JP2004218789A - 密封転がり軸受 - Google Patents

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秀樹 小泉
Toru Takamizawa
徹 高見澤
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Abstract

【課題】回転トルクが小さくかつ防塵性がよい密封転がり軸受を提供する。
【解決手段】密封転がり軸受を、外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる転動体と、転動体を保持する保持器と、転動体を挟んでそれぞれ内輪と外輪との間隔に備えられる一対の環状のシールドとを有してなり、シールドは外縁部を外輪の内周部に固定されかつ内縁部に内輪の外周面に対向する面部を有し、内輪の面部に対向する外周面に周方向の溝が形成され、軸方向において保持器の溝に対向する内周面の端よりも溝の転動体側の縁が転動体側に配置され、一対のシールド間における外輪の内周面と内輪の外周面との間の空間部にグリースを充填されてなる構成とする。軸受が回転すると溝内に潤滑用グリースが侵入し、面部との間でいわゆるグリースシールドが形成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受に関し、特に軸受の両端部に配置されたシールド間に潤滑用のグリースを封入してなる密封転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば真空掃除機や電動工具のモータや、自動車のラジエータ冷却電動ファンモータの軸受のように、周囲に微細な粉塵が存在する条件下で使用される転がり軸受には高い防塵性が要求される。装置の外部から侵入する粉塵や、ブラシモータのブラシの磨耗に伴って生ずる磨耗紛が転がり軸受の内部に侵入すると、玉の転動面や内輪、外輪の軌道面等を含む転走面を損傷させ、軸受の機能を低下させるおそれがある。また、軸受の内部に充填されている潤滑用のグリースに粉塵や磨耗紛が混入すると、グリースが劣化する原因となる。転動面の損傷やグリースの劣化が進むと、異常音が発生し、また焼付に至る場合もあり得る。
【0003】
そこで、転がり軸受の内輪の外径と外輪の内径との間隔にシール手段を設け、これによって軸受の内部に潤滑用のグリースを封入するとともに、外部からの粉塵の侵入を低減する密封軸受が知られている。このような密封軸受の一つとして、ゴム等の可撓性を有する材料によって形成され、外輪側に外縁部を固定されるとともに、内縁部に内輪を接触して摺動するリップを備えたシールを有する、いわゆるシール軸受が提案されている。(例えば、特許文献1を参照。)
【0004】
また、金属等によって形成され外輪の内周面に固定されたシールドを備え、シールドの内径と内輪の外径との間隔を狭小に設定して粉塵等の侵入を低減する、いわゆるシールド軸受が提案されている。(例えば、特許文献2を参照。)
【特許文献1】実開平7−10556号公報(第1頁等)
【特許文献2】特開2002−115724号公報(第1頁等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内輪、外輪とそれぞれ接触するシールを備えたシール軸受の場合、軸受の回転時にはシールのリップと内輪等との摩擦が生ずるから、軸受の回転トルクが大きくなり、軸受を含む装置の効率が低下してしまう。
【0006】
一方、内輪とは非接触のシールドを備えたシールド軸受の場合、回転トルクは小さいが、シールドの内縁部と内輪の外周部との間隔を小さくしたとしても、粉塵等の侵入を阻止することは難しい。
【0007】
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、回転トルクが小さくかつ防塵性がよい密封転がり軸受を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明は、外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる転動体と、転動体を保持する保持器と、転動体を挟んでそれぞれ内輪と外輪との間隔に備えられる一対の環状のシールドとを有してなり、シールドは外縁部を外輪の内周部に固定されかつ内縁部に内輪の外周面に対向する面部を有し、内輪の面部に対向する外周面に周方向の溝が形成され、軸方向において保持器の溝に対向する内周面の端よりも溝の転動体側の縁が転動体側に配置され、一対のシールド間における内輪の外周面と外輪の内周面との間の空間部内にグリースが充填されてなる密封転がり軸受によって上述した課題を解決する。
