JP2004222493A - ロータコイルのロウ付け装置及びロウ付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロータコイルを構成する軸長側及び周長側の平角導体のロウ付けを安定した温度制御で確実に行う。
【解決手段】 軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置にロウ箔装着装置でコ字状ロウ箔6を装着してから水冷銅パイプ46及び積層コア47,48で構成される高周波加熱インダクタ本体49を絶縁・耐熱石膏50を凝固させて筐体44内に固定した高周波加熱インダクタ4の平坦面上に配置された絶縁・耐熱セラミック平板5上に位置決め保持機構8によって位置決めすると共に、上面を上側押圧機構9で押圧して突き合わせ位置Pに段差を生じないように固定し、この状態で、赤外線放射温度計10でロウ付け位置での温度を計測し、計測した温度を高周波加熱電源回路にフィードバックすることにより、加熱温度制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タービン発電機等の比較的大型の電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け装置及びロウ付け方法に関する。
一般に、空冷及び水素冷却タービン発電機の界磁巻線に使用する平角導体は、電気導電率を確保し、且つ所定の機械的耐力が要求される。回転子に使用するコイル即ちロータコイルに適用する場合、長期間の回転に耐えられ、且つ巻線としての互いの幾重もの巻線間の絶縁維持も必要となってくる。例えばタービン発電機が10数万キロワットレベルのロータコイルの場合、巻線としての平角導体は連続的に一つの長方形の螺旋状のスパイラルコイルとして構成される。図7(a)及び(b)は、ロータコイルのスパイラル形状を説明する概念図である。図7(a)は回転子にロータコイルの一部を組込む図で、図7(b)はスパイラル状のロータコイルを示す。この長方形のスパイラルコイルは長尺側がロータコイルの回転軸方向( 以下、軸長側という) にあり、短尺側が回転軸とは直角の円周方向( 以下、周長側という) にあるように構成されている。
また、スパイラルコイルの接続箇所は、たとえば平角導体の軸長側の直線部であったり、軸長側と周長側で交差する角部( 以下、4 ヶ所の角部を四隅部という) であったりする。このスパイラルコイルの螺旋巻数は13ターン〜24ターンもある。このようなスパイラルコイルを1 ユニットとすると、一つの発電機の回転子には同一サイズのユニットが2式あり、サイズの異なるユニットは8種類で計8ユニット×2式で16ユニットもあって、これが回転子の中に組み込まれている。これらの接続箇所の接続方法は、通常手作業にてロウ付けされている。このロウ付け方法としては、ガスロウ付けであったり、高周波加熱ロウ付けであったりする。一般には加熱源が大きく、安定して短時聞でロウ付けが可能な高周波加熱ロウ付けが多く用いられている。
このロウ付けの接続部の継手の種類は、上記に示した直線部の場合は図8(a)に示すように突合せロウ付けであったり、図8の(b),(c),(d),(e),(f)であったりする(例えば特許文献1参照)。また、四隅部の場合は、図8(g)に示すような突合せになる。
ここで、平角導体の軸長側の直線部のロウ付けの場合は、基本的には接合箇所の平角導体の板幅は同じ寸法同士であるが、四隅部のロウ付けの場合は、軸長側の板幅と周長側の板幅が同じであるときと、周長側の板幅がより大きいときがある。周長側の板幅がより大きい理由は、電磁界電流の効率を上げるためになされるが、そのとき電磁界電流で発熱しやすい部分を幅広にして冷却性をよくすることにある。すなわち、四隅ロウ付けはこのように電磁界電流の効率を上げるために必要となる、
四隅ロウ付けでは突合せ部の直角内側コーナー部のロウ付け部は切り欠きをなくすために円弧状のフィレットが形成されていることが重要である。
また、平角導体は通常無酸素銅系の材質が使用される。ロウ材は銀ロウ、またはりん銅ロウが使用される。
四隅ロウ付けの従来の銀ロウ付け方法は、突合せ面にあらかじめフラックスを塗布し、突合せ部に銀ロウの箔を突合せ面のサイズより少し大きいサイズのものを挟んでおく。平角導体を加熱して銀ロウが溶融した段階で、人手により差しロウ補充が行われ適正な余盛形成( 凸)を行う。余盛形成は突合せ部の突合せ線にロウの溶け落ちのためにへこみ( 凹) が出来ないようにするためである。また同時に円弧状のフィレットの形成も行う。もちろんロウ付け部の余盛部は後工程で平坦な状態にグラインダーなどで仕上げられる。
図9は、従来の高周波加熱インダクタで加熱するときの平角導体の突合せ状態を示す図である。図示していないが、実際には高周波加熱インダクタ100と軸長側平角導体101及び周長側平角導体102との間に薄い絶縁板を挟んでおく。さらに図示していないが高周波加熱インダクタ100には平角導体の真下で、かつ突き合せ線103に沿って左右に主たる加熱源となる積層コアが配置されている。
図10は、従来の高周波加熱の人手による四隅ロウ付けの作業方法を示すものである。図10(a)は平角導体と高周波加熱インダクタとロウ材のセット方法を示す図である。先ず、図示する高周波加熱インダクタ100の上面に絶縁と耐熱性のあるマイカ( 雲母) の薄板材105を敷く。そしてその上に軸長側平角導体101と周長側平角導体102を載せてその端面と側面とを突合せる。そして、突合せ部106において段差が生じないように平坦度を確認する。ここで正確に位置合わせする方法としては、図10(b)に示す軸長側平角導体101の側面端部は軸長側固定治具107に、また周長側平角導体102の側面端部は周長側固定治具108にそれぞれ突き当てる。そして、さらにそれぞれ反対側の側面端部を軸長側固定治具109と周長側固定治具110で押し当てて平角導体の周長側と軸長側を互いに直角となるようにする。次に、軸長側押し当て治具111及び周長側押し当て治具112で平角導体の上面を押さえこむ。その後、一旦軸長側固定治具109、軸長側押し当て治具111及び周長側固定治具110、周長側押し当て治具112をゆるめて周長側の端面と軸長側の端面との突き合せ部に銀ロウの箔(薄板状)113を差しこむ。そして再び突き合せ面をしっかりと軸長側固定治具109、軸長側押し当て治具111及び周長側固定治具110、周長側押し当て治具112で押さえこむ。このときフラックスは位置合わせする前に、あらかじめ平角導体端面に塗布しておく。
つぎに、図10(a)において加熱時のロウ付けについて説明する。加熱時積層コア114を中心に熱く赤味を帯びてきて突き合せ部106全体が加熱されロウ付けされる。このときロウ付け作業者は、突き合せ部106付近全体の赤味をみて高周波加熱の電気出力をオン・オフして加熱温度を調節しながらロウの溶け状態を確認し、差しロウ115にて補充を行い適度な余盛の形成を行う。
特開平11−168845号公報(第2頁〜第4頁、図2〜図11)
しかしながら、上記従来例にあっては、軸長平角導体及び周長平角導体のロウ付けにおいて人手によるロウ付け作業を行うようにしているので、高周波加熱の電気出力のオン・オフにより平角導体の突き合わせ部付近の加熱状態、すなわち表面上の赤みを見て温度状態を推測し、さらには突き合わせの直角部のロウのフィレットの形成状態や突き合わせ部の凹みが発生しないように差しロウの補充などを行う必要があり、これらの作業を短時間で行う必要があるのため熟練を要するという未解決の課題がある。
しかも、上記のような人手によるロウ付け方法の場合、作業者によってロウの余盛りの量にバラツキがあり、必要以上の銀ロウ材を供給したりして、ロウの広がり面積や余盛高さの増加につながり後工程での余盛のグラインダなどによる仕上げ作業工数の増加の原因にもなるという未解決の課題もある。
さらに、高周波インダクタの上面に平角導体が配置されて固定治具で位置決めされているので、上面から押さえる治具は強い力で押さえるとインダクタ自身のフレームが銅製であるので、容易に塑性変形を起こし、被加熱物とインダクタとの間隔が不均一となり、その結果被加熱物の温度分布の差、すなわち突き合わせ線上、温度が高い箇所と低い箇所とが存在する温度の不均一分布を呈することになる。これと同時に突き合わせ部には段差が発生し易くなるという未解決の課題もある。特に、インダクタにおいて、被加熱物とインダクタの接触面同士の間隔が不均一となった場合、つまり接触面同士の間隔のバラツキすなわち差が0.3mm以上異なってくると加熱時の被加熱物の赤みの違いが肉眼でもはっきりと分かるようになる。赤みの違いは結果的には温度差であるので、所定の赤みになるまでには被加熱部の各位置において時間差を生じることになり、これは銀ロウが溶けてからのロウ付け時間差となる。すなわち、被加熱物の各位置においてロウが溶け落ちる部分と、まだ溶けたばかりの部分との差となってくる。勿論溶け落ちそうな部分は人手でロウの補充により突き合わせ部の凹みが出来ないように仕上げていることは言うまでもない。このロウ付け部は発電機の回転子として常時回転する部分で十分な耐力が要求される箇所なので、ロウ付け部の凹みは、切欠き効果となり破損、焼損につながる原因にもなり許されない。
また、インダクタと被加熱物との間隔を一定に保つために、インダクタが変形しないように絶縁エポキシガラスの板などで支えて固定したり、あるいはすぐ周囲を剛性のある筐体で固定したりすれば、その部分は固定されるが、最も重要な積層コアの部分とロウ付けの突き合わせ線の部分が固定されなければやはり突き合わせ部の段差が発生し易い。ここで、積層コアや突き合わせ部の直接的固定は、加熱時赤熱されるので、絶縁エポキシガラス板では耐熱温度が低いため容易に焼損してしまう。勿論、導電性金属物による固定は不可能であることはいうまでもない。また、比較的距離を離して周囲に金属枠を使うこともあるが、この場合、高周波電力の電磁誘導により金属枠が加熱されたり、本来の被加熱部の加熱効率が落ちて加熱時間が延びてしまうなど、やむを得ない場合を除いてあまり使われない。
さらに、加熱温度をロウ付け時の被加熱物の赤味から推測すること自体、熟練者の経験的な感に頼っていることになり、作業者の個人差によるロウ付け品質のバラツキが起こるという可能性もある。
