JP2004217883A - グラウト材組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が良好なエポキシ樹脂系有機質グラウト材組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ化合物(A)、無機充填剤(B)、アミノ基に由来する活性水素を2個以上有するアミノ化合物(C)からなり、少なくとも該(A)又は(C)のどちらか一方がシリコーン化合物を変性したもの、すなわち(A)の場合はシリコーン化合物にエポキシ基を導入したもの、(C)の場合はシリコーン化合物にアミノ基を導入したもの、であることを特徴とするグラウト材組成物である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はグラウト材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリ−ト構造物の梁や柱に配筋される鉄筋は、結合して一本の長大な棒鋼にして施工することが一般に行われており、鉄筋の中央付近に孔を有するカプラーを用い、その孔にグラウト材を注入して、鉄筋の突き合わせ面や隙間に充填し、硬化させて鉄筋を一体化している。このグラウト材としてエポキシ樹脂系有機質グラウト材が使用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭51−127531号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエポキシ樹脂系の有機質グラウト材では耐熱性が十分ではなく、1〜3時間の耐火性能が要求される建築物に対しては、使用範囲が制限されるという問題があった。
一方、耐熱性のあるグラウト材としては、セメント等の無機系のものが知られているが、硬くて脆いため、圧縮強さや衝撃強さが低い、耐水性、気密性に乏しい等の問題があった。
本発明は、上記問題を解決するものであり、耐熱性が良好で、耐火性能が要求される建築物に適用可能なエポキシ樹脂系有機質グラウト材組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明はエポキシ化合物(A)、無機充填剤(B)、アミノ基に由来する活性水素を2個以上有するアミノ化合物(C)からなり、少なくとも該(A)又は(C)のどちらか一方がシリコーン化合物を変性したものであることを特徴とするグラウト材組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明1において、エポキシ化合物(A)は、シリコーン化合物を変性したもの、即ちシリコーン化合物にエポキシ基を導入したもの(以下エポキシシリコーンという)及びその他のエポキシ化合物(D)が挙げられる。
エポキシシリコーンの25℃における粘度は好ましくは5〜10,000mPa・sで、且つエポキシ当量が好ましくは120〜10,000である場合であり、より好ましくは粘度が8〜5000mPa・sで、且つエポキシ当量が170〜8,000である。粘度が5mPa・s以上であると組成物の各成分の相溶性が良好となり、10,000mPa・s以下であると、組成物の粘度が高くなり作業性が良好となる。エポキシ当量が120以上、10,000以下であると組成物の硬化物の物性が良好となる。粘度はBL型粘度計で測定する値である。エポキシシリコーンの具体例としては、例えば下記一般式(1)で示される化合物及びアルコキシシシラン部分縮合物(H)と分子内に水酸基を1個以上有するポリエポキシ化合物(F)との反応物(I)が挙げられる。これらは1種又は2種以上併用してもよい。
一般式
【0007】
【化4】
Figure 2004217883
【0008】
[式中、R、Rは直接結合又は炭素数1〜5のアルキレン基;Xはグリシジル基、−OSi(CH、−(CH−O−(CO)−(CO)−Z(Zは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数を表す)基を表し、3個のXの内少なくとも1個はグリシジル基;a、bは0〜50の整数を表し、両端のXがグリシジル基でないときはbは少なくとも1である。]
【0009】
一般式(1)で示される化合物としては、さらに具体的には下記一般式(5)〜(10)で示される化合物が挙げられる。
一般式
【0010】
【化5】
Figure 2004217883
【0011】
【化6】
Figure 2004217883
【0012】
【化7】
Figure 2004217883
【0013】
【化8】
Figure 2004217883
【0014】
【化9】
Figure 2004217883
【0015】
【化10】
Figure 2004217883
【0016】
[式中、R、R、a,b等は上記一般式(1)の場合と同じであり、dは1〜50の整数を表す。]
一般式(5)〜(10)中、a、bは、それぞれ独立に0〜50の整数であるのが好ましく、より好ましくは0〜20の整数である。両端のXがグリシジル基でないときはbは少なくとも1である。分子中にグリシジル基が少なくとも1個入るための条件である。a、bのいずれもが50以下であると、組成物の硬化物の強度等の物性が良好である。
【0017】
、Rの−(CH−O−(CO)−(CO)−Zにおいて、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数が好ましく、より好ましくは、xは0〜30、yは0〜30、x+yは2〜40であり、Zは好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基等が挙げられる。
x+yが100以下である場合、Zの炭素数が20以下である場合組成物の粘度が高くならず作業性が良好である。
【0018】
、Rの炭素数1〜5のアルキレン基としては、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基及びペンチレン基等が挙げられる。これらの内で、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。炭素数が5以下であると組成物の硬化物の機械的強度が良好である。
【0019】
エポキシシリコーンは市販品が使用でき、この具体例としては、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY16−855D(粘度=10mPa・s/25℃、エポキシ当量=180)、SF8411(粘度=8000mPa・s/25℃、エポキシ当量=3,000)、SF8421(粘度=3,600mPa・s/25℃)、信越化学工業社製のKF−105(粘度=15mPa・s/25℃、エポキシ当量=490)、X−22−163A(粘度=30mPa・s/25℃、エポキシ当量=950)、X−22−2000(粘度=190mPa・s/25℃、エポキシ当量=620)、X−22−4741(粘度=420mPa・s/25℃、エポキシ当量=2,500)、X−22−3667(粘度=4,500mPa・s/25℃、エポキシ当量=4,300)、日本ユニカー社製のFZ−3720(粘度=700mPa・s/25℃、エポキシ当量=1,200)、FZ−3736(粘度=2,300mPa・s/25℃、エポキシ当量=5,000)等が挙げられる。
【0020】
アルコキシシシラン部分縮合物(H)と分子内に水酸基を1個以上有するポリエポキシ化合物(F)との反応物(I)としては具体的には下記のものが挙げられる。
該(H)としては、下記一般式(2)又は(3)で示される化合物が挙げられる。
