JP2004222467A - 埋込磁石型モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】トルクのリップルを低減することができる埋込磁石型モータを提供すること。
【解決手段】埋込磁石型モータのロータは、電磁鋼鈑からなる第1ロータコア8及び第2ロータコア9を備えており、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間には非磁性体からなる第3ロータコアが挟み込まれている。第1ロータコア8及び第2ロータコア9は磁石が軸方向に直列状態となるように配列されている。第1ロータコア8及び第2ロータコア9は、周方向において互いに異なる間隔で形成されたバーを有した第1〜第4コア部13〜16,26〜29を備えて形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】埋込磁石型モータのロータは、電磁鋼鈑からなる第1ロータコア8及び第2ロータコア9を備えており、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間には非磁性体からなる第3ロータコアが挟み込まれている。第1ロータコア8及び第2ロータコア9は磁石が軸方向に直列状態となるように配列されている。第1ロータコア8及び第2ロータコア9は、周方向において互いに異なる間隔で形成されたバーを有した第1〜第4コア部13〜16,26〜29を備えて形成されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は埋込磁石型モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高効率モータとしては、埋込磁石型モータがある。埋込磁石型モータは、ロータコア内にマグネットが埋設されたロータを有するモータであり、ステータが作り出す回転磁界とロータとの間のマグネットトルクに加え、ロータ表面に形成される回転磁界の磁路に基づくリラクタンストルクを有効に利用することにより高いモータ効率を得ることができる。
【0003】
ところで、一般にステータに形成されたティースの本数は、ロータに埋設されたマグネット及び該マグネットの間に形成される磁路形成部の数の整数倍に設定されている。従って、ロータの径方向において互いに隣り合う磁路形成部の周方向中心と、対向するティースの周方向中心が径方向に径方向に一致する。その結果、マグネットの周方向両側に形成された両磁路形成部にティースから同時に直線的なコイル磁束の流れを形成することによりブレーキトルクが発生し、該ブレーキトルクによりモータから出力されるトルクにリップルが発生する。このリップルを低減するため、例えば特許文献1には、任意の高さに積層された複数の回転子鉄心を相対的に回転させて積層したスキュー構造をとる回転子が開示されている。回転子はスキュー構造をとることによって固定子の周方向において複数のティースと対向する磁路形成部の面積を小さくすることで、ティースと磁路形成部の間の直線的なコイル磁束を減少させ、トルクのリップルを低減している。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−236687号公報(図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1のモータでは、同じ形状の回転子鉄心を周方向に回転させて積層しているため、ステータの巻線に対するマグネットの有効磁束が減少し、マグネットトルクとリラクタンストルクとの和によって求められる回転子のトルクが低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、トルクの低下を抑制することができる埋込磁石型モータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、円筒状に形成され周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティースに巻線が巻回されたステータと、周方向に沿って軸方向に貫通する収容孔が形成され、各収容孔に径方向外側の磁極が周方向に沿って交互にN極とS極となるように複数の磁石が配設され、周方向に隣り合う磁石の間に径方向に沿って延びる磁路形成部が形成されたロータコアを有し前記ステータの内側に回転可能に収容されるロータと、を備え、前記ロータコアは周方向に沿って複数のコア部から構成され、前記複数のコア部のうちの少なくとも1つのコア部を前記磁路形成部が前記ロータコアの全周を前記磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成し、その他のコア部を前記磁路形成部が前記磁路形成部の総数で除した角度間隔と異なる間隔で形成した。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ロータは、複数のロータコアを回転軸の軸方向に配列するとともに、前記各ロータコアの磁石が軸方向に直列するように配列した。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ロータコアは非磁性体を介して積層した。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記磁石は前記ロータの軸線方向に一体に形成した。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記磁石は前記ロータコア毎に形成した。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記磁石は周方向の幅が前記ロータコア毎に前記磁路形成部の間隔に対応して形成した。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記ロータコアは、前記各コア部の特性に応じて、前記磁路形成部が前記ロータコアの全周を前記磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成されたコア部と、該コア部におけるトルクリップルを略打ち消すように前記磁路形成部が形成されたコア部とを備えて形成した。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、コア部のうちの少なくとも1つは磁路形成部がロータコアの全周を磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成され、その他のコア部はそれとは異なる角度間隔で磁路形成部が形成されている。そのため磁路形成部はロータコアの周方向に沿って不等角度間隔で形成される。従って、磁路形成部とティースとの間の直線的なコイル磁束が低減され、トルクリップルが減少される。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ロータを複数のロータコアから形成することで様々な特性を持つロータが形成される。また、各ロータコアのマグネットが軸方向に直線的に配列されることで該マグネットの有効磁束の減少が抑えられ、トルクの低減が抑制される。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、ロータコアの間に非磁性体を挟み込むことにより積層されたロータコア間における磁束漏れが防止される。従って、各ロータコアの磁束が有効に活用される。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、ロータに配設される磁石は該ロータの軸線方向において一体であるため、部品点数の増加が防がれる。
請求項5に記載の発明によれば、磁石がロータコア毎に形成されているため各ロータコアはロータコア単位で適宜組み合わせを変更して配列可能である。従って、様々な特性のロータが容易に構成される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、各ロータコアに配設される磁石の形状は磁路形成部の周方向の間隔に対応して異なっている。そのためマグネットの形状を区別することができ、該マグネットをロータに組み付ける際の誤組み付けが防止される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、磁路形成部がロータコアの全周を磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成されたコア部のトルクリップルが略相殺されてリップルが低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を埋込磁石型モータに具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0019】
図1に示すように、埋込磁石型モータ1は、略有底筒状をなすケース2の内周に固着されたステータ3と、ロータ4と、を備える。ステータ3は、その内周に等角度間隔にて配設された複数のティース5を有し、当該各ティース5は、ステータ3の内周から軸中心に向かって延設されている。本実施形態では、各ティース5は、等角度間隔にて48本設けられている。各ティース5には、インシュレータ6を介してコア巻線7が巻回されている。尚、図4においては、インシュレータ6及びコア巻線7を省略している。そして、本実施形態では、コア巻線7は、中心角が互いに45°の位置関係にあるティース5に分布巻きにて巻回され、当該コア巻線7には、位相差120°の3相交流電流が供給される。
【0020】
図2に示すように、ロータ4は、第1ロータコア8、第2ロータコア9、第3ロータコア10を備えている。本実施形態では、第1ロータコア8及び第2ロータコア9はそれぞれ円盤状に形成された電磁鋼鈑を所定枚積層して形成されており、第3ロータコア10は円盤状に形成された非磁性体(本実施形態ではプラスティック)にて形成されている。第1ロータコア8と第2ロータコア9は軸方向に配列されており、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間には第3ロータコア10が挟み込まれている。即ち、本実施形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9は第3ロータコア10を介して軸方向に積層されている。尚、図2は第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10の積層状態の概略図であり、詳細な箇所については図示を省略している。
