JP2004223333A - 磁性不純物濾過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性不純物を効率よく除去する。
【解決手段】流入口8と流出口10とが設けられて供給された被濾過物が内部空間5を流れる筐体2と、筐体2に組み込まれて流入口8と流出口10とに連通する複数個の嵌合孔20が形成されセパレータ15と、各嵌合孔20に嵌合される複数本の棒状マグネット体12とを備える。嵌合孔20の内周部とマグネット体12の外周部との間に被濾過物が流れる流路21を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】流入口8と流出口10とが設けられて供給された被濾過物が内部空間5を流れる筐体2と、筐体2に組み込まれて流入口8と流出口10とに連通する複数個の嵌合孔20が形成されセパレータ15と、各嵌合孔20に嵌合される複数本の棒状マグネット体12とを備える。嵌合孔20の内周部とマグネット体12の外周部との間に被濾過物が流れる流路21を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状或いは微粉状の被濾過物から混入した磁性不純物を吸着除去する磁性不純物濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、磁気テープの製造工程においては、ポリエステルフィルム等のプラスチックベースの一方主面に強磁性を有する微粒子粉を有機ポリマーのバインダに分散した磁性材塗料を塗布して磁性層が形成される。なお、磁気テープの製造工程においては、磁性材塗料の塗布工程の前工程として、接着強度の向上を図る下塗り層を形成することがある。また、磁気テープの製造工程においては、プラスチックベースの他方主面に摩擦抵抗を大きくして高速巻取時に巻取姿勢を整えたり帯電防止を図るためにカーボン粉を混入したバックコート塗料を塗布してバックコート層が形成される。
【0003】
携帯型電子機器には、利便性や経済性或いは省資源化から、電源として繰り返し充電が可能な二次電池が用いられている。二次電池には、鉛電池、ニッケルカドミウム電池或いはニッケル水素電池等も提供されているが、携帯型電子機器の小型軽量化、高機能化或いは長時間使用化に対しての適応が困難なことから高エネルギー密度特性を有するリチウムイオン二次電池が汎用されるようになっている。
【0004】
リチウムイオン二次電池は、例えばシート状の負極材と正極材とをそれぞれセパレータを介して重ね合わせるとともに渦巻き状に巻回したり折り畳んだりして電池素子を構成し、この電池素子が非水電解液とともに電池缶内に収納される。リチウムイオン二次電池は、電池缶の開口部に電池蓋を封口ガスケッを介してかしめ付けして電池素子と非水電解液とを電池缶内に密封する。リチウムイオン二次電池は、電池缶が負極リードを介して負極材と接続されて負極を構成するとともに、電池蓋が正極リードを介して正極材と接続されて正極を構成する。リチウムイオン二次電池は、負極材がフィルム状の銅箔等からなる負極集電体の両面或いは片面に負極活物質が塗布されて形成され、正極材がフィルム状のアルミニウム箔等からなる正極集電体の両面或いは片面に正極活物質が塗布されて形成されてなる。
【0005】
負極活物質としては、例えばリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料やポリアセチレン、ポリピロール等の高分子材料或いはSnO2等の酸化物が用いられ、これにポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした負極塗料が用いられる。負極材は、負極塗料を例えばドクターブレード法等によって負極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して分散媒の残留有機溶媒を蒸発させるとともにロールプレスによる加圧処理を施して負極活物質を負極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。負極材は、スリッターにより所定幅に裁断されて負極材供給リールに巻き取られる。
【0006】
正極活物質としては、例えばLixMO2(M:一種類以上の遷移金属、x:電池の放電状態により異にし、通常0.05以上1.10以下)で表される高電圧の発生或いはエネルギー密度に優れた特性を有するリチウム複合酸化物やその他の金属酸化物、金属硫化物が用いられる。正極活物質は、この素材にポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした正極塗料が用いられる。正極材は、正極塗料を例えばドクターブレード法等によって正極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して有機溶媒を飛ばし、さらにロールプレスによる加圧処理を施して正極活物質を正極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。正極材は、スリッターにより所定幅に裁断されて正極材供給リールに巻き取られる。
【0007】
上述した磁気テープの製造工程やリチウムイオン二次電池の製造工程においては、磁性材塗料或いは負極塗料や正極塗料等の塗料50が、図7に示した塗布工程によりプラスチックベースや集電体等の基材51に塗布される。塗料50は、ギャポンプ52によって加圧された状態でコーティング装置53に供給され、繰出しロール54から繰り出されて走行する基材51に塗布される。製造工程においては、塗料50に、ギャポンプ52で加圧される際にギャの摩耗等によって発生した金属粉が混入することがあり、また素材をミキサーによって粉体化する際や搬送工程中で金属粉が混入することがある。このような金属粉は、磁気テープやリチウムイオン二次電池の特性を劣化させることから、濾過装置55によって塗料50から除去される。
【0008】
濾過装置55は、図7に示すようにギャポンプ52とコーティング装置53との間に配置され、塗料50に混入した金属不純物を除去する。濾過装置55は、図8及び図9に示すように、軸方向の一端側に流入口57が設けられるとともに他端側に流出口58が設けられた筒状筐体56の内部空間59に、複数本の棒状マグネット体60A〜60F(以下、代表符号60として説明する。)が軸方向に併設されて組み込まれている。濾過装置55は、ギャポンプ52によって加圧されて流入口57から供給された塗料50を流出口58からコーティング装置53へと供給する。濾過装置55は、塗料50が内部空間58を流れる間に、各マグネット体60によって混入した金属不純物を吸着除去する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、濾過装置55は、図9に矢印で示すように塗料50が各マグネット体60の外周部に対してより広範囲に接触しながら流れることによって、金属不純物を効率良く除去することを可能とする。しかしながら、従来の濾過装置55においては、各マグネット体60が筐体56の内部空間59に互いに同一円周上に位置するようにして配列されることから、例えば内部空間59の中心領域にマグネット体60が存在しない大きな空間部が構成される。濾過装置55においては、このために塗料50が内部空間59の中心領域を各マグネット体60に触れない状態で流れることにより、金属不純物を効率よく除去することができないといった問題があった。