【0009】
本発明によれば、軸受内に充填される潤滑用のグリースが、軸受の回転によって押し出されたときに溝内に侵入しやすくなり、グリースが溝内に溜まるとともに、面部と溝部との隙間がグリースによって埋められ、気密されるいわゆるグリースシールと称される状態となり、粉塵等の侵入が阻止される。そして、内輪の回転によって溝内のグリースに作用する遠心力が大きくなると、溝内のグリースが遠心力によって面部側に供給されるから、グリースシールがよく維持される効果がある。なお、このグリースは、軸受の組立時に予め溝内に充填しておくと,上述した効果をより確実に得ることができる。
【0010】
また、軸方向において溝の転動体側の縁が面部の転動体側の端より0.25mm未満の距離にあると、グリースが溝内に侵入するための隙間が狭くなってグリースが溝内に溜まりにくくなり、さらにシールドを加締する際に内輪とシールドとが干渉するおそれがあり、また軸受を軸に取り付けるときの傾きによって回転中に内輪とシールドが干渉するおそれもある。一方、この距離が0.45mmを越えると、過剰なグリースが溝内に押し出され、軸受の外部へ漏出してしまう。そこで、軸方向において溝の転動体側の縁が面部の転動体側の端より0.25乃至0.45mm転動体側に配置されてなる構成としてもよい。
【0011】
また、軸方向において溝に対し転動面の反対側における内輪の外周面と、この外周面に対向する面部との間隔、換言すれば、いわゆるラビリンスすきまが、0.1mm未満では、シールドと内輪とが干渉するおそれがある一方、0.2mmを越えると、外部からの粉塵等の異物侵入の確立が高くなり、またグリースが過度に漏出しやすくなるから、この間隔は、0.1乃至0.2mmとするとよい。
【0012】
また、グリースがジウレアタイプの増ちょう剤を含有するものであるようにしてもよい。これによれば、内輪の回転によって溝内に貯留されたグリースは、温度の影響によって不混和ちょう度が硬くなる傾向となる。このため、グリースが溝内に貯留された後に硬化するから、外部からの異物をグリースが捕捉しやすくなり、防塵性がさらに向上する。
【0013】
ところで、確実に溝内にグリースを供給するためには、一対のシールド間における外輪の内周面と内輪の外周面との間の内部空間(軸受内静的空間と称す)において、グリース量は、軸受内静的空間容積の30乃至50%、好ましくは40乃至50%とするとよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる密封転がり軸受の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の密封転がり軸受の要部を径方向に切った断面を示す図である。図1に示すように、軸受1は、外周部に軌道面を形成された内輪3と、内周部に軌道面を形成された外輪5と、内輪3および外輪5の軌道面間に、周方向にわたって複数組み込まれた転動体である玉7とを有し、単列の転がり玉軸受として構成されている。そして、複数の玉7相互の間隔を保持する保持器9が設けられている。そして、軸受1の軸方向両端部において、それぞれ外輪の内周部から内輪の外周部付近にわたしてシールド11が設けられている。なお、図1は玉7の中心に対し、向かって左側のみを拡大して図示しているが、向かって右側も左右対称、換言すれば軸方向に直交し玉の中心を通る平面に面対称に形成される。以下、上述した各要素の詳細な形状等について説明する。
【0015】
図1に示すように、内輪3は、内径部に支持対象となる回転軸が挿入される筒状またはスリーブ状に形成されている。内輪3の内周面は軸方向にわたって同じ内径に形成され、その両端部は、内輪3の端面にかけて面取りがなされている。一方、内輪3の外周面には、玉7の表面、換言すれば転動面に対応して断面を円弧状に凹ませて形成された軌道面13が形成されている。そして、軌道面13を軸方向に挟んだ両側には、周方向にわたって形成された溝15が形成されている。軌道面13の縁と溝15の玉7側の縁との間の内輪3の外周面は、略一定の外径を有する円筒面に形成されている。また、溝15の玉7に対し反対側の縁と内輪3の端との間の内輪3の外周面もまた略一定の外径を有する円筒面として形成されているが、この部分の外径は、軌道面13の縁から溝15の玉7側までの外径よりも小さく設定されている。
【0016】
