JP2004217620A - 2−(アルキル)シクロアルケノンの製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2−(アルキル)シクロアルケノンを穏和な条件で効率的に高収率で製造する方法、並びにそれを用いた香料素材や生理活性物質として有用なアルキル(3−オキソ−2−アルキルシクロアルキル)アセテート及び5−アルキル−5−アルカノリドの製法の提供。
【解決手段】 酸触媒を用いて化合物(1)の脱水反応を行い、化合物(1)を基準とする脱水反応転化率が20〜90%まで反応させて、化合物(1)と化合物(3)を含有する混合物を得、次に残存する化合物(1)を脱水反応させつつ、化合物(3)を異性化反応させる、化合物(2)の製法、並びに得られた化合物(2)を用いた化合物(5)及び(6)の製法。
【化1】
Figure 2004217620

【化2】
Figure 2004217620

【化3】
Figure 2004217620

【化4】
Figure 2004217620

【化5】
Figure 2004217620

(nは1又は2、R1及びR2はH、C1-8のアルキル基等、R3はC1-3のアルキル基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は香料素材として有用なジヒドロジャスモン酸メチル、δ−ラクトン等の合成中間体である2−(アルキル)シクロアルケノンの製法、並びにそれを用いた、アルキル(3−オキソ−2−アルキルシクロアルキル)アセテート及び5−アルキル−5−アルカノリドの製法に関する。
従来、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンから2−(アルキル)シクロアルケノンを製造する方法として、例えば特許文献1では、アルドール縮合体にシュウ酸を用いて脱水反応を行った後に臭化水素、塩酸を用いて異性化反応させる方法、あるいは臭化水素、塩化水素を用いて脱水反応とその後の異性化反応を同時に行う方法が記載されている。臭化水素、塩化水素等の強酸では、脱水反応とともに異性化反応まで進行するが、原料である2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンや生成物である2−(アルキル)シクロアルケノンが重合及び分解するので収率の低下が避けられない。
また、前記脱水反応と異性化反応を同時に行う反応に比べ、酸強度の弱いシュウ酸等を用いて脱水反応を行った後で異性化反応を行うような二段階の場合、脱水反応を高転化率まで追い込むと2−(アルキリデン)シクロアルカノンの重合及び分解により収率が低下する場合があった。
また、特許文献2では、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンにアミンとハロゲン化水素からなる触媒を作用させて、脱水反応と異性化反応を同時に行う方法が記載されているが、工業生産においては、異性化反応を効率的に行える温度が80℃から200℃であり、この温度を維持しながら脱水反応と異性化反応を同時に行うには、加熱負荷が大きく、非常に大きな熱交換器が必要となり、より穏和な条件で効率的に2−(アルキル)シクロアルケノンを得る方法が望まれていた。
特開昭56−147740号公報 特開2001−328965号公報
本発明の課題は、2−(アルキル)シクロアルケノンを穏和な条件で効率的に高収率で製造する方法、並びにそれを用いた香料素材や生理活性物質として有用なアルキル(3−オキソ−2−アルキルシクロアルキル)アセテート及び5−アルキル−5−アルカノリドの製法を提供することにある。
本発明は、式(1)
Figure 2004217620
(式中、nは1又は2の整数、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示すか、あるいはR1とR2が一緒になって隣接する炭素原子と共にシクロペンタン環もしくはシクロヘキサン環を形成してもよい。)
で表される2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノン(以下化合物(1)という)を原料とし、次の脱水工程の後に異性化工程を行う、式(2)
Figure 2004217620
(式中、n、R1及びR2は前記の意味を示す。)
で表される2−(アルキル)シクロアルケノン(以下化合物(2)という)の製法を提供する。
脱水工程:酸触媒を用い、化合物(1)を基準とする脱水反応転化率が20〜90%まで反応させて、化合物(1)と式(3)
Figure 2004217620
(式中、n、R1及びR2は前記の意味を示す。)
で表される2−(アルキリデン)シクロアルカノン(以下化合物(3)という)を含有する混合物を得る工程。
異性化工程:残存する化合物(1)を脱水反応させつつ、化合物(3)を異性化反応させる工程。
また、本発明は、上記製法で得られた化合物(2)を、式(4)
Figure 2004217620
(式中、R3は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、2個のR3は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるマロン酸ジエステル(以下化合物(4)という)と反応させ、次いで水を反応させる、式(5)
Figure 2004217620
(式中、n、R1、R2及びR3は前記の意味を示す。)