【0010】
濾過装置55は、例えばより多数本のマグネット体60を筐体56の内部空間59に配置することによって、マグネット体60と塗料50の接触機会を増加する対応を図ることも考慮される。しかしながら、かかる濾過装置55は、部品数が増加するとともにマグネット体60の支持構造が複雑となり、またマグネット体60から付着した金属不純物を除去するクリーニングも面倒であるといった問題が生じる。
【0011】
一方、濾過装置55においては、工程中での塗料50のオーバフロー或いは塗布ムラ等の発生を防止するために、塗料50の粘度等の特性やコーティング装置53の塗布能力或いはギャポンプ52による加圧力等に合わせて必要流量を調整自在することが望ましいが従来ではかかる対応を図ることが困難であった。従来の濾過装置55においては、塗料50の特性或いはギャポンプ52やコーティング装置53の処理能力に適合したものが用いられ、互換性が小さいといった問題があった。
【0012】
したがって、本発明は、各マグネット体に対して供給された被濾過物が良好に接触しながら通過することによって磁性不純物を効率よく除去する磁性不純物濾過装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる磁性不純物濾過装置は、筐体と、複数本の棒状マグネット体と、セパレータとを備える。筐体には、軸方向の一端側に流入口が設けられるとともに他端側に流出口が設けられて、流入口から供給された被濾過物が内部の濾過空間部内を流れて流出口から流出する。各マグネット体は、筐体の濾過空間部内に軸方向に併設されて組み込まれて、濾過空間部内を流れる被濾過物から混入した磁性不純物を吸着除去する。セパレータは、筐体の濾過空間部内に組み込まれて筐体の流入口と流出口とに連通するとともに各マグネット体がそれぞれ嵌合される複数個の軸方向の嵌合孔が形成され、これら嵌合孔の内周部と棒状マグネット体の外周部との間に被濾過物の流路を構成する。
【0014】
以上のように構成された本発明にかかる磁性不純物濾過装置によれば、流入口から供給された被濾過物が、筐体の濾過空間部内を通過する間に混入した磁性不純物を各マグネット体によって吸着除去されて流出口から流出される。磁性不純物濾過装置によれば、濾過空間部に組み込んだセパレータに設けた各嵌合孔に各マグネット体をそれぞれ嵌合してこれら各嵌合孔と各マグネット体との間に流路を構成して被濾過物を通過させる。したがって、磁性不純物濾過装置によれば、被濾過物が流路内において各マグネット体に充分な範囲で接触した状態で流れることで、磁性不純物を高精度に除去する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示した磁性不純物濾過装置(以下、濾過装置と略称する。)1は、例えばリチウムイオン二次電池の製造工程に設置されて、調製された負極塗料や正極塗料等の被濾過物に混入した金属不純物を除去してコーティング装置に供給する。濾過装置1は、図1に示すように、所定の軸長と内径を有する円筒形の筐体2を有し、この筐体2の両端部にそれぞれ一体に設けられたフランジ部3,4に蓋体6,7が取り付けられて内部空間5を閉塞してなる。濾過装置1は、詳細を後述するように筐体2の内部空間5が濾過空間部を構成し、筐体2に対して蓋体6,7が着脱されることによって内部空間5のクリーニング等が行われる。
【0016】
濾過装置1には、筐体2の長さ方向の両端近傍に位置して、内部空間5と連通する流入口8を構成する円筒形状の流入口部材9と、流出口10を構成する円筒形状の流出口部材11とが設けられている。濾過装置1は、筐体2が、流入口部材9を下方に位置させるとともに流出口部材11を上方に位置させて工程内に設置される。濾過装置1は、図示しないが流入口部材9がギャポンプと接続されて所定圧力に加圧された電極塗料が供給され、流出口部材11がコーティング装置と接続されて電極塗料を供給する。流入口部材9と流出口部材11には、それぞれ先端部に電極塗料を流す図示しないパイプを接続するフランジ部が一体に形成されている。なお、濾過装置1は、必要に応じて筐体2を、流入口部材9を上方に位置させるとともに流出口部材11を下方に位置させて工程内に設置するようにしてもよい。
【0017】
濾過装置1には、筐体2の内部空間5に6本の棒状マグネット体12A〜12F(以下、代表符号12として説明する。)が組み込まれている。各マグネット体12は、それぞれ同一に形成されており、外径が25mm、軸長が300mmに形成されている。各マグネット体12は、詳細を省略するが複数個の円柱状小マグネット体と、これら小マグネット体と同径の複数個の円柱状鉄ロッドとからなる。各マグネット体12は、従来磁性不純物を吸着除去する装置に一般的に用いられているマグネット材、例えばNe−Fe−B系磁石、Sm−Co系磁石、ネオジウム磁石、Fe−Al−Ni−Co系磁石或いは酸化物磁石等によって成形された小マグネット体が用いられる。
【0018】
各マグネット体12は、各小マグネット体を対向側面が互いに異極となるように同軸上に並べ、これら小マグネット体の間にそれぞれ鉄ロッドを挟んで全体棒状に形成してなる。各マグネット体12は、このように構成することによって、全長に亘って小マグネット体を介して隣り合う鉄ロッド間で大きな磁力が生じるように構成されている。なお、各マグネット体12は、円柱形状の小マグネット体や鉄ロッドをばかりでなく、例えばリング状の小マグネット体や鉄ロッドを用いるようにしてもよい。
【0019】
以上のように構成された各マグネット体12は、図1及び図2に示すように、それぞれの一端部を流入口8側の第1の蓋体6の内側面に取付ボルト13によって固定することにより、片持ち状態で取り付けられる。各マグネット体12は、蓋体6に対して同一円周上に位置しかつ互いに等間隔で取り付けられている。したがって、各マグネット体12は、第1の蓋体6を筐体2に取り付けた状態において、内部空間5内で互いに軸方向に併設された状態で配列される。
【0020】
なお、第1の蓋体6には、筐体2に対して容易に挿脱操作されるように、外側面に取っ手14が設けられている。また、第1の蓋体6には、図2に示すように外周部に複数個の切欠き部6aが形成されており、これら切欠き部6aを筐体2側のフランジ部3に形成した複数個の凸部3bにそれぞれ相対嵌合することによって位置決めされて筐体2に取り付けられる。各マグネット体12は、流出口10側の第2の蓋体7に取り付けるようにしてもよいことは勿論である。
【0021】
