JP2004217704A - オレフィン共重合体およびその製造方法。 - Google Patents
オレフィン共重合体およびその製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】例えばナイロン等の極性樹脂との相溶性において優れた性能を示すオレフィン共重合体、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体に由来する構成単位が0.01〜20mol%、一般式(I)で表わされるモノマーに由来する構成単位が80〜99.99mol%からなるオレフィン共重合体、
【化1】
(式中、Tは水素または炭素数1から4のアルキル基を示し、Yはメチル基、2重結合含有アルキル基、ハロゲン、芳香族炭化水素基、ハロゲン含有基、窒素含有基または酸素含有基を示す。)および該オレフィン共重合体をラジカル重合によって製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体に由来する構成単位が0.01〜20mol%、一般式(I)で表わされるモノマーに由来する構成単位が80〜99.99mol%からなるオレフィン共重合体、
【化1】
(式中、Tは水素または炭素数1から4のアルキル基を示し、Yはメチル基、2重結合含有アルキル基、ハロゲン、芳香族炭化水素基、ハロゲン含有基、窒素含有基または酸素含有基を示す。)および該オレフィン共重合体をラジカル重合によって製造する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なオレフィン共重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリオレフィンは、成形性、耐熱性、機械的特性、衛生適合性、耐水蒸気透過性などに優れ、成型品の外観が良好であるなどの特長を有することから、押出成型品、中空成型品、射出成型品などに広く使用されている。
しかし、ポリオレフィンは分子中に極性基を含まないため、ナイロン、EVOHなどの極性樹脂との相溶性、極性樹脂や金属との接着性が低く、これらの材料とブレンドして利用したり、積層して利用することが困難であった。また、ポリオレフィンからなる成形体は表面親水性、耐電防止性などに劣っているという問題点もあった。
このような問題を解決するために、従来からポリオレフィンに極性基をラジカル重合反応を利用してグラフト化し、極性物質との親和性を向上させる方法が広く行われている。また、ナイロンを始めとするエンジニアリングプラスチックの分野では、耐衝撃性の改良のために、ポリオレフィンなどをブレンドすることがある。しかし、ポリオレフィンは分子中に極性基を含まず、極性樹脂との相溶性が低いため、やはり上述のような極性基グラフト化によって、極性樹脂との相溶性を向上させる方法が広く行われている。
【0003】
しかし、このようなグラフト化法では、通常グラフト反応と並行してポリオレフィン同士の分子間架橋や分子鎖の切断が起こるため、グラフト重合体と極性樹脂との粘度マッチングが難しく、相溶性が十分でない場合があった。また、分子間架橋によって生成するゲル分や、分子鎖の切断によって生成する目ヤニ(ダイのリップに付着する異物)などによって成形物の外観が悪くなる場合もあった。また、表面親水性、耐電防止性を向上させるために、低分子量の界面活性剤をポリオレフィンに少量添加して成型する方法が行われているが、この方法では、添加した界面活性剤が表面にブリードアウトしてくるため、成形後にフィルム表面が白化する問題が生じる場合があった。また、表面にブリードアウトした界面活性剤は付着した水滴などと流出してしまうため、効果が長期間持続しない問題が発生する場合もあった。
【0004】
特開平1−259012号公報、特開平1−259012号公報、特開平2−51510号公報、特開平2−51511号公報、特開平3−177403号公報には、α−オレフィンと極性基含有モノマーを、Ti触媒やV触媒を用いて共重合する方法が記載されている。このような方法によれば上記のような分子同士の架橋や分子鎖の切断は起きにくくなるが、これらの重合触媒を用いた場合には、重合活性が低い、得られる共重合体の分子量分布が広い、組成分布が広い、インバージョン含量が多いなど、分子構造が不均一、など多くの問題があり、その結果、組成物として利用した場合、接着性、相溶性などが十分発現しない場合があった。また、共重合体を多量に添加しないと接着性、相溶性などの効果が発現しない場合があった。更に、分子量の大きいα−オレフィンをモノマーとして使用できないという問題があった。
極性基を含有するポリオレフィンを製造する方法としてメタロセン触媒を用いる方法も知られている。例えば、OH基含有オレフィンの重合を非架橋シクロペンタジエニル基、架橋および非架橋ビスインデニル基、エチレン架橋無置換インデニル基/フルオレニル基の配位子を有するメタロセン化合物を用いて行うことは、Macromolecules,28,5351(1995);Macromolecules,29,5255(1996);Polymer Preprints,Japan,49(2),215(2000)などで公知である。
【0005】
極性基としてNR2(R=アルキル基)を有するオレフィンを非架橋シクロペンタジエニル基、架橋および非架橋ビスインデニル基、架橋無置換インデニル基/シクロペンタジエニル基の配位子を有するメタロセン化合物を用いて行うことは、Macromolecules,31,2019(1998),Macromolecules,32,14(1999)で公知となっている。
メタロセン化合物以外の有機金属化合物を用いる方法については、Science,287,460(2000)、OCOP2000 at Oslo,Books of Abstracts(C.W.Chien)などで公知である。しかしながら、これらの方法では、重合活性が極めて低いという欠点があった。そのために、極性基を保護基で保護する方法などが行われている。例えば、Macromolecules, 31, 2019 (1998); J.Am.Chem.Soc,114,9679(1992), PolymerPreprints,Japan,49 (2), 209(2000) ,Polymer Preprints,Japan,49(2), 213(2000)などに例示されている。しかし、これらの方法では反応前に保護基を導入し、反応後に保護基を除去しなければならず、操作が煩雑であるという問題があった。