一般式
【0021】
【化11】
Figure 2004217883
【0022】
[式中、R、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、cは1〜50の整数を表す。]
式(2)及び(3)中、R、Rは、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びペンチル基等が挙げられる。これらの内で、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。炭素数が5以下であると分子内に水酸基を1個以上有するポリエポキシ化合物(F)との反応性が良好である。
式(2)及び(3)中、cは1〜50の整数であるのが好ましく、より好ましくは1〜15の整数である。cが50以下であると、(F)との反応性が良好である。
【0023】
(H)はアルコキシシランに酸触媒(塩酸等の無機酸)と水を加えて好ましくは室温〜80℃で反応させて容易に得られる。
酸触媒はアルコキシシランの量に対して好ましくは0.01〜3質量%、水の量は加水分解の程度により任意である。原料のアルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン等が挙げられる。好ましくはトリアルコキシシランであり、より好ましくはトリメトキシシランである。
(H)の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン部分縮合物、テトラエトキシシラン部分縮合物、メチルトリメトキシシラン部分縮合物、メチルトリエトキシシラン部分縮合物、エチルトリメトキシシラン部分縮合物、エチルトリエトキシシラン部分縮合物、n−プロピルトリメトキシシラン部分縮合物、n−プロピルトリエトキシシラン部分縮合物、i−プロピルトリメトキシシラン部分縮合物、i−プロピルトリエトキシシラン部分縮合物等が挙げられる。好ましくはメチルトリメトキシシラン部分縮合物である。
【0024】
アルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(I)は、分子内に水酸基を1個以上有するポリエポキシ化合物(F)の水酸基とアルコキシシラン部分縮合物(H)のアルコキシ基との脱アルコール縮合反応によって得られる。
分子内に水酸基を1個以上有するポリエポキシ化合物(F)は分子中にエポキシ基を2個以上、好ましくは2〜6個、特に好ましくは2個有し、且つ水酸基を1個以上、好ましくは1〜20個有する化合物である。
具体的には、例えばエポキシ基を2個有する化合物としては一般式(11)で示される化合物が挙げられる。
一般式
【0025】
【化12】
Figure 2004217883
【0026】
[式中、Rは置換基を有していても良い1,4−フェニレン基、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは−CH−、−CHR−及び−C(CH)R−(Rは炭素数1〜15のアルキル基を表す)を表し、dは1〜40の整数を表す。]
置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜5のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。Rは好ましくは1,4−フェニレン基である。dは好ましくは1〜20である。
(F)の25℃における粘度が15〜100,000mPa・sで、且つエポキシ当量が120〜10,000である場合がより好ましい。粘度が15mPa・s以上であると組成物の各成分の相溶性が良好となり、100,000mPa・s以下であると、アルコキシシラン部分縮合物(H)との反応性が低下しない。エポキシ当量が120以上である場合、及び10,000以下である場合は組成物の硬化物の物性が低下しない。これらのうち、反応性の観点から好ましいものは2価フェノールのジグリシジルエーテルである。
本反応において、(F):(H)の配合比は特に限定されないが、(F)+(H)の合計を100質量部としたとき、好ましくは95〜30:5〜70質量部であり、より好ましくは95〜50:5〜50質量部である。(H)が5質量部以上であると硬化物の耐熱性が良好となり、70質量部以下であると硬化物の物性が良好である。
反応温度は、好ましくは50〜130℃、より好ましくは70〜110℃である。
【0027】
また、反応に際して、必要により反応促進剤として触媒を含有させることができる。該触媒としては従来公知のもので、エポキシ基を開環させないものであれば特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ素、カドミウム、マンガン等の金属酸化物、炭素数1〜30の有機酸(酢酸、オクチル酸、ラウリル酸、ステアリン酸等のカルボン酸等)塩、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素等)化物、炭素数1〜30のアルコキシド(メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)等が挙げられる。
これらのうち、好ましいものはスズ系化合物であり、特に好ましいものはジブチルスズジラウレート及びオクチル酸スズである。触媒の添加量は(H)100質量部に対して0.05〜2質量部である。反応はH−NMR測定により、(F)の水酸基ピークの積分比によってチエックできる。
【0028】
また、(I)中には(H)由来のアルコキシ基を有しており、このアルコキシ基が加熱処理や水分との反応により、ゾル−ゲル反応や脱アルコール縮合して、相互に結合したハイブリッド硬化物を形成させる。
(I)中のアルコキシ基の含有率としては、アルコキシシラン部分縮合物(H)中のアルコキシ基の40〜95モル%、好ましくは50〜90モル%が残存しているのが好ましい。
【0029】
上記のエポキシシリコーン以外のその他のエポキシ化合物(D)としては、エポキシシリコーン以外のものであって、分子中に1個以上のエポキシ基を有していれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは分子中にエポキシ基を1〜6個有するものである。エポキシ化合物のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1,000であり、より好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1,000以下であると、硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が良好であり、一方、エポキシ当量が65以上であると硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等が良好な架橋構造となる。
エポキシ化合物(D)の例としては、下記(D1)から(D5)があげられる。
【0030】
(D1)グリシジルエーテル型
(i)1価フェノール類のグリシジルエーテル;
炭素数6〜30の1価フェノール類のグリシジルエーテル、例えば、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、4−n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−s−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−ブロモフェニルグリシジルエーテル、2,4−ジブロモフェニルグリシジルエーテル、1−ナフタレングリシジルエーテル、2−ナフタレングリシジルエーテル等;
