点から通常2000以上である。
【0065】
上記シリカ微粒子とカチオン性ポリマーの比率は、シリカ微粒子の種類や粒径、あるいはカチオン性ポリマーの種類や数平均分子量で変わり得る。
【0066】
本発明において、上記比率はシリカ微粒子の表面がカチオン性に置き換わって安定化させる必要があることから、1:0.01〜1:1であることが好ましい。
【0067】
上記の分散液を調製する際には、各種の添加剤を添加することができる。
例えば、ノニオン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(但し、アニオン性界面活性剤は凝集物を形成するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤など、必要に応じて適宜使用することができる。
【0068】
特に水混和性有機溶媒は、湿式法シリカ微粒子とカチオン性ポリマーを混合した際の微小なダマの形成が抑制されるために好ましい。そのような水混和性有機溶媒は、分散液中に好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%使用される。
【0069】
カチオン性分散液を調製する際のpHは、シリカ微粒子の種類やカチオン性ポリマーの種類、各種の添加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpHが1〜8であり、特に2〜7が好ましい。
【0070】
本発明に係るバインダーとしては、水溶性ポリマーが好ましく、例えば、ゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(平均分子量が10万以上が好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、水溶性ポリビニルブチラールを挙げることができ、これらの水溶性ポリマーはインク受理層の親水性バインダーとして機能し、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に好ましい親水性バインダーは、ポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0071】
本発明に用いられるポリビニルアルコールは平均重合度が300〜4000のものが好ましく、特に平均重合度が1000以上のものから得られる皮膜は、脆弱性が良好であることからより好ましい。また、ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜100%のものが特に好ましい。
【0072】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールは、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0073】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルジメチル(3−メタクリルアミド)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0074】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2〜5モル%である。また、カチオン変性ポリビニルアルコールの重合度は通常500〜4000、好ましくは1000〜4000である。更に、カチオン変性ポリビニルアルコールのケン化度は通常60〜100モル%、好ましくは70〜99モル%である。
【0075】
本発明のインクジェット記録用媒体において、高光沢性で高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得るために、前記水溶性ポリマーが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
【0076】
硬膜剤は一般的には前記水溶性ポリマーと反応し得る基を有する化合物、あるいは水溶性ポリマーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられる。
【0077】
硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、ホウ酸、その塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙げられる。
【0078】
水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコールまたはカチオン変成ポリビニルアルコールを使用する場合には、ホウ酸、その塩またはエポキシ系硬膜剤から選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましい。
【0079】
最も好ましいのは、ホウ酸またはその塩から選ばれる硬膜剤である。ホウ酸またはその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体的にはオルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸またはそれらの塩が挙げられる。
【0080】
上記硬膜剤の使用量は水溶性ポリマーの種類、硬膜剤の種類、シリカ粒子の種類、水溶性ポリマーに対する比率等により変化するが、通常水溶性ポリマー1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300mgである。
【0081】
上記硬膜剤は空隙層を形成する塗布液を塗布する際に、空隙層を形成する塗布液中及び/または空隙層に隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布してある支持体上に、該空隙層を形成する塗布液を塗布する。更には空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布液を塗布乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなどして空隙層に硬膜剤を供給することもできる。好ましくは製造上の効率の観点から、空隙層を形成する塗布液またはこれに隣接する層を形成する塗布液中に硬膜剤を添加して、空隙層を形成するのと同時に硬膜剤を供給するのが好ましい。
【0082】