また、Polymer Preprint, Japan, 51,No8, 1556(2002)等において公開されているようなリビングラジカル重合法でもα−オレフィンと極性モノマーを共重合体は得られるが、分子量の大きいα−オレフィンは導入された例は報告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた物性を示すオレフィン共重合体、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達したものである。以下、本発明のオレフィン共重合体およびその製造方法について順次説明する。
【0008】
オレフィン共重合体
本発明のオレフィン共重合体は、片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体に由来する構成単位が0.01〜20mol%、一般式(I)で表わされるモノマーに由来する構成単位が80〜99.99mol%からなる。
【0009】
【化3】
【0010】
上記一般式(I)中、Tは水素または炭素数1から4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を例示できる。Yはメチル基、2重結合含有アルキル基、芳香族炭化水素基、窒素または酸素含有基を示す。具体的には、2重結合含有アルキル基として、ビニル基、ビニリデン基、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素、芳香族炭化水素基としてフェニル基、メチルフェニル基、ビニルフェニル基、ハロゲン含有基としては、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基を例示できる。窒素含有基または酸素含有基としては、ニトリル基、N−アルキル置換アミノ基、N,N’−ジアルキル置換アミノ基、カルボキシル基、炭素数2から10のアルコキシ基、炭素数2から10のアルコキシカルボニル基、炭素数2から10のアシルオキシ基を例示できる。N−アルキル置換アミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基を、N,N−ジアルキル置換アミノ基としては、N,N−ジエチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基を、炭素数2から10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基を、炭素数2から10のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を例示することができる。これらのTとYの組み合わせの中では、Tが水素またはメチル基であり、Yがメチル基、ビニル基、ビニリデン基、ハロゲン、フェニル基、イソブトキシ基、ニトリル基、カルボキシル基またはメトキシカルボニル基の場合が原料入手容易性の点で好ましい。
【0011】
より具体的に言えば、好ましいモノマーとして、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル、イソブチルビニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、塩化ビニルが例示できる。
これらのモノマーは、同時に2種以上を用いることもできる。
【0012】
本発明で使用するエチレン系(共)重合体は、
(a) エチレン単位が81〜100mol%、炭素数3〜10のα−オレフィン単位が 0〜19mol%の範囲にあり
(b) ビニル基数(N)およびビニリデン基数(M)の1000炭素あたりの個数(N+M)が、N+M ≧ 14000/Mw、
(c) ゲルパーミエーション(GPC)で測定した重合体の分子量分布が、1.1≦(Mw/Mn)≦2.5で、分子量(Mw)が500 ≦ Mw ≦ 10000を満たす。
【0013】
本発明で使用するエチレン系(共)重合体は、片末端にビニル基単独、又はビニル基とビニリデン基の双方からなる不飽和結合を含み、エチレン単独、もしくはエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンからなる低分子量(共)重合体である。本発明に用いられる炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上が用いられる。炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、これらの中でも特にプロピレンおよび1−ブテンから選ばれる少なくても1種を用いることが好ましい。
【0014】
本発明に係わる低分子量エチレン系(共)重合体は、エチレン単位が81〜100mol%、好ましくは90〜100mol%、特に好ましくは94〜100mol%である。一方、炭素数3〜10のα−オレフィンは、0〜19mol%、好ましくは0〜10mol%、特に好ましくは0〜6mol%である。
【0015】
本発明に係わるエチレン系(共)重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.1〜2.5であり、好ましくは1.2〜2.5の範囲にある。重量平均分子量(Mw)は、500〜10000の範囲にあり、好ましくは800〜10000、より好ましくは800〜7000である。
【0016】
Mw及びMw/Mnはミリポア社製GPC−150を用い以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロルベンゼン(和光純薬)及び酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは東ソー社製を用いた。
【0017】
本発明に係わるエチレン系(共)重合体のうち、エチレン単独重合で得られる重合体の末端不飽和結合はビニル基のみであり、その数(N)は、1H−NMRで測定され、それらの1000炭素当たりの個数が以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする。
【0018】
【数1】
【0019】
1H−NMRは、サンプル管中で重合体を、ロック溶媒として少量の重水素化ベンゼンを含むオルトジクロルベンゼンに完全に溶解させた後、120℃において測定される。ケミカルシフトは、テトラメチルシランのピークを0ppmとして、他のピークのケミカルシフト値を決定した。