【0031】
(ii)2価フェノール類のジグリシジルエーテル;
炭素数6〜30の2価フェノール類のジグリシジルエーテル、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(例えばテトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等;
【0032】
(iii)3価〜6価又はそれ以上の、多価フェノール類のポリグリシジルエーテル;
炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量250〜5,000の3価〜6価又はそれ以上の多価フェノール類のポリグリシジルエーテル例えば、ピロガロールトリグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂(分子量200〜5,000)のグリシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂(分子量400〜5,000)のグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール(分子量400〜5,000)のポリグリシジルエーテル、及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られる分子量400〜5,000のポリフェノールのポリグリシジルエーテル等;
【0033】
(iv)脂肪族1価アルコールのグリシジルエーテル;
炭素数2〜100、分子量150〜5,000のモノオールのグリシジルエーテル、例えば、アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、炭素数11〜15の高級アルコールのグリシジルエーテル等;
(v)脂肪族2価アルコールのジグリシジルエーテル
炭素数2〜100、分子量150〜5,000のジオールのジグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(分子量150〜4,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(分子量180〜5,000)ジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール(分子量200〜5,000)ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキシド〔エチレンオキシド又はプロピレンオキシド(1〜20モル)〕付加物のジグリシジルエーテル等;
【0034】
(vi)3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル;炭素数3〜50又はそれ以上で、分子量92〜10,000の3価〜6価又はそれ以上の多価アルコール類のグリシジルエーテル、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ポリ(n=2〜5)グリセロールポリグリシジルエーテル等;
等があげられる。
【0035】
(D2)グリシジルエステル型;
炭素数6〜20又はそれ以上で、1価〜6価又はそれ以上の芳香族カルボン酸のグリシジルエステル、及び炭素数2〜20又はそれ以上で、1価〜6価又はそれ以上の脂肪族若しくは脂環式カルボン酸のグリシジルエステルがあげられる。
(i)芳香族カルボン酸、例えばフタル酸類のグリシジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル等;
(ii)脂肪族若しくは脂環式カルボン酸のグリシジルエステルとしては、上記芳香族カルボン酸のグリシジルエステルの芳香核水添加物、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体(重合度は例えば2〜10)、トリカルバリル酸トリグリシジルエステル等;
等があげられる。
【0036】
(D3)グリシジルアミン型;
炭素数6〜20又はそれ以上で、1〜10又はそれ以上の活性水素原子をもつ芳香族アミン類のグリシジルアミン及び脂肪族、脂環式若しくは複素環式アミン類のグリシジルアミンがあげられる。
(i)芳香族アミン類のグリシジルアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジルアミノフェノ−ル等;
【0037】
(ii)脂肪族アミン類のグリシジルアミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等;
(iii)脂環式アミン類のグリシジルアミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミンの水添化合物等; (iv)複素環式アミンのグリシジルアミンとしてはトリスグリシジルメラミン等;
等があげられる。
【0038】
(D4)鎖状脂肪族エポキサイド;
炭素数6〜50又はそれ以上で1〜6価又はそれ以上の鎖状脂肪族エポキサイド、例えばエポキシ化(ポリ)アルカジエン[例えば、エポキシ当量130〜1,000のエポキシ化ブタジエン(分子量90〜2,500)]、エポキシ化油脂[エポキシ化大豆油(分子量130〜2,500)]等があげられる。
(D5)脂環式エポキサイド
炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量90〜2500、エポキシ基の数1〜4又はそれ以上の脂環式エポキサイド例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン等があげられる。また、前記フェノール類のエポキシ化合物の核水添化物も含む。
【0039】
これらのうち、耐熱性の観点から好ましいものはグリシジルエーテル型(D1)であり、特に好ましいものはフェノールノボラック樹脂(重量平均分子量200〜1,000)のグリシジルエ−テルである。
【0040】
無機充填剤(B)は、下記(i)(ii)のものが好ましく挙げられる。
(i)25℃、1気圧におけるモル熱容量が70J/K・mol未満のもの;
例えば、酸化鉛系ガラス粉末、バリウム塩系ガラス粉末、マンガン塩系ガラス粉末、シリカ、ベントナイト、シラスバルーン、金属粉末等;
【0041】
(ii)25℃、1気圧におけるモル熱容量が70J/K・mol以上のもの;
例えば、リン酸系ガラス粉末、ホウ酸系ガラス粉末、ナトリウム塩系ガラス粉末、カリウム塩系ガラス粉末、マグネシウム塩系ガラス粉末、ケイ酸塩系ガラス粉末等のガラス粉末;アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;塩化バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、ホウ酸バリウム等のバリウム化合物;炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム等のカルシウム化合物;硫酸アルミニウムカリウム、硫酸カリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、ケイ酸二カリウム、ケイ酸四カリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム等のカリウム化合物;硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム、ケイ酸四ナトリウム、ケイ酸マグネシウムナトリウム等のナトリウム化合物;塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム化合物;ホウ酸亜鉛、硫酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、チタン酸亜鉛等の亜鉛化合物;紅柱石粉、灰長石粉、長石粉、明ばん石粉、カオリン、タルク、マイカ、クレー、セリサイト、アスベスト、ジルコン、ゼオライト等;