濾過装置1には、筐体2の内部空間5に、各マグネット体12と共同して電極塗料を各マグネット体12の外周部に沿って流すことにより混入した金属不純物を効率的に除去ようにするセパレータ15が組み付けられている。セパレータ15は、これ自体から金属不純物を発生させずまた加工性が良好な合成樹脂材、例えばナイロン系樹脂やデルリン樹脂等によって、全体略円柱状を呈して成形されている。セパレータ15は、その外径が、筐体2の内部空間5に嵌合状態で組み付け得るようにやや小径に形成されている。セパレータ15は、詳細を後述するように筐体2に組み付けられた状態においてその両端部と各蓋体6,7との間にそれぞれ所定の容量を有する第1の空間部16と第2の空間部17とを構成するように軸長が小さく形成されている。各空間部16,17は、筐体2の内部空間5においてそれぞれ塗料溜りを構成する。
【0022】
セパレータ15には、図3に示すように、一端側に流入口凹部18が形成されるとともに他端側に流出口凹部19が形成されている。流入口凹部18は、セパレータ15の外周部と端部とに跨る凹部からなり、図1に示すようにセパレータ15が筐体2に組み付けられた状態において、流入口8と対向するとともに上述した第1の塗料溜り16と連通する。流出口凹部19も、セパレータ15の外周部と端部とに跨る凹部からなり、セパレータ15が筐体2に組み付けられた状態において、流出口10と対向するとともに第2の塗料溜り17と連通する。
【0023】
セパレータ15には、軸方向に貫通して6個の嵌合孔20A〜20F(以下、代表符号20として説明する。)が形成されている。各嵌合孔20は、互いに同一円周上に位置するとともに互いに等間隔でセパレータ15に形成されている。各嵌合孔20は、それぞれの内径がマグネット体12の外径よりもやや大径に形成され、後述するようにマグネット体12がそれぞれ嵌合される。各嵌合孔20は、具体的にはその内周部とマグネット体12の外周部との間に、全長に亘って3mm〜5mmの間隔を保持する内径を以って形成されている。したがって、セパレータ15は、流入口凹部18と流出口凹部19との間に、嵌合孔20とマグネット体12とが共同してそれぞれ3mm〜5mmの開口径を有する電極塗料を流す6個の塗料流路21を構成する。
【0024】
セパレータ15には、外周部に環状の嵌合凹溝22が形成されている。嵌合凹溝22には、セパレータ15を内部空間5に組み込んだ状態において、筐体2の内周部に設けたシーリングロッド23が相対係合する。セパレータ15は、かかる構成によって電極塗料が横漏れを生じること無く全て塗料流路21内を流れて後述する金属不純物の除去が行われるようにする。
【0025】
セパレータ15には、両端部の中央部に開口して互いに向き合う軸方向の底付きの第1の位置決め孔24と第2の位置決め孔25とが形成されている。また、第1の蓋体6には、内面の中央部に位置して、第1の位置決め孔24の内径とほぼ等しい外径を有する軸方向の第1の位置決めロッド26が形成されている。さらに、第2の蓋体7には、内面の中央部に位置して、第2の位置決め孔25の内径とほぼ等しい外径を有する軸方向の第2の位置決めロッド27が形成されている。
【0026】
セパレータ15は、図1に示すように筐体2に対してその内部空間5に組み込まれるとともに第1の蓋体6と第2の蓋体7とが筐体2に取り付けられた状態において、第1の位置決め孔24と第2の位置決め孔25とが第1の位置決めロッド26と第2の位置決めロッド27と互いに同軸上に位置される。セパレータ15は、第1の位置決め孔24に嵌合された第1の位置決めロッド26の先端部が底部に突き当たるとともに第2の位置決め孔25に嵌合された第2の位置決めロッド27の先端部が底部に突き当たることによって、筐体2の内部空間5に位置決めされて組み込まれる。
【0027】
濾過装置1は、筐体2の内部空間5に位置決めされたセパレータ15の各嵌合孔20に対して第1の蓋体6に片持ち支持された相対するマグネット体12が嵌合されて、上述したように複数の塗料流路21が内部空間5に構成される。濾過装置1には、電極塗料がマグネット体12に対してより接触する機会を多くして金属不純物の除去が効率的に行われるようにするために、各塗料流路21に乱流構造が設けられている。
【0028】
すなわち、セパレータ15には、図3に示すように、各嵌合孔20の内周部にそれぞれ複数の環状凹部28が形成されている。環状凹部28は、嵌合孔20にマグネット体12が嵌合されることによって構成される塗料流路21の間隙量を変化させる。したがって、塗料流路21内を流れる電極塗料は、図4に示すように、環状凹部28の対応部位において流速が変化することによって乱流が生じることでマグネット体12の外周部により多く接触するようになる。
【0029】
次に、上述した濾過装置1の設置手順について説明する。濾過装置1は、筐体2に対して第2の蓋体7が取り付けられることによって内部空間5の一方開口部が閉塞される。濾過装置1は、他方の開口部側から内部空間5にセパレータ15を押し込むようにして組み合わすことによって、このセパレータ15の第2の位置決め孔25に第2の蓋体7に設けた第2の位置決めロッド27を嵌合させる。濾過装置1は、この状態において筐体2の内周に設けたシーリングロッド23がセパレータ15の外周部に設けた嵌合凹部22に相対係合することによって、筐体2の内部空間5とセパレータ15の外周部との間をシーリングする。
【0030】
濾過装置1は、各マグネット体12を取り付けた第1の蓋体6を筐体2に対して取り付けて内部空間5の他方の開口部を閉塞する。濾過装置1は、この際に各マグネット体12が相対するセパレータ15の各嵌合孔20にそれぞれ嵌合するようにして第1の蓋体6を筐体2に取り付ける。濾過装置1は、第1の蓋体6に設けた第1の位置決めロッド26がセパレータ15の第1の位置決め孔24に嵌合することによって、上述した第2の蓋体7側の構成とによりセパレータ15を筐体2の内部空間5に位置決め保持する。濾過装置1は、筐体2の内部空間5において、各マグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間にそれぞれ塗料流路21を構成する。
【0031】
濾過装置1は、筐体2の内部空間5において、第1の蓋体6とセパレータ15の流入口凹部18との間に流入口8と連通する第1の塗料溜り16を構成するとともに、第2の蓋体7とセパレータ15の流出口凹部19との間に流出口10と連通する第2の塗料溜り17を構成する。濾過装置1は、第1の塗料溜り16と第2の塗料溜り17とに対して、換言すれば流入口8と流出口10との間を各塗料流路21が連通する。
【0032】
以上のように構成された濾過装置1は、上述したように流入口部材9を下側とするとともに流出口部材11を上側にして工程内に設置される。濾過装置1は、流入口部材9に対してギャポンプからのパイプが接続されるとともに、流出口部材11に対してコーティング装置へのパイプが接続される。濾過装置1には、図5及び図6に矢印で示すように、ギャポンプによって加圧された電極塗料が流入口部材9の流入口10から筐体2の内部空間5へと供給される。濾過装置1においては、電極塗料が第1の塗料溜り16から各塗料流路21内へと流れ込み、これら各塗料流路21を通過して第2の塗料溜り17に流れ込む。濾過装置1においては、電極塗料を第2の塗料溜り17から流出口部材11の流出口10を介してコーティング装置へ供給する。