エチレンのみからなる低分子量重合体中の末端不飽和結合は末端ビニル基のみであり、1000炭素あたりのその個数(N)は、1H−NMRによって決定される。該重合体の各水素のピークは、末端の飽和メチル基に基づくピーク(A)が0.65〜0.85ppm、ビニル基に基づくピーク(B)および(C)が各々4.85〜5.0ppmと5.5〜5.8ppm、メチレン基に基づくピーク(D)が0.90〜2.0ppmに観測される。各ピーク(A)、(B)、(C)および(D)のピーク面積を各々SA、SB、SC、SDとすれば、1000炭素あたりの不飽和結合の個数Nは(A)、(B)、(C)、(D)のピークの強度から下記式(2)にて算出される。
【0020】
【数2】
なお、式(2)において、分子は末端ビニル基に基づくピークの面積量を示し、分母は全ての炭素に結合した水素原子に基づくピークの面積量を示す。
【0021】
本発明のエチレン系(共)重合体のうちエチレンとα−オレフィンとからなる共重合体は、不飽和末端としてビニル基とビニリデン基双方を有し、ビニル基数(N)とビニリデン基数(M)の和は、赤外吸収法で測定され、1000炭素当たりのビニル基数(N)及びビニリデン基数(M)が、以下の関係式(3)を満たすことを特徴とする。
【0022】
【数3】
【0023】
上記のようなエチレン系(共)重合体における、ビニル基数およびビニリデン基数の具体的測定法は以下の通りである。
<赤外吸収法(赤外線吸収スペクトル法)>
市販の赤外分光光度計(日本分光社製:DS−702G)を使用し、標準試料を用いて、熱圧延法による厚さ0.15cmから0.25cm程度の固体薄膜を作成し、1000cm−1より850cm−1の間の赤外線吸収スペクトルを測定する。
<ビニル基数の測定方法>
モデル物質として1−アイコセン(炭素数20)を使用し、この物質の面外変角振動が910cm−1にあることを確認する。この吸収帯を利用して、1−アイコセンと不飽和結合を含まないポリエチレンを用いて、あらかじめビニル基数が既知のサンプルの吸光度を測定とサンプルの膜厚を測定し、単位厚さ当たりの吸光度を求める。ビニル基数とこの単位膜厚当たりの吸光度の関係を図示すると、ほぼ直線の検量線が得られる。したがって、この検量線を用いて各種サンプルの単位膜厚当たりの吸光度を測定して、この検量線を用いることで、対応するビニル基数が求められる。
<ビニリデン基数の測定方法>
上記ビニル基数に関する検量線と同様の検量線を作成する。この際のモデル物質は、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンを用いる。吸収帯は、観測される890cm−1を使用する。
【0024】
オレフィン共重合体の製造方法
本発明のオレフィン共重合体は、前記した片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体と、一般式(I)で表わされるモノマーを重合させることによって製造される。
【0025】
【化4】
(式中、Tは水素または炭素数1から4のアルキル基を示し、Yはメチル基、2重結合含有アルキル基、ハロゲン、芳香族炭化水素基、ハロゲン含有基、窒素含有基または酸素含有基を示す。)
【0026】
以下、片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体の製造法、次いで、本発明のオレフィン共重合体の製造方法について述べる。
本発明で使用されるエチレン系(共)重合体は、
(A)遷移金属化合物(II)、遷移金属化合物(III)、遷移金属化合物(IV)から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
(B) (B−1) 有機金属化合物、
(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなるオレフィン重合触媒を用いて、エチレン、もしくはエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンを共重合することによって製造することができる。
【0027】
【化5】
【0028】
上記式(II)中、M1は周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、
kは1〜6の整数を示し、
mは、1〜6の整数を示し、
Aは酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または置換基−R6を有する窒素原子を示し、Dは、窒素原子、リン原子、または置換基−R7を有する炭素原子を示し、
R1〜R7は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合には、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士は互いに同一でも異なっていてもよく、またいずれか一つの配位子に含まれるR1〜R7のうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR1〜R7のうちの1個の基とで結合基または単結合を形成してもよく、またR1〜R7に含まれるヘテロ原子はM1に配位または結合していてもよく、
nは、M1の価数を満たす数であり、
X1は、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
【0029】
【化6】
【0030】
上記式(III)中、Mは周期表8〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して芳香族環、脂肪族環またはヘテロ原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよく、
nはMの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0031】
下記一般式(IV)で示される、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物。
【0032】
【化7】
【0033】
上記式(IV)中、M1 は周期表第4族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的には、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムまたはチタンである。
xは遷移金属原子M1 の原子価であり、遷移金属原子M1 に配位する配位子Lの個数を示す。
Lは遷移金属原子に配位する配位子を示し、少なくとも1個のLはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子または水素原子である。
