JP2004092719A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用される場合においてもグリース寿命の長寿命化を図ることができる良好な転がり軸受を提供する。
【解決手段】玉軸受は、内外輪1,2の間に冠型保持器14を介して周方向に転動自在に配設された複数の玉3と、軸受両端の開口部を覆うシール部材16とを備え、軸受空間内にグリースが封入される。静的空間容積/動的空間容積を3以上とし、且つ静的空間容積/基準容積を0.3以上とする。
但し、前記静的空間容積とは、軸受内部の空間容積である。前記動的空間容積とは、前記静的空間容積から軸受内で運動する部品が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積である。前記基準容積とは、πw(r0 2−ri 2 )であり、w=軸受両端のシール部材内面間の距離、r0 =外輪溝肩内半径、ri =内輪溝肩外半径とする。
【選択図】 図1
【解決手段】玉軸受は、内外輪1,2の間に冠型保持器14を介して周方向に転動自在に配設された複数の玉3と、軸受両端の開口部を覆うシール部材16とを備え、軸受空間内にグリースが封入される。静的空間容積/動的空間容積を3以上とし、且つ静的空間容積/基準容積を0.3以上とする。
但し、前記静的空間容積とは、軸受内部の空間容積である。前記動的空間容積とは、前記静的空間容積から軸受内で運動する部品が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積である。前記基準容積とは、πw(r0 2−ri 2 )であり、w=軸受両端のシール部材内面間の距離、r0 =外輪溝肩内半径、ri =内輪溝肩外半径とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や各種の電気機器等に広く使用されている軸受内部空間内にグリースが封入される密封型の転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軸受内部空間内にグリースが封入される密封型の転がり軸受としては、例えば図5に示す様な玉軸受が広く使用されている。
この玉軸受は、内輪1と、外輪2と、内外輪1,2の間に転動自在に配設された複数の転動体としての玉3と、これら玉3を周方向に沿って等間隔に保持する複数のポケット5が設けられた合成樹脂製の保持器4と、軸受両端の開口部を覆うシール部材16とを備え、軸受空間内にグリースが封入されている。
【0003】
前記シール部材16は、外周縁が外輪2の端部内周面に装着されており、内周縁に設けた軸方向内方のリップ7が内輪1の端部外周面に形成されたシール溝9の側壁斜面に摺接され、軸方向外方のリップ8がシール溝9との間でラビリンスを形成している。
【0004】
前記前記保持器4は、図6に示したように、円環状の主部10と、この主部10の軸方向片面(図6中、上面)に等間隔に設けられた複数のポケット5とが、合成樹脂を射出成形することにより一体成形された冠型保持器であり、各ポケット5間は柱部12とされている。
これら各ポケット5は、前記主部10の軸方向片面に互いに間隔をあけて配置された一対の爪部11,11の間に設けられると共に、前記玉3の形状に対応する凹面状のポケット内周面を有しており、該ポケット5には前記玉3が転動自在に保持される。
【0005】
ところで、近年、 自動車部品については、 省エネルギーのために、 小型化、 軽量化とともに、 高性能化が求められており、 それに伴い、 上記転がり軸受は、 高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用されるようになっている。
通常、 グリースを封入した軸受においては、 軸受自体の疲労からくる寿命より、 潤滑性能の劣化からくる焼付による寿命( 以下、グリース寿命) の方が短く、 このグリース寿命によって軸受の耐久寿命が左右される傾向がある。
【0006】
そこで、 密封型の転がり軸受のグリース寿命向上技術としては、 例えば特開平8−270644号に開示されているものがある。
これは密封型複列アンギュラ玉軸受において、軌道溝間の肩部を低くして、軸受内部の空間容積(静的空間容積)を増やし、グリース封入率(=グリース封入量/静的空間容積) を変えずに、グリース封入量を増加させるというものである。
【0007】
しかしながら、このように軌道溝間の肩部を低くして、軸受内部の空間容積を増やすことには限界があり、また、ある一定のグリース封入率(以下、限界グリース封入率) を超えてグリースを封入すると、グリースが漏れるという問題点は解決されない。
【0008】