【0033】
濾過装置1においては、電極塗料が各塗料流路21内を流れる間に、この電極塗料に混入した金属不純物を各マグネット体12によって吸着除去する。濾過装置1においては、各マグネット体12の外周部とセパレータ15の各嵌合孔20との間に構成された狭い各塗料流路21内に電極塗料を通過させることで、金属不純物を効率よくかつ高精度に吸着除去する。また、濾過装置1においては、各塗料流路21内において環状凹部28によって電極塗料に乱流が生じることで、さらに効率よく金属不純物を吸着除去する。
【0034】
なお、上述した濾過装置1においては、リチウムイオン二次電池の製造工程に設置されて、調製された負極塗料や正極塗料等の電極塗料から混入した金属不純物を除去する適用例を示したが、かかる適用例に限定されるものでは無いことは勿論である。濾過装置1は、例えば電極素材のミキシング工程に設置され、粉砕された微細粉から混入した金属不純物を除去する場合にも用いられる。また、濾過装置1は、例えば磁気テープ等の製造工程に設置されて、プラスチックベースに塗布されるバックコート塗料から混入した金属不純物を除去する装置としても好適に用いられる。
【0035】
上述した濾過装置1は、リチウムイオン二次電池の製造工程に設置してコーティング装置によって集電体に最適量の電極塗料を塗布するために、ギャポンプによる加圧力と必要な流量とに基づいてマグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間に全長に亘って3mm乃至5mmの間隙を保持して各塗料流路21を構成した。濾過装置1においては、比較的加工性が良好であるとともに廉価なセパレータ15を筐体2の内部空間5に組み込んで各塗料流路21が構成される。濾過装置1においては、セパレータ15が、簡易な構造によって筐体2の内部空間5に位置決めして組み込むように構成されている。したがって、濾過装置1は、各嵌合孔20を所定の内径に形成したセパレータ15を筐体2の内部空間5に組み込むことにより、被濾過物の粘度や粒径等の物理特性、必要な流量或いは加圧力等の条件に対して互換性が図られるようになる。
【0036】
【実施例1】
上述した濾過装置1と従来の濾過装置とを用いて、以下の条件によってリチウムイオン二次電池の電極塗料に混入した金属不純物の除去特性の評価を行った。評価は、同量の電極塗料を濾過装置を通過させ、通過後に回収した電極塗料の全体量における金属不純物の残量割合を求めた。
【0037】
コーティング装置の塗布性能:20m/min
電極塗料の供給量 :60リットル/min
電極塗料の供給圧力 :2Kg/cm2
マグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間隙量
(塗料流路21の径) :5mm
セパレータ15の材質 :MCナイロン
濾過後の金属不純物の割合
濾過装置1 :0.4%
従来の濾過装置 :1.0%
以上の評価より明らかなように、濾過装置1によれば、従来の濾過装置と比較して電極塗料から金属不純物を高精度に除去することが可能となり、高品質のリチウムイオン二次電池の製造を可能とする。
【0038】
【実施例2】
上述した濾過装置1と従来の濾過装置とを用いて、以下の条件によって磁気テープのバックコート塗料に混入した金属不純物の除去特性の評価を行った。評価は、同量の電極塗料を濾過装置を通過させ、通過後に回収した電極塗料の全体量における金属不純物の残量割合を求めた。
【0039】
コーティング装置は、上述した実施例1と同等の特性とし、
コーティング装置の塗布性能:20m/min
電極塗料の供給量 :60リットル/min
電極塗料の供給圧力 :2Kg/cm2
マグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間隙量
(塗料流路21の径) :5mm
セパレータ15の材質 :MCナイロン
のように設定した。
【0040】
被濾過物であるバックコート塗料は、
カーボン:旭カーボン社製旭カーボン#80
カーボンブラック98%以上。炭素乱層黒鉛構造
コロネートL:硬化剤
日本ポリウレタン社製変性ポリイソシアネート溶液
組成;酢酸部チル20%、酢酸エチル15%、トルエン15%、変性ポリイソシアネート50%
MEK:メチルエチレンケトン
TOL:トルエン
ANON:シクロヘキサノン
を組成とし、ボールミルにて24時間混合して調製した。
【0041】
濾過後の金属不純物の割合
濾過装置1 :0.6%
従来の濾過装置 :1.3%
以上の評価より明らかなように、濾過装置1によれば、従来の濾過装置と比較して磁気テープのバックコート塗料に混入した金属不純物を高精度に除去することが可能となり、高品質の磁気テープの製造を可能とする。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる磁性不純物濾過装置よれば、流入口と流出口とが設けられた筐体の内部空間に複数個の嵌合孔を形成したセパレータを組み込むとともに各嵌合孔内にそれぞれ棒状のマグネット体を嵌合し、これら嵌合孔とマグネット体との間にそれぞれ流路を構成して被濾過物を通過させるように構成したことから、被濾過物が流路内において各マグネット体に充分な範囲で接触した状態で流れることで混入した磁性不純物を高精度に除去する。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性不純物濾過装置の縦断面図である。
【図2】磁性不純物濾過装置の側面図である。
【図3】磁性不純物濾過装置に備えられるセパレータの要部縦断面図である。
【図4】塗料流路の構成を説明する要部縦断面図である。
【図5】電極塗料の流れ状態の説明図である。
【図6】電極塗料の流れ状態の説明図である。
【図7】リチウムイオン二次電池の製造工程における電極塗料の塗布工程の説明図である。
【図8】従来の磁性不純物濾過装置における電極塗料の流れ状態の説明図である。
【図9】電極塗料の流れ状態の説明図である。
【符号の説明】
1 濾過装置、2 筐体、5 内部空間、6 第1の蓋体、7 第2の蓋体、8 流入口、10 流出口、12 マグネット体、15 セパレータ、16 第1の塗料溜り、17 第2の塗料溜り、18 流入口凹部、19 流出口凹部、20 嵌合孔、21 塗料流路、24 第1の位置決め孔、25 第2の位置決め孔、26 第1の位置決めロッド、27 第2の位置決めロッド、28 環状凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状或いは微粉状の被濾過物から混入した磁性不純物を吸着除去する磁性不純物濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、磁気テープの製造工程においては、ポリエステルフィルム等のプラスチックベースの一方主面に強磁性を有する微粒子粉を有機ポリマーのバインダに分散した磁性材塗料を塗布して磁性層が形成される。なお、磁気テープの製造工程においては、磁性材塗料の塗布工程の前工程として、接着強度の向上を図る下塗り層を形成することがある。また、磁気テープの製造工程においては、プラスチックベースの他方主面に摩擦抵抗を大きくして高速巻取時に巻取姿勢を整えたり帯電防止を図るためにカーボン粉を混入したバックコート塗料を塗布してバックコート層が形成される。