【0034】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基またはインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを例示することができる。これらの基は、炭素原子数が1〜20の(ハロゲン化)炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0035】
上記一般式(IV)で表される化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、(置換)アルキレン基、(置換)シリレン基などの2価の結合基を介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが挙げられる。
【0036】
炭素原子数が1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基などが挙げられ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基が挙げられる。
【0037】
炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素原子数が1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基が挙げられる。酸素含有基としてはヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などが挙げられる。
【0038】
イオウ含有基としては前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基、ならびにメチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙げられる。
【0039】
ケイ素含有基としてはメチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル;ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0040】
エチレン系(共)重合体および一般式(I)で表されるモノマーの共重合時の仕込みモル比は、通常1/100000〜1000/1、好ましくは1/1000〜100/1である。
【0041】
【化8】
【0042】
本発明のオレフィン共重合体は、公知のあらゆる重合方法によって製造可能であるが、特にラジカル重合によって製造されることが好ましい。
ラジカル重合は、熱や光によって開裂しやすい結合を含む化合物、いわゆる重合開始剤を添加することで行われる。また最近では、重合開始剤と遷移金属錯体を組み合わせたリビングラジカル重合も知られている。
ラジカル重合に用いられる開始剤としては、過酸化ベンゾイル、α,α’‐アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)などの過酸化物系開始剤やアゾ系開始剤を用いることが可能であるがこの限りではない。また、リビングラジカル重合で用いる開始剤および遷移金属錯体としては、現代化学2001年6月号34頁の総説に記載されている下記のものが例示できるがこの限りではない。
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
また、モノマーとして用いるエチレン系共重合体のビニルまたはビニリデン末端に、化学反応によって開始剤となりうる官能基を結合させたモノマーも開始剤或いはそれ自身をモノマーとして使用できる。
【0046】
本発明では、重合は塊状重合、溶液重合、懸濁重合などの液相重合法のいずれにおいても実施できる。
重合する際の開始剤の添加量は、全モノマーの仕込み量の0.00001〜100重量%、好ましくは0.0001〜100重量%である。
また、リビングラジカル重合の際に用いる遷移金属錯体は、通常重合開始剤の0.01mol%〜1000mol%、好ましくは0.1mol%〜500mol%である。
このような製造条件下で、該オレフィン共重合体中のエチレン系(共)重合体の含有量は、モノマーの仕込みモル比によって制御でき、0.01mol%〜20mol%、好ましくは0.01mol%〜15mol%の範囲にある。
【0047】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔合成例1〕
(エチレン重合体の合成)
充分に窒素置換した内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに、ヘプタン500mlを装入し、室温でエチレン100リットル/hrで15分間、液相及び気相を飽和させた。続いて80℃に昇温した後、エチレン8kg/cm2Gに昇圧し、温度を維持した。MMAO(東ソーファインケム社製)のヘキサン溶液(アルミニウム原子換算1.00mmol/ml)0.5ml(0.05mmol)を圧入し、ついで化合物1のトルエン溶液(0.00003mmol/ml)1ml(0.00003mmol)を圧入し、重合を開始した。エチレンガスを連続的に供給しながら圧力を保ち、80℃で15分間重合を行った後、5mlのメタノールを圧入することにより重合を停止した。得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含む3リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたポリエチレンは、11.2gであり、重合活性は1490kg/mmol−Zr・hrであり、Mw=2350、Mw/Mn=1.63、極限粘度[η]は0.12dl/g、片末端ビニル化率=96.0mmol%であった。
【0048】
【化11】
【0049】
〔実施例1〕
十分に窒素置換した内容量500mlのSUS製重合器にアニソール40mlを装入し、窒素を20リットル/時間の量で流通させ、120℃で10分間保持させておいた.これに、合成例1で合成したエチレン重合体5g、アクリル酸ブチル(10ml)を加えた後、窒素の流量を窒素を1リットル/時間に変更し、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)9mgを添加し、重合を開始し、常圧下120℃で4時間重合を行い目的とするポリマーを得た。13C−NMRで解析した結果、得られた重合体中にエチレン重合体が0.5mol%含有されていた。