これらは1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
【0042】
これらのうち、耐熱性の観点から、(ii)のものが好ましく、より好ましくは、ガラス粉、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、ナトリウム化合物及びマグネシウム化合物であり、特に好ましくは、リン酸系ガラス粉末、ホウ酸系ガラス粉末、ナトリウム塩系ガラス粉末、ケイ酸塩系ガラス粉末である。
【0043】
(B)の形状は特に限定されないが、組成物の流動性及び組成物の硬化物の強度の観点から、ビーズ状(球状)であることが好ましい。なお、この場合、(B)は粒状でも中空状でもよい。
(B)の体積平均粒径は、好ましくは20〜200μmであり、より好ましくは30〜180μmである。平均粒径が20μm以上であると作業性が良好となり、200μm以下であると硬化物の物性が良好となる。
体積平均粒径は、(B)の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が体積基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。この測定法としては、マイクロトラック、コールターカウンター等による測定法が挙げられる。
【0044】
アミノ化合物(C)は、シリコーン化合物を変性したもの、すなわちシリコーン化合物にアミノ基を導入したもの(E)及びその他の分子中にアミノ基に由来する活性水素を2個以上有する化合物(G)が挙げられる。アミノ基に由来する活性水素とは、直接アミノ基の窒素原子に結合する水素原子のことをいう。好ましくは分子中にアミノ基に由来する活性水素を2〜10個有する化合物であり、より好ましくは3〜6個有する化合物である。
(C)の活性水素当量(活性水素1個当りの分子量)は、好ましくは15〜500であり、より好ましくは20〜200である。活性水素当量が500以下であると組成物の硬化物の接着性、耐久性等の物性が良好である。活性水素当量が15以上であると組成物の硬化物の接着性、耐久性、耐薬品性等の物性が良好である。
【0045】
該(E)としては、一般式(4)で示される化合物が挙げられる。
一般式
【0046】
【化13】
Figure 2004217883
【0047】
[式中、R、Rは直接結合又は炭素数1〜5のアルキレン基;Xは−NH2、−NH−R−NH2、−OSi(CH、−(CH−O−(CO)−(CO)−Z(Zは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数を表す)基を表し、3個のYの内少なくとも1個は−NH2又は−NH−R−NH2;a、bは0〜50の整数を表し、両端に−NH2又は−NH−R−NH2がないときはbは少なくとも1である。]
【0048】
(E)の25℃における粘度は好ましくは5〜10,000mPa・sであり、且つアミノ基当量が好ましくは120〜10,000である。より好ましくは、粘度が8〜5000mPa・sで、且つエポキシ当量が170〜8,000である。粘度が5mPa・s以上であると組成物の各成分の相溶性が良好となり、10,000mPa・s以下であると、組成物の粘度が高くならず作業性が悪化しない。アミノ基当量が120以上である場合、及び10,000以下である場合は組成物の硬化物の物性が低下しない。粘度はBL型粘度計で25℃で測定した値である。
(E)の具体的としては、例えば下記一般式(12)〜(17)で示される化合物があげられる。
一般式
【0049】
【化14】
Figure 2004217883
【0050】
【化15】
Figure 2004217883
【0051】
【化16】
Figure 2004217883
【0052】
【化17】
Figure 2004217883
【0053】
【化18】
Figure 2004217883
【0054】
【化19】
Figure 2004217883
【0055】
[式中、R、R、a,b等は上記に同じであり、dは1〜50の整数を表す。]
一般式(12)〜(17)中、a、bは、それぞれ独立に0〜50の整数であるのが好ましく、より好ましくは0〜20の整数である。両端に−NH2又は−NH−R−NH2がないときはbは少なくとも1である。分子中に−NH2又は−NH−R−NH2が少なくとも1個入るための条件である。a、bのいずれもが50以下であると、組成物の硬化物の強度等の物性が良好である。
a、bは、それぞれ独立に0〜50の整数であるのが好ましく、より好ましくは0〜20の整数である。a、bのいずれもが50以下であると、組成物の硬化物の強度等の物性が良好である。
【0056】
xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数を表すのが好ましく、より好ましくは、xは0〜30、yは0〜30、x+yは1〜40、Zは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基等が挙げられる。
x+yが100以下であると、あるいはZの炭素数が20以下であると組成物の粘度が高くならず作業性が良好である。
【0057】
、Rは炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基及びペンチレン基等が挙げられる。これらの内で、より好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。炭素数が5以下であると組成物の硬化物の機械的強度が良好である。
【0058】
(E)は市販品が使用でき、この具体例としては、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY16−853C(粘度=10mPa・s/25℃、アミノ基当量=370)、BY16−849(粘度=1,300mPa・s/25℃、アミノ基当量=600)、信越化学工業社製のKF−8010(粘度=12mPa・s/25℃、アミノ基当量=450)、KF−393(粘度=70mPa・s/25℃、アミノ基当量=350)、X−22−3939A(粘度=3,300mPa・s/25℃、アミノ基当量=1,500)、X−22−3908A(粘度=10,000mPa・s/25℃、アミノ基当量=2,200)、日本ユニカー社製のFZ−3707(粘度=60mPa・s/25℃、アミノ基当量=1,600)、チッソ社製のAPDS(粘度=9mPa・s/25℃、アミノ基当量=124)、FM−3311(粘度=13mPa・s/25℃、アミノ基当量=500)、GE東芝シリコーン社製のTSL9306(粘度=9mPa・s/25℃、アミノ基当量=124)等が挙げられる。
【0059】
(E)以外のその他のアミノ化合物(G)の例としては、以下の(G1)〜(G8)が挙げられる。
(G1)脂肪族アミン類(炭素数2〜18、官能基数1〜7、分子量60〜500);
(i)脂肪族アミン{炭素数6〜18のアルキルアミン(オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕};