【0021】
第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10はピン11(図4参照)が軸線方向に貫通されており、一体的に組み付けられているとともに、第1ロータコア8と第3ロータコア10と第2ロータコア9の周方向の相対的なずれを防いでいる。ロータ4には軸線方向に一体形成された長四角形状の磁石(マグネット)12が複数配設されている。マグネット12はロータ4の軸方向の長さがロータ4の軸方向の厚さと略同一に形成されている。
【0022】
第1ロータコア8、第2ロータコア9、第3ロータコア10の構成を詳述する。
図3(a)に示すように、第1ロータコア8は第1〜第4コア部13〜16を備えている。第1〜第4コア部13〜16は、それぞれ中心角が90°となる扇形に形成されている。第1コア部13は図において右上に形成されており、以下、時計回り方向に第2コア部14、第3コア部15、第4コア部16が形成されている。尚、図3(a)では第1ロータコア8を模式的に表したものであり、その詳細は図4に示している。
【0023】
図4に示すように、第1ロータコア8の軸心には第1ロータコア8を軸方向に貫通する軸孔8aが形成されている。軸孔8aの周囲には第1ロータコア8を軸方向に貫通する固定孔8bが周方向に沿って等間隔に複数(8つ)形成されている。
【0024】
第1ロータコア8の外周近傍には、当該第1ロータコア8を軸方向に貫通する収容孔17〜24が周方向に沿って等間隔に複数(8つ)形成されている。各収容孔17〜24にはそれぞれマグネット12が収容されている。
【0025】
各収容孔17〜24は、第1ロータコア8の周方向に沿って等角度間隔に形成されており、それぞれ径方向と直交する方向に沿って延びるように形成されている。各収容孔17〜24は、その径方向の幅が同一に形成されている。尚、前記固定孔8bは第1ロータコア8の軸中心と各収容孔17〜24の周方向中心とを結ぶ直線上に形成されている。
【0026】
各収容孔17〜24は、その両端部に磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bが形成されている。磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bは各収容孔17〜24に収容されたマグネット12の磁路が短絡されないように各収容孔17〜24の両端部から第1ロータコア8の径方向外側に向かって外周面近傍まで延設されている。
【0027】
第1ロータコア8の周方向において、隣り合う収容孔17〜24の間には磁路形成部としてのバー25が形成されている。磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bが第1ロータコア8の径方向外側に向かって延設されているため、該磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bの間に形成されるバー25は第1ロータコア8の径方向に沿って延びるように形成されている。尚、本実施形態においては説明を分かり易くするため1つのバー25をバー25aとし、図において以下時計回りにバー25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hとする。
【0028】
バー25は、第1ロータコア8の周方向における長さがティース5の周方向の長さと略等しく形成されている。
直線L1〜L4はそれぞれ第1ロータコア8の軸中心から径方向外側に延びており、第1ロータコア8を4等分する直線である。直線L1〜L4は第1ロータコア8が備える各コア部13〜16の境界を表している。具体的には直線L1は第1コア部13と第4コア部16との境界を表しており、直線L2は第1コア部13と第2コア部14との境界を表しており、直線L3は第2コア部14と第3コア部15との境界を表しており、直線L4は第3コア部15と第4コア部16との境界を表している。
【0029】
第1〜第4コア部13〜16にはバー25がそれぞれ2箇所ずつ形成されている。バー25の形成位置(間隔)は第1〜第4コア部13〜16によって異なっている。
【0030】
各収容孔17〜24の周方向の長さは第1〜第4コア部13〜16に形成されるバー25の位置に応じて設定されている。
第1コア部13に形成された直線L5は第1ロータコア8の周方向において該第1ロータコア8の軸中心と、バー25aの周方向中心と、を結ぶ直線を示しており、直線L6は第1ロータコア8の軸中心と、バー25bの周方向中心と、を結ぶ直線を示している。
【0031】
直線L1と直線L5とで作られる角度θ1は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の約2.63本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25aの形成位置が設定されている。尚、収容孔17cの長さは収容孔17のうちの第1コア部13側の長さのみを表している。従って、収容孔17全体の長さは収容孔17cの長さと第4コア部16側の収容孔17dの長さとを加算したものによって算出される。
【0032】
第1コア部13は第1ロータコア8の全周を第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度間隔とは異なる角度間隔でバー25a及びバー25bが形成されている。従って、直線L5と直線L6とで作られる角度θ2は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の6.75本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるように第1ロータコア8の周方向における両バー25a,25bの間隔が設定されている。
【0033】
直線L6と直線L2とで作られる角度θ3は、角度θ1と等しい角度になるように収容孔19cの長さが設定されている。尚、収容孔19は収容孔17と同様、第1ロータコア8の周方向に隣り合うコア部にまたがって形成されており、収容孔19の全体の長さは第1コア部13側の収容孔19cの長さと第2コア部14側の収容孔19dの長さとを加算したものによって算出される。また、収容孔21,23についても周方向に隣り合うコア部にまたがって該収容孔21,23が形成されており、収容孔21cの長さと収容孔21dの長さとを加算すること及び収容孔23cの長さと収容孔23dの長さとを加算することによって収容孔21,23の全体の長さが算出される。
【0034】
直線L7は、第1ロータコア8の周方向において該第1ロータコア8の軸中心とバー25cの周方向中心とを結ぶ直線を示しており、直線L8は、第1ロータコア8の軸中心とバー25dの周方向中心とを結ぶ直線を示している。直線L9は、第1ロータコア8の軸中心とバー25eの周方向中心とを結ぶ直線を示している。
【0035】
直線L2と直線L7とで作られる角度θ4は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の3本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25cの形成位置が設定されている。
【0036】
第2コア部14は第1ロータコア8の全周を第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度間隔でバー25c及びバー25dが形成されている。従って、直線L7と直線L8とで作られる角度θ5は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の6本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるように第1ロータコア8の周方向における両バー25c,25dの間隔が設定されている。
【0037】
直線L8と直線L3とで作られる角度θ6は、角度θ4と等しい角度になるようにバー25dの形成位置が設定されている。
第3コア部15は第1コア部13と同一形状に形成されており、第4コア部16は第2コア部14と同一形状に形成されている。従って、第3コア部15は、バーが第1ロータコア8の全周を該第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度と異なる間隔で形成されている。そして、第4コア部16は、バーが第1ロータコア8の全周を該第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度間隔で形成されている。
【0038】
そして、第1コア部13及び第3コア部15の形状をαで表し、第2コア部14及び第4コア部16の形状をβで表すと、このように形成された第1ロータコア8は模式的には図3(a)に示すように表される。
【0039】
次に、第2ロータコア9について説明する。
図3(b)及び図5に示すように、第2ロータコア9は第1〜第4コア部26〜29から構成されており、軸孔9a、固定孔9b、マグネット12、収容孔30〜37、磁束遮断孔30a,30b〜37a,37b及びバー38を備えている。
【0040】
尚、第2ロータコア9は第1ロータコア8を周方向に90°回転したものである。即ち、第2ロータコア9を構成する第1及び第3コア部26,28は、第1ロータコア8を構成する第2及び第4コア部14,16と同一形状に形成され、バーが第2ロータコア9の全周を該第2ロータコア9に形成されたバーの総数で除した角度間隔で形成されている。そして、第2ロータコア9を構成する第2及び第4コア部27,29は、第1ロータコア8を構成する第1及び第3コア部13,15と同一形状に形成され、バーが第2ロータコア9の全周を該第2ロータコア9に形成されたバーの総数で除した角度と異なる間隔で形成されている。
【0041】
このように形成された第2ロータコア9は模式的には図3(b)に示すように表され、第1ロータコア8と第2ロータコア9とは軸方向に異なる形状のコア部を配列して積層されている。尚、この際、θ1及びθ3と、θ4及びθ6とは角度が異なっているためバー25とバー38とが軸方向に沿って直列状態とならない。