【0003】
携帯型電子機器には、利便性や経済性或いは省資源化から、電源として繰り返し充電が可能な二次電池が用いられている。二次電池には、鉛電池、ニッケルカドミウム電池或いはニッケル水素電池等も提供されているが、携帯型電子機器の小型軽量化、高機能化或いは長時間使用化に対しての適応が困難なことから高エネルギー密度特性を有するリチウムイオン二次電池が汎用されるようになっている。
【0004】
リチウムイオン二次電池は、例えばシート状の負極材と正極材とをそれぞれセパレータを介して重ね合わせるとともに渦巻き状に巻回したり折り畳んだりして電池素子を構成し、この電池素子が非水電解液とともに電池缶内に収納される。リチウムイオン二次電池は、電池缶の開口部に電池蓋を封口ガスケッを介してかしめ付けして電池素子と非水電解液とを電池缶内に密封する。リチウムイオン二次電池は、電池缶が負極リードを介して負極材と接続されて負極を構成するとともに、電池蓋が正極リードを介して正極材と接続されて正極を構成する。リチウムイオン二次電池は、負極材がフィルム状の銅箔等からなる負極集電体の両面或いは片面に負極活物質が塗布されて形成され、正極材がフィルム状のアルミニウム箔等からなる正極集電体の両面或いは片面に正極活物質が塗布されて形成されてなる。
【0005】
負極活物質としては、例えばリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料やポリアセチレン、ポリピロール等の高分子材料或いはSnO2等の酸化物が用いられ、これにポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした負極塗料が用いられる。負極材は、負極塗料を例えばドクターブレード法等によって負極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して分散媒の残留有機溶媒を蒸発させるとともにロールプレスによる加圧処理を施して負極活物質を負極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。負極材は、スリッターにより所定幅に裁断されて負極材供給リールに巻き取られる。
【0006】
正極活物質としては、例えばLixMO2(M:一種類以上の遷移金属、x:電池の放電状態により異にし、通常0.05以上1.10以下)で表される高電圧の発生或いはエネルギー密度に優れた特性を有するリチウム複合酸化物やその他の金属酸化物、金属硫化物が用いられる。正極活物質は、この素材にポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした正極塗料が用いられる。正極材は、正極塗料を例えばドクターブレード法等によって正極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して有機溶媒を飛ばし、さらにロールプレスによる加圧処理を施して正極活物質を正極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。正極材は、スリッターにより所定幅に裁断されて正極材供給リールに巻き取られる。
【0007】
上述した磁気テープの製造工程やリチウムイオン二次電池の製造工程においては、磁性材塗料或いは負極塗料や正極塗料等の塗料50が、図7に示した塗布工程によりプラスチックベースや集電体等の基材51に塗布される。塗料50は、ギャポンプ52によって加圧された状態でコーティング装置53に供給され、繰出しロール54から繰り出されて走行する基材51に塗布される。製造工程においては、塗料50に、ギャポンプ52で加圧される際にギャの摩耗等によって発生した金属粉が混入することがあり、また素材をミキサーによって粉体化する際や搬送工程中で金属粉が混入することがある。このような金属粉は、磁気テープやリチウムイオン二次電池の特性を劣化させることから、濾過装置55によって塗料50から除去される。
【0008】
濾過装置55は、図7に示すようにギャポンプ52とコーティング装置53との間に配置され、塗料50に混入した金属不純物を除去する。濾過装置55は、図8及び図9に示すように、軸方向の一端側に流入口57が設けられるとともに他端側に流出口58が設けられた筒状筐体56の内部空間59に、複数本の棒状マグネット体60A〜60F(以下、代表符号60として説明する。)が軸方向に併設されて組み込まれている。濾過装置55は、ギャポンプ52によって加圧されて流入口57から供給された塗料50を流出口58からコーティング装置53へと供給する。濾過装置55は、塗料50が内部空間58を流れる間に、各マグネット体60によって混入した金属不純物を吸着除去する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、濾過装置55は、図9に矢印で示すように塗料50が各マグネット体60の外周部に対してより広範囲に接触しながら流れることによって、金属不純物を効率良く除去することを可能とする。しかしながら、従来の濾過装置55においては、各マグネット体60が筐体56の内部空間59に互いに同一円周上に位置するようにして配列されることから、例えば内部空間59の中心領域にマグネット体60が存在しない大きな空間部が構成される。濾過装置55においては、このために塗料50が内部空間59の中心領域を各マグネット体60に触れない状態で流れることにより、金属不純物を効率よく除去することができないといった問題があった。
【0010】
濾過装置55は、例えばより多数本のマグネット体60を筐体56の内部空間59に配置することによって、マグネット体60と塗料50の接触機会を増加する対応を図ることも考慮される。しかしながら、かかる濾過装置55は、部品数が増加するとともにマグネット体60の支持構造が複雑となり、またマグネット体60から付着した金属不純物を除去するクリーニングも面倒であるといった問題が生じる。
【0011】
一方、濾過装置55においては、工程中での塗料50のオーバフロー或いは塗布ムラ等の発生を防止するために、塗料50の粘度等の特性やコーティング装置53の塗布能力或いはギャポンプ52による加圧力等に合わせて必要流量を調整自在することが望ましいが従来ではかかる対応を図ることが困難であった。従来の濾過装置55においては、塗料50の特性或いはギャポンプ52やコーティング装置53の処理能力に適合したものが用いられ、互換性が小さいといった問題があった。
【0012】