親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを用いる場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノール基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行い、軟凝集体が形成されて空隙率が高くなりやすい。
【0083】
上記水溶性ポリマーとシリカ粒子の比率は、通常1:10〜1:3であり、特に好ましくは1:8〜1:5である。
【0084】
水溶性ポリマーを前記分散液に添加混合する方法は、水溶性ポリマーの水溶液を分散液に攪拌しながらバッチ内で添加する方法や、前記分散液と水溶性ポリマーを連続的にスタチックミキサー等の混合機で混合する方法が挙げられる。
【0085】
本発明に好ましく用いられる水溶性ポリマー、特にポリビニールアルコールは重合度が高い為、溶解性が悪くダマが出来やすい、更に溶解時間がかかるため、生産効率上、品質上問題がある。
【0086】
溶解温度を100℃以上にすることで、溶解時間が短縮できてダマがなくなる。溶解温度は100℃以上、150℃以下が好ましく、更に好ましくは110℃以上、130℃以下である。あまり温度を上げると、構造が破壊され、強いては、空隙率をダウンさせる。100℃以上での溶解は、熱源として電気、オイル、加圧蒸気等を用いることができる。生産効率上、連続的に溶解するのが好ましく、例えば、ノリタケ製溶解システムを用いることができる。溶解温度が低いと、ダマが完全に溶解しきれず、ひび割れの原因になる。
【0087】
本発明のインクジェット記録用媒体の支持体としては、従来公知の紙支持体、プラスチック支持体(透明支持体)、複合支持体など適宜使用できるが、より高い濃度で鮮明な画像を得るためには、支持体中にインク液が浸透しない疎水性支持体を用いるのが好ましい。
【0088】
透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料からなるフィルム等が挙げられ、中でもOHPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。このような透明な支持体の厚さとしては、10〜200μmが好ましい。透明支持体のインク受理層側及びバッキング層側には公知の下引き層を設けることが、インク受理層やバック層と支持体の接着性の観点から好ましい。
【0089】
また、透明である必要のない場合に用いる支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ましい。
【0090】
支持体上に塗布する方法は公知の方法から適宜選択して行うことができる。好ましい方法は、塗布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全て層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0091】
本発明の場合、インク受理層と光沢制御層を同時に塗布することが好ましい。インク受理層を塗布・乾燥後、光沢制御層を塗布・乾燥するとひび割れが劣化する。これは、インク受理層は空隙を有するため、光沢制御層を塗布・乾燥した際に、空隙内にある空気が気泡となり、これが原因でひび割れを発生させると推定できる。インク受理層が湿潤状態で光沢制御層を塗布する方法もあるが、装置が大がかりになり、好ましくない。
【0092】
塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布法あるいは米国特許第2,681,294号明細書記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0093】
塗布速度としては、生産効率上150m/min以上が好ましく、更に好ましくは200m/min以上である。
【0094】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾(水分無しの状態)質量%を示す。
【0095】
実施例1
(予備分散液1の調製)
市販湿式法シリカ(トクヤマ(株)製、商品名:X−37、比表面積275m/g、平均凝集粒径2.6μm、沈降法シリカ)を乾式粉砕機で粉砕して、凝集粒径を1.5μmにした(以下、X−37粉砕品と称す)。前記X−37粉砕品を水性媒体と一緒に連続式ピンミキサー(粉研パウテック社製、フロージェットミキサー300型)と高速回転式連続分散機(太平洋機工社製、フローファインミルFM25)を用いて連続的に分散して予備分散液を連続的に得た。上記水性媒体とは、水にホウ酸とP−9を含有させたものをいう。ホウ酸はシリカ質量に対して2.7%、P−9は10%になるようにした。なお、予備分散液中のシリカ濃度は30%にした。このときの平均粒径は800nmであった。
【0096】
(予備分散液2の調製)
市販湿式法シリカを次のシリカ(トクヤマ(株)製、商品名:T−32、比表面積202g/m、平均2次粒径1.5μm、沈降法シリカ)に変え、P−9の含有量をシリカ質量に対して4%にした以外は、予備分散液1と同様にして作製した。この液の平均粒径は300nmであった。
【0097】
(予備分散液3の調製)
市販湿式法シリカを次のシリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:A−300、比表面積300g/m、気相法シリカ)に変えた以外は、予備分散液1と同様にして作製した。この液の平均粒径は300nmであった。
【0098】
(本分散液1−1〜1−7の調製)
前記予備分散液1をサンドミル分散機(アシザワ(株)製、RL−125、以下、SMと称す)で分散し、その後フィルター処理を行った。SMのビーズ径、周速、滞留時間、pass回数及びフィルターの処理回数、口径を変化させ、本分散液1−1〜1−7を調製した。
【0099】
(本分散液2−1〜2−5の調製)
前記予備分散液2をサンドミル分散機SMで分散し、その後フィルター処理を行った。SMのビーズ径、周速、滞留時間、pass回数及びフィルターの処理回数、口径を変化させ、本分散液2−1〜2−5を調製した。
【0100】
(本分散液3−1の調製)
前記予備分散液3を用いて、サンドミル分散機SMで分散し、その後フィルター処理を行った。
【0101】
本分散液1−1〜1−7、2−1〜2−5、3−1の関係式(1)の値(z)を表1に示す。
【0102】
(塗布液1−1〜1−7、2−1〜2−5、3−1の調製)