【0042】
次に第3ロータコア10について説明する。
図6に示すように、第3ロータコア10は略円盤状に形成されており、その中心には軸孔10aが形成されている。軸孔10aの直径は第1ロータコア8の軸孔8a及び第2ロータコア9の軸孔9aの直径と等しく形成されている。軸孔10aの周囲には第3ロータコア10を軸方向に貫通する固定孔10bが周方向に沿って等間隔に複数(8つ)形成されている。固定孔10bと軸孔10aとの距離は第1ロータコア8に形成された固定孔8bと軸孔8aとの距離及び第2ロータコア9に形成された固定孔9bと軸孔9aとの距離と等しく形成されている。
【0043】
第3ロータコア10の外周近傍には、第3ロータコア10を軸方向に貫通する収容孔39が形成されている。
このように形成された第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10は、互いに形成された各軸孔8a,9a,10aと、各固定孔8b,9b,10bと、各収容孔17〜24,30〜37,39と、が軸線方向に連通するように積層されている。第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10が備える各固定孔8b,9b,10bにはピン11が貫挿されている。
【0044】
収容孔39は、その軸中心との距離が第1ロータコア8における各収容孔17〜24及び第2ロータコア9における各収容孔30〜37と軸中心との距離と同じに形成されている。更に、収容孔39は、その径方向の幅が各収容孔17〜24及び各収容孔30〜37の径方向の幅と同じに形成されている。従って、第1ロータコア8の各収容孔17〜24と、第2ロータコア9の各収容孔30〜37と、第3ロータコア10の収容孔39とは、ロータ4の径方向と直交する方向に延びる部分が互いに重合する。
【0045】
第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10が備える各収容孔17〜24,30〜37,39にはマグネット12が貫挿されている。
マグネット12は各収容孔17〜24,30〜37,39に、その磁束方向とロータ4の径方向とが一致するよう当該マグネット12の内側面12a(図6参照)又は外側面12b(図5及び図6参照)がN極又はS極となるように収容されている。マグネット12はロータ4の周方向に沿って等角度間隔に複数(本実施の形態において8つ)配設されている。
【0046】
マグネット12はロータ4における周方向片側に隣り合うマグネット12と2つ(外側面12bの磁極がN極となるものとS極となるものとを1つずつ)で1セットの磁極対12c(図5及び図6参照)を形成している。図4〜6に示すように、本実施形態のロータ4においては磁極対12cを4つ備えている。
【0047】
マグネット12が等角度間隔で配設されているため、各磁極対12cはロータ4の周方向において等角度間隔に配設されている。本実施形態においては磁極対12cの数が4つであるため、それぞれの磁極対12cは90°毎に配設されている。
【0048】
各収容孔17〜24,30〜37,39は、マグネット12が収容される部分の幅(径方向の長さ)が各マグネット12の厚み(径方向の長さ、即ちマグネット12の内側面12aから外側面12bまでの長さ)と略同一となるように形成されている。各マグネット12は、その内側面12a及び外側面12bが、径方向と直交する各収容孔17〜24,30〜37,39の両内壁面と密着し、該収容孔17〜24,30〜37,39内に固着されている。
【0049】
このように形成されたロータ4は図1に示すように、第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10が備える各軸孔8a,9a,10a内に回転軸40が圧入固定されている。そして、当該回転軸40がケース2及び蓋部41に設けられた軸受け42にて軸支されることにより、前記ステータ3に囲まれるようケース2及び蓋部41内に回転可能に支持収容されている。
【0050】
次に、上記のように構成された埋込磁石型モータの作用を図7に従って説明する。
図7は埋込磁石型モータ1から出力されるトルクの特性を表したグラフである。グラフの横軸はステータ3に対するロータ4の相対回転角度を表しており、グラフの縦軸はトルクの大きさを表している。埋込磁石型モータ1はロータ4を構成するロータコアによって出力されるトルクの特性が変化している。
【0051】
曲線C1は第1コア部13或いは第3コア部15と同一形状のコア部のみでロータを形成した場合に埋込磁石型モータ1から出力されるトルクを表す。曲線C2は第2コア部14或いは第4コア部16と同一形状のコア部のみでロータを形成した場合に埋込磁石型モータ1から出力されるトルクを表す。
【0052】
曲線C1及び曲線C2に示すように、第1コア部13或いは第3コア部15と同一形状のコア部のみで形成されたロータと、第2コア部14或いは第4コア部16と同一形状のコア部のみで形成されたロータを用いた埋込磁石型モータ1から出力されるトルクとではその特性(大きさ及び位相)が異なっている。
【0053】
尚、本実施形態においては埋込磁石型モータ1が備える第1ロータコア8と第2ロータコア9はそれぞれ周方向において第1コア部13或いは第3コア部15と第2コア部14或いは第4コア部16とが同数配設されている。従って、埋込磁石型モータ1の出力トルクは曲線C1と曲線C2との平均値を示す曲線C3によって表される。
【0054】
位相は、トルクの周期的な変化におけるステータ3に対するロータ4の相対回転角度である。従って、位相が異なるとはトルクが極大値となる時のステータ3に対するロータ4の相対回転角度が異なるということを表す。例えば、一方のトルクが極大値となる時に他方のトルクが極小値となる時、この2つのトルクは互いに逆位相の関係にあるという。
【0055】
第1ロータコア8において、直線L5と直線L6との間にはティース5が6.75本分の間隔でバー25a,25bが形成されており、直線L6と直線L7との間にはティース5が約5.63本分の間隔でバー25b,25cが形成されている。また、直線L7と直線L8との間にはティース5が6本分の間隔でバー25c,25dが形成されており、直線L8と直線L9との間にはティース5が約5.63本分の間隔でバー25d,25eが形成されている。
【0056】
従って、第1ロータコア8のバー25aの周方向中心とティース5の周方向中心とが第1ロータコア8の径方向に沿って直列状態となった時、同時に第1ロータコア8の径方向に沿ってティース5の周方向中心と直列状態となるのはバー25aと径方向に相反するバー25eの周方向中心のみとなる。また、バー25bの周方向中心とティース5の周方向中心とが第1ロータコア8の径方向に沿って直列状態となった時、同時に第1ロータコア8の径方向に沿ってティース5の周方向中心と直列状態となるのはバー25bと径方向に相反するバー25fの周方向中心のみとなる。また、バー25cの周方向中心とティース5の周方向中心とが第1ロータコア8の径方向に沿って直列状態となった時、同時に第1ロータコア8の径方向に沿ってティース5の周方向中心と直列状態となるのはバー25d,25g,25hのみとなる。
【0057】
また、第1ロータコア8のバー25と第2ロータコア9のバー38とはいずれもロータの軸線方向に沿って直列状態とならない。
従って、ロータ4が回転する時、同時にティース5と径方向に沿って直列状態となるバー25,38は所定のバー25,38のみとなりロータ4とティース5との間に形成される直線的なコイル磁束の流れは低減される。埋込磁石型モータ1はこのようにロータ4とティース5との間に形成される直線的なコイル磁束の流れが低減され、トルクリップルの発生が低減される。
【0058】
それに対して、各マグネット12はロータ4の軸方向に沿って延びている。そのためマグネット12の有効磁束の減少は抑制される。従って、埋込磁石型モータ1の出力トルクはリップルが低減されるとともに、出力トルクの低減が抑制される。
【0059】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)バー25,38は所定のバー25,38のみがロータ4の軸方向に沿って直列状態となるように第1ロータコア8及び第2ロータコア9に形成されている。従って、各バー25,38とティース5との間に同時に形成される直線的なコイル磁束が低減されトルクリップルが低減される。一方、各ロータコア8,9のマグネット12が軸方向に直線的に配列されることで該マグネット12の有効磁束の減少が抑えられ、埋込磁石型モータ1の出力トルクの低減が抑制される。
【0060】
(2)第1ロータコア8と第2ロータコア9とは積層時に互いのバー25,38が軸方向に沿って直列状態とならないように周方向における位置が設定されている。従って、ロータ4のバー25,38とステータ3のティース5との間に同時に形成される直線的なコイル磁束の流れが低減されることでトルクリップルの発生が低減される。
【0061】
(3)第1ロータコア8と第2ロータコア9との間には非磁性体からなる第3ロータコア10が挟み込まれている。そのため第1ロータコア8と第2ロータコア9との間で軸線方向に磁束が流れ込むことがなく、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間の磁束漏れが防止される。従って、磁束を有効に利用することにより埋込磁石型モータ1のトルクを高効率に得ることができる。
【0062】
(4)マグネット12は軸線方向に一体的に形成されている。従って、ロータ4に貫挿されるマグネット12をロータ4の軸線方向において1つの部材とすることができ、部品点数の増加を抑制することができる。
【0063】
(5)磁極対12cは4つ配設されており、ロータ4において90°間隔毎に配設されている。そのため、ロータ4は周方向において各磁極対12cから略等しいトルクが与えられる。従って、埋込磁石型モータ1は安定したトルクを出力することができる。
【0064】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施の形態では、第1ロータコア8及び第2ロータコア9は、第1〜第4コア部13〜16,26〜29の4つのコア部から構成されていた。しかし、図8(a)に示すように、ロータコア51をそれぞれ周方向においてバーの形成位置の異なる第1コア部52及び第2コア部53の2つのコア部から形成してもよい。尚、バーの形成位置が異なるコア部を分かり易くするため、以下、コア部の形状を周方向におけるバーの形成位置の違いに応じてα,β,γ及びεを用いて表す。