【0060】
(ii)これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等〕;
(iii)芳香族アミン類(炭素数8〜15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等);
【0061】
(G2)脂環式ポリアミン(炭素数4〜15、官能基数2〜3);
1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン等;
(G3)複素環式ポリアミン(炭素数4〜15、官能基数2〜3);
ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等〕等;
(G4)ポリアミドポリアミン;
ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り1〜2級アミノ基が2モルの)ポリアミン類(官能基数2〜7の上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られるポリアミドポリアミン(数平均分子量200〜1,000)等;
【0062】
(G5)ポリエーテルポリアミン(官能基数;好ましくは2〜7);
ポリエーテルポリオール(官能基数;好ましくは2〜7)のシアノエチル化物の水素化物(分子量230〜1,000)等;
(G6)エポキシ付加ポリアミン;
エポキシ化合物[特開2001−40331号公報記載の上記ポリエポキサイド(B1)及びモノエポキサイド(b))1モルをポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)に1〜30モル付加させることによって得られるエポキシ付加ポリアミン(分子量230〜1,000)等;
【0063】
(G7)シアノエチル化ポリアミン:アクリロニトリルとポリアミン類(上記脂肪族ポリアミン等)との付加反応により得られるシアノエチル化ポリアミン、ビスシアノエチルジエチレントリアミン等(分子量230〜606)等;
(G8)その他のポリアミン化合物;
(i)ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキル(炭素数1〜5)ヒドラジン等);
(ii)ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド,アジピン酸ジヒドラジッド等の炭素数4〜30 の脂肪族系ジヒドラジッド;イソフタル酸ジヒドラジッド,テレフタル酸ジヒドラジッド等の炭素 数10〜40の芳香族系ジヒドラジッド;);
(iii)グアニジン類(ブチルグアニジン等の炭素数1〜5のアルキルグアニジン;1−シアノグア ニジン等のシアノグアニジン);
(iv)ジシアンジアミド等;
並びにこれらの2種以上の混合物。
上記(G1)〜(G8)のうち、好ましくは(G1)、(G2)、(G3)、(G4)及び(G6)であり、特に好ましいのは(G1)である。
【0064】
本発明のグラウト材組成物は、上記(A)〜(C)の配合物であるが、少なくとも(A)又は(C)のどちらか一方がシリコーン化合物にエポキシ基又はアミノ基を導入したものであることが必須である。
(i)(A)に一般式(1)で示される化合物を使用する場合の配合比
(A):(B):(C)の配合比は、(A)(B)(C)の合計を100質量部としたとき、好ましくは5〜60:20〜90:3〜70質量部であり、より好ましくは7〜50:30〜85:5〜60質量部である。(A)が5質量部以上であると硬化物の耐熱性が良好となり、60質量部以下であると硬化物の物性が良好となる。(B)が20質量部以上であると硬化物の物性が良好となり、90質量部以下であると作業性が良好となる。(C)が3質量部以上であると鉄筋との密着性が良好となり、70質量部以下であるとアミンブラッシングを生じない。
(ii) (A)にアルコキシシシラン部分縮合物(H)とポリエポキシ化合物(F)との反応物(I)を使用する場合の配合比
(I):(B):(C)の配合比は、(I)(B)(C)の合計を100質量部としたとき、好ましくは5〜60:80〜20:5〜70質量部であり、より好ましくは10〜50:80〜30:10〜60質量部である。(I)が5質量部以上であると硬化物の耐熱性が良好となり、60質量部以下であると硬化物の物性が良好となる。(B)が20質量部以上であると硬化物の物性が良好となり、80質量部以下であると作業性が良好となる。(C)が5質量部以上であると鉄筋との密着性が良好となり、70質量部以下であると硬化物の物性が良好となる。
(ii)(C)としてシリコーン化合物にアミノ基を導入したもの(E)を使用する場合の配合比
(A):(B):(E)の配合比は、(A)(B)(E)の合計を100質量部としたとき、好ましくは5〜70:80〜20:5〜60質量部であり、より好ましくは10〜60:80〜30:10〜50質量部である。(E)が5質量部以上であると硬化物の耐熱性が良好となり、60質量部以下であると硬化物の物性が良好となる。(B)が20質量部以上であると硬化物の物性が良好となり、80質量部以下であると作業性が良好となる。(A)が5質量部以上であると鉄筋との密着性が良好となり、70質量部以下であると硬化物の物性が良好となる。
【0065】
本発明のグラウト材組成物に、シリコーン化合物にエポキシ基を導入したものを使用する場合、必要によりその他のエポキシ化合物(D)をさらに含有させることができる。(D)のうち、耐熱性の観点から好ましいものはグリシジルエーテル型(D1)であり、特に好ましいものはフェノールノボラック樹脂(重量平均分子量200〜1,000)のグリシジルエ−テルである。
該(D)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)(B)(C)の合計を100質量部としたとき、5〜100質量部である。
また、本発明のグラウト材組成物に、シリコーン化合物にアミノ基を導入したものを使用する場合、必要によりその他のアミノ化合物(G)をさらに含有させることができる。
該(G)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)(B)(C)の合計を100質量部としたとき、5〜100質量部である。
【0066】
また、本発明のグラウト材組成物には、必要によりポリオールの炭素数2〜6のアルキレンオキサイド(AO)付加物(K)をさらに含有させることができる。
該(K)を含有することにより、作業性を損なわずに、鉄筋継手に注入した後でもタレが生じにくくなる効果が向上する。
【0067】
該(K)は、ポリオールにアルキレンオキサイド(AO)を付加したものである。該目的に用いられるポリオールとしては、例えば、2〜8価又はそれ以上で、炭素数2〜30で2価〜8価又はそれ以上の多価アルコール〔エチレングリコール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1、6−ヘキサンジオール,3−メチルペンタンジオール,ジエチレングリコール,ネオペンチルグリコール,1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン,1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン,2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の2価アルコール;グリセリン,トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール,ジグリセリン,α−メチルグルコシド,ソルビトール,キシリット,マンニット,ジペンタエリスリトール,グルコース,フルクトース,ショ糖等の4〜8価のアルコール等〕、2〜8価又はそれ以上で、炭素数6〜40の多価フェノール(ピロガロール,カテコール,ヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールS等のビスフェノール類)等があげられる。