【0050】
【発明の効果】
本発明にかかるオレフィン共重合体は新規な構造を有し、優れた物性を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なオレフィン共重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリオレフィンは、成形性、耐熱性、機械的特性、衛生適合性、耐水蒸気透過性などに優れ、成型品の外観が良好であるなどの特長を有することから、押出成型品、中空成型品、射出成型品などに広く使用されている。
しかし、ポリオレフィンは分子中に極性基を含まないため、ナイロン、EVOHなどの極性樹脂との相溶性、極性樹脂や金属との接着性が低く、これらの材料とブレンドして利用したり、積層して利用することが困難であった。また、ポリオレフィンからなる成形体は表面親水性、耐電防止性などに劣っているという問題点もあった。
このような問題を解決するために、従来からポリオレフィンに極性基をラジカル重合反応を利用してグラフト化し、極性物質との親和性を向上させる方法が広く行われている。また、ナイロンを始めとするエンジニアリングプラスチックの分野では、耐衝撃性の改良のために、ポリオレフィンなどをブレンドすることがある。しかし、ポリオレフィンは分子中に極性基を含まず、極性樹脂との相溶性が低いため、やはり上述のような極性基グラフト化によって、極性樹脂との相溶性を向上させる方法が広く行われている。
【0003】
しかし、このようなグラフト化法では、通常グラフト反応と並行してポリオレフィン同士の分子間架橋や分子鎖の切断が起こるため、グラフト重合体と極性樹脂との粘度マッチングが難しく、相溶性が十分でない場合があった。また、分子間架橋によって生成するゲル分や、分子鎖の切断によって生成する目ヤニ(ダイのリップに付着する異物)などによって成形物の外観が悪くなる場合もあった。また、表面親水性、耐電防止性を向上させるために、低分子量の界面活性剤をポリオレフィンに少量添加して成型する方法が行われているが、この方法では、添加した界面活性剤が表面にブリードアウトしてくるため、成形後にフィルム表面が白化する問題が生じる場合があった。また、表面にブリードアウトした界面活性剤は付着した水滴などと流出してしまうため、効果が長期間持続しない問題が発生する場合もあった。
【0004】
特開平1−259012号公報、特開平1−259012号公報、特開平2−51510号公報、特開平2−51511号公報、特開平3−177403号公報には、α−オレフィンと極性基含有モノマーを、Ti触媒やV触媒を用いて共重合する方法が記載されている。このような方法によれば上記のような分子同士の架橋や分子鎖の切断は起きにくくなるが、これらの重合触媒を用いた場合には、重合活性が低い、得られる共重合体の分子量分布が広い、組成分布が広い、インバージョン含量が多いなど、分子構造が不均一、など多くの問題があり、その結果、組成物として利用した場合、接着性、相溶性などが十分発現しない場合があった。また、共重合体を多量に添加しないと接着性、相溶性などの効果が発現しない場合があった。更に、分子量の大きいα−オレフィンをモノマーとして使用できないという問題があった。
極性基を含有するポリオレフィンを製造する方法としてメタロセン触媒を用いる方法も知られている。例えば、OH基含有オレフィンの重合を非架橋シクロペンタジエニル基、架橋および非架橋ビスインデニル基、エチレン架橋無置換インデニル基/フルオレニル基の配位子を有するメタロセン化合物を用いて行うことは、Macromolecules,28,5351(1995);Macromolecules,29,5255(1996);Polymer Preprints,Japan,49(2),215(2000)などで公知である。
【0005】
極性基としてNR2(R=アルキル基)を有するオレフィンを非架橋シクロペンタジエニル基、架橋および非架橋ビスインデニル基、架橋無置換インデニル基/シクロペンタジエニル基の配位子を有するメタロセン化合物を用いて行うことは、Macromolecules,31,2019(1998),Macromolecules,32,14(1999)で公知となっている。
メタロセン化合物以外の有機金属化合物を用いる方法については、Science,287,460(2000)、OCOP2000 at Oslo,Books of Abstracts(C.W.Chien)などで公知である。しかしながら、これらの方法では、重合活性が極めて低いという欠点があった。そのために、極性基を保護基で保護する方法などが行われている。例えば、Macromolecules, 31, 2019 (1998); J.Am.Chem.Soc,114,9679(1992), PolymerPreprints,Japan,49 (2), 209(2000) ,Polymer Preprints,Japan,49(2), 213(2000)などに例示されている。しかし、これらの方法では反応前に保護基を導入し、反応後に保護基を除去しなければならず、操作が煩雑であるという問題があった。
また、Polymer Preprint, Japan, 51,No8, 1556(2002)等において公開されているようなリビングラジカル重合法でもα−オレフィンと極性モノマーを共重合体は得られるが、分子量の大きいα−オレフィンは導入された例は報告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた物性を示すオレフィン共重合体、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達したものである。以下、本発明のオレフィン共重合体およびその製造方法について順次説明する。
【0008】
オレフィン共重合体
本発明のオレフィン共重合体は、片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体に由来する構成単位が0.01〜20mol%、一般式(I)で表わされるモノマーに由来する構成単位が80〜99.99mol%からなる。
【0009】
【化3】
【0010】