【0065】
また、図8(b)に示すように、2種類の異なる形状の第1〜第6コア部54〜59を周方向に沿って交互に配設してロータコア60を形成してもよい。また、図8(c)に示すように、3種類の異なる形状の第1〜第6コア部61〜66を周方向に沿って順次配設してロータコア67を形成してもよい。
【0066】
また、図8(d)に示すように、2種類の異なる形状の第1〜第8コア部68〜75を周方向に沿って交互に配設してロータコア76を形成してもよい。また、図8(e)に示すように、2種類の異なる形状の第1〜第8コア部77〜84を周方向に沿って2つずつ交互に配設してロータコア85を形成してもよい。
【0067】
○上記実施の形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9とは第1〜第4コア部13〜16,26〜29によって形成されており、軸線方向に沿って同一形状のコア部13〜16,26〜29が直列状態とならないように積層されていた。しかし、ロータコアの積層態様は他のものを用いてもよく、図9(a)に示すように、2種類のコア部86,87から構成される第1ロータコア88を180°回転させて第2ロータコア89とし、両ロータコア88,89を積層してロータ90を形成してもよい。
【0068】
また、図9(b)に示すように、2種類のコア部91,92から構成される第1ロータコア93と、コア部91,92と異なる形状の2種類のコア部94,95から構成される第2ロータコア96とを積層してロータ97を形成してもよい。
【0069】
また、図9(c)に示すように、2種類のコア部98,99から構成される第1ロータコア100と、コア部98と同一形状のコア部101及びコア部98,99と異なる形状のコア部102から構成される第2ロータコア103と、を積層してロータ104を形成してもよい。
【0070】
また、図9(d)に示すように、2種類のコア部105,106から構成される第1ロータコア107と、コア部105,106と異なる形状で円盤状に形成された第2ロータコア108と、を積層してロータ109を形成してもよい。
【0071】
○上記実施の形態では、ロータ4は電磁鋼鈑からなる第1ロータコア8及び第2ロータコア9の2つのロータコアを積層することにより形成されていた。しかし、電磁鋼鈑からなるロータコアの積層数は他の数としてもよく、例えば電磁鋼鈑からなるロータコアを3層、或いは4層積層してロータを形成してもよい。
【0072】
○上記実施の形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間に非磁性体からなる第3ロータコア10が挟み込まれていたが、各ロータコア8,9の間に第3ロータコア10を挟み込まずに両ロータコア8,9を積層してロータを形成してもよい。
【0073】
○上記実施の形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間に非磁性体からなる第3ロータコア10が挟み込まれていたが、第3ロータコア10の代わりに空隙を設けて各ロータコア8,9をロータの軸線方向に並べて配設してロータを形成してもよい。このようにロータを形成しても両ロータコア8,9間の磁束漏れが防止され、磁束を有効に利用することによりモータの出力トルクを高効率に得ることができる。
【0074】
○上記実施の形態では、マグネット12はロータ4の軸線方向の厚さと略同一の長さに一体に形成されていたが、第1ロータコア8及び第2ロータコア9毎にマグネットを形成してもよい。このように各ロータコア8,9毎にマグネットを形成することにより、各ロータコアを積層した後にマグネットを貫挿する必要がなく、ロータコア単位で適宜組み合わせを変更してロータを積層することができる。また、ロータコア単位でモータから出力されるトルクの特性を容易に確認することができる。
【0075】
○上記実施の形態では、ロータ4には長四角形状のマグネット12が貫挿されていた。しかし、各ロータコアが備える収容孔の大きさに応じてマグネット12の形状を変更してもよい。このように収容孔の大きさに応じてマグネットの形状を変更することにより、各マグネットを区別することができる。従って、マグネットをロータに貫挿する際にマグネットの誤組み付けを防止することができる。また、限られた収容孔のスペース内から最も大きい磁力を得ることができ、埋込磁石型モータ1のトルクを大きくすることができる。
【0076】
○上記実施の形態では、第1コア部13の角度θ1がステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の約2.63本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25aの形成位置が設定されていた。また、角度θ2がステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の6.75本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25bの形成位置が設定されていた。しかし、バー25の形成位置は適宜変更してもよい。以下、説明を簡略にするため収容孔の両側に形成されるバーの間隔を単にティース何本分であるかによって表す。尚、各コア部13〜16の周方向の間隔は合計12本分のティースの長さとなるように形成されているが、ここでは外側面12bがN極となるようにマグネット12が貫挿されている収容孔の両側に形成されるバーの間隔であるとする。従って、本実施形態における第1及び第3コア部13,15はティース6.75本分の長さの間隔でバー25a,25bが形成されており、第2及び第4コア部14,16はティース6本分の長さの間隔でバーが形成されている。
【0077】
図10は周方向に配設されるバーの形成位置に伴い変化するトルクの特性を表したグラフである。グラフの横軸はステータ3に対するロータ4の相対回転角度を表しており、グラフの縦軸はトルクの大きさを表している。曲線C11はティース6本分、曲線C12はティース6.25本分、曲線C13はティース6.5本分、曲線C14はティース約6.56本分、曲線C15はティース約6.63本分、曲線C16はティース6.75本分の長さの間隔である時のトルクの特性を表す。
【0078】
埋込磁石型モータ1から出力されるトルクの特性は各ロータコアの周方向において隣り合うバーの間隔によって決定されており、該特性は図10に示す各特性の合成値を元に算出することができる。従って、例えば曲線C14〜C16に示すように、曲線C11と略逆位相のトルクを出力するコア部によってロータを形成することによりロータのトルクリップル、即ちモータのトルクリップルを低減することができる。
【0079】
○上記実施の形態では、ロータ4の径方向と直交する方向両側に向かって延設された各収容孔17〜24,30〜37,39に板状のマグネット12を貫挿してロータ4を形成した。しかし、各収容孔17〜24,30〜37,39の形状及び各収容孔17〜24,30〜37,39に収容されるマグネットの形は形状を変更してもよい。従って、例えば収容孔をV字状に形成し、その内部にV字状にマグネットを貫挿してもよい。また、各ロータコアの外周面側に向かって円弧状に湾曲した収容孔に同じく円弧状に湾曲して形成されたマグネットを貫挿してもよい。
【0080】
○上記実施の形態では、磁極対12cを4つ備えたロータ4であったが、磁極対の数を適宜変更してもよい。
○上記実施の形態では、ロータ4を構成する各ロータコア8,9は電磁鋼鈑を積層して形成されていたが、粉体材料を焼結することで各ロータコアを形成してもよい。
【0081】
○上記実施の形態では、第3ロータコア10をプラスティックにより構成したが、その他の非磁性体の材料を用いて第3ロータコアを形成してもよい。
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0082】
(イ)前記ロータの軸方向に沿って直列する複数の前記コア部のうちの少なくとも1つの前記磁路形成部の周方向間隔は他のコア部と異なることを特徴とする請求項2に記載の埋込磁石型モータ。このように埋込磁石型モータを形成することにより、ロータの軸方向に沿って磁路形成部が直列状態とならず、磁路形成部とティースとの間に同時に形成される直線的なコイル磁束が低減されてトルクリップルを低減することができる。
【0083】
(ロ)前記各ロータコアは、それぞれが備えるコア部の数が異なることを特徴とする請求項2に記載の埋込磁石型モータ。このように埋込磁石型モータを形成することにより、磁路形成部とティースとの間の直線的なコイル磁束の量を細かく調整することができ、埋込磁石型モータの出力トルクをより高精度に制御することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、トルクの低下を抑制することができる埋込磁石型モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】埋込磁石型モータの側断面図。
【図2】ロータの斜視図。
【図3】(a),(b)は第1及び第2ロータコアの模式図。
【図4】ステータ及び第1ロータコアの平面図。
【図5】ステータ及び第2ロータコアの平面図。
【図6】ステータ及び第3ロータコアの平面図。
【図7】モータから出力されるトルクの特性図。
【図8】(a)〜(e)は別例のロータコアの模式図。
【図9】(a)〜(d)は別例のロータの斜視図。
【図10】別例のロータコアを備えたモータから出力されるトルクの特性図。
【符号の説明】
3…ステータ、4…ロータ、5…ティース、7…巻線、8…第1ロータコア、9…第2ロータコア、10…第3ロータコア、12…磁石(マグネット)、13〜16…第1〜第4コア部、17〜24…収容孔、25…磁路形成部としてのバー、26〜29…コア部、30〜37…収容孔、38…バー、39…収容孔、40…回転軸。
【発明の属する技術分野】