そこで、前述の限界グリース封入率を超えてグリースを多く封入してもグリース漏れを防ぐ従来の技術としては、特開平11−247860号に開示されているものがある。
これは保持器にグリース収納部を設け、グリースを保持器とともに回転させることにより、グリース漏れを防ぐというものである。
【0009】
しかしながら、グリース収納部に入ったグリースや、シール部材付近等の動的空間容積(静的空間容積から軸受内で運動する部品が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積:図5に一点鎖線で表示)の空間に留まったグリースは、流動することが無く、時間と共に固化してしまい、潤滑には有効に利用されない。即ち、グリースの流動による軸受トルクの増加が問題となる用途においては、この技術は効果的であるが、高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用される分野では、封入されたグリースを有効に潤滑に利用し、グリース寿命を長寿命化することが求められる。
【0010】
更に、封入されたグリースを循環させて有効に潤滑に利用し、グリース寿命を長寿命化する従来の技術としては、実開平5−73318号に開示されているものがある。
これは冠型保持器の背面に半径方向の溝を設けることにより、背面側に入り込んだグリースを背面に設けた溝を通して、遠心力により外径側に流動させるというものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的には冠型保持器を使用した密封型転がり軸受の場合、図7に示したように、グリースGの大部分は保持器4の爪部11側の比較的大きな空間に留まっており、このグリースGが次第に固化し潤滑には有効に利用されないという問題点は解決されない。
【0012】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用される場合においてもグリース寿命の長寿命化を図ることができる良好な転がり軸受を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、内輪と、外輪と、内外輪の間に保持器を介して周方向に転動自在に配設された複数の転動体と、軸受両端の開口部を覆うシール部材とを備え、軸受空間内にグリースが封入される転がり軸受であって、静的空間容積/動的空間容積が3以上であり、且つ静的空間容積/基準容積が0.3以上であることを特徴とする転がり軸受により達成される。
但し、前記静的空間容積とは、軸受内部の空間容積である。前記動的空間容積とは、前記静的空間容積から軸受内で運動する部品が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積である。前記基準容積とは、πw(r0 2−ri 2 )であり、w=軸受両端のシール部材内面間の距離、r0 =外輪溝肩内半径、ri =内輪溝肩外半径とする。
【0014】
上記構成によれば、静的空間容積/基準容積を0.3以上とすることで、従来と同等かそれ以上の静的空間容積が確保されるので、従来と同等かそれ以上の量のグリースを封入することができる。
更に、静的空間容積/動的空間容積が3以上とは、静的空間容積は大きいが動的空間容積が従来品よりも小さい軸受内部形状を有することであり、例えば、冠型保持器の端面上に軸線方向に突出する突起を設けることによって、該突起が円周方向に連続する爪部側の空間を部分的に遮るので、静的空間容積を犠牲にせずに動的空間容積のみを減らすことができる。
【0015】
そこで、爪部側空間にあるグリースが、円周方向に移動する前記突起により流動させられて軸受内を循環することにより、軸受内部に封入したグリースは全て均等に潤滑に利用される。又、前記突起によって、爪部側のシール部材内面付近のグリースに作用する遠心力が大きくなり、グリースは外輪側に移動するので、一定のグリース封入率を超えてグリースを封入しても、内輪側にあるシール部材のリップ部からグリースが漏れることはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る転がり軸受を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図、図2は図1に示した保持器の部分斜視図、図3は図1に示した転がり軸受のグリース分布を説明する部分断面図である。尚、本実施形態に係る転がり軸受は、保持器を除いて図5に示した玉軸受と略同様の構成を有するので、同部材には同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0017】