で表されるアルキル(3−オキソ−2−アルキルシクロアルキル)アセテート(以下化合物(5)という)の製法、並びに上記製法で得られた化合物(2)を水素還元させた後、バイヤービリガー酸化させる、式(6)で表される5−アルキル−5−アルカノリド(以下化合物(6)という)の製法を提供する。
Figure 2004217620
(式中、n、R1及びR2は前記の意味を示す。)
本発明の方法によれば、高収率かつ高生産性で2−(アルキル)シクロアルケノンを製造することができる。更に、得られた2−(アルキル)シクロアルケノンを用い、香料素材や生理活性物質として有用なアルキル(3−オキソ−2−アルキルシクロアルキル)アセテート及び5−アルキル−5−アルカノリドを高収率、高純度で製造することができる。
[化合物(2)の製法]
本発明の原料として用いられる、化合物(1)において、1−ヒドロキシアルキル基を構成するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。
この化合物(1)は、一般的に公知の方法により製造でき、例えば炭素数5又は6のシクロアルカノンと、式(7)
Figure 2004217620
(式中、R1及びR2は前記の意味を示す。)
で表されるアルデヒド又はケトンを反応させることにより得ることができる。本発明では、このような方法で得られる化合物(1)を蒸留せずにそのまま用いることもできるが、酸触媒の活性が低下する場合は蒸留精製して使用してもよい。
本発明の脱水工程において、脱水反応の触媒としては、酸触媒、好ましくはpKaが0以上、更に好ましくは0.5〜7の酸触媒が用いられる。さらに、触媒の形態は均一触媒でも固体触媒でもよい。これらの内、リン酸、縮合リン酸、シュウ酸、硫酸が好ましく、リン酸、縮合リン酸、硫酸がさらに好ましい。
触媒使用量は、反応性、経済性の面から原料である化合物(1)に対して0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%が更に好ましく、0.5〜10重量%が特に好ましい。
本発明の脱水工程においては、脱水反応転化率が低すぎると、異性化工程で行う脱水反応に伴う熱負荷が増大し、効率的に異性化反応を行える温度(80〜200℃)を維持することが困難となり、また、脱水反応転化率が高すぎると原料の化合物(1)や脱水反応生成物の化合物(3)が重合及び分解し、収率の低下を招くので、脱水反応転化率は20〜90%が好ましく、40〜90%がより好ましく、50〜80%が特に好ましい。ここで、脱水反応転化率は、以下の式(I)で定義される値である。
Figure 2004217620
脱水工程の反応温度は、反応を短時間で終わらせ、化合物(3)の重合及び分解を防いで収率の低下を防ぐ観点から、70〜150℃が好ましく、90〜120℃が更に好ましい。また、反応圧力は、常圧でも反応は進行するが、生成する水を効率的に系外へ留去させ、原料及び反応生成物を留出させないで効率的に反応させるために、20〜80kPaの減圧下で反応することが好ましい。
本発明の異性化工程においては、脱水反応終了物中に酸触媒が残存している場合は、異性化反応触媒の活性を低下させることがあるので中和することが好ましい。また、異性化反応は、既知の方法を用いることができ、例えば特開2001−328965号公報に記載されているように、化合物(1)と化合物(3)を含有する混合物に、アミンとハロゲン化水素からなる触媒を作用させて、脱水反応と異性化反応を同時に行うと、高収率で化合物(2)を得ることができるので好ましい。
ここで用いるアミンとしては、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、ポリビニルピリジン等の芳香族アミン又は複素芳香環アミンが好ましく、特にピリジン、ピコリン及びキノリンが好ましい。ハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素又はヨウ化水素等が挙げられ、特に塩化水素又は臭化水素が好ましい。アミンとハロゲン化水素とのモル比は、アミン/ハロゲン化水素(モル比)=1.1/1〜5/1が好ましい。
反応は、アルコール溶媒中又は無溶媒下で行うのが好ましい。アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、1,8−オクタンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、炭素数1〜8の低級アルコール類が特に好ましい。反応温度は80〜200℃、特に100〜180℃が好ましい。
[化合物(5)の製法]
上記製法で得られた化合物(2)を原料とし、例えば特開昭56−147740号公報に記載の方法により香料素材や生理活性剤として有用な化合物(5)を得ることができる。
具体的には、化合物(2)と化合物(4)とを塩基性触媒存在下に反応させ、式(8)で表される化合物(以下化合物(8)という)を得る。
Figure 2004217620
(式中、n、R1、R2及びR3は前記の意味を示す。)
化合物(2)に対して化合物(4)を、好ましくは1〜5モル倍、更に好ましくは1.2〜2モル倍の割合で反応させる。
塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げられる。触媒の使用量は化合物(2)に対して0.02〜0.2モル倍が好ましい。溶媒としてはアルコール類等の極性溶媒が好ましい。反応温度は−10〜30℃の範囲が好ましく、0〜20℃の範囲が更に好ましい。