溝15の断面形状に着目すると、玉7側の溝の側壁面は上述した円筒面の部分から略垂直に掘りこまれ、その後溝の深い部分では、軸方向と略平行に形成された溝底にかけて、連続的につながる曲面として形成されている。なお、この側壁と円筒面との間は角取りがなされている。一方、玉7とは反対側の、換言すれば外側の側壁面は、溝底から例えば60度程度の角度をつけて立ち上がり、溝の断面形状を見たときにこの壁面が直線となるように形成されている。
【0017】
外輪5は、内周面内に内輪3、玉7、保持器9およびシールド11を収容する筒状またはスリーブ状に形成されている。外輪5の外周面は軸方向にわたって一定の外径の円筒面として形成され、外輪5の両端において、外輪5の端面と面取りされている。一方、外輪5の内周面には、玉7の表面に対応して断面を円弧状に凹ませて形成された軌道面17が形成されている。軌道面17を軸方向に挟んだ両側には、周方向にわたって形成された溝19が形成されている。軌道面17の縁と溝19の玉7側の縁との間の外輪5の内周面は、略一定の内径を有する円筒面に形成されている。また、溝19の玉7に対し反対側の縁と外輪5の端との間の外輪5の内周面もまたほぼ一定の内径を有する円筒面として形成されているが、この部分の内径は、軌道面17の縁から溝15の玉7側までの内径よりも大きく設定されている。
【0018】
溝19の断面形状に着目すると、玉7側の溝の側壁面は上述した円筒面の部分に対し例えば80度程度の角度をつけて掘り込まれ、その後溝の深い部分では、軸方向とほぼ平行に形成された溝底にかけて連続的につながる曲面として形成されている。一方、玉7とは反対側の、換言すれば外側の側壁面は、溝底から例えば45度程度の角度をつけて立ち上がり、溝の断面形状をみたときにこの壁面が直線となるように形成されている。
【0019】
保持器9は、全体を軸受自体の軸心と略同心のリング状またはパイプ状に形成され、その側部を径方向に貫通して、玉7が挿入される穴部が形成されている。穴部の内面は、玉7の表面に対応して形成された球面状である。保持器9の軸方向の両端部は面取りされている。そして、この面取りによって形成された角でもある保持器9の内周面の縁の位置は、軸方向において、内輪3の溝15の玉7側の側壁面よりも軸受の外側に張り出して、換言すれば玉7から遠い側に配置されている。
【0020】
シールド11はリング状の金属板を曲げ加工して形成されている。シールド11の内径部または内縁部は、軸方向に対し垂直な本体部分から略直角に玉7側または軸受1の内側に向かって折り曲げられている。その結果、シールド11は、内輪3に形成された溝15に対向する円筒面状の面部21を有する。一方、シールド11の外径部または外縁部は、例えば約45度の角度のテーパ状に内側に折り曲げられ、その外周側において、断面が略J字型となるように折り返されている。そして、シールド11は、この折り返し部分を外輪5の溝19に加締められ、はめ込まれることによって固定されている。なお、シールド11の内径部における折り曲げられた部分の外径、つまり面部21の裏側の面がなす円筒面の外径は、内輪3の軌道面13の縁の部分における円筒面部の外径と略等しい。
【0021】
そして、本実施形態の場合には、軸受1の軸方向に対する溝15の玉7側の縁から面部21の玉7側の端までの距離Aが、例えば0.35mmに設定されることを特徴とする。また、面部21の内径と、溝15の外側における内輪3の外径との間隔Bが、例えば0.15mmに設定されることを特徴とする。
【0022】
なお、本実施形態においては、上述した以外の軸受各部の寸法は、例えば外輪5の外径(直径)が22mm、内輪3の内径(直径)が8mm、内輪3および外輪5の軸方向長さが7mmに設定したが、これらには限定されない。
【0023】
そして、使用に際して、軸受1の内部には潤滑用のグリースが充填される。本実施形態においては、増ちょう剤としてジウレアタイプのものを含有するグリースを用いている。図2は、本実施形態におけるグリースの、温度と不混和ちょう度との関係を示すグラフである。横軸は温度を示し、縦軸は不混和ちょう度を示している。ちょう度は、JIS K 2220で定められた器具、方法に準拠して測定している。まず、グリースを充填した容器を各設定温度に保持された恒温槽内に約20分静置した。その後、設定温度に維持された恒温槽の内部で不混和ちょう度を測定した。その結果、図2に示すように、温度が25度において不混和ちょう度が202、以下同様に78度において154、100度において142、120度において129という結果を得た。
【0024】
そして、本実施形態においては、グリースを、シールド11間における内輪3の外周面と外輪5の内周面との間の空間内の容積の、例えば45%充填したことを特徴とする。このグリースの充填量は、例えば、空間内の容積の30乃至50%、好ましくは40乃至50%程度に設定する。