本実施形態に係る転がり軸受としての玉軸受は、図1に示したように、内輪1と、外輪2と、内外輪1,2の間に保持器14を介して周方向に転動自在に配設された転動体である複数の玉3と、軸受両端の開口部を覆うシール部材16とを備え、軸受空間内にグリースが封入されている。
【0018】
前記保持器14は、図1及び図2に示したように、円環状の主部20と、この主部20の軸方向片面(図2中、上面)に等間隔に設けられた複数のポケット15とが、合成樹脂を射出成形することにより一体成形された冠型保持器であり、各ポケット15間は柱部22とされている。
【0019】
これら各ポケット15は、図2に示したように、前記主部20の軸方向片面に互いに間隔をあけて配置された一対の爪部21,21の間に設けられると共に、前記玉3の形状に対応する凹面状のポケット内周面を有しており、該ポケット15には前記玉3が転動自在に保持される。
【0020】
ここで、本実施形態の玉軸受は、静的空間容積/動的空間容積が3以上、且つ静的空間容積/基準容積が0.3以上とされる。
但し、前記静的空間容積とは、軸受内部の空間容積である。又、前記動的空間容積(図1に、一点鎖線で表示)とは、前記静的空間容積から軸受内で運動する部品(玉3及び保持器14)が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積である。更に、前記基準容積とは、πw(r0 2−ri 2 )であり、w=軸受両端のシール部材16,16内面間の距離、r0 =外輪溝肩内半径、ri =内輪溝肩外半径とする。
【0021】
そして、このように静的空間容積/動的空間容積を3以上、且つ静的空間容積/基準容積を0.3以上の条件を満足させるための一例として、前記保持器14のポケット開口側の端面である各柱部22の上面に、軸方向に延びる板状の突起23を爪部21,21の間より突出させている。前記突起23は、前記ポケット15に保持された前記玉3の頂点よりも軸線方向に高く突出する高さに設定される。
【0022】
即ち、本実施形態に係る玉軸受によれば、静的空間容積/基準容積を0.3以上とすることで、従来と同等かそれ以上の静的空間容積が確保されるので、図5に示した従来の玉軸受と同等かそれ以上の量(従来の限界グリース封入率を超えた量)のグリースを封入することができる。
【0023】
更に、上述した静的空間容積/動的空間容積が3以上とは、静的空間容積は大きいが、動的空間容積が従来品よりも小さい軸受内部形状を有することであり、図1及び図2に示したように、前記保持器14の端面上に軸線方向に突出する前記突起23を設けたことによって、該突起23が円周方向に連続する爪部21側(図1中、左側)の空間を部分的に遮るので、静的空間容積を犠牲にせずに動的空間容積のみを減らすことができる。
そこで、爪部21側の空間にあるグリースGが、円周方向に移動する前記突起23により流動させられて軸受内を循環することにより、玉軸受内に封入したグリースは全て均等に潤滑に利用される。
【0024】
又、本実施形態の玉軸受における爪部21側のシール部材16内面付近におけるグリースGの流動速度は、前記突起23が近くで回転するため、近くに運動するものが無かった従来の玉軸受(図5、参照)に比べて速く、グリースGに働く遠心力も大きくなる。
そこで、図3に示したように、グリースGは外輪2側に移動するので、従来の限界グリース封入率を超えた量のグリースGを封入しても、内輪1側にあるシール部材16のリップ部であるリップ7からグリースGが漏れることはない。
【0025】
従って、本実施形態の玉軸受によれば、静的空間容積を犠牲にせず、従来の限界グリース封入率を超えた量のグリースGを封入しても漏れが生じず、封入した総てのグリースを循環させ有効に潤滑に利用できる為、グリース寿命の長寿命化を図ることができる。
【0026】
尚、本発明の転がり軸受における内外輪、保持器、転動体等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、玉軸受に本発明を適用した場合を例に採ったが、これに限定されず、玉軸受以外の転がり軸受に本発明を適用してもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、保持器14に設けた突起23の形状を長方形としているが、必ずしもこの形状に限るものではなく、静的空間容積/動的空間容積が3以上、且つ静的空間容積/基準容積が0.3以上の条件を満足する限りにおいて、種々の形状の突起を採用することができる。
更に、上記実施形態では、全ての柱部22の上面における爪部21,21間に前記突起23を設けた場合を例に採ったが、必ずしも全ての爪部21,21間に設ける必要はなく、静的空間容積/動的空間容積を3以上、且つ静的空間容積/基準容積を0.3以上とする条件を満足する範囲において適宜設定される。