上記一般式(I)中、Tは水素または炭素数1から4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を例示できる。Yはメチル基、2重結合含有アルキル基、芳香族炭化水素基、窒素または酸素含有基を示す。具体的には、2重結合含有アルキル基として、ビニル基、ビニリデン基、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素、芳香族炭化水素基としてフェニル基、メチルフェニル基、ビニルフェニル基、ハロゲン含有基としては、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基を例示できる。窒素含有基または酸素含有基としては、ニトリル基、N−アルキル置換アミノ基、N,N’−ジアルキル置換アミノ基、カルボキシル基、炭素数2から10のアルコキシ基、炭素数2から10のアルコキシカルボニル基、炭素数2から10のアシルオキシ基を例示できる。N−アルキル置換アミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基を、N,N−ジアルキル置換アミノ基としては、N,N−ジエチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基を、炭素数2から10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基を、炭素数2から10のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を例示することができる。これらのTとYの組み合わせの中では、Tが水素またはメチル基であり、Yがメチル基、ビニル基、ビニリデン基、ハロゲン、フェニル基、イソブトキシ基、ニトリル基、カルボキシル基またはメトキシカルボニル基の場合が原料入手容易性の点で好ましい。
【0011】
より具体的に言えば、好ましいモノマーとして、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル、イソブチルビニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、塩化ビニルが例示できる。
これらのモノマーは、同時に2種以上を用いることもできる。
【0012】
本発明で使用するエチレン系(共)重合体は、
(a) エチレン単位が81〜100mol%、炭素数3〜10のα−オレフィン単位が 0〜19mol%の範囲にあり
(b) ビニル基数(N)およびビニリデン基数(M)の1000炭素あたりの個数(N+M)が、N+M ≧ 14000/Mw、
(c) ゲルパーミエーション(GPC)で測定した重合体の分子量分布が、1.1≦(Mw/Mn)≦2.5で、分子量(Mw)が500 ≦ Mw ≦ 10000を満たす。
【0013】
本発明で使用するエチレン系(共)重合体は、片末端にビニル基単独、又はビニル基とビニリデン基の双方からなる不飽和結合を含み、エチレン単独、もしくはエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンからなる低分子量(共)重合体である。本発明に用いられる炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上が用いられる。炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、これらの中でも特にプロピレンおよび1−ブテンから選ばれる少なくても1種を用いることが好ましい。
【0014】
本発明に係わる低分子量エチレン系(共)重合体は、エチレン単位が81〜100mol%、好ましくは90〜100mol%、特に好ましくは94〜100mol%である。一方、炭素数3〜10のα−オレフィンは、0〜19mol%、好ましくは0〜10mol%、特に好ましくは0〜6mol%である。
【0015】
本発明に係わるエチレン系(共)重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.1〜2.5であり、好ましくは1.2〜2.5の範囲にある。重量平均分子量(Mw)は、500〜10000の範囲にあり、好ましくは800〜10000、より好ましくは800〜7000である。
【0016】
Mw及びMw/Mnはミリポア社製GPC−150を用い以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロルベンゼン(和光純薬)及び酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは東ソー社製を用いた。
【0017】
本発明に係わるエチレン系(共)重合体のうち、エチレン単独重合で得られる重合体の末端不飽和結合はビニル基のみであり、その数(N)は、1H−NMRで測定され、それらの1000炭素当たりの個数が以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする。
【0018】
【数1】
【0019】
1H−NMRは、サンプル管中で重合体を、ロック溶媒として少量の重水素化ベンゼンを含むオルトジクロルベンゼンに完全に溶解させた後、120℃において測定される。ケミカルシフトは、テトラメチルシランのピークを0ppmとして、他のピークのケミカルシフト値を決定した。
エチレンのみからなる低分子量重合体中の末端不飽和結合は末端ビニル基のみであり、1000炭素あたりのその個数(N)は、1H−NMRによって決定される。該重合体の各水素のピークは、末端の飽和メチル基に基づくピーク(A)が0.65〜0.85ppm、ビニル基に基づくピーク(B)および(C)が各々4.85〜5.0ppmと5.5〜5.8ppm、メチレン基に基づくピーク(D)が0.90〜2.0ppmに観測される。各ピーク(A)、(B)、(C)および(D)のピーク面積を各々SA、SB、SC、SDとすれば、1000炭素あたりの不飽和結合の個数Nは(A)、(B)、(C)、(D)のピークの強度から下記式(2)にて算出される。
【0020】
【数2】
なお、式(2)において、分子は末端ビニル基に基づくピークの面積量を示し、分母は全ての炭素に結合した水素原子に基づくピークの面積量を示す。
【0021】
本発明のエチレン系(共)重合体のうちエチレンとα−オレフィンとからなる共重合体は、不飽和末端としてビニル基とビニリデン基双方を有し、ビニル基数(N)とビニリデン基数(M)の和は、赤外吸収法で測定され、1000炭素当たりのビニル基数(N)及びビニリデン基数(M)が、以下の関係式(3)を満たすことを特徴とする。
【0022】
【数3】
【0023】
上記のようなエチレン系(共)重合体における、ビニル基数およびビニリデン基数の具体的測定法は以下の通りである。
<赤外吸収法(赤外線吸収スペクトル法)>