また、上記したようにインダクタと平角導体との間には絶縁用のマイカを間に挟んでいるが、ロウ付け終了時に、被加熱物をインダクタから取り外そうとするとマイカが被加熱物のロウ付け部に付着してしまいその都度マイカを剥がして、もとのインダクタの上に配置し直さなければならないことが頻繁に発生する。また、繰り返しロウ付けすると次第にマイカがボロボロと薄く剥がれ新しいマイカと交換しなければないないという未解決の課題もある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、軸長側及び周長側の平角導体のロウ付けを安定した温度制御で、人手による煩わしい作業を行うことなく確実に行うことができるロータコイルのロウ付け装置及び方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、ロウ付け位置の突き合わせ部に段差がなく、軸長側と周長側の平角導体が直角をなす内側角部(内側隅部)にロウのフィレットを形成することができ、且つロウ付け位置での突き合わせ線上のどの位置においても余盛りを形成することがことができるロータコイルのロウ付け装置及び方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係るロータコイルのロウ付け装置は、電機機器の回転子に設けられたロータコイルの四隅をロウ付けするロータコイルのロウ付け装置において、積層コアと水冷導電性パイプとで構成される高周波加熱インダクタ本体を当該積層コアを平坦面に臨ませて固定保持した高周波加熱インダクタと、該高周波加熱インダクタの平坦面上に配設された絶縁・耐熱用分離板と、前記ロータコイルを構成する軸長側平角導体及び周長側平角導体の互いに直角に突き合わせたロウ付け位置にロウ箔を装着するロウ箔装着装置と、前記ロウ箔装着装置でロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を互いのロウ箔で接合させ、その接合位置が前記絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持する位置決め保持機構と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体の突き合わせ位置近傍を上方から押圧する押圧機構と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔接合位置の温度を計測する温度計測手段と、該温度計測手段で計測した温度情報が入力される前記高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給する高周波加熱電源制御手段とを備えたことを特徴としている。
この請求項1に係る発明では、高周波加熱インダクタの平坦面に積層コアを臨ませ、この平坦面に絶縁・耐熱用分離板が配設される。ロータコイルを構成する軸長側平角導体及び周長側平角導体の夫々のロウ付け位置にロウ箔装着装置で、例えばコ字状のロウ箔を装着してから軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔を接合させ、その接合位置が絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持機構で位置決め保持すると共に、押圧機構で上方から押圧することにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に段差を生じることなく平坦面とすると共に、積層コアとの間隔を一定間隔とすることができる。この状態で、ロウ箔接合位置の温度を温度計測手段で計測しながら高周波加熱電源制御手段で高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給することにより、ロウ付け位置を所定温度に維持しながらロウ付け位置の均一な加熱を行って高品質のロウ付けを行うことができ、熟練を要することなく正確なロウ付けを行うことができる。
また、請求項2に係るロータコイルのロウ付け装置は、電機機器の回転子に設けられたロータコイルの四隅をロウ付けするロータコイルのロウ付け装置において、積層コアと水冷導電性パイプとで構成される高周波加熱インダクタ本体を当該積層コアを平坦面に臨ませて固定保持した高周波加熱インダクタと、該高周波加熱インダクタの平坦面上に配設された絶縁・耐熱用分離板と、前記ロータコイルを構成する軸長側平角導体及び周長側平角導体の互いに直角に突き合わせたロウ付け位置にロウ箔を装着するロウ箔装着装置と、前記ロウ箔装着装置でロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を互いのロウ箔で接合させ、その接合位置が前記絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持する位置決め保持機構と、該位置決め保持機構で位置決め保持された互いのロウ箔の接合位置にロウ棒を配置するロウ棒配置装置と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体の突き合わせ位置近傍を上方から押圧する押圧機構と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔接合位置の温度を計測する温度計測手段と、該温度計測手段で計測した温度情報が入力される前記高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給する高周波加熱電源制御手段とを備えたことを特徴としている。
この請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明の作用に加えて、ロウ箔装着装置で、例えばコ字状のロウ箔を装着してから軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔を接合させ、その接合位置が絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持機構で位置決め保持すると共に、さらに必要に応じて位置決め保持された互いのロウ箔の接合部にロウ棒配置装置でロウ棒を配置させ、押圧機構で上方から押圧することにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に段差を生じることなく平坦面とすると共に、積層コアとの間隔を一定間隔とすることができる。この状態で、ロウ箔接合位置の温度を温度計測手段で計測しながら高周波加熱電源制御手段で高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給することにより、ロウ付け位置を所定温度に維持しながらロウ付け位置の均一な加熱を行って高品質のロウ付けを行うことができると共に、ロウ箔の接合部にロウ棒を配置するので、このロウ棒によって余盛り高さを調節することができ、熟練を要することなく正確なロウ付けを行うことができる。
さらに、請求項3に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体の突合せ位置をロウ付けした後のロウ付け部を強制的に空冷する強制空冷手段を備えたことを特徴としている。
この請求項3に係る発明では、ロウ付け終了直後に、強制空冷手段によりロウ付け部を冷却するので、高品質のロウ付けを行うことができると共に、ロウ付け作業時間を短縮することができる。
さらにまた、請求項4に係るロータコイルのロー付け装置は、請求項3の発明において、前記強制空冷手段は、前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体のロウ付け位置でのロウ付け部において、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部を強制空冷するガスノズル機構を備えていることを特徴としている。
この請求項4に係る発明では、ガスノズル機構でロウ付け部を強制空冷するので、強制空冷を確実に行うことができる。
なおさらに、請求項5に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項1乃至4の何れか1つに係る発明において、前記高周波加熱インダクタは、前記高周波加熱インダクタ本体をその積層コアを上面に臨ませた状態で絶縁樹脂ガラス製の筐体内に配置した状態で、絶縁・耐熱石膏を流し込んで凝固させてから前記積層コアが臨む上面を平坦面に仕上げることにより構成されていることを特徴としている。
この請求項5に係る発明では、絶縁・耐熱石膏で高周波加熱インダクタ本体の全体を確実に保持することができると共に、高周波加熱インダクタ本体の発熱が絶縁樹脂ガラス製の筐体に伝達されることを防止し、剛性の高い絶縁樹脂ガラス製の筐体の焼損を確実に防止することができ、ロウ付け作業時に高周波加熱インダクタ本体の変形を確実に防止することができる。
また、請求項6に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項1乃至5の何れかに係る発明において、前記絶縁・耐熱用分離板は、前記高周波加熱インダクタの平坦面に密着可能で且つ前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に開口部を有するセラミック平板で構成されていることを特徴としている。
この請求項6に係る発明では、セラミック平板を高周波加熱インダクタの平坦面に配設し、このセラミック平板の上にロータコイルを形成する軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置を開口部に対向させることにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置と高周波加熱インダクタとの間隔を均一に維持することができると共に、溶融したロウ材がセラミック平板に付着して、冷却後に軸長側平角導体及び周長側平角導体の何れかとセラミック平板とが接着することを確実に回避して長期の使用に耐えることができる。
さらに、請求項7に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項1乃至6の何れかに係る発明において、前記ロウ箔装着装置は、軸長側平角導体及び周長側平角導体の互いに直角に突き合わせたロウ付け位置に個別に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するように構成されていることを特徴としている。