したがって、本発明は、各マグネット体に対して供給された被濾過物が良好に接触しながら通過することによって磁性不純物を効率よく除去する磁性不純物濾過装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる磁性不純物濾過装置は、筐体と、複数本の棒状マグネット体と、セパレータとを備える。筐体には、軸方向の一端側に流入口が設けられるとともに他端側に流出口が設けられて、流入口から供給された被濾過物が内部の濾過空間部内を流れて流出口から流出する。各マグネット体は、筐体の濾過空間部内に軸方向に併設されて組み込まれて、濾過空間部内を流れる被濾過物から混入した磁性不純物を吸着除去する。セパレータは、筐体の濾過空間部内に組み込まれて筐体の流入口と流出口とに連通するとともに各マグネット体がそれぞれ嵌合される複数個の軸方向の嵌合孔が形成され、これら嵌合孔の内周部と棒状マグネット体の外周部との間に被濾過物の流路を構成する。
【0014】
以上のように構成された本発明にかかる磁性不純物濾過装置によれば、流入口から供給された被濾過物が、筐体の濾過空間部内を通過する間に混入した磁性不純物を各マグネット体によって吸着除去されて流出口から流出される。磁性不純物濾過装置によれば、濾過空間部に組み込んだセパレータに設けた各嵌合孔に各マグネット体をそれぞれ嵌合してこれら各嵌合孔と各マグネット体との間に流路を構成して被濾過物を通過させる。したがって、磁性不純物濾過装置によれば、被濾過物が流路内において各マグネット体に充分な範囲で接触した状態で流れることで、磁性不純物を高精度に除去する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示した磁性不純物濾過装置(以下、濾過装置と略称する。)1は、例えばリチウムイオン二次電池の製造工程に設置されて、調製された負極塗料や正極塗料等の被濾過物に混入した金属不純物を除去してコーティング装置に供給する。濾過装置1は、図1に示すように、所定の軸長と内径を有する円筒形の筐体2を有し、この筐体2の両端部にそれぞれ一体に設けられたフランジ部3,4に蓋体6,7が取り付けられて内部空間5を閉塞してなる。濾過装置1は、詳細を後述するように筐体2の内部空間5が濾過空間部を構成し、筐体2に対して蓋体6,7が着脱されることによって内部空間5のクリーニング等が行われる。
【0016】
濾過装置1には、筐体2の長さ方向の両端近傍に位置して、内部空間5と連通する流入口8を構成する円筒形状の流入口部材9と、流出口10を構成する円筒形状の流出口部材11とが設けられている。濾過装置1は、筐体2が、流入口部材9を下方に位置させるとともに流出口部材11を上方に位置させて工程内に設置される。濾過装置1は、図示しないが流入口部材9がギャポンプと接続されて所定圧力に加圧された電極塗料が供給され、流出口部材11がコーティング装置と接続されて電極塗料を供給する。流入口部材9と流出口部材11には、それぞれ先端部に電極塗料を流す図示しないパイプを接続するフランジ部が一体に形成されている。なお、濾過装置1は、必要に応じて筐体2を、流入口部材9を上方に位置させるとともに流出口部材11を下方に位置させて工程内に設置するようにしてもよい。
【0017】
濾過装置1には、筐体2の内部空間5に6本の棒状マグネット体12A〜12F(以下、代表符号12として説明する。)が組み込まれている。各マグネット体12は、それぞれ同一に形成されており、外径が25mm、軸長が300mmに形成されている。各マグネット体12は、詳細を省略するが複数個の円柱状小マグネット体と、これら小マグネット体と同径の複数個の円柱状鉄ロッドとからなる。各マグネット体12は、従来磁性不純物を吸着除去する装置に一般的に用いられているマグネット材、例えばNe−Fe−B系磁石、Sm−Co系磁石、ネオジウム磁石、Fe−Al−Ni−Co系磁石或いは酸化物磁石等によって成形された小マグネット体が用いられる。
【0018】
各マグネット体12は、各小マグネット体を対向側面が互いに異極となるように同軸上に並べ、これら小マグネット体の間にそれぞれ鉄ロッドを挟んで全体棒状に形成してなる。各マグネット体12は、このように構成することによって、全長に亘って小マグネット体を介して隣り合う鉄ロッド間で大きな磁力が生じるように構成されている。なお、各マグネット体12は、円柱形状の小マグネット体や鉄ロッドをばかりでなく、例えばリング状の小マグネット体や鉄ロッドを用いるようにしてもよい。
【0019】
以上のように構成された各マグネット体12は、図1及び図2に示すように、それぞれの一端部を流入口8側の第1の蓋体6の内側面に取付ボルト13によって固定することにより、片持ち状態で取り付けられる。各マグネット体12は、蓋体6に対して同一円周上に位置しかつ互いに等間隔で取り付けられている。したがって、各マグネット体12は、第1の蓋体6を筐体2に取り付けた状態において、内部空間5内で互いに軸方向に併設された状態で配列される。
【0020】
なお、第1の蓋体6には、筐体2に対して容易に挿脱操作されるように、外側面に取っ手14が設けられている。また、第1の蓋体6には、図2に示すように外周部に複数個の切欠き部6aが形成されており、これら切欠き部6aを筐体2側のフランジ部3に形成した複数個の凸部3bにそれぞれ相対嵌合することによって位置決めされて筐体2に取り付けられる。各マグネット体12は、流出口10側の第2の蓋体7に取り付けるようにしてもよいことは勿論である。
【0021】
濾過装置1には、筐体2の内部空間5に、各マグネット体12と共同して電極塗料を各マグネット体12の外周部に沿って流すことにより混入した金属不純物を効率的に除去ようにするセパレータ15が組み付けられている。セパレータ15は、これ自体から金属不純物を発生させずまた加工性が良好な合成樹脂材、例えばナイロン系樹脂やデルリン樹脂等によって、全体略円柱状を呈して成形されている。セパレータ15は、その外径が、筐体2の内部空間5に嵌合状態で組み付け得るようにやや小径に形成されている。セパレータ15は、詳細を後述するように筐体2に組み付けられた状態においてその両端部と各蓋体6,7との間にそれぞれ所定の容量を有する第1の空間部16と第2の空間部17とを構成するように軸長が小さく形成されている。各空間部16,17は、筐体2の内部空間5においてそれぞれ塗料溜りを構成する。
【0022】
セパレータ15には、図3に示すように、一端側に流入口凹部18が形成されるとともに他端側に流出口凹部19が形成されている。流入口凹部18は、セパレータ15の外周部と端部とに跨る凹部からなり、図1に示すようにセパレータ15が筐体2に組み付けられた状態において、流入口8と対向するとともに上述した第1の塗料溜り16と連通する。流出口凹部19も、セパレータ15の外周部と端部とに跨る凹部からなり、セパレータ15が筐体2に組み付けられた状態において、流出口10と対向するとともに第2の塗料溜り17と連通する。
【0023】