【0025】
次に、上述した本発明の実施形態の中の一実施例と、従来技術に係る軸受の比較例との防塵性の比較試験について説明する。図3は、この比較試験に用いる内輪回転用防塵試験機の要部断面図である。図3に示すように、試験装置は、供試軸受21が配置される筒状のハウジング23と、このハウジング23と同軸上に配置され、内径部にダストを貯留する凹部が形成された筒状のダスト貯留部25とを有する。ダスト貯留部25のハウジング23に対する反対側には、ダスト貯留部25内に空気を吹き込む孔27を形成されてなる空気供給部29が設けられている。なお、ハウジング23とダスト貯留部25とは、これらの接続部に周方向にわたって設けられ、軸方向にこれらを離間する方向に付勢するばね31を介して接している。そして、ダスト貯留部25のハウジング21側の端面には、系方向の溝30が形成され、ここを通じて孔27から導入された空気の一部が排出されるようになっている。また、この空気の残部は、軸受21の内輪と外輪との間隔を通過して排出される。
【0026】
軸受21には、空気供給部の反対側から回転用の軸33が挿入されている。軸33は軸受21が配置される部分を含む先端部を他よりも細く形成されてなり、径が変化する箇所は段をつけて形成されている。そして、この段の部分と軸受21の内輪との間に、スリーブ35が設けられ、これによって内輪が軸33に固定されるようになっている。
【0027】
さらに、上述したハウジング23およびダスト貯留部25が組み込まれる試験機本体37内には、ダスト貯留部25およびハウジング23を加熱する雰囲気加熱用のヒータ39が埋め込まれている。また、ハウジング23内には、軸受21の外輪の外周面温度を測定する熱伝対式温度計41が埋め込まれている。
【0028】
そして、ダスト貯留部内にダスト0.1gを入れて密封した後に空気供給部内を0.15MPaに加圧して孔27から空気を噴出させた。ダストは、例えばJIS Z 8901に定められている試験用粉体で、JIS3種の中位径(質量基準)の範囲6.6〜8.6μmのけい砂を使用した。このけい砂の化学成分は、SiOが97%以上で、残りFe、Al、TiO、MgO、強熱減量の合計が3%以下である。粒子密度は、2.6〜2.7g/cmの値である。そして試験軸受を回転(40,000rpm×、Fa=49N,80℃)させた結果、16時間経過後の音響上昇値またはアンデロン値を比較し、密封(防塵)性能を評価した。なお、この試験前後に行う軸受音響測定は、グリースノイズテスター(NSKテクニカルジャーナル667号、1999年刊に記載)を用いた。測定条件は、1800min−1、Fa=29Nとし、ハイバンド(HB)の値をデータとして採用した。粉塵が内外輪走行跡に侵入すると、異物の噛み込みによる損傷が発生し、音響(アンデロン)が大きくなる。したがって、音響上昇値が小さいほど防塵性が良好であると評価できる。
【0029】
ここで、本発明の実施例として用いたのは、上述した実施形態の軸受である。一方、従来技術に係る比較例として用いたのは、実施形態の軸受と同様の外輪外径、内輪内径および軸受の軸方向幅を有し、呼び番号608番として市販されている既存のシールド軸受である。なお、潤滑用のグリースは、ともにPAO=ポリアルファオレフィンを含有してなるウレア系のグリースであって、40℃のときの基油の動粘度が48mm/Sのものを使用した。なお、基油としてはPAOを使用したが、エステル油、エーテル油、またはこれらの混合油を用いてもよい。
【0030】
本比較試験の結果を図4に示す。図4は、実施例および比較例の軸受における、グリースの封入率と音響上昇値との関係をそれぞれ示すグラフである。横軸はシールド間における内外輪間の空間容積に対するグリースの封入率(容積%)を示し、縦軸は音響上昇値を示している。試験は各条件に対して6回づつ行い、最大値、最小値を除いてn=4で平均値とした。
【0031】