この請求項7に係る発明では、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状のコ字状ロウ箔を装着するので、ロウ付け位置でのロウ材量を均一とすることができると共に、軸長側平角導体及び周長側平角導体へのロウ箔の装着を容易に行うことができる。
さらにまた、請求項8に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項7に係る発明において、前記ロウ箔装着装置は、前記コ字状ロウ箔を多数段積み保持するカートリッジと、該カートリッジの最下段のコ字状ロウ箔を押し出す押し治具と、該押し治具で押し出されたコ字状ロウ箔を、受入位置で傾斜案内面を有する保持用重錘を押し上げながら当該コ字状ロウ箔の開放端面を外部に臨ませて装入保持すると共に、保持したコ字状ロウ箔を前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に移動して当該軸長側平角導体及び周長側平角導体に装着するロウ箔移動装着機構とを備えていることを特徴としている。
この請求項8に係る発明では、カートリッジに保持されているコ字状ロウ箔を押し治具で1つずつ押し出し、押し出されたコ字状ロウ箔をその開放端面を外部に臨ませてロウ箔移動装着機構に挿入保持し、このロウ箔移動装着機構を軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に移動させて、これらにコ字状ロウ箔を装着することにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体へのロウ箔の装着を容易確実に行うことができる。しかも、ロウ箔移動装着機構では、コ字状ロウ箔が保持用重錘の傾斜案内面に係合してこの保持用重錘を押し上げながら装入保持されるので、ロウ箔移動装着機構での移動時にコ字状ロウ箔が位置ずれることを確実に防止することができる。
なおさらに、請求項9に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項1乃至8の何れかの発明において、前記高周波加熱電源制御手段は、温度計測手段で検出した温度情報がフィードバック情報として入力され、該フィードバック情報と目標温度情報との偏差に基づいて高周波加熱インダクタに供給する高周波電力を制御する高周波電力制御手段と、前記温度計測手段で計測した温度情報が設定された温度範囲内にあるか否かを判定し、温度範囲外であるときに警報を発する警報手段と、前記温度範囲の許容上限温度を所定時間超えて加熱温度が維持されたときに高周波電力の供給を停止させる高周波電力停止手段と、前記高周波電力制御手段の制御情報が入力される制御履歴格納手段とを備えていることを特徴としている。
この請求項9に係る発明では、高周波加熱電源制御手段は、温度計測手段で検出したロウ付け位置での温度情報がフィードバック情報として入力されるので、高周波加熱インダクタに供給する高周波電力を適正に制御してロウ付け位置の温度を設定温度範囲に正確に維持することができ、設定温度範囲外となったときに警報手段で警報が発せられる。さらに設定温度範囲のうち許容上限温度の範囲を超えて警報が発せられてから所定時間を超えて加熱温度が維持されたときは、高周波電力の供給を停止する。そして、制御履歴格納手段で高周波電力制御手段の制御情報が記憶されるとと共に、必要に応じて表示されることにより、適正な制御状態であるか否かの確認を行うことができる。
また、請求項10に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項1乃至9の何れかの発明において、前記高周波加熱電源制御手段と前記温度計測手段とによって、前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体のロウ付け位置をロウ付けする温度情報が設定された温度範囲の許容下限温度に到達した時点から所定ロウ付け保持時間までロウ付け温度を保持するようにしたことを特徴としている。
この請求項10に係る発明では、温度範囲の許容下限温度に到達した時点から所定時間が経過するまで加熱温度を維持して、それから高周波電力の供給を高周波電力停止手段によって停止するので、いつも所定温度と所定時間が同時に維持されることになる。
さらに、請求項11に係るロータコイルのロウ付け装置は、請求項1乃至10の何れかの発明において、前記位置決め保持機構は、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体を直角となるように互いにロウ付け位置を突き合わせて位置決めする当該ロウ付け位置から離れた位置に設けられた位置決め治具と、該位置決め治具で位置決めした前記軸長側平角導体及び周長側平角導体をその側面部及び上面部を同時に保持する固定チャック機構と、ロウ付け位置が側面部となる前記軸長側平角導体及び周長側平角導体の一方のロウ付け位置とは反対側の側面を熱膨張を許容可能に押圧する押圧機構とを備えていることを特徴としている。
この請求項11に係る発明では、位置決め治具で、軸長側平角導体及び周長側平角導体を互いに直角となるようにロウ付け位置を突き合わせて位置決めし、この状態で固定チャック機構で軸長側平角導体及び周長側平角導体の側面部及び上面部を同時に保持し、さらにロウ付け位置が側面部となる軸長側平角導体及び周長側平角導体の一方のロウ付け位置とは反対側の側面を押圧機構で熱膨張を許容するように押圧することにより、軸長平角導体及び周長平角導体のロウ付け位置を加熱したときに、熱膨張によってロウ付け位置での段差や変形が生じることを確実に防止することができる。
さらにまた、請求項12に係るロータコイルのロウ付け方法は、電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップとを備えたことを特徴としている。
この請求項12に係る発明でも熟練を要することなく、設定温度での均一加熱を行って、ロータコイルのロウ付けを正確に行うことができる。
なおさらに、請求項13に係るロータコイルのロウ付け方法は、電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、位置決め保持された互いのコ字状ロウ箔の接合位置にロウ棒を載置するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップとを備えたことを特徴としている。
この請求項13では、請求項12に係る発明の作用に加えて、位置決め保持されたコ字状ロウ箔の接合位置にロウ棒を配置するので、このロウ棒によって余盛り高さを調整することができる。
また、請求項14に係るロータコイルのロウ付け方法は、電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップと、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部を強制空冷するステップとを備えたことを特徴としている。
この請求項14では、請求項12に係る発明の作用に加えて、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部を強制空冷するので、高品質のロー付けを行うことができると共に、ロウ付け作業時間を大幅に短縮することができる。
さらに、請求項15に係るロータコイルのロウ付け方法は、電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、位置決め保持された互いのコ字状ロウ箔の接合位置にロウ棒を載置するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップと、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部を強制空冷するステップとを備えたことを特徴としている。
この請求項15の発明では、請求項12の作用に、請求項13及び14の作用を合わせ備えている。
請求項1に係る発明によれば、高周波加熱インダクタの平坦面に積層コアを臨ませ、この平坦面に絶縁・耐熱用分離板が配設される。ロータコイルを構成する軸長側平角導体及び周長側平角導体の夫々のロウ付け位置にロウ箔装着装置で、例えばコ字状のロウ箔を装着してから軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔を接合させ、その接合位置が絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持機構で位置決め保持すると共に、押圧機構で上方から押圧することにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に段差を生じることなく平坦面とすると共に、積層コアとの間隔を一定間隔とすることができ、この状態で、ロウ箔接合位置の温度を温度計測手段で計測しながら高周波加熱電源制御手段で高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給することにより、ロウ付け位置を所定温度に維持しながらロウ付け位置の均一な加熱を行って、熟練を要することなく正確なロウ付けを行うことができるという効果が得られる。