セパレータ15には、軸方向に貫通して6個の嵌合孔20A〜20F(以下、代表符号20として説明する。)が形成されている。各嵌合孔20は、互いに同一円周上に位置するとともに互いに等間隔でセパレータ15に形成されている。各嵌合孔20は、それぞれの内径がマグネット体12の外径よりもやや大径に形成され、後述するようにマグネット体12がそれぞれ嵌合される。各嵌合孔20は、具体的にはその内周部とマグネット体12の外周部との間に、全長に亘って3mm〜5mmの間隔を保持する内径を以って形成されている。したがって、セパレータ15は、流入口凹部18と流出口凹部19との間に、嵌合孔20とマグネット体12とが共同してそれぞれ3mm〜5mmの開口径を有する電極塗料を流す6個の塗料流路21を構成する。
【0024】
セパレータ15には、外周部に環状の嵌合凹溝22が形成されている。嵌合凹溝22には、セパレータ15を内部空間5に組み込んだ状態において、筐体2の内周部に設けたシーリングロッド23が相対係合する。セパレータ15は、かかる構成によって電極塗料が横漏れを生じること無く全て塗料流路21内を流れて後述する金属不純物の除去が行われるようにする。
【0025】
セパレータ15には、両端部の中央部に開口して互いに向き合う軸方向の底付きの第1の位置決め孔24と第2の位置決め孔25とが形成されている。また、第1の蓋体6には、内面の中央部に位置して、第1の位置決め孔24の内径とほぼ等しい外径を有する軸方向の第1の位置決めロッド26が形成されている。さらに、第2の蓋体7には、内面の中央部に位置して、第2の位置決め孔25の内径とほぼ等しい外径を有する軸方向の第2の位置決めロッド27が形成されている。
【0026】
セパレータ15は、図1に示すように筐体2に対してその内部空間5に組み込まれるとともに第1の蓋体6と第2の蓋体7とが筐体2に取り付けられた状態において、第1の位置決め孔24と第2の位置決め孔25とが第1の位置決めロッド26と第2の位置決めロッド27と互いに同軸上に位置される。セパレータ15は、第1の位置決め孔24に嵌合された第1の位置決めロッド26の先端部が底部に突き当たるとともに第2の位置決め孔25に嵌合された第2の位置決めロッド27の先端部が底部に突き当たることによって、筐体2の内部空間5に位置決めされて組み込まれる。
【0027】
濾過装置1は、筐体2の内部空間5に位置決めされたセパレータ15の各嵌合孔20に対して第1の蓋体6に片持ち支持された相対するマグネット体12が嵌合されて、上述したように複数の塗料流路21が内部空間5に構成される。濾過装置1には、電極塗料がマグネット体12に対してより接触する機会を多くして金属不純物の除去が効率的に行われるようにするために、各塗料流路21に乱流構造が設けられている。
【0028】
すなわち、セパレータ15には、図3に示すように、各嵌合孔20の内周部にそれぞれ複数の環状凹部28が形成されている。環状凹部28は、嵌合孔20にマグネット体12が嵌合されることによって構成される塗料流路21の間隙量を変化させる。したがって、塗料流路21内を流れる電極塗料は、図4に示すように、環状凹部28の対応部位において流速が変化することによって乱流が生じることでマグネット体12の外周部により多く接触するようになる。
【0029】
次に、上述した濾過装置1の設置手順について説明する。濾過装置1は、筐体2に対して第2の蓋体7が取り付けられることによって内部空間5の一方開口部が閉塞される。濾過装置1は、他方の開口部側から内部空間5にセパレータ15を押し込むようにして組み合わすことによって、このセパレータ15の第2の位置決め孔25に第2の蓋体7に設けた第2の位置決めロッド27を嵌合させる。濾過装置1は、この状態において筐体2の内周に設けたシーリングロッド23がセパレータ15の外周部に設けた嵌合凹部22に相対係合することによって、筐体2の内部空間5とセパレータ15の外周部との間をシーリングする。
【0030】
濾過装置1は、各マグネット体12を取り付けた第1の蓋体6を筐体2に対して取り付けて内部空間5の他方の開口部を閉塞する。濾過装置1は、この際に各マグネット体12が相対するセパレータ15の各嵌合孔20にそれぞれ嵌合するようにして第1の蓋体6を筐体2に取り付ける。濾過装置1は、第1の蓋体6に設けた第1の位置決めロッド26がセパレータ15の第1の位置決め孔24に嵌合することによって、上述した第2の蓋体7側の構成とによりセパレータ15を筐体2の内部空間5に位置決め保持する。濾過装置1は、筐体2の内部空間5において、各マグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間にそれぞれ塗料流路21を構成する。
【0031】
濾過装置1は、筐体2の内部空間5において、第1の蓋体6とセパレータ15の流入口凹部18との間に流入口8と連通する第1の塗料溜り16を構成するとともに、第2の蓋体7とセパレータ15の流出口凹部19との間に流出口10と連通する第2の塗料溜り17を構成する。濾過装置1は、第1の塗料溜り16と第2の塗料溜り17とに対して、換言すれば流入口8と流出口10との間を各塗料流路21が連通する。
【0032】
以上のように構成された濾過装置1は、上述したように流入口部材9を下側とするとともに流出口部材11を上側にして工程内に設置される。濾過装置1は、流入口部材9に対してギャポンプからのパイプが接続されるとともに、流出口部材11に対してコーティング装置へのパイプが接続される。濾過装置1には、図5及び図6に矢印で示すように、ギャポンプによって加圧された電極塗料が流入口部材9の流入口10から筐体2の内部空間5へと供給される。濾過装置1においては、電極塗料が第1の塗料溜り16から各塗料流路21内へと流れ込み、これら各塗料流路21を通過して第2の塗料溜り17に流れ込む。濾過装置1においては、電極塗料を第2の塗料溜り17から流出口部材11の流出口10を介してコーティング装置へ供給する。
【0033】
濾過装置1においては、電極塗料が各塗料流路21内を流れる間に、この電極塗料に混入した金属不純物を各マグネット体12によって吸着除去する。濾過装置1においては、各マグネット体12の外周部とセパレータ15の各嵌合孔20との間に構成された狭い各塗料流路21内に電極塗料を通過させることで、金属不純物を効率よくかつ高精度に吸着除去する。また、濾過装置1においては、各塗料流路21内において環状凹部28によって電極塗料に乱流が生じることで、さらに効率よく金属不純物を吸着除去する。
【0034】
なお、上述した濾過装置1においては、リチウムイオン二次電池の製造工程に設置されて、調製された負極塗料や正極塗料等の電極塗料から混入した金属不純物を除去する適用例を示したが、かかる適用例に限定されるものでは無いことは勿論である。濾過装置1は、例えば電極素材のミキシング工程に設置され、粉砕された微細粉から混入した金属不純物を除去する場合にも用いられる。また、濾過装置1は、例えば磁気テープ等の製造工程に設置されて、プラスチックベースに塗布されるバックコート塗料から混入した金属不純物を除去する装置としても好適に用いられる。
【0035】