本発明は埋込磁石型モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高効率モータとしては、埋込磁石型モータがある。埋込磁石型モータは、ロータコア内にマグネットが埋設されたロータを有するモータであり、ステータが作り出す回転磁界とロータとの間のマグネットトルクに加え、ロータ表面に形成される回転磁界の磁路に基づくリラクタンストルクを有効に利用することにより高いモータ効率を得ることができる。
【0003】
ところで、一般にステータに形成されたティースの本数は、ロータに埋設されたマグネット及び該マグネットの間に形成される磁路形成部の数の整数倍に設定されている。従って、ロータの径方向において互いに隣り合う磁路形成部の周方向中心と、対向するティースの周方向中心が径方向に径方向に一致する。その結果、マグネットの周方向両側に形成された両磁路形成部にティースから同時に直線的なコイル磁束の流れを形成することによりブレーキトルクが発生し、該ブレーキトルクによりモータから出力されるトルクにリップルが発生する。このリップルを低減するため、例えば特許文献1には、任意の高さに積層された複数の回転子鉄心を相対的に回転させて積層したスキュー構造をとる回転子が開示されている。回転子はスキュー構造をとることによって固定子の周方向において複数のティースと対向する磁路形成部の面積を小さくすることで、ティースと磁路形成部の間の直線的なコイル磁束を減少させ、トルクのリップルを低減している。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−236687号公報(図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1のモータでは、同じ形状の回転子鉄心を周方向に回転させて積層しているため、ステータの巻線に対するマグネットの有効磁束が減少し、マグネットトルクとリラクタンストルクとの和によって求められる回転子のトルクが低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、トルクの低下を抑制することができる埋込磁石型モータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、円筒状に形成され周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティースに巻線が巻回されたステータと、周方向に沿って軸方向に貫通する収容孔が形成され、各収容孔に径方向外側の磁極が周方向に沿って交互にN極とS極となるように複数の磁石が配設され、周方向に隣り合う磁石の間に径方向に沿って延びる磁路形成部が形成されたロータコアを有し前記ステータの内側に回転可能に収容されるロータと、を備え、前記ロータコアは周方向に沿って複数のコア部から構成され、前記複数のコア部のうちの少なくとも1つのコア部を前記磁路形成部が前記ロータコアの全周を前記磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成し、その他のコア部を前記磁路形成部が前記磁路形成部の総数で除した角度間隔と異なる間隔で形成した。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ロータは、複数のロータコアを回転軸の軸方向に配列するとともに、前記各ロータコアの磁石が軸方向に直列するように配列した。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ロータコアは非磁性体を介して積層した。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記磁石は前記ロータの軸線方向に一体に形成した。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記磁石は前記ロータコア毎に形成した。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記磁石は周方向の幅が前記ロータコア毎に前記磁路形成部の間隔に対応して形成した。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記ロータコアは、前記各コア部の特性に応じて、前記磁路形成部が前記ロータコアの全周を前記磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成されたコア部と、該コア部におけるトルクリップルを略打ち消すように前記磁路形成部が形成されたコア部とを備えて形成した。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、コア部のうちの少なくとも1つは磁路形成部がロータコアの全周を磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成され、その他のコア部はそれとは異なる角度間隔で磁路形成部が形成されている。そのため磁路形成部はロータコアの周方向に沿って不等角度間隔で形成される。従って、磁路形成部とティースとの間の直線的なコイル磁束が低減され、トルクリップルが減少される。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ロータを複数のロータコアから形成することで様々な特性を持つロータが形成される。また、各ロータコアのマグネットが軸方向に直線的に配列されることで該マグネットの有効磁束の減少が抑えられ、トルクの低減が抑制される。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、ロータコアの間に非磁性体を挟み込むことにより積層されたロータコア間における磁束漏れが防止される。従って、各ロータコアの磁束が有効に活用される。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、ロータに配設される磁石は該ロータの軸線方向において一体であるため、部品点数の増加が防がれる。
請求項5に記載の発明によれば、磁石がロータコア毎に形成されているため各ロータコアはロータコア単位で適宜組み合わせを変更して配列可能である。従って、様々な特性のロータが容易に構成される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、各ロータコアに配設される磁石の形状は磁路形成部の周方向の間隔に対応して異なっている。そのためマグネットの形状を区別することができ、該マグネットをロータに組み付ける際の誤組み付けが防止される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、磁路形成部がロータコアの全周を磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成されたコア部のトルクリップルが略相殺されてリップルが低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を埋込磁石型モータに具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0019】
図1に示すように、埋込磁石型モータ1は、略有底筒状をなすケース2の内周に固着されたステータ3と、ロータ4と、を備える。ステータ3は、その内周に等角度間隔にて配設された複数のティース5を有し、当該各ティース5は、ステータ3の内周から軸中心に向かって延設されている。本実施形態では、各ティース5は、等角度間隔にて48本設けられている。各ティース5には、インシュレータ6を介してコア巻線7が巻回されている。尚、図4においては、インシュレータ6及びコア巻線7を省略している。そして、本実施形態では、コア巻線7は、中心角が互いに45°の位置関係にあるティース5に分布巻きにて巻回され、当該コア巻線7には、位相差120°の3相交流電流が供給される。
【0020】
図2に示すように、ロータ4は、第1ロータコア8、第2ロータコア9、第3ロータコア10を備えている。本実施形態では、第1ロータコア8及び第2ロータコア9はそれぞれ円盤状に形成された電磁鋼鈑を所定枚積層して形成されており、第3ロータコア10は円盤状に形成された非磁性体(本実施形態ではプラスティック)にて形成されている。第1ロータコア8と第2ロータコア9は軸方向に配列されており、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間には第3ロータコア10が挟み込まれている。即ち、本実施形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9は第3ロータコア10を介して軸方向に積層されている。尚、図2は第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10の積層状態の概略図であり、詳細な箇所については図示を省略している。
【0021】
第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10はピン11(図4参照)が軸線方向に貫通されており、一体的に組み付けられているとともに、第1ロータコア8と第3ロータコア10と第2ロータコア9の周方向の相対的なずれを防いでいる。ロータ4には軸線方向に一体形成された長四角形状の磁石(マグネット)12が複数配設されている。マグネット12はロータ4の軸方向の長さがロータ4の軸方向の厚さと略同一に形成されている。
【0022】
第1ロータコア8、第2ロータコア9、第3ロータコア10の構成を詳述する。
図3(a)に示すように、第1ロータコア8は第1〜第4コア部13〜16を備えている。第1〜第4コア部13〜16は、それぞれ中心角が90°となる扇形に形成されている。第1コア部13は図において右上に形成されており、以下、時計回り方向に第2コア部14、第3コア部15、第4コア部16が形成されている。尚、図3(a)では第1ロータコア8を模式的に表したものであり、その詳細は図4に示している。
【0023】
図4に示すように、第1ロータコア8の軸心には第1ロータコア8を軸方向に貫通する軸孔8aが形成されている。軸孔8aの周囲には第1ロータコア8を軸方向に貫通する固定孔8bが周方向に沿って等間隔に複数(8つ)形成されている。
【0024】
第1ロータコア8の外周近傍には、当該第1ロータコア8を軸方向に貫通する収容孔17〜24が周方向に沿って等間隔に複数(8つ)形成されている。各収容孔17〜24にはそれぞれマグネット12が収容されている。