また、請求項2に係る発明によれば、高周波加熱インダクタの平坦面に積層コアを臨ませ、この平坦面に絶縁・耐熱用分離板が配設される。ロータコイルを構成する軸長側平角導体及び周長側平角導体の夫々のロウ付け位置にロウ箔装着装置で、例えばコ字状のロウ箔を装着してから軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔を接合させ、その接合位置が絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持機構で位置決め保持すると共に、そのロウ箔の接合位置に必要に応じてロウ棒を配置させ、押圧機構で上方から押圧することにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に段差を生じることなく平坦面とすると共に、積層コアとの間隔を一定間隔とすることができ、この状態で、ロウ箔接合位置の温度を温度計測手段で計測しながら高周波加熱電源制御手段で高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給することにより、ロウ付け位置を所定温度に維持しながらロウ付け位置の均一な加熱を行うことができると共に、ロウ棒配置装置によってロウ付け位置にコ字状ロウ箔が装着された箇所の上に必要によりロウ棒を配置してロウ付けすると、余盛りの高さをコ字状ロウ箔よりも高く確保したい場合、あるいはロウ付け保持時間をより長く確保したい場合に効果が得られる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体の突合せ位置をロウ付けした後のロウ付け部を強制的に空冷する強制空冷手段を備えているので、ロウ付け後のロウ付け部を強制的に空冷することができ、高品質のロウ付けを行うことができると共に、ロウ付け作業時間を大幅に短縮することができる。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、導体のロウ付け位置でのロウ付け部において、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部をガスノズル機構によって強制空冷することにより冷却時間を大幅に短縮できるようになった。しかも、絶縁・耐熱用分離板と導体とが付着して離れないということがなく、容易に分離することができるという効果が得られる。なお、上記のように、全体のロウ付け作業時間の短縮を目的として、冷却時間が大幅に短縮されるように、強制冷却によりロウ付け部を急激に冷却しても、一般的に急激な冷却の場合に問題となるような、絶縁・耐熱用分離板の割れや寿命の低下もなかった。
なおさらに、請求項5に係る発明によれば、絶縁・耐熱石膏で高周波加熱インダクタ本体の全体を確実に保持することができると共に、高周波加熱インダクタ本体の発熱が絶縁樹脂ガラス製の筐体に伝達されることを防止し、剛性の高い絶縁樹脂ガラス製の筐体の焼損を確実に防止することができ、ロウ付け作業時に高周波加熱インダクタ本体の変形を確実に防止することができるという効果が得られる。
また、請求項6に係る発明によれば、セラミック平板を高周波加熱インダクタの平坦面に配設し、このセラミック平板の上にロータコイルを形成する軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置を開口部に対向させることにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置と高周波加熱インダクタとの間隔を均一に維持することができると共に、溶融したロウ材がセラミック平板に付着して、冷却後に軸長側平角導体及び周長側平角導体の何れかとセラミック平板とが接着することを確実に回避して長期の使用に耐えることができるという効果が得られる。
さらに、請求項7に係る発明によれば、軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状のコ字状ロウ箔を装着するので、ロウ付け位置でのロウ材量を均一とすることができると共に、軸長側平角導体及び周長側平角導体へのロウ箔の装着を容易に行うことができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項8に係る発明によれば、カートリッジに保持されているコ字状ロウ箔を押し治具で1つずつ押し出し、押し出されたコ字状ロウ箔をその開放端面を外部に臨ませてロウ箔移動装着機構に挿入保持し、このロウ箔移動装着機構を軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に移動させて、これらにコ字状ロウ箔を装着することにより、軸長側平角導体及び周長側平角導体へのロウ箔の装着を容易確実に行うことができ、しかも、ロウ箔移動装着機構では、コ字状ロウ箔が保持用重錘の傾斜案内面に係合してこの保持用重錘を押し上げながら装入保持されるので、ロウ箔移動装着機構での移動時にコ字状ロウ箔が位置ずれることを確実に防止することができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項9に係る発明によれば、高周波加熱電源制御手段は、温度計測手段で検出したロウ付け位置での温度情報がフィードバック情報として入力されるので、高周波加熱インダクタに供給する高周波電力を適正に制御してロウ付け位置の温度を設定温度範囲に正確に維持することができ、設定温度範囲外となったときに警報手段で警報が発せられる。また、万一、赤外線放射温度計などの温度計測手段で検出した温度情報に基づく一定温度の制御が働かずに加熱の上昇が暴走した場合には、許容上限温度を超えて所定時間で高周波電力の供給が停止する。そして、制御履歴格納手段で高周波電力制御手段の制御情報が記憶されるとと共に、必要に応じて表示されることにより、適正な制御状態であるか否かの確認を行うことができるという効果が得られる。
また、請求項10に係る発明によれば、高周波加熱電源制御手段と温度計測手段とによって、導体のロウ付け位置をロウ付けする場合、温度範囲の許容下限温度に到達した時点から所定ロウ付け保持時間までロウ付け温度を保持するようにしたことによって、上昇速度のバラツキによって許容下限温度までに到達する所要時間が異なっても、常に一定のロウ付け保持時間が確保できるのでロウ付け品質が安定するという効果が得られる。
さらに、請求項11に係る発明によれば、位置決め治具で、軸長側平角導体及び周長側平角導体を互いに直角となるようにロウ付け位置を突き合わせて位置決めし、この状態で固定チャック機構で軸長側平角導体及び周長側平角導体の側面部及び上面部を同時に保持し、さらにロウ付け位置が側面部となる軸長側平角導体及び周長側平角導体の一方のロウ付け位置とは反対側の側面を押圧機構で熱膨張を許容するように押圧することにより、軸長平角導体及び周長平角導体のロウ付け位置を加熱したときに、熱膨張によってロウ付け位置での段差や変形が生じることを確実に防止することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項12に係る発明によれば、請求項1に係る発明と同様に熟練を要することなく、設定温度での均一加熱を行って、ロータコイルのロウ付けを正確に行うことができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項13に係る発明によれば、請求項2と同様の効果を得ることができる。
なおさらに、請求項14に係る発明によれば、請求項3と同様の効果を得ることができる。
また、請求項15に係る発明によれば、請求項2と請求項3の効果を合わせた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1(a)は本発明の一実施形態を示す一部を断面とした正面図、図1(b)はコ字状箔の上にロウ棒配置装置によってロウ棒を載せた図、図2は図1の平面図である。
ロウ付け装置1は、ロータコイルを構成する軸長側平角導体2及びこの軸長側平角導体2より幅広に形成された周長側平角導体3を、軸長側平角導体2の右端面を周長側平角導体3の前端側左側面に当接させるように直角に配置し、その当接部をロウ付け位置としてロウ付けする。
このロウ付け装置1は、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置を高周波加熱する高周波加熱インダクタ4と、この高周波加熱インダクタ4上に後述する筐体44の平坦面を閉塞するように配設された上面及び下面が互いに平行な平坦面とされた絶縁・耐熱分離板としての絶縁・耐熱セラミック平板5と、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置にそれぞれコ字状ロウ箔6を装着するロウ箔装着装置7と、絶縁・耐熱セラミック平板5上にコ字状ロウ箔6を装着した軸長側平角導体2及び周長側平角導体3を位置決め保持する位置決め保持機構8と、この位置決め保持機構8で位置決め保持した軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のコ字状ロウ箔6の接合位置にロウ棒100を配置するロウ棒配置装置101と、位置決め保持機構8で位置決め保持された軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置近傍を上方から押圧する上側押圧機構9と、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置の温度を計測する赤外線放射温度計10と、前記軸長側平角導体2及び前記周長側平角導体3のロウ付け位置のロウ付け終了直後に、ロウ付け付近全体を強制的に空冷する強制空冷手段としての強制冷却ガスノズル102とを備えている。
高周波加熱インダクタ4は、図3(a),(b)及び(d)に示すように、平面から見て長方形状の平板部41とこの平板部41の左端から上方に突出する垂直板部42とからL字状に形成された基台43における平板部41の垂直板部42とは反対側に載置されており、上面を開放した絶縁・耐熱性エポキシガラス製の筐体44と、基台43の垂直板部42に固定された固定保持部45に保持されて筐体44内に延長する水冷銅パイプ46、並びに水冷銅パイプ46の前述したロウ付け位置を挟む軸長側平角導体2及び周長側平角導体3に対向する位置に配設された凹状の積層コア47及び48を有する高周波加熱インダクタ本体49と備えている。