上述した濾過装置1は、リチウムイオン二次電池の製造工程に設置してコーティング装置によって集電体に最適量の電極塗料を塗布するために、ギャポンプによる加圧力と必要な流量とに基づいてマグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間に全長に亘って3mm乃至5mmの間隙を保持して各塗料流路21を構成した。濾過装置1においては、比較的加工性が良好であるとともに廉価なセパレータ15を筐体2の内部空間5に組み込んで各塗料流路21が構成される。濾過装置1においては、セパレータ15が、簡易な構造によって筐体2の内部空間5に位置決めして組み込むように構成されている。したがって、濾過装置1は、各嵌合孔20を所定の内径に形成したセパレータ15を筐体2の内部空間5に組み込むことにより、被濾過物の粘度や粒径等の物理特性、必要な流量或いは加圧力等の条件に対して互換性が図られるようになる。
【0036】
【実施例1】
上述した濾過装置1と従来の濾過装置とを用いて、以下の条件によってリチウムイオン二次電池の電極塗料に混入した金属不純物の除去特性の評価を行った。評価は、同量の電極塗料を濾過装置を通過させ、通過後に回収した電極塗料の全体量における金属不純物の残量割合を求めた。
【0037】
コーティング装置の塗布性能:20m/min
電極塗料の供給量 :60リットル/min
電極塗料の供給圧力 :2Kg/cm2
マグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間隙量
(塗料流路21の径) :5mm
セパレータ15の材質 :MCナイロン
濾過後の金属不純物の割合
濾過装置1 :0.4%
従来の濾過装置 :1.0%
以上の評価より明らかなように、濾過装置1によれば、従来の濾過装置と比較して電極塗料から金属不純物を高精度に除去することが可能となり、高品質のリチウムイオン二次電池の製造を可能とする。
【0038】
【実施例2】
上述した濾過装置1と従来の濾過装置とを用いて、以下の条件によって磁気テープのバックコート塗料に混入した金属不純物の除去特性の評価を行った。評価は、同量の電極塗料を濾過装置を通過させ、通過後に回収した電極塗料の全体量における金属不純物の残量割合を求めた。
【0039】
コーティング装置は、上述した実施例1と同等の特性とし、
コーティング装置の塗布性能:20m/min
電極塗料の供給量 :60リットル/min
電極塗料の供給圧力 :2Kg/cm2
マグネット体12とセパレータ15の各嵌合孔20との間隙量
(塗料流路21の径) :5mm
セパレータ15の材質 :MCナイロン
のように設定した。
【0040】
被濾過物であるバックコート塗料は、
カーボン:旭カーボン社製旭カーボン#80
カーボンブラック98%以上。炭素乱層黒鉛構造
コロネートL:硬化剤
日本ポリウレタン社製変性ポリイソシアネート溶液
組成;酢酸部チル20%、酢酸エチル15%、トルエン15%、変性ポリイソシアネート50%
MEK:メチルエチレンケトン
TOL:トルエン
ANON:シクロヘキサノン
を組成とし、ボールミルにて24時間混合して調製した。
【0041】
濾過後の金属不純物の割合
濾過装置1 :0.6%
従来の濾過装置 :1.3%
以上の評価より明らかなように、濾過装置1によれば、従来の濾過装置と比較して磁気テープのバックコート塗料に混入した金属不純物を高精度に除去することが可能となり、高品質の磁気テープの製造を可能とする。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる磁性不純物濾過装置よれば、流入口と流出口とが設けられた筐体の内部空間に複数個の嵌合孔を形成したセパレータを組み込むとともに各嵌合孔内にそれぞれ棒状のマグネット体を嵌合し、これら嵌合孔とマグネット体との間にそれぞれ流路を構成して被濾過物を通過させるように構成したことから、被濾過物が流路内において各マグネット体に充分な範囲で接触した状態で流れることで混入した磁性不純物を高精度に除去する。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性不純物濾過装置の縦断面図である。
【図2】磁性不純物濾過装置の側面図である。
【図3】磁性不純物濾過装置に備えられるセパレータの要部縦断面図である。
【図4】塗料流路の構成を説明する要部縦断面図である。
【図5】電極塗料の流れ状態の説明図である。
【図6】電極塗料の流れ状態の説明図である。
【図7】リチウムイオン二次電池の製造工程における電極塗料の塗布工程の説明図である。
【図8】従来の磁性不純物濾過装置における電極塗料の流れ状態の説明図である。
【図9】電極塗料の流れ状態の説明図である。
【符号の説明】
1 濾過装置、2 筐体、5 内部空間、6 第1の蓋体、7 第2の蓋体、8 流入口、10 流出口、12 マグネット体、15 セパレータ、16 第1の塗料溜り、17 第2の塗料溜り、18 流入口凹部、19 流出口凹部、20 嵌合孔、21 塗料流路、24 第1の位置決め孔、25 第2の位置決め孔、26 第1の位置決めロッド、27 第2の位置決めロッド、28 環状凹部
Claims (7)
- 軸方向の一端側に流入口が設けられるとともに他端側に流出口が設けられ、上記流入口から供給された被濾過物が内部の濾過空間部内を流れて上記流出口から流出する筐体と、
上記筐体の濾過空間部内に軸方向に併設されて組み込まれ、上記濾過空間部内を流れる上記被濾過物から混入した磁性不純物を吸着除去する複数本の棒状マグネット体と、
上記筐体の濾過空間部内に組み込まれ、上記筐体の流入口と流出口とに連通するとともに上記各棒状マグネット体がそれぞれ嵌合される複数個の軸方向の嵌合孔が形成され、これら嵌合孔の内周部と上記棒状マグネット体の外周部との間に上記被濾過物の流路を構成するセパレータとを備え、
上記流入口から供給された上記被濾過物が、上記セパレータの各嵌合孔内を流れる間に上記各棒状マグネット体によって混入した磁性不純物を吸着除去されて上記流出口から流出されることを特徴とする磁性不純物濾過装置。 - 上記筐体は、少なくとも軸方向の一方側面が着脱自在な蓋体によって閉塞され、
上記蓋体の内面に上記各棒状マグネット体が一端部を固定されて片持ち支持されることを特徴とする請求項1に記載の磁性不純物濾過装置。 - 上記各棒状マグネット体と上記セパレータの各嵌合孔とが、それぞれの外径と内径との差を全長に亘って3mm乃至5mmに保持され、この差異による間隙が上記被濾過物の流路を構成することを特徴とする請求項1に記載の磁性不純物濾過装置。
- 上記セパレータの各嵌合孔には、内周面に複数個の環状凹部が形成され、これら環状凹部において上記流路を流れる上記被濾過物に乱流を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の磁性不純物濾過装置。
- 上記セパレータが、耐化学特性を有する合成樹脂材によって成形されることを特徴とする請求項1に記載の磁性不純物濾過装置。
- 上記被濾過物が、フィルム状集電体に塗布される液状電極塗料であることを特徴とする請求項1に記載の磁性不純物濾過装置。
- 上記被濾過物が、磁気記録媒体の基材に塗布される液状バックコート塗料であることを特徴とする請求項1に記載の磁性不純物濾過装置。
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