【0025】
各収容孔17〜24は、第1ロータコア8の周方向に沿って等角度間隔に形成されており、それぞれ径方向と直交する方向に沿って延びるように形成されている。各収容孔17〜24は、その径方向の幅が同一に形成されている。尚、前記固定孔8bは第1ロータコア8の軸中心と各収容孔17〜24の周方向中心とを結ぶ直線上に形成されている。
【0026】
各収容孔17〜24は、その両端部に磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bが形成されている。磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bは各収容孔17〜24に収容されたマグネット12の磁路が短絡されないように各収容孔17〜24の両端部から第1ロータコア8の径方向外側に向かって外周面近傍まで延設されている。
【0027】
第1ロータコア8の周方向において、隣り合う収容孔17〜24の間には磁路形成部としてのバー25が形成されている。磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bが第1ロータコア8の径方向外側に向かって延設されているため、該磁束遮断孔17a,17b〜24a,24bの間に形成されるバー25は第1ロータコア8の径方向に沿って延びるように形成されている。尚、本実施形態においては説明を分かり易くするため1つのバー25をバー25aとし、図において以下時計回りにバー25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hとする。
【0028】
バー25は、第1ロータコア8の周方向における長さがティース5の周方向の長さと略等しく形成されている。
直線L1〜L4はそれぞれ第1ロータコア8の軸中心から径方向外側に延びており、第1ロータコア8を4等分する直線である。直線L1〜L4は第1ロータコア8が備える各コア部13〜16の境界を表している。具体的には直線L1は第1コア部13と第4コア部16との境界を表しており、直線L2は第1コア部13と第2コア部14との境界を表しており、直線L3は第2コア部14と第3コア部15との境界を表しており、直線L4は第3コア部15と第4コア部16との境界を表している。
【0029】
第1〜第4コア部13〜16にはバー25がそれぞれ2箇所ずつ形成されている。バー25の形成位置(間隔)は第1〜第4コア部13〜16によって異なっている。
【0030】
各収容孔17〜24の周方向の長さは第1〜第4コア部13〜16に形成されるバー25の位置に応じて設定されている。
第1コア部13に形成された直線L5は第1ロータコア8の周方向において該第1ロータコア8の軸中心と、バー25aの周方向中心と、を結ぶ直線を示しており、直線L6は第1ロータコア8の軸中心と、バー25bの周方向中心と、を結ぶ直線を示している。
【0031】
直線L1と直線L5とで作られる角度θ1は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の約2.63本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25aの形成位置が設定されている。尚、収容孔17cの長さは収容孔17のうちの第1コア部13側の長さのみを表している。従って、収容孔17全体の長さは収容孔17cの長さと第4コア部16側の収容孔17dの長さとを加算したものによって算出される。
【0032】
第1コア部13は第1ロータコア8の全周を第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度間隔とは異なる角度間隔でバー25a及びバー25bが形成されている。従って、直線L5と直線L6とで作られる角度θ2は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の6.75本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるように第1ロータコア8の周方向における両バー25a,25bの間隔が設定されている。
【0033】
直線L6と直線L2とで作られる角度θ3は、角度θ1と等しい角度になるように収容孔19cの長さが設定されている。尚、収容孔19は収容孔17と同様、第1ロータコア8の周方向に隣り合うコア部にまたがって形成されており、収容孔19の全体の長さは第1コア部13側の収容孔19cの長さと第2コア部14側の収容孔19dの長さとを加算したものによって算出される。また、収容孔21,23についても周方向に隣り合うコア部にまたがって該収容孔21,23が形成されており、収容孔21cの長さと収容孔21dの長さとを加算すること及び収容孔23cの長さと収容孔23dの長さとを加算することによって収容孔21,23の全体の長さが算出される。
【0034】
直線L7は、第1ロータコア8の周方向において該第1ロータコア8の軸中心とバー25cの周方向中心とを結ぶ直線を示しており、直線L8は、第1ロータコア8の軸中心とバー25dの周方向中心とを結ぶ直線を示している。直線L9は、第1ロータコア8の軸中心とバー25eの周方向中心とを結ぶ直線を示している。
【0035】
直線L2と直線L7とで作られる角度θ4は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の3本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25cの形成位置が設定されている。
【0036】
第2コア部14は第1ロータコア8の全周を第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度間隔でバー25c及びバー25dが形成されている。従って、直線L7と直線L8とで作られる角度θ5は、本実施形態においてステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の6本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるように第1ロータコア8の周方向における両バー25c,25dの間隔が設定されている。
【0037】
直線L8と直線L3とで作られる角度θ6は、角度θ4と等しい角度になるようにバー25dの形成位置が設定されている。
第3コア部15は第1コア部13と同一形状に形成されており、第4コア部16は第2コア部14と同一形状に形成されている。従って、第3コア部15は、バーが第1ロータコア8の全周を該第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度と異なる間隔で形成されている。そして、第4コア部16は、バーが第1ロータコア8の全周を該第1ロータコア8に形成されたバーの総数で除した角度間隔で形成されている。
【0038】
そして、第1コア部13及び第3コア部15の形状をαで表し、第2コア部14及び第4コア部16の形状をβで表すと、このように形成された第1ロータコア8は模式的には図3(a)に示すように表される。
【0039】
次に、第2ロータコア9について説明する。
図3(b)及び図5に示すように、第2ロータコア9は第1〜第4コア部26〜29から構成されており、軸孔9a、固定孔9b、マグネット12、収容孔30〜37、磁束遮断孔30a,30b〜37a,37b及びバー38を備えている。
【0040】
尚、第2ロータコア9は第1ロータコア8を周方向に90°回転したものである。即ち、第2ロータコア9を構成する第1及び第3コア部26,28は、第1ロータコア8を構成する第2及び第4コア部14,16と同一形状に形成され、バーが第2ロータコア9の全周を該第2ロータコア9に形成されたバーの総数で除した角度間隔で形成されている。そして、第2ロータコア9を構成する第2及び第4コア部27,29は、第1ロータコア8を構成する第1及び第3コア部13,15と同一形状に形成され、バーが第2ロータコア9の全周を該第2ロータコア9に形成されたバーの総数で除した角度と異なる間隔で形成されている。
【0041】
このように形成された第2ロータコア9は模式的には図3(b)に示すように表され、第1ロータコア8と第2ロータコア9とは軸方向に異なる形状のコア部を配列して積層されている。尚、この際、θ1及びθ3と、θ4及びθ6とは角度が異なっているためバー25とバー38とが軸方向に沿って直列状態とならない。
【0042】
次に第3ロータコア10について説明する。
図6に示すように、第3ロータコア10は略円盤状に形成されており、その中心には軸孔10aが形成されている。軸孔10aの直径は第1ロータコア8の軸孔8a及び第2ロータコア9の軸孔9aの直径と等しく形成されている。軸孔10aの周囲には第3ロータコア10を軸方向に貫通する固定孔10bが周方向に沿って等間隔に複数(8つ)形成されている。固定孔10bと軸孔10aとの距離は第1ロータコア8に形成された固定孔8bと軸孔8aとの距離及び第2ロータコア9に形成された固定孔9bと軸孔9aとの距離と等しく形成されている。
【0043】
第3ロータコア10の外周近傍には、第3ロータコア10を軸方向に貫通する収容孔39が形成されている。
このように形成された第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10は、互いに形成された各軸孔8a,9a,10aと、各固定孔8b,9b,10bと、各収容孔17〜24,30〜37,39と、が軸線方向に連通するように積層されている。第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10が備える各固定孔8b,9b,10bにはピン11が貫挿されている。
【0044】
収容孔39は、その軸中心との距離が第1ロータコア8における各収容孔17〜24及び第2ロータコア9における各収容孔30〜37と軸中心との距離と同じに形成されている。更に、収容孔39は、その径方向の幅が各収容孔17〜24及び各収容孔30〜37の径方向の幅と同じに形成されている。従って、第1ロータコア8の各収容孔17〜24と、第2ロータコア9の各収容孔30〜37と、第3ロータコア10の収容孔39とは、ロータ4の径方向と直交する方向に延びる部分が互いに重合する。
【0045】