これらのポリオールは1種又は2種以上使用することができる。これらのうち、好ましくは多価アルコールであり、より好ましくは2〜4価で炭素数2〜10の多価アルコールである。
【0068】
(AO)としては、エチレンオキサイド(EOという)、プロピレンオキサイド(POという)、ブチレンオキサイド等が挙げら、好ましくは(EO)及び(PO)である。
(AO)として(EO)及び(PO)を用いた場合、(EO)と(PO)のポリオールへの付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよいが、好ましくはランダム付加である。ランダム付加であると組成物の注入作業性とチキソトロピー性が良好となり、鉄筋継手に注入した後でもタレが生じにくくなる効果がさらに向上する。
(AO)として(EO)及び(PO)を用いた場合の(EO)と(PO)の付加モル数の比は、好ましくは1:0.1〜0.5であり、さらに好ましくは1:0.12〜0.35である。
(PO)の付加モル数が0.1以上であると組成物のチキソトロピー性が良好となり注入後タレにくく、0.5以下であると組成物の作業性が良好となる。
該(K)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)(B)(C)の合計を100質量部としたとき、0.1〜10質量部である。
【0069】
本発明のグラウト材組成物には、必要により有機系の充填剤(L)をさらに含有させることができる。充填剤(L)は特に限定されないが、下記のものが挙げられる。
例えば、炭素繊維粉、アラミド繊維粉、ナイロン繊維粉、アクリル繊維粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、フェノール樹脂バルーン、塩化ビニリデンバルーン、石炭粉等;
これらは1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
該(L)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)(B)(C)の合計を100質量部としたとき、5〜100質量部である。
【0070】
本発明の耐熱性グラウト材組成物には、必要により硬化促進剤(M)をさらに含有させることができる。
硬化促進剤(M)としては、3級アミノ化合物(M1)、ソジウムメチラ−ト、カセイソ−ダ、カセイカリ、炭酸リチウム等のアルカリ化合物(M2)、トリエチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のルイス塩基化合物(M3)、フェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール等のフェノール類(M4)、リン酸、サリチル酸等の酸類(M5)、リン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム等の塩類(M6)等があげられる。これらの内好ましいものは3級アミノ化合物(M1)である。
【0071】
該(M)として好ましい3級アミノ化合物(M1)は分子中に3級アミノ基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、以下の(M1−1)から(M1−3)がそれぞれ挙げられる。
(M1−1)脂肪族3級アミン:トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、テトラエチルメチレンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)モルホリン、ジメチルアミノエタノ−ル、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコール(3−ジメチル)アミノプロピルエーテル等、
【0072】
(M1−2)フェノール核含有脂肪族3級アミン:N,N−ジメチルアミノメチルフェノール(通称「DMP−10」)、トリス(N,N−ジメチルアミノメチルフェノール(通称「DMP−30」)等、
(M1−3)含窒素複素環化合物 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(サンアプロ社;商標「DBU」)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(サンアプロ社;商標「DBN」)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(サンアプロ社;商標「DBA−DBU」)、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
3級アミノ化合物(M1)は得ようとする硬化速度、可使時間に応じて種類、添加量とも適宜選択すればよい。例えば(M1)の量は好ましくは(A)+(C)、(E)+(F)又は(I)+(C)の合計を100質量部としたとき、1〜100質量部である。
【0073】
本発明の耐熱性グラウト材組成物には、さらに必要に応じて上記(A)、(E)及び(I)以外の添加剤、例えば(1)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着性付与剤、(2)ヒンダードアミン類、硫黄含有化合物等の酸化防止剤、(3)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、(4)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウム等)の無機及び有機塩類、有機錫化合物等の安定剤、(5)フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、ひまし油、流動パラフィン、アルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、(6)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子量(分子量1,000〜10,000)ポリオレフィン等のワックス類、(7)ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(8)エステル(酢酸エチル等)、芳香族炭化水素(トルエン等)、アルコール(メタノール等)、エーテル(ジエチルエーテル等)、ケトン(メチルエチルケトン等)等の溶剤、(9)発泡剤、(10)消泡剤、(11)脱水剤、(12)帯電防止剤、(13)抗菌剤、(14)防かび剤、(15)香料、(16)難燃剤、(17)分散剤等を添加することができる。これらは2種以上を併用することも可能である。
これらの添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)(B)(C)の合計を100質量部としたとき、0.01〜10質量部である。
【0074】
本発明のグラウト材組成物の形成形態としては、以下の(i)〜(iv)が例示される。