ここで、水冷銅パイプ46は、図3(a),(b),(d)に示すように、角筒状に形成されて内部に冷却水が通水され、固定保持部45から後方に直進して筐体44に形成した凹部44aを通って筐体44内にその上面が筐体44の上端の平坦面と一致するようにして入る導入部46aと、この導入部46aの筐体44内側端部から後右方に傾斜延長する傾斜延長部46bと、この傾斜延長部46bから後方に筐体44の右側面板44bと平行に直進して筐体44の後面板44cの僅か手前まで延長し、上面を除く外周面に凹状の積層コア47が配設された周長側平角導体3のロウ付け位置近傍を加熱する加熱部46cと、この加熱部46cの後端から下方に筐体44の底面板44dの僅か手前まで延長する垂直部46dと、この垂直部46dから筐体44の底面板44dに沿って前方に折り返して傾斜延長部46bに対向する位置まで延長する折り返し部46eと、この折り返し部46eから左方に僅かに延長してから上方に延長するL字状部46fと、このL字状部46fの上端から上面を筐体44の平坦面と一致させるように左方に延長する間隔調整部46gと、この間隔調整部46fの左端から加熱部46cと平行に後方に延長し、上面を除く外周面に凹上の積層コア48が配設された軸長側平角導体4のロウ付け位置近傍を加熱する加熱部46hと、この加熱部46hの後端から下方に延長する垂直部46iと、この垂直部46iの下端から底面板44dと平行に前方に延長する折り返し部46jと、この折り返し部46jの前端から上方に延長してから右方に僅かに延長するL字状部46kと、このL字状部46kの右端から前方に導入部46aと平行に延長して固定保持部45に達する導出部46mとから構成されている。
そして、この水冷銅パイプ46が導入部46a、傾斜延長部46b、加熱部46c、間隔調整部46f、加熱部46g、L字状部46k及び導出部46mの上面を筐体44の平坦面と一致し、且つ積層コア47及び48の上端面も筐体44の平坦面と一致するように保持した状態で、筐体44内に絶縁・耐熱石膏50を流し込んで凝固させることにより、高周波加熱インダクタ本体49を構成する水冷銅パイプ46及び積層コア47,48を筐体44内に強固に固定する。このとき、水冷銅パイプ46の加熱部46c及び46h間における軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置に対応する位置に上下方向に延長する貫通孔44eが形成される。そして、絶縁・耐熱石膏50は凝固したときにその上面が平坦面より僅かに高くなるようにし、この上面を研削して平坦面と一致するように仕上げる。このようにすることにより、高周波加熱インダクタ4の全面が平坦面となり、この平坦面で軸長側平角導体2及び周長側平角導体3を受けることが可能となり、機械的強度を向上させることができると共に、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3と積層コア47及び48との間隔を常に一定とすることができ、従来例のような加熱温度のバラツキを防止することができる。
絶縁・耐熱セラミック平板5は、図3(c)に示すように、軸長側平角導体3を支持する平面から見てL字状に形成されたL字状板部5aと、このL字状板部5aの短片側に接触され、且つ長片側に対して側縁が高周波加熱インダクタ4の筐体44内に形成された貫通孔44eに対応する間隔を開けて対向し、周長側平角導体4を支持する長方形の平板部5bとで構成されている。そして、L字状板部5aが高周波加熱インダクタ4の平坦面における左半部に右側面が貫通孔44eを形成する左側壁に沿うように載置され、同様に平板部5bが高周波加熱インダクタ4の平坦面における右半部に左側面が貫通孔44eを形成する右側壁に沿うように載置されている。
ロウ箔装着装置7は、図4に示すように、軸長側平角導体2の右端面及び周長側平角導体3の前端側左側面に、軸長側平角導体2の幅と略等しい幅で、かつ軸長側平角導体2の厚みと略等しい高さを有する垂直箔部6aとこの垂直箔部6aの上下端部からそれぞれ例えば左方向に延長する水平箔部6b及び6cとで構成される銀ロウ材で構成された断面コ字状のコ字状ロウ箔6を軸長側平角導体2の右端面及び周長側平角導体3の前端側右側面に装着するものである。ここで、コ字状ロウ箔6はその水平箔部6b及び6cの自由端部に外方に僅かに湾曲延長するカール部6dが形成されている。
このロウ箔装着装置7は、図5(a)〜(c)に示すように、多数のコ字状ロウ箔6を上下方向に段積みして保持し、下端部に最下段のコ字状ロウ箔6のみを外部に取り出し可能な挿通孔7a,7bを有する2つのカートリッジ7c,7dが内装したコ字状ロウ箔の垂直箔部6aが互いに背中合わせとなる関係で僅かな間隙を隔てて平行に配置される共に、これらカートリッジ7c,7dの一方の挿通孔7aを通じてコ字状ロウ箔6を同時に押し出す例えばエアシリンダで構成された押し出し治具7eが配設されたコ字状ロウ箔供給部7fと、このコ字状ロウ箔供給部7fでコ字状ロウ箔6を受取り、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3がそれらのロウ付け位置を対向させて所定間隔を保って位置決めしたロウ箔装着部7gに移動してコ字状ロウ箔6を軸長側平角導体2及び周長側平角導体3に装着するロウ箔移動装着機構7hとで構成されている。
ロウ箔移動装着機構7hは、基台7i上に、コ字状ロウ箔供給部7fに配置された2つのカートリッジ7c,7dから同時に押し出される2つのコ字状ロウ箔6を個別に保持する保持部7j及び7kが形成された構成を有する。各保持部7j及び7kのそれぞれは、基台7iに固定された背面板7mとこの背面板7mの基台7iからコ字状ロウ箔6の高さより僅かに高い高さ位置より上方に取付けられた平面から見てコ字状の覆い板7nとで、下段の背面板7mを除く3方を開放した構成とされている。そして、保持部7j及び7k内に、保持用重錘7oが上下方向に摺動自在に配設されている。この保持用重錘7oは、覆い板7nの下側の開放部の高さより高い高さを有すると共に、コ字状ロウ箔6の奥行き及び長さと略等しい奥行き及び長さを有し、且つコ字状ロウ箔6の装入側の下端面にコ字状ロウ箔6の高さより僅かに高い高さ位置から右下がりに傾斜して下端面に達する傾斜案内面7pが形成され、さらにコ字状ロウ箔6が変形しない程度の重さに設定されている。
このロウ箔移動装着機構7hは、先ず、保持部7j及び7kにコ字状ロウ箔6を保持していない状態では、保持用重錘7oの下面が基台7iに接触して、その上端面が覆い板7nの下端面より上方となって、覆い板7nによって保持用重錘7oが外方に飛び出すことなく保持されている。この状態で、ロウ箔移動装着機構7hを搬送機構によってコ字状ロウ箔供給部7eに移動させ、その保持部7j及び7kの開放部をカートリッジ7c,7dの挿通孔7bに近接対向させる。
この状態で、押し出し治具7eを作動させて両カートリッジ7c,7dの最下段に保持されているコ字状ロウ箔6を同時に押し出して保持部7j及び7kに装入する。これら保持部7j及び7kでは、コ字状ロウ箔6が装入されることにより、その先端が保持用重錘7oの傾斜案内面7pに接触することにより、コ字状ロウ箔6の装入に応じて保持用重錘7oが上方に持ち上げられ、コ字状ロウ箔6の装入が完了すると、その上面に保持用重錘7oが載置された状態となり、この保持用重錘7oの重さによってコ字状ロウ箔6が保持部7j及び7kより抜け出すことなく保持される。このコ字状ロウ箔6の保持状態では、そのカール部6dが基台7i及び覆い板7nより外方に突出させた状態で保持される。
その後、ロウ箔移動装着機構7hを、搬送機構を作動させることにより、コ字状ロウ箔供給部7fからロウ箔装着部7gに移動させ、保持部7j及び7kに保持したコ字状ロウ箔6のカール部6dが形成された開放端面を軸長側平角導体2の右端面及び周長側平角導体3の前端側左側面に対向させるように、両平角導体2及び3の中間位置に停止させ、この状態からロウ箔移動装着機構7hを左方に移動させて、保持部7jに保持されているコ字状ロウ箔6を軸長側平角導体2の右端面に嵌合し、その後ロウ箔移動装着機構7hを右方の周長側平角導体3側に移動させることにより、コ字状ロウ箔6が軸長側平角導体2に嵌合されているので、このコ字状ロウ箔6が保持部7jから離脱して、保持用重錘7oが自重によって下降して基台6iの上面に接触する初期位置に復帰する。
その後、保持部7kに保持されているコ字状ロウ箔6を周長側平角導体3の前端側右側面に嵌合させてからロウ箔移動装着機構7hを中間位置に復帰させることにより、周長側平角導体3に嵌合したコ字状ロウ箔6が保持部7kから離脱して保持用重錘7oが自重によって下降して基台6iの上面に接触する初期位置に復帰する。
このコ字状ロウ箔の装着完了後に、ロウ箔移動装着機構7hをコ字状ロウ箔供給部7eに移動させることにより、再度カートリッジ7c,7dに格納されたコ字状ロウ箔6を保持部7j及び7kに保持して、上記動作を繰り返す。
図2において、位置決め保持機構8は、軸長側平角導体2の前側面を高周波加熱インダクタ4の左側で受けて、軸長側平角導体2の前後方向の位置決めを行う軸長側位置決め治具8aと、この軸長側位置決め治具8aと軸長側平角導体3を挟む反対側に対向して配置された軸長側平角導体2の後側面及び上面を同時に押し当てる軸長側固定チャック8bと、周長側平角導体3の左側面を高周波加熱インダクタ4の後方側で受けて、周長側平角導体3の左右方向の位置決めを行う周長側位置決め治具8cと、この周長側位置決め治具8cと周長側平角導体3を挟む反対側に対向して配置された周長側平角導体3の右側面に押し当てる押し当て治具8dと、周長側位置決め治具8cの後方側で周長側平角導体3の左側面及び上面を同時に押し当てる周長側固定チャック8eと、高周波加熱インダクタ4の右側面と対向して周長側平角導体3の前端側の右側面に押し当てる押し当てセラミック板8fと、この押し当てセラミック板8fを周長側平角導体3の左右方向の熱膨張を許容するように押圧する弾性体としての押圧スプリング8gとで構成されている。そして、この位置決め保持機構8で、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3をそのコ字状ロウ箔6が背中合わせに当接する突き合わせ位置Pを高周波加熱インダクタ4の貫通孔44eに対応する位置とする関係で位置決め保持する。
上側押圧機構9は、高周波加熱インダクタ4に載置された絶縁・耐熱セラミック板5上に位置決めされた軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のコ字状ロウ箔6が装着されたロウ付け位置を左右方向に跨ぐように上下方向に可動自在に配設された押し当てセラミック治具9aと、この押し当てセラミック治具9aの上面に連結されたユニバーサル・ジョイント構造を有する押し治具9bとで構成されている。
赤外線放射温度計10は、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置近傍に、赤色のガイドスポット光を照射して、ロウ付け位置近傍の温度を計測し、計測した温度検出情報Tdを図6(a)に示すように高周波加熱電源回路11及びシーケンサ12に出力する。