図4に示すように、従来技術に係る比較例の軸受においては、グリース封入率が60%のときに音響上昇値が1、以下同様に50%のときに1.2、40%のときに1.6、35%のときに2、30%のときに2.5、20%のときに3.6という結果となった。これに対し、本発明の実施例においては、60%のときに0.8、50%のときに0.8、40%のときに0.9、35%のときに1.3、30%のときに1.8、20%のときに3.4という結果となり、いずれのグリース封入率においても比較例対比良好な結果が得られた。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、軸受が回転したときに軸受内に充填されたグリースが玉7および保持器9によってシールド11の内縁部と内輪3の溝15内へ押し出され、面部と溝との間はグリースによって気密されたいわゆるグリースシールドと称される状態となる。このとき、グリースは、図1に示す破線矢印の方向に移動する。そして、回転による遠心力が大きくなると、溝15内に貯留されたグリースが逐次面部側に押し寄せられるので、グリースシールドがよく持続する。本実施形態によれば、シールドと内輪とは非接触であるから軸受の回転トルクが小さく、またグリースシールドによる防塵性が良好となる効果がある。また、溝を含む内輪に付着するグリースが、シールドの面部との間隔を完全にシールせず、隙間がある場合においても、グリースと面部との間隔は内輪の外周面と面部との間隔よりも狭くなり、さらにグリースによるダストの捕捉効果が得られるから、防塵性は従来技術よりも向上する。図5は、図1の軸受の要部断面図であって、グリースが上述した状態となっているものを示す図である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、回転トルクが小さくかつ防塵性がよい密封転がり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる密封転がり軸受の第1の実施形態の要部断面図である。
【図2】図1の密封転がり軸受に封入されるグリースの不混和ちょう度と温度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明を適用した実施例と、従来技術に係る比較例との比較試験に用いる内輪回転用防塵試験機の要部断面図である。
【図4】実施例および比較例の軸受における、グリースの封入率と音響上昇値との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図5】図1の密封転がり軸受において、内輪側に付着したグリースによって面部との間隔が狭くなる状態を示す図である。
【符号の説明】
1 軸受
3 内輪
5 外輪
7 玉
9 保持器
11 シールド
15 溝
21 面部

Claims (5)

  1. 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれる転動体と、前記転動体を保持する保持器と、前記転動体を挟んでそれぞれ前記内輪と前記外輪との間隔に備えられる一対の環状のシールドとを有してなり、前記シールドは外縁部を前記外輪の内周部に固定されかつ内縁部に前記内輪の外周面に対向する面部を有し、前記内輪の前記面部に対向する外周面に周方向の溝が形成され、軸方向において前記保持器の前記溝に対向する内周面の端よりも前記溝の前記転動体側の縁が前記転動体側に配置され、一対の前記シールド間における前記内輪の外周面と前記外輪の内周面との間の空間部内にグリースが充填されてなる密封転がり軸受。
  2. 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれる転動体と、前記転動体を挟んでそれぞれ前記内輪と前記外輪との間隔に備えられる一対の環状のシールドとを有してなり、前記シールドは外縁部を前記外輪の内周部に固定されかつ内縁部に前記内輪の外周面に対向する面部を有し、前記内輪の前記面部に対向する外周面に周方向の溝が形成され、軸方向において前記溝の前記転動体側の縁が前記面部の該転動体側の端より0.25乃至0.45mm転動体側に配置され、一対の前記シールド間における前記内輪の外周面と前記外輪の内周面との間の空間部内にグリースが充填されてなる密封転がり軸受。
  3. 軸方向において前記溝に対し転動体の反対側における前記内輪の外周面と、該外周面に対向する前記面部との間隔が0.1乃至0.2mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の密封転がり軸受。
  4. 前記グリースがジウレアタイプの増ちょう剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の密封転がり軸受。
  5. 前記グリースの封入量は、一対の前記シールド間における前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間の空間の容積の30乃至50%、好ましくは40乃至50%であることを特徴とする請求項4に記載の密封転がり軸受。
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