(i)(A)、(B)、及び(C)を各々独立した3成分の形で保存し、使用時に3成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合のエポキシ化合物(D)は、第4成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)及び/又は(B)成分中に添加した形で保存することもできる。任意成分となる場合のアミノ化合物(G)は、第4成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(E)及び/又は(B)成分中に添加した形で保存することもできる。〕。
(ii)(A)と(B)の混合物、及び(C)を各々独立した2成分の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合の(D)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)と(B)の混合物中に添加した形で保存することもできる。任意成分となる場合の(G)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(E)と(B)の混合物中に添加した形で保存することもできる。〕。
【0075】
(iii)(A)及び、(B)と(C)の混合物を各々独立した2成分の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合の(D)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)成分中に添加した形で保存することもできる。任意成分となる場合の(G)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(E)成分中に添加した形で保存することもできる。〕。
(iv)(A)と(B)の混合物、及び(B)と(C)の混合物を各々独立した2成分の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合の(D)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)と(B)の混合物中に添加した形で保存することもできる。任意成分となる場合の(G)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(E)と(B)の混合物中に添加した形で保存することもできる。〕。
【0076】
本発明のグラウト材組成物は万能混合機等の通常の混合機を使用して(A)、(B)、(C)及び必要によりその他の配合物を混合することにより製造される。(A)と(C)は通常、使用時に配合される。該グラウト材組成物は、注入作業性、硬化性、接着性の点から25℃における粘度は、好ましくは30,000〜100,000mPa・sであり、特に好ましくは40,000〜80,000mPa・sである。
【0077】
本発明のグラウト材組成物の注入方法としては特に限定がなく、従来公知の注入手段を採用することができる。すなわち、(A)、(B)、(C)及び必要によりその他を配合した後、コーキングガンに充填し、エポキシ樹脂が硬化を始める前にカプラー中央付近の孔から注入してもよいし、特開平9−13675に示されている装置を用いて(A)及び(B)の混合物並びに(C)の各々独立した2液を別々に供給管に充填し、先端のミキサーで混練しながら注入してもよい。グラウト材組成物の硬化条件は従来公知の条件でよく、温度は好ましくは5〜40℃であり、特に好ましくは10〜35℃である。
【0078】
また、本発明のグラウト材組成物の硬化物に対する耐火性能試験について以下に記述する。
建築基準法では、建物の規模や用途に応じて、壁、柱、梁、床の各部材に対して、1時間耐火性能、2時間耐火性能あるいは3時間耐火性能が要求されている。また、耐火試験方法については、JIS A1304「建築構造物の耐火試験方法」に記載されている。
本発明のグラウト材組成物の耐熱性の指標としては、該組成物の硬化物を一定の大きさに成型し、前記JIS A1304にしたがって、一定量のコンクリートかぶり厚を付与した試験体を加熱処理した後の物性変化を測定することにより判定した。
【0079】
また、本発明のグラウト材組成物の硬化物は、耐熱性に優れるのみでなく、接着性(特に鉄に対する接着性)、耐久性(特に継手としての耐久性)、耐薬品性(特に耐アルカリ性)等の物性にも優れる。
従って、本発明のグラウト材組成物は耐火性能が要求されるコンクリート構造物の鉄筋等のグラウト材として有用である。
【0080】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例中の部は質量部を表わす。
【0081】
また、実施例中の評価項目の試験方法は以下の通りである。
[粘度]
25℃に温調した硬化前のグラウト材組成物100gを容器に投入し、2分間ガラス棒で充分攪拌した。BH型粘度計(回転数20rpm、7号スピンドル)で粘度をJIS K7117に準じて測定した。
【0082】
[圧縮降伏強さ、圧縮弾性係数]
25℃に温調した硬化前のグラウト材組成物150gを容器に投入し、2分間ガラス棒で攪拌した。これを、泡をかまないように注意しながら厚さ10mmの板状にし、25℃で5日間養生した。養生後10.4×10.4×30.0(mm)の直方体を2mm/分の試験速度でJIS K7208に準じて測定した。
【0083】
[耐火性能試験]
前記圧縮降伏強さ及び圧縮弾性係数測定試験体を、昭和44年建設省告示第2999号別記第1に規定する「耐火性能試験方法」に準じて、加熱時間3時間の耐火性能試験を行った。なお、各試験体のコンクリートかぶり厚は40mmとした。
[注入時間]
供給管に充填したグラウト材組成物を25℃に温調し、押し出し器を使用して鉄筋継手(サイズ:D29)に注入する。注入し始めてから鉄筋継手からあふれ出すまでの時間を測定した。
【0084】
製造例1
反応器に「エピコート1001」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製)240部及び「エピコート828」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製)1,000部を仕込み、80℃で溶解させた。更に「MTMS−A」[ポリ(メチルトリメトキシシラン:多摩化学社製)465部と触媒としてジブチルスズラウレート1.6部を仕込み、100℃で8時間、脱メタノール縮合反応を行った。60℃に冷却後、減圧下メタノールを留去することにより、アルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(I−1)1615部を得た。このもののH−NMR測定により、水酸基のピーク(3.85ppm付近)が消失していることを確認した。また、このもののエポキシ当量は280、粘度は1,700mPa・s/25℃であった。
【0085】
製造例2
攪拌式オートクレーブにプロピレングリコールを147部、触媒として水酸化カリウムを0.76部仕込み、エチレンオキサイド682部とプロピレンオキサイド171部とを混合したものを吹き込み、110℃で5時間反応させた。130℃で3時間熟成後、「キョーワード600」(酸化マグネシウム系吸着剤:協和化学工業社製)で処理し、触媒を除去してアルキレンオキサイド付加物(K−1)を得た。このものの水酸基価は28、粘度は700mPa・s/25℃であった。
【0086】
実施例1〜9、比較例1〜2