【0028】
また、図4に示した保持器34のように、主部20の背面側に半径方向に貫通する溝30を設けることによって、動的空間容積を同等としたまま静的空間容積を大きくし、静的空間容積/動的空間容積の値を更に大きくすることができる。このようにすると、前記保持器34の背面側に流れてきたグリースGを溝30を通して遠心力により外輪2側に流動させることができ、背面側のシール部材16のリップ7からのグリース漏れも防止することができる。
【0029】
【実施例】
上述した本発明の作用効果を確認するために、上記各実施形態に準じた実施例1,2の玉軸受と従来品の玉軸受とについて、高温高速焼付試験を実施した。
前記高温高速焼付試験は、内径17mm、外径47mm、幅14mmのグリース密封玉軸受(冠型保持器付) にグリースを1.5g封入し、内輪回転速度20000min−1、雰囲気温度150°C、ラジアル荷重1372N(140kgf)、アキシアル荷重686N(70kgf)の条件で軸受を連続回転させ、焼付が生じて軸受外輪温度が180°C以上に上昇するまでの運転時間を測定し、焼付に至るまでの時間が1000時間以上であれば○、1000時間未満であれば×とした。
【0030】
但し、図5に示した玉軸受を従来品、図1に示した玉軸受を実施例1、図1に示した玉軸受の保持器14を図4の保持器34に代えたものを実施例2とし、それぞれの静的空間容積、動的空間容積、静的空間容積/動的空間容積、基準容積、静的空間容積/基準容積の値を表1示す。なお、これら従来品及び実施例1,2は、保持器以外は全て同一条件とした。
【0031】
【表1】
【0032】
先ず、上記表1から明らかなように、実施例1の玉軸受は、従来品の玉軸受と比較し静的空間容積をほとんど犠牲にせずに、動的空間容積を大きく減少させている。そのため、従来品の玉軸受における静的空間容積/動的空間容積は高々2.6なのに対し、実施例1の玉軸受は静的空間容積/動的空間容積が3.5と3 を超えている。
また、実施例2は、実施例1の玉軸受と動的空間容積は同じであるが、保持器背面に切欠き形成された溝30の容積分、静的空間容積が増加し、静的空間容積/動的空間容積は4.1と4を超えている。
【0033】
そして、基準容積については、三者とも同一である。静的空間容積/基準容積の値は、従来品の玉軸受が0.343に対し、実施例1の玉軸受が0.331とわずかに減少した。
しかしながら、実施例1の玉軸受は、上述したように従来品の玉軸受よりも限界グリース封入率が高いため、従来品と比較して十分な量のグリースを封入することができる。また、実施例2の玉軸受は、静的空間容積が従来品よりも大きいため、グリースが封入可能な容量は十分あり問題ない。
そして、上記高温高速焼付試験の結果は、実施例1及び実施例2ともに、従来品よりも優れた結果が得られた。
【0034】
【発明の効果】
以上、上述した本発明の転がり軸受によれば、静的空間容積/基準容積を0.3以上とすることで、従来と同等かそれ以上の静的空間容積が確保されるので、従来と同等かそれ以上の量のグリースを封入することができる。
更に、静的空間容積/動的空間容積が3以上とは、静的空間容積は大きいが動的空間容積が従来品よりも小さい軸受内部形状を有することであり、例えば、冠型保持器の端面上に軸線方向に突出する突起を設けることによって、該突起が円周方向に連続する爪部側の空間を部分的に遮るので、静的空間容積を犠牲にせずに動的空間容積のみを減らすことができる。
【0035】
そこで、爪部側空間にあるグリースが、円周方向に移動する前記突起により流動させられて軸受内を循環することにより、軸受内部に封入したグリースは全て均等に潤滑に利用される。又、前記突起によって、爪部側のシール部材内面付近のグリースに作用する遠心力が大きくなり、グリースは外輪側に移動するので、一定のグリース封入率を超えてグリースを封入しても、内輪側にあるシール部材のリップ部からグリースが漏れることはない。
【0036】
従って、静的空間容積を犠牲にせず、従来の限界グリース封入率を超えた量のグリースGを封入しても漏れが生じず、封入した総てのグリースを循環させ有効に潤滑に利用できる為、高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用される場合においても、グリース寿命の長寿命化を図ることができる良好な転がり軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図である。
【図2】図1に示した保持器の部分斜視図である。
【図3】図1に示した転がり軸受のグリース分布を説明する部分断面図である。
【図4】図1に示した保持器の変形例を示す部分正面図である。
【図5】従来の転がり軸受の部分断面図である。