高周波加熱電源回路11は、赤外線放射温度計10で計測した温度検出情報Tdがフィードバック情報として入力されると共に、高周波加熱目標温度を設定する高周波加熱温度設定器13で設定された高周波加熱目標温度T* が入力され、例えば下記(1)式に示すように、高周波加熱目標温度T* から温度検出情報Tdを減算した温度偏差e(=T* −Td)に比例制御ゲインKpを乗算した値と、温度偏差eの積分値∫edtに積分制御ゲインKiを乗算した値と温度偏差eの微分値de/dtに微分制御ゲインKdを乗算した値とを加算して電源指令値Pを算出し、算出した電源指令値Pに基づいて高周波加熱インダクタ4の水冷銅パイプ46に供給する高周波電力の周波数及び電力値の一方又は双方を調整して、ロウ付け位置での加熱温度を適正値にPID制御すると共に、高周波電力データをシーケンサ12に出力する。
P=Kp・e+Ki・∫edt+Kd・de/dt ………(1)
また、シーケンサ12では、ロウ付け位置の許容上限温度及び許容下限温度が設定され、赤外線放射温度計10から入力される温度検出情報Tdが過渡的状態を除く定常状態で許容上限温度及び許容下限温度の許容温度範囲内である場合には、警報回路14に対する警報信号の出力が停止されているが、温度検出情報Tdが許容温度範囲外となると、警報信号を警報回路14に出力して、警報音の発生及び警報表示の点灯の何れか一方又は双方を行う警報発生処理を実行する。図6(b)に示すように許容下限温度ぎりぎりで温度検出情報Tdが許容温度範囲となったときには、許容下限温度に達した時点から計測を開始し許容最低保持時間に達しないときは、警報信号を警報回路14に出力して、前記警報発生処理を実行する(A波形)。また、許容最低保持時間を超えるときは警報の出力は実行されない。警報の出力の有無に係わらずロウ付けは所定ロウ付け時間まで実行される(B波形)。所定ロウ付け時間に達すると、高周波加熱電源回路11に対して高周波加熱インダクタ本体49に対する高周波電力の供給を停止させる電力出力停止指令を出力する。さらに入力された温度検出情報Td、高周波電力データ及び警報の発生状況情報を逐次パーソナルコンピュータ15に出力して、このパーソナルコンピュータ15のハードディスク等の記憶装置に履歴情報として記憶すると共に、加熱温度推移波形を表示画面に表示する。パーソナルコンピュータ15に記憶されている履歴情報から該当するロウ付け時の温度検出情報Td、警報発生状況情報及び高周波電力データを抽出し、抽出した情報を解析することにより、ロウ付け品質状況を正確に分析することが可能となる。
図6(c)に示すように、高周波電力の供給が一定にもかかわらず加熱時の上昇温度がバラツキ、例えばC波形とD波形のように許容下限温度までに達する時間が異なっても許容下限温度に達した時点からの所定ロウ付け保持時間thまで、ロウ付けを維持し、時間に達すると前記高周波加熱電源回路11に対して高周波加熱インダクタ本体49に対する高周波電力の供給を停止させる電力停止指令を出力する。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
先ず、ロウ箔装着装置7のロウ箔移動装着機構7hを図5(a)〜(c)に示すようにロウ箔供給部7fに移動させて、その保持部7j及び7kの開放部をカートリッジ7c及び7dの挿通孔7bに近接対向させる。この状態で、押し出し治具7eでカートリッジ7c及び7dからコ字状ロウ箔6を同時に押し出して、ロウ箔移動装着機構7hの保持部7j及び7kに保持用重錘7oを上方に押し上げながら保持させる。これと同時に又はその前後にロウ付け対象となる軸長側平角導体2及び周長側平角導体3をロウ箔装着装置7のロウ箔装置部7gの所定位置に、図5(c)に示すように、ロウ付け位置となる軸長側平角導体2の前端面と周長側平角導体3の前端側左側面とを所定間隔を保って対向させて位置決め保持する。
次いで、ロウ箔移動装着機構7hをロウ箔装着部7gに下降させて、その保持部7j及び7kで保持したコ字状ロウ箔6をそれぞれ軸長平角導体2の前端面及び周長側平角導体3の前端側左側面と対向させる。次いで、ロウ箔移動装着機構7hを左方に移動させて、保持部7jで保持しているコ字状ロウ箔6を軸長側平角導体2の前端面に嵌合させてからロウ箔移動装着機構7hを右方に移動させて、保持部7kで保持しているコ字状ロウ箔6を周長側平角導体3の前端側左側面に嵌合させる。その後、ロウ箔移動装着機構7hを左右方向の中央位置に復帰させてから上昇させてコ字状ロウ箔供給部7fに戻す。
コ字状ロウ箔6が装着された軸長側平角導体2及び周長側平角導体3は、搬送ロボット等の搬送手段によって図1に示す高周波加熱インダクタ4上に配置された絶縁・耐熱セラミック平板5上に移送され、図2に示すように軸長側平角導体2の前端面を位置決め治具8aに当接させると共に、周長側平角導体3の左側面を位置決め治具8cに当接させて、軸長側平角導体2の前端面と周長側平角導体3の前端面とが面一となり、両平角導体2及び3のロウ付け位置に装着されたコ字状ロウ箔6同士を背中合わせに突き合わされて、その突き合わせ位置Pが図1に示すように高周波加熱インダクタ4の貫通孔44eの中央位置となるように押し当て治具8dで周長側平角導体3を押し付けて位置決めし、この位置決めが完了すると、固定チャック8b及び8eで軸長側平角導体2及び周長側平角導体3を固定保持すると共に、押し当てセラミック板8fを周長側平角導体3の前端側右側面を押圧スプリング8gを介して押し当てる。その後、上側押圧機構9の押し当てセラミック治具9aで軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置を跨いで押圧することにより、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3を絶縁・耐熱セラミック平板5に密着させて、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3の下面と高周波加熱インダクタ4の平坦面とを一定間隔に保持する。
この軸長側平角導体2及び周長側平角導体3の固定保持が完了すると、例えばシーケンサ12から高周波加熱電源回路11に対して高周波電力の供給を開始する電力供給指令を出力すると共に、水冷銅パイプ46内への冷却水の通水を開始する。高周波加熱電源回路11ではシーケンサ12からの電力供給指令を受けると、高周波加熱インダクタ4の高周波加熱インダクタ本体49に対して所定周波数で所定電力値の高周波電力の供給を開始する。
このように、高周波加熱インダクタ本体49に対して高周波電力を供給すると、水冷銅パイプ46の加熱部46h及び46cにおける積層コア48及び47で形成される磁界によって、これらと対向している軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置に装着されたコ字状ロウ箔6近傍に二次電流が誘導されて加熱される。
この加熱によって赤外線放射温度計10で計測されるロウ付け位置の温度が高周波加熱電源回路11にフィードバックされ、この高周波加熱電源回路11でPID制御が行われて、赤外線放射温度計10で計測される温度が設定温度範囲内となるように高周波加熱インダクタ4の高周波加熱インダクタ本体49に供給する高周波電力の周波数又は電力値の何れか一方又は双方が制御される。
このとき、高周波加熱インダクタ本体49とロウ付け対象となる軸長側平角導体2及び周長側平角導体3との間に段差を生じることがないと共に、これら軸長側平角導体2及び周長側平角導体3と高周波加熱インダクタ本体49の加熱部46h,46c及び積層コア47,48との間の距離が一定値となるので、コ字状ロウ箔6が装着されるロウ付け位置が均一に加熱される。
そして、赤外線放射温度計10で計測されるロウ付け位置の温度が設定温度範囲内となると、許容下限温度に達した時点から計測を開始し、許容最低保持時間に達しないときは、警報信号を警報回路14に出力して、前記警報発生処理を実行する。すなわち、警報音を発するか又は警報ランプの点灯等の警報表示を行うことにより、オペレータに警報を発する。また、許容最低保持時間を超えるときは警報の出力は実行されない。警報の出力の有無に係わらずロウ付けは所定ロウ付け時間まで実行される。また、許容下限温度に最初から達しない場合は、所定ロウ付け時間以下に設定された時間に達した時点で前記の警報発生処理を実行する。さらに、前記温度範囲の許容上限温度を所定時間超えて加熱温度が維持されたときに前記シーケンサ12から電力出力停止指令が高周波加熱電源回路11に出力され、これに応じて高周波加熱電源回路11で高周波加熱インダクタ本体49に対する高周波電力の供給が停止される。
このように、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3が高周波加熱によって設定温度範囲に制御されることにより、コ字状ロウ箔6が均一に溶融して、軸長側平角導体2の前端面及び周長側平角導体3の左側面間の突き合わせ位置における垂直板部6aが溶融してその体積が減少した場合に、水平板部6b及び6cも同時に溶融状態となっているので、これら水平板部6b及び6cの溶融分が突き合わせ位置Pに集まって余盛りが形成されると共に、円弧状のフィレットも形成されることにより、突き合わせ位置の溶融ロウ材が不足して凹部が形成されることを確実に防止することができ、オペレータが差しロウを行う必要もない。
この軸長側平角導体2及び周長側平角導体3の高周波加熱状態が継続されることにより、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3に熱膨張を生じることになるが、周長側平角導体3はその高周波加熱インダクタ4に対応する前端側の右側面が押圧スプリング8gを介して押し当てセラミック治具8fで保持されているので、押圧スプリング8gが収縮することにより、軸長側平角導体2及び周長側平角導体2の熱膨張を許容することができ、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3の突き合わせ位置Pでの熱膨張によるせり上がりやせり下がりを確実に防止することができ、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3と高周波加熱インダクタ本体49の加熱部46h,46cと積層コア47,48との間隔を一定に保持することができる。