25℃雰囲気下で、表1に示した配合量で各成分を混合攪拌してグラウト材組成物を得た。これを硬化させ、もしくは鉄筋接合用のカプラーに注入し、前記の試験方法によりグラウト材組成物としての性能評価試験を行った。また、前記耐火性能試験後の性能評価も行った。結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 2004217883
【0088】
なお、表1において配合成分としては下記のものを使用した。
(A−1):エポキシシリコーン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製:BY16−855D、粘度=10mPa・s/25℃、エポキシ当量=180);
(A−2)エポキシシリコーン(信越化学工業社製:X−22−4741、粘度=420mPa・s/25℃、エポキシ当量=2,500)
(B−1):リン酸系ガラス粉(日本フェロー社製:01−4102P、平均粒径10μm);
(B−2)ホウ酸系ガラス粉(日本フェロー社製:12−3993M、平均粒径40μm);
(B−3)ナトリウム/ケイ酸系ガラスビーズ(ユニオン社製:UB−67L、平均粒径100μm);
(B−4)ホウケイ酸系中空ガラスビーズ(東海工業社製Z−36、平均粒径60μm);
(B−1)〜(B−4)の25℃、1気圧におけるモル熱容量は70J/K・mol以上である。
【0089】
(C−1):メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製:MXDA、粘度7mPa・s/25℃、活性水素当量34)
(D−1)フェノールノボラック樹脂のグリシジルエ−テル(ジャパンエポキシレジン社製:エピコート152、粘度14Pa・s/52℃、エポキシ当量175);
(D−2)シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製:エリシスGE−22、粘度60mPa・s/25℃、エポキシ当量155);
(D−3)ビスフェノールFジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製:エピコート807、粘度3,400mPa・s/25℃、エポキシ当量170)
(E−1)アミノシリコーン(GE東芝シリコーン社製:TSL9306、粘度=9mPa・s/25℃、アミノ基当量=124);
(E−2)アミノシリコーン(信越化学工業社製:X−22−3939A、粘度=3,300mPa・s/25℃、アミノ基当量=1,500)
(J−1)フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製:エピコート152、粘度14Pa・s/52℃、エポキシ当量175)
【0090】
【発明の効果】
本発明のグラウト材組成物は、下記の効果を奏する。
(1)硬化物の強度に優れる。
(2)良好な耐熱性を有し、耐熱試験後も高強度である。
(3)良好な注入作業性を有する。
以上のことから、本発明の組成物は耐火性能が要求されるコンクリート構造物の鉄筋等のグラウト材として有用である。

Claims (14)

  1. エポキシ化合物(A)、無機充填剤(B)、アミノ基に由来する活性水素を2個以上有するアミノ化合物(C)からなり、少なくとも該(A)又は(C)のどちらか一方がシリコーン化合物を変性したものであることを特徴とするグラウト材組成物。
  2. 前記(A)又は(C)のシリコーン化合物を変性したものの25℃における粘度が5〜10,000mPa・sであり、且つエポキシ当量(Aの場合)、又はアミノ基当量(Cの場合)が120〜10,000である請求項1記載のグラウト材組成物。
  3. 前記(A)が下記一般式(1)で示される化合物及び/又はアルコキシシシラン部分縮合物(H)と分子内に水酸基を1個以上有するポリエポキシ化合物(F)との反応物(I)である請求項1又は2記載のグラウト材組成物。
    一般式
    Figure 2004217883
    [式中、R、Rは直接結合又は炭素数1〜5のアルキレン基;、Xはグリシジル基、−OSi(CH、−(CH−O−(CO)−(CO)−Z(Zは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数を表す)基であり、3個のXの内少なくとも1個はグリシジル基;a、bは0〜50の整数を表し、両端のXがグリシジル基でないときはbは少なくとも1である。)
  4. 前記(H)が下記一般式(2)又は(3)で示される化合物である請求項3記載のグラウト材組成物。
    一般式
    Figure 2004217883
    [式中、R、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、cは1〜50の整数を表す。]
  5. 前記(C)が脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環式ポリアミン、ポリアミドポリアミン、及びエポキシ付加ポリアミンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である請求項1〜4の何れか記載のグラウト材組成物。
  6. 前記(C)が下記一般式(4)で示される化合物(E)である請求項1〜4のいずれか記載のグラウト材組成物。
    一般式
    Figure 2004217883
    [式中、R、Rは直接結合又は炭素数1〜5のアルキレン基;Yは−NH、−NH−R−NH、−OSi(CH、−(CH−O−(CO)−(CO)−Z(Zは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数を表す)基を表し、3個のYの内少なくとも1個は−NH又は−NH−R−NH;a、bは0〜50の整数を表し、両端に−NH又は−NH−R−NHがないときはbは少なくとも1である。]
  7. 前記(A)がフェノールノボラック樹脂(重量平均分子量200〜1,000)のグリシジルエーテルである請求項6記載のグラウト材組成物。
  8. さらに前記(A)のシリコーン化合物を変性したもの以外のエポキシ化合物(D)を含有してなる請求項3〜6の何れか記載のグラウト材組成物。
  9. さらに前記(E)以外のアミノ基に由来する活性水素を2個以上有するアミノ化合物(G)を含有してなる請求項6〜8の何れか記載のグラウト材組成物。
  10. 前記(G)が脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環式ポリアミン、ポリアミドポリアミン、及びエポキシ付加ポリアミンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である請求項9記載のグラウト材組成物。
  11. 前記(B)の25℃、1気圧におけるモル熱容量が70J/K・mol以上である請求項1〜10の何れか記載のグラウト材組成物。
  12. 前記(B)が、体積平均粒子径が20〜200μmのガラスビーズである請求項1〜11の何れか記載のグラウト材組成物。
  13. さらにポリオールのアルキレン(炭素数2〜6)オキサイド付加物(K)、硬化促進剤、接着性付与剤、脱水剤、可塑剤、酸化防止剤及び溶剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含有してなる請求項1〜12の何れか記載のグラウト材組成物。
  14. 請求項1〜13の何れか記載のグラウト材組成物を硬化させてなる硬化物。
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