【図6】図5に示した保持器の部分斜視図である。
【図7】図5に示した転がり軸受のグリース分布を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 玉(転動体)
14 冠型保持器(保持器)
16 シール部材
23 突起
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や各種の電気機器等に広く使用されている軸受内部空間内にグリースが封入される密封型の転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軸受内部空間内にグリースが封入される密封型の転がり軸受としては、例えば図5に示す様な玉軸受が広く使用されている。
この玉軸受は、内輪1と、外輪2と、内外輪1,2の間に転動自在に配設された複数の転動体としての玉3と、これら玉3を周方向に沿って等間隔に保持する複数のポケット5が設けられた合成樹脂製の保持器4と、軸受両端の開口部を覆うシール部材16とを備え、軸受空間内にグリースが封入されている。
【0003】
前記シール部材16は、外周縁が外輪2の端部内周面に装着されており、内周縁に設けた軸方向内方のリップ7が内輪1の端部外周面に形成されたシール溝9の側壁斜面に摺接され、軸方向外方のリップ8がシール溝9との間でラビリンスを形成している。
【0004】
前記前記保持器4は、図6に示したように、円環状の主部10と、この主部10の軸方向片面(図6中、上面)に等間隔に設けられた複数のポケット5とが、合成樹脂を射出成形することにより一体成形された冠型保持器であり、各ポケット5間は柱部12とされている。
これら各ポケット5は、前記主部10の軸方向片面に互いに間隔をあけて配置された一対の爪部11,11の間に設けられると共に、前記玉3の形状に対応する凹面状のポケット内周面を有しており、該ポケット5には前記玉3が転動自在に保持される。
【0005】
ところで、近年、 自動車部品については、 省エネルギーのために、 小型化、 軽量化とともに、 高性能化が求められており、 それに伴い、 上記転がり軸受は、 高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用されるようになっている。
通常、 グリースを封入した軸受においては、 軸受自体の疲労からくる寿命より、 潤滑性能の劣化からくる焼付による寿命( 以下、グリース寿命) の方が短く、 このグリース寿命によって軸受の耐久寿命が左右される傾向がある。
【0006】
そこで、 密封型の転がり軸受のグリース寿命向上技術としては、 例えば特開平8−270644号に開示されているものがある。
これは密封型複列アンギュラ玉軸受において、軌道溝間の肩部を低くして、軸受内部の空間容積(静的空間容積)を増やし、グリース封入率(=グリース封入量/静的空間容積) を変えずに、グリース封入量を増加させるというものである。
【0007】
しかしながら、このように軌道溝間の肩部を低くして、軸受内部の空間容積を増やすことには限界があり、また、ある一定のグリース封入率(以下、限界グリース封入率) を超えてグリースを封入すると、グリースが漏れるという問題点は解決されない。
【0008】
そこで、前述の限界グリース封入率を超えてグリースを多く封入してもグリース漏れを防ぐ従来の技術としては、特開平11−247860号に開示されているものがある。
これは保持器にグリース収納部を設け、グリースを保持器とともに回転させることにより、グリース漏れを防ぐというものである。
【0009】
しかしながら、グリース収納部に入ったグリースや、シール部材付近等の動的空間容積(静的空間容積から軸受内で運動する部品が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積:図5に一点鎖線で表示)の空間に留まったグリースは、流動することが無く、時間と共に固化してしまい、潤滑には有効に利用されない。即ち、グリースの流動による軸受トルクの増加が問題となる用途においては、この技術は効果的であるが、高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用される分野では、封入されたグリースを有効に潤滑に利用し、グリース寿命を長寿命化することが求められる。
【0010】
更に、封入されたグリースを循環させて有効に潤滑に利用し、グリース寿命を長寿命化する従来の技術としては、実開平5−73318号に開示されているものがある。