市販の赤外分光光度計(日本分光社製:DS−702G)を使用し、標準試料を用いて、熱圧延法による厚さ0.15cmから0.25cm程度の固体薄膜を作成し、1000cm−1より850cm−1の間の赤外線吸収スペクトルを測定する。
<ビニル基数の測定方法>
モデル物質として1−アイコセン(炭素数20)を使用し、この物質の面外変角振動が910cm−1にあることを確認する。この吸収帯を利用して、1−アイコセンと不飽和結合を含まないポリエチレンを用いて、あらかじめビニル基数が既知のサンプルの吸光度を測定とサンプルの膜厚を測定し、単位厚さ当たりの吸光度を求める。ビニル基数とこの単位膜厚当たりの吸光度の関係を図示すると、ほぼ直線の検量線が得られる。したがって、この検量線を用いて各種サンプルの単位膜厚当たりの吸光度を測定して、この検量線を用いることで、対応するビニル基数が求められる。
<ビニリデン基数の測定方法>
上記ビニル基数に関する検量線と同様の検量線を作成する。この際のモデル物質は、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンを用いる。吸収帯は、観測される890cm−1を使用する。
【0024】
オレフィン共重合体の製造方法
本発明のオレフィン共重合体は、前記した片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体と、一般式(I)で表わされるモノマーを重合させることによって製造される。
【0025】
【化4】
(式中、Tは水素または炭素数1から4のアルキル基を示し、Yはメチル基、2重結合含有アルキル基、ハロゲン、芳香族炭化水素基、ハロゲン含有基、窒素含有基または酸素含有基を示す。)
【0026】
以下、片末端にビニルまたはビニリデン型の不飽和結合を有するエチレン系(共)重合体の製造法、次いで、本発明のオレフィン共重合体の製造方法について述べる。
本発明で使用されるエチレン系(共)重合体は、
(A)遷移金属化合物(II)、遷移金属化合物(III)、遷移金属化合物(IV)から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
(B) (B−1) 有機金属化合物、
(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなるオレフィン重合触媒を用いて、エチレン、もしくはエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンを共重合することによって製造することができる。
【0027】
【化5】
【0028】
上記式(II)中、M1は周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、
kは1〜6の整数を示し、
mは、1〜6の整数を示し、
Aは酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または置換基−R6を有する窒素原子を示し、Dは、窒素原子、リン原子、または置換基−R7を有する炭素原子を示し、
R1〜R7は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合には、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士は互いに同一でも異なっていてもよく、またいずれか一つの配位子に含まれるR1〜R7のうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR1〜R7のうちの1個の基とで結合基または単結合を形成してもよく、またR1〜R7に含まれるヘテロ原子はM1に配位または結合していてもよく、
nは、M1の価数を満たす数であり、
X1は、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
【0029】
【化6】
【0030】
上記式(III)中、Mは周期表8〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して芳香族環、脂肪族環またはヘテロ原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよく、
nはMの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0031】
下記一般式(IV)で示される、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物。
【0032】
【化7】
【0033】
上記式(IV)中、M1 は周期表第4族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的には、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムまたはチタンである。
xは遷移金属原子M1 の原子価であり、遷移金属原子M1 に配位する配位子Lの個数を示す。
Lは遷移金属原子に配位する配位子を示し、少なくとも1個のLはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子または水素原子である。
【0034】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基またはインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを例示することができる。これらの基は、炭素原子数が1〜20の(ハロゲン化)炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0035】
上記一般式(IV)で表される化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、(置換)アルキレン基、(置換)シリレン基などの2価の結合基を介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが挙げられる。
【0036】
炭素原子数が1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基などが挙げられ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基が挙げられる。
【0037】
炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素原子数が1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基が挙げられる。酸素含有基としてはヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などが挙げられる。
【0038】
イオウ含有基としては前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基、ならびにメチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙げられる。
【0039】
ケイ素含有基としてはメチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル;ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0040】
エチレン系(共)重合体および一般式(I)で表されるモノマーの共重合時の仕込みモル比は、通常1/100000〜1000/1、好ましくは1/1000〜100/1である。
【0041】
【化8】
【0042】
本発明のオレフィン共重合体は、公知のあらゆる重合方法によって製造可能であるが、特にラジカル重合によって製造されることが好ましい。
ラジカル重合は、熱や光によって開裂しやすい結合を含む化合物、いわゆる重合開始剤を添加することで行われる。また最近では、重合開始剤と遷移金属錯体を組み合わせたリビングラジカル重合も知られている。
ラジカル重合に用いられる開始剤としては、過酸化ベンゾイル、α,α’‐アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)などの過酸化物系開始剤やアゾ系開始剤を用いることが可能であるがこの限りではない。また、リビングラジカル重合で用いる開始剤および遷移金属錯体としては、現代化学2001年6月号34頁の総説に記載されている下記のものが例示できるがこの限りではない。
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
また、モノマーとして用いるエチレン系共重合体のビニルまたはビニリデン末端に、化学反応によって開始剤となりうる官能基を結合させたモノマーも開始剤或いはそれ自身をモノマーとして使用できる。
【0046】
本発明では、重合は塊状重合、溶液重合、懸濁重合などの液相重合法のいずれにおいても実施できる。
重合する際の開始剤の添加量は、全モノマーの仕込み量の0.00001〜100重量%、好ましくは0.0001〜100重量%である。
また、リビングラジカル重合の際に用いる遷移金属錯体は、通常重合開始剤の0.01mol%〜1000mol%、好ましくは0.1mol%〜500mol%である。
このような製造条件下で、該オレフィン共重合体中のエチレン系(共)重合体の含有量は、モノマーの仕込みモル比によって制御でき、0.01mol%〜20mol%、好ましくは0.01mol%〜15mol%の範囲にある。
【0047】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔合成例1〕
(エチレン重合体の合成)
充分に窒素置換した内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに、ヘプタン500mlを装入し、室温でエチレン100リットル/hrで15分間、液相及び気相を飽和させた。続いて80℃に昇温した後、エチレン8kg/cm2Gに昇圧し、温度を維持した。MMAO(東ソーファインケム社製)のヘキサン溶液(アルミニウム原子換算1.00mmol/ml)0.5ml(0.05mmol)を圧入し、ついで化合物1のトルエン溶液(0.00003mmol/ml)1ml(0.00003mmol)を圧入し、重合を開始した。エチレンガスを連続的に供給しながら圧力を保ち、80℃で15分間重合を行った後、5mlのメタノールを圧入することにより重合を停止した。得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含む3リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたポリエチレンは、11.2gであり、重合活性は1490kg/mmol−Zr・hrであり、Mw=2350、Mw/Mn=1.63、極限粘度[η]は0.12dl/g、片末端ビニル化率=96.0mmol%であった。
【0048】
【化11】
【0049】
〔実施例1〕
十分に窒素置換した内容量500mlのSUS製重合器にアニソール40mlを装入し、窒素を20リットル/時間の量で流通させ、120℃で10分間保持させておいた.これに、合成例1で合成したエチレン重合体5g、アクリル酸ブチル(10ml)を加えた後、窒素の流量を窒素を1リットル/時間に変更し、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)9mgを添加し、重合を開始し、常圧下120℃で4時間重合を行い目的とするポリマーを得た。13C−NMRで解析した結果、得られた重合体中にエチレン重合体が0.5mol%含有されていた。
【0050】
【発明の効果】
本発明にかかるオレフィン共重合体は新規な構造を有し、優れた物性を示す。
Claims (4)
- エチレン系(共)重合体が、
(a) エチレン単位が81〜100mol%、炭素数3〜10のα−オレフィン単位が0〜19mol%の範囲にあり、
(b)ビニル基数(N)およびビニリデン基数(M)の1000炭素あたりの個数(N+M)が、N+M ≧ 14000/Mw を満たし、
(c) ゲルパーミエーション(GPC)で測定した重合体の分子量分布が、1.1≦(Mw/Mn)≦2.5で、分子量(Mw)が 500≦Mw≦10000であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン共重合体。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン共重合体をラジカル重合によって製造するオレフィン共重合体の製造方法。
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JP2003003828A JP2004217704A (ja) | 2003-01-10 | 2003-01-10 | オレフィン共重合体およびその製造方法。 |
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