第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10が備える各収容孔17〜24,30〜37,39にはマグネット12が貫挿されている。
マグネット12は各収容孔17〜24,30〜37,39に、その磁束方向とロータ4の径方向とが一致するよう当該マグネット12の内側面12a(図6参照)又は外側面12b(図5及び図6参照)がN極又はS極となるように収容されている。マグネット12はロータ4の周方向に沿って等角度間隔に複数(本実施の形態において8つ)配設されている。
【0046】
マグネット12はロータ4における周方向片側に隣り合うマグネット12と2つ(外側面12bの磁極がN極となるものとS極となるものとを1つずつ)で1セットの磁極対12c(図5及び図6参照)を形成している。図4〜6に示すように、本実施形態のロータ4においては磁極対12cを4つ備えている。
【0047】
マグネット12が等角度間隔で配設されているため、各磁極対12cはロータ4の周方向において等角度間隔に配設されている。本実施形態においては磁極対12cの数が4つであるため、それぞれの磁極対12cは90°毎に配設されている。
【0048】
各収容孔17〜24,30〜37,39は、マグネット12が収容される部分の幅(径方向の長さ)が各マグネット12の厚み(径方向の長さ、即ちマグネット12の内側面12aから外側面12bまでの長さ)と略同一となるように形成されている。各マグネット12は、その内側面12a及び外側面12bが、径方向と直交する各収容孔17〜24,30〜37,39の両内壁面と密着し、該収容孔17〜24,30〜37,39内に固着されている。
【0049】
このように形成されたロータ4は図1に示すように、第1ロータコア8、第2ロータコア9及び第3ロータコア10が備える各軸孔8a,9a,10a内に回転軸40が圧入固定されている。そして、当該回転軸40がケース2及び蓋部41に設けられた軸受け42にて軸支されることにより、前記ステータ3に囲まれるようケース2及び蓋部41内に回転可能に支持収容されている。
【0050】
次に、上記のように構成された埋込磁石型モータの作用を図7に従って説明する。
図7は埋込磁石型モータ1から出力されるトルクの特性を表したグラフである。グラフの横軸はステータ3に対するロータ4の相対回転角度を表しており、グラフの縦軸はトルクの大きさを表している。埋込磁石型モータ1はロータ4を構成するロータコアによって出力されるトルクの特性が変化している。
【0051】
曲線C1は第1コア部13或いは第3コア部15と同一形状のコア部のみでロータを形成した場合に埋込磁石型モータ1から出力されるトルクを表す。曲線C2は第2コア部14或いは第4コア部16と同一形状のコア部のみでロータを形成した場合に埋込磁石型モータ1から出力されるトルクを表す。
【0052】
曲線C1及び曲線C2に示すように、第1コア部13或いは第3コア部15と同一形状のコア部のみで形成されたロータと、第2コア部14或いは第4コア部16と同一形状のコア部のみで形成されたロータを用いた埋込磁石型モータ1から出力されるトルクとではその特性(大きさ及び位相)が異なっている。
【0053】
尚、本実施形態においては埋込磁石型モータ1が備える第1ロータコア8と第2ロータコア9はそれぞれ周方向において第1コア部13或いは第3コア部15と第2コア部14或いは第4コア部16とが同数配設されている。従って、埋込磁石型モータ1の出力トルクは曲線C1と曲線C2との平均値を示す曲線C3によって表される。
【0054】
位相は、トルクの周期的な変化におけるステータ3に対するロータ4の相対回転角度である。従って、位相が異なるとはトルクが極大値となる時のステータ3に対するロータ4の相対回転角度が異なるということを表す。例えば、一方のトルクが極大値となる時に他方のトルクが極小値となる時、この2つのトルクは互いに逆位相の関係にあるという。
【0055】
第1ロータコア8において、直線L5と直線L6との間にはティース5が6.75本分の間隔でバー25a,25bが形成されており、直線L6と直線L7との間にはティース5が約5.63本分の間隔でバー25b,25cが形成されている。また、直線L7と直線L8との間にはティース5が6本分の間隔でバー25c,25dが形成されており、直線L8と直線L9との間にはティース5が約5.63本分の間隔でバー25d,25eが形成されている。
【0056】
従って、第1ロータコア8のバー25aの周方向中心とティース5の周方向中心とが第1ロータコア8の径方向に沿って直列状態となった時、同時に第1ロータコア8の径方向に沿ってティース5の周方向中心と直列状態となるのはバー25aと径方向に相反するバー25eの周方向中心のみとなる。また、バー25bの周方向中心とティース5の周方向中心とが第1ロータコア8の径方向に沿って直列状態となった時、同時に第1ロータコア8の径方向に沿ってティース5の周方向中心と直列状態となるのはバー25bと径方向に相反するバー25fの周方向中心のみとなる。また、バー25cの周方向中心とティース5の周方向中心とが第1ロータコア8の径方向に沿って直列状態となった時、同時に第1ロータコア8の径方向に沿ってティース5の周方向中心と直列状態となるのはバー25d,25g,25hのみとなる。
【0057】
また、第1ロータコア8のバー25と第2ロータコア9のバー38とはいずれもロータの軸線方向に沿って直列状態とならない。
従って、ロータ4が回転する時、同時にティース5と径方向に沿って直列状態となるバー25,38は所定のバー25,38のみとなりロータ4とティース5との間に形成される直線的なコイル磁束の流れは低減される。埋込磁石型モータ1はこのようにロータ4とティース5との間に形成される直線的なコイル磁束の流れが低減され、トルクリップルの発生が低減される。
【0058】
それに対して、各マグネット12はロータ4の軸方向に沿って延びている。そのためマグネット12の有効磁束の減少は抑制される。従って、埋込磁石型モータ1の出力トルクはリップルが低減されるとともに、出力トルクの低減が抑制される。
【0059】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)バー25,38は所定のバー25,38のみがロータ4の軸方向に沿って直列状態となるように第1ロータコア8及び第2ロータコア9に形成されている。従って、各バー25,38とティース5との間に同時に形成される直線的なコイル磁束が低減されトルクリップルが低減される。一方、各ロータコア8,9のマグネット12が軸方向に直線的に配列されることで該マグネット12の有効磁束の減少が抑えられ、埋込磁石型モータ1の出力トルクの低減が抑制される。
【0060】
(2)第1ロータコア8と第2ロータコア9とは積層時に互いのバー25,38が軸方向に沿って直列状態とならないように周方向における位置が設定されている。従って、ロータ4のバー25,38とステータ3のティース5との間に同時に形成される直線的なコイル磁束の流れが低減されることでトルクリップルの発生が低減される。
【0061】
(3)第1ロータコア8と第2ロータコア9との間には非磁性体からなる第3ロータコア10が挟み込まれている。そのため第1ロータコア8と第2ロータコア9との間で軸線方向に磁束が流れ込むことがなく、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間の磁束漏れが防止される。従って、磁束を有効に利用することにより埋込磁石型モータ1のトルクを高効率に得ることができる。
【0062】
(4)マグネット12は軸線方向に一体的に形成されている。従って、ロータ4に貫挿されるマグネット12をロータ4の軸線方向において1つの部材とすることができ、部品点数の増加を抑制することができる。
【0063】
(5)磁極対12cは4つ配設されており、ロータ4において90°間隔毎に配設されている。そのため、ロータ4は周方向において各磁極対12cから略等しいトルクが与えられる。従って、埋込磁石型モータ1は安定したトルクを出力することができる。
【0064】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施の形態では、第1ロータコア8及び第2ロータコア9は、第1〜第4コア部13〜16,26〜29の4つのコア部から構成されていた。しかし、図8(a)に示すように、ロータコア51をそれぞれ周方向においてバーの形成位置の異なる第1コア部52及び第2コア部53の2つのコア部から形成してもよい。尚、バーの形成位置が異なるコア部を分かり易くするため、以下、コア部の形状を周方向におけるバーの形成位置の違いに応じてα,β,γ及びεを用いて表す。
【0065】
また、図8(b)に示すように、2種類の異なる形状の第1〜第6コア部54〜59を周方向に沿って交互に配設してロータコア60を形成してもよい。また、図8(c)に示すように、3種類の異なる形状の第1〜第6コア部61〜66を周方向に沿って順次配設してロータコア67を形成してもよい。
【0066】
また、図8(d)に示すように、2種類の異なる形状の第1〜第8コア部68〜75を周方向に沿って交互に配設してロータコア76を形成してもよい。また、図8(e)に示すように、2種類の異なる形状の第1〜第8コア部77〜84を周方向に沿って2つずつ交互に配設してロータコア85を形成してもよい。
【0067】
○上記実施の形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9とは第1〜第4コア部13〜16,26〜29によって形成されており、軸線方向に沿って同一形状のコア部13〜16,26〜29が直列状態とならないように積層されていた。しかし、ロータコアの積層態様は他のものを用いてもよく、図9(a)に示すように、2種類のコア部86,87から構成される第1ロータコア88を180°回転させて第2ロータコア89とし、両ロータコア88,89を積層してロータ90を形成してもよい。
【0068】
また、図9(b)に示すように、2種類のコア部91,92から構成される第1ロータコア93と、コア部91,92と異なる形状の2種類のコア部94,95から構成される第2ロータコア96とを積層してロータ97を形成してもよい。
【0069】
また、図9(c)に示すように、2種類のコア部98,99から構成される第1ロータコア100と、コア部98と同一形状のコア部101及びコア部98,99と異なる形状のコア部102から構成される第2ロータコア103と、を積層してロータ104を形成してもよい。