これは冠型保持器の背面に半径方向の溝を設けることにより、背面側に入り込んだグリースを背面に設けた溝を通して、遠心力により外径側に流動させるというものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的には冠型保持器を使用した密封型転がり軸受の場合、図7に示したように、グリースGの大部分は保持器4の爪部11側の比較的大きな空間に留まっており、このグリースGが次第に固化し潤滑には有効に利用されないという問題点は解決されない。
【0012】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用される場合においてもグリース寿命の長寿命化を図ることができる良好な転がり軸受を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、内輪と、外輪と、内外輪の間に保持器を介して周方向に転動自在に配設された複数の転動体と、軸受両端の開口部を覆うシール部材とを備え、軸受空間内にグリースが封入される転がり軸受であって、静的空間容積/動的空間容積が3以上であり、且つ静的空間容積/基準容積が0.3以上であることを特徴とする転がり軸受により達成される。
但し、前記静的空間容積とは、軸受内部の空間容積である。前記動的空間容積とは、前記静的空間容積から軸受内で運動する部品が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積である。前記基準容積とは、πw(r0 2−ri 2 )であり、w=軸受両端のシール部材内面間の距離、r0 =外輪溝肩内半径、ri =内輪溝肩外半径とする。
【0014】
上記構成によれば、静的空間容積/基準容積を0.3以上とすることで、従来と同等かそれ以上の静的空間容積が確保されるので、従来と同等かそれ以上の量のグリースを封入することができる。
更に、静的空間容積/動的空間容積が3以上とは、静的空間容積は大きいが動的空間容積が従来品よりも小さい軸受内部形状を有することであり、例えば、冠型保持器の端面上に軸線方向に突出する突起を設けることによって、該突起が円周方向に連続する爪部側の空間を部分的に遮るので、静的空間容積を犠牲にせずに動的空間容積のみを減らすことができる。
【0015】
そこで、爪部側空間にあるグリースが、円周方向に移動する前記突起により流動させられて軸受内を循環することにより、軸受内部に封入したグリースは全て均等に潤滑に利用される。又、前記突起によって、爪部側のシール部材内面付近のグリースに作用する遠心力が大きくなり、グリースは外輪側に移動するので、一定のグリース封入率を超えてグリースを封入しても、内輪側にあるシール部材のリップ部からグリースが漏れることはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る転がり軸受を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図、図2は図1に示した保持器の部分斜視図、図3は図1に示した転がり軸受のグリース分布を説明する部分断面図である。尚、本実施形態に係る転がり軸受は、保持器を除いて図5に示した玉軸受と略同様の構成を有するので、同部材には同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0017】
本実施形態に係る転がり軸受としての玉軸受は、図1に示したように、内輪1と、外輪2と、内外輪1,2の間に保持器14を介して周方向に転動自在に配設された転動体である複数の玉3と、軸受両端の開口部を覆うシール部材16とを備え、軸受空間内にグリースが封入されている。
【0018】
前記保持器14は、図1及び図2に示したように、円環状の主部20と、この主部20の軸方向片面(図2中、上面)に等間隔に設けられた複数のポケット15とが、合成樹脂を射出成形することにより一体成形された冠型保持器であり、各ポケット15間は柱部22とされている。
【0019】
これら各ポケット15は、図2に示したように、前記主部20の軸方向片面に互いに間隔をあけて配置された一対の爪部21,21の間に設けられると共に、前記玉3の形状に対応する凹面状のポケット内周面を有しており、該ポケット15には前記玉3が転動自在に保持される。
【0020】
ここで、本実施形態の玉軸受は、静的空間容積/動的空間容積が3以上、且つ静的空間容積/基準容積が0.3以上とされる。
但し、前記静的空間容積とは、軸受内部の空間容積である。又、前記動的空間容積(図1に、一点鎖線で表示)とは、前記静的空間容積から軸受内で運動する部品(玉3及び保持器14)が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積である。更に、前記基準容積とは、πw(r0 2−ri 2 )であり、w=軸受両端のシール部材16,16内面間の距離、r0 =外輪溝肩内半径、ri =内輪溝肩外半径とする。