その後、ロウ付け加熱時間が設定時間に達すると、シーケンサ12から電力出力停止指令が高周波加熱電源回路11に出力され、これに応じて高周波加熱電源回路11で高周波加熱インダクタ本体49に対する高周波電力の供給が停止され、これによって軸長側平角導体2及び周長側平角導体3の誘導加熱が終了され、その後冷却されてロウ材が完全に固化したら上側押圧機構9を上方に退避させると共に、押し当て治具8d及び押し当てセラミック治具8fを右方に退避させてから固定チャック8b及び8eを解放して、ロウ付けされた軸長側平角導体2及び周長側平角導体3を所要の搬送機構で高周波加熱インダクタ4上から外部に搬送する。
ここで、前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体のロウ付け位置でのロウ付け部において、ロウ付け終了後、自然冷却の代わりに直後に直ちにロウ付け部をガスノズル機構102により強制冷却することも可能である。この方法によれば冷却時間を半分以下に短縮することができ、全体のロウ付け作業時間を短縮することができる。
このとき、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3は、絶縁・耐熱セラミック平板5上に載置されており、ロウ付け終了後所定時間保持すれば、ロウ付けされた両平角導体2及び3に付着して離れないということがなく、また繰り返しロウ付けを行っても焼損や破損することがないので、人手作業による交換の煩わしさがなくなるだけでなく、ロウ付けにおける自動化への支障になることがない。
このように、上記実施形態によると、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3の突き合わせ位置Pでのロウ付けを自動的に容易に行うことができる。このとき、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置にコ字状ロウ箔6をロウ箔装着装置7で装着してから高周波加熱インダクタ4の平坦面に配置した絶縁・耐熱セラミック平板5に載置して位置決め保持機構8で位置決め保持したのち高周波加熱インダクタ4に高周波加熱電源回路11から高周波電力を供給することにより、軸長側平角導体2及び周長側平角導体3のロウ付け位置を均一に誘導加熱してコ字状ロウ箔6を溶融させるので、溶融したロウ材が突き合わせ位置Pに集まって余盛り状態となることにより、この突き合わせ位置Pでロウ材が不足して凹状となるロウ付け不良を確実に防止することができると共に、使用するロウ材量が一定化される。また、必要により、図1(b)に示すように、位置決め保持されたコ字状ロウ箔の接合部の上にロウ棒配置装置101によってロウ棒100を載せてロウ付けすることもできる。この方法は、余盛りの高さをコ字状ロウ箔よりも高く確保したい場合、あるいはロウ付け保持時間をより長く確保したい場合に便利である。単にロウ棒を載せたから余盛り高さが単純に確保されるというのではなく、溶けているロウ材は液状ながらある粘性をもっており、重力で単純にたれ落ちるという現象を防ぐだけでなく、毛細管現象で前記コ字状ロウ箔の接合箇所に浸透していくと同時にロウ棒の体積重量分が粘性をもっているためロウの急激なたれ落ち(落下)を防ぎ、ロウ付け保持時間をより長く確保できるというメリットが付加される。ここである程度の粘性とロウ棒の体積重量分があるからその分保持時間が長くなるということだけでなく、ロウ付けされている上側(上面)と下側(下面)とにおいてロウ材量の多い上側と少ない下側との一種の引っ張り合いがあり、重力と毛細管現象との下側に働く力よりもロウ材の体積重量分と粘性分との力が僅かに勝るためにロウの下側への移動が極めてゆっくりとなり、その分ロウ付け保持時間を長くしても余盛り高さの必要な分を確保できるということになる。ロウ付け保持時間を長く確保できるということは自動ロウ付けの場合、最適ロウ付け条件の範囲を結果的に広くできるということにもつながる。
また、赤外線放射温度計10でロウ付け位置の温度を検出し、この計測温度情報を高周波加熱電源回路11に供給して、高周波加熱温度設定器13で設定した高周波加熱目標温度との偏差に基づいて高周波加熱インダンク4の高周波加熱インダクタ本体49に供給する高周波電力の周波数及び/又は電力値を制御することにより、ロウ付け位置の温度を設定温度範囲に確実に維持することができ、熟練者による高周波電力制御を必要とすることなく、正確なロウ付け処理を行うことができる。
しかも、赤外線放射温度計10で計測した計測温度がシーケンサ12に供給され、このシーケンサ12で、計測温度が予め設定した設定温度範囲外となったときに警報回路14に対して警報信号を出力して、この警報回路でオペレータに対して警報を発することができ、オペレータが異常発生を確実に認識することができる。さらに、前記温度範囲の許容上限温度を所定時間超えて加熱温度が維持されたときに前記シーケンサ12から電力出力停止指令が高周波加熱電源回路11に出力され、これに応じて高周波加熱電源回路11に出力され、これに応じて高周波加熱電源回路11で高周波加熱インダクタ本体49に対する高周波電力の供給が停止される。これは万一、赤外線放射温度計による計測温度情報に基づく一定温度の制御が働かずに加熱の上昇が暴走した場合には、許容上限温度を超えて所定時間で高周波電力の供給が停止すればオーバーヒートによる機器の障害が防げることになる。このとき、赤外線放射温度計10での計測温度と高周波加熱電源回路11から出力される高周波電力情報とがパーソナルコンピュータ15に供給されて、ハードディスク等の記憶手段に履歴情報として記憶されると共に、ロウ付け位置での温度推移状況がディスプレイに表示されるので、異常発生状況の把握を容易に行うことができる。
さらに、高周波加熱インダクタ本体49を構成する水冷銅パイプ46の加熱部46c及び46hからの折り返し部がこれら加熱部46c及び46hの下側に形成されているので、高周波加熱インダクタ4の幅を狭くすることが可能となり、高周波加熱インダクタ4を小型化することができる。
なお、上記実施形態においては、水冷パイプを銅パイプで形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、導電性金属で形成することができ、また角筒状に形成する場合に限らず、円筒状に形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、温度計測手段として赤外線放射温度計10を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の非接触式の温度計を適用することができる。
さらに、上記実施形態においては、コ字状ロウ箔6を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、コ字状ロウ箔6の垂直板部6aを背中合わせに合体させた両側コ字状部を有するI字状ロウ箔を適用し、このI字状ロウ箔の一方のコ字状部を例えば軸長側平角導体2の前端面に装着し、次いで周長側平角導体3の前端側左側面をI字状ロウ箔の他方のコ字状部に装入するようにしてもよい。また、コ字状ロウ箔6としては、銀ロウ材で形成する場合に限らず、りん銅ロウ材等の他のロウ材を適用するとこができる。
さらにまた、上記実施形態においては、絶縁・耐熱セラミック平板5を2枚の板部5a及び5bで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、高周波加熱インダクタ4の貫通孔44eに対応する切り込み部を設けた1枚の絶縁・耐熱セラミック板で構成するようにしてもよい。
なおさらに、上記実施形態においては、筐体44をエポキシガラスで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、所定の機械的強度を有する非導電性の合成樹脂材で構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、シーケンサ12にパーソナルコンピュータ15を接続して、履歴情報を記憶すると共に、温度推移状況を表示するようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、シーケンサ12自体に履歴情報記憶機能と、温度推移状況表示機能を設けるようにしてもよく、あるいはパーソナルコンピュータ15に代えて履歴情報記憶機能及び温度推移状況表示機能を備えた専用の機器を設けるようにしてもよい。
(a)は 本発明の一実施形態を示す一部を断面とした正面図である。 (b)は(a)のコ字状箔の上にロウ棒を載せた状態を示す図である。 図1の平面図である。 本発明に適用し得る高周波加熱インダクタを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は絶縁・耐熱セラミック平板の平面図、(d)は(a)でのA−A線端面図である。 軸長側平角導体及び周長側平角導体へのコ字状ロウ箔の装着状態を示す説明図である。 コ字状ロウ箔装着装置の構成を示す図であり、(a)はカートリッジの側面図、(b)はコ字状ロウ箔供給部を示す断面図、(c)はコ字状ロウ箔装着部を示す断面図である。 本発明の実施例で、(a)は高周波加熱インダクタの電源制御系統を示すブロック図、(b)は所定ロウ付け時間で加熱が停止する温度制御波形、(c)は所定ロウ付け保持時間で加熱が停止する温度制御波形である。 ロータコイルのスパイラル形状を説明する図である。 従来のロウ付け継ぎ手を示す図である。 従来の高周波加熱インダクタで加熱するときの平角導体の突き合わせ状態を示す説明図である。 従来の高周波加熱の人手によるロウ付け状態を示す説明図である。
符号の説明
1 ロウ付け装置
2 軸長側平角導体
3 周長側平角導体
4 高周波加熱インダクタ
43 基台
44 筐体
46 水冷銅パイプ
46c,46h 加熱部
47,48 積層コア
49 高周波加熱インダクタ
50 絶縁・耐熱石膏
5 絶縁・耐熱セラミック平板
6 コ字状ロウ箔
7 ロウ箔装着装置
7c,7d カートリッジ
7e 押し出し治具
7f コ字状ロウ箔供給部
7g ロウ箔装着
7h ロウ箔移動装着機構