【0070】
また、図9(d)に示すように、2種類のコア部105,106から構成される第1ロータコア107と、コア部105,106と異なる形状で円盤状に形成された第2ロータコア108と、を積層してロータ109を形成してもよい。
【0071】
○上記実施の形態では、ロータ4は電磁鋼鈑からなる第1ロータコア8及び第2ロータコア9の2つのロータコアを積層することにより形成されていた。しかし、電磁鋼鈑からなるロータコアの積層数は他の数としてもよく、例えば電磁鋼鈑からなるロータコアを3層、或いは4層積層してロータを形成してもよい。
【0072】
○上記実施の形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間に非磁性体からなる第3ロータコア10が挟み込まれていたが、各ロータコア8,9の間に第3ロータコア10を挟み込まずに両ロータコア8,9を積層してロータを形成してもよい。
【0073】
○上記実施の形態では、第1ロータコア8と第2ロータコア9との間に非磁性体からなる第3ロータコア10が挟み込まれていたが、第3ロータコア10の代わりに空隙を設けて各ロータコア8,9をロータの軸線方向に並べて配設してロータを形成してもよい。このようにロータを形成しても両ロータコア8,9間の磁束漏れが防止され、磁束を有効に利用することによりモータの出力トルクを高効率に得ることができる。
【0074】
○上記実施の形態では、マグネット12はロータ4の軸線方向の厚さと略同一の長さに一体に形成されていたが、第1ロータコア8及び第2ロータコア9毎にマグネットを形成してもよい。このように各ロータコア8,9毎にマグネットを形成することにより、各ロータコアを積層した後にマグネットを貫挿する必要がなく、ロータコア単位で適宜組み合わせを変更してロータを積層することができる。また、ロータコア単位でモータから出力されるトルクの特性を容易に確認することができる。
【0075】
○上記実施の形態では、ロータ4には長四角形状のマグネット12が貫挿されていた。しかし、各ロータコアが備える収容孔の大きさに応じてマグネット12の形状を変更してもよい。このように収容孔の大きさに応じてマグネットの形状を変更することにより、各マグネットを区別することができる。従って、マグネットをロータに貫挿する際にマグネットの誤組み付けを防止することができる。また、限られた収容孔のスペース内から最も大きい磁力を得ることができ、埋込磁石型モータ1のトルクを大きくすることができる。
【0076】
○上記実施の形態では、第1コア部13の角度θ1がステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の約2.63本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25aの形成位置が設定されていた。また、角度θ2がステータ3の周方向に沿って配設されたティース5の6.75本分の長さで形成されたステータ3の円弧3cを有する扇形の中心角と等しくなるようにバー25bの形成位置が設定されていた。しかし、バー25の形成位置は適宜変更してもよい。以下、説明を簡略にするため収容孔の両側に形成されるバーの間隔を単にティース何本分であるかによって表す。尚、各コア部13〜16の周方向の間隔は合計12本分のティースの長さとなるように形成されているが、ここでは外側面12bがN極となるようにマグネット12が貫挿されている収容孔の両側に形成されるバーの間隔であるとする。従って、本実施形態における第1及び第3コア部13,15はティース6.75本分の長さの間隔でバー25a,25bが形成されており、第2及び第4コア部14,16はティース6本分の長さの間隔でバーが形成されている。
【0077】
図10は周方向に配設されるバーの形成位置に伴い変化するトルクの特性を表したグラフである。グラフの横軸はステータ3に対するロータ4の相対回転角度を表しており、グラフの縦軸はトルクの大きさを表している。曲線C11はティース6本分、曲線C12はティース6.25本分、曲線C13はティース6.5本分、曲線C14はティース約6.56本分、曲線C15はティース約6.63本分、曲線C16はティース6.75本分の長さの間隔である時のトルクの特性を表す。
【0078】
埋込磁石型モータ1から出力されるトルクの特性は各ロータコアの周方向において隣り合うバーの間隔によって決定されており、該特性は図10に示す各特性の合成値を元に算出することができる。従って、例えば曲線C14〜C16に示すように、曲線C11と略逆位相のトルクを出力するコア部によってロータを形成することによりロータのトルクリップル、即ちモータのトルクリップルを低減することができる。
【0079】
○上記実施の形態では、ロータ4の径方向と直交する方向両側に向かって延設された各収容孔17〜24,30〜37,39に板状のマグネット12を貫挿してロータ4を形成した。しかし、各収容孔17〜24,30〜37,39の形状及び各収容孔17〜24,30〜37,39に収容されるマグネットの形は形状を変更してもよい。従って、例えば収容孔をV字状に形成し、その内部にV字状にマグネットを貫挿してもよい。また、各ロータコアの外周面側に向かって円弧状に湾曲した収容孔に同じく円弧状に湾曲して形成されたマグネットを貫挿してもよい。
【0080】
○上記実施の形態では、磁極対12cを4つ備えたロータ4であったが、磁極対の数を適宜変更してもよい。
○上記実施の形態では、ロータ4を構成する各ロータコア8,9は電磁鋼鈑を積層して形成されていたが、粉体材料を焼結することで各ロータコアを形成してもよい。
【0081】
○上記実施の形態では、第3ロータコア10をプラスティックにより構成したが、その他の非磁性体の材料を用いて第3ロータコアを形成してもよい。
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0082】
(イ)前記ロータの軸方向に沿って直列する複数の前記コア部のうちの少なくとも1つの前記磁路形成部の周方向間隔は他のコア部と異なることを特徴とする請求項2に記載の埋込磁石型モータ。このように埋込磁石型モータを形成することにより、ロータの軸方向に沿って磁路形成部が直列状態とならず、磁路形成部とティースとの間に同時に形成される直線的なコイル磁束が低減されてトルクリップルを低減することができる。
【0083】
(ロ)前記各ロータコアは、それぞれが備えるコア部の数が異なることを特徴とする請求項2に記載の埋込磁石型モータ。このように埋込磁石型モータを形成することにより、磁路形成部とティースとの間の直線的なコイル磁束の量を細かく調整することができ、埋込磁石型モータの出力トルクをより高精度に制御することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、トルクの低下を抑制することができる埋込磁石型モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】埋込磁石型モータの側断面図。
【図2】ロータの斜視図。
【図3】(a),(b)は第1及び第2ロータコアの模式図。
【図4】ステータ及び第1ロータコアの平面図。
【図5】ステータ及び第2ロータコアの平面図。
【図6】ステータ及び第3ロータコアの平面図。
【図7】モータから出力されるトルクの特性図。
【図8】(a)〜(e)は別例のロータコアの模式図。
【図9】(a)〜(d)は別例のロータの斜視図。
【図10】別例のロータコアを備えたモータから出力されるトルクの特性図。
【符号の説明】
3…ステータ、4…ロータ、5…ティース、7…巻線、8…第1ロータコア、9…第2ロータコア、10…第3ロータコア、12…磁石(マグネット)、13〜16…第1〜第4コア部、17〜24…収容孔、25…磁路形成部としてのバー、26〜29…コア部、30〜37…収容孔、38…バー、39…収容孔、40…回転軸。
Claims (7)
- 円筒状に形成され周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティースに巻線が巻回されたステータと、
周方向に沿って軸方向に貫通する収容孔が形成され、各収容孔に径方向外側の磁極が周方向に沿って交互にN極とS極となるように複数の磁石が配設され、周方向に隣り合う磁石の間に径方向に沿って延びる磁路形成部が形成されたロータコアを有し前記ステータの内側に回転可能に収容されるロータと、
を備え、
前記ロータコアは周方向に沿って複数のコア部から構成され、前記複数のコア部のうちの少なくとも1つのコア部は前記磁路形成部が前記ロータコアの全周を前記磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成されており、その他のコア部は前記磁路形成部が前記磁路形成部の総数で除した角度間隔と異なる間隔で形成されていることを特徴とする埋込磁石型モータ。 - 前記ロータは、複数のロータコアを回転軸の軸方向に配列するとともに、前記各ロータコアの磁石が軸方向に直列するように配列されていることを特徴とする請求項1に記載の埋込磁石型モータ。
- 前記ロータコアは非磁性体を介して積層されていることを特徴とする請求項2に記載の埋込磁石型モータ。
- 前記磁石は前記ロータの軸線方向に一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の埋込磁石型モータ。
- 前記磁石は前記ロータコア毎に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の埋込磁石型モータ。
- 前記磁石は周方向の幅が前記ロータコア毎に前記磁路形成部の間隔に対応して形成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の埋込磁石型モータ。
- 前記ロータコアは、前記各コア部の特性に応じて、前記磁路形成部が前記ロータコアの全周を前記磁路形成部の総数で除した角度間隔で形成されたコア部と、該コア部におけるトルクリップルを略打ち消すように前記磁路形成部が形成されたコア部とを備えてなることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の埋込磁石型モータ。
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