【0021】
そして、このように静的空間容積/動的空間容積を3以上、且つ静的空間容積/基準容積を0.3以上の条件を満足させるための一例として、前記保持器14のポケット開口側の端面である各柱部22の上面に、軸方向に延びる板状の突起23を爪部21,21の間より突出させている。前記突起23は、前記ポケット15に保持された前記玉3の頂点よりも軸線方向に高く突出する高さに設定される。
【0022】
即ち、本実施形態に係る玉軸受によれば、静的空間容積/基準容積を0.3以上とすることで、従来と同等かそれ以上の静的空間容積が確保されるので、図5に示した従来の玉軸受と同等かそれ以上の量(従来の限界グリース封入率を超えた量)のグリースを封入することができる。
【0023】
更に、上述した静的空間容積/動的空間容積が3以上とは、静的空間容積は大きいが、動的空間容積が従来品よりも小さい軸受内部形状を有することであり、図1及び図2に示したように、前記保持器14の端面上に軸線方向に突出する前記突起23を設けたことによって、該突起23が円周方向に連続する爪部21側(図1中、左側)の空間を部分的に遮るので、静的空間容積を犠牲にせずに動的空間容積のみを減らすことができる。
そこで、爪部21側の空間にあるグリースGが、円周方向に移動する前記突起23により流動させられて軸受内を循環することにより、玉軸受内に封入したグリースは全て均等に潤滑に利用される。
【0024】
又、本実施形態の玉軸受における爪部21側のシール部材16内面付近におけるグリースGの流動速度は、前記突起23が近くで回転するため、近くに運動するものが無かった従来の玉軸受(図5、参照)に比べて速く、グリースGに働く遠心力も大きくなる。
そこで、図3に示したように、グリースGは外輪2側に移動するので、従来の限界グリース封入率を超えた量のグリースGを封入しても、内輪1側にあるシール部材16のリップ部であるリップ7からグリースGが漏れることはない。
【0025】
従って、本実施形態の玉軸受によれば、静的空間容積を犠牲にせず、従来の限界グリース封入率を超えた量のグリースGを封入しても漏れが生じず、封入した総てのグリースを循環させ有効に潤滑に利用できる為、グリース寿命の長寿命化を図ることができる。
【0026】
尚、本発明の転がり軸受における内外輪、保持器、転動体等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、玉軸受に本発明を適用した場合を例に採ったが、これに限定されず、玉軸受以外の転がり軸受に本発明を適用してもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、保持器14に設けた突起23の形状を長方形としているが、必ずしもこの形状に限るものではなく、静的空間容積/動的空間容積が3以上、且つ静的空間容積/基準容積が0.3以上の条件を満足する限りにおいて、種々の形状の突起を採用することができる。
更に、上記実施形態では、全ての柱部22の上面における爪部21,21間に前記突起23を設けた場合を例に採ったが、必ずしも全ての爪部21,21間に設ける必要はなく、静的空間容積/動的空間容積を3以上、且つ静的空間容積/基準容積を0.3以上とする条件を満足する範囲において適宜設定される。
【0028】
また、図4に示した保持器34のように、主部20の背面側に半径方向に貫通する溝30を設けることによって、動的空間容積を同等としたまま静的空間容積を大きくし、静的空間容積/動的空間容積の値を更に大きくすることができる。このようにすると、前記保持器34の背面側に流れてきたグリースGを溝30を通して遠心力により外輪2側に流動させることができ、背面側のシール部材16のリップ7からのグリース漏れも防止することができる。
【0029】
【実施例】
上述した本発明の作用効果を確認するために、上記各実施形態に準じた実施例1,2の玉軸受と従来品の玉軸受とについて、高温高速焼付試験を実施した。
前記高温高速焼付試験は、内径17mm、外径47mm、幅14mmのグリース密封玉軸受(冠型保持器付) にグリースを1.5g封入し、内輪回転速度20000min−1、雰囲気温度150°C、ラジアル荷重1372N(140kgf)、アキシアル荷重686N(70kgf)の条件で軸受を連続回転させ、焼付が生じて軸受外輪温度が180°C以上に上昇するまでの運転時間を測定し、焼付に至るまでの時間が1000時間以上であれば○、1000時間未満であれば×とした。
【0030】
但し、図5に示した玉軸受を従来品、図1に示した玉軸受を実施例1、図1に示した玉軸受の保持器14を図4の保持器34に代えたものを実施例2とし、それぞれの静的空間容積、動的空間容積、静的空間容積/動的空間容積、基準容積、静的空間容積/基準容積の値を表1示す。なお、これら従来品及び実施例1,2は、保持器以外は全て同一条件とした。