次に、得られた化合物(8)と水とを反応させることにより、化合物(5)を製造することができる。水は、化合物(8)に対して1〜3モル倍量を反応系中に滴下しながら反応させることが好ましい。反応温度は150〜220℃の範囲が好ましい。
[化合物(6)の製造法]
上記製法で得られた化合物(2)を原料とし、既知の一般的な方法により、香料素材や生理活性剤として有用な化合物(6)を得ることができる。
例えば、化合物(2)を、Pd/C等の触媒存在下で水素還元させ、式(9)
Figure 2004217620
(式中、n、R1及びR2は前記の意味を示す。)
で表される化合物(以下化合物(9)という)を得る。
得られた化合物(9)を、例えば特開平9−104681号公報に記載されているように、過酢酸等を酸化剤として用い、バイヤービリガー(Baeyer-Villiger)酸化させて、化合物(6)を得ることができる。
以下の例において、生成物の定量はガスクロマトグラフィーによる内部標準法(内標は、脱水反応ではカルビトール、異性化反応ではウンデカンを使用)により行った。また、脱水反応収率は式(II)で定義され、異性化反応収率は式(III)で定義される。
Figure 2004217620
製造例1
滴下槽を備えた6m3の反応槽に、シクロペンタノン2241kg(26.6kmol)、水1007kg、48%NaOH11kgを仕込み、撹拌しながら15℃に冷却した後、同温度でバレルアルデヒド985kg(11.4kmol)を5時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間撹拌した。反応終了後、中和し、過剰のシクロペンタノンを蒸留回収した後、有機層を分析した結果、反応終了品1868kg中には、2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノンが1658kg、2−ペンチリデンシクロペンタノンが40kg含まれていることがわかった。
実施例1
単蒸留塔を備えた6m3の反応器に、製造例1と同様にして得られた2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン1677kg(9.8kmol)、2−ペンチリデンシクロペンタノン52kg(0.3kmol)を含む液状有機物1893kgに、105%リン酸触媒17kgを加え、100℃、40kPaになるように加熱し混合した。1.5時間反応させた後室温まで冷却し、反応終了物を分析すると、未反応の2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノンが464.5kg(2.7kmol)、脱水物の2−ペンチリデンシクロペンタノンが1058.2kg(7.0kmol)含まれていた。脱水反応転化率は72.3%、脱水反応収率は95.0%であった。
この反応終了物の一部を48%NaOHで中和し、有機層を300.2g取り出し、脱水管を備えた1000mlの4つ口フラスコに2−エチルヘキサノール300.0gと3−ピコリン17.4gと35%塩酸17.7gの混合液を仕込み、140℃に昇温したところに、2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で5時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、有機層を分析した結果、反応終了品中には、2−ペンチル−2−シクロペンテノンが198.5g含まれていることがわかった。異性化反応収率は78.6%であった。脱水反応収率と異性化反応収率をかけた総合収率は74.7%であった。
実施例2
単蒸留塔を備えた2Lの反応器に、製造例1と同様にして得られた2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン860.2g(5.05mol)、2−ペンチリデンシクロペンタノン32.0g(0.21mol)を含む液状有機物1000gに、105%リン酸触媒8.7gを加え、100℃、40kPaになるように加熱し混合した。0.5時間反応させた後室温まで冷却し、反応終了物を分析すると、未反応の2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノンが390.6g(2.29mol)、脱水物の2−ペンチリデンシクロペンタノンが426.3g(2.80mol)含まれていた。脱水反応転化率は54.6%、脱水反応収率は96.8%であった。
この反応終了物の一部を48%NaOHで中和し、有機層を100g取り出し、脱水管を備えた1000mlの4つ口フラスコに2−エチルヘキサノール100gと3−ピコリン5.3gと35%塩酸5.4gの混合液を仕込み、140℃に昇温したところに、2時間かけて滴下する。滴下終了後、同温度で4時間加熱撹拌する。反応終了後、室温まで冷却し、有機層を分析すると、反応終了品中には、2−ペンチル−2−シクロペンテノンが63.5g含まれており、異性化反応収率は80%、脱水反応収率と異性化反応収率をかけた総合収率は77%である。
比較例1
実施例1と同様の反応器に、製造例1と同様にして得られた2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン1361kg(8.0kmol)、2−ペンチリデンシクロペンタノン65kg(0.4kmol)を含む液状有機物1791kgに、105%リン酸触媒14kgを加え、100℃、40kPaになるように加熱し混合した。4時間反応させた後室温まで冷却し、反応終了物を分析すると、未反応の2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノンが19kg(0.1kmol)、脱水物の2−ペンチリデンシクロペンタノンが1128kg(7.4kmol)含まれていた。脱水反応転化率は98.6%、脱水反応収率は89.4%であった。