各本分散液にポリビニールアルコール溶液(10%、クラレ社製:PVA235)を混合し、塗布液1−1〜1−7、2−1〜2−5、3−1を調製した。シリカとポリビニールアルコールの質量比は6.5:1で行った。なお、塗布液中のシリカ濃度は16質量%にした。
【0103】
(各塗布液単層での光沢度確認)
前記塗布液を両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚みが220μmで、インク受理層面のポリエチレン中にはポリエチレンに対して13質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有)に、シリカ付量が5g/mになるように塗布・乾燥し、その後、光沢度を測定した。測定は日本電色工業株式会社製変角光度計(VGS−1001DP)を用いて、75°光沢度を測定した。結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
Figure 2004223834
【0105】
(記録用媒体1〜23の作製)
前記各塗布液を表2に示すような組み合わせで、塗布・乾燥し、記録用媒体1〜23を作製した。
【0106】
記録用媒体作製は、両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚みが220μmでインク受理層面のポリエチレン中にはポリエチレンに対して13質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有)にシリカ付量が20g/mになるように塗布した。なお、インク受理層のシリカ付量は15g/m、光沢制御層は5g/mにし、前記2層を同時にカーテンコーターを用いて重層塗布した。塗布直後に0℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、25℃の風(相対湿度が15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が25%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で60秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜60%の雰囲気下で、2分間調湿した。塗布速度は300m/minで行った。
【0107】
(記録用媒体24〜25の作製)
インク受理層と光沢制御層のシリカ付量比を表2のように変えた以外は、記録用媒体10と同様に作製した。
【0108】
(記録用媒体26の作製)
インク受理層を塗布・乾燥後に光沢制御層を前記インク受理層の上に塗布した以外は、記録用媒体10と同様に作製した。
【0109】
得られた記録用媒体1〜26について、以下の項目を評価した。
(ひび割れ)
塗布面の0.3m当たりのひび割れ点数を目視でカウントした。ひび割れ点数は、通常10点以下であれば実用上問題ないと考えられる。
【0110】
(インク溢れ)
セイコーエプソン社製のインクジェットプリンター、PM750Cを使用して、マゼンタのベタ印字を行い、目視にてインク溢れの状態を観察し、以下のように評価した。この評価はインク吸収量(空隙量)の評価となる。
【0111】
○:溢れ無し
△:若干溢れはあるが実用上問題なし
×:実用上問題有り
(光沢度)
日本電色工業株式会社製変角光度計(VGS−1001DP)を用いて、75°光沢度を測定した。
【0112】
【表2】
Figure 2004223834
【0113】
表2から、本発明の試料は様々な光沢で、ひび割れが少なく、且つインク吸収容量が充分に得られるインクジェット記録用媒体であることが分かる。
【0114】
【発明の効果】
本発明によって、様々な光沢度で、ひび割れが少なく、且つインク吸収容量が充分に得られるインクジェット記録用媒体と、優れた生産性で製造できるインクジェット記録用媒体の製造方法を提供することができた。

Claims (5)

  1. 支持体上に少なくとも1層以上の無機顔料微粒子を含有するインク受理層と光沢制御層を順次積層してなるインクジェット記録用媒体において、表面光沢が75°で40%以上、70%以下のインク受理層の上に光沢制御層が積層され、光沢制御層の表面光沢が75°で15〜80%であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
  2. 前記表面光沢がインク受理層及び光沢制御層中の無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子数で制御されており、前記インク受理層中の無機顔料微粒子が少なくともシリカを含み、且つシリカ微粒子の平均粒径(y(nm))とシリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数(x)の関係式(1)の値(z)が100より大きく500より小さいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
    関係式(1) z=y+17・ln(x)
  3. 前記表面光沢がインク受理層及び光沢制御層中の無機顔料微粒子の平均粒径と粗大粒子数で制御されており、前記光沢制御層中の無機顔料微粒子は少なくともシリカを含み、且つシリカ微粒子の平均粒径(y(nm))とシリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数(x)の関係式(1)の値(z)が80より大きく1000より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用媒体。
    関係式(1) z=y+17・ln(x)
  4. 前記インク受理層中に含有するシリカ微粒子が湿式法で作られたシリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
  5. 支持体上に少なくとも1層以上の無機顔料微粒子を含有するインク受理層と光沢制御層を順次積層してなるインクジェット記録用媒体の製造方法において、表面光沢が75°で40%以上、70%以下のインク受理層とその上に表面光沢が75°で15〜80%の光沢制御層を同時重層塗布することを特徴とするインクジェット記録用媒体の製造方法。
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