【0031】
【表1】
【0032】
先ず、上記表1から明らかなように、実施例1の玉軸受は、従来品の玉軸受と比較し静的空間容積をほとんど犠牲にせずに、動的空間容積を大きく減少させている。そのため、従来品の玉軸受における静的空間容積/動的空間容積は高々2.6なのに対し、実施例1の玉軸受は静的空間容積/動的空間容積が3.5と3 を超えている。
また、実施例2は、実施例1の玉軸受と動的空間容積は同じであるが、保持器背面に切欠き形成された溝30の容積分、静的空間容積が増加し、静的空間容積/動的空間容積は4.1と4を超えている。
【0033】
そして、基準容積については、三者とも同一である。静的空間容積/基準容積の値は、従来品の玉軸受が0.343に対し、実施例1の玉軸受が0.331とわずかに減少した。
しかしながら、実施例1の玉軸受は、上述したように従来品の玉軸受よりも限界グリース封入率が高いため、従来品と比較して十分な量のグリースを封入することができる。また、実施例2の玉軸受は、静的空間容積が従来品よりも大きいため、グリースが封入可能な容量は十分あり問題ない。
そして、上記高温高速焼付試験の結果は、実施例1及び実施例2ともに、従来品よりも優れた結果が得られた。
【0034】
【発明の効果】
以上、上述した本発明の転がり軸受によれば、静的空間容積/基準容積を0.3以上とすることで、従来と同等かそれ以上の静的空間容積が確保されるので、従来と同等かそれ以上の量のグリースを封入することができる。
更に、静的空間容積/動的空間容積が3以上とは、静的空間容積は大きいが動的空間容積が従来品よりも小さい軸受内部形状を有することであり、例えば、冠型保持器の端面上に軸線方向に突出する突起を設けることによって、該突起が円周方向に連続する爪部側の空間を部分的に遮るので、静的空間容積を犠牲にせずに動的空間容積のみを減らすことができる。
【0035】
そこで、爪部側空間にあるグリースが、円周方向に移動する前記突起により流動させられて軸受内を循環することにより、軸受内部に封入したグリースは全て均等に潤滑に利用される。又、前記突起によって、爪部側のシール部材内面付近のグリースに作用する遠心力が大きくなり、グリースは外輪側に移動するので、一定のグリース封入率を超えてグリースを封入しても、内輪側にあるシール部材のリップ部からグリースが漏れることはない。
【0036】
従って、静的空間容積を犠牲にせず、従来の限界グリース封入率を超えた量のグリースGを封入しても漏れが生じず、封入した総てのグリースを循環させ有効に潤滑に利用できる為、高荷重、 高速回転、 高温という厳しい条件下で使用される場合においても、グリース寿命の長寿命化を図ることができる良好な転がり軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図である。
【図2】図1に示した保持器の部分斜視図である。
【図3】図1に示した転がり軸受のグリース分布を説明する部分断面図である。
【図4】図1に示した保持器の変形例を示す部分正面図である。
【図5】従来の転がり軸受の部分断面図である。
【図6】図5に示した保持器の部分斜視図である。
【図7】図5に示した転がり軸受のグリース分布を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 玉(転動体)
14 冠型保持器(保持器)
16 シール部材
23 突起
Claims (1)
- 内輪と、外輪と、内外輪の間に保持器を介して周方向に転動自在に配設された複数の転動体と、軸受両端の開口部を覆うシール部材とを備え、軸受空間内にグリースが封入される転がり軸受であって、
静的空間容積/動的空間容積が3以上であり、且つ静的空間容積/基準容積が0.3以上であることを特徴とする転がり軸受。
但し、
前記静的空間容積とは、軸受内部の空間容積である。
前記動的空間容積とは、前記静的空間容積から軸受内で運動する部品が一回転する間に通過した空間を除いた空間容積である。
前記基準容積とは、πw(r0 2−ri 2 )であり、w=軸受両端のシール部材内面間の距離、r0 =外輪溝肩内半径、ri =内輪溝肩外半径とする。
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-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002252637A patent/JP2004092719A/ja active Pending
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