7j,7k 保持部
7o 保持用重錘
7p 傾斜案内面
8 位置決め保持機構
9 上側押圧機構
10 赤外線放射温度計
11 高周波加熱電源回路
12 シーケンサ
13 高周波加熱温度設定器
14 警報回路
15 パーソナルコンピュータ
100 ロウ棒
101 ロウ棒配置装置
102 強制冷却ガスノズル

Claims (15)

  1. 電機機器の回転子に設けられたロータコイルの四隅をロウ付けするロータコイルのロウ付け装置において、
    積層コアと水冷導電性パイプとで構成される高周波加熱インダクタ本体を当該積層コアを平坦面に臨ませて固定保持した高周波加熱インダクタと、該高周波加熱インダクタの平坦面上に配設された絶縁・耐熱用分離板と、前記ロータコイルを構成する軸長側平角導体及び周長側平角導体の互いに直角に突き合わせたロウ付け位置にロウ箔を装着するロウ箔装着装置と、前記ロウ箔装着装置でロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を互いのロウ箔で接合させ、その接合位置が前記絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持する位置決め保持機構と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体の突き合わせ位置近傍を上方から押圧する押圧機構と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔接合位置の温度を計測する温度計測手段と、該温度計測手段で計測した温度情報が入力される前記高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給する高周波加熱電源制御手段とを備えたことを特徴とするロータコイルのロウ付け装置。
  2. 電機機器の回転子に設けられたロータコイルの四隅をロウ付けするロータコイルのロウ付け装置において、
    積層コアと水冷導電性パイプとで構成される高周波加熱インダクタ本体を当該積層コアを平坦面に臨ませて固定保持した高周波加熱インダクタと、該高周波加熱インダクタの平坦面上に配設された絶縁・耐熱用分離板と、前記ロータコイルを構成する軸長側平角導体及び周長側平角導体の互いに直角に突き合わせたロウ付け位置にロウ箔を装着するロウ箔装着装置と、前記ロウ箔装着装置でロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を互いのロウ箔で接合させ、その接合位置が前記絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持する位置決め保持機構と、該位置決め保持機構で位置決め保持された互いのロウ箔の接合位置にロウ棒を配置するロウ棒配置装置と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体の突き合わせ位置近傍を上方から押圧する押圧機構と、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ箔接合位置の温度を計測する温度計測手段と、該温度計測手段で計測した温度情報が入力される前記高周波加熱インダクタ本体に高周波電力を供給する高周波加熱電源制御手段とを備えたことを特徴とするロータコイルのロウ付け装置。
  3. 前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体の突合せ位置をロウ付けした後のロウ付け部を強制的に空冷する強制空冷手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2の何れか1つに記載のロータコイルのロウ付け装置。
  4. 前記強制空冷手段は、前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体のロウ付け位置でのロウ付け部において、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部を強制空冷するガスノズル機構を備えていることを特徴とする請求項3に記載のロータコイルのロー付け装置。
  5. 前記高周波加熱インダクタは、前記高周波加熱インダクタ本体をその積層コアを上面に臨ませた状態で絶縁樹脂ガラス製の筐体内に配置した状態で、絶縁・耐熱石膏を流し込んで凝固させてから前記積層コアが臨む上面を平坦面に仕上げることにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載のロータコイルのロウ付け装置。
  6. 前記絶縁・耐熱用分離板は、前記高周波加熱インダクタの平坦面に密着可能で且つ前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に開口部を有するセラミック平板で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載のロータコイルのロウ付け装置。
  7. 前記ロウ箔装着装置は、軸長側平角導体及び周長側平角導体の互いに直角に突き合わせたロウ付け位置に個別に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載のロータコイルのロウ付け装置。
  8. 前記ロウ箔装着装置は、前記コ字状ロウ箔を多数段積み保持するカートリッジと、該カートリッジの最下段のコ字状ロウ箔を押し出す押し治具と、該押し治具で押し出されたコ字状ロウ箔を、受入位置で傾斜案内面を有する保持用重錘を押し上げながら当該コ字状ロウ箔の開放端面を外部に臨ませて装入保持すると共に、保持したコ字状ロウ箔を前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に移動して当該軸長側平角導体及び周長側平角導体に装着するロウ箔移動装着機構とを備えていることを特徴とする請求項7記載のロータコイルのロウ付け装置。
  9. 前記高周波加熱電源制御手段は、温度計測手段で検出した温度情報がフィードバック情報として入力され、該フィードバック情報と目標温度情報との偏差に基づいて高周波加熱インダクタに供給する高周波電力を制御する高周波電力制御手段と、前記温度計測手段で計測した温度情報が設定された温度範囲内にあるか否かを判定し、温度範囲外であるときに警報を発する警報手段と、前記温度範囲の許容上限温度を所定時間超えて加熱温度が維持されたときに高周波電力の供給を停止させる高周波電力停止手段と、前記高周波電力制御手段の制御情報が入力される制御履歴格納手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載のロータコイルのロウ付け装置。
  10. 前記高周波加熱電源制御手段と前記温度計測手段とによって、前記軸長側平角導体及び前記周長側平角導体のロウ付け位置をロウ付けする温度情報が設定された温度範囲の許容下限温度に到達した時点から所定ロウ付け保持時間までロウ付け温度を保持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1つに記載のロータコイルのロウ付け装置。
  11. 前記位置決め保持機構は、前記軸長側平角導体及び周長側平角導体を直角となるように互いにロウ付け位置を突き合わせて位置決めする当該ロウ付け位置から離れた位置に設けられた位置決め治具と、該位置決め治具で位置決めした前記軸長側平角導体及び周長側平角導体をその側面部及び上面部を同時に保持する固定チャック機構と、ロウ付け位置が側面部となる前記軸長側平角導体及び周長側平角導体の一方のロウ付け位置とは反対側の側面を熱膨張を許容可能に押圧する押圧機構とを備えていることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載のロータコイルのロウ付け装置。
  12. 電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、
    前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップとを備えたことを特徴とするロータコイルのロウ付け方法。
  13. 電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、
    前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、位置決め保持された互いのコ字状ロウ箔の接合位置にロウ棒を載置するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップとを備えたことを特徴とするロータコイルのロウ付け方法。
  14. 電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、
    前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップと、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部を強制空冷するステップとを備えたことを特徴とするロータコイルのロウ付け方法。
  15. 電機機器の回転子に設けられたロータコイルを構成する一対の軸長側平角導体及び一対の周長側平角導体をロウ付けするロータコイルのロウ付け方法において、
    前記軸長側平角導体及び周長側平角導体のロウ付け位置に断面コ字状に形成されたコ字状ロウ箔を装着するステップと、前記コ字状ロウ箔を装着した軸長側平角導体及び周長側平角導体を、互いのコ字状ロウ箔が接合し、その接合位置が積層コアと水冷導電性パイプとを有する高周波加熱インダクタ本体を有する高周波加熱インダクタ上に配設した絶縁・耐熱用分離板上となるように位置決め保持するステップと、位置決め保持された互いのコ字状ロウ箔の接合位置にロウ棒を載置するステップと、前記ロウ付け位置での温度を検出しながら前記高周波加熱インダクタ本体に供給する高周波電力を制御して加熱するステップと、ロウ付け終了直後に直ちにロウ付け部を強制空冷するステップとを備えたことを特徴とするロータコイルのロウ付け方法。
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