この反応終了物の一部を48%NaOHで中和し、有機層を1551kg取り出し、単蒸留塔を備えた6m3の反応器に2−エチルヘキサノール1551kgと3−ピコリン76kgと35%塩酸84kgの混合液を仕込み、140℃に昇温したところに、1.8時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で5時間加熱撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、有機層を分析した結果、反応終了品中には、2−ペンチル−2−シクロペンテノンが811kg含まれていることがわかった。異性化反応収率は71.9%であった。脱水反応収率と異性化反応収率をかけた総合収率は64.2%であった。
実施例3
実施例1と同様に合成して得られた反応終了品を精留し、2−ペンチル−2−シクロペンテノンを190g(1.2mol)得た。さらに、窒素雰囲気下にてマロン酸ジメチル236g(1.8mol)を無水メタノール76gに溶解し、0℃に冷却して、ナトリウムメトキシド(30%メタノール溶液)12.9g(0.072mol)を添加したものに、上記で得られた2−ペンチル−2−シクロペンテノン190g(1.2mol)を0℃で、2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間撹拌した。未反応のマロン酸ジメチルを減圧留去し、320gのマイケル付加物を得た。
蒸留留出管をつけた反応装置に、上記で得られたマイケル付加物を加え、215℃に加熱し、水を6.4g/h(2%/h)の速度で滴下した。発生する二酸化炭素とメタノールを留出させながら、215℃で、4時間滴下反応を行った。反応終了後、粗生成物251g中に、3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチル酢酸メチル245gを得た。
粗生成物を精留して得られた3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチル酢酸メチルは、フルーティでジャスミン様の香気を有しており、香料素材としても優れたものであった。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 2004217620
    (式中、nは1又は2の整数、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示すか、あるいはR1とR2が一緒になって隣接する炭素原子と共にシクロペンタン環もしくはシクロヘキサン環を形成してもよい。)
    で表される2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノン(以下化合物(1)という)を原料とし、次の脱水工程の後に異性化工程を行う、式(2)
    Figure 2004217620
    (式中、n、R1及びR2は前記の意味を示す。)
    で表される2−(アルキル)シクロアルケノンの製法。
    脱水工程:酸触媒を用い、化合物(1)を基準とする脱水反応転化率が20〜90%まで反応させて、化合物(1)と式(3)
    Figure 2004217620
    (式中、n、R1及びR2は前記の意味を示す。)
    で表される2−(アルキリデン)シクロアルカノン(以下化合物(3)という)を含有する混合物を得る工程。
    異性化工程:残存する化合物(1)を脱水反応させつつ、化合物(3)を異性化反応させる工程。
  2. 脱水工程で用いる酸触媒のpKa(水溶液中の酸解離指数)が0以上である請求項1記載の製法。
  3. 脱水工程で用いる酸触媒が、リン酸、縮合リン酸及び硫酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の製法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の製法で得られた2−(アルキル)シクロアルケノンを、式(4)
    Figure 2004217620
    (式中、R3は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、2個のR3は同一でも異なっていてもよい。)
    で表されるマロン酸ジエステルと反応させ、次いで水を反応させる、式(5)
    Figure 2004217620
    (式中、n、R1、R2及びR3は前記の意味を示す。)
    で表されるアルキル(3−オキソ−2−アルキルシクロアルキル)アセテートの製法。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載の製法で得られた2−(アルキル)シクロアルケノンを水素還元させた後、バイヤービリガー酸化させる、式(6)で表される5−アルキル−5−アルカノリドの製法。
    Figure 2004217620
    (式中、n、R1及びR2は前記の意